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2010-05-27 第174回国会 参議院 外交防衛委員会 第18号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成二十二年五月二十七日(木曜日)    午前十時開会     ─────────────    委員異動  五月二十日     辞任         補欠選任      徳永 久志君     足立 信也君      牧山ひろえ君     犬塚 直史君      西田 昌司君     小泉 昭男君      丸川 珠代君     岡田 直樹君  五月二十一日     辞任         補欠選任      足立 信也君     徳永 久志君      小泉 昭男君     西田 昌司君      丸山 和也君     島尻安伊子君  五月二十四日     辞任         補欠選任      大石 尚子君     金子 洋一君      徳永 久志君     藤末 健三君  五月二十五日     辞任         補欠選任      金子 洋一君     大石 尚子君      藤末 健三君     徳永 久志君  五月二十六日     辞任         補欠選任      佐藤 正久君     丸川 珠代君  五月二十七日     辞任         補欠選任      丸川 珠代君     佐藤 正久君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         田中 直紀君     理 事                 佐藤 公治君                 山根 隆治君                 佐藤 正久君                 山本 一太君     委 員                 犬塚 直史君                 大石 尚子君                 北澤 俊美君                 榛葉賀津也君                 徳永 久志君                 西田 昌司君                 丸川 珠代君                 浜田 昌良君                 山口那津男君                 井上 哲士君                 山内 徳信君    国務大臣        外務大臣     岡田 克也君        防衛大臣     北澤 俊美君    内閣官房長官        内閣官房長官  松野 頼久君    副大臣        法務副大臣    加藤 公一君        防衛大臣    榛葉賀津也君    大臣政務官        外務大臣政務官  吉良 州司君        防衛大臣政務官  楠田 大蔵君        防衛大臣政務官  長島 昭久君    事務局側        常任委員会専門        員        堀田 光明君    政府参考人        内閣大臣官房        審議官      武川 恵子君        外務省北米局長  梅本 和義君        環境省総合環境        政策局長     白石 順一君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○政府参考人出席要求に関する件 ○防衛省設置法及び自衛隊法の一部を改正する法  律案内閣提出衆議院送付) ○理事補欠選任の件     ─────────────
  2. 田中直紀

    委員長田中直紀君) ただいまから外交防衛委員会を開会いたします。  委員異動について御報告いたします。  去る二十一日までに、丸川珠代君、牧山ひろえ君及び丸山和也君が委員辞任され、その補欠として岡田直樹君、犬塚直史君及び島尻安伊子君が選任されました。  また、昨日、佐藤正久君が委員辞任され、その補欠として丸川珠代君が選任されました。     ─────────────
  3. 田中直紀

    委員長田中直紀君) 政府参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  防衛省設置法及び自衛隊法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として内閣大臣官房審議官武川恵子君外二名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 田中直紀

    委員長田中直紀君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  5. 田中直紀

    委員長田中直紀君) 防衛省設置法及び自衛隊法の一部を改正する法律案を議題といたします。  本案の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。
  6. 山本一太

    山本一太君 まず、北澤防衛大臣、大変厳しい日程の中で、米国出張お疲れさまでした。恐らく今日、今朝成田空港に着いて、この委員会に直行されたということだと思いますが、まず一言御慰労だけは申し上げておきたいと思います。  さて、まず、防衛省設置法及び自衛隊法改正案の方なんですけれども、ちょっと今内容を見ているんですが、この法案については私は賛成です。賛成なんですが、一点だけちょっと気になることがありまして、それだけ防衛大臣にお聞きをしたいと思っているんですけれども、それは、自衛官定員と、それから実員増の話なんですね。  この法改正、今見ますと、自衛官定員は辛うじて現状維持ということになっています。他方、この実員増要求、これはたしか昨年の事業仕分で見送られたと、そういう記憶がありますが、実は、自衛官充足率というのは低下をしているというふうに認識をしています。この資料によれば、大体三つの自衛隊で約一万八千人が不足していると。テロとか特殊部隊攻撃、大規模災害など、こういうことが発生するということをなかなか予測できない事態がありますので、これに対応するためには、やはり平素から部隊練度の高い隊員をしっかり配置しておかなければいけないというふうに思っています。  特に、今は我が国をめぐる安全保障環境が非常に厳しいと。先般は、北朝鮮韓国哨戒艦を撃沈をするという事件も発生をいたしましたし、大臣ゲーツ国防長官お話をされてきたようですが、中国海軍の昨今の非常に活発な動き等々もあります。さらにはまた、国際協力活動にもやはり日本は積極的に取り組んでいかなきゃいけない。こういう中でいうと、やはり自衛隊自衛官定員とか実員については、これは大胆な増員要求を行うべきではないかというふうに私は思っております。  それに関連して、今、防衛計画大綱見直し作業が行われているということで、見直し作業のちょっと資料を持ってきたんですが、その中についても、定員等についてはこれは必要な枠を確保するように主張すると、これを見直し結果に反映させるべきだというふうに考えておりますが、これについて北澤防衛大臣の御見解を伺いたいと思います。
  7. 北澤俊美

    国務大臣北澤俊美君) お答えする前に、今、山本委員からも言及していただきましたが、米国へ行ってまいりまして、ゲーツ長官会談をしてまいりました。委員皆さん方にも、委員長さん、理事皆さん方の御理解をいただいて、目的が達成できたことを大変うれしく思っております。誠にありがとうございました。  そこで、山本委員の御質問でございますが、趣旨は全く同感でありまして、ただ、昨年九月に私も大臣に就任して早々の概算要求、本予算編成という中で努力をいたしたところでございますが、今後、この問題については、今お話のありましたように、やはり安全保障というのは予測を超えるような事態が突然発生するということをやっぱり十分に考えていなきゃいけないということは全くそのとおりであります。  そこで、詳細については、私は今帰ってきたばかりでありますので、楠田政務官の方から答弁をさせて……
  8. 山本一太

    山本一太君 じゃ、大まかで結構です。大臣の大まかな見解だけいただければ。
  9. 北澤俊美

    国務大臣北澤俊美君) ただいまの問題については、まあ過去の例を取ってとやかく言うつもりはありませんが、減少傾向でずうっと流れてきたものを昨年の予算編成の中で取りあえず定数だけは下げ止まりをしたと。これからが勝負でありますが、御案内のような財政状況の中で極めて厳しい予測もされますので、最大限、御趣旨を体して頑張ってまいりたいと、このように思っています。
  10. 山本一太

    山本一太君 今の大臣の御見解を伺えれば十分ですので、是非、定員増定員枠の確保については御努力をいただきたいと思います。  実はほかにもこれに関連して島嶼防衛の話とかBMDの整備とかお聞きしたいこともあったんですが、後ほど登場する私の同僚が専門家でございますので、佐藤委員の方にこの自衛隊法改正案等々の話はお任せするとして、引き続き防衛大臣に御質問させていただきたいと思います。本当出張から帰ってこられたばかりでお疲れのところ申し訳ないんですけれども、余り愉快な恐らく質問ではないと思うんですが、率直にお答えをいただきたいと思います。  大臣、先般、鳩山総理が二度目の沖縄訪問をされました。松野長官同行されて、寝ていらっしゃらないですね、起きていますね、はい。松野長官も同行されたということだと思いますが、そこで、北澤大臣御存じのとおり、総理辺野古近郊しか残念ながら選択肢がないということをはっきり知事におっしゃって、普天間の海兵隊ヘリ部隊を他の海兵隊部隊から切り離し、国外、県外移設すると海兵隊の持つ機能を大幅に損なってしまう、私自身のできる限り県外だとの言葉を守れなかったことと、それから結論に至る過程で県民に混乱を招いてしまったことに心からおわびを申し上げたいというふうにおっしゃっています。  これは、岡田外務大臣の方も、昨日でしょうか、おとといでしょうか、外務委員会の方で、やはり県民理解は今十分得られていないと、五月末の、五月中の決着が達成できなかったことはこれは率直に認めなければならないということをおっしゃっています。  これはこれで私は潔い姿勢ではないかと思うんですが、北澤防衛大臣にもお聞きしたいと思います。  鳩山総理約束した、アメリカ側合意を取る、移設先合意も取る、連立与党内も合意も取って五月末に決着させるということはこれはできなかったということだと思いますが、この問題にかかわってきた主要閣僚の一人として、これができなかった、約束を守れなかった、結局、最低でも県外というあの公約も、県民との公約も守れなかった、これについて国民とか沖縄県民に対して申し訳ないと、こういうお気持ちがおありでしょうか。
  11. 北澤俊美

    国務大臣北澤俊美君) 過般の総理沖縄訪問において、総理は率直に、県民皆さんに期待を抱かせたけれども、安全保障環境上どうしても一部沖縄お願いをしなければならぬということを申し上げると同時に、極めて率直に陳謝をされたというふうに理解をいたしております。  それから、あと、連立与党の問題でありますけれども、これは、私も今朝新聞を少しちらっと読んだ程度でありますが、官房長官のところで精力的に調整をされておるんであろうというふうに思います。
  12. 山本一太

    山本一太君 私はそういうことをお聞きしたんじゃなくて、岡田外務大臣は昨日、衆議院外務委員会で、県外移設とならなかったと、これについては沖縄皆さんに大変申し訳ないというふうにおっしゃったんですよ。さらには、日米政府が名護市辺野古への移設、これで合意したことについては沖縄県民理解は十分得られていない、五月中の決着が達成できなかったことは率直に認めなければならないと、県外移設とならず沖縄皆さんには大変申し訳ないというふうにおっしゃっているんです。  大臣は昨年から、現行案も含めてと、かなり現実的な路線を模索しておられたんだと思います。もちろん鳩山総理が自ら国民に対してあるいは県民に対してした約束とはいえ、主要閣僚としてやっぱりこの問題にかかわってきた、結局総理公約したことができなかった、それについてはやはり国民とか県民一言担当防衛大臣としておわびをするべきだと思いますが、いかがでしょうか。
  13. 北澤俊美

    国務大臣北澤俊美君) 私は防衛省を担当する大臣として、早い解決が何より大切であるという思いからいろいろ発言もしてまいりましたけれども、それは閣内における所掌の大臣思いでありますが、内閣全体とすれば、ただいま委員が言われましたように、五月末にあらゆるものがぴたっと解決するということにはならなかったと、また、沖縄に対して再び御要請を申し上げざるを得なかったと、こういうことについては内閣としても率直に、総理も陳謝しておりますが、私もそういう意味では沖縄始め国民皆さんに残念であったという思いを申し上げたいというふうに思います。
  14. 山本一太

    山本一太君 以前もこの委員会で申し上げましたが、私は、この問題で鳩山総理が何度も腹案がある腹案があるとおっしゃった、本当国民移設先の住民の理解が得られて、アメリカ合意も得られて、連立与党の中のことは知りませんが、そういう本当にすばらしい案があるんなら、私はもちろんこれは賛成してもいいと思っていた。しかし、鳩山総理の言う腹案はほとんどというか結局なかった。  しかも、両大臣は、岡田大臣新聞報道は正確じゃないというふうにおっしゃいますけれども、正確じゃない報道もあるのかもしれませんが、一面に出たストーリーのとおりになっていっているわけですね。徳之島があり、しかもどうも合意内容マスコミ報道されたとおりになっていくと。ちょっとそういう意味では、両大臣答弁、私からは余り真摯さは感じられなかったんですけれども、やっぱり間違ったことは間違ったと、これについてはできなかったと、そういうことをきちっと認めていただいて、そういうことをはっきり言うと。そういうところからでないと、もう沖縄県民の方々の御理解もあるいは日本国民理解も得られないということだけは一言申し上げておきたいと思います。  さて、そしてゲーツ国防長官との会談、この訪米、忙しい日程の中で北澤大臣のことですから本当に全力を尽くしておられたんだと思いますが、まず最初にお聞きしたいのは、大臣、この訪米目的は何だったんでしょうか。なぜこの時期に北澤防衛大臣が行かなければいけなかったのか、簡潔にお答えください。
  15. 北澤俊美

    国務大臣北澤俊美君) まず一つは、この普天間の移設問題について日米協議大詰めを迎えておりまして、もう既に御存じのように、内閣としての方針を表明するというところまで来ておるわけでありまして、その実務を担当する大臣として、米側責任者であるゲーツ長官意思の疎通、それから決定するであろう内容についての認識共有、そういうことをまず一つの大きな課題。それから、もう御案内のように朝鮮半島の情勢が極めて緊迫しておりまして、これに対する米側取組方、そしてまた日本の考え方をお話を申し上げて、共通認識を得るということ。  それから、中国海軍動きでありますが、これも米側も非常に懸念を持っておりまして、この問題についてもかなりの時間を取って、予定の時間を超えて会談ができ、またゲーツ長官からも鳩山総理北朝鮮の行動に対する表明を高く評価しておるというような発言もございました。  なぜこの時期かといえば、まさに普天間はここ数日のうちに決定をする、そしてまた北朝鮮情勢は極めて緊迫をしておるという、時期的なものとすれば、私はこの会談の時期は非常に時宜を得たものであったというふうに思っています。
  16. 山本一太

    山本一太君 今の大臣の御説明ですと、ゲーツ長官との会談の中で日米共同文書、もうあちこちマスコミでは報道されていますが、これについての最終調整もやったということでしょうか。
  17. 北澤俊美

    国務大臣北澤俊美君) これは事務方で進めてきたものをお互いに話し合ったということでありまして、それを更にプラスするとかマイナスするとか、そういうことではなくて、この流れについて、七か月ほど掛かったわけでありますので、その辺の経緯についてもお互い話合いができたということであります。
  18. 山本一太

    山本一太君 今おっしゃった事務方でまとめたものというのは、いわゆる総理が先般、仲井眞知事との会談の中で言及された、つまり辺野古あるいは辺野古の付近に施設を造ると、飛行場を造ると、こういうことについてということでしょうか。
  19. 北澤俊美

    国務大臣北澤俊美君) これは関係閣僚で再三にわたって意思共有を図ってきておりまして、何度も会議をしてきて、それを事務方文書にまとめて日米協議をしてきたと、こういう経緯でありますから、元々鳩山内閣としてこういう取決めをしたいということを事務方がまとめたと。そのことについて私とゲーツ長官の間では残念ながら直接お話をする機会がありませんでして、私とすれば、米国を代表する駐日大使のルースさんと度々意見交換をしてまいりましたけれども、いよいよ大詰めに来たところで責任者同士会談が必要であったと、こういうふうに認識をした次第であります。
  20. 山本一太

    山本一太君 ですから、まとめてきたものというのは辺野古への移設の話ですね。それ、イエスかノーかで、もうこれ、大臣お答えください。
  21. 北澤俊美

    国務大臣北澤俊美君) これが総理の下でまとめられる文書の中にどういうふうに表現されるかということについては、私はまだ帰ってきたばかりでつまびらかではございませんが、沖縄お願いをするという総理思いの中では辺野古周辺と、こういうことであります。
  22. 山本一太

    山本一太君 この辺野古といいますか、日米共同声明の話ですね、最終調整したのかどうかということについては、今防衛大臣はっきりお答えになっていませんが、これもマスコミ報道次々に出てきているんですが、マスコミ報道によれば、辺野古周辺はこれは明記されるということなんでしょうが、具体的な工法については、これはなかなか日本側が提案したくい打ち桟橋方式米側にはいろんな異論があるようでして、これは五月までに決められる見通しが立っていないんで、共同声明では八月を期限として工法とか移設先の場所について両国が合意を目指す方向になっているということが各マスコミで出ておりますけれども、共同声明中身はこういう方向なんでしょうか。
  23. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) メディアはいろいろ報じるわけでありますが、必ずしも正確なものではございません。いずれにしても、近々にこれは明らかになるわけでありますので、それを御覧いただくということだと思います。  ただ、幾つか報じる中で余りにも目に余るものというのがありましたので、私から申し上げたことはございます。例えば、環境影響調査について現状のままのものをそのまま使うということを報じたメディアが多いわけですが、そういうことは含まれておりません。
  24. 山本一太

    山本一太君 岡田外務大臣がおっしゃった信用できないメディアの情報のとおりに私はシナリオが進んでいるという感じがしてならないんですけれども。  防衛大臣にもう一回ちょっとお聞きしたいと思うんですが、ゲーツ国防長官といろんなやり取りをされている中で、まとめてきたものをゲーツ長官といろいろとお話合いをして認識共有を図ったということですが、これ辺野古移設のことだと今おっしゃいましたけれども、これ、大臣、戻ってこられてからじゃなくて、ワシントンでの記者会見というかぶら下がりのインタビューでしょうか、終わった後で大臣が、この県外への訓練移転について米側はかなり前向きな姿勢を示しているというふうにおっしゃっていますけれども、これは本当でしょうか。これは、つまり大臣がおっしゃった、御自身がおっしゃった米側はかなり前向きな姿勢を示しているということは、つまり訓練移転、これはもうほとんど日本国内では全く根回しも行われていないと思いますけれども、アメリカ側は少なくともこの訓練移転については受け入れると、こういう感触を得たということでしょうか。
  25. 北澤俊美

