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森田高君 ありがとうございます。
資料十八に戻るんですが、一本化ということであれば、
日本の近いところに先輩の国があります。韓国と台湾が一九九〇年代後半以降、強烈なリーダーシップの下に一元化を図ったということが知られています。このやり方がいいかどうかは分かりません。
日本には政
務官がおっしゃられたように三千五百の
保険者組合がありますから、こういったものをトップダウンでまとめていくということには相当のやっぱりあつれきも発生するでしょうし、
議論がまだまだ丁寧に必要な部分はあると思います。
ただ、
保険というものはやっぱり大数の法則が基本的に働きますから、まず規模が大きいほど安定するというのは
一つこれは真理であります。そして、後期高齢者医療制度のことも考えても、高齢者には
保険数理上の収支相等は不可能であると、これもまた真理であろうと思います。
そういう中で、税財源も付与しながら一本化をしていくということは、非常にこれは理にかなった話ではありますし、
世界の趨勢としてはこういう方向に高齢化が進めば進むほど収束していくということが当然に予想されるわけでありますので、これは十八の
資料で東京医科歯科大学の教授の川渕先生が一元化というものに関してはかなり絶賛する記事を書かれていたときも、これは
平成二十年の新聞ですけれども、あったわけでありますので、是非この
辺りもリーダーシップということを強く打ち出しながらお進めいただければなというふうに思います。
まだ少し時間が残っておりますので、中期財政フレームに関する話、その中で社会保障がどう扱われるかという話に関して、少し
大臣のお気持ちをお伺いしたいなと思います。
四月二十日の閣議前に、中期的な財政運営に関する閣僚
委員会が開かれたわけであります。この際のメンバーは首相を筆頭に様々な閣僚の方が入っておられるわけですが、なぜか、私がいただいた
資料の中には長
妻昭厚生労働大臣の名前はありませんでした。
その中で、論点整理のポ
イントという
ペーパーが、我が党の代表を通じて
自分もこの紙をいただいたわけなんですが、すごく片仮名が多いなと。プルーデントな経済見通しを前提として、財政ルールへの強いコミットメントを確保する。何を言っているかよく分からぬですね、これ。何人が書いた文章なんだろうと思うわけですよ。ゴール、マイルストーンとかいって、目標とか普通に書けばいいと思うんですよね。
そういう中で、何が書いてあるかということが大事なんですけれども、トップダウン、ペイ・アズ・ユー・ゴー、縮減ルール、中期財政フレーム、マクロの総枠の拘束力とミクロの配分の弾力性、ちょっとなかなかこれ抽象的で分からないんですが、非常に重要なキーワードとしてペイ・アズ・ユー・ゴーという言葉があります。そしてもう一点、社会保障を含む
政策的経費についての恒久的な歳出増は恒久的な歳出削減又は税制措置によって賄うということを検討すべきと。これは真意がまだ十分伝わってこない、直接やり取りしたわけではありませんから、なんですが、要するに、恒久的な歳出削減、社会保障に関するものというものを視野に入れる、又はそれが嫌なら増税措置を考えるというふうにも読めるわけですね。
こういう文章を見ると、真っ先に二〇〇六の骨太の方針というものを想起するわけですけれども、何か書き方というのは骨太二〇〇六よりもラディカルになっているんじゃないのかなというおそれを抱くわけです。民主党中心の今の政権ができたわけですけれども、当時のやっぱり世論というのは、小泉さんや竹中さんがやり過ぎた、市場原理主義を、その中で生活の基盤なり社会保障がかなり機能しづらくなったと、それに対する
国民の怒りというものが
一つの結果につながったんではないのかなと私は思っております。
そういう中で、骨太二〇〇六よりもある
意味ラディカルかもしれないような財政フレームが進められるようなことがあってしまうと、これは
国民の期待というものが、本当に今でさえ厳しい
状況ですが、更にこれはもう失墜するということは火を見るより明らかだと思います。そこを逆に、命を守る政治ということを打ち出した鳩山政権ですから、余り安易にペイ・アズ・ユー・ゴーなどという言葉を社会保障の
分野において使っていくべきでは私はないと思います。
この
分野においては長
妻大臣のリーダーシップが極めて重要になってくると思うんですね。財務
大臣ともこれは真っ向から闘ってもらう必要が出てくるかもしれない。これは長妻さんのために闘うわけじゃなくて、
国民のために長妻さんが闘うということになってくると僕は思いますが、これから六月ごろまでですか、この
議論が続いて一定の結論が誘導されるということですが、結論ありきではないと
自分たちは信じたいわけです。
大臣の今の御決意、御
所見をいただければと思います。