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2010-05-13 第174回国会 参議院 外交防衛委員会 第15号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成二十二年五月十三日(木曜日)    午前十時五分開会     ─────────────    委員異動  五月十一日     辞任         補欠選任      塚田 一郎君     岡田 直樹君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         田中 直紀君     理 事                 喜納 昌吉君                 佐藤 公治君                 山根 隆治君                 佐藤 正久君                 山本 一太君     委 員                 犬塚 直史君                 大石 尚子君                 北澤 俊美君                 榛葉賀津也君                 徳永 久志君                 福山 哲郎君                 島尻安伊子君                 西田 昌司君                 浜田 昌良君                 山口那津男君                 井上 哲士君                 舛添 要一君                 山内 徳信君    国務大臣        外務大臣     岡田 克也君        防衛大臣     北澤 俊美君    内閣官房長官        内閣官房長官  松野 頼久君    副大臣        外務大臣    福山 哲郎君        国土交通大臣  辻元 清美君        防衛大臣    榛葉賀津也君    大臣政務官        内閣大臣政務        官        田村 謙治君        防衛大臣政務官  長島 昭久君    事務局側        常任委員会専門        員        堀田 光明君    政府参考人        外務省北米局長  梅本 和義君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○政府参考人出席要求に関する件 ○外交防衛等に関する調査  (普天間飛行場移設問題に関する件)  (在沖縄海兵隊抑止力に関する件)  (尖閣諸島及び沖ノ鳥島の防衛に関する件)  (宮崎県で発生した口蹄疫への対応に係る自衛  隊の災害派遣に関する件)  (奄美諸島振興策に関する件)  (NPT運用検討会議に関する件) ○脱税防止のための情報の交換及び個人所得  についての課税権の配分に関する日本国政府と  バミューダ政府との間の協定締結について承  認を求めるの件(内閣提出衆議院送付) ○所得に対する租税に関する二重課税の回避及び  脱税防止のための日本国クウェート国との  間の条約の締結について承認を求めるの件(内  閣提出、衆議院送付) ○原子力の平和的利用における協力のための日本  国政府カザフスタン共和国政府との間の協定  の締結について承認を求めるの件(内閣提出、  衆議院送付)     ─────────────
  2. 田中直紀

    委員長田中直紀君) ただいまから外交防衛委員会を開会いたします。  委員異動について御報告いたします。  去る十一日、塚田一郎君が委員辞任され、その補欠として岡田直樹君が選任されました。     ─────────────
  3. 田中直紀

    委員長田中直紀君) 政府参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  外交防衛等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として外務省北米局長梅本和義君の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 田中直紀

    委員長田中直紀君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  5. 田中直紀

    委員長田中直紀君) 外交防衛等に関する調査を議題といたします。  質疑のある方は順次御発言願います。
  6. 山本一太

    山本一太君 最初に、松野官房長官にお聞きしたいと思います。  今日は平野官房長官の御出席を求めたわけですが、なぜ官房長官はこの委員会に来られないのか、教えていただきたいと思います。
  7. 松野頼久

    内閣官房長官松野頼久君) 私どもは、行政府としては、議会理事会の御決定に従っているところでございます。
  8. 山本一太

    山本一太君 外交防衛委員会で今この普天間基地移設問題を議論しているわけですね。この普天間基地移設問題、もちろん岡田外務大臣北澤防衛大臣も大変重要な役割を果たしているわけですが、官房長官責任者ですから、当然この委員会に来ていただいて答弁していただくというのが自然なことだと思います。再三にわたって出席を求めているにもかかわらず、なぜ官房長官は来ないんでしょうか。もう一回御説明をお願いします。
  9. 松野頼久

    内閣官房長官松野頼久君) 議会の運営に関しましては、私ども行政府がどうというよりも、この委員会理事会の御決定に従わせていただくところでございます。
  10. 山本一太

    山本一太君 松野長官官房長官に伝えていただきたいんですけれども理事会民主党以外の会派はすべて官房長官出席を求めるということで一致しているんです。連立を組んでいる社民党も、山内徳信委員の方から、問題を深めていく、国民の前で明らかにしていくというのが委員会責任なんだから、当然官房長官出席を求めたいという話になっている。民主党以外すべての会派がそれを求めています。  それから、ちょっと以前に北澤委員長という剛腕というか、強引というか、そういう委員長がおられて、私も筆頭理事として仕えましたけれども委員長の強い要求があって、委員会の、それで、もちろん法案審議のこともありましたけれども官房長官も呼んだことありますし、総理質疑もやったことありますし、証人喚問委員会委員長の強い要望を受けて実現をした、そういうふうにやってきたんですね。  今回は、今理事会決定に従うだけだとおっしゃいましたけれども民主党のお二人の理事も、委員会理事会状況を受けて、恐らく官邸に行かれたか、細かくは聞いていませんけれども、かなり努力をしていただいたんだと思います。委員長理事会で、これは委員長として外交防衛委員会への出席を求めたいと言っていると。これだけのことがありながら、官房長官が出てこない。平野官房長官外交防衛委員会を軽視しているんじゃないでしょうか。いかがですか。
  11. 松野頼久

    内閣官房長官松野頼久君) 軽視しているなんということはとんでもないことでございまして、国会の、国権の最高機関である、委員会、大変重要なものだというふうに認識をしてございます。  付け加えますと、私も衆議院の方で国対議運、各委員会相当長くやらせていただきました。衆議院の方では、旧政権の下でも他委員会大臣出席、私どもも随分要求をさせていただいたところでございますけれども、なかなかそれはかなうことがございませんでした。一応そういうこともあったということを付け加えさせていただくところでございます。
  12. 山本一太

    山本一太君 今のは全然説明になっていませんよ、副長官。再三にわたって、再三にわたってこの委員会官房長官出席を求めてきたんです。  官房長官出席するって言えば、それは国対だって議運だって反対しませんよ。しかも、官房長官交渉責任者になって、今徳之島町議方々交渉されたばっかりですから、やはりこれ呼んでいただかないと質疑できないと思うので、ここから電話してください、今のことを踏まえて。ここから電話して、官房長官呼んでください。
  13. 松野頼久

    内閣官房長官松野頼久君) 私がここで電話する云々ということではなく、やはり議会のことは議会の中でお決めをいただくというのがこれは議会ルールだというふうに思います。  ただ、山本委員からそういう御指摘があったということは、この委員会終わりましてきちんと伝えさせていただくところでございます。
  14. 山本一太

    山本一太君 この委員会が終わったらじゃなくて、今電話してください。外交防衛委員会委員長が強く出席を求めて、民主党以外のすべての党の理事出席を求めているんですから、今ここで電話してください。じゃなきゃ質疑できません。(発言する者あり)
  15. 田中直紀

    委員長田中直紀君) ちょっと速記を止めてください。    〔速記中止
  16. 田中直紀

    委員長田中直紀君) では、速記を起こしてください。
  17. 松野頼久

    内閣官房長官松野頼久君) 議会のことは議会でお決めいただくというのがこれはルールだというふうに私は思っております。(発言する者あり)
  18. 田中直紀

    委員長田中直紀君) 先ほどの理事会におきましては、本日の委員会には官房長官出席要求はありましたけれども出席はかなわないということで説明がありましたので、引き続き委員会は継続をさせていただきますので、質問をお願いいたします。
  19. 山本一太

    山本一太君 いや、質問できません。(発言する者あり)
  20. 田中直紀

    委員長田中直紀君) 速記を止めてください。    〔速記中止
  21. 田中直紀

    委員長田中直紀君) 速記を起こしてください。  理事同士の連絡によりまして、民主党筆頭理事が引き続き努力をすると、出席について努力をするということでございますので、再開をさせていただきたいと思います。  じゃ質疑を進めます。
  22. 山本一太

    山本一太君 官房長官出席は引き続き強く求めていきたいと思います。  続いて松野官房長官にお聞きしたいと思います。  副長官、五月四日に総理沖縄訪問に同行されたということで、かなり沖縄側から厳しい反応があったというふうに報道されていますけれども、これも報道によりますと、鳩山総理がもう一度沖縄に行きたいとおっしゃっていると。二十三日辺りを軸にこの沖縄の再訪問調整しているというようなことが一部報道に出ていますけれども、これは事実でしょうか。
  23. 松野頼久

    内閣官房長官松野頼久君) 総理がまた伺いたいという思いを持っているということは報道の事実でございますが、その日程等、行く行かない含めまして、今調整中でございます。
  24. 山本一太

    山本一太君 総理がもう一回行くということは、これは確かな意思だということですね。
  25. 松野頼久

    内閣官房長官松野頼久君) 一度訪問したときにも、またお伺いをしたいというようなことを御発言をされておりますし、訪問をしたいという思いを持っていらっしゃることは事実だというふうに思いますけれども、今具体的なことに関しましてはまだ調整中でございます。
  26. 山本一太

    山本一太君 この件についてはまた後でいろいろと深めていきたいと思いますが、続いて北澤防衛大臣にお聞きしたいと思います。  防衛大臣が、これは五月十一日のたしか閣議の後の記者会見、十一日だと思いますが、閣議の後の記者会見で、その前日に行われた鳩山総理大臣関係閣僚協議についてこうおっしゃっています。沖縄全体の負担軽減をどういう形で実現していくかということの枠組みをほぼ合意したということだと。さらに北澤大臣が、鳩山総理大臣が五月末決着と言っているのだから、五月末決着の姿をどのように見るかという話であって、その後にまだ交渉事が残るのは仕方のないことだと、こういうふうにおっしゃっています。  これは、北澤大臣鳩山総理がおっしゃっていた五月末までに移設先住民方々、そして米国政府、そして連立与党、この合意を取って決着をさせるという、こういうこの五月末の決着を事実上断念したと、こういうことでよろしいんでしょうか。
  27. 北澤俊美

    国務大臣北澤俊美君) そういうことではなくて、この問題は、普天間飛行場返還をすると、こういうことの大きな目標のために様々な事案を検討しておるわけでありまして、したがってその後まだ協議の残るものも場合によってはあるであろうというようなことから申し上げた次第であります。
  28. 山本一太

    山本一太君 そうすると、その後にまだ交渉事が残るのは仕方がないことだと大臣おっしゃっていますが、この発言をもってメディアは、防衛相、五月末決着を事実上断念というふうに報じているわけですけれども、これは事実ではないと。すなわち、まだ、五月末までに鳩山総理が再三約束をされているアメリカ政府合意を取り、移設先住民方々の理解を得、そして連立与党内の合意を得てこの問題を決着させると、こういうことを事実上断念したという意味ではないと、これでよろしいんでしょうか。
  29. 北澤俊美

    国務大臣北澤俊美君) 断念したなどということは私も申し上げておりませんし、これはメディアの一方的な、何といいますか、表現だというふうに思います。  私とすれば、総理が五月末をもって決着をしたいということは、先ほども申し上げましたように普天間飛行場返還ができるという、そういう想定の下に様々な案を今検討しておるわけでありまして、その中から幾つかの問題が五月を過ぎても協議をしていかなきゃならぬものは当然残るであろうと、そういう思いで申し上げたわけであります。
  30. 山本一太

    山本一太君 今、北澤大臣の方から改めて真意を伺って、これは別に事実上断念したわけではないと。  これ、普通、大臣のこの発言を普通の人が聞けば、その後にまだ交渉事が残るのは仕方のないことだという話を普通に聞けば、つまり米国政府との合意もまだ取れない場合があると、移設先住民との協議も続けなきゃいけない場合もあると、連立与党内の決着も付かない、だからこういうことを更に五月末以降も引き続き協議するんだというふうにやっぱり取られても仕方がないと思うんですが、その交渉事というのはそういう話じゃなくて、少なくとも総理約束された三つの条件はこれはクリアしても、そのクリアした上で更にいろいろと交渉事が残ると、こういう解釈でよろしいんですか、確認だけさせてください。
  31. 北澤俊美

    国務大臣北澤俊美君) 私も大して能力はありませんが、普通の人間だと思って物を申し上げておりますから、普通に考えればという考え方山本委員が言われたこととそう変わりはありませんけれども総理パッケージで解決をしたいと、こういうことでありますから、パッケージということの中に、総理が日ごろ申し上げておりますように、全国で分かち合うことも極めて重要だと、こういうふうにおっしゃっておりますので、そういう問題等も含めて交渉事は残ると。前政権でもロードマップをきちんと日米合意をしましたけれども、様々な問題が継続していたという事実があるので、外国、そして全国ということで協議をしていけば当然そういうことにはなるだろうということを意図して申し上げた次第であります。
  32. 山本一太

    山本一太君 北澤大臣のおっしゃることは大体分かりやすいんですけど、よくおっしゃっていることが分かりませんでした。後で多分議事録を見てもよく分からないと思いますが、パッケージであろうと何だろうと、アメリカ政府合意を取って移設先住民合意を取って連立与党合意を取って決着させると、こういう総理言葉意味はもうそれ以外には私は取れないと思っています。  そこで、これは私の見方でもありますけれども、五月末までの決着がこれはもうほとんど事実上不可能になってきたという観測が広がる中で、鳩山内閣閣僚の中から、一種のダメージコントロールといいますか、五月末に決着できなくても先送りしていいじゃないかと、こういうような発言がいろいろと出ております。  岡田大臣北澤大臣御存じだと思いますが、例えば、この間の沖縄北方特別委員会前原国土交通大臣は、地元賛成論もあれば反対論もある、五月三十一日で一〇〇%の方々賛成を得ることはなかなか難しい、当該の地元に引き続きお願いをしていくことは現実問題として必要であり、五月末以降も継続することになるとおっしゃっています。中井国家公安委員長も、期限にとらわれず、地元とかアメリカの了解を得る努力をやるべきだ、鳩山総理大臣は、できないならできないということをきちっと言って、引き続き総理大臣をやっていけばいいとおっしゃっています。さらに、国民新党代表亀井大臣も、自民党政権十年以上掛けてできなかったんだから、鳩山総理が手品のようにはできない、批判しまくるのはどうか、そう簡単に決着できる話ではないというふうにおっしゃっています。枝野大臣も、それから仙谷大臣も、五月末の決着ができなくても総理は特に責任を取る必要がないというふうにおっしゃっているんですが。  そこで、官房長官と両大臣にお聞きしたいと思うんですけれども鳩山総理が繰り返し国民に対して約束をしてこられたこの五月末決着オバマ大統領にも直接おっしゃっていることからいうと、これはアメリカとの約束だと思いますが、これができなかった場合に鳩山総理責任を取ってこれは辞任をするべきだと、そういうふうにお考えでしょうか。  まず、松野長官からお願いします。
  33. 松野頼久

    内閣官房長官松野頼久君) 総理も度々委員会の中で御答弁させていただいているように、できなかったということよりも、とにかくこれを成し遂げることが自分にとっての最大の責務だということを繰り返し答弁させていただいているところだというふうに理解しております。
  34. 山本一太

    山本一太君 外務大臣防衛大臣、続けて今の質問に対する御答弁をいただければと思います。
  35. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) 委員いろいろおっしゃるわけですけれども、今懸命に努力を行っているところであります。したがって、その仮定の議論にはお答えすべきではないと思います。
  36. 北澤俊美

    国務大臣北澤俊美君) 再三申し上げておりますように、鳩山総理沖縄負担軽減を第一義として今努力しておるわけでありますから、辞めるの辞めないのという話に直結するような話ではなくて、責任者として最大努力をしておるということを私の立場からも申し上げたいと思います。
  37. 山本一太

    山本一太君 今の北澤大臣の御答弁は、辞めるとか辞めないとかいう話ではないということなので、それは、これが先送りにされても特に責任を取る必要はないというふうに今解釈をさせていただきました。  これ、岡田大臣はコメントする話じゃないというふうにおっしゃっているんですが、普天間基地移設問題については、岡田大臣北澤大臣、本当にキーパーソン、もうこの政策決定においては主要な役割を果たされる二人の大臣です。鳩山内閣のほかの大臣がここまではっきりおっしゃっているわけですから、この先送りの問題について。さっきの岡田大臣答弁は、不十分というか、おかしいと思うんですね。これ、大臣、ほかの大臣もはっきりおっしゃっているので、岡田大臣、もう一回御答弁いただけますか。政治家個人としてどういうふうに思われますか。
  38. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) 何について聞かれたのかちょっとよく分からないのですけれども普天間、五月末ということについての御質問であれば、私は総理と同じであります。総理言い方以外の言い方をするつもりはございません。  少し自分言葉で語りますと、その言葉じりをとらえていろいろ報じるということが最近メディアで相次いでおりますので、私は総理の言われるとおりだと、そういうふうに申し上げておきたいと思います。
  39. 山本一太