    国務大臣北澤俊美君) これはかねてから協議をしておりまして、日米が共同して国内のしかるべき受入れのできる基地でやるということについては軍事上も極めて有効性があるという認識を示していただいておりますので、その辺のところも含めてゲーツ長官と、我々とすればできるだけ日本全土の中で展開をしたいと、こういう話を申し上げて、長官も前向きの姿勢を示していただいたと、こういうことであります。
  26. 山本一太

    山本一太君 もう一度確認させていただきますが、沖縄米軍訓練移転、これはもちろん、移転するためには当然アメリカ側合意も必要なんだと思いますが、これについては前向きに検討するというふうにゲーツ長官はおっしゃったということでよろしいでしょうか。
  27. 北澤俊美

    国務大臣北澤俊美君) 当然のことながら、限られた時間で大臣同士会談でありますから、具体的なことはこれから詰めてまいりましょうと。ただ、その中で私の認識したのは、前向きに検討実務者でやりましょうと、こういうことであります。
  28. 山本一太

    山本一太君 何かちょっと怪しい言い訳になってきましたけれども、前向きに検討するというふうにゲーツ長官がおっしゃったということを今大臣からお聞きしました。  さらには、これも報道ベースですが、鳩山総理環境に配慮した工法を求めていると、これについても北澤大臣ゲーツ長官理解を求めたと、こういう報道がなされていますけれども、これは本当でしょうか。本当だとすると、ゲーツ国防長官はそれについてどんな反応をされたんでしょうか。
  29. 北澤俊美

    国務大臣北澤俊美君) これは総理がかねてから非常に強い思いを持っておりまして、沖縄お願いする場合は環境に優しい基地を造りたいと、こういうことを再三申されておりますので、その旨を会談の中で申し上げた次第でございます。
  30. 山本一太

    山本一太君 会談の中でおっしゃって、ゲーツ長官反応はどうだったんでしょうか。
  31. 北澤俊美

    国務大臣北澤俊美君) これは工法に直接かかわることでありますから、この五月末の決着の後、協議するわけでありますから、したがって具体的なものが提示したわけでもありませんが、当然、今日の地球環境を見れば環境に優しいというのはどこの指導者も受け入れる話でありまして、ああ、そうですかという話でありました。
  32. 山本一太

    山本一太君 ああ、そうですかというのは、防衛大臣ゲーツ長官は前向きに受け止めていただいたということなんでしょうか。
  33. 北澤俊美

    国務大臣北澤俊美君) 二人の会談でありますから、具体的なことを申し上げるのは相手のあることですから差し控えますが、私の、現在、この公な委員会において誠実に申し上げるとすれば、前向きに、検討をするとかそういうことではなくて、受け止めてくれたと、こういうことであります。
  34. 山本一太

    山本一太君 まあ環境工法の話については前向きに受け止めてくれたということだと思いますが。  引き続きこのゲーツ国防長官との会談についてお聞きをしたいと思うんですけれども、六月の四日から六日にシンガポールでアジア安全保障会議が開かれると。この会議に合わせて日米韓防衛相会談をセットしたいというお話をして、これについて合意をしたということですが、この日米韓防衛相会談の中で何を議論されるのか。これはやはり北朝鮮挑発的行為を例えば防止するための連携とか、そういうお話なんでしょうか、防衛大臣
  35. 北澤俊美

    国務大臣北澤俊美君) これは、シャングリラ会議機会をとらえて日米韓防衛相お互いに話をしましょうということでありまして、中身についてまで踏み込んだ話はしておりません。
  36. 山本一太

    山本一太君 それでは、続けてお聞きします。  北澤大臣が、北朝鮮魚雷攻撃は許し難いと、強く非難するというふうにゲーツ長官におっしゃったということで、ゲーツ長官日米韓で一致した姿勢を示すことが重要だというふうに言ったと、これも報道されておりますが、これ、哨戒艦の沈没は北朝鮮の仕業だということをもう韓国大統領は断言をしていまして、今、国連安保理にこの問題を提起する文書を作っているというふうに言われておりますけれども、この対応安保理に関する対応についてもゲーツ長官との会談の中で何か話が出ているんでしょうか。
  37. 北澤俊美

    国務大臣北澤俊美君) 正確に申し上げますと、ゲーツ長官からは、北朝鮮に対する鳩山総理対応への感謝の意がまず述べられました。それから、日米韓の三か国が連携して統一した姿勢を示すことが重要であると。その文面の先にシャングリラ会議でのただいま御答弁を申し上げたことがあるわけでありまして、あと、制裁とか国連決議とか、そういうことには今この段階で私が答弁申し上げることは控えさせていただきます。
  38. 山本一太

    山本一太君 それは、そういう話は出ていないということでしょうか、防衛大臣
  39. 北澤俊美

    国務大臣北澤俊美君) 出ていたことも出ていなかったことも含めて御遠慮させていただきます。
  40. 山本一太

    山本一太君 それでは、岡田外務大臣にお聞きしたいと思いますが、韓国は、李明博大統領が独自制裁をもう既に打ち出して、例えば黄海での米韓合同の対潜水艦訓練とか、あるいは大量破壊兵器の拡散防止構想ですか、PSIに基づく海上封鎖訓練の実施なんかを予定しているということをおっしゃっていまして、これ、鳩山総理が安保会議を招集して日本も独自制裁を検討すると、貨物検査法案の早期成立を図るということもおっしゃっているわけですが、私、一応自民党、自民党時代って、今も自民党あるので今ちょっと言い方を間違えましたが、自民党与党時代に、失礼しました、言い直しますが、自民党が与党だった時代に北朝鮮に対する経済制裁法案の作成に中心的にかかわったという立場で、その後、党のシミュレーションチームの責任者もやったんですが、独自制裁といっても、日本に果たして独自制裁のメニューがどれだけ残っているんだろうかという気がするんですが、そこら辺は岡田大臣はどういう御認識ですか。
  41. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) 委員御指摘のように、北朝鮮に対して日本はかなりのことを既に行っておりますので、そうたくさんメニューがあるわけではございません。それから、これは外交的な観点からいって、すべて出し切るということもいかがなものかというふうに思います。  しかし、これだけの事件が起きまして、そして日本韓国、そして米国、協力しながらこれしっかり対応していこうということでありますので、その数少ない残されたメニューの中で意味のあるものをしっかりとやっていきたいというふうに考えているところであります。
  42. 山本一太

    山本一太君 今外務大臣が、残されたメニューの中で意味のあるものをしっかりやっていきたいというふうにおっしゃったんですけれども、例えば今残っているもの、幾つかあると思いますが、今報告なしに北朝鮮に送金できる上限額って一千万円だったと思いますが、あるいは届出なく北朝鮮に持ち出せる現金の上限額、これは三十万円だったと記憶をしておりますけれども、例えばこれを引き下げるという方法があると思います。あるいは、朝鮮総連幹部の日朝間の往来規制も今より例えば厳しくするというようなメニューもあると思いますが、ここら辺のところも検討すると、こういうことでしょうか。
  43. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) 具体的な我が国独自の制裁措置、その中身については現在政府の中で検討しているところであります。そう長く時間が掛かるものではないというふうに思いますが、現時点では、検討しているところでございますので、中身について言及することは避けたいというふうに考えております。
  44. 山本一太

    山本一太君 岡田大臣、はっきりこういうメニューをやるとなかなか外務大臣としては言えないところあると思います。それは、相手に対しても手のうちを見せるというのは私も良くないと思うんですが、残されたメニューの中からいろいろ考えてということですから、当然、今私が申し上げた多分項目も検討対象に入るということだと思います。  そこで、先ほども申し上げたとおり、韓国は独自制裁を既に発表して、特に安保理でこの問題を取り上げようとしているわけですが、これ、外務大臣北朝鮮の制裁決議案、中国、ロシアの問題もあってなかなかどういう展開になるか分かりませんが、北朝鮮の制裁決議案が出たら日本賛成しますか。あるいは、場合によっては韓国と共同提案国になると、このぐらいのことを考えていらっしゃるんでしょうか。
  45. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) 今はまだ韓国の方から具体的な方向性が出されているわけではございません。どういう形になるかということも含めて、事前によく韓国政府とは意見交換を行い、そして日本政府として韓国政府をしっかりと支持をする、そういう立場で、どういうやり方が一番いいかということを検討してまいりたいと思います。
  46. 山本一太

    山本一太君 安保会議鳩山総理韓国の立場を支持するというふうにはっきりおっしゃっているわけですよね。岡田大臣も今、韓国と足並みをそろえていくと。私は間違っていないと思いますが、それについて、韓国安保理決議にこれを持っていきたいと思っていることは、もうこれは自明の理といいますか、みんなが知っていると。安保理決議に持っていけば、それは制裁決議になるのか、あるいは議長声明になるのか、そういう話になっていくわけであって、例えば韓国が制裁決議の方を出した場合には、これは当然日本として協力する可能性はあると、そのぐらいは言っていただいてもいいと思うんですけれども、いかがでしょうか。
  47. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) 先ほども言いましたように、これは出したらというよりも、恐らく、出すに当たって緊密な協議を行い、そしてその結果として何らかのアクションを起こすということになりますので、今、韓国政府が出したらとかそういう仮定の議論ではなくて、よく協議をしながら協力していきたいと、そういうことだけ申し上げておきたいと思います。
  48. 山本一太

    山本一太君 しつこいようですが、もう一回大臣にお聞きしますが、韓国安保理における動き日本としてサポートしていくと、これはそういうふうに理解してよろしいんでしょうか。そのぐらいは、大臣、はっきり言ってください。
  49. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) 我が国として韓国の立場を支持をするということを申し上げているわけであります。
  50. 山本一太

    山本一太君 これも仮の話なんで、外務大臣、今みたいな答弁を繰り返されるのかもしれませんけれども、例えば安保理制裁決議が採択されたと。さらに、日本が協力要請を受けたときどうするのかと。恐らく、日本に期待されるのは、アメリカとか韓国の包囲網を抜けた例えば北朝鮮の船舶、これを例えば追跡したり、あるいは検査したりということだと思うんですが、そういう事態を想定すると、やはり貨物検査法の成立はこれは必須だと思うんですけれども、外務大臣はどのように御覧になっていますか。
  51. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) いずれにしても、政府としては法案の採決についてお願いをしているところでありますので、これは国会の問題ではありますけれども、速やかに御審議、採決いただくことを期待しているところでございます。
  52. 山本一太

    山本一太君 もう少し、岡田大臣日本の立場をこの委員会で言っていただいてもいいと思うんですね。  韓国動きをしっかりサポートすると言ったんですから、韓国側から安保理にきちっと提訴があったら、日本として共同提案国になると、そのくらい踏み込んだことをやはりメッセージとして出してあげないと、今、李明博政権が直面している困難をしっかりサポートできないというふうに私は思います。  続けてお聞きしますが、北澤大臣がさっき、どういう目的で行かれたんですかというふうにお聞きしたときに、答弁の中に、中国海軍日本近海での活動、この話もいろいろと説明をして、ゲーツ長官の方も警戒監視について協力するというようなことをおっしゃったと、そこまでおっしゃったかどうかちょっと記憶が定かじゃないんですが、と言われておりますし、少なくとも中国海軍日本近海での動きについては意見交換をしたということなんですが、これは、二十六日にはもう日米韓の外交当局も非公式で局長級の協議をしていると。  この二つの動き、これはやはり北朝鮮に対する制裁に慎重な中国に対する一種の牽制だと、中国の背中を押すための動きだと、そういう目的で行われているという側面はあるんでしょうか、防衛大臣
  53. 北澤俊美

    国務大臣北澤俊美君) なかなか微妙な御質問でございますが、私からは、ゲーツ長官との会見の申し上げられる範囲のことだけを御答弁申し上げますが、偶発的事案が発生する懸念が存在しておるということでは認識は一致をいたしました。これに対して、日米間で情報分析を行いながら様々な協力を行っていきたい旨を私の方から申し上げて、ゲーツ長官と警戒監視などに協力をしていくということで意見が一致したと、ここまでは申し上げられます。
  54. 山本一太

    山本一太君 今私が申し上げた、例えば事務方による日米韓の外交当局の非公式局長級協議とか、大体この時期に並行して行われたと。これはもちろん中国を意識してのことだと思うんですが、もう一回ちょっとお答えください。やはり中国にもう少し北朝鮮問題でしっかり動いてもらいたいと、そういうメッセージを送るという意図もあったんでしょうか。
  55. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) 日米韓の局長級協議でありますが、御案内のように、クリントン長官日本に来られまして、そのときのメーンテーマがこの韓国船の沈没事案であります。そして、その後、中国に行かれて中国とも当然その話をされたということでありますので、そういうことを踏まえてもう一度意見交換日米韓の間で局長クラスで行って、この沈没事案に関する対応というものについて意思疎通をしたと、こういうことでございます。
  56. 山本一太

    山本一太君 岡田外務大臣にお聞きしてもいつもそういうお答えなので、肝心のところは一切お話をいただけないんですけれども、さっき防衛大臣が、ゲーツ長官とは、不測の事態、偶発的な事態が起こり得ると、そこについてはしっかりお互い協力、監視していこうということでは認識が一致したというふうにおっしゃいました。  そこで、それを踏まえて岡田大臣にお聞きしたいんですけれども、大臣が、さきの外交防衛委員会だったと思いますが、この朝鮮半島をめぐる事態について聞かれて、非常に緊迫した状況だと、非常に予断を許さない状況ではあるけれども有事ではないと、何度もそれを繰り返していらっしゃった。確かにいわゆる有事ではないんですが、私は、その分析は、大臣の言い回しを聞きながら、ちょっと見方が甘いんじゃないかというふうに思いました。  これ、大臣、釈迦に説法ですが、やはり南北が緊張する可能性あると思いますし、特に、北朝鮮韓国側との対話を遮断したと、しかも、例の南北経済協力事業のシンボルである開城工業団地、これは制裁の外側にあると言われていましたが、これ、北朝鮮韓国政府関係者を追放して、しかも政府間対話用の通信回線を遮断したということだと、例えば陸上でいえば、これも御存じだと思いますが、国境付近に設置している例の拡声機、これで宣伝をしたら銃撃するという話があったりとか、海上ではもう何度も衝突があるわけで、北方限界線の衝突も考えられるし、ミサイル、例えば短距離、中距離ミサイルを飛ばすとか、こういう厳しい情勢で、さっき北澤大臣ゲーツ長官認識共有したとおっしゃっていましたけれども、これは相当厳しい緊迫した事態だと、何か偶発的なことがあったら日本安全保障にも非常に大きな影響があると、そのように認識をされているんでしょうか。
  57. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) 今回の事案というのは、魚雷攻撃によって軍艦を沈め、四十六名の方々が亡くなっているわけでありますから、これは非常に深刻な事態であることは間違いがありません。そして、そのことに端を発して、今韓国北朝鮮との間で様々な言葉の応酬や、あるいはいろいろなことがありますけれども、そういったことについては、これはしっかりと注視していかなければいけないというふうに思います。    〔委員長退席、理事山根隆治君着席〕  私は、大事なことは、これは安保会議でも申し上げたんですけれども、冷静に、しかししっかりと対応することであるというふうに思っております。
  58. 山本一太

    山本一太君 大臣認識からいくと、今の状況は極めて緊迫した情勢なんでしょうか。どういうふうに大臣、表現されますか。極めて緊迫した状況なのか、有事じゃないことは確かだと思いますけれども、有事につながりかねない状況だというふうに認識をされているのか。日本外務大臣としてのその御認識を伺いたいと思います。
  59. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) 余り言葉が躍らないようにしたいというふうに私は思います。しかし、今の状況がどういうふうにこれから展開していくかということについては、それは日本政府として、どういったことになったとしてもしっかりと対応できるようにしておかなければいけないというふうに考えております。
  60. 山本一太

    山本一太君 外務大臣、さっき防衛大臣が、ゲーツ長官との話合いの中で偶発的ないろんなことが起こり得るという認識共有したということですから、やはり不測の事態が起こりかねない、少なくとも何か非常に危険な状況が起こりかねない事態だと、こういう認識があるということぐらいはきちっと外務大臣として御答弁いただきたいと思います。
  61. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) 先ほど来答弁しておりますが、現状が何か、私は有事と聞かれて、有事というのは法律上の定義された言葉ですから、余りやっぱりこういう国会の場で言葉についてきちんと定義に基づかずに言うことはいかがかと、率直にそういう感じがいたしました。  そして、今の、何といいますか、北朝鮮の状況とその発言などを見ておりましてもかなり過激なことを言っておりますから、そういうことについては十分注意していかなければいけないと。そして、どういう状況になったとしてもしっかり日本政府として対応できる、そういう心構え、そういったものは必要であるというふうに考えております。
  62. 山本一太

