○丸川珠代君 できれば
支援を拡充していただきたいと思います。そのために
財源を見付けて、そのために使っていただきたいと思います。
そして、総
報酬割の
導入によりまして確かに
健保組合三分の二は
負担増になって、三分の一は
負担が軽くなるというのがありますが、これ、その組合健保の中を見ますと、つまり加入者の割に
報酬が高いところ三分の二において、つまり
負担がぎゅっと寄せていかれる、集中していかれるということにほかならないというふうに思うわけです。確かに、組合健保、積立金四兆円ありますけれども、単年度の給付であるとか拠出金が六兆一千億円ですから、別にべらぼうに余力があるというわけではないというふうに私は認識をしております。
組合健保の中の三分の一は
負担が軽くなって、その分の
負担が三分の二の組合健保に行くと、これは強いところにより
負担をしてもらうということでありますけれども、強いところも非常に苦しい
状況にある。極端な
負担の集中というのは、今成長力がある、今我々が何とか頼りにして税金払っていただかなければという企業にも
負担をますます掛けて成長力を奪うということにもなりかねないということをまず一点御認識をいただきたいと思います。
あわせて、この
負担の増加というのは、
雇用の減少に非常に影響を与えるということについても認識を持っていただきたいと思います。というのは、今成長力のある強い企業、
海外でも勝負できる企業というのは、この国の税金の
負担、年金の
負担、社会
保険料の
負担あるいは為替、あるいはこの日本の構造的な需要減、人口減少、こういったものによりまして
海外に本社も移転するというようなことを真剣に
考え始めています。とりわけ、社会
保険料の
負担というのは、売上げに関係なく確実に
負担が伸びていくことはもう見えているわけであります。
そうすると、今ITであるとか環境などのビジネスで、ベンチャーでこれから伸びていこうという伸び盛りの中堅企業というのは、日本に本社を置いていく
理由は何があるのかと言ってアジアに出ていくこと、これ当然だというふうに
考えているわけであります。これ、取りも直さず日本の
雇用が、あるいは日本の成長力がこうした社会
保険料の
負担によって流れ出しているということにほかなりません。
まだ今までは大企業も、日本人の
雇用を生むのが当然だという日の丸精神がありましたから、日本に、例えば研究開発拠点、RアンドDの拠点であるとか基幹工場を日本に置いていました。ところが、これも限界に近づいてきたと。RアンドD、その拠点あるいは基幹工場も大消費地の近くにあった方がいいんじゃないか、物づくりも地産地消でいいんじゃないかという方向に流れてきている。
このまま行くと本当に私は日本の
雇用が危機に直面する、大変な格差の中でむしろ仕事に就きたくても就けない
人たちの
雇用がますます日本から失われていくのではないかということを非常に強く
懸念をしております。
申し訳ないんですが、こちらを見ていただけますか。済みません、まだ質問を続けさせていただきたいと思います、大事な話なので聞いていただきたいんですけれども。
雇用が日本から流れ出していくということについて、
厚生労働省は
雇用と社会
保険料が
一つの屋根の下に入っている役所であるんですね。ですから、この社会
保険料の
負担というものが
雇用に与える影響というものを自分たちの手元でしっかりよく
考えていただいて、
雇用を生むということにもしっかり重点を置いていただきたいと思います。そして、なぜ
雇用が生まれないのかという根本的な原因から決して目をそらさないで、どうやったら中小企業でも日本に
雇用を生むことができるのか、あるいは大企業が日本に
雇用を生むことができるのかというのを
社会保障負担の構造を見直すことによってしっかり
考えていただきたいというふうに思います。
そういう
意味で、今
衆議院の方で
議論に入りつつある派遣法の
改正については一点どうしても申し上げたいことがありますので、申し上げておきます。
この派遣法の
改正は、賛成派にとってもあるいは反対派にとってもこれは非常に、
部分的な禁止によってますますグレーゾーンが大きくなってしまって問題だという
指摘がされていることは御承知のことだと思います。
反対派は、これ、常用
雇用については
製造派遣も認めるというのが抜け穴になるというふうにおっしゃっている。つまり、常用
雇用の
製造派遣を禁止したところで幾らでも抜け穴ができるんじゃないかという
指摘をしておりますし、また賛成派は、逆にこういう一
部分常用
雇用を認めるというようなやり方をして派遣全体を禁止するならば、グレーゾーン、職業紹介であるとか請負とかで法律すれすれの、実際は派遣をやっているんだけれども職業紹介と名のっているというような中で、ますます労働者の権利が守られないような、そういう働き方というのが新たに、もう実際に生まれつつあるんですけど、そういうところに本当に目を向けているのかというような
指摘をしているわけでありまして、どうしてもこれ職業紹介だけでは派遣そのものを代替することというのはできないと、現場の人は口をそろえて言っています。
労働者の需給調整は何で派遣がいいのかといえば、それは、その人の特性を会社がちゃんと見て、この人ならこういうところに行ってもいいんじゃないか、ああいうところに行ってもいいんじゃないといったサポートもする、
製造業の派遣なんかの場合には、朝起こして現場に連れていくというようなことまですることもあると。そういうようなサポートが有料職業紹介に比べるとすごくきっちりしているんだと。有料職業紹介になると、どうしてもその時その時の関係になってしまって、逆に、雇われている人の権利というのが守られる、つまり間に入ってその派遣先と交渉をしてくれるところがなくなってしまうんだというような、そういう
懸念も非常に大きいということを言っているわけであります。
なので、この一方的な、一面的なその派遣の側面しか見ていないこの規制の在り方というのは、本当によく現場をもう一度見直して、新たなグレーゾーンを生まないような規制というのは一体何なのかということをよくお
考えをいただきたいと思います。
済みません、少し派遣の話が長くなりましたけれども、続けて今度は
国民健康
保険と地方
財政についてお伺いをしてまいりたいと思います。
国民健康
保険の
財政というのは、これも非常に厳しい
状況になってきておりまして、一般会計からの繰入れ、地方自治体の一般会計からの繰入れというのが恒常化をしております。これもしかも法定外の繰入れのことを私申し上げているわけでありますが、この法定外の繰入れは、ここ十年間、毎年大体三千二百億円から三千八百億円超のところをずっと行き来をしているわけであります。もう定常的にこれだけの金額が法定外で繰入れをされているわけであります。
ここで改めて国保
財源の構成というのは法律でどのように定められているかというのをお伺いしたいと思います。法律の七十条、七十二条、七十二条の二に定められているわけでありますけれども、お答えをいただけますでしょうか。