    山本一太君 総理は、国会答弁でも職を賭して臨むというふうにおっしゃっているので、今、岡田大臣総理と同じだと言うのもちょっと私も解釈に苦しむんですけれども、少なくとも責任論についておっしゃらないということは、これはもう責任を取らなくてもいいと、こういう御趣旨だと思います。  昨今、鳩山内閣支持率御存じのとおり下がっています。五月七日—九日のNHKの世論調査だと、先月の調査より一一ポイント下がって二一%、支持しないが一二ポイント上がって六八%、七割近くなっています。この問題で鳩山総理大臣が今月末までに決着できなかった場合に退陣すべきと思うか質問したところ、退陣すべきが四〇%になって、必要がないの二〇%の倍になっています。  更に言うと、例えば読売新聞、五月七日から九日の世論調査、これも支持率が二四%ということで前回の調査から九ポイント下落して、不支持率は七割近く、六七%になっています。この中で、日米合意を一部修正して同県名護市に移設し、一部を鹿児島徳之島に移す案を鳩山首相の公約に違反すると思う人は六六%、そう思わない二四%を大きく上回っています。さらに、この調査でも、普天間の移設問題が今月末までに決着しない場合、鳩山首相責任を取って退陣すべきかどうか、これも五割になっています。  さらに、ほかの調査、もうこれ以上やめますが、TBSの調査だと、五月八日から九日に行われた調査で、鳩山内閣支持率二〇・九%、支持できないが七八・四%、もう八割近くになっている。さらには、五月末までに移設先が決められない場合、鳩山総理は退陣すべきという人がもう五七%、六割近くになって、退陣の必要はないという人を二〇ポイント以上上回っていると。  私は、やっぱり有権者というか国民方々は本当によく御覧になっているなというふうに思います。これから、世論調査がどういう状況になったとしても、松野長官も両大臣も特に総理責任論には結び付かないというお考えであるということは今よく分かりました。  そこで、今度ちょっと平野官房長官のことについて副長官にお聞きしたいと思いますけれども平野官房長官、この普天間基地移設問題をめぐる責任者ということで特に今年からクローズアップをされている、平野長官のいろんな活動がクローズアップをされていると思いますが、これは、副長官平野官房長官官房長官として調整機能を果たしていると、そういうふうに評価されていますか。
  40. 松野頼久

    内閣官房長官松野頼久君) 私がどう評価するという立場ではございませんけれども、一生懸命職務を遂行されているというふうに理解しております。
  41. 山本一太

    山本一太君 今年になって、一月だったと思いますけれども官房長官がこの調整役を買って出られたのか分かりませんが、前面に出てきて、それで、何か検討委員会もやっていたんだけれどもこれも中断されちゃったと。昨日の徳之島町議との会談も含めて、どうも平野官房長官調整能力が欠如しているんではないかと、こういう見方が広がっておりますけれども、もう一回聞きますが、平野官房長官十分官房長官として調整能力を発揮していると、そう思われますか。
  42. 松野頼久

    内閣官房長官松野頼久君) 少なくとも私からはそのように思います。
  43. 山本一太

    山本一太君 それでは、官房長官、本当は官房長官に聞かなきゃいけないことなんですが、まだこちらに来られてないということなんで官房長官にお聞きしたいと思いますけれども官房長官が、昨晩でしょうか、鹿児島市で徳之島町議方々、五名でしょうか、と会談をされたということなんですけれども、いろいろと報道されていますが、この会談はどちらが要望されたんでしょうか。
  44. 松野頼久

    内閣官房長官松野頼久君) 若干この間の経緯を御説明させていただきますと、五月の七日に官邸徳之島町長皆さんが来訪され反対の意向を伝えられるとともに、政府としての考え方説明をさせていただいたところでございます。そして、政府としては今後継続的な協議を打診をいたしました。五月九日、徳之島町長徳之島町議皆さんを招集し、上記、総理官邸での面談結果について御報告をされた。その後、複数徳之島町議の方から、自分らの思い政府に肉声を通じて伝え、また政府考え方を直接聞きたい旨の要望複数の筋を通じて官邸に届けられたということでございます。  そして、具体的には、五月十二日、昨晩でございますけれども徳之島町議の有志の勉強会を開催されるということから、その機会政府考え方説明してもらえないかという要望が強くなされたこと。急遽、官房長官鹿児島入りをして非公式の意見交換の場を設けることになりました。  政府としてはあらゆる機会をとらえて地元町長町議皆さん意見交換の場を設けたいと考えており、今回はその一環であるということでございます。  ですから、どちらからどういうふうにということではなくて、双方から、いろんな筋からそういう声も届けられ、結果的にそういう会合が設けられたというのが事実でございます。
  45. 山本一太

    山本一太君 今、官房長官は用意されたペーパーを読み上げた。官房長官じゃないと分からないと、真のところはそうかもしれませんが、私が聞いている話と違います。四月に官房長官徳之島町議何人かの方々と朝食会か何かで会われて、そのときに官房長官の方からおっしゃったと私はある筋から聞いています。さらに、そのときに、前後だと思いますけれども、何か徳之島の議員は十六人いて、できれば過半数の八名ぐらい来てほしいという話だったというふうに伺っているんで、これはもう副長官に聞いても長官しか知らないというふうにお答えになると思うんで、これ以上やりませんけれども。  これ、非常におかしいと思うんですよね。町長をパスして、この官房長官のやり方は。しかも、例えば、この十六人の方々のうちどのぐらいの方々が本当に反対派で、何人か推進派の方々がいるのか分かりませんけれども、中間派、推進派みたいな方々だけ集めて話を聞く。町長もパスする、首長もパスする。しかも、何かたまたま徳之島で行われている別の会合か何かに官房長官が乗り込んでいって、一時間ぐらい話ししてまたとんぼ返りする。極めて不誠実で私は不適切なアプローチだと思いますけれども、これについて、官房長官どう思われますか。
  46. 松野頼久

    内閣官房長官松野頼久君) 今申し上げたように、政府としてはあらゆる場面をとらえて地元の理解を得るべく努力をしているところでございます。  そして、今委員おっしゃいました、その中間派とか賛成派とかそういうことではなく、やはり現実の姿を聞いてみたいという思いで、何々派、賛成派とか中間派とかいう全く色はなくて来られたんだというふうに私は理解をしておりますし、いろんな場面を通じて私ども地元の理解を得るために努力をしているところでございます。
  47. 山本一太

    山本一太君 官房長官はもうそういうふうにおっしゃるしかないんで、改めて官房長官出席を求めたいと思います。  そこで、これ以上また官房長官にこのことをずっと、いろいろとお聞きしたいことを書いてきたんですけれども、お聞きしたところで結局御本人じゃないから分からないということになると思うんで、これは、この問題はこのくらいにして、普天間基地移設問題の政府案について両大臣にお聞きをしていきたいと思います。  まず、岡田大臣にお聞きしたいと思いますが、私、再三、参議院の本会議の代表質問でも、あるいはこの外交防衛委員会等々でも予算委員会でも鳩山総理に、政府案の中に徳之島は入っているんですかというふうにずっと聞き続けてきました。総理は、今は言えないという答弁を繰り返してきました。岡田大臣もそれから北澤大臣も、政府案の中に、政府が検討している案の中に徳之島は入っているのかという質問についてははっきりお答えにならなかった。  改めて、もうこれ確認をさせていただけると思うんですが、徳之島に機能の一部を移転すると、これはもちろん政府案の一部だということでよろしいでしょうか、岡田大臣
  48. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) どのような案にするのかということは、まさしく今関係閣僚間で議論をしながら関係方面と意見交換をしているということですから、最終的なものとしてどういった形になっているのかということを述べる状況にはございません。
  49. 山本一太

    山本一太君 だって、総理沖縄に行かれて、何をおっしゃっているんですか、外務大臣総理沖縄に行って、普天間の機能の一部をお引き受けいただければ大変有り難いという思い総理として今日はお伝えしたいと発言しているわけですよね。これもう明らかに徳之島もこの政府案の一部として検討されているということ以外ないじゃないですか。  これ、前原国土交通大臣も、この間の沖北の委員会だと思いますが、はっきり言っていますよ。政府として公式に発言したのは、徳之島への一部機能の移転、沖縄県外への移設は困難の二点だと、これははっきり政府として明言をしていると言っているんですけれども。  もう一回お答えください。徳之島はもちろん政府案の検討の一部に入っているということですね。
  50. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) 先ほども申し上げましたように、いろいろなことを試みてはおりますが、最終的に決まったものはございません。
  51. 山本一太

    山本一太君 総理沖縄まで行って、徳之島まで行ってこういう発言をされているわけですよね。あっ、ごめんなさい、そうじゃなくて、徳之島地元の三町長に対してきちっと政府としてもう申入れをしているわけですよね。この中で、今最終案は決まっていないとおっしゃいましたけれども、これ政府案の一部として検討されているんですね、外務大臣。それだけははっきり言ってください。
  52. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) 総理沖縄徳之島の皆様にお願いをしたいという、そういう発言をしたことは事実であります。しかし、それに対して徳之島の三町長は否定的なお答えも、お会いになったときにですね、官邸でお会いになったときにしているわけで、そういうことですから、最終的にどうなるかということはまだ決まっておりません。
  53. 山本一太

    山本一太君 徳之島政府案の一部として検討されているということと、これ前原大臣もはっきり言っていますが、完全な県外移設は難しいと、一部はやはり沖縄でこの移設を考えるしかないと、この二つについては、外務大臣、確認をさせてください。  こういう、いつもいつもこうやってはっきり言わずにずっと具体論を延ばしてきて、決まっていない決まっていないと言うから、地元でもアメリカ側でも不信感が高まるんだと思います。外務大臣としてこれだけははっきりおっしゃっていただきたいと思います。
  54. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) 途中の段階を言うべきでないというふうに思います。その範囲の中で総理御自身がお述べになったことは、それは事実であります。それ以上のことを私の口から申し上げるつもりはございません。
  55. 山本一太

    山本一太君 全く意味が分からないし、不誠実です。ちょっと今の答弁、納得できません。  もう一回お答えください。徳之島は、徳之島政府案の検討の一部になっているんですか。総理ははっきりもうおっしゃっていますけど、そういうことでいいんでしょうか、外務大臣。そんなこと何でごまかすんですか。(発言する者あり)
  56. 田中直紀

    委員長田中直紀君) 静粛にお願いします。
  57. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) 政府の中で検討をしている段階のことを出す必要はないというふうに私は考えております。(発言する者あり)
  58. 田中直紀

    委員長田中直紀君) 速記を止めてください。    〔速記中止
  59. 田中直紀

    委員長田中直紀君) 速記を起こしてください。
  60. 松野頼久

    内閣官房長官松野頼久君) 山本委員外交関係長うございますのでよくお分かりかと思いますけれども、やはり今アメリカともぎりぎりの交渉をしている、そして地元にも理解を求め、努力をしているという最中でございます。その議論をしている途中経過がなかなかこういう場で言えないという状況をどうか御理解をいただければというふうに思っております。(発言する者あり)
  61. 田中直紀

    委員長田中直紀君) 速記を止めてください。    〔速記中止
  62. 田中直紀

    委員長田中直紀君) 速記を起こしてください。
  63. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) 今政府の中で様々関係方面に試みながら検討している最中ですから、その途中のプロセスをお話しできないということは御理解いただきたいと思います。委員も与党におられたその時代に同じようにお答えになったのではないかと思います。(発言する者あり)
  64. 田中直紀

    委員長田中直紀君) 質疑を継続いたします。(発言する者あり)  速記を止めてください。    〔速記中止
  65. 田中直紀

    委員長田中直紀君) 速記を起こしてください。(発言する者あり)  答弁求めますが、いかがですか。(発言する者あり)  答弁求めますが、再度答弁を求めますが、よろしいですか。
  66. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) 先ほど来、総理徳之島の皆様にも御負担をお願いしたいというふうに言われたことは、これは事実であります。そういうふうに答弁をされたということは、おっしゃったときに、徳之島皆さんに御負担をお願いしたいということですから、徳之島に何らかの負担をお願いするということが念頭にあってそういう発言になったというふうに思います。  しかし、それは現時点でどうかと言われれば、現時点で政府の案として何か固まったものがあるわけではないということであります。
  67. 山本一太

    山本一太君 今のように外務大臣答弁していただければいいものを、総理がもう既に発言をしている、しかも徳之島方々とも会っている、沖縄にも行っている。その中ではっきり、徳之島、機能の一部移転をお願いしている、沖縄方々にも負担をお願いしている。そういう中で、ずっといつもこういう問題について外務大臣防衛大臣もはっきりさせないと。そういう今のはもう外務大臣の象徴の答弁だったので私も突っ込ませていただきましたけれども、最初からちゃんとそう言っていただければいいんです。つまり、政府案の一部として検討されていると、もう当たり前のことだと思いますが、まあ最終案にはなっていないということですけれども政府案の一部として検討されているということだと思います。  そこで、この政府案について日米実務者協議が──何へらへらしているんですか、外務大臣。へらへらしないでくださいよ。へらへらしないでくださいよ。(発言する者あり)いや、聞いていません、別に。今へらへらしていましたよ。またへらへらしている。へらへらしています。へらへらしないでください。  日米実務者協議の中身、これ、昨日の夜からまた実務者協議が始まっているということですが、これはどういう中身だったのか、簡潔に教えていただきたいと思います。どういう中身になっているのか。
  68. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) まず、私の先ほどの答弁ですが、委員が言われたのは私の言ったこととは少しずれがありますので。私が申し上げたのは、総理徳之島の皆様に御負担をお願いしたいと言った以上、そのときに徳之島に何らかの御負担をお願いする、そういう考え方であったと。しかし、現在の時点でそういったことについて私はお話しできないということを申し上げたわけであります。  それから、昨日の実務者協議の話でありますけれども、これはまさしく日米間実務者が協議を行っている段階でありますので、そのことについて政府として何かお話をする、そういう段階にはございません。
  69. 山本一太

    山本一太君 今の外務大臣言い方だと、総理のおっしゃったことは案の一部でもないと言っているのと同じですよ、総理がはっきりおっしゃっていることが政府案の検討案の一部ではないと言っているのと同じですよ。非常におかしいと思います。  そこで、実務者協議のことなんですけれども、だんだん時間がなくなってきたので、今ワシントンで始まっているということで、報道ベースではいろんなことが出ていまして、これ、今までいろいろと言われているように、辺野古の修正案、浅瀬にくいを打つという桟橋案の話プラス徳之島移設プラス、さっきちょっと負担軽減パッケージみたいな話が北澤大臣の方からもありましたが、訓練なんかを全国に散らしていくみたいな話が議論されているというふうに報道ベースですけれども伺っております。また、実は自民党の関係者から、アメリカ政府の関係者と会った自民党の関係者からも、政府側からこの実務者協議、前の実務者協議ですけれども、五月四日の実務者協議にはくい打ち浅瀬案の話が出たということも伺っておりますが。  そこで、北澤大臣に伺いたいんですけれども大臣が、これは五月の八日だと思いますけれども大臣が長野市におられたんだと思いますが、そこの会合でこうおっしゃっています。沖縄で活動しているヘリコプターや飛行機の訓練を日本全国へ散らし、半分になった、四割方減ったと沖縄皆さんに実感してもらえるような案を今作っているというふうに北澤大臣がおっしゃっていますけれども、これは大臣、事実でしょうか。
  70. 北澤俊美

    国務大臣北澤俊美君) これは私の昔からの後援会の皆さん方の農村部での会合で、長野県というのはちょっと変わっていまして、私が概括的なことを申し上げると、一杯会が後に控えているにもかかわらずかなりの質問が出るんですね、もっと分かりやすく話してくれないかというような。そういう中で、例えば沖縄負担軽減されるということの意味はどうかと、こういうふうに問われたので、それはまず第一義的に普天間返還であると。さらに、沖縄に七四%の基地が偏在しているということからすれば、総理思いは更にこれを軽減していきたいと。そういう中で、全国で分かち合いたいと、こういうことでありまして、それはどういうことかと。実は、沖縄の中で外来機が来て訓練をするとか、そういうことはなかなか全国国民に明らかに認識されておらないと。そういう中で、仮に言えば、今までの飛行機の数が三〇%減ったな、四〇%ぐらい減ったんではないかというふうに認識されるような形での軽減策というものは国民に分かりやすいのではないかということで、そういう事例を挙げて申し上げたところであります。
  71. 山本一太

    山本一太君 防衛大臣、何言っているかちょっとよく分かりません。  まず、お話をされたところが農村部であろうと都市部であろうと、私の地元の群馬県の方々も講演会をやれば必ずいっぱい質問が出ますから、それと今度の大臣発言は全く関係ないと思います。  もう一回読みますが、長野市の会合でおっしゃったことは、沖縄で活動しているヘリコプターや飛行機の訓練を日本全国へ散らして、半分になった、四割方減ったと沖縄皆さんに実感してもらえるような案を今作っているとおっしゃったわけですよね。  これ、大臣のお言葉ですから、防衛大臣のお言葉ですから、これは今こういう案を政府内で作っているということでよろしいんでしょうか。もう一回、お答えください。
  72. 北澤俊美

    国務大臣北澤俊美君) 田舎だの都市だのということの言葉じりをとらえて言われましたけれども、私が行った場所がそういうところだと分かりやすく申し上げた次第でありまして、そういうことで一々都会と差別しているような話をしないでください……(発言する者あり)  答弁中ですから。  じゃ、そこで申し上げますが、総理が全国民で分かち合いたいと、こう言っておるわけですから、現実に今ある沖縄の中の負担というものをどういうふうに軽減するかといえば、それは防衛省とすれば、こういう形もある、ああいう形もあるということを検討するのは当たり前のことでありまして、真摯に努力をしているところでございます。
  73. 山本一太

    山本一太君 防衛省としてはいろんな形もあんな形もあるというのを検討しているのは当たり前のことで、真摯に努力をしていると。つまり、これは、大臣がおっしゃったように、沖縄皆さんに実感していただけるようなこの飛行機の訓練の分散の案を今作っていると、こういうふうに大臣はおっしゃっていますけれども、これは事実なんですね、これはうそじゃないですね。
  74. 北澤俊美

    国務大臣北澤俊美君) 今の言い方でいきますと、作っているというふうに言われますが、我々とすれば防衛省の知見をフル活用して様々なことを検討をしておると、それが政府全体の案に昇華するかどうかというのは、それはこれからの問題であります。
  75. 山本一太

    山本一太君 この案を今作っているというこの日本語から考えて、もうほかに全く取りようがないんですけれども、ちょっと大臣、これ非常に逃げられた答弁だというふうに思いますけれども。  いずれにせよ、いろんな案を検討しているということですが、例えば案を作っている、いろんな検討をしている、これ例えば検討している先、訓練を分散しようと政府が検討している例えば自衛隊の基地、そういうところの住民方々との協議というものは少しでも始まっているんでしょうか。
  76. 北澤俊美