    山本一太君 何で、外務大臣、そこのところを別に普通に言っていただけないのかなと思うんですね。北朝鮮が危険なことを言っていると、つまり偶発的なことが起こり得る、やっぱり一歩間違えたら、もちろんそれは軍事衝突みたいなことはないようにしなきゃいけませんけれども、一歩間違えたらやはり事態が非常に悪くなるかもしれないと、そういう状況認識だということぐらいは外務省としてはっきり言っていただきたいと思うんですけど、もう一回御答弁ください。
  63. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) 先ほど来答えていると思いますが、どういう状況になったとしてもそれに対してきちんと対応できるようにしておかなければいけないというふうに思っております。
  64. 山本一太

    山本一太君 だから、そのぐらいのことは言ってください。だから、外務大臣としてこの状況をどう認識しているのか、緊迫した状況だと思っているのかどうかだけを答えてください、外務大臣。こんなことも言えないなんて、委員会で。変ですよ。
  65. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) それは緊迫したということの言葉の定義の問題でもあると思いますが、少なくとも四十六名の方が、魚雷攻撃によって軍艦が沈み四十六名の方が亡くなっているという、そういうことが起きているわけでありますから、そのことの意味するところということは、これはやはりきちんと受け止めなければいけないということであります。事態がこれからどういうふうに展開していくかということは、それはいろいろな可能性が当然あり得ますので、そのことについてしっかりと日本政府として対応していける、その態勢を取っているところでございます。    〔理事山根隆治君退席、委員長着席〕
  66. 山本一太

    山本一太君 いろんな可能性があると、それに対応する可能性があると言っていただければいいんであって、だって、もう防衛大臣が、不測の事態が起こるかもしれないという認識ゲーツ国防長官認識が一致したと言っているわけです。  もう結構です、大臣、さっきもうお聞きしましたから。  続けて、ちょっと時間がなくなってきましたのでもう一つ大事なことをお聞きしたいと思うんですね。  これは辺野古付近への移設とロードマップの関係なんですけれども、前回の委員会北澤大臣が、二〇一四年に極めて近い形で努力することは重要だと、しかし一四年にかっちりできるのかといえばなかなか難しいとの感触を持っていると、ここに議事録にあります。松野長官も難しいという見解を述べた。昨日の衆議院外務委員会岡田外務大臣が、遅れるとしてもそう大幅に遅れることはないと、大幅とは五年、十年遅れる意味ではないというふうに発言をされています。  そこで、両大臣にもう一度伺いたいと思いますが、二〇一四年の実現の可能性についての見解をもう一度伺いたいと。これ、ロードマップ自体が守れないということになれば、結果的に普天間固定化に限りなくつながると思いますけれども、そこも含めて外務大臣防衛大臣に、まず防衛大臣から御見解を伺いたいと思います。
  67. 北澤俊美

    国務大臣北澤俊美君) 御案内のように、二〇一四年に移設を完了するというのは、これは前内閣日米合意の中にも「完成が目標とされる。」と、こう記述があるわけでありまして、そういう中で政権交代が行われて、移設先現行案とは違うものをやると、こういうことになりますと、これは必然的に時間を要するということであります。  我々とすれば、沖縄現状からすれば、一日も早くやりたいという気持ちは重々持っておりますが、御案内のように、環境影響評価書の完成を目指して知事に提出するということが現在行われていないと。この一四年のときの目標は、秋から冬にかけて提出が予定されておったわけでありますから、それがずれておるという現実を考えたときには、私がこの前に答弁申し上げたように、必ずしもそのとおりにいくのは難しいであろうと、こういうふうに申し上げている次第であります。
  68. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) 今の沖縄現状を考えれば、日米合意ができたとして、それをそのまま直ちに受け入れるという、そういうことにはならない。つまり、沖縄皆さんに対して政府として説明をし理解を得る努力ということが必要になります。それにどのぐらい掛かるのかということも関係してまいります。したがって、二〇一四年ということに対してそれは遅れるということは、それはあり得ることだと思いますが、元々これ、合意事項は二〇一四年を目標とするということであります。したがって、そこには一定の幅もあるというふうに考えております。  そういったことも今後、実際に沖縄県側の状況を見ながら、大事なことは、なるべく早く実現すると、普天間の移転を、ということでありますので、日米間でも話し合っていく必要があると。しかし、現時点で二〇一四年を目標とすると、こういった表現の枠内で、それを変える必要はないというふうに思っております。
  69. 山本一太

    山本一太君 いや、今の岡田外務大臣の御答弁は非常に大事なことをおっしゃっていると思うんですね。二〇一四年の目標を変える必要がない。  お二人の今の御見解を聞けば、まず北澤防衛大臣は正直に、今までの現行案、ほとんど現行案だと思いますが、手続を変えるということになれば、それは今までより時間が掛かるということをおっしゃっている。岡田大臣だって昨日の委員会で、遅れるとしてもそう大幅に遅れることはない、大幅とは五年、十年遅れるという意味ではないというふうにおっしゃっている。普通これ、ロードマップを見直すということとしか私には考えられません。  だって、ロードマップと今回の鳩山首相の辺野古付近と言っている発言は、これロードマップでは、V字形に配置される、内容を見ると、二本の滑走路、長さはオーバーラン部分も含めて千八百メートルとなっていると。これと異なる場合は、一般論として、普通やっぱりロードマップを修正するということになると思いますし、グアム協定では前文でロードマップを明記しているわけですから、これがアメリカ海兵隊のグアム移転の前提となっているわけですよね。  二〇一四年という目標を変える必要がない、だけど大幅、五年、十年は遅れないけど遅れるかもしれない、これはおかしいんじゃないですか。これ、ロードマップを修正するということでしょうか。
  70. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) 五年、十年というのは、質問した方が五年、十年遅れるんじゃないかと、こういうふうに言われましたから、そこまでは考えていないということを申し上げたわけであります。  今後どうなるかというのは、日米間でも、もちろん沖縄理解を得ながら議論していかなきゃいけない点で、どういったやり方で、そしてどこに、どこにという意味は、辺野古岬周辺ということは前提にしながら、その中でどの位置に造っていくかということについて、そのことと、それからどのぐらい時間が、その結果として環境影響調査その他に影響が出て、どのぐらい時間が掛かるかと、そういうことをトータルでこれは更に日米間で議論していくことだと、もちろん沖縄理解を得ながらというふうに考えております。
  71. 山本一太

    山本一太君 防衛大臣、いかがですか。二〇一四年、なかなか目標どおりにはいかないとおっしゃっているわけで、これ、ロードマップを将来これ修正する可能性もあるということですね。
  72. 北澤俊美

    国務大臣北澤俊美君) 確たるものがまだ提示をされておらない中で、そのようなことを先走って私が申し上げるのは僣越だというふうに思っています。
  73. 山本一太

    山本一太君 ちょっと意味が分からないんですけど、時間がもうなくなってしまったんですが。  今回、厳しい日程の中で北澤防衛大臣アメリカに行かれて、ゲーツ国防長官といろんな会談をされたと、中国の話とか。いろいろ日本外交にとって意味のあることもいろいろなさってきたんだと思いますが、私はやはり、ずっとこの外交防衛委員会質問をさせていただいて、この間のいろんな動きを見ていると、こうやって今それを時系列に並べてみると、前回も言いましたが、迷走の挙げ句、結局、現行案回帰かと。これはもう、普天基地固定化というのは最悪のシナリオですから、結局、迷走の挙げ句最悪のシナリオなのかという、そういう気持ちを抑えられないです。  今回、ゲーツ長官と会いに行かれたと、それから総理も二度沖縄に行かれたと、それから、今日、松野長官質問する機会がなくて大変寂しがっておられると思うんですが、徳之島の島民にも会っていろんな話をすると。もう、二十八日に向けての一生懸命体裁を取り繕っている、本当に言い訳、アリバイ行脚にしか見えないというふうに思います。  この問題については、次回の委員会官房長官が来られるということですから、そこでも厳しく官房長官姿勢を追及させていただくと、そのことを申し上げて、私の、大体ぴったり時間ですから、質問を終わらせていただきます。     ─────────────
  74. 田中直紀

    委員長田中直紀君) この際、委員異動について御報告をいたします。  本日、丸川珠代君が委員辞任され、その補欠として佐藤正久君が選任されました。     ─────────────
  75. 佐藤正久

    佐藤正久君 自由民主党の佐藤正久です。  まず最初に、防衛大臣アメリカ訪問、どうもお疲れさまでございました。本当に広い意味で、まさに防衛外務大臣的な今回の活躍ではなかったかなと思います。  ただ、残念なのは、防衛大臣アメリカに行かれる傍ら、福島大臣沖縄の方に行って全く逆なことを言われる。もうテレビや報道はほとんどそちらの方が前面に立って、本当に大事な、本当政府にとって大事な外交の部分が小さくなってしまったと、非常に残念に思います。  しかし、大臣防衛大臣よく言われるように、やっぱり政治は結果責任です。結果責任です。普天移設の五月決着、これまで北澤大臣とか首相が言われていたような決着とはほぼ遠いような状態になっているようですけれども、改めて現在の状況、五月末決着ということについての現在の状況、どのような認識か、防衛大臣にお伺いいたします。
  76. 北澤俊美

    国務大臣北澤俊美君) それについては今、ちょうどおいでになりませんでしたけれども、山本委員から全く同じ質問がされまして、御答弁を申し上げたわけでありますから、言葉の使い方そのものも含めて正確にしなきゃいけませんが、鳩山総理が五月末までと、こういうふうに期限を切って努力をされてこられました。そして、選挙のときには県外と、こう言って沖縄皆さん方の期待を大きくしたと、そういう事実はもちろんあるわけでありますが、結果的に沖縄に代替施設をお願いしなければならなくなったと、それも辺野古周辺と、こういうふうに言われて、沖縄理解を得るような形で沖縄に行かれたわけでありまして、それを基にして日米合意案を近々に発表することになってきておるわけでありますが、連立内の合意それから沖縄との合意、そういうものが必ずしも全体で取れているわけではないという意味からすれば誠に残念ではありますが、その後、細部にわたっては早急に詰めていかなければならぬという心境であります。
  77. 佐藤正久

    佐藤正久君 なかなか、残念と言うだけでは私は済まないと思います。やはり、鳩山内閣、正直言いまして、この安全保障の問題については力不足、知識不足、経験不足だというふうに思います。学べば学ぶにつけ自民党案に近づいてくる。国民の多くも、移設先辺野古周辺になったということは、自民党案が正しかったと多くの国民が思っていると私は思います。  私は、官房長官に二度この問題について与野党協議をやりましょうと持ちかけました。ものの見事に断られました。でも、今、やっぱりこの安全保障の問題、特に二大政党というのであれば、二大政党間に安全保障の基本の分野という部分について大きな差があっては私はいけないというふうに思っています。  今回の普天協議だけではなく、今本当日米間、ほかの国を見ても安全保障の問題山積みですから、そういう部分については、やはり普天間問題を含めて、日米同盟の深化という観点から与野党協議の場をやっぱりこの際反省をして設けるべきだというふうに思いますが、北澤防衛大臣の御見解をお伺いしたいと思います。
  78. 北澤俊美

    国務大臣北澤俊美君) 外交安全保障、そういう分野について与野党でしっかりした議論をすることは極めて重要であると思いますし、なかなか舌鋒鋭く、ちとこちらもそこまで言うかと思うような議論もありますが、そういうものもすべてこの国の安全のため、平和を維持するためと、こういうことでお聞きしながら誠実にお答えをしてきておるわけでありまして、是非そういう意味では、この委員会での協議の中でそういう姿勢を、もちろん佐藤委員はこの分野の専門家でありますから御提言をどんどんなさっていただいて、我々もそれを真摯に受け止めていくと、そういうことは極めて重要だと思います。
  79. 佐藤正久

    佐藤正久君 委員会だけではやっぱり足らないんですよ。なかなか開いてくれないというところもありますし、やっぱりそういう与野党協議の場というのは別に委員会だけではありませんから、そこはもう一つ検討していただきたいというふうに思います。  繰り返しますけれども、政治は結果責任で、特に防衛大臣自衛隊を指揮する大臣です。やっぱりほかの大臣とは違うというような部分も、指揮という面ではあると思います。特に、普天移設に関しましては、地元調整を、あるいは在日米軍の管理を所掌するのはやっぱり防衛大臣ですから、そういう意味におきまして、地元調整沖縄の同意、これがまだ十分取れていないと。  この委員会防衛大臣に聞きました。やはり、この地元調整大丈夫ですかと。大臣は、県議会議員のときの経験も披露されて、自信あると、任してくれと言われました。でも、結果として、今大臣が言われたように沖縄の同意が取れていない。地元調整を所掌する大臣として、鳩山総理を十分補佐し切れなくて申し訳ないという思いはございませんか。
  80. 北澤俊美

    国務大臣北澤俊美君) この問題は鳩山内閣にとって極めて重要な課題でありまして、個別具体的なことに関しては沖縄との窓口は防衛省としては責任を持ってやりますが、まず大前提の方針が政府として決まる、これについては官房長官鳩山内閣ではその責任を負って取りまとめておるわけでありまして、私が今ここで申し上げて責任を回避するとかそういうことではなくて、現在、沖縄との折衝の当事者は官房長官が務めておるということは御認識をいただきたいと思います。
  81. 佐藤正久

    佐藤正久君 そこは、やっぱりこの時期に及んで、やはり五月末決着、当初のイメージと全然違うというんであればやっぱり率直に反省というのは私はすべきだと思いますよ。でなければ、やっぱりこれからの協議を進めるときに、まず反省がなければそれは進まないと私は思います。  さらに、その時期も、当初は十二月末、次は三月末、三月末は別に法律に書いてあるわけではないと、よく訳の分からないことを言われて、次は五月末、五月末も結果的にできない、しかも移設先も結局は県内、これはやはり率直に反省すべき部分だと私は思いますよ。でなければ、地元調整、これから信頼関係がなければ絶対駄目ですから、絶対うそをついてしまったら地元調整はできないんですよ。それが基本。これは地元調整をされた大臣なら分かると思います。そこから始めないといけないというふうに思います。やっぱり、だから沖縄県民への裏切りというふうな話も出てしまう。  やっぱり、ここ振り返ってみると、鳩山総理が国外、最低でも県外と言ったのが一番最初の原点かもしれませんが、やはり十二月の末で、岡田大臣北澤大臣も十二月末までに決着すべきだと何回もこの委員会でこだわっておられました。私は、やっぱり現行案という形で十二月末に決着すべきだったと、そうしておけば、ここまで沖縄の方を、気持ちをあおり、愚弄するという形にはならなかったと思いますけれども、防衛大臣、どのように思われますか。
  82. 北澤俊美

    国務大臣北澤俊美君) 今、委員お話の中に、年末とかそれから三月、それが五月になったと、こういうふうにお話しになりましたが、鳩山内閣として、年末までに片付けるとかあるいは三月までにということは全く、そういうような閣内での合意とかそういうものは全くありませんで、ただ年末については、私もこの問題の性質柄解決をするべきであるという思いを強く持ったことは事実でありまして、答弁でも申し上げておるわけでありますが、しかし、鳩山総理が何としても沖縄皆さん方の気持ちを体して県外移設先を模索したいと、こういう強い思いの中から五月末を一つの区切りにしたと。経緯とすればそういうことであったと理解しております。
  83. 佐藤正久

    佐藤正久君 一点やっぱり認識が違うのは、内閣として方針が決まっていないと言われましたけれども、三月末、これに政府の方針を決めると言ったのは鳩山総理なんです。三月末と、これはもう明確に言われています。そこはやっぱり閣内の一員として認識を持っていただかないといけないと、それが今、考え方が五月末になっていると。  じゃ、五月末というふうに決めたのは、これはアメリカでもなく、沖縄の方でもなく、徳之島の方でもなく、鳩山首相自身なんですよ。じゃ、なぜ鳩山首相は五月末というふうに決めたんでしょうか。防衛大臣の御見解をお伺いします。
  84. 北澤俊美

    国務大臣北澤俊美君) これは再三お答えしていますように、これは特別総理に確認したわけではありませんが、当時、五月末ということを決めたのは十一月の末か十二月の初旬だったというふうに思いますので、半年というものを目途にしたんではないかと、そのように思っております。
  85. 佐藤正久

