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国務大臣(
小沢鋭仁君) ただいま議題となりました
廃棄物の処理及び清掃に関する
法律の一部を
改正する
法律案につきまして、その提案の理由及び内容の概要を御
説明申し上げます。
廃棄物の処理及び清掃に関する
法律につきましては、これまで不適正処理対策を内容とする
規制の
強化を行ってきたところですが、巧妙かつ悪質な不適正処理は依然として後を絶たず、また、
廃棄物処理に対する不信感から
廃棄物処理施設の立地が進まないといった悪循環が依然として根強く残っております。一方で、
廃棄物の再生利用が進んできているものの、
排出抑制や焼却する際の熱回収は不十分な
状況にあります。不適正処理の悪循環を早急に断ち切ることにより、
廃棄物処理に対する国民の信頼を回復しつつ、長期的な
廃棄物の適正処理体制を構築することは、循環型社会づくりを進める上で不可欠です。これらの課題に対処するため、本
法律案を提出した次第であります。
次に、本
法律案の主な内容につきまして御
説明申し上げます。
第一に、
廃棄物を
排出する
事業者による適正な処理を確保するための対策の
強化についてであります。
排出事業者による不適正保管を未然に防止するため、産業
廃棄物を
排出する
事業者は、事業場の外において当該産業
廃棄物の保管を行おうとするときは、あらかじめ都道府県知事に届け出なければならないこととしております。また、不法投棄の
件数で約七割、量では約九割を占める建設系
廃棄物について、事業形態が重層化、複雑化し、処理責任の所在が不明確になっている建設業の実態にかんがみ、元請
業者を一元的に
排出事業者とすることとしております。
第二に、
廃棄物処理施設の維持管理対策の
強化についてであります。
廃棄物処理施設の適正な維持管理を確保し、施設に対する住民の信頼を醸成するため、
廃棄物処理施設に対し、都道府県知事の定期検査、及び施設の維持管理情報についてインターネット等による公表を
義務付けることとしております。また、許可を取り消された最終処分場について、その許可を取り消された者に対し引き続き維持管理を
義務付けるとともに、当該維持管理を行う者及び維持管理の代執行を行った都道府県知事は、その最終処分場に係る維持管理積立金を取り戻すことができることとしております。
第三に、不法投棄等に対する
罰則の
強化についてであります。
不法投棄等の不適正処理の未然防止と被害の拡大防止を図るため、法人の従業員等が不法投棄等を行った場合の法人に対する
罰則を三億円以下の罰金に引き上げるとともに、
立入検査の
対象を土地所有者その他の関係者、車両その他の場所にまで、措置命令の
対象を
基準に
違反した収集運搬、保管にまで、それぞれ拡大することとしております。
第四に、
廃棄物処理業の優良化の推進についてであります。
産業
廃棄物処理
業者の優良化を促進するため、その許可の更新期間について、許可を受けた者の事業の実施能力及び実績を勘案したものとすることができることとしております。また、
廃棄物処理業等の許可の欠格要件について、
廃棄物処理
業者等が特に悪質な
違反を犯して許可を取り消された場合を除き、その役員が役員を兼務する他の
廃棄物処理
業者等に許可の取消しが連鎖しないよう措置することとしております。
第五に、適正な循環的利用の確保についてであります。
廃棄物焼却時の熱利用を促進するため、
廃棄物の焼却時に一定
基準以上の熱回収を行う者についての認定制度を設けることとしております。また、発展途上国では適正処理が困難であるが我が国では処理可能な
廃棄物の輸入を可能とするため、輸入をすることができる者に、国内で処理することに相当の理由があると認められる国外
廃棄物を委託して処分しようとする者を追加することとしております。
以上が本
法律案の提案の理由及びその内容の概要であります。
何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。
以上であります。