    国務大臣北澤俊美君) 先ほどから作っている作っているというのは、これは報道ベースの表現でありまして、私は先ほど来検討をしていると、防衛省でということでありまして、それを個別に交渉しているかどうかということはこの場で発言は控えさせていただきます。
  77. 山本一太

    山本一太君 この大臣発言、私も正確に調べたいと思います。政治家の発言ですから、必ずここに出席した方がおられるはずなので、大臣が検討しておられると言ったのか、それとも今作っていますと言ったのか、ここは大変大事なことですから、これはもう一回詳細に調べて御質問したいと思いますが。  大臣が今お答えできないみたいなことを言いましたけれども、この間、自民党の外交防衛合同部会に、ここに国防部会長がいるんですけれども外交・国防合同部会というのがありまして、そこに外務省と防衛省の官僚を呼んでいろいろと質疑をしました。防衛省の官僚の方からは、事務的には全くその訓練の分散についてどこかと協議を始めたと、そういう事務的な手続は一切やっていませんというふうに言われました。  それを考えてみると、さっき大臣がおっしゃったこのパッケージ負担パッケージの話、あと二十日間、二十一日で期限の五月末が来ると。しかし、この負担パッケージみたいなものも急遽出てきましたけれども、これも含めてもし交渉するとすると、負担軽減する、訓練を分散すると考えている例えば自衛隊の基地の地元とも何の交渉もやっていないと。もうこれ、はっきり言って、十七日間で、もう最初から間に合うわけはないということを改めて感じました。  そこで、今ちょうど、まだ行われているんでしょうか、ワシントンの方で行われている日米の実務者協議なんですけれども、これについては、もちろん言えないという御答弁かもしれませんが、どんな協議になっているのか、もし言える点があれば外務大臣にお聞きしたいと思います。
  78. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) まさしくまだこういった日米間の協議というのは途中の段階にありますので、途中の段階についてのお話はすべきでないというふうに考えております。
  79. 山本一太

    山本一太君 それはもう外務大臣、おっしゃるとおりだというふうに私も思いますが。  これは、実は実務者協議、五月四日にもやっています。日本側は十名、アメリカ側も十名出席をしたと。これは、ある自民党の関係者が、アメリカ政府の関係者とか恐らくこの実務者協議にかかわっている方々だと思いますが、そういう方々から直接得た情報として申し上げたいと思いますけれども、私が得た、この関係者の方から得た情報によれば、徳之島の件でもうこの五月四日の実務者協議で議論していると。アメリカ側は、やはり部隊を離す、地上部隊とそれから航空部隊を離すというのは六十五キロぐらいが限界で、徳之島は無理だというふうに明言をしたと。現在の状況ではやっぱり県内しかないのではないかという話が出たと伺っています。それから、日本側からは、この関係者によれば、直接アメリカ側の方々から聞いたという関係者によれば、くい打ち浅瀬案については具体的に話があったと。アメリカ側は強い懸念を示して、これは日本側は答えを持ち帰ると。日米双方でどうも専門家を見付けるみたいな話になったやに聞いています。  フロート案みたいなものは出なくて、くい打ち方式のみがこの五月四日の実務者協議で出されたということなんですが、この前回の実務者協議、そして今回の実務者協議で、これは辺野古沖の修正案のくい打ち浅瀬案プラスこの徳之島の移転、そして、北澤大臣がおっしゃっているように、訓練移転の分散、こういうことを基にアメリカ側と協議をしているのかどうか。そこについて外務大臣、教えていただけますか。
  80. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) まず、委員御指摘の五月の四日ですか、この議論はどちらかというと、どこかでも御答弁申し上げたと思いますが、日米安保五十年ということで、その関連の議論を行うというのがメーンテーマであったというふうに御理解いただきたいと思います。ただし、普天間の移転の問題も議論はされたということであります。  それから、今回、今ワシントンも、議論そのものは多分時間的には終わっていると思いますが、今回ワシントンで行いましたのは、メーンがその普天間の移転の問題と、そういうふうにお考えいただければと思います。  内容については、恐縮ですけれども、今、どういうことが議論されたとかあるいはどういうふうにアメリカ側が反応したとか、そういうことは現時点では申し上げられませんので、そこは御了解いただきたいと思います。
  81. 山本一太

    山本一太君 そこは、外務大臣がそこをなかなか明らかにできないということは理解しますが、私がアメリカ側の関係者と会った自民党の関係者から得た情報、彼は一次情報を取ってきたわけですが、これによれば、はっきりもう五月四日の実務者協議の段階でくい打ち浅瀬案も出ていると。当然、徳之島の件も出て、先ほど紹介したようなアメリカ側の話があったというふうに伺っています。  ちょっと時間なくなってきたんですが、これは外務大臣とか防衛大臣には直接は関係ないかもしれませんけれども民主党の議員、グループが最近どうもアメリカ訪問したということで、一つは議員団、もう一つはどうも議員だけではなかったようなんですけれども、こういう方々、もちろんワシントンの政府関係者に会ったわけじゃありませんけれども、シンクタンクの方とか有識者に会って、何か、これも私の得た情報だと、この二つのグループがいずれも鳩山総理の腹案だという二つの違う案を持ってきたというふうに大変驚いていたということで、一つは辺野古沖の修正案、くい打ち浅瀬案プラス徳之島で、もう一つは伊江島に海兵隊を移して、その後徳之島と奄美に移して、その後に辺野古に移すと、これを四年タームで行うみたいな考え方を言ったということなんですけれども、こういう動き、民主党のこういう動きがあるということについては、外務大臣、把握されておりますか。
  82. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) 具体的なことは承知をしておりません。ですから、若干一般論として申し上げさせていただきますと、これは民主党の議員に限らず、いろんな方がこれこそ本当の案であるということでいろんなことを言われたりするということは過去にもございました。そういったところについてアメリカ側とも調整をいたしまして、基本的にといいますか、国務省とそして外務省、このルート以外のルートというのは、それは正規の話ではないということをお互いきちんと認識した上でやっていこうということをある時点で確認をしたところでございます。
  83. 山本一太

    山本一太君 もう時間がないので、そのことについてもまだお聞きしたいことがありますが、次の委員会でやらせていただこうと思います。  もう今日の両大臣答弁でも分かったんですけれども、あと五月末までそんなに時間がありません、十七日間か八日間しかないと。それなのにまだ具体策を言わないと。政府の最終案は決まっていないと言い、今日も外務大臣答弁で、総理徳之島の三町長に会って協力を要請しているのに、これは政府案の一部なのかと言うと、それも答えない。しかし、メディアではどんどんどんどん漏れていって、結局やっぱり徳之島だったということになった。こういう場当たり的な対応がやっぱり沖縄方々の不信を買い、国民を混乱させ、アメリカ側の信頼を失わせているというふうに思います。  今日、三人の方にお聞きして、別に普天間問題先送りされても鳩山総理責任問題には発展しないような感じの答弁がありましたけれども、私は、党内事情でいろいろこの問題について先送りしてもいいんだという話があっても、国民は大変厳しく見ていると。有権者は本当に厳しく見ていると思いますので、これは五月末決着というのは国民への約束だと同時に沖縄の人たちとの約束でもあるし、しかも、アメリカオバマ大統領に対して鳩山総理が直接約束したことですから、これを先送りにするようなことがあれば、党内の視点ではともかく、国民からは大変厳しい評価が下るという感想だけ申し上げ、今日は官房長官、いろいろ厳しく突っ込みましたが、官房長官、次は必ず来ていただくように説得をいただくように、そのことをお願いをして、ちょうど時間になりましたので、私の質問を終わらせていただきます。  ありがとうございました。
  84. 佐藤正久

    佐藤正久君 自由民主党佐藤正久です。  今日は、大きな枠組みの話と個別の政策について質問をさせていただきます。  昨年の総選挙におきまして、民主党国民の生活が第一と主張し、政権交代を成し遂げられました。防衛大臣はこの夏の参議院選挙に立候補予定というふうに伺っておりますけれども防衛大臣国民の生活が第一、この考え方に変化はありませんか。
  85. 北澤俊美

    国務大臣北澤俊美君) 全くありません。
  86. 佐藤正久

    佐藤正久君 それでは、国民の安全は何番目ですか。
  87. 北澤俊美

    国務大臣北澤俊美君) 安全があるからこそ国民の生活というものは第一だということで、こんなことを一々分ける必要はないというふうに認識しています。
  88. 佐藤正久

    佐藤正久君 これは、なぜこういう質問をしたかといいますと、私は先週の木曜日に民主党の議員とともにあるテレビ番組に出ています。そこで、普天間問題の話題になったときに、テレビを見ていた視聴者からの質問として、民主党国民の生活が第一と言っているけれども国民の安全、これは何番目ですかと。これは一視聴者の質問です。  なぜこういう質問が出たかといいますと、鳩山首相が今回五月末までの普天間移設を今いろいろ検討している。そういう中で、沖縄における普天間基地を国外あるいは最低でも県外と言っていたことを撤回する白旗宣言の理由として、白旗を上げた理由の一つとして、沖縄の海兵隊の抑止力をよく分からなかった、浅かったと言われた。これを聞いたら、やっぱり国民は不安だ、安全というものはどう考えているんだというふうに思うと思うんですよ。  防衛大臣、御所見をお伺いしたいと思います。
  89. 北澤俊美

    国務大臣北澤俊美君) 鳩山総理は、常に国民の安全、安心、そして生活を、総理として総合的に関心を深くして職務に精励しているということの中から様々な発言が出てきたのであろうかというふうに思っています。
  90. 佐藤正久

    佐藤正久君 でも私は、総理が、浅かったと、抑止力を十分分からなかったと。これは非常に国民に関しては不安だと思いますよ。国民の安全、当然大事ですよ。国民の安全あって初めて生活が第一、私もそういうふうに思いますよ。だけれども、そういうことを、総理抑止力を分からなかったと、それはみんな不安に思いますよ。  ただ、現在、首相はそう言われましたけれども、この日本を取り巻く安全保障環境、防衛大臣総理の不勉強をこの周辺環境、安全保障環境は許してくれるというふうに思いますか。防衛大臣、お願いします。──防衛大臣外務大臣に聞いていません、防衛大臣に。防衛大臣。(発言する者あり)
  91. 田中直紀

    委員長田中直紀君) じゃ、引き続き北澤防衛大臣にも答弁していただきます。
  92. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) 今委員御指摘の総理発言ですけれども総理と私も長くお付き合いさせていただいておりますが、非常に謙虚な方なんですね。ですから、浅かったということを言われたのは事実のようですけれども、それはやっぱり鳩山さんらしい表現であって、そのことをその言葉どおり取るというのはやや私は誤解を招くのではないかというふうに思います。  あわせて、もう一点、この抑止力の問題、私も海兵隊は抑止力として日本に必要であるということは何度も申し上げているわけですけれども、しかし、これは明々白々なことでは必ずしもないと、いろんな議論はあり得るということもやはり指摘しておかなければならないと思います。私は違いますけれども、例えば沖縄に海兵隊は必要ないんだという議論もある。それは、例えば防衛省の局長まで務めて自民党時代に内閣の副長官補を長くやられた防衛省出身の柳澤さんはそういったことを新聞で述べておられるわけですから、そういう意味で、いろんな議論があるんだということも私は指摘をしておきたいと思います。(発言する者あり)
  93. 北澤俊美

    国務大臣北澤俊美君) 総理発言についてでありますが、今、岡田外務大臣が言われましたように、私も長い付き合いで、総理の人となり、それから極めて謙虚な性格はよく承知をしておりまして、まあ浅かった深かったという話はどういうことかよく分かりませんが、まず自分をやや引いて表現をするという奥ゆかしさ、そういうものがあの人にはあるんでありまして、知識が浅かったかどうかというようなことで申し上げたんではないというふうに私は理解しております。
  94. 佐藤正久

    佐藤正久君 もう外務大臣答えないでください。質問の邪魔ですよ。私が聞いた質問防衛大臣忘れちゃったじゃないですか。私が聞いたのは、首相の不勉強、抑止力を知らなかったということが、この周辺環境許すと思いますかと聞いたんです。全然答えなくなっちゃった。  これは、委員長、強く申し上げます。しっかり議事を運営してください。質問ができなくなっちゃいますよ。
  95. 田中直紀

    委員長田中直紀君) はい。  続けてください。
  96. 佐藤正久

    佐藤正久君 今の周辺環境を考えたら、中国海軍の度重なるヘリの接近事案とか、韓国の竹島におけるヘリポートの構築事案、ついこの間は海上保安庁の調査しているときに中国の船から妨害される、いろんなことがある。そういうときに、抑止力、しかも沖縄にいる海兵隊の抑止力を十分知らなかったと総理が言われたら、やっぱり不安に思いますよ。  じゃ、防衛大臣、この総理の県外移設の白旗宣言の理由が、抑止力を余り知らなかったと、これは総理のお言葉です。この発言を受けて、防衛大臣は自衛隊に訓示あるいは釈明文書を配付されましたか。
  97. 北澤俊美

    国務大臣北澤俊美君) まず最初に、白旗宣言などという表現で物事を総括して質問されることに対して、私は答弁はしかねます。(発言する者あり)
  98. 佐藤正久

    佐藤正久君 私、質問しているんですよ。(発言する者あり)
  99. 北澤俊美

    国務大臣北澤俊美君) 答弁が気に入らないって止まることもありますが、質問意味も私にはなかなか理解できないんで、私なりに理解したところで申し上げた次第であります。(発言する者あり)
  100. 田中直紀

    委員長田中直紀君) 速記を止めてください。    〔速記中止
  101. 田中直紀

    委員長田中直紀君) 速記を起こしてください。  訓示をしたかどうかについて、答弁を願います。
  102. 北澤俊美

    国務大臣北澤俊美君) 私はなるべく正確な議論がしたいということでありますから、私が二十七万人の自衛官に対して物を言うときには極めて慎重にいたしております。  そういう意味からいっても、私がもし訓示をするとすれば、今委員が言われたような不正確な前提に立って訓示をするなどということは夢にも思っておりません。したがって、そういう意味での訓示はいたしておりません。
  103. 佐藤正久

    佐藤正久君 しているかしていないか聞いただけであって、それは次またやり取りするんです。していないならしていないで理由を聞きますよ、当然。  自衛隊に訓示をしていない、釈明文書していないと。なぜかというと、総理は自衛隊の最高指揮官ですよ。自衛隊の最高指揮官が抑止力を十分勉強していなかった。これは、私も自衛官でしたけれども、聞いたことがないですよ。自衛隊も抑止力の重要な一部です。その最高指揮官が抑止力を十分知らなかった。それはみんな不安に思いますよ。総理大臣の命令で、隊員は国のために、あるいは国際貢献で汗を流し、場合によってはいろんなことがあるわけですよ。それを抑止力知らなかったと最高指揮官が言われた、それは何らかのこれは説明なりする、普通だと私は思いますよ。  さらに、防衛大臣は五月七日の閣議後の記者会見で、防衛省として首相に対して、この発言を受けてですけれども、特段抑止力についてこれまで申し上げたという事実はありません、総理はいろんな協議の中で首相自身が自ら抑止力に対する考え方を固められたのだと思うというふうに、この防衛省の記者会見のペーパーでも出ています。  ということは、この八か月間、防衛大臣防衛省は総理に対して抑止力について説明もしていない、協議をしていない。びっくりですよ、本当に。大臣が今まで防衛省として首相に説明していないと、この八か月間。首相自身が抑止に対する考え方を固められたと。  なぜ説明していないんですか。この普天間基地問題というのは、移設、抑止力、これが一つの大きな要素じゃないですか。防衛大臣、何でこういう説明していないということになっているんですか。分かりやすく説明をお願いします。
  104. 北澤俊美

    国務大臣北澤俊美君) 質問意味が、総理と私が抑止力について常日ごろ議論しているかしていないかということならばまた答えられるわけでありますが、このときの記者とのやり取りのことは、多分十分承知はしていないと思いますが、総理がこういう発言をしたけれども、その前に総理抑止力について何かおっしゃいましたかと、こう言うから、それはしていませんと。そんなことは総理といろいろ協議する中で常日ごろ議論をしておりますので、総理に改めてそういう発言があった直前に何かを申し上げたということはないと、そういう意味であります。
  105. 佐藤正久

    佐藤正久君 防衛大臣、もう一回この防衛省が出している大臣の概要を御覧ください。これ見ても、だれが見てもそうは思えませんよ。  もう一度、これ防衛省が発行している、責任を持ってやっているものですから、大臣説明とこの記者の問いと答え、全く違いますよ。だれが見ても、これはだれでも見れるわけですから、絶対おかしいですよ。それはちょっと違うと思いますね。もう一度、確認をお願いします。  それでは、質問を変えます。  防衛大臣民主党防衛戦略あるいは防衛政策のまとまったもの、これございますか。
  106. 北澤俊美