    佐藤正久君 そこが非常に大事なポイントだと思うんですよ。やっぱり五月末と言うなら何らかの理由がある。でなければ、いつも言うように、段取りが作れないし、どこがポイントになって、これを解決するのにやっぱり半年ぐらい掛かると、これが普通の感覚であって、それも何にも課題というものを分析をせずに半年、これはあり得ませんよ。この課題を解決するために半年ぐらい要るんだというのが普通の感覚であって、そこを閣内で認識共有していないと、本当閣内不一致と言われても仕方ないと私は思います。  ただ、鳩山首相が五月四日に沖縄に行かれて県議会議長あるいは県議会の方々と話したときに、選挙というものを意識していたと。それで県議会の方々はふざけるなと怒ったという話もあります。その細部は私は分かりませんけれども、選挙を意識して五月末、これはもう本末転倒だと思います。これは何らかの機会にまた鳩山首相にも確認したいと思います。  では、防衛大臣、なぜ五月末までに地元沖縄合意、これを取ることができなかったんでしょうか。
  86. 北澤俊美

    国務大臣北澤俊美君) これは物事にはいろんな要素がありますから、一概にはこれだということはなかなか言い難いところでありますが、御案内のように、沖縄総理が自ら行って、沖縄に代替施設の一部をお願いをせざるを得ないというふうに表明したのが五月でありますから、私は、知事が残念であるという自らの意思を表明されたということになりますと、その間には距離がありますから、ここはどうしても埋めていくにはもう少し時間が掛かると、そういうことであります。
  87. 佐藤正久

    佐藤正久君 ということは、総理が五月四日に初めて沖縄の方に言ったと、それは時間が、言うのが遅かったと、五月末までに一か月ないと、そういう時間的なことですか。言うのが遅かったから五月末までに合意ができなかったというのが防衛大臣の御認識ですか。
  88. 北澤俊美

    国務大臣北澤俊美君) まあ、それもあるでしょう。それから、総理が何としても沖縄以外で解決をしたいという強い思いの中でいろいろ検討をされて時間を消費したと、そういう事実もあると思います。
  89. 佐藤正久

    佐藤正久君 それは全く責任問題そのものに直結するような話ですよ。当てもなく国外、最低でも県外、そしてまた計画性もなく半年ぐらい、これは余りにも安全保障というものをつかさどる一国の総理大臣としては私は不適切、大きなこれは責任問題だと思いますよ。  防衛大臣、地元調整の所掌の防衛大臣が、五月の頭に言うのが遅かった、それまでの検討に時間が掛かったと、これは非常に大きな問題だというふうに思います。なぜ五月末までに地元の合意が取れなかったという分析がなければ、これから進みようがないんですよ。  じゃ、防衛大臣、お伺いします。じゃ、どうすれば五月末までに地元の合意が取れたというふうに思われますか。
  90. 北澤俊美

    国務大臣北澤俊美君) どうすればと、こう言われましても、内閣として沖縄に代替施設をお願いをするということが正式に閣内で共通認識を持ったのが五月でありますから、したがって、それが失敗であるとか、うそをついたとか、いろんな表現をされておりますが、先ほど来申し上げているように、鳩山総理の誠実な人柄からして何とか沖縄以外でということを模索した結果であると、そういうふうに認識しています。
  91. 佐藤正久

    佐藤正久君 でも、模索した結果として沖縄県民の気持ちを愚弄したということなんですよ。先ほどから言っているように、政治は結果責任です。そこは深刻に受け止めていただきたい。でなければ、事後の、じゃ、どうやって地元調整をこれからやっていくんだという部分が、反省がなければ、教訓事項がなければ進まないんですよ。そこはやはり深刻に考えて、補佐をするのがやはり防衛大臣防衛省の仕事だと思います。  十一月にオバマ大統領はAPECで訪日をされます。じゃ、十一月までに沖縄合意を取るという自信は、防衛大臣、ございますか。
  92. 北澤俊美

    国務大臣北澤俊美君) これはもう、いったんお願いをした以上、自信があるとかないとかではなくて、その努力をするのは当然であります。
  93. 佐藤正久

    佐藤正久君 じゃ、今答弁で、十一月のオバマ大統領の訪日までに最大限の努力をするという答弁を今いただきました。  ただ、大臣、地元調整というのは何が一番大事か。うそをつかない、信頼関係、これが基本。これは、また大臣も前の答弁で言われたように、これは私もそう思いますよ。うそをつかない、信頼関係。鳩山首相で本当沖縄とこれから十一月までの間で信頼関係が構築できるか、私は無理だと思いますよ。今、振出しに戻るどころか、もうマイナスまで行っていますから。今いろんな話をしても聞いてくれない、結果として辺野古の住民とも会うことができなかった。これはやはり内閣として責任を取るというのが通常の私は姿だと思います。  今の状態で、沖縄の方、鳩山首相の話をやっぱり聞かないですよ。警備の関係で肝心の名護の市民、住民とも話ができない。名護市民との話ができないこの状況、異常だと、岡田外務大臣、思われませんか。
  94. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) ちょっと議論の前提が違うのかなと思いますが、これは日米合意案というものが明らかになった時点でまたこの場でも議論させていただければというふうに思いますけれども、今回の合意案、我々としては、鳩山総理沖縄負担軽減という強い思いを受けて米国側と交渉してまいりました。一つのパッケージとしてこれできているわけで、この普天基地辺野古岬周辺への移設ということだけではなくて、様々な沖縄県の従来からの要望に対しても、できる限りそれを盛り込んだものにしているつもりでございます。それを見ていただいて、そして沖縄県民皆さんに御理解をいただく、その努力内閣を挙げて行っていかなくてはならないと、そういうふうに思っているところでございます。
  95. 佐藤正久

    佐藤正久君 当然、我々はまだその合意案、合意文書って見ていませんから分かりませんけれども、当然そういういろんな沖縄からの要望というものを対応するというのは大事でしょうけれども、今まで鳩山内閣が言ってきたのは、一番の一丁目一番地は普天基地の危険性の除去と言っているんですよ。それと今沖縄から出ている要望というのはまた違う話であって、そこを一緒にしてそれをパッケージ、これは議論のすり替えだと思いますよ。それは基本的に危険の除去という部分──もういいです、違う質問行きますから。そこの部分はしっかりやらないといけないと思います。  次に、先ほど山本委員からちょっと話がございましたけれども、ロードマップ、これについて若干お伺いします。  今、二〇一四年までの普天基地辺野古移設というのがやや遅れるかもしれないという話がありました。防衛大臣、この普天基地辺野古移設、その遅れというものが、厚木の艦載機五十九機、これは予定どおり二〇一四年までに移駐が完了しますか。
  96. 北澤俊美

    国務大臣北澤俊美君) これもこれからのことでありますが、日米で詰めなきゃいけないということはそういうことなんでありまして、私とすれば、日米の間で基本的な合意ができれば、できるものから危険性の除去は進めていきたいということは常日ごろ米側にも申し上げておりますので、そこのところの信頼といいますか、代替案の形が日米でかちっと決まれば、それはできるところからやるということについては米側理解してくれるというふうに思っております。
  97. 佐藤正久

    佐藤正久君 ちょっとよく分からなかったんです。  私の質問は、普天基地辺野古移設が遅れた場合、厚木の艦載機五十九機が岩国に移転するということに影響は出ませんかという質問です。
  98. 北澤俊美

    国務大臣北澤俊美君) だから申し上げておるわけでありまして、代替施設が合意案と違って、合意案を基にしてロードマップを作ったわけでありますから、その我々の新しい移設案を米側が、工法も含めて、それからいつまでにできるという期限も日米でしっかり信頼できるものになれば、この厚木の問題についても、今受入先の方は米軍の宿舎がまだ地元との間で了解が取れておりませんから、これも前政権のときに愛宕山へという形で進んでおりましたけれども、地元はそれを拒否する、こういう形になっておりますから、今の話のロードマップとはまた別の地元事情が岩国にも存在するということはもう十分御存じだと思いますが、私どもとすれば、代替施設が日米でしっかり日米の信頼の下に確定すれば、できるところからやっていきたいと、こういうふうに思っています。
  99. 佐藤正久

    佐藤正久君 そこはちょっとロードマップをもう一度大臣御確認されたらいいと思うんですけれども、普天基地移設、これが終わって、司令部の今八千人、これがグアムの方に行きますと、このロードマップにもありますけれども、それが終わってから岩国のあるCH53Dが動くというふうに、みんなこれも違う意味のパッケージなんです。  だから、普天基地移設が遅れると、ややもすると、その宿舎の問題じゃなくても、厚木の艦載機五十九機が二〇一四年完了すると書いてあるのが、これは遅れるかもしれないということは非常にみんな懸念をしていますから、特に神奈川県の方々も非常に懸念をされていますので、この部分というのはもう少し明らかになってからまた質問をさせていただきたいと思います。  じゃ、もう一度原点に戻ってみたいと思います。鳩山首相は五月二十三日、沖縄の訪問時、辺野古移設の理由として、朝鮮半島情勢を挙げ、抑止力の維持の必要性を言われました。これは防衛大臣、承知のとおりだと思います。  防衛大臣、それじゃ日本の仮想敵国はどこでしょうか。
  100. 北澤俊美

    国務大臣北澤俊美君) 特段どの国を名指しでそのようなことを決めておることはありません。
  101. 佐藤正久

    佐藤正久君 それでは、総理は朝鮮半島情勢を挙げて抑止力の維持の必要性を知事説明されました。じゃ、在日米軍の抑止力、これはどこを想定したものでしょうか。
  102. 長島昭久

    大臣政務官(長島昭久君) これも佐藤委員もう既に御案内のとおりだと思いますけれども、今大臣お答えになったように、特定の国を想定して抑止力を維持しているわけではなく、我が国の平和と安全、そして地域の平和と安定を確保するために、それを乱そうとする者が仮にあるとすれば、その乱そうとする者の行動を抑制させると、こういう意味での抑止力でございます。
  103. 佐藤正久

    佐藤正久君 私もそう思います。  なぜこう聞いたかというと、鳩山首相が言っちゃったんですよ。鳩山首相が、地域の安定と言うだけではなく、わざわざ一歩踏み込んで、沖縄海兵隊辺野古に持っていくその理由として、わざわざ、韓国哨戒艦沈没事件が頭にあったのか分かりませんけれども、わざわざ朝鮮半島情勢と言っているんですよ、自分で。そこを私は聞いて、えっと思ったんです。そこの抑止力、何で沖縄海兵隊がいなきゃいけないか。今回、それを辺野古というところに持っていくための理由として挙げた。  防衛大臣、これ、今までの政府のラインと違うというふうに思われませんか。
  104. 長島昭久

    大臣政務官(長島昭久君) 佐藤委員、地域の安定ということを考えれば、当然そこに朝鮮半島の情勢が入ってくることは明確だと思います。
  105. 佐藤正久

    佐藤正久君 それでは防衛大臣、お伺いします。  台湾海峡の安定というために、在日米軍の抑止力、沖縄海兵隊の抑止力、これは必要でしょうか。
  106. 長島昭久

    大臣政務官(長島昭久君) これも当然、中国側にも台湾側にも行動を抑制してほしいという、そういうメッセージとして在日米軍の抑止力は必要だというふうに思っています。
  107. 佐藤正久

    佐藤正久君 今、長島政務官の方から、朝鮮半島情勢の安定のためにも、あるいは台湾海峡の安定のためにも在日米軍の抑止力が必要だと言われました。その辺りをやっぱり今まであいまいにしたまま議論が進んできたような気がして仕方がないんですよ。  あたかも迷惑施設をどこかに持っていくような話を盛んにされていた。抑止力の観点からこういうことなんですよというふうに地元に説明しなければ、何でうちのところなんだという部分の説得力がないんですよ。だから、今、もう一回そもそも論に戻ろうと言ったのはそこの分野で、地元調整をやるときに今まで非常に欠けていた議論という部分は、そこの部分がはっきりしていない。じゃ、何で徳之島なんですかという部分、ここはやっぱり抑止力の観点からこうなんですよというのをやっぱり説明しないとそこはいけないと。そこはやっぱり逃げてはいけないというふうに思います。  だから、福島大臣とも抑止力の議論をしないといけないんです。今与党がばらばらだと国民はみんな見ています。鳩山首相は、抑止力の観点で朝鮮半島情勢をわざわざ、普通は首相は言いませんよ、そこまで。地域の安定というのをわざわざ朝鮮半島という名前まで挙げて沖縄の方にお願いした。そこの部分を福島大臣は全然分かっていないと私は思います。福島大臣はそう今まで反対するんだったら、そこは閣内で議論をしないといけない。北澤大臣は前回の委員会で、福島大臣と抑止力について議論したことはないと明言をされました。これ、やっぱり議論しないといけませんよ。  抑止力の観点で、鳩山首相は沖縄の方で説明をされた。その後、福島大臣辺野古移設は反対だと言って沖縄に行かれ、防衛大臣辺野古移設合意をする、ワシントンに行かれる。全然、見ていて、閣内不一致どころか閣内分裂なんですよ、これ。閣内分裂に見えてしまう。これは岡田大臣北澤大臣も福島大臣と抑止力の観点についてもっと議論をして、総理大臣を支えるべきだと思いますけれども、外務大臣の御見解をお伺いします。
  108. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) 閣議及びその後の閣僚懇でどういう議論が行われているかということは明らかにしないことになっております。  それから、今日も官房長官が中心になって与党間の調整を行われているというふうに思っております。私としては、日米合意というものがもう出ているといいますか、できているわけでございます。これからこれを閣内でどう取り扱うかということをまさしく議論しているわけでありますが、こういう、先ほど山本委員からも韓国船沈没事案についてのお話もありました。やはり緊張感を持ってしっかりと対応していかなければいけないときであると、そういうふうに思っているところでございます。
  109. 佐藤正久

    佐藤正久君 やっぱり今の閣内の分裂状況、これは日本が周辺国に与えるメッセージとしても、今大臣言われたように良くないですよ。本当に危機管理上大丈夫かと、意思決定できるのかというふうに見られてしまうと思いますよ。  外務大臣、率直に今の内閣のこの状況、どういうふうに思われますか。
  110. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) 官房長官、大変努力されているわけであります。いずれにしても、今日中にしっかりと決着を付けて、そして速やかに内閣としての方向性を出すべきだというふうに考えております。
  111. 佐藤正久

    佐藤正久君 今、やっぱりどうしても、国民もそうですけれども、見えるのは、首相のリーダーシップが欠如していると。全然説得できない。自分の指名した大臣が全く違うことを言っている、しかも、閣議でサインをしないとわざと公言をしている。これはやっぱりおかしい。普通は罷免です。  意思決定に時間が掛かる。これは危機管理上の問題として、本当に今、朝鮮半島の状況を考えても、韓国にいる邦人からしてみても、本当に大丈夫なのかと思いますよ。そういう部分は一刻も早く解決をするというのが筋だと思います。  それでは、官房副長官にお伺いします。福島氏は大臣として沖縄に行かれたんでしょうか、それとも党首として行かれたんでしょうか。
  112. 松野頼久

    内閣官房長官松野頼久君) 政務として沖縄出張されたというふうに確認をしております。
  113. 佐藤正久

    佐藤正久君 政務ということは党首ということですね。ということは、旅行届、これ官邸の方に届けておられますか。
  114. 松野頼久

    内閣官房長官松野頼久君) はい、その届けの中で政務ときちんと書いて届けられております。
  115. 佐藤正久

    佐藤正久君 じゃ、福島党首の二十五日の沖縄訪問、これいつごろ決まったんでしょうか。
  116. 松野頼久

    内閣官房長官松野頼久君) 政務でございますので、私どもの方としていつ決まったというのは把握してございません。
  117. 佐藤正久

    佐藤正久君 じゃ、政府参考人にお伺いします。  もう一度同じ質問で、二十五日の沖縄訪問はいつごろ決まって、当初、大臣としての予定、これはどうなっていたのか。当初の予定、これについて答弁お願いします。
  118. 武川恵子

    政府参考人武川恵子君) 大臣日程につきましては、すべて前日の夜に大臣と相談の上確定をいたします。公務としまして、当日は、閣議、閣議後の会見が予定されておりまして、それは御出席になりました。その後、出席しなければならない公務上の行事、会議、国会日程等はございませんでした。
  119. 佐藤正久

    佐藤正久君 非常に今聞いて驚いたんですけれども、大臣ってそんなに暇なんですか。今、国会開催中において、大臣として閣議に出て、記者会見終わったら何にもないと。これは普通の大臣としては非常に不思議な感じがするんですけれども、通常、福島大臣はこのぐらい暇なんでしょうか。政府参考人お願いします。
  120. 武川恵子