    国務大臣北澤俊美君) マニフェストというのは極めて概略的に書いてありますが、インデックスの方に詳しく書いてあります。
  107. 佐藤正久

    佐藤正久君 書いてないんですよ。インデックス私も持っていますけれども、ここに外交部分はかなり書いています。民主党防衛政策、防衛戦略、書いてないんですよ、インデックスにも。マニフェストはほとんど書いてない。ミサイル防衛とかそういうものは書いていますよ。自衛権の行使は専守防衛に限定、あるいはPKOへの積極参加、これをもって防衛戦略、絶対言えませんよ。だから不安なんですよ。民主党として防衛政策、防衛戦略がない。かつ、総理抑止力を十分分からなかったと総理自ら言われる。どこにも書いてないんですよ、マニフェストにも。  さらに、マニフェストにかかわる、今回の米軍再編の問題、こう書いてある、マニフェストには。しかも、三党合意にもこう書いています。沖縄県民の負担軽減の観点から、日米協定の改定を提起し、米軍再編や在日米軍基地の在り方について見直しの方向で臨むと。目的が、観点が沖縄県民の負担軽減、これしか書いてないんです。  何で、いつもここで答弁しているように、抑止力の維持の観点と負担軽減、二つ書くべきなのに、それをわざと書いていない。これ見てしまうと、今までの鳩山総理抑止力を分からないとか、あるいは民主党のこのインデックスを見ても防衛が書いていない。考えたら、あたかも抑止力というのはどこかに置いて、負担軽減という観点で議論をしているというふうに多くの人は思ってしまいますよ。  なぜ、ここのマニフェストあるいは三党合意の中で基地の見直しについて抑止力の維持という部分を抜いたんですか、防衛大臣。お考え防衛大臣に聞いています。お願いします。防衛大臣に聞いています。(発言する者あり)
  108. 北澤俊美

    国務大臣北澤俊美君) 今、佐藤委員が、この民主党の政策集を取って、あれがないこれがないと、こういうふうにこじつけておられるようでありますけれども、この問題については、当時、岡田外務大臣責任者でこのものをまとめておりますので、より正確に答弁をするようにお願いをいたします。
  109. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) 当時、私、幹事長でありますので、選挙を控えてマニフェストの作成、それから選挙が終わった後の三党連立に当たっての三党合意、これを他党と議論しながらまとめた責任者でございます。  委員御指摘のように、そこに抑止力という言葉が出てこないと。だから、抑止力について考えていないということではなくて、そこは沖縄負担軽減ということについて述べた箇所でありますから、したがって、当然の前提として、何のために米軍があるのか、何のために自衛隊があるのか、それは一々言わなくても当然の前提として書かれているということであります。
  110. 佐藤正久

    佐藤正久君 それは、多分、今の答弁、一つ間違っているのは、沖縄負担軽減という項目で書いているのではなくて、外交の中で書いてあるんですよ。  そこで、やっぱりここで書いてないということが、私も、外務大臣答弁のとおり、これは当たり前のこととして書いてないというふうな認識でいました。ところが、それを上書きしたのは、否定したのは鳩山総理自らなんですよ。この七月のときに、沖縄で言ったとき、国外、最低でも県外と言ったときに、沖縄の海兵隊の抑止力を十分知らなかったと。それはひっくり返っちゃいますよ、みんな。やっぱりそういう部分がどこかにあるから、全部の議論があくまでも迷惑施設をどこかに持っていく、あるいは迷惑訓練をどこかに持っていくという色彩が非常に見えて仕方がない。そこが軸足の一つが間違っているというふうに思います。  北澤大臣、今回のいろいろやり取りを見て、在沖海兵隊の抑止力を学べば学ぶにつけて今の政府の検討というのが前政権の現行案にどんどん近づいていっている、学べば学ぶにつけて政府の検討が現行案に近づいている、そういうふうにどうしても一般の人は見ますよ、鳩山総理発言や今までの行動を見ても。そういう認識、防衛大臣、お持ちでしょうか。
  111. 北澤俊美

    国務大臣北澤俊美君) 全くそんなふうには思っておりませんで、我々とすれば、前政権日米合意した案について詳細に検証を行いまして、その中で引き継ぐものは引き継ぐ、新たにやるものはやると。例えば、先ほど来議論になっております全国で分かち合うというようなコンセプトは今までになかったことであります。  それからまた、その前に訓練移転を徐々にし始めましたけれども、それについては外来機が来て結果的に沖縄負担軽減されていないと、そういうようなことをきめ細かく我々はきちんと整理をしながら負担軽減をしていくと、そういう考え方でやっておるわけであります。
  112. 佐藤正久

    佐藤正久君 今の答弁は多分多くの国民は納得できないと思います。今までだって嘉手納の戦闘機、あるいは岩国とかあるいは三沢もありますけれども、訓練分散はある程度はやっています。それはやっていないというのは全くの間違い、防衛大臣としてそれは言うことは間違っていると思いますし、今回、県内移設、沖縄の人たちに基地の負担をお願いしたいと言った理由が、抑止力を分からなかったって、これは総理言葉なんですよ。沖縄の方に負担をお願いしたいと、前言撤回、白旗宣言をした理由が、抑止力を分からなかったと。これは我々が言ったんじゃなくて総理自ら言った言葉ですから。結果としてこれが辺野古の近くが政府案となったら、これはだれが考えても、抑止力を学べば学ぶにつけて現行案に近づいたと、普通そう思いますよ。今それを大臣は明確に否定されましたけれども、その政府案出たときにその結果を楽しみにして、また質問をさせていただきます。  やっぱりどう考えても民主党考え方抑止力総理は十分分かっていなかったと言いましたけれども、本当に今でも分かっているのか、ちょっと疑問があります。何かの機会にまた確認したいと思いますけれども。  防衛大臣は当然防衛力、抑止力を担当する責任大臣です。再度、抑止力について議論をしてみたいと思います。  防衛大臣抑止力の定義、どういうふうにとらえていますか。
  113. 北澤俊美

    国務大臣北澤俊美君) 我が国の防衛に寄与する抑止力というのは、在日米軍のプレゼンスが前提であるということは御承知のとおりだというふうに思いますが、ややもすると最近の議論は海兵隊のプレゼンスだけが抑止力であるかのごとくに議論されますけれども、これも一つの大きな要素であることは間違いないわけでありまして、我々は、海軍、空軍等を含めた在日米軍全体、さらには来援するであろう米軍の運用等も総合的に勘案しながら、この米軍の軍事力を日本に対する大きな抑止力だというふうに認識をいたしております。
  114. 佐藤正久

    佐藤正久君 しっかり質問を聞いて答えてください。私は在日米軍の抑止力を聞いたんではなくて、抑止力の定義を聞いたんですよ。官僚の方が準備された違う答弁書を読まれたからそうなってしまったと思いますけれども、私が聞いたのは、それは議論の前提として抑止力の定義を聞いたんです。簡潔にお答えください。
  115. 北澤俊美

    国務大臣北澤俊美君) 世の中には言いそこ間違いは聞きそこ間違いという話がありますが、何も一々私の質問をよく聞けとか上から目線で余り押し付けない方がいいと思いますがね。  そこで申し上げますが、我が国の抑止力というのは、侵略を行えば耐え難い損害を被るであろうということを明白に認識させることで侵略を思いとどまらせると、このことは、専門家の佐藤委員抑止力のことを問えばこんなことは当たり前の話で、それを具体的に言えば先ほど私が申し上げたようなことになるわけでありまして、私の答弁をそれこそよく聞いていただければ、私が少し先回りをしたかもしらぬけれども答弁を申し上げたと、こういうことで御理解ください。
  116. 佐藤正久

    佐藤正久君 先回りをされたという、それは、余り理解不可能ですけれども、どういうふうな先回りか分かりませんけれども。  じゃ、在沖海兵隊を除いた在日米軍、これは極東の安全と平和を保つ抑止力としては不十分でしょうか。防衛大臣、お願いします。──防衛大臣、しゃべってるからじゃないですか。どうして人が質問しているときに聞かないんですか。
  117. 長島昭久

    大臣政務官(長島昭久君) 当然のことながら、我が国の平和と安全、我が国自身が責任を持ってこれを確立させなきゃいけないということでありますけれども佐藤委員も御承知のとおり、北朝鮮のミサイルの脅威、あるいは核、あるいは周辺諸国の不安定な状況考えたときに、我が国独自でやる部分もちろんしっかりやらなきゃいかぬわけですけれども、加えて米軍の前方プレゼンス、つまりは陸海空、海兵隊、もちろん陸軍は非常に少数でありますけれども、それが総合力となって相手の行動を抑制する、抑止する、こういう機能を発揮していると、このように理解をしております。
  118. 佐藤正久

    佐藤正久君 もう一度質問します。多分質問が、聞いてなかったからこうなると思うので、しっかりと聞いておいてください。もう一回言いますよ。  在沖海兵隊を除いた在日米軍では極東の、日本じゃないですよ、極東の安全と平和を保つ抑止力としては不十分ですかという質問です。
  119. 長島昭久

    大臣政務官(長島昭久君) これは、佐藤委員よく御存じの上での御質問だと思いますけれどもアメリカの前方展開戦力、そのどこが欠けたらどういう抑止力にどう支障が来すかというのは、これはにわかには申し上げられることではございません。  つまり、海兵隊も含めた陸海空の総合戦力が抑止機能を発揮していると、こういうことでありますから、それを一つ抜いてと。例えば、今だって、一万八千人の定員の沖縄の海兵隊が、そのうちの数千人がアフガニスタンに行っているとかイラクに行っているとか、その期間、じゃ一体抑止力がどうなっているのかと、こういう議論になりますね。そのときに、例えばグアムに潜水艦を、部隊を前進配備したり、あるいは空母、第七艦隊を遊よくさせたり、こういうことによって総合的に抑止機能を発揮させると、こういうことで御理解いただきたいと思います。
  120. 佐藤正久

    佐藤正久君 なぜこの沖縄の海兵隊を除いた在日米軍で抑止力が機能できるかどうか聞いたかというと、まさに今、普天間基地の移設というのは在沖海兵隊の一部なんですよ。そういう大きな概念から議論をしてこないと、あたかも迷惑施設をどこかに持っていくような話ではないと。今まさに長島政務官が言われたように、日米安保条約の関係で、五条で日本防衛、プラス六条で極東の平和と安定、責任があるわけですから、その中で仮に沖縄の海兵隊がいなくなったらどうだと、それは当然議論するのは当たり前の話で、これがグアムに行く、あるいはテニアン、本当にいいんですかと、この辺から入らなければそこはおかしなわけで、だから聞いているわけで、じゃ、次お伺いします。  オバマ政権はQDRにおいて地域抑止という言葉を出してきまして、これは前から一応あったんですけれども、QDRについて同盟国と密接にコンサルトしたいと言っています。  QDRで言う地域抑止を米国政府は一般的に同盟国とどのような方針で協議、充実させようと思われているというふうに防衛大臣は認識されていますか。答弁お願いします。
  121. 長島昭久

    大臣政務官(長島昭久君) これは、米軍と日本の自衛隊との間で共同でこの西太平洋地域に抑止機能を発揮するというのは別に今回のQDRに始まった概念ではありません。たまたま今回のQDRに地域抑止という今まで聞き慣れない言葉が出てきたので今委員はそういうお尋ねをなさっておられると思いますけれども、元々、米本国からの例えば拡大抑止、例えば核の報復による拡大抑止というものに合わせて、地域の中で、これテーラーメードという言葉も使われておりますけれども、地域の特性に合わせて地域の同盟国と米国が一緒に共同して抑止機能を発揮させるという、こういう概念は元々あったというふうに承知をしております。    〔委員長退席、理事山根隆治君着席〕
  122. 佐藤正久

    佐藤正久君 まさにそのとおりで、これは、地域抑止というのは前から私もこれはあったと先ほど質問の中で言いましたけれども、今回、そのQDRの十四ページの中で、地域の安全保障環境というものを踏まえた上で新しくいろいろテーラーメードするんだ、つくり直すんだと。それで、地域抑止のこの構造をつくっていくんだ、同盟国と密接に協議をしたい、そのときの主要な要素として米軍の前方プレゼンス、それとミサイル防衛を含む通常戦力と核抑止、そういう議論があると。今回の普天間基地問題も、移設も、ここから入らないといけないんです。そうですね。そういう議論がなかなか見えてこない。  それで、その地域抑止のやっぱり一つの要素として核抑止があります。この前、新START条約で、米ロで核弾頭数、戦略核弾頭千五百五十という数字が出ました。これは当然同盟国との拡大抑止をいろいろ協議をした上でそのトータルの数として千五百五十、極東だけではなくヨーロッパ正面、いろんなのを含めてトータルで千五百五十になっている。  じゃ、この日本を含む極東正面で千五百五十のうちどのぐらいの数が拡大抑止として日本に提供されているというふうに防衛大臣は認識していますか。
  123. 榛葉賀津也

    ○副大臣榛葉賀津也君) これも総合的に考えるしかないと思いますが、アメリカもどこまでその辺の具体的な数字を出しているかということは今この段階で私の方からお答えすることはできません。
  124. 佐藤正久

    佐藤正久君 当然、ここではその数字を言ったら多分大変なことになりますよ。それは秘密事項ですから、当然。  ただ、大事なことは、日本政府としてその数は当然我々に言えなくても承知していますか。防衛大臣が承知しているかしていないか、これだけをお答えください。数字は要りません。
  125. 北澤俊美

    国務大臣北澤俊美君) 承知はいたしておりません。
  126. 佐藤正久

    佐藤正久君 今言われた前方プレゼンス、通常戦力、核抑止の部分を防衛大臣が知らない。本当にこれから地域抑止、この米軍の前方プレゼンスも米軍再編もやるというときに、その核の部分がよく分からなくて本当に大丈夫かと、やっぱり不安になりますよ。  そこで、やっぱりそういうことを考えると、この分野というのは本当にアメリカと密接に協議をしながらこの地域抑止、まして今年は大綱を作るわけですから、じゃ核の部分はどのぐらい我々にそれは期待していいのか、残りの部分を通常戦力で、あるいは自衛隊とアメリカの前方プレゼンスでどうやってやるんだと、そこが、核がやっぱり一番最初に基本にならざるを得ないわけですから、そこから入っていかないといけない。  今アメリカの方が言われているのは、核は今までよりも削減をします、役割も低減します、あるいはその運用態勢も低減します。まさに、福山外務大臣がこの前NPTの方に行かれて検討会議でいろいろ議論されたように、どんどん核の役割を減らしましょうという状況になっている。そうなると、通常戦力とあるいは前方プレゼンス、その組合せである程度やらないといけないというふうになります。今回のまさに在日米軍の再編、あるいは防衛計画大綱の見直し、自衛隊の編成、まさにこれにかかわってくる。そういう観点で今回も議論をしないといけない。  そう考えると、本当に普天間基地、これがグアム、テニアン、これ防衛大臣考えられますか。
  127. 長島昭久

    大臣政務官(長島昭久君) 佐藤委員、まさに今御指摘いただいたような広い視野で今回の海兵隊の問題もとらえなきゃいけないということは、もう既にこれは防衛省、外務省を問わず日本政府合意事項でありまして、そのように見えてないという御指摘、おしかりは甘んじて受けますけれども、(発言する者あり)いやいや、知らなかったって、全然それは正確な話じゃないんです。  総理がこの間ずっと悩んでおられたのは、さっき外務大臣からも、抑止機能の議論というのは非常に難しい議論だと、こういう話がありましたけれども、海兵隊の抑止機能はもちろん当然のことながら分かっているわけです。しかし、それを部隊運用の観点からどのくらい引き離すことができるのか、どのくらい分散配備することができるのか、地上部隊と航空部隊をどのくらい離すことがオペレーション上問題なのか、あるいは、例えば佐世保に揚陸艦があるわけですから、九州に持っていったらむしろ揚陸艦に近くなるからいいじゃないかという意見もある。いろんな意見を総合して考えたときに、それほど分散させることが難しくなっているということを改めて認識したという、そういう意味総理がおっしゃるんだと私は理解をしておりますけれども。  まさにそのことは、さっき佐藤委員がおっしゃったように、米側が言っているように、拡大抑止というのは、一つは通常戦力による地域抑止、そしてもう一つは核の報復による核抑止、そしてミサイルディフェンスと、この三つの三本柱から成っていて、その中の極めて重要な陸上部隊の要素として海兵隊が位置付けられ、そしてそれは、当面は沖縄を中心とした地域に配備されることが地域全体の抑止から考えて望ましいという、こういう一つの考え方があるということなんです。  しかし、将来例えば十年、十五年、二十年というスパンで考えたら、もしかしたら西太平洋全体にこういう配備を分散した方が、例えば中国の持っている接近拒否戦略から考えたらそちらの方が有効だという議論も既にアメリカでは始まっているんですね。そういうことも含めて考えて、二十年、三十年通用するような日米同盟の間の安全保障協力を更に深化させていこうというのが我が政権の方針であるというふうに認識していただきたいと思います。
  128. 佐藤正久

    佐藤正久君 長島政務官ありがとうございました。  今までずっと山本委員防衛大臣に聞いても全然答えてくれなかった、やっぱり再編で沖縄にいないといけないと、今初めてこの委員会政府の方から明言された。ありがとうございます。考えていくとそうなるんですよ、沖縄中心に考えざるを得ないと、今まさに言われたように。  今回の普天間基地の移設の問題というのは、そういう抑止力から考えていくと、在日米軍全体の再編とか、あるいは在韓米軍、グアム、ハワイ、米本土、いろんなことを考えながらやらないといけない、リンクしているんです。そういう中で、やっぱりそういう抑止力の議論をなかなか説明しない。首相は知らなかったと言われる。やっぱりみんな不安になってしまう。自衛官も不安になりますよ。自衛隊も抑止力の一部です。  さらに、この八か月間の議論で非常に残念なのは、今までの政府の議論、鳩山さんの発言を聞いていて、この八か月間、沖縄にいる海兵隊の方、海兵隊の家族がどういう思いで聞いていたのか。防衛大臣はこの委員会で、米軍をあたかも迷惑施設のようなことも言われた。やっぱり、そういうことを言われてしまうと、非常に沖縄にいる海兵隊あるいは在日米軍、現場は非常に不信感を持ちますよ。やっぱり今回は、海兵隊というのは日本を守るためにいる。長島政務官、違いますか。
  129. 長島昭久

    大臣政務官(長島昭久君) 一つ、防衛大臣が海兵隊が迷惑施設だなどと言ったことはないですよ。それは曲解、誤解だと思いますので、訂正していただきたいと思います。  その上で今の質問にお答え申し上げたいと思いますけれども、海兵隊が日本を守る、日本日本で守らなきゃいけないんです。海兵隊は抑止力を形成する重要な要素であることは認めます。しかし、海兵隊に頼らなかったら日本は守れないのか、これはまた別の議論だというふうに思います。
  130. 佐藤正久

    佐藤正久君 防衛大臣答弁は、この国会議事録を見てください、そこは明確に載っていますから。  当然、日本の国は自分で守る、それは基本だと思います。足らざる部分を米軍というのが本来だと思いますけれども、その辺の議論も本当は大事。やっぱり、沖縄の海兵隊、日本あるいは極東を守るためにいる。沖縄にいる海兵隊の在日米軍における特性というのは、打撃力なんです。在日米軍の中で唯一地上打撃力を持っているのは海兵隊だけなんです、陸がいませんから。海兵隊の地上打撃力、これが極東におけるあるいは日本防衛における一番大きな要素なんですよ。その打撃力を発揮させるための一つのその支援手段が普天間のヘリコプター。にもかかわらず、その辺の配慮がないような報道あるいは発言というのは、極めて私は沖縄にいるあるいは日本にいる米軍、その家族に対しても申し訳ないというふうに思っています。  実際、このロードマップにおきましては、沖縄にいる海兵隊約八千名の司令部要員があるいは家族九千名がグアムの方に行くというふうになっています。この五月末までに普天間の移設が決まらない場合、これはアメリカにおきます二〇一一年の予算審議、これに大きな影響を与えるというふうな意見もあります。まだ五月末まで来ていないという話もあるかもしれませんけれども、今当然、外務大臣のところにはいろんな情報が入っていると思います。  五月末以降、本当に普天間基地の移設先が決まらなかった場合、これはどういうような影響があるというふうに思われますか。外務大臣、お願いします。
  131. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) 五月末までに一定の結論を出すという前提で我々議論をしておりますので、仮定の議論というのは控えたいというふうに思います。  ただ、もう少し一般論として申し上げると、普天間基地の移設の問題というのは、これはこれで一つの独立したことではありますが、しかし八千人の海兵隊のグアムへの移転、そしてそのことに伴う沖縄にある米軍基地の返還、こういったことが実はできなくなるかもしれないと、そういうリスクはあると。そういうことにならないようにしなければならないというふうに思っています。
  132. 佐藤正久

    佐藤正久君 そこは非常に大事なポイントで、当然五月末までにそれは目指す、頑張っておられる。と同時に、やっぱりここは、そこまで移設が決まらなかった場合、アメリカ議会の予算の審議の状況、この対応も考えるのも当然安全保障、さっきの抑止力の観点からも大事なわけで、今回の移転というのは、グアムの移転が、八千人の移転、あるいはそのグアムの工事が止まれば米軍再編にも影響が出るかもしれない。岩国のヘリコプター部隊がグアムの方に行けなくなるかもしれない、運ぶ家族がいなければ。となると、そこに残る。厚木の艦載機が岩国の方に行けないかもしれない。あるいは、横田の軍民共用の話あるいは空域の話、全部影響が出るかもしれない。このリスクマネジメントを今からやっぱり考えておかないと大変なことになると。    〔理事山根隆治君退席、委員長着席〕  五月末、これは鳩山総理約束した言葉です。でも、万が一これがそうならない場合、今朝、鳩山総理は、自身で六月以降も努力しなければならない、初めて自分言葉で認められたようですけれども、であれば、総理がそう言われるのであれば、じゃ、このアメリカの予算審議、これをどういう形で日米で協力してやっていくか、これは日本責任、これもありますから、これもしっかりやらないといけないと思います。  そこで、今度は沖縄負担軽減という観点で、先ほど訓練の移転の話が山本委員からはありました。これは一般論で結構です、一般論で。沖縄の訓練の移転、これもあります。と同時に、そのほかの負担軽減という観点で、アメリカの射爆場、この返還の話も知事から総理が要請をされている。これは防衛大臣も承知していると思います。報道ベースだと、その負担軽減策の一つとして鳥島、久米島、これが射爆場の返還が挙げられています。  これは今検討の範囲に入っておりますか、入っていませんか、答えられないか、どれでしょうか。
  133. 榛葉賀津也

    ○副大臣榛葉賀津也君) お答え申し上げます。  今の委員指摘の鳥島、それから久米島の射爆撃場であるとか、こういった問題につきましては、平成二十年十一月以降数回にわたりまして仲井眞沖縄県知事からその返還等について要請があったところでございます。  アメリカ側からは、返還考えていないけれども、何らかの改善が可能かどうか検討することとしたいというふうな回答を得ているところでございまして、この問題については、知事の要請であるとか米軍の必要性もしっかりと踏まえまして、現在省内で検討しているというところでございます。
  134. 佐藤正久

    佐藤正久君 その場合は、やはり軍事的な観点からは、じゃ代替施設をどうするんだという部分が議論になると思います。その辺りも併せて検討していただきたいと。  また、同じその射爆場の一つに赤尾嶼、黄尾嶼あります。これは昭和五十四年から使用されておりません。  防衛大臣、今回の負担軽減策の一環として、この赤尾嶼、黄尾嶼、これは協議の対象あるいは範疇に入りますか。
  135. 榛葉賀津也

    ○副大臣榛葉賀津也君) その問題については、現在、お答えしかねます。  その問題につきましては、運用の問題もかかわりますので、お答えすることを差し控えさせていただきたいと思います。
  136. 佐藤正久

    佐藤正久君 これは、赤尾嶼、黄尾嶼は尖閣諸島の島です。返還をもしも協議にのっける場合、じゃ、そこをどうやって守るかという議論も必要になってくると思います。  防衛大臣、尖閣諸島は安保条約の対象になりますか。
  137. 長島昭久

    大臣政務官(長島昭久君) なります。
  138. 佐藤正久

    佐藤正久君 それでは、沖ノ鳥島はどうですか。
  139. 長島昭久

    大臣政務官(長島昭久君) 日本の領土ですから、なります。
  140. 佐藤正久

    佐藤正久君 それは米政府に確認されましたか。
  141. 長島昭久

    大臣政務官(長島昭久君) アメリカ政府は係争、領土紛争には介入しないと言っておりますけれども日本の領土に対する攻撃に対しては日米共同で対処すると安保条約第五条でうたっておりますので、確認するまでもないと思います。
  142. 佐藤正久

    佐藤正久君 尖閣諸島については確認しているんですよ。それは当然、尖閣諸島も同じように日本の施政権が及ぶ範囲だと。ただ中国は、それは認めていない。沖ノ鳥島も、日本は島だと言っています。だけど、中国は岩だと言っている、認めていない。しかも、沖ノ鳥島の近くで三月も四月も訓練をやっている。そういう部分はあります。  そこで、もう一度、赤尾嶼、黄尾嶼に戻ります。防衛大臣、これは中国名なんです。何で防衛省が、この射爆場の名前を日本名ではなくて中国名を使っているんですか。その理由をお答えください。
  143. 榛葉賀津也

    ○副大臣榛葉賀津也君) 尖閣諸島の大正島、中国名が赤尾嶼及び久場島、中国名黄尾嶼について、米軍は沖縄の復帰前からそれぞれ赤尾嶼射爆撃場及び黄尾嶼射爆撃場ということで使用をしてきたというふうに承知をしております。
  144. 佐藤正久

    佐藤正久君 今のは、タイショウトウではなくてタイショウジマです、タイショウジマ。あと、クバジマです。というふうに私は聞いています。  それで、要は中国名を使っていると。これは日本名に直す必要があるというふうに思いませんか。
  145. 榛葉賀津也

    ○副大臣榛葉賀津也君) 島の名前ですが、正式名はタイショウトウ、クバシマでございます。よく硫黄島も、「硫黄島からの手紙」でイオウジマと言う方がいますが、これはイオウトウが正式名でございますので、この名前もタイショウトウ及びクバシマというのが正式名でございます。  その日本名の呼び方については、申し訳ありません、今私この問題勉強不足でございましたので、しっかりと勉強させていただきたいと思います。
  146. 佐藤正久

    佐藤正久君 これは、日本の施政権が及ぶというんであればやっぱり日本名を使うべきであって、防衛省の資料で中国名を使っている、これはやっぱりおかしい。これは前政権の問題もあると思いますけれども、ここはしっかりと直していただきたいと本当思いますよ。これは日本日米安保条約の適用範囲というんであれば、それは日本のやっぱり名前を、名称を使うべきだと思います。これは防衛省の資料でもそうなっていますから、是非ともそこは見直していただきたいというふうに思います。  次に、時間もなくなってきましたので、五月七日からスーダンに調査団が派遣されています。帰国後に当委員会調査報告の提出を求めたいと思います。内閣府の政務官、よろしいでしょうか。
  147. 田村謙治

    大臣政務官(田村謙治君) 調査は、今週の金曜日、十四日までなわけでございますけれども、その結果報告につきましては検討させていただいて、何らかの形で報告をすると。形は今後検討させていただきたいと思います。
  148. 佐藤正久

    佐藤正久君 前回のアフガニスタンへの政府調査団のときも、当時の強力な外交防衛委員長の力で、一回だけではなく、二回目、もう少し詳しいものが出てきましたので、そういうことも考えながら、この委員会に、非常に大事な話ですから、隊員の命がかかわる、提出をお願いしたいと思います。  これも、委員長にこの提出を要望いたします。
  149. 田中直紀

    委員長田中直紀君) ただいまの件につきましては後刻理事会協議いたします。
  150. 佐藤正久

    佐藤正久君 最後に、四月二十日に宮崎県の川南町で発生しました口蹄疫、これ被害がどんどんどんどん広がっています。この初動対処というものはやっぱり問題だと、いろんな今話が出ています。  その中で、防衛省・自衛隊、五月一日に派遣要請を宮崎県知事から受けまして、今派遣をされている。本当に暑い中、防護服を着ながら頑張っているという姿を私もニュース等で見ておりますけれども、八日以降、やはり被害の増大に従ってそれが増えている、派遣数も増えている。今後やっぱり宮崎県と連携しながらこれを対応していかないと、というふうに思いますけれども、現在の活動状況、今後の対処方針、これをお伺いしたいと思います。
  151. 榛葉賀津也

    ○副大臣榛葉賀津也君) 大切な御質問をしていただきまして、本当にありがとうございます。  今朝も、朝のワイドショーやニュースでこの口蹄疫のニュースがございました。養豚業者や酪農業者の苦しい声や、そういったものは報道あるんですが、それを実は今処理をし対応しているのが現場の自衛官である、自衛隊であるということはほとんど実は言及がないわけでございます。  だからといってどうこうということではございませんが、いずれにせよ、この口蹄疫の問題は今大変拡散というか拡大、被害が拡大をしておりまして、十二日現在で七十一例が報告をされ、牛が五千八百九十四頭、豚が七万一千二百七十四頭、計七万七千頭以上もの家畜を今殺処分をし、これを穴を掘って埋立てをするという作業を実は自衛隊がやっているということでございます。  加えて、殺処分した家畜だけではなくて、ふん尿も、これは菌が入っている可能性があるということで、それをわらを入れて、その処分もすべて今自衛隊がやっているということでございまして、五月一日から十日まで、ゴールデンウイーク中でしたが、これすべて返上しまして約百名の規模の人員を派遣をいたしました。  さらに十一日から、新たに車両消毒ポイントの支援を二十四時間体制で開始したため、現在この規模を一・五倍増員いたしまして、百六十名規模の人員を今派遣をしているということでございます。派遣人員が約百六十名、延べ人数で千三百七十名、車両が三十両、延べ四百九十両ということで、現在、都城駐屯地の陸上自衛隊第四三普通科連隊長を中心として、埋却場所の掘削作業であるとか殺処分した死体、汚物の処理、運搬、そして埋却作業、そして消毒作業を実施をしているということでございます。
  152. 佐藤正久

    佐藤正久君 そこは、川南町は扇状地でありまして、掘るとすぐ水が出る。海岸の近くでは三メーター掘ると水が出る。五メーター、三十メーター、深さ五メーターぐらいの穴を掘っても、そこに牛であれば五頭しか埋設できない。非常に土地探しの問題や苦労をしている。だから、いかにそれを押さえ込むか。自衛隊の方には大変だと思いますけれども、本省としても支援方よろしくお願いしたいというふうに思います。  いろいろ今日議論してきましたけれども、やはり単に迷惑施設あるいは迷惑訓練をどこかに持っていくというんではなくて、やはり抑止力の観点というものを維持をしながら、そして負担軽減を図っていくという分野を大きな議論からいろいろしていきたいというふうに思います。長島政務官には、今後ともこの委員会にどんどん出席していただいて、専門的な知見をまた披露していただきたいというふうに思います。  以上で私の質問を終わります。ありがとうございました。
  153. 浜田昌良

    ○浜田昌良君 公明党の浜田昌良でございます。  最初に、先ほど、山本委員岡田外務大臣質疑について、ちょっとうまくかみ合っていなかったのじゃないかと思っているんですね。つまり、鳩山総理は五月四日、沖縄訪問されまして、普天間問題だけじゃなくて、徳之島を言及されたわけですよ。総理が言及されたという中で、一方、外務大臣は、いや、徳之島が今の政府案の前提になっているとは言えないとおっしゃったんですよね。それはそういうことなんですか。もう一度御答弁いただきたいと思うんですよ。
  154. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) 先ほども申し上げましたとおり、総理徳之島に言及されたのは事実であります。その時点で徳之島に何らかの御負担をお掛けするかもしれないということが念頭にあったことは間違いございません。  そのことと、現時点で今政府考えているものはどうなのかと、引き続き徳之島ということを考えているのかと言われると、そのことについては今お話しすることはできないということを申し上げているわけでございます。
  155. 浜田昌良

    ○浜田昌良君 今の答弁、引き続きという言葉があったんですが、としますと、鳩山総理が五月四日に言った時点では政府案の前提だったんだけれども、現時点ではその前提かどうかは変わったと、その状況は変わったという御答弁ですか。もう一度御答弁いただきたいと思います。
  156. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) 変わったと言っているわけではございません。  今、現に議論しているものについて、すべて中身についてお話しすることは控えさせていただきたいということを申し上げる、その一環として言っているわけでございます。
  157. 浜田昌良

    ○浜田昌良君 変わっていないということであれば、これは逆に言うと、政府案でないものを鳩山総理は口走ったということの可能性を国民に示しているんですよ。そんな無責任発言鳩山総理がしたかもしれないということを外務大臣は今言ったんですよ。それでいいんですか。
  158. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) 注意深く聞いていただきたいと思います。注意深くお聞きいただきたいと思います。  総理沖縄において、たしか沖縄だったと思いますが、徳之島の皆様にも御負担をお掛けするかもしれないと言われたときには、当然総理の念頭にその徳之島に何かのお願いをするということがあったということでございます。それが、別に総理御自身が勝手に言ったなどということは私は全く申し上げておりません。  ただ、あれから時間もたちました。現時点でどういう案を政府として考えているのかということについて、この部分についてはこうです、この部分については言えませんと、そういう言い方はできませんので、全体として今我々の考えていることについて詳細をお話しする、そのことは控えさせていただきたいということを申し上げているだけであります。
  159. 浜田昌良

    ○浜田昌良君 全く答弁になっていないよ、それ。現時点の詳細を求めたわけじゃないんですよ、私は。  鳩山総理が五月四日に、普天間のときに徳之島を言及したと。そういうことは、政府案の前提の一つとして徳之島は入っているんでしょうと、それを聞いているんですよ。それを答えないということは、入っているか入っていないかも分からないことを総理が口走ったと、そんな無責任総理発言だと言っているのと同じじゃないですか。  答弁もう一遍下さい。答弁がおかしかったら止めますから。
  160. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) 何度でも同じことを申し上げます。  総理徳之島に言及をされました。その時点で、それは当然政府考え方として徳之島に一定の御負担をお掛けするということはあったわけであります。別に総理が勝手にお話しになったということは私は全く申し上げていないわけでございます。
  161. 浜田昌良

    ○浜田昌良君 今のこの数分間で岡田大臣答弁が変わっているよ。今何と言ったか、正確な自分の記憶を戻した方がいいよ。  今、その時点では政府の案としていると言いましたよ。じゃ、五月四日に政府の案としてあったものを、今はないと言っているのと同じじゃないか。じゃ、その時点で、五月四日の時点では鳩山総理が勝手に言ったんじゃなくて、政府考え方の中で鳩山総理は言われたということなんですね。
  162. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) ですから、その時点で、それは政府としてそういうことを考えていた、だから鳩山総理はそれに基づいて言われたということであります。それ以上でもそれ以下でもございません。
  163. 浜田昌良

    ○浜田昌良君 じゃ、その五月四日の時点の政府考えから、今、約一週間以上たっていますけど、急に変化をしたということはないという、こういう考えなんですね。先ほど引き続きという言葉を使われたので、もう一度確認しますけど。
  164. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) 変わったとか変わらないとか、今どうだとか、そういうことは私は申し上げる立場にはございません。
  165. 浜田昌良