    政府参考人武川恵子君) ブリーフ等毎日各部局からございますけれども、もちろんそういった予定は、急ぎのもの、優先度を考えまして、前日の夜に、いつ行うか、時間をどれだけ取るかというのを確定いたします。  以上でございます。
  121. 佐藤正久

    佐藤正久君 非常に、今の話を聞いていても、そんなに、国会が開催しているにもかかわらずそういう余裕があるというのは非常に不思議な感じがします。またこれについてはちょっと調べてみたいと思います。  次に、辺野古の方に普天基地移設するということについて、今、閣議決定あるいは閣議了解、首相発言、談話といろんな報道が飛び交っておりますけれども、今まで、この在日米軍の再編、大きな方針を決めるということについて、閣議決定ではなかったということは過去ございますか。官房副長官お願いします。
  122. 松野頼久

    内閣官房長官松野頼久君) 今ぱっとおっしゃられて、過去の例というのはデータで持っておりませんけれども、その手続に関しましては今調整中ということでございます。
  123. 佐藤正久

    佐藤正久君 それでは、外務大臣にお伺いします。  事柄の性格上、これは閣議決定が筋だというふうに思われませんか。
  124. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) どういう形で行うかということは、これは内閣、特に官房長官を中心に総理と御相談になって決めることだというふうに考えております。  もちろんその結果が、今回でいえば日米合意案ということが対象になっておりますので、その日米合意案の趣旨をゆがめるものであってはならないというふうに思います。
  125. 佐藤正久

    佐藤正久君 何か岡田大臣発言としては若干がっかりしました。今まで民主党の党首もされ、また外務大臣という立場で安全保障という部分の中心におられる方であれば、普通に考えれば、この案件は閣議決定だと。別にほかの役所のことをやるという閣議了解の案件でもなく、だれが考えても閣議決定案件ですよ。これを本当にいいかげんなことをしてしまったら、本当将来に禍根を残しますよ。〇六年、あのロードマップをやるときも、あれもやっぱり閣議決定ですよ。それを今まで、官房副長官がそれも過去がどうだったかも知らない。本当、そういう面からすると、安全保障に対する認識が非常に甘い。これは本当に閣議決定じゃなければやっぱり将来に禍根を残すし、ほかの国からも本当大丈夫かというふうに思われると思います。  また、報道ベースだと、報道ベース、いずれ明らかになりますけれども、日米合意文書の方に辺野古あるいはキャンプ・シュワブ、その周辺、こういうものの地名が書かれていて、そして政府の閣議決定でする文書中身にそれが書いていない、もしもこういうことがあったら、本当に二枚舌内閣と言われますよ。世界中からの笑い物になりますよ。これは絶対そんなことは、仮定の話だから答えられませんという答弁ではなく、それは岡田大臣、将来の日本のリーダーというふうにやっぱり思っている国民は多いんですよ。ここで本当に軸をぶれてしまったら本当に笑い物になりますよ。片方に日米合意文書で地名を書いて、そして政府のもので閣議決定もしない、しかも仮にそこに名前も載っていない、これは本当に鳩山二枚舌内閣、将来に本当に禍根を残す。私は岡田大臣を信頼しています。岡田大臣、そこは本当にしっかりと体を張って説得していただきたいというふうに思います。  岡田大臣の御見解、御所見をお伺いしたいと思います。
  126. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) 先ほど申し上げたわけでありますが、日米合意案、その合意意味を、これをゆるがせにするというものであってはならないということは当然であります。  どういう形で行うかということは、官房長官を中心に総理ともよく相談して最終的に決めていくことになるということでございます。
  127. 佐藤正久

    佐藤正久君 官房長官等と相談するときに是非発言をしていただきたいと。期待していますから。エールを送りたいと思います。よろしくお願いします。  また、首相は沖縄の方で、辺野古辺野古でも現行案とは違うと言われています。よく意味が分からないんですよ。環境や住民の安全に配慮するから現行案とは違うんだと。防衛大臣、これもう少し分かりやすく解説していただけますか。
  128. 北澤俊美

    国務大臣北澤俊美君) これは、鳩山総理は常々基地そのものを環境に優しいものにしたいという強いこだわりがありまして、そういうものを含めて行動されておるんだろうというふうに思います。
  129. 佐藤正久

    佐藤正久君 ということは、現行案とは違って、環境とかあるいは安全に配慮するものを造るという意味でしょうか。
  130. 北澤俊美

    国務大臣北澤俊美君) そういうことも含めてだろうと思います。
  131. 佐藤正久

    佐藤正久君 現在のロードマップにも同じことが書いてあるんですよ。これは御存じでしょうか。  今のを読み上げますと、この辺野古へのV字滑走路という部分においても、運用上の能力を確保するとともに、安全性、騒音及び環境への影響という問題にも対処すると明確に書いてあるんですよ。要は同じことなんですよ。これはなかなかマスコミの方も報道されていませんけれども、現行案にも当然その配慮はしてやると書いてあるんですよ。  であれば、そこをちょっといじったって、それは現行案と多くの国民思いますよ。多分、鳩山首相はそこまで読んでいなくて言われたのかもしれませんけれども、ここは防衛大臣の方からも説明して、現在のロードマップ、どうなんだという部分をしっかりと説明していただきたいと思います。  次に、朝鮮半島情勢、ちょっと時間がないんですけれども、質問をしたいと思います。  防衛大臣、周辺事態認定、これはいろんなケースがありますけれども、これまで周辺事態認定について福島大臣と話をされたことはありますか。
  132. 北澤俊美

    国務大臣北澤俊美君) 特段その問題について、それに限って話をしたことはございません。
  133. 佐藤正久

    佐藤正久君 やはり、今ここまで福島大臣がこの辺野古の問題についても異を唱えておられる。いざということが起きてから議論をしては、それでは遅いんですよ、危機管理上。  周辺事態認定、これはやっぱり閣議決定が必要になります。周辺事態認定、いろんなケースがあります。これを認定するというと、非常に多分大きな意思判断だと外交的にも思います。そういう部分については、やっぱり今の状況を考えると、そういうときに備えてやっぱり議論をしておくということは私は大事だと思いますけれども、今後、早急に福島大臣と周辺事態について議論をするという御意思はございますか。
  134. 北澤俊美

    国務大臣北澤俊美君) 今、こういう政治状況の下で、防衛大臣としての私がそのことを提起してお話しに行けば、これは説得に来たかということで、政治的には極めて稚拙な話でありまして、佐藤委員はこの問題について深い認識を持っておりますからそういうことを言おうとするんですが、政治というのは、これは政治に限りませんな、正しいことだけただ言うと、相手がいこじになったりするんですよ。そこで、調整役の官房長官が今一生懸命やっておるわけでありまして、必要なときに、私が御説明を申し上げた方がいいという状況になれば、そういうことを申し上げるということであります。
  135. 佐藤正久

    佐藤正久君 そのいこじがどうのはどうでもいいんですよ。大事なことは、国民の安全を守るという部分が大事で、そういう観点で、今、普天間の問題で説得に来たかと思われるから行くのはそれは差し控えた方がいい、そういう話ではないと思うんですよ。やっぱり、今の朝鮮半島の状況を考えたら、今から議論をしておく、当たり前のことだと思いますよ。  じゃ、違う質問をいたします。  仮に今、休戦協定が破られて朝鮮戦争が再開されたとした場合、日本は国連軍に参加できますか、防衛大臣
  136. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) 事案が事案でありますし、タイミングがタイミングですから、余りここで仮定の議論はしない方がいいと思います。(発言する者あり)
  137. 田中直紀

  138. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) 私は、そういう意味でちょっとこういうタイミングで言われることはいかがかと思いますが、一般論として申し上げれば、その国連軍に参加をして武力行使をするということは、これは憲法の禁ずるところであると私は思います。(発言する者あり)
  139. 北澤俊美

    国務大臣北澤俊美君) えらいやじ飛ばされたりする話じゃなくて、正確にお答えを申し上げようと思って今確認をしておりますが、多分朝鮮の国連軍のことを想定して言っておられるというふうに思いますが、基本的に自衛隊がこれに参加することはできません。しかし、様々な問題で、日米とのACSAの協定とかそういうことも含めて、協力する分野は残されているというふうに思います。
  140. 佐藤正久

    佐藤正久君 法的に確認します。  国連軍という立場と米軍という立場、ダブルキャップを、デュアルハットをかぶるときはあるかもしれません。それは、じゃデュアルハットであっても国連軍に参加している米軍には後方支援はできるという認識でよろしいですか。
  141. 北澤俊美

    国務大臣北澤俊美君) 今起きているわけではありませんで、そういう仮定の議論で今私が断定的に申し上げることは差し控えさせていただきます。
  142. 佐藤正久

    佐藤正久君 これは法的な話を聞いていて、できますかと聞いているんです。(発言する者あり)
  143. 北澤俊美

    国務大臣北澤俊美君) いわゆる国連軍は、個々の事例により、その目的、任務が異なるものでありまして、それへの参加の可否を一律に論ずることはできない。しかし、当該国連軍の目的、任務が武力行使を伴うものであれば自衛隊がこれに参加することは憲法上許されないと考えておるわけでありまして、これに対し、当該国連軍の目的、任務が武力行使を伴わないものであれば自衛隊がこれに参加することは憲法上許されないわけではないと、こういうことであります。
  144. 佐藤正久

    佐藤正久君 さっきと答弁が変わっているんですよ。だから、そういう武力行使を伴わない形であれば参加の可能性はあると今大臣は答えられました。言っていることがもう全然違うと。大事なことですから、これ法的に。今詰めておくということが非常に大事だと思います。  それで、もう時間がないので、最後に防衛省の設置法の関係で一問だけ質問いたします。  今回、定員というものが若干いじられましたけれども、全体としてやっぱり任務と実際の現場の実員というのを比べた場合、非常にこれは乖離があると、かなり無理が現場に来ているというふうに思います。もう部隊においても当直陸士も確保できないとか、あるいは船も三交代が二交代になっているとか、あるいは三沢の航空自衛隊、一例を取りますと、非常にパイロットの数が米軍と比べて大変だとあります。そういう面におきますと、やはり任務に応じた実員というものを確保すべきだというふうに思いますし、と同時に、またいろんな形で募集が先細りになっている。  緊急雇用対策という観点でも、任期制隊員、これを特例措置としてもっと増やすということも検討すべきだと思いますけれども、御所見をお伺いしたいと思います。
  145. 楠田大蔵

    大臣政務官楠田大蔵君) 先ほど山本委員の御指摘もありました周辺環境、また国際協力の面でも、これから更に質の高い人員を所要数確保することは大変重要だと我々も考えております。そうした中で、先ほどの御指摘もある中で、適切な規模の自衛官を確保することは極めて重要だという認識は我々も共有をいたしております。まさしく今大綱の見直しの議論の中で引き続きしっかりと検討してまいると、そうした情勢であります。  また、緊急雇用対策という観点も申されたところでありますが、先生も御案内のとおり、やはり高卒者に限って採用を広げるということはなかなか難しい点もありまして、専門性も大変高くなってきてもおりますし、また任期制から非任期制に移ってきているという状況もあります。安定的な雇用環境を実現をするというそうした観点もありますので、御指摘しっかりと受け止めまして、今後の議論に生かしてまいりたいと思っております。
  146. 佐藤正久

    佐藤正久君 終わります。
  147. 浜田昌良

    ○浜田昌良君 公明党の浜田昌良でございます。  まず、防衛省設置法でございますが、これにつきましては、自衛官定員については総計としては増減なしということでございますけれども、今公務員の採用抑制というのが急に発表されて混乱が生じているんですね、今まで公務員試験を準備された方が、急に採用が四割減とかになってしまって。これについて、まず防衛省本省の分野、また自衛官の分野については、来年度採用についてどういうような方針で臨まれるのか、防衛大臣の御所見をお伺いしたいと思うんですが、いかがでしょうか。
  148. 楠田大蔵

    大臣政務官楠田大蔵君) 公務員の採用の削減等、今、内閣の下で議論しております方針が出てきておるところでありますが、我々といたしましては、事務官等につきましては、内閣人事局による幹部職員人事の一元管理の対象とするということにいたしております。このような一元管理によって、内閣による人事機能の強化が図られ、内閣主導による適材適所の人材登用が可能となると、そうした結果、複雑多様化する行政課題に迅速かつ果断に取り組むことができると、また省益を超えた国民本位の行政を実現することができると、この点については事務官等については共有をしておるところであります。  一方、自衛官につきましては、人事管理等において一般職の国家公務員と異なる特殊性があるため、内閣人事局による幹部職員人事の一元管理の対象とはしていないというところであります。
  149. 浜田昌良

    ○浜田昌良君 質問に正確に聞いて答弁してください。全然関係ない答弁だよ、それ。採用抑制の問題を聞いているんだから。採用抑制の問題、大臣答弁してください。
  150. 楠田大蔵

    大臣政務官楠田大蔵君) 申し訳ありません。もう一度お答えをさせていただきます。  採用抑制についてでございますが、五月二十一日に「平成二十三年度の国家公務員の新規採用抑制の方針について」が閣議決定されて、その中で、特別職の国家公務員のうち自衛官を除く防衛省の職員については一般職の国家公務員に準じた取組を行うこととされたところでありますが、我が省といたしましては、この閣議決定を受けて、政府として国家公務員の人件費の抑制を進める必要性を踏まえて、平成二十三年度の新規採用の抑制に適切に努力する考えであります。  その際、国の平和と独立を守る実力組織たる自衛隊の一翼を担う防衛省の事務官等の特殊性、具体的に申し上げれば、陸海空自衛隊で勤務する事務官等は、今回の削減の対象外とされた自衛官と同様の役割、任務を担っておりまして、自衛隊の戦力組成の一部であるという点、また、地方防衛局は、従来の行革の取組において、その仕事が国家の存立にかかわる事務と分類をされ、地方との二重行政の要素も皆無であることから、廃止等の対象とされておりませんので、今後も国防の根幹を成す基地行政において重要な役割を果たすことが求められる等を十分考慮して、速やかに防衛省としての方針を決定してまいりたいと思っております。  なお、自衛官については、当該閣議決定における採用抑制の対象とされておりませんので、新規採用について抑制するという予定はございません。
  151. 浜田昌良

    ○浜田昌良君 今の答弁で確認しますが、自衛官については新規採用抑制はしないと、いわゆる本省の背広組についても、それなりに国防の任に当たっているので採用抑制はしないという御答弁だったんですね、確認ですが。
  152. 楠田大蔵

    大臣政務官楠田大蔵君) 背広組の中でも自衛官と同様の役割、任務を担っておる、その点は自衛隊の戦力組成の一部であると、そのように考えておりますので抑制の対象としないということであります。
  153. 浜田昌良

    ○浜田昌良君 何か、答弁、大丈夫。もう一遍。
  154. 楠田大蔵

    大臣政務官楠田大蔵君) 委員長、申し訳ございません。  済みません、適切にもう一度お答えをさせていただきます。  自衛官については抑制をする予定はないと申し上げましたが、背広組につきましては、先ほど申しました最初の、新規採用の抑制に適切に努力する考えであると、この点は原則として考えております。その上で、戦力組成の一部であるという観点もありますので、我々としましては様々な観点から今後決定をしてまいりたいと、そうしたことであります。
  155. 榛葉賀津也

    ○副大臣榛葉賀津也君) 今、楠田政務官がおっしゃったことで大体いいわけでございますが、各幕が採用するいわゆる事務官、これは現場の部隊とともに行動して、今おっしゃったように、まさに組織を構成しておりますので、それから各地方局ですね、これが今るる議論があったように、基地の問題であるとか様々な問題をまさに現場でやっております。国と地方の二重構造にもなっておりませんし、こういった問題につきましては、過去の公務員の議論に際しましてもこれは別だということになっておりますので、そういうことでございますが、他方、その他の部分については、政府の方針に従いまして一般職の国家公務員同様に我々もしっかりと努力をしていくということでございます。
  156. 浜田昌良

    ○浜田昌良君 今のような明確な方針を早く広報された方がいいと思いますよ。何か一般的に公務員全部が採用抑制、自衛官もみたいな認識がありまして、それについてはやっぱり業務によって違うんだと、そういうことがありますから、政務官の答弁でもよく分からなかったんだから、そういう意味では、今後の採用について本当にどうなるんだろうと不安があるわけですから、これは防衛省挙げて、大臣、もう一遍、明確にするように頑張ってくださいよ。
  157. 北澤俊美

    国務大臣北澤俊美君) おっしゃるとおりでありまして、つい最近、内閣府との中で協議をしまして、今まさに副大臣が言われたような仕分をして了解を取り付けたと、こういうことであります。
  158. 浜田昌良