    ○浜田昌良君 答弁が非常に言い逃れ的なんですよ、はっきり言って、外務大臣は。  これは、逆に言うと、昨日沖北がありました。前原大臣答弁はもう少し明確に答えているんですよ、ちゃんと。前原大臣答弁を読み上げますと、今、総理としておっしゃっていることは何かというと、二つあるわけですと。一つは、徳之島の三町長に対して、沖縄の部隊の機能の一部の移転をしてもらえないか、あるいは訓練の一部の移転をしてもらえないかというお願いをされているということが一つと、もう一つは、沖縄に行かれて、すべてが県外ということはなかなかいかないということでおわびをされたわけです。この二つというものを前提で最終的な政府案というものをこれからまとめていくことになろうかと思いますし、と前原大臣は明確に答えていますが、この答弁外務大臣は違うと思っているんですか。
  166. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) 私は、それぞれの閣僚が言われたことについてコメントすることは控えたいというふうに思います。  私は、いつも申し上げますように、総理が言われていることが、これが政府考え方であって、私はその総理考え方と全く同じであります。
  167. 浜田昌良

    ○浜田昌良君 それ、内閣不統一じゃないか、答弁の。  松野官房長官、この前原大臣答弁と、これは内閣として統一見解なのか、前原大臣個人的に勝手に言った答弁なのか、内閣としてお答えいただきたい。
  168. 松野頼久

    内閣官房長官松野頼久君) 私も先ほど答弁させていただきましたけれども、要はアメリカとも今ぎりぎりの交渉をしている、そして地元の理解も求めている最中でございますんで、その途中経過でいろんな憶測を呼んでもいけませんので、政府の案というものを答えることは差し控えさせていただきたいということでございまして、その前原大臣答弁も、決して政府案をこうだというふうに述べたものではないというふうに理解しているところでございます。
  169. 浜田昌良

    ○浜田昌良君 答弁をもう一遍言いますけど、この二つというものを前提で最終的な政府案というものをこれからまとめていくという、この二つが前提だと言っているんですよ。この前提とすることはおかしいかおかしくないかを聞いているんです。もう一遍答弁
  170. 松野頼久

    内閣官房長官松野頼久君) 前提は様々ございまして、その二つだけの前提ではないというふうに思っています。  私もこの場で随分答弁させていただきましたけれども、例えば沖縄県民の皆さん負担軽減、こういうのも前提でございます。普天間基地の早期の危険の除去、これも前提でございます。ですから、様々な角度の前提の中でいろんな要因を重ね合わせ、アメリカとの交渉地元の理解、これをした上で政府案を五月までに決定するということを何回も答弁させていただいているところでございます。
  171. 浜田昌良

    ○浜田昌良君 ほかに前提あることは別に聞いてないんですよ。この二つが前提かと。この二つ以外はあるのは分かります。この二つは前提から除外されていませんねと。もう一遍答弁
  172. 松野頼久

    内閣官房長官松野頼久君) どれが前提かということを政府の中で決めていることはございませんので、いやこれは前提だ、これは前提じゃないということを申し上げるのは不適切かというふうに思っております。
  173. 浜田昌良

    ○浜田昌良君 じゃ、今の答弁だと、前原さんの、大臣答弁はうそだということですよ。だって、前原大臣は明確に、この二つというものを前提で最終的な政府案というものをまとめていくと明確に答弁しているじゃないですか。これ以外あるかもしれないけれども、この二つは入ると明確に言っているんですよ。それをあなたはこれが決まってないと言ったんだから、全く閣内不統一じゃないか。今の答弁信じられない。もう一度答弁
  174. 松野頼久

    内閣官房長官松野頼久君) ですから、不統一も何も、これは、こういう前提を置いて政府で決めているという決めは今現在ないわけでございますんで……(発言する者あり)いやいや、そこのところを御理解いただければというふうに思います。
  175. 浜田昌良

    ○浜田昌良君 理解の問題じゃありません。  前原大臣答弁がおかしいのかおかしくないのか、もう一度。
  176. 松野頼久

    内閣官房長官松野頼久君) 前原大臣答弁は決しておかしくないと、おかしいとは言えないというふうには私は思っています。
  177. 浜田昌良

    ○浜田昌良君 おかしくないと言うんなら、この二つは、二つというものを前提で最終的な政府案としてまとめると。これ以外があるかもしれませんけれども、この二つは前提ということを明確に答えているんだから、それでいいですね。
  178. 松野頼久

    内閣官房長官松野頼久君) 何度もお答え申し上げますけれども、要は、様々な要因を勘案して今政府の案というものをこれから決定をしていくところでございます。(発言する者あり)
  179. 田中直紀

    委員長田中直紀君) 引き続き質問してください。
  180. 浜田昌良

    ○浜田昌良君 二つが前提か前提でないかと聞いているのに、それが言えないというのはおかしいじゃないですか、明確に答えてくださいよ。それを答えてくれないなら、答弁拒否なんだから、進められない。
  181. 松野頼久

    内閣官房長官松野頼久君) もう何度も申し上げて恐縮でありますけれども、今本当にぎりぎりの詰めを行いながら政府案というものを決定している最中でございますんで、その途中経過についてどうこうということを申し上げることは適当ではないというふうに私は考えております。
  182. 浜田昌良

    ○浜田昌良君 途中経過を聞いたわけじゃないんですよ。
  183. 田中直紀

    委員長田中直紀君) いや、ちょっと待ってください。  二つの項目について前提であるという前原大臣のことについては、認めるかどうかということを御答弁ください。
  184. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) それは前提という言葉意味解釈の問題だと思います。総理は、先ほど言いましたように、徳之島に御負担をお願いしたいという総理のお気持ちを伝えたわけでありますが、御承知のように、三人の町長からはそれに対し否定的な答えも返ってまいりました。  今、政府としては議員の方とコミュニケーションを取ったりいろいろ努力をしている最中であります。そういう中で、いや、もう前提だと、徳之島には必ず何らかのものを持っていくんだと、そういうことを政府が今の時点で言えないということは、それはお分かりいただけることだと思います。現在、いろいろなことを検討しているところでございます。
  185. 浜田昌良

    ○浜田昌良君 それだと前原大臣答弁が勇み足答弁ということじゃないですか。前提とは今は言えないと言うんだったら、こういう答弁しちゃいけないんじゃないの。と思いませんか。それ答えてくれなきゃならないよ、これ進まない。
  186. 松野頼久

    内閣官房長官松野頼久君) 何度も申し上げておりますけれども、前提という意味を決めているわけではないんですね、政府の中で。いろんな様々な要因を総合的に勘案して今案を作り上げているという状況でございますんで、これが前提なのか前提じゃないのかということは答えることは適切ではないというふうに思っています。
  187. 浜田昌良

    ○浜田昌良君 前提という言葉は私が使ったんじゃないんですよ。前原さんが使っているんだから、その前原さんの答弁がおかしいのかと聞いているんですよ。内閣の意見をまとめるのは官房なんだから、そこで明確に答えてくれなきゃ、これ、質問進められません。
  188. 田中直紀

    委員長田中直紀君) 再度答弁願います。
  189. 松野頼久

    内閣官房長官松野頼久君) 要は、政府の中でこれとこれを前提に政府案を決めるんですということを決定しているわけではないんですね。ですから、いろんなものを総合している中で、それぞれの閣僚が、こういうものを自分は重要だからこういうものはあれだということをおっしゃることは決して間違っていることではございませんけれども政府の中で統一的にこういう前提の下で決定しましょうということを決めているわけではないということを申し上げているところでございます。
  190. 田中直紀

    委員長田中直紀君) 私からも追加で申し上げますが、前原大臣発言が許容範囲にあるのかどうかということを質問をしているわけでありますので、副長官として、官房としてもう一度御答弁願います。
  191. 松野頼久

    内閣官房長官松野頼久君) どのように理解していいのか分かりませんけれども、決して行き過ぎた答弁では私はないというふうに思っております。
  192. 田中直紀

    委員長田中直紀君) いや、行き過ぎたではなくて、認めた話かどうかということを答弁願います。
  193. 松野頼久

    内閣官房長官松野頼久君) 許容範囲か許容範囲じゃないかと言われれば、それは許容範囲だというふうに思っております。
  194. 浜田昌良

    ○浜田昌良君 許容範囲だと言うんだったら、先ほど岡田大臣は前提では置けないと言ったじゃないですか。岡田大臣はこれ許容範囲と思っているんですか。
  195. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) ですから、前提ということの意味がどうなのかということを先ほど申し上げました。それが、何があってもこれは絶対やるんだという意味だとすれば、それは違うだろうと。これだけ徳之島でいろんな方の御意見言われているときに、それでもしゃにむに何があっても無条件にやると、そんなことを前原大臣も言われたわけではないと。総理も口に出された以上、そのことを我々は重視をしているという意味であって、前提ということのその中身の問題だと私は思います。
  196. 浜田昌良

    ○浜田昌良君 国会は論戦によって議論を深めていくわけですから、言葉を一つ一つやっぱり、意味を途中途中で変えられていくと何のために審議しているのかとなりますから、それはしっかりと、いや、どういう意味か分かりませんとかにされていくと何のための審議かとなりますから、今後の答弁はしっかりとお願いしたいと思います。  もう一度、同じように表現が分からないところがありまして、配付資料を配っておりますが、配付資料の一番最後のページに、これは鳩山総理の自民党の谷垣総裁との党首討論での答弁があります。  これはいわゆる徳之島の集会の後のときの党首討論なんですが、二段目にありますように、今お尋ねのことでありますが、今ここで腹案というものを持っていることは事実でございます、しかし、それを、当然のことながら、地元よりもまず本当にこの腹案がアメリカに対して理解をされるかどうかということを水面下でしっかりとやり取りをしなけりゃならない、それをやらないうちに様々地元皆さんにこうなるからと言っても、先方が必ずしもそこに対して理解を示さないということになれば、全くある意味でその地元の方に御迷惑を掛けてしまう、こういう答弁をされているんですよね。これは、読んでこういう趣旨はもう明確と思いますよ。  こういう答弁されておきながら、鳩山総理は徳田虎雄さんと会われて、打診をされ、五月四日の普天間の問題で行ったときに徳之島を言及したじゃないですか。言及したということは、この鳩山さんの説が正しければ、アメリカとのほぼ合意ができていると、こういうことになりますけれども、そういうことでよろしいんでしょうか。外務大臣、御答弁いただきたいと思います。
  197. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) 今、徳之島に関する総理の言及について再び委員は触れられたわけですが、そこで徳之島に対してこういうことをお願いするということを具体的に総理は述べられたわけではございません。  一定の負担ということはたしか言われたと思いますけれども、どこをどうするということまで具体的に言われたわけではありません。その範囲で言及されただけでありますから、何かそこで少し徳之島について言及されたからといって、その前提となるアメリカとの間で完全に案が固まっているとか、そういうことには私は必ずしもならないというふうに考えております。
  198. 浜田昌良

    ○浜田昌良君 全く今の答弁は分かりませんね。  だって、徳之島でああいう集会がなされて、政府案の鳩山総理が言う腹案の中に徳之島入っているんでしょう、何らかの形でと。それは基地の移転なのか訓練の場所なのか分かりませんけれども。そういう中で、もう少し明確にされたらという谷垣総裁の質問に対して、全く言えないと。全く言えないのはアメリカとの関係が合意されていないからだと言っておきながら、言及したのは事実なんだから、具体的にそれは基地機能移転なのか訓練の一部なのかは別に問うていませんよ。言及、じゃ、しなきゃよかったじゃない、それだったら、徳之島、全く。言及してしまったのは、地元の方に御迷惑掛けているじゃない、これはっきり言って。このことを言っていて、なぜ言及したんですか。
  199. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) ですから、それは進め方の問題であります。いろんなメディアが先行して徳之島ということを報じたわけで、そういう中で何も言わないというよりは、やはりその可能性があるということを言う方が私は誠意ある対応だというふうに思います。  先ほど来、何も言わないといって随分私も含めて怒られているわけですけれども、やはり一定の範囲で、特に御負担をお願いするところに対して総理は誠意を持って言及をされたということであります。  そのことが駄目で、とにかくまずアメリカと全部固めてからそれから地元にというのは、それは、もちろん総理はそういう趣旨でこれを必ずしも言ったわけじゃございませんし、常識的に考えてもアメリカを一〇〇%固めてからそれから、それまでは地元には全く何も言及せずに、地元アメリカを固めた上でやるべきだと、そういうことでは私はなかろうというふうに思っております。
  200. 浜田昌良

    ○浜田昌良君 別にアメリカと一〇〇%とは言っていませんよ。ある程度のアメリカとの合意を得た上でということになっているわけでしょう。  じゃ、これは、当時は鳩山総理はこういう考えだったですけれども松野長官に聞きますけれども、今はそうじゃなくて、アメリカよりもまずは地元だというふうに考えを変えられていると、そういうふうにお考えですか、鳩山総理は。
  201. 松野頼久

    内閣官房長官松野頼久君) どちらがどう先という、委員もよく御存じだと思いますけれども、どちらが先でどちらが後だということではなくて、やはり両方とも理解を求めつつ行っていくのが私は必要なことではないかというふうに思っています。
  202. 浜田昌良

    ○浜田昌良君 何言っているんですかというやじが飛ぶぐらい今の答弁ってなってないと思いますよ。鳩山総理はそれだったら言わなきゃいいじゃない。鳩山総理が、アメリカとのある程度の段取りをしてからでないと地元に迷惑を掛けると言ったのは総理自身なんだから。それを言っておいてそれを変えたのかと聞いているんですよ。一般論じゃないんだよ。どうなんですか。
  203. 松野頼久

    内閣官房長官松野頼久君) いや、それは、どちらか一方でもそれはできないことでありますので、同時に行っていくということであると思います。
  204. 浜田昌良

    ○浜田昌良君 官房長官答弁、がっかり。やっぱり官房長官に来てもらわないと駄目だというのがはっきりしました。何だこの答弁と、もっとちゃんと勉強してこいという感じですね。  じゃ、ちょっと、時間の無駄なんで移りたいと思います。  配付資料に、三枚目をちょっと見ていただきたいんですよね。こんな資料をよく配ったなと思うんだけど。民主党が選挙のときに配った奄美マニフェストというやつなんですよ。奄振予算は民主党が必ず守りますと。鳩山由紀夫さんのサインまで入っているんですよね。その一ポツに、民主党政権は奄振予算を絶対に減らしません。ところが、何と二九%減らされているんですよ、二十二年度。ほかの離島とか北海道なんかについては二割以内のカットなのに、カット率がえらい高いと。余りにもひどいのは、八ポツなんて、奄美群島の消費税を軽くしますという。こういうマニフェスト、これ、号外の上のところにありますように、民主党プレス民主編集部と、東京の住所が書いていますが、これは、この紙は民主党の公約ですか。単なるこれは間違った情報なんですか。当時民主党の幹事長だった岡田外務大臣にお聞きしたい。
  205. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) 当時、もちろん党としてのマニフェストというのは民主党責任で作ったわけですが、各県連においてその責任に基づいて県連限りのマニフェストというものを作ったところが幾つかございます。これはそのうちの一つということでございます。  中身については、これは県連の責任で作ったものであって、党としてコミットしたものではございません。
  206. 浜田昌良

    ○浜田昌良君 問題な発言じゃない。県連が勝手にやったことで党はコミットしていない。鳩山由紀夫のサインは何です、これは、サインは。じゃ、県連の代表のサインすればいいじゃないか。詐欺だよ、こんなの。もう一遍答弁
  207. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) どういう経緯で鳩山代表のサインが入ったのかというのは私は承知をいたしません。そもそもこれを見たのはつい最近であります。ただ、率直に申し上げて、中身を見まして、県連限りで約束できないことが含まれているなと、そういうふうに思っております。
  208. 浜田昌良

    ○浜田昌良君 そういう、もう民主党という党はどういう党なんですか。選挙のときには最低県外と言っておいて、今この紙を出したら、党としては関知しない。それで、関知しないものに鳩山由紀夫とさも肉筆のようにサインがしてある。  もっと言いますと、この奄振予算、これだけ減らされて、この前、徳之島の三町長を含め関係自治体の方々と五月七日お会いしました。何と言っているか。今回の基地機能の一部移転を受け入れたら奄振予算を復活してやるよと、こんなことを民主党の方から言われているんですよと。  こんなことを言っているんですか、松野官房長官
  209. 松野頼久

    内閣官房長官松野頼久君) そのような発言があったということは全く承知しておりませんし、そういう発言はなかったというふうに思います。
  210. 浜田昌良

    ○浜田昌良君 こんな紙配っておいて、こんな紙は党としてしないと言っておいて、選挙はもうやってしまったわけでしょう。そういう、言葉が余りにも無責任過ぎますよ。それに国民は本当怒っていると思いますよ。短くね、時間ないんだから。
  211. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) 私はこの鹿児島県連のマニフェストを見まして、当時の幹事長としてこれは遺憾なことだと思います。
  212. 浜田昌良

    ○浜田昌良君 ちょっと、今日は辻元大臣も来てもらっていますので、国土交通大臣でおられますけど、奄振予算ってこんなに急激に減らすことはあるんですかね、どうなんですか。
  213. 辻元清美

    ○副大臣辻元清美君) 国土交通省にかかわる予算もたくさんございました。今回予算を組む折に、国交省としては、公共事業から人へということでしたので、この奄振だけではなくて、日本全国、これは公共事業関連の予算はばっさり切らせていただくというような方針で臨みました。しかし、離島その他に対してはしっかり配慮をしていかなきゃいけないというのは先生御指摘のとおりだと思います。  奄振の場合は、非公共は減っていないんです。これから公共事業に頼らずに雇用をつくっていく、人を育てていくという方向での予算にシフトしていった方がいいのではないかと思いながら、国交省では予算を組ませていただきました。
  214. 浜田昌良

    ○浜田昌良君 公共事業を減らすと言いますけど、北海道の関係の公共事業は減らされても一七%カット、離島関係は一九%カット、奄振だけが二九%でえらい高いんですよ。今、非公共とおっしゃいました。非公共って額は幾らですか。微々たる額でしょう。そんなの理由にならないと思いませんか。そこは是非国土交通大臣としてしっかり今後も取り組んでいただきたいと言うしかないんですけど、次にもう移りたいと思います。  先ほど佐藤委員の方から、鳩山総理の今回の普天間基地の迷走の背景として抑止力の認識が甘かったんじゃないかということが言われていました。この点について、配付資料にも付けておりますけど、配付資料の二ページ目に、新聞記事ですが、それぞれ、抑止力という観点から国外移設は難しいという思いに至ったとか、また海兵隊の役割、陸上部隊とヘリ部隊との間の共同訓練を考え、厳しさを痛感していると。つまり、認識を総理は変えられたということを言われているんですね。  この認識をいつごろ総理は変えられたと松野官房長官は思っておられるでしょうか、総理は。当初は何せ最低は県外と言っておられたんだから。それが今は、総理は難しいとおっしゃったと。その認識をいつごろ変えられたのかということを。
  215. 松野頼久

    内閣官房長官松野頼久君) いつごろというのはちょっと私も、伺ったこともありませんし、総理のお考えでございますので、いつごろというのはちょっと私も分かりかねるところでございます。  ただ、一点ちょっと、最低では県外というお話をされましたけれども、当時、選挙のときのことをおっしゃっているんだと思いますけれども、この最低でも県外という発言に対しまして琉球新報の七月二十日では、県外移設に県民の皆さん気持ちが一つならば最低でも県外の方向で我々も積極的に行動を起こさなければならないと思っているという発言でございます。
  216. 浜田昌良

    ○浜田昌良君 言葉をどんどん変えられていると何が本当か分からなくなってくるんですけど。  防衛大臣に聞いていなかったので聞こうと思っていますが、こういう抑止力の認識は、防衛大臣は就任の時点からこういう認識は元々持っておられましたか、それとも防衛大臣も当初は最低は県外と思っておられたんですか、いかがでしょうか。
  217. 北澤俊美

    国務大臣北澤俊美君) 私だけエクスキューズするつもりはないんですが、私は、防衛大臣という立場内閣協議の中に加わったときは、なるべく年内に、昨年ですね、昨年のうちに、年内で、万やむを得ない場合は現行案でも解決すべきだという認識は持っておったわけでありますが、しかし、御案内のように、鳩山総理がどうしてももっと突っ込んで県外に何とかならないのかという強い思いがあったということの中で、もちろん私は総理をサポートする立場でありますから、防衛省挙げてこの県外ということについて検討をしてきたということが事実であります。
  218. 浜田昌良

    ○浜田昌良君 率直な答弁ありがとうございます。  防衛大臣は、年末までは抑止力の観点から、現行案、重要だという考えだったんだけれども総理は強い思いで最低県外と、もう年末まで持っておられたという印象を得ました。  辻元大臣にもお聞きしたいんですけれども辻元大臣は、この抑止力の認識、どのように持っておられますか。
  219. 辻元清美

    ○副大臣辻元清美君) 度々、浜田委員にもこの委員会に、貴重な時間、お呼びいただいているんですが、私は、何回も答弁しているとおり、国土交通大臣としての仕事については御答弁いたしますが、所管以外は、いろんな副大臣が口出ししたり、自分の意見をわあわあわあわあ言うて混乱するだけで、責任持った政治ができないと思いますから、今の点はお答えできません。
  220. 浜田昌良

    ○浜田昌良君 民主党の人たちが逆にわあわあわあわあ言って混乱していますので、もう少し、それを方向付けるためには少し言われた方が方向付けできると思いますよ。いかがですか、されませんか。
  221. 辻元清美

    ○副大臣辻元清美君) 私はそれで決して方向付けができるとは思いません。党としての発言であれば、それは幹事長などを通して正式にする発言であって、ちょっとその辺は浜田さんと見解が違います。  これは、公明党と自民党が連立をお組みになっていたときも、連立政権として、同じようにお互いいろんな議論はします、しかし、それぞれのつかさつかさで仕事を分担してやってきたはずなんですね。ですから、それは同じじゃないでしょうか。
  222. 浜田昌良

    ○浜田昌良君 もう少し自公政権のときには議論をぶつけました。何となく場外での議論ばかりで、正式な協議の場で意見がぶつかっているという感じがしないんですよね。それをされた方が国民にも見えるし、何となく場外乱闘ばかり見えているというのは良くないということを言っておきたいと思っています。  最後に、もう時間がないので、岡田外務大臣に苦情だけ言っておきたいと思っています。  何かというと、今日は松野長官答弁が不十分だったんで、時間掛かっちゃったんでできなかったんですが、梅本北米局長に今日来ていただいて、アメリカの予算の関係を聞こうと思ったんですね。政府委員答弁してもらおうと思った。ところが、これを、岡田外務大臣政府委員答弁は認めないんだと、やめてくれということがある筋から話があってね。何なんだと。我々質問者の権利として、政府参考人を求めるのは自由じゃないかと。それをやめてくれということはどういう趣旨なんでしょうか。  私は、逆に、今のように閣僚自身が発言をころころ変えていく、意味が違う、何とかとやっていくものだから、余りにも不信だから、言葉に割と正確な官僚の答弁を求めたいわけですよ。それを、あなたたちの答弁が不十分だと思って呼んでいるのに、それをやめさせようという外務大臣の、まさにそれは密約体質と同じじゃないか。(発言する者あり)与党委員じゃない、これは与党委員じゃないんですよ、違う筋から来たんだから。
  223. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) 私はといいますか、この鳩山内閣はなるべく政治家が自分言葉答弁するということを基本に置いておりますので、政府委員出席というのは、これは基本的には行わない、そういうことで進めているところでございます。  なお、今の発言の中で、私の答弁が不十分であるという言い方がありましたが、どこが不十分だったのか、はっきり言ってもらいたい。
  224. 浜田昌良

    ○浜田昌良君 ちょっと、人の意見もちゃんと正確に聞いてほしい。私は松野長官答弁が不十分だと言ったんですよ。ちゃんと、あなた、自分のよく発言で、私の答弁を正確に聞いてほしいとか言うんだったら、人の質問も正確に聞いてほしい。もういいよ、あなたは。答弁しなくていい、もう時間がないんだから。  それと、かつ、あくまでも閣僚答弁が二転三転しているということをおかしいと思って我々はやっているんですから、そんなことを言うんであれば、もう少し一つ一つの各閣僚発言答弁も正確にチェックした上で今後も答弁してほしい。そうでなければ、今本当に閣僚総理言葉が軽過ぎる。私はこの前本会議で、余りにも腹が立ったから言いましたけれども、うそつき呼ばわりされるようになっているんだということで、しっかり銘じてやってもらいたい。  このことを最後に言って、終わります。
  225. 井上哲士

    ○井上哲士君 五月の三日から始まりましたNPTの再検討会議に関連してお聞きいたします。  日本共産党は志位委員長を団長に訪米団を派遣をいたしまして、私もその一人として前回に続いて参加をしてまいりました。  私たちは、被爆国の党として二つの要請をしてまいりました。第一は、二〇〇〇年のNPT再検討会議合意をされた自国核兵器の完全廃絶を達成するという全核保有国の明確な約束を再確認をするということ、もう一つは核兵器廃絶のための国際交渉を開始する合意をつくること、この二点についてNPTのカバクチュラン議長や第一委員会委員長、国連のドゥアルテ上級代表、各国の大使、議員団とも会談をしてまいりました。全体として実感をしたことは、核兵器のない世界を築くという意思、そしてこの歴史的なチャンスを必ず生かしたいという皆さん思いが国際社会の圧倒的多数になっているということでありました。  まず、核兵器国の明確な約束を含む二〇〇〇年会議での合意の再確認の問題についてお聞きいたします。  福山大臣出席をされ、ニューヨークでお会いいたしましたが、演説でも第一にこの再確認ということを挙げられました。このNPT体制というのは、五つの大国には核保有を認めると、その他は認めないというある意味の差別条約なわけですね。にもかかわらず、国際社会が受け入れたというのは、第六条で核兵器国が核廃絶への真剣な努力を行うということを約束していることに私はあると思いますけれども、この点でのまず基本的認識をお聞きいたします。
  226. 福山哲郎

    ○副大臣福山哲郎君) 井上委員にお答えいたします。  井上委員にはニューヨークでお目にかからせていただきました。御苦労さまでございました。  今御指摘をいただいたように、NPT体制は、五か国を核兵器国と認めた上で、そしてその五か国に核軍縮交渉義務を課し、すべての締約国は核不拡散義務と原子力の平和的利用の権利を有するというグランドバーゲンの構造に立ったものだという認識をしておりまして、核兵器国と非核兵器国との、また先進国と途上国等による対立構造を乗り越えて国際社会全体が歩み寄ることでこのNPT体制の求心力を高めたいと。そして、我々としてはこのグランドバーゲンを再活性化することが重要だというふうに認識をしています。  その観点の中で、御案内のように我々は豪州との共同によってパッケージを提出をしておりまして、その中でも我々としては、今、井上委員の言われましたように、核兵器の完全廃絶に向けた明確な約束の再確認を強く求めているところでございます。
  227. 井上哲士

    ○井上哲士君 問題は、核兵器国がこの約束を誠実に実行してきたのかということが問われるわけですね。  オバマ・アメリカ大統領は、昨年六月のカイロ演説でこう述べました。私は、ある兵器について、それを持つ国と持たない国があることに抗議する人々の意思を理解することができます、だからこそ私は核兵器保有国のない世界を追求するというアメリカ約束を改めて強く明言をしたのですと、こういうふうに述べました。ですから、条約の六条があるにもかかわらず新規の核保有国やそれを計画する国が増え続けているというのは、発効以来四十年間、核保有国の約束が果たされてこなかったと、そのことを私はオバマ演説というのは率直に認めているということでありまして、前回の会議は二〇〇〇年のこの約束アメリカが主導してほごにした結果だったわけですから、非常に大きな変化だと思います。会議では、潘基文国連事務総長の演説や各国代表の一般討論演説も行われまして、三つの委員会の審議にも入っております。  現時点において、二〇〇〇年合意の再確認という点で、この会議状況をどう評価をして、今後、日本としては成功のためにどういうふうな対応を考えていらっしゃるでしょうか。
  228. 福山哲郎

    ○副大臣福山哲郎君) まず、非常に象徴的だったのは、会議の第一週において、アメリカが核兵器保有数及び削減規模に関する情報公開措置を発表しました。御案内のように、クリントン国務長官の演説の後、本国の中で数が発表されたと。また、インドネシアがCTBT批准手続の開始を表明をされました。  先ほど井上委員が御指摘をいただいたように、私自身もニューヨークに行かせていただいて、全体のモメンタムとしては、合意に向けて努力をしたいというモメンタムが働いているというふうに思いますし、P5も、つい先日、P5のメッセージを発表されたというふうに承っているところでございます。  また、我々としては、現地でNAM、NACのリーダー国とそれぞれ会談をいたしました。彼らの非常に象徴的な表現は、今度のNPT会議、いわゆる今やっているNPT会議は、二〇〇五年とは異なって、違いを強調するよりも共有できることをそれぞれが確認をし合うことが合意に向けて重要だというような表現がありました。私としては、非常にそこは評価をしているところでございます。  しかしながら、そういったモメンタムが形成されつつある一方で、イランの核問題等の要因と併せ、だからといって、このNPTの運用検討会議の約一月後の先行きが楽観できるとは私は限らないというふうに思っておりまして、我が政府としては、合意に向けて一つ一つ各国と交渉を積み上げて、岡田大臣が中心になってまとめ上げられた日豪のパッケージの提案について各国としっかりと詰めてまいりたいというふうに思っております。
  229. 井上哲士

    ○井上哲士君 再確認への思いが大きな流れである一方、楽観できない問題もあるという、まさに私もそのことは感じてきたわけでありますが、そういう点で被爆国日本役割は非常に大きいと思います。  ただ、ニューヨークでは、被爆者の代表からも、なぜ日本から首相や外務大臣が来ないんだと、こういう率直な声も出されました。  福山大臣、大奮闘されてきたわけでありますが、鳩山総理自身が被爆国としての道義的責任ということを言われてきたということを考えますと、より高い位置付けをされるべきではなかったかという思いをしておりますけれども、この点、岡田大臣、いかがでしょうか。
  230. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) まず、今回のこのNPT運用検討会議、共産党の志位委員長、そして委員御自身も御出席されて、そして非常に有益な意見交換をされたこと、日本としての存在感を示すことにもつながりましたので、感謝申し上げたいというふうに思います。  その上で、今回のこの会議総理がというのは、実は首脳、国のトップが出ているというのは一か国だけ、イランのアフマディネジャド大統領が出席をしたということでございます。それ以外に首脳級ということですと、ルクセンブルクの副首相が出たと。それ以外に、外務大臣クラスは三十一名。  なぜおまえが出なかったのかと言われますと、私はアフリカに行っていたわけで、いずれも重要な会議であったことは間違いございません。ここは役割分担して、福山大臣に出ていただきました。  ただ、委員も御指摘のように、この会議が最終的にまとまるかどうかというのは、これは非常に予断を許さない、イランの問題とか様々ございます。そういう中で、もし大臣クラスが集まって何らかの合意を、そのことによって何らかの合意ができるという、そういう場面が仮にあるとすれば、私は後半に、これ長い会議でございますので、後半にニューヨークに行くことについて、それをちゅうちょしているわけではございません。
  231. 井上哲士

    ○井上哲士君 これは五年に一度の会議で、被爆国日本としてはやっぱり特別な位置付けのある会議だと思うんですね。  唯一首脳で参加をしたイランの大統領が初日に演説をし、アメリカのクリントン国務長官も初日に演説をし、さらには非同盟諸国を代表してインドネシアの外務大臣も演説をされました。やっぱり初めの段階で基調になるいろんな意見が出ることを考えますと、初日にきちっと被爆国の外務大臣が演説をされる、まあ中身はともかく、五年前はそうだったわけですね。そういうことから言いますと、やはり最初の段階から高い位置付けをするべきだったんではないかということは申し上げておきたいと思うんです。  もう一つ、この十三項目の合意の再確認の上に更に前進をさせたいというのが多くの国々の思いなわけですね。我々は、もう一点、この核兵器廃絶のための国際交渉を開始をする合意をつくるということについても提起をいたしましたけれども、世界の大勢がその方向に向かっているなというのは実感でありました。潘基文事務総長も五月一日のNGOの集会で、核兵器の禁止条約を含む核軍縮交渉を呼びかけられました。この点、日本政府はこれまで、前政権来、国連総会でマレーシア政府が提案をした核兵器の禁止・廃絶条約の早期締結のための交渉開始を求める決議にはずっと棄権をされてきておりますし、今回の演説にもこの問題の提起はなかったわけですね。  私はやはり核兵器廃絶をめぐる世界の新しい情勢を見たときに、被爆国としての役割を果たす上でも、この廃絶のための国際交渉開始の合意をつくるということに積極的に推進をするという立場に転ずるべきではないかと思いますけれども、その点いかがでしょうか。
  232. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) ここは率直に言って、なかなか難しいところだと思います。  核を廃絶するということになりますと、やはり今、核を持っている国はなかなか、それは将来の核なき世界を目指すということはよくても、直ちにということについては簡単にはそれは合意できないと。もちろん、このマレーシア案に対して、中国はこれは賛成をしていたと記憶をいたしますが、ほかの核保有国は反対に回っている。G8外相会談でも私、核の問題を随分取り上げたんですが、核を持っている国、これはアメリカではありませんが、ほかの核を持っている国からは、やっぱりそのこと自身が特別のことであるということで、簡単に手放せないというそういう雰囲気というのは非常に伝わってまいりました。  ですから、核を持っている国、持っていない国の対立の構図にするのではなくて、やはりそれ全体を取り込みながらどうやって核なき世界を目指していくかということを考えるべきではないか。そういう観点から考えると、まず核兵器の数を減らすことと核兵器の役割を減ずること、そのことの具体的なやはりステップを示しながらきちんと前に向いて実現をしていく、そういうことが重要なのではないかというふうに考えているところでございます。
  233. 井上哲士

    ○井上哲士君 大臣自身が、北東アジアの非核地帯条約の問題など、いろんな部分的措置に対しても取り組んでいらっしゃるわけですが、CTBTの批准にしてもカットオフ条約にしても、それから核兵器の先制不使用という問題についても、部分的措置を広げていくということは非常に重要だと思っているんですが、それを積み重ねるだけでは核兵器のない世界には到達できないというのは戦後の長い核兵器をめぐる外交交渉で私はもう明らかだと思うんですね。もちろん、直ちに核兵器国がすべて廃絶しますという合意に到達するというのは様々な困難があると思いますが、私たちが求めているのは、国際交渉を開始すると、この合意をまずつくるということが必要ではないかということなんですね。  ですから、開始から、交渉をし、合意をし、実行というまでには時間掛かるかもしれませんけれども、始めるということは核保有国の意思があればできることなわけです。マレーシアの決議には、核保有国でいいますと、中国に加えてインド、パキスタンも賛成をしているわけですね。もちろん、核廃絶に至るいろんなプロセスもあるでしょう。どういうプロセスでやるかということも検討をするという国際交渉を始めるということはこれは戦後一度も行われていないわけで、これを今踏み出すということが全体のやっぱり前進を図るという点でも大事で、部分的措置とこういう交渉を同時並行に進めることが大事だと考えますけれども、いかがでしょうか。
  234. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) 部分的措置といっても、例えば非核地帯条約、残念ながらこの北東アジアにおいては北朝鮮がありますので、北朝鮮が完全に核を放棄をするということがないと北東アジア非核地帯条約というのは前に進めないわけでありますが、しかし、この非核地帯条約というのはアメリカも大分変わってまいりました。オバマ政権になって非常に積極的な、つまり、今ある非核地帯条約に対する態度というのは、アメリカはかなり今変わりつつあるというふうに認識をしております。  非核地帯条約、もう今も既にかなりありますので、これが更に広がっていきますと、最終的には核を持っている国以外は全部非核地帯条約ということも決して夢物語ではない。そうしますと、あとはもう核を持っている国がいかにそれをなくすかという、そういうことになるわけで、私は、様々な役割を減らす、数を減らすという、あるいは非核地帯条約、いろんなことを使いながら、核なき世界を一歩一歩目指していくということが重要ではないかと思います。  全体に網をかぶせるべきだという委員の御指摘は、先ほど言いましたような難点というか問題があるということでありますが、私は、核を使用することが、これが違法であると、あるいは、少なくとも広い意味でこれは人類にとって許されないことなんだと、そういう一つの規範というものを築き上げていくということが非常に重要なことじゃないかというふうに思っております。
  235. 井上哲士