    ○浜田昌良君 明確にしていただきたいと思っております。  引き続きまして、先ほどの佐藤委員質問の関係でちょっと見過ごせないやり取りがあったんで、これをお聞きしたいんですが、厚木の空母艦載機の移駐の問題でありまして、これについては私、質問主意書を出していまして、閣議決定いただいて、普天間の問題はどうあれ、ロードマップどおりにされるというような御答弁を閣議決定していただいているんですよ。先ほど何か北澤防衛大臣は、これが遅れるかもしれないみたいな答弁されたというのは、今までの閣議決定の考えから異なるということを示唆されているのか、それとも、前回された閣議決定、質問主意書、私への答弁に対しては変わっていないという御認識なのか、どちらなのかを明確に御答弁いただきたいんですけど。
  159. 榛葉賀津也

    ○副大臣榛葉賀津也君) 基本的には変わっていないというふうに了解を、基本的には変わっておりません。
  160. 浜田昌良

    ○浜田昌良君 基本的に変わっていないということですね。  大臣に、もう一度これは明確に御答弁いただきたいと思います。大臣に、防衛大臣に。サインされたのは防衛大臣ですから。
  161. 北澤俊美

    国務大臣北澤俊美君) 質問主意書に答弁したのがそうでありまして、もし私の答弁したのがそれと違うように誤解があれば、あのときの質問は、全体のロードマップの中で、日米の信頼関係の中で新しい代替基地日米で確認し合えればできるものからやりたいという、一日でも早く沖縄の負担を軽減していくということに努めていきたいという私の思いを申し上げたんで、それが岩国の艦載機に直結した話というふうに受け取られると、それはもし私の言い方が間違っていれば訂正をさせていただきます。
  162. 浜田昌良

    ○浜田昌良君 安心をしました。空母艦載機については変更がないという、従来の閣議決定については変更がないということですね。再度、この点だけ明確に、端的に。
  163. 北澤俊美

    国務大臣北澤俊美君) そうであります。
  164. 浜田昌良

    ○浜田昌良君 今、防衛大臣から変更がないという明確な、閣議決定の変更がないということは確認させていただきましたので、質問に移りたいと思いますが。  先ほど、北朝鮮とこの韓国の緊張の問題については非常に懸念が高まっているわけですが、これについて、岡田大臣北澤大臣も偶発的事態が発生する可能性は存在しているという認識を示されたわけですよ。  これについて私も懸念をしているんですが、それで、どういうこれから対応をするかなんですが、これはちょっとそのものは通告していないんで、御存じであれば御答弁いただきたいんですが、韓国自身がこういう偶発的事態を想定して、いわゆる国内のテロの防止であったりとか、そういう安全保障上何かの準備の動きをし始めているのかと。そういう動きについて何かつかんでいる情報ありましたら、外務大臣防衛大臣か、御答弁いただきたいんですが。
  165. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) 外に向かってそういったことを韓国政府が明らかにしたことはございません。ただ、今までの歴史、それから数々の事案も起きておりますので、様々なことが起こり得るということを予想しながら、しっかりとした対応ができるように、当然政府としてはそういう対処方針で挑んでいるというふうに思っております。
  166. 北澤俊美

    国務大臣北澤俊美君) 岡田外務大臣と同じであります。
  167. 浜田昌良

    ○浜田昌良君 それで、対外的に発表していないにしても、そういう偶発的事態が起こる可能性があるわけですから、そのときに、いわゆる韓国には在留邦人も多くおられますね。この方の安全確保をどう、いざというときのために準備しておくかという問題がやっぱりあるんですよ。  これについて、まず岡田外務大臣に、そういうことに対する、いざ起きてからではもう遅いこともありますので、どういう心構えをしておく必要があるのかについて御答弁いただきたいと思いますが。
  168. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) 外務省では、今後の情勢を見守りつつ、個別具体的な状況に応じて、在留邦人及び邦人渡航者に対し、渡航情報の発出などを通じて必要な安全対策や注意喚起を行うこととしております。    〔委員長退席、理事山根隆治君着席〕  在韓国日本国大使館では、平素より現地邦人社会との間で緊急事態が発生した場合の安全対策について緊密に協議を行うとともに、緊急事態用のマニュアルを作成し、在留邦人に配布をしているところであります。  同マニュアルでは、状況に応じて自宅待機を勧める場合と退避を勧める場合があり、それぞれの場合に応じた平素の備え及び行動計画について伝えているところであります。
  169. 浜田昌良

    ○浜田昌良君 平素よりということじゃもう多分ないんだと思うんですよね。平素に比べて少し格段の注意をし始めないと、緊急何とかマニュアル、多分配られていますけど、多分そんなものはどこかへ行っていますよ、はっきり言って、在留されている邦人の方は。  そういう意味では、もう一度注意喚起をある程度し始めていかないと、いざというときのアクションというのは遅れると思うんですが、何か、平素よりじゃなくて、少し追加的な対応が必要と思いますが、いかがでしょうか。
  170. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) 最初に申し上げましたように、今後の情勢を見守りつつ、個別具体的な状況に応じて様々な必要な安全対策や注意喚起を行うことにしております。  現時点においては、しっかりと静かに対応するという、そういう状況であるというふうに考えております。
  171. 浜田昌良

    ○浜田昌良君 あわせて、防衛大臣にお聞きしたいと思うんですが、日本国内のテロの可能性、北朝鮮による、そういうものも今後懸念されるわけですね。特に、今後、日本が国際場裏であったりとか、いわゆる韓国や中国との関係でいろんなアクションをし出すことによって北朝鮮からどう思われるのかということもあるわけですから、そういうことに対して、何らかの不測の事態もあり得るということですから、その備えについて防衛大臣としてどのような考えなのか。
  172. 長島昭久

    大臣政務官(長島昭久君) まさに浜田委員が御指摘いただいたとおりでありまして、五月の二十日、韓国政府から調査結果の公表が出ました。その日の午後に北澤防衛大臣より、省内幹部を集めて三点、一つは、自衛隊の態勢について改めて点検すること、二つ目は、引き続き情報収集活動に努めること、三番目は、警戒監視活動に万全を期すことと、この三点を特に直接指示をいたしまして、陸海空一体となって警戒監視活動を緊張感を持って引き続き行っていくと、こういうことでございます。  加えて、せんだっての日米防衛相会談の中でも、ゲーツ長官との間で、日米さらには日米韓三国の協力、連携を一層緊密に推進してまいりたい、こういうことで一致しております。
  173. 浜田昌良

    ○浜田昌良君 それで、この週末にいわゆる日中韓の首脳会合があるわけですね。非常にこういう緊迫した状況であるわけですね。日本の立ち位置の問題なんですね。確かに、韓国をいわゆる支持をすると鳩山総理発言されまして、それは今までの延長線上でそういう発想になりますが、一方では、実際にミサイルが飛んでくる可能性もあるわけですよね、今後の進展状況によっては。そういう意味では、慎重であらねばならない部分もあるわけですよね。そこはどういう立ち位置に日本があるべきなのかということについて、私はそれなりに慎重でなければいけないと思うんですね。その辺の、この週末の首脳会合に臨む上での日本の立ち位置について、外務大臣から少し御答弁いただきたいんですけれども。
  174. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) 基本はやはり韓国を支持をするという、これは米国とともにしっかり支持をするということだと思います。  しかし、私、何度か国会でも申し上げておりますが、やはりこの事案に関しては冷静に、しかししっかりと対応していくということが重要であるというふうに思っております。
  175. 浜田昌良

    ○浜田昌良君 韓国を支持しながらも、変に北朝鮮を必要以上に挑発することがないような、ある程度理詰めでいくというような、そういう態度をやっぱり取り続けるということも必要であるということをしっかりお願いしたいと思っております。そういう意味では、今後、この週末については非常に大きな機会でありますので、臨んでいただきたいと思っておりますが。  次の質問に移りたいと思いますが、先ほど福島大臣の件について佐藤委員からも質問がございました。沖縄に行かれたのは政務であるという御答弁がいただきましたが、確認ですけれども、政務であるがゆえに秘書官は同行されませんでしたよねということですが。
  176. 武川恵子

    政府参考人武川恵子君) 秘書官は随行しておりません。
  177. 浜田昌良

    ○浜田昌良君 念のためですけれども、そうしますと、いわゆる公用車とかも使っておられないと、現地も含めて、行くところについても。そういうことでよろしいんでしょうね。
  178. 武川恵子

    政府参考人武川恵子君) 航空機、現地の車など、手配、経費とも公務では全く行っておりません。
  179. 浜田昌良

    ○浜田昌良君 そういう政務であるという立場でどこまでがじゃ許されるかということなんですが、これは元々五月末には与党三党の合意というものを、当初の目標にあったわけですけれども、それを一方でしながらも福島大臣がこう動かれていることについて、それでは閣僚の一員として岡田大臣、また北澤大臣はどのように思われますかね。政務であればこれはもう許される範囲なのか、いかがなのか。
  180. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) いずれにしましても、この日米合意というものは、どういう形であるにしろ閣議に諮るということにはなるわけであります。それが、閣議に諮った結果が、決定なのか了解なのかあるいは意見なのか、いろいろ報道されておりますが、それはこれから相談していくことだというふうに思っております。そして、その段階においては、これは日米合意について閣内で当然、合意があるというのは私は当然だと思います。
  181. 北澤俊美

    国務大臣北澤俊美君) 大臣の立場で政務と使い分けをするというのは、これ、選挙で選ばれた議員が大臣を務めておれば避けて通れないところでありまして、この辺は今お聞きすると厳密にやっておるようでありますが、しかしそうはいっても、受け止める方からすれば、党首として受け止める、大臣として受け止めるというのは混然一体としておりますし、またその主張によっては、その主張を聞くお立場の方の立場にもよってどちらに比重が掛かるかということは当然あるというふうに思いますので、政治家としてこの両面を持った立場の人間がどこまで言ったらいいのかということは、それぞれの見識の中でお考えになることだと思います。
  182. 浜田昌良

    ○浜田昌良君 今、北澤大臣答弁されましたように、見える方からすればもう一体でありますから、そういう国民の混乱を招くようなことはやはり内閣として抑止をされていくということが私は重要じゃないかなと思いますよね。  それで、今ちょっと岡田大臣の御答弁の中で確認したかったのは、日米合意については、これは閣議にかかるという話を答弁されたと、それはそういう御理解でよろしいんですか。
  183. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) ですから、閣議でどういう形でかかるかというのはこれから最終的に決めていくことでございます。  しかし、閣議に何らかからない、かかるということの意味ですけれども、日米でこれは恐らく2プラス2、防衛大臣外務大臣、両国のですね、で合意するということは、これは政府としてこれを認めるということでありますから、それが閣議に全く無関係でということは私は考えられないと思います。
  184. 浜田昌良

    ○浜田昌良君 私もそう思いますね。  おっしゃるとおり、やはり2プラス2というのは、代表で交渉はしていますけれども、政府としての意思ですから、やはり閣議で何らかでかからなければ、それがやっぱり日本政府意思を縛るわけですから、それは必ず担保していただきたいということはお願いしておきたいと思います。  続きまして、済みません、毎回出している資料で奄美マニフェストなんですけれども、これで今日お聞きしたいのは、この民主党代表という鳩山由紀夫さんのサインの問題なんですね。  これ、このサインというのは、まず三大臣岡田大臣北澤大臣、官房副長官にお聞きしたいんですが、この鳩山さんのこのサインって、これ、自筆でしょうか。私は見たことないんですけれども、皆さん閣議で見ておられると思うんですが、自筆と思われるのか、自筆ではない、単なるこれはワープロか何かで作ったものなのか。あわせて、これ、自筆なりこういうものだと私文書偽造に当たるんじゃないかと思うんですが、それぞれ御見解を、法律知識分からないなら分からないで結構でございますけど、それぞれ、岡田大臣から御答弁いただきたいんですけれども。
  185. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) 私文書偽造に当たるかどうかというのはそれは別にしまして、このサインは、例えば民主党のマニフェストに当時の鳩山代表がサインしておられるものと同じであると。同じというか、それはサインですから違っては困るわけですけれども、民主党のマニフェストにも同じようなサインがございます。
  186. 北澤俊美

    国務大臣北澤俊美君) この前からこれ見せていただいておりますが、鹿児島県版と、こういうふうになっておりまして、私もこれだけのことを言うのに党の了解を取らないでやるということは常識的には考えられない。しかし、どうもそのようなことはしていなかったというようなのが、私が承知している範囲ではそういうことでありますが、ただしかし、事実関係は私が自ら調査したわけではありませんのでお答えは差し控えますが、これが法的にどういうことになるかということになれば、これはまたそれに御関心のある方が告発するか何かしなければ、法的な締めといいますか責任の所在を明らかにするということはできませんので、私の立場ではそのことについてはお答えは差し控えさせていただきます。
  187. 松野頼久

    内閣官房長官松野頼久君) そのマニフェストに私は当時作成に携わる立場にもおりませんし、今もマニフェストというのは党のものでありますので、お答えをするのが正しいかどうか分かりませんけれども、一所属の議員、党員という立場で言うと、少し、ううむというところはございます。  ただ、こういうマニフェストを配らせていただいたわけですから、やはりこれを四年間の間にできる限り実現をするように努力をしていくべきかなという感想を持っております。    〔理事山根隆治君退席、委員長着席〕
  188. 浜田昌良

    ○浜田昌良君 今、松野官房副長官は、これ四年間で実現したい……(発言する者あり)ちょっと待って。岡田大臣岡田外務大臣
  189. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) これは以前から申し上げておりますが、私は当時の幹事長であります。幹事長として全く承知をしておりません。これは鹿児島県連としてお約束をされたものだというふうに考えておりますけれども、党としてはこういうものを認知しておりません。(発言する者あり)
  190. 松野頼久

    内閣官房長官松野頼久君) いや、誠に申し訳ありません。ちょっと奄美のマニフェストということを勘違いしてございまして、今、岡田外務大臣が御答弁させていただいたとおりでございます。済みません。
  191. 浜田昌良

    ○浜田昌良君 官房というのは基本的には統一見解を出すところなんだから、それが統一見解を乱すような答弁したらどうしようもならないということを言っておきたいと思います。  それで、今の御三人の答弁からお聞きしますと、この鳩山さんのサイン自身は民主党全体のマニフェストと書いてあるサインと同じなので、多分それと同じでしょうということなんですが、ただ、多分本人の了解を得ていないだろうということであります。  それで、今日は法務副大臣にも来ていただいていますので、まず、これは私文書偽造に当たるのかどうなのか、刑法百五十九条ですけれども。あわせて、これは、百五十九条は親告罪なんでしょうか。これについてお願いします。
  192. 加藤公一

    ○副大臣(加藤公一君) 先生御指摘の刑法百五十九条、私文書偽造の罪でございますけれども、一般論として申し上げますと、この私文書偽造罪といいますのは、行使の目的で、他人の権利、義務若しくは事実証明に関する文書若しくは図画を偽造した場合に成立し得るというふうに承知をいたしております。この場合の偽造といいますのは、文書の名義人、すなわち作成主体を偽る行為というふうにされてございますので、内容というよりは作成者、作成名義人というところが問題になるものと思います。  ただ、今のはあくまでも刑法上の一般論でございまして、御指摘のこの資料につきまして犯罪が成り立つか否かということにつきましては、これはあくまでも捜査機関が収集をいたしました証拠に基づいて個々に判断されるべき事柄でございますので、この点についてのお答えは差し控えさせていただきたいと思います。  なお、この件につきましては、親告罪ではございません。
  193. 浜田昌良

    ○浜田昌良君 これは親告罪じゃないんですよ、権利義務があれだということじゃなくて。そういうことですから、本来こういうことがありますから捜査はしなきゃいけないんですよね。しかも、今言われたのが百五十九条の一項だけなんですよ。一項には行使の目的と入っていますけれども、行使の目的が入っていない、以外の権利、義務又は事実証明に関する文書、図画を偽造するだけでも一年以下の懲役、十万円以下の罰金というのが三項にあるんですよね。  そういう意味では、多分民主党はマニフェストに書いても行使の意図はなかったかもしれない、こんなこと書いて、できないんだから。しかし、そうであったとしても、三項で一年以下の懲役、十万円以下の罰金なんだから、本来法務省として調査すべきじゃないですか。
  194. 加藤公一

    ○副大臣(加藤公一君) この先生御指摘の資料につきまして、これが刑法上、指摘をされている私文書に当たるか否かということも含めて、これは事実関係その他、作成経緯も含めて判断をされるべき事柄でございますので、政府としてこの件について個別の判断は差し控えさせていただきたいというふうに思います。
  195. 浜田昌良

    ○浜田昌良君 個別案件じゃなくて、法律一般論で聞きますけど、どの党のマニフェストでも結構ですが、どの党のマニフェストでも代表のサインが偽造されて使われている、又は勝手に使われているという一般事案について、これは私文書偽造に当たらないと明確に言えますか。
  196. 加藤公一

    ○副大臣(加藤公一君) 先ほどもお答えを申し上げたとおりでございますけれども、刑法百五十九条が成立をするか否かということは、極めて個々の事案に関することでございまして、その文書の作成経緯等々を含めて判断をされなければなりませんので、個別具体的な事案についてのお答えは差し控えさせていただきたいと思います。
  197. 浜田昌良

    ○浜田昌良君 だから、具体的な事案については個別具体的な議論になるんですけど、一般論としてこれは対象にならないと明確に言えるかということを聞いているんですよ、一般論として。  一般論の、各政党が出すマニフェスト、どの党も出しますと、代表のサインが勝手に使われて、全くできないような内容が書いてあったと。それはこの私文書偽造という百五十九条に当たらないと明確に法務省として見解を出せるのかと。だって、親告罪じゃないんだから、そうじゃなかったら捜査しなきゃいけないんだから。個別具体に当たるかどうなのか、これを聞いているんですよ。
  198. 加藤公一

    ○副大臣(加藤公一君) 何度も申し上げておりますとおり、これが、御指摘の文書が刑法で言うところの私文書に該当するかどうかという点もございますし、また、その後、この百五十九条の条文に当てはまって犯罪が成立するか否かというのはもう極めて個別具体的な話でございますので、先ほど来先生御指摘のとおり、代表のサインがどうかとか内容がどうかということを含めて、これはもう個別の事案でございますので、答弁は差し控えさせていただきたいと思います。
  199. 浜田昌良

    ○浜田昌良君 何回も聞いているんですけど、このマニフェストをじゃ忘れていただいて結構ですから、各政党が出すマニフェスト、別にどの党と言いませんよ、それに勝手に代表者のサインがしてあるということは私文書偽造に当たるのかという、例題でいい、例題で。それは明確に当たらないと言えるのかという、当たる場合もあり得るという答弁なのか、どちらか二者択一で御答弁ください。
  200. 加藤公一

    ○副大臣(加藤公一君) 文書の性格あるいは内容、作成経緯等々ございますので、一概に何か判断できるというものではございませんから、一〇〇%当たるとか一〇〇%当たらないということを一般的に申し上げるのは難しいと思います。
  201. 浜田昌良

    ○浜田昌良君 そういう意味では一〇〇%当たらないとは言えないということですよ。そうですよね、今の御答弁は。ということは、やはり個別具体的に、親告罪じゃないんだから、法務省としてこういうのは捜査をされるべき問題だと思いますよということを、の内容であるということを忠告させていただいて、時間過ごしてしまいましたが、やっと普天間の問題に移りたいと思います。  まず、この前の積み残しになっているんですが、外務省に、米国の軍事委員会予算の審議状況なんですが、この前は過去一年間しか例がなかったんですが、過去十年間で国防授権法案の審議が始まったのはということと、そもそもいつになるのかという問題、そしてそもそも本年度の国防授権法案にグアム移転費はちゃんと計上される見込みかどうなのかということについて、併せて御答弁いただきたいと思います。
  202. 梅本和義

    政府参考人(梅本和義君) お答え申し上げます。  過去十年の国防授権法案の付託の時期でございます。これは、二〇〇一年度は二〇〇〇年の四月六日、二年度は七月二十三日、二〇〇三年度は二〇〇二年四月二十三日等々、おおむね三月から七月の間でございます。具体的な日付はまた別途御連絡をいたします。  それから、二〇一一年度の国防授権法案でございますが、本年四月二十六日に既に下院の軍事委員会に付託をされ、五月二十一日には同委員会で採択をされ、下院本会議に送付をされたというふうに承知をしております。  また、上院の軍事委員会には四月二十九日に付託をされておりますが、採択はまだされていないということでございます。  それから、この国防授権法案の中には、グアムの関連予算も計上されているというふうに承知をしているところでございます。
  203. 浜田昌良

    ○浜田昌良君 幸いにしてグアム移転経費が計上されているということを御答弁いただきましたが、これが今までは何回か審議の途中で減額修正がされている例がありますので、これが減額修正されないように、しっかりと普天間の問題、日米間で信頼を持ってやっていただきたい。これについては外務大臣からの決意をお願いしたいと思うんですが。
  204. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) 問われれば、他国の議会の審議の見通しについてお答えする立場にないということでありますが、この予算が確実にきちんと議会の中で審議が行われ、そして計上される、決まるように、日米間の信頼関係、非常に重要なことだというふうに考えております。
  205. 浜田昌良

    ○浜田昌良君 もう時間がありませんので最後にまとめておきたいですが、何か結局、八か月あってぐるっと回ってきて辺野古に返ってきているわけですが、そこでまた同じ辺野古でも少し元の案よりもメンツでも変えておきたいみたいなお考えは多分やめられた方がいいと思うんですよね。それをもううかつにやり出すと、また二〇一四年という期限自体が遅れてしまうというのがこれ一番良くないことで、そもそもこの普天間の問題というのは、普天間の基地の危険性を除去するというのが最大の目的です。それを一番早くすると。そのためには、もう与党、野党も超えて、メンツも捨てて、間違ったことは間違ったと謝られて、早くこれは危険除去をするということに議論を戻さないと、何かメンツでまた環境影響評価して何かしていて、結局遅れちゃうと、これが本当に愚の骨頂と思いますから、そのことは切にお願いさせていただいて、私の質問──答えたいですか、でも時間ないんですけど。一言でいいですよ、もう。
  206. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) 従来から知事日米合意案そのものではなくて多少の移動ということも言われているわけであります。したがって、これは沖縄県の考え方もよく聞いた上で、もちろん日米合意できる、そのことが前提でありますけれども、様々な可能性について検討していきたいというふうに考えているところであります。
  207. 浜田昌良

    ○浜田昌良君 余計な答弁だと思いますけれども、基本的には、やっぱりちゃんとスケジュールは守っていただいて、普天間の危険除去を最大限の目標にしていただきたいということを言わせていただいて、私の質問は終わります。
  208. 井上哲士

    ○井上哲士君 日本共産党の井上哲士です。  防衛省設置法の改正案は、陸海空に分かれている情報保全隊を統合して新しい自衛隊の情報保全隊をつくり、三十九人増員し、強化をするという内容であります。  我が党は、二〇〇七年に陸上自衛隊の情報保全隊の内部文書自衛隊関係者から入手いたしまして、当委員会でもこれをただしました。この資料では、イラク派兵反対や消費税増税に反対する活動などを含む国民のあらゆる運動や活動を対象に、写真撮影などの記録、監視を行っているということを明らかにいたしました。この法案の衆議院での質疑の際に、こういう保全隊を強化をするということは新政権として国民監視活動を容認することなのかという質問に対しまして、これは極めて有用な組織だ、デモなどの一定の写真撮影は法令に遵守してやる場合もある、国民を監視するだけのためのものではないと、言わば国民監視を堂々と認める答弁をされました。  そこで、まずお聞きするわけでありますが、この旧政権下の自衛隊で行われてきた情報保全隊の国民監視活動の対象、そしてやり方、こういうものについて新しい政権で何らかの是正は行われたんでしょうか。
  209. 楠田大蔵

    大臣政務官楠田大蔵君) お答えをさせていただきます。  自衛隊情報保全隊の任務は、外部からの働きかけ等に対して部隊や隊員等を保全するために必要な情報の収集、整理等を行うものであります。この点で、防衛省の所掌事務の範囲内で関係法令に従い適切な方法で行うということは今なお必要性があると考えておりまして、この点においては前政権と現政権で変更したということではございません。
  210. 井上哲士

    ○井上哲士君 外部からの働きかけというふうに言われましたけれども、当時の資料でも明らかにしましたが、医療の負担増とか年金の改悪に反対する、そういう宣伝活動なんかも全部言わば敵視して対象にしていたわけですね。当時の民主党の国会議員もその対象になっておりました。イラク派兵反対の行動をしている国会議員も含めて反自衛隊活動と、こういう分類がされてきたわけですね。  ですから、当時の国会でも、例えば民主党の、これは防衛省にもおられた山口壯委員などは、警察の活動は防衛省の範囲ではない、これは隊員の保全じゃない、現実に外に対する監視という全然違う意味を持っている、これはもう逸脱だということも含めて当時批判をされたわけですね。それが何ら是正もされていないと、こういうことで確認してよろしいですか。
  211. 楠田大蔵

    大臣政務官楠田大蔵君) 委員の御指摘、また過去の議論というのはそれぞれ我々としてもしっかり受け止めさせていただいておりますが、しかしその上で、先ほど申しましたように様々なケースが考えられるわけでありますが、あくまで所掌事務の範囲内において必要な情報の収集、整理を行っていくと、この点において不当な手段、方法による情報収集活動は行わないという点は改めて我々としても徹底をしているところであります。
  212. 井上哲士

    ○井上哲士君 その答弁も全然変わらないんですね。  じゃ、確認しますけれども、今沖縄基地被害に反対してその抗議の電話を掛けてくる人とか、それから、辺野古での基地建設反対で県民大会も行われました。先日は、鳩山総理沖縄訪問に対して超党派の県議の皆さんが県庁前で座込みもされました。こういう様々な沖縄で行われている抗議の電話とか運動というものも、これも情報保全隊の情報収集の対象となっているということでしょうか。
  213. 楠田大蔵

    大臣政務官楠田大蔵君) 具体的な先ほど事例を挙げられたわけでありますが、その点についてはお答えを差し控えさせていただきたいと思います。
  214. 井上哲士

    ○井上哲士君 こういう沖縄の例えば基地騒音に対する苦情とか様々な運動については、これは対象から外しなさいと、こういう指示をされたことはありますか。
  215. 楠田大蔵

    大臣政務官楠田大蔵君) 私が知る限りは、これを外せという指示もいたしたという認識はしておりません。
  216. 井上哲士

    ○井上哲士君 ということなわけですね。ですから、前の政権下で行われていたように、現に今沖縄皆さんがやっているような運動とか抗議の声も含めて結局対象になっているんです。  二〇〇七年に問題にしたときに、これも当委員会で、これは民主党の議員の方が問題にされたんですが、例えばヘリの騒音の苦情電話を掛けたと、自衛隊に。これも反自衛隊活動という分類にされているんですよ。今の沖縄皆さんのこういう声も反自衛隊活動ということでこういう情報保全活動が行われるということは、本当に私は県民の声を愚弄するものだと思います。  しかも、情報保全隊がやったのは国民監視活動だけにとどまりません。自衛隊の立川宿舎にビラを配った市民団体のメンバーが逮捕、起訴された立川のビラ弾圧事件というのがありました。このときに、陸上自衛隊の東部方面情報保全隊が作成した立川自衛隊監視テント村構成員の逮捕という、これはA4判十七枚の文書を私どもの赤旗新聞が入手して当時報道をいたしました。これによりますと、逮捕の二か月前に立川署から自衛隊側に現行犯逮捕の協力依頼というのがされております。その依頼の内容は、ビラを配布、投入している者を見たら一一〇番をしてください、それから、ビラを配布、投入され困っているという形で自衛隊側から被害届を出してくれと、こういう依頼をされております。そして、この依頼の一週間後に情報保全隊と立川署で立川宿舎の実況見分しているんですよ。つまり、この現行犯逮捕のための準備をしていたんではないかという私は疑いを持っておるんですけれども、この事件は、国民のビラ配布への弾圧として、表現の自由への弾圧だといういろんな批判の声がありました。  これに自衛隊の情報保全隊が警察と一体となって加担をしていたということになるわけでありますが、こういうような活動も含めて、保全隊は問題ない、これからも続けると、こういう立場でしょうか。
  217. 楠田大蔵

    大臣政務官楠田大蔵君) 我が省といたしましては、先ほどるる委員から御指摘ありましたが、この文書自体も確認をしていないということもありますし、また、様々、個別具体について今の時点でお答えをすることはかなわない、差し控えさせていただきたいと、そうした思いであります。    〔委員長退席、理事山根隆治君着席〕
  218. 井上哲士

    ○井上哲士君 安保政策いろんな違いはありましても、当時、私たちが提起をした資料ではあったけれども、民主党の議員の皆さんもこれは問題だということで当委員会でもいろんな質疑があったわけですね。ですから、やっぱり国民の自由とか権利に権力が介入をしていくということについては、いろんな政策の立場を超えてこれは正すという姿勢があったと思うんですけれども、どうも今の答弁を聞いておりますと、何も違いがありません、前の政権のときの答弁と。私は本当に残念な思いがしております。  北海道でイラク派兵の差止めの訴訟がありました。これは二〇〇七年に判決が下ったんですが、札幌地裁は、この自衛隊の情報保全隊が、イラク派兵強行の前後に平和運動を監視をしていたということについて判決で触れております。こう言っているんですね。国民一般に対する情報収集活動が行われていたことがうかがわれ、ゆゆしき問題と言わざるを得ないと。こういう司法の判決も出ております。  私は、情報保全隊の活動について、その対象とかやり方なども含めて総点検をするべきだと思いますけれども、これ大臣、是非お答えをいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
  219. 北澤俊美

    国務大臣北澤俊美君) この問題については、井上委員は再三にわたって御質問をいただいておりますが、今回も、この質問に対して、防衛省として、いろいろ過去の事例等も検討しながら、今、楠田政務官答弁をしたわけでありますが、私は、もし行き過ぎなことがあれば、それは本来の自衛隊情報保全隊の任務を逸脱しているようなことがあるとすれば、それはきちんと正さなきゃいけませんので、先ほど言われましたことについて、もう一度省内でしっかり検討をしながら対応していきたいと、こういうふうに思っております。
  220. 井上哲士

    ○井上哲士君 国民のプライバシーや権利を侵すような行動は絶対あってはならないと、そういうことを改めて申し上げておきたいと思います。  その上で、普天間の問題でありますけれども、総理が連休中に沖縄を訪問された、これが県民の怒りに火に油を注いだ形になりました。そして、今回の地元の頭越しのアメリカとの合意ということであります。  総理は、地元、アメリカ、そして連立での合意ということを明言をされていたわけでありますが、今回は地元の反対のままアメリカとの合意を優先をしたということでありますが、これ自体にまた沖縄皆さんは怒っていらっしゃるわけですね。知事は、裏切られたという思いが非常に強いと言われ、県議会の議長は、県民の頭越しに政府案が決められ、それを前提に日米協議が進められる、民主主義国家として果たしていいのかと、こういうことも言われております。  私たちはSACO合意にも当初から反対をしておりましたけれども、当時は県知事も県議会の中のかなりの部分もこれは認めておられました。しかし、結局、県内たらい回しに対する県民の反発の中で、十四年間、辺野古沖にはできなかったわけですね。    〔理事山根隆治君退席、委員長着席〕  今回は首長もそして議会も県民一つになって反対を今しているんです。にもかかわらず、アメリカとの約束を先行させる、県民よりもアメリカを優先する、これが鳩山政権の姿勢ということなんでしょうか。防衛大臣、いかがでしょうか。
  221. 北澤俊美

    国務大臣北澤俊美君) 普天間の危険性を除去するというのがこれが出発点でありまして、それを更に鳩山総理は、県外で解決をしたいと、こういう強い思いを表明したわけでありまして、いささか時間を取ったわけでありますけれども、先ほど来質疑がありますように、五月四日に沖縄を訪問して、沖縄で一部負担をしていただきたいということをお願いを申し上げて、一日も早くその原点である普天間飛行場の危険性の除去にこれから努めてまいりたいというのが鳩山政権としての基本的な考え方であります。
  222. 井上哲士

    ○井上哲士君 五月末決着というのは県民が求めたのではなくて総理自らが明言をされたんですね。我々、これを先送りしろということは言いません。一刻も早く解決をすべき問題ですが、問題は中身なんですね。  結局、自ら言った期日が迫ってきたということで、言わば延命のためだけに形だけの決着を付けて、県民無視でアメリカとの合意を交わすと、こういう県民頭越しのやり方が一層今怒りを広げているわけですね。私は、辺野古沖建設でアメリカ合意ってしても、県民合意が得られる現実性は全くないと思います。むしろ、この間の一連のやり方が一層県民の怒りを広げて、そして団結を固めていると、一層困難に陥れると思いますが、そういうことになっているという自覚は政府としてはおありでしょうか。外務大臣
  223. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) さきの県民大会の様子など、沖縄県民皆さんのこの問題に対する関心の高まりということは十分に理解をしているところでございます。だからこそ、そういったことも含めて、米国側とかなり長い意見のやり取りを行って日米合意ということになりました。この日米合意が明らかになった段階で、率直に沖縄皆さんに対して説明をし、そして理解をいただく、そのための努力政府を挙げて行っていかなくてはならないというふうに考えております。
  224. 井上哲士

    ○井上哲士君 その日米合意を優先させるやり方がまさに沖縄の怒りを広げているんだということなわけですね。これをどう受け止めるかと、私はやっぱり歴史を考える必要があると思っております。  一九六九年に沖縄の施政権の返還で合意をしたわけでありますが、当時、沖縄と本土のいろんな世論、闘いがありました。サンフランシスコ条約三条では不可能なことを当時、日米間は決断をしたわけですね。この間、情報公開をされた当時のアメリカの国務省と国防総省そして在日大使館が交わした文書も明らかにされております。これを見ますと、非常にその三者で激しいやり取りしているんですね。そして、ポイント・オブ・ノーリターンという言葉が出てまいります。つまり、国務省側が沖縄情勢を見て、もう後戻りができない情勢だと、こういう判断をして決断をし返還に至ったと。私は、今の沖縄の、とりわけ四・二五の集会以降の状況というのは、こういうポイント・オブ・ノーリターンと、当時と同じような歴史的な岐路に立っていると思います。  宜野湾市長は、もしも県内移設を強行するならば沖縄からすべての米軍基地の撤去を求めることになるだろうと、こういうふうに言われました。嘉手納町長さんというのは保守の方でありますけれども、日米安保条約の是非そのものを考えなくてはいけないと、こういう発言もされております。  ですから、県民の怒りというのがそこまで来ている、沸騰点を超えているということをやはり直視をして、そしてそういうこと自身アメリカにしっかり伝える。私は、沖縄の人を説得するのではなくて、これをぶっつけて、沖縄県民合意は絶対に得られないと、そういうことをしっかり伝えて正面から交渉するしか私はこの解決の道はないと考えますけれども、政府としてはこの沖縄県民の声をどう認識し、どうアメリカに伝えてやってきているんでしょうか。
  225. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) 沖縄県内の今の状況というものはもちろん米国政府も十分に認識をしておりますが、この日米合意をつくるに当たって様々伝え、そしてそういう下で沖縄の負担を減らすと、そのためにどうすればいいかということを真剣に議論した結果としての日米合意でございます。これは是非、明らかになった段階で御覧いただきたいというふうに思っております。  いろいろな県民皆さんの声、あるいは知事や市長の声、それぞれあることは十分承知をしております。ただ、私は、宜野湾市長には昨年の秋の段階で申し上げたわけでありますが、普天基地のある宜野湾市、その普天間の危険性の除去ということで政府を挙げて努力をしているわけでありますから、その当該地元である市長が、いや、沖縄県内移設は駄目だとか、海外だとか、あるいは元々アメリカはグアムに持っていくつもりなんだとか、いろいろおっしゃるのは私自身納得できないものを感じております。
  226. 井上哲士

    ○井上哲士君 それは沖縄県民や宜野湾の市民の皆さんに対する本当にひどい発言だと思いますよ。  沖縄県民皆さんは、自分たちが痛みに思っているものは、ほかに行っても危険だし痛みなんだと、だからそういうやり方ではないということで宜野湾の市長さんも言われているわけであります。私は、そういう声を無視したような日米合意というものが仮につくられてもこれは決してうまくいかないと、本当にやっぱり県民の声に立った交渉こそやるべきだということを強く申し上げまして、質問を終わります。
  227. 山内徳信

    ○山内徳信君 私はほとんど防衛大臣質問いたしますが、今日は外務大臣防衛大臣と同じ気持ちでここで私の質問を聞いていただきたいと思います。話の流れによっては、突然外務大臣質問もないとは言えません。  総理は二十三日、二回目の沖縄訪問をされました。知事と名護市長に対し辺野古移設を明言されました。県民の大きな怒りと反発を買っております。沖縄県と名護市との合意は得られると防衛大臣は考えていらっしゃるんですか。どうぞ。なるべく短く答弁してください。
  228. 北澤俊美

    国務大臣北澤俊美君) 誠心誠意お話を申し上げて理解を得たいと、その努力をいたしてまいります。
  229. 山内徳信

    ○山内徳信君 比嘉鉄也市長、岸本建男市長、そして島袋吉和市長、三代にわたって、そして当時の県知事は容認派でありましたが、自由民主党、自公政権が十三年必死に努力してもできなかったところに、皆さんは、八か月の旅行を終わってきて、落ち着くところはまたここしかありませんと。こんな惨めな、こんな県民意思を無視した愚かな決定はどこにもないわけであります。  皆さん県民をそんなにもてあそびたいんですか、外務大臣防衛大臣総理大臣も。もう少し本当に置かれておる沖縄県民の立場になって外務、防衛は物を考えないんですか。自由民主党があんなに必死に頑張っていましたよ。だから私は、鳩山政権を守りたいと思っていたから、皆さんが喜んでいない国外をずっと提起をしてきたんです。  そういうこともまじめに皆さん考えませんから、今朝の沖縄の地元紙をコピーで送ってもらいました。これ御覧になってください。沖縄には四十一市町村ありますが、都合によって一人はそのアンケート答えていらっしゃいませんが、四十名の市町村長が、県内首長容認ゼロであります。そのうち新聞皆さんの手元にも届きますから、分析をされるといいと思っております。こういうふうにして沖縄県民の腹は決まっておる。  この間、総理が行かれたときに、県議会の四十八名は全部県議会棟の前に座込みをして、総理の要請は聞かないと、こう言っておるんですよ。どうしてそういうことが大臣皆さん方の耳にも頭にも入らぬのですか。  そして、条件を付けても聞くわけにはいかぬというのが八五%おるんです。その条件というのは、総理は、環境に配慮をしますと、こういうことを言っておるんですね。自ら向こうに基地を造るのは自然への冒涜であったと言う人が、向こうに環境に配慮をしてとおっしゃる。そういうふうな条件は要らないということを言っておるんです。  さて、時間も限られておりますから。  那覇市の市長さんは保守系で自由民主党関係者でございますが、那覇市長はこうおっしゃっておるんです。県民をもてあそんだと、もてあそび過ぎておると、こういうふうにおっしゃっておるんです。どうして真摯にまじめに、アメリカが言うぐらい、沖縄県民にも耳を傾けようとしないんですか。  私は、北澤大臣訪米されたときに、これは抜き差しならない状況になってしまうと、自ら鳩山政権を追い込むことになってしまうなという、そういう危機感を持っていたんです。  大臣は真摯にまじめにお願いをするとおっしゃったんですが、本当にこういうアンケートを、緊急アンケートですよ、緊急アンケートね、こういうのを御覧になっても、やはり皆さんが、国家権力がお願いすれば、沖縄県民は最終的にははいと、理解できましたと言うと思っておるんですか。改めて防衛大臣と、これは外務大臣にも聞きたいと思います。簡単にお答えください。
  230. 北澤俊美

    国務大臣北澤俊美君) ただいまの首長のアンケートというのは私も初めて見させていただきましたが、まだ我々がどういう形でこれを沖縄皆さんに提示していくかということは明らかにしておらないわけでありまして、明日決定するかもしれない中身を、しっかりまた知事、首長を通じて県民皆さんに御理解をしていただくような努力をしてまいりたいというふうに思います。(発言する者あり)
  231. 田中直紀

    委員長田中直紀君) いや、山内君、防衛大臣質問してください。
  232. 山内徳信

    ○山内徳信君 私からは外務大臣には通告はしてございませんが、もしこれが許されるならば一言おっしゃってください。
  233. 田中直紀

    委員長田中直紀君) 防衛大臣質問してください。
  234. 山内徳信

    ○山内徳信君 ああ、そうか。ああ、分かりました。じゃ、またルールを守るようにします、私は。  分かりました、委員長。  私は、今回の進め方は基本的に間違っていたと考えておるんです。最初に合意を取り付けるのは、その政権合意だと思います。少なくとも鳩山政権は三党による政権でございますから、そういうところの話も取らずに、そしてそれができた後にやはり地元自治体と言われておるところの関係者と合意形成ができて、日本国内はこういうふうにまとまりましたといって防衛大臣アメリカに出かけていく、そして合意形成を実現させるのが、これがあるべき順序と思っておるんですが、今回のアメリカとの合意は、それは間違っておると思っていらっしゃるのか間違っていないと思っていらっしゃるのか、どうですか。
  235. 北澤俊美

    国務大臣北澤俊美君) 今度の事案は、さきの内閣日米合意をしたものを基礎にしてその代替施設を大胆に変えていくと、こういうことでありますから、まず日米の軍事的な認識共有することがまず第一でありまして、それがないまま地元あるいは連立与党の中で協議をしても、軍事的に許容できないものを御相談申し上げてもこれは意味のないことでありますので、とかく頭越しとか順序が違うとか言われますが、我々の中では一番大切なのは沖縄皆さん方の御理解を得ることでありまして、そういう意味日米間でかなりのすり合わせをしたということであります。
  236. 山内徳信

    ○山内徳信君 私はかなり口が悪くなっていまして、最近は。こういうやり方は何か脅迫的な強盗みたいなやり方だと思っているんです。公共の立場にある者が、自治体や政府が何か造るときに、ここに造りたいという場合には、そこの地主の方々、地権者との話が先だと思うんです。ところが、それ後で運用するアメリカ側と先に交渉するというのは、どんなことをおっしゃってもこれは説得力はありません。  そして、前政権が決めたのをそのまま使うということになると、立場もあるからということかもしれません、少し動かしていく、微調整をすると。微調整しても、結局、最初のSACO合意のリーフの上に計画したよりももっと陸寄りになるんです。そして、動かすことによって宜野座村の松田の集落の上に、しかもオスプレーが配備される時代に入るんですよ。そこら辺の検討不十分のままにアメリカ合意をして、そして沖縄の方にその後にお願いにと言われても、私はむなしく感ずるだけであります。  そして、アメリカを喜ばせたわけです。新聞によると、ゲーツ長官合意案を歓迎しますと言っております。そしてさらに、前太平洋軍司令官のキーティングは、辺野古沿岸案に決まったことを喜ばしいとコメントを発しています。沖縄県の市町村長たち四十名、同意できないと言っているんです。そして、こういうふうにして幾ら再編工程の一部を見直しをしても、沖縄の市町村長たちのこのアンケートは、そういう条件でも駄目だと、こう言っておるんですよ。そういうふうにして、やはりめちゃくちゃな今回のアメリカとの交渉だと、こういうふうに指摘せざるを得ません。  私の持ち時間は五十七分までです。したがいまして、あとしばらく続けていきたいと思います。  なぜゲーツ長官やあるいは前太平洋軍司令官のキーティングの皆さん方が喜んでおりますか。今回訪米されて、アメリカとの交渉の内容、経過を三分ぐらいでお願いしたいと思います。
  237. 北澤俊美

    国務大臣北澤俊美君) 今日までの日米での協議の経過、そしてまたおおよその合意について私の方からは申し上げ、また米側からは米側としてのその経緯についての思いを語られまして、ゲーツ長官が非常に喜ばしいと、こういうふうに言いましたのは、ゲーツ長官も、まず第一に必要なことは普天間の危険性の除去だと、これが出発点だというのは完全に日米間では一致をいたしております。そういう意味で、普天間の危険性除去に向かって一歩を踏み出すことができたということについて大変喜ばしいと、こういうことであります。
  238. 山内徳信

    ○山内徳信君 私がアメリカ責任者ならば、私が日本政府責任者ならば、前の政権のやったのを教訓にし、反省点として生かしていきます。十三年、十四年近く必死に努力されてもできなかった。前政権も普天間飛行場の危険性の除去とおっしゃっていました。ああ、いよいよ頑張っていかれるんだなと思いました。  普天間飛行場から飛び立ってきたヘリコプターや固定翼の飛行機が、私が住んでおる、私が村長をしておるその村の真ん中でパラシュートの演習をしていたから、普天基地と読谷基地は不離一体であったわけです。だからそれをよく知っておるわけです。  私が責任者ならば、十年以上も掛けてやるようなそういう危険性の除去はやりません。日本政府大臣や国家公務員はみんなサラリーマン化しておるから、自分の立場だけを守ればいいから、向こうに、あの基地の周辺に危険にさらされておるのが何千名といって人が住んでおるのに、依然として、辺野古に移らなければ、辺野古に造るというのは危険性の除去だと、こういうことを言われてもむなしくしか沖縄の人々には聞こえないんです。  なぜアメリカに帰れということを言えぬのか、外務大臣。なぜグアムとかサイパン、テニアンに。  昨日、テニアンの市長さんが来られました。七名の御一行が来られました。前にも来られましたが、官邸は、どんな理由言われたか知りませんが、これは今ここでは会えませんと言って、何か外務省の副大臣が会うことになっていたとかいう情報がありますが、昨日も来られたんです。  考えてみてください、外務大臣。八千名が、一万二千名ぐらいしかいないと言われている海兵隊が八千名も行くというのは、前の再編のグアム協定で決まっておるでしょう。あと四千名、実際は四千名はいないと言われています。あと二千名ぐらいしか実態はいないのに、テニアンは四千名ぐらい受け入れられますよとおっしゃったんです。演習場として使うならば反対だと、海兵隊がここに住み着いてくれたら、あるいは家族も住み着いてくれたら歓迎しますとおっしゃったんです。  そういうふうなことでございますから、しっかりとそこら辺は方向転換をする時期に来ております。そうしませんと政権もたなくなりますよ、申し上げておきますが。  それで、最後の質問に入ります。  私は、政府は四月ごろから関係省庁が動いておると見ておりますが、辺野古基地を押し付けるために利権屋や土建屋やそういう関係者とこそこそ会っておるという、そういう報道がなされております。そして、あめとむちをちらつかせておるわけですが、過去にもそういうことはありましたから。那覇防衛施設局長とか今の沖縄局の局長に相当する人々が、やはり利権屋とあるいは土建屋とそういう密会をしながらそういう暗躍をして基地を押し付けていこうというふうにしましたが、それも失敗に終わったわけです。  そこで防衛大臣にお伺いいたしますが、よもや私が尊敬しておる北澤大臣や副大臣の榛葉さん辺りが、そういう密会とか暗躍をして市民を分断をしていくようなそういう動きはしていらっしゃらないでしょうねと念を押しておきます。さらに、今後もそういう動きはしませんということを言っていただきたい。どうぞ。
  239. 北澤俊美

    国務大臣北澤俊美君) 今、山内委員の言われたのは、前政権の合意が成ったときに暗躍をしたという前提の下に新政権の私たちがそういうことをしないのかと、こういうことでありますから、当然のことながら、我々は透明性を確保する中で正々堂々とお願いをしてまいる、こういうことです。
  240. 山内徳信

    ○山内徳信君 是非、北澤大臣から現地の真部局長に、そういうことがないように厳重に注意をしておいていただきたいと思います。  最後に、私は昨日、沖縄担当大臣の前原大臣はいらっしゃいませんでしたから、担当秘書官に電話をしておきました。報道によるとこういうふうに書かれておりますと申し上げたんです。そのまま読み上げますと、極め付けは島袋吉和前名護市長と前原沖縄担当大臣が会って辺野古区の条件付容認決議の動きが出てきたとか、そういうふうなことが書かれておるんです。名誉のために少し折り曲げて提示しますが、皆さんだけに見てもらいます。こういうふうに……
  241. 田中直紀

    委員長田中直紀君) 時間が過ぎておりますので、質疑をおまとめください。
  242. 山内徳信

    ○山内徳信君 はい、終わります。  こういうふうに醜いことは、防衛外務大臣としてはやっていただきたくないわけであります。  ただ、防衛大臣は、沖縄商工会議所の太田範雄名誉会頭とか、あるいはうるま市の市会議員の数名とお会いになったことはありますよね。その質問だけで終わります。どうぞ。
  243. 田中直紀

    委員長田中直紀君) 時間を過ぎております。お答えは簡潔に願います。
  244. 北澤俊美

    国務大臣北澤俊美君) その太田さんという方は、今ちょっとどなたが連れてこられたかは記憶にありませんけれども、議員が一度、大分前に、私が大臣になって間もなくのころ連れてこられたことは記憶しておりますが、深い話はしておりません。ましてや、その市会議員がどうのこうのというのは全くの事実無根でありまして、余り不確かなものをこういう委員会の中でおっしゃることは慎むべきだと私は思っております。確実な情報の下で質問をしていただきたいと思います。
  245. 山内徳信

    ○山内徳信君 終わります。
  246. 田中直紀

    委員長田中直紀君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。     ─────────────
  247. 田中直紀

    委員長田中直紀君) 理事補欠選任についてお諮りいたします。  委員異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。  理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  248. 田中直紀

    委員長田中直紀君) 御異議ないと認めます。  それでは、理事佐藤正久君を指名いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後零時五十九分散会