    ○井上哲士君 一歩一歩というお話が今ありました。これは世界のNGOの中でもそういう意見はかなり強かったんですけど、今回、二百五十のNGOが一緒になってこういう国際交渉を始めようということでニューヨークでの集会も行われました。  それから、NATO諸国の中でもいろんな変化は起きているんですね。オランダ、ドイツの国会議員の皆さんとの懇談をしましたけれども議会では、あちらに配備されているアメリカの戦術核兵器の撤去を求める国会決議を上げております。  それから、ドイツの国会の軍縮・軍備管理の委員長だと思いますが、これまでは、部分的措置の積み重ねによっていずれ核廃絶をと、ステップ・バイ・ステップという立場だったけれども、国際世論とかNGOとの交流の中で、マレーシアやコスタリカが出しているモデル条約の重要性が深まったと。ああいうモデル条約によって、NPTが持っている核兵器国と非核兵器国の差別をなくしていくということにもなるじゃないかということで、議会としては、ドイツ政府に対してこういうモデル条約へ賛成するように転換するように求めることが多数になっているということが言われました。  政府はまだ立場は変えていないようでありますが、こういう大きな変化が国際的にNGOの中でも、NATOの諸国の議会の中でも変わってきているということになりますと、私は、やっぱりそういう機運は前進をさせていくという上で、部分的な問題と同時に、この一歩一歩の積み重ねに加えて、きちっとこの廃絶ということを目標に据えた交渉を開始をしていくということをもっと推進をするという立場は、被爆国日本政府としてのリーダーシップになると思うんですけれども、改めていかがでしょうか。
  236. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) 何といいますか、委員のおっしゃることも分からないわけではないんですが、ただ、例えばEUについて言及されたわけですが、EUで今議論をされているのは、確かにアメリカのEUにある戦術核の撤去ということはかなり議論されております。私が話し合ったドイツのウェスターウェレ外相もそのことを一時は非常に強く言っておられた。しかし、これはEU全体で話し合うべき問題だということで、これから真剣な話合いが行われていくんだというふうには思います。  しかし、その際にも、それはEUにあるアメリカの戦術核の撤去の話であって、EUの中にはイギリスとフランスの核もあります。そのことにまで話が必ずしも及んでいるわけではありません。あるいは、EUをカバーしているアメリカ大陸にある戦略核について、その核の拡大抑止というものが要らないと、そういう議論までは私は行っていないというふうに思うんですね。  ですから、いろんな地域、国で、核について、オバマ大統領のプラハ演説以来、核なき世界を目指すいろんな動きが出てきて、それは本当に歓迎すべきことではありますけれども、一遍に核なき世界というところまで行くのか、それとも、それはステップを踏みながら行くのかと、そういう戦術面といいますか、やり方の違いといいますか、そういうものはやっぱり残るんだというふうに思っております。
  237. 井上哲士

    ○井上哲士君 いろんなところと懇談をして、被爆国日本のリーダーシップに対するやっぱり期待というのは非常に強いわけですね。  繰り返し申し上げますが、私たちは、直ちにあしたなくせということが実現するとは、そう簡単なものでないと思っています。そのことを目標にした交渉を始めるということが様々な措置の前進にもつながっていく、そのためのリーダーシップを取れるように、日本が国連での決議への対応も含めて変えていただきたいということを改めて申し上げまして、時間ですので終わります。
  238. 山内徳信

    山内徳信君 社民党の山内徳信でございます。  私は今日は、沖縄に新基地建設は許さない、そういう沖縄の戦いのシンボルカラーのこのスーツを着てここに座っております。それを答弁者側は深刻に受け止めていただきたいと思います。なぜ山内のやつはあんなのを着てここにおるんだろうと、こういう思いで受け止めますと間違いのもとになります。  さて、沖縄の人々は、四・二五県民大会を通して命の安全を政府に求めて、黙れと石を投げ付けられた思いでおります。それは、総理が五・四沖縄訪問のときに、行かれたところを全部陳謝をして、頭を下げて、ところが、これからもなお沖縄に御負担をお願いすることになるかもしらないと、こういうふうなことをおっしゃっていたわけです。  私はなぜこの石という言葉を使ったかというと、かつてインドのガンジーが、パンを求めてイギリスから石を投げ付けられたと、そういう思いの文章を書き残しております。私も総理のあの五・四の姿を見て、そして、普天間の第二小学校の子供たちが総理への訴えの文章を書いて担任の先生が届けておりましたが、なぜ沖縄の人々の命を守ろうとされぬのかと、本土におる人々の安全とか守る義務があるとか外務大臣もおっしゃっておるんですが、どうして百三十万の県民の命を、安全を、負担を守り得ずして、なぜ一億二千万の国民が守れるというのかと、そういうふうな思いでおるわけであります。    〔委員長退席、理事山根隆治君着席〕  沖縄への差別、基地押し付けを拒否する県民の満身の怒りを込めて、私は、皆さんが黒塗りの専用車で官邸に入っていかれた月曜日の十時半から、向こうで携帯マイクで訴えておるのは山内徳信であるわけです。そして、今日は同じスーツを着てここから皆さんに、本当に具体的に皆さんの計画は不可能ですよということを質問を通して明らかにしていこうと思っております。  さて、質問の一は、普天間移設先として、国内は何か所、何という場所を調査されたのか、国外は何か所、何というところを調査されたのか、伺いたいと思います。調査されたところ、どうぞお答えしてください。
  239. 松野頼久

    内閣官房長官松野頼久君) 山内先生にお答え申し上げます。  この普天間飛行場移設先につきましては、沖縄基地検討委員会におきまして、これまで検討の経緯、あらゆる角度から精査をしてきたものでございます。総理の御発言は、このような過去の検討経過、委員の提案等を踏まえてなされたものというふうに理解をしているところでございますが、国内で何か所、国外で何か所というのは、いろいろその性格上憶測を呼ぶおそれがあるので、その場所、具体的な名称等はお答えを控えさせていただきたいというふうに思っているところでございます。
  240. 山内徳信

    山内徳信君 大体そういう答弁しか返ってこぬだろうと思っていましたよ、松野さん。  しかし、総理の周囲におる皆さん方はまじめに仕事をしていないということではありませんか。ずっと言っておるのは、総理が最初から言ってきたのは、国外、最低でも県外とおっしゃったでしょう。その人が今の総理なんですよ。そういうことをせずして、なぜ総理沖縄行ってあんなに頭下げさせるんですか。そのことを昨日も沖北で外務大臣沖縄担当の前原大臣にも申し上げてあるんです。しっかりせぬといかぬですよ。ところが、防衛外務と一緒になって、官邸も、官房長官一緒になって総理の足を引っ張って、回り回ってまた辺野古に押し付けようというのは、これは許せないという沖縄県民の怒りなんです。そういうふうなことではいかぬのです。  さて、皆さん、回り回って辺野古沿岸部に、くい打ち工法とかいろんな言い方がありますが、私の目から見ると、沖縄県民の目から見ると、それは実現性のないそういう案だと沖縄の人は言っておるんです。私もそう見ておるんです。  私は実務の経験もありますから、より今日は具体的に申し上げておきますが、一つは、皆さん、自治体関係者の同意を、旧政権と同じように同意をいただけると思っておるのか。  二番目は、漁業関係の、漁業法というのがありますでしょう、漁業権の。これはすごい排他的な法律ですよ。そうすると、海で仕事をしておる皆さん方、漁業組合の了解が得られると思うんですか。それは難しい。難しいんじゃない、不可能なんです。  三番目に申し上げますが、アメリカ側はずっと今日まで言い続けてきたのは、地元合意が重要ですよと。アメリカは賢いから、やはり私みたいなきついことを言わない。地元合意が重要ですよと。言葉は軟らかいんですが、彼らはちゃんとそういうことを指摘をしておるわけです。  四番目に申し上げますが、ジュゴンは天然記念物で、日本国は保護しなければいかぬのです。天然記念物ですよ、ジュゴンが。天然記念物です。  そして、五番目に申し上げますが、オスプレーが配備されるということは、高村外務大臣も、そして現在の北澤大臣も、やはりこれは、オスプレーの配備は結果として配備されていくと、こういう趣旨の答弁をいただいておるわけであります。そういうふうなことからすると、これは、今まで進めてきたアセスの中にはオスプレーはひた隠しに隠してきたわけです、旧政権の、私はここで何度もその担当職員にも申し上げておいたんですが。そういうふうなことが当然問題として起こってくるわけです。  六番目には、沖縄県は、沖縄の全体の海域、ここは保全すべき一級の場所、ここは二級、ここは三級といってランク別に指定してあるんです。くい打ちをしていこうというその海域は一級のランクの場所なんです。そこにどうして鉄のくいを九千本も打ち込むというんですか。それを県知事も県議会も自治体も打ち込んでいいですよとは言えぬでしょう。  現在、もう既にジュゴン訴訟が沖縄で起こされておる、アメリカでも起こされておるわけです。そういうふうなことをひた隠しに隠しておいて、周囲におる官僚の皆さん方は、これしかないでしょう、これしかないでしょうと、こういうふうに言って、回り回って現行案のその位置を少し沖の方にずらしていこうという話でしょう。そして、V字形の滑走路を一本にして、これを千八百メートルぐらいでしたかね、それに延ばしていこうというだけの話でしょう。  もう一つありますよ。もう一つは、今の案は政府の案とは私は認めていないんです。要するに、三党連立政権ですが、既に政府自分たちだけで勝手に腹案みたいなのを作って走り回っておるだけでしょう。打診をしておるわけでしょう。    〔理事山根隆治君退席、委員長着席〕  そういうふうに、今幾つかの高い高いハードルを申し上げましたが、これはクリアできない。現実的にクリアできないから、そういう実現性のないものをどんなに検討してもそれは実現しないわけでありますから、時間がもったいない。このことを深刻に両省は受け止めていただいて、方向転換をする以外にないというんです。  そして、私が残念に思いますのは、ずっと沖縄徳之島に押し付けて、平然として沖縄における海兵隊の抑止論がまかり通っていく。海兵隊が沖縄にいなければ日本の安全は、日本国民の安全はと。そういうことならば、まず総理大臣外務大臣防衛大臣もここにいらっしゃる国会議員の皆さん方も手を挙げられて、やはりそういう立場にある、安保条約を認める立場から沖縄負担軽減をしていこうということを言ってきた者として、沖縄普天間の基地の半分ぐらいは私の県に、私の選挙区に受け入れようと、そういうふうな人が何名か出てきていいじゃないですか。あんな北海道、広いところありながら、総理も、私はまだ総理がおっしゃった腹案というのは北海道と今も信じておるんです。岡田大臣北澤大臣も榛葉副大臣も是非手を挙げていただきたい。  榛葉さん、あなたが、もし政府があなたの住んでいる近くにあるあの静岡のおいしいお茶の産地、牧之原台地とか島田とか金谷とか掛川とか菊川、そこら辺に本当に海兵隊を迎える基地を、案ができたときにあなたは賛成しないでしょう。賛成しなくていいんです、あなたは。あのお茶を、あの牧之原をつぶしてはいかぬのです。そうでしょう。  そのことは、両大臣もそういうふうに言えると思いますよ。言えるならば、そう言うならば、アメリカ交渉する以外ないでしょう、アメリカと。私がずっと最初から言い続けているのはそれなんだ。  北澤大臣岡田大臣アメリカも全部テレビ見ていますよ。徳之島状況も見ています。沖縄状況も見ております。それでもなおルース大使が押し付けるというんだったら、けんかしていいじゃないですか。堂々とけんかやってください。外交交渉のけんかやるんですよ。そういうふうになさったときに、私は、しっかり頑張った、岡田大臣北澤大臣、よう頑張った、総理、よう頑張ったと。私は一番きついことを言う男ですが、しかし一番鳩山政権に頑張ってほしいんです。だからきついことを言うんです。だから、民主党の議員さんたちは、山内、きついなと思っておるかもしらぬのですが、私は、与党だから何でもやあやあ、はいはいとは言いません。私は、立派に支えていくためにこんなきついことを申し上げるわけであります。  そして、まだ三党による連立政権のこの問題についてはやはり協議は終わっていないわけです。そういう状況の中で、余りにも五月、五月というのが頭にありますから、もう走り始めていらっしゃるわけですね。ですから、手続も、あるいは関係自治体のそこら辺の難しいハードルを一つ一つチェックをして最終案を作っていくべきであるのに、そこら辺の検討が、後ろに座っておる、あるいは周囲におるやはり官僚たちの努力はなっていない。違いますか。漁業権とかあるいは天然記念物がどれほど排他的で絶対的な権限がある法律というのを知らぬのじゃないですか。それはまたいつかやりますよ。  私は、総理があれほどおっしゃった、そして最初の信念はやはり国外、県外でしたよ。ところが舞い戻ってきた。それでもなお、総理のそれを信じておきたい。ところが、今の動きは、もう沖縄差別、沖縄県民裏切り。それに対する県民の反発は、これは想像を絶するのがありますよ。そのことを何度も、昨日も申し上げてありますが、今日も山内が黄色い姿でここに立っておるというのは、県民の思いをきちっと前もって申し上げておいて誤りなき方向付けをしていただきたいから、そういう思いで立っておるんです。  これは聞いておきたいんですが、政府が押し付ければできるという判断でございますか、外務大臣防衛大臣。簡単にお答えください、時間がありませんから。
  241. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) 鳩山総理もできるだけ可能な限り沖縄負担を減らしたいという思いで今日まで御苦労されながらやってこられたわけで、その鳩山総理の下で我々閣僚も同じ思いで頑張っているところでございます。最終的にまとまったものになるためには、沖縄の県民の皆様の理解ということは当然必要だというふうに考えております。
  242. 山内徳信

    山内徳信君 時間がもうありませんから。北澤防衛大臣外務大臣と同じとおっしゃったら、もう根も葉もなくなってしまいますからね。  外務大臣、こんな重たい重たい、普通ならば担ぎ切れないほどの重たい岩石を六十五年間も持たせておいて、担がせておいて、そして歩くにも一歩、半歩ずつしか歩けなかった、それほどの苦痛を与えてきた沖縄に、これからも重たい重たいこういうふうな大きな石、鉄の塊を担いで沖縄はこれからも歩めと、今まで六十五年でも足らないとおっしゃるんですか。もっと沖縄は苦しめ、こうおっしゃるんですか。何が負担軽減ですか。嘉手納以南は返すから新しい基地を北の方に造らすと。しかも、今までの基地機能とは全然違うじゃないですか。オスプレーが配備される。軍港ができるじゃないですか。普天間の代わり代わりと言いながら、飛行場と軍港を造るじゃないですか。冗談じゃない。そういうふうなことは、だから、私は丁寧に申し上げてあります、文化国家だから、日本は、知性も理性もある国だから、やはり自然破壊者になったらいかぬのです。  もう時間だと思いますから終わります。是非ここら辺で方向転換をされるとやはり高い評価が生まれてくると思いますが、そのまま突っ込んでいきますと、戦前の神風特攻隊と同じように、真珠湾攻撃をしたのと同じように、悔いを千載に残しますよ。新しい基地を絶対に県民は造らせませんから、是非方向転換をしていただきたい、内部検討していただきたいと。  私のこれについて、もう随分たっていますが、一言だけ。北澤さん、今までの関係もありますから、私が言っておるのは、この訴えをどういうふうに今受け止めていらっしゃいますか、一言だけおっしゃってください。
  243. 北澤俊美

    国務大臣北澤俊美君) かねてから親しくさせていただいております山内議員の地元を抱えての切なる思いは私の胸には非常に重くのしかかっておるわけでありますが、しかし現実はまたなかなか厳しいものがございまして、引き続き十分なまた御議論をさせていただきながらできる限りの御理解を賜るように努力をしてまいりたいと、このように思っています。
  244. 山内徳信

    山内徳信君 終わりますが、できるだけの御理解はいただけませんから、しっかり検討をやり直してください。  以上です。
  245. 田中直紀

    委員長田中直紀君) 本日の質疑はこの程度にとどめます。     ─────────────
  246. 田中直紀

    委員長田中直紀君) 次に、脱税防止のための情報の交換及び個人所得についての課税権の配分に関する日本国政府バミューダ政府との間の協定締結について承認を求めるの件、所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税防止のための日本国クウェート国との間の条約の締結について承認を求めるの件及び原子力の平和的利用における協力のための日本国政府カザフスタン共和国政府との間の協定締結について承認を求めるの件、以上三件を一括して議題といたします。  政府から順次趣旨説明を聴取いたします。岡田外務大臣
  247. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) ただいま議題となりました脱税防止のための情報の交換及び個人所得についての課税権の配分に関する日本国政府バミューダ政府との間の協定締結について承認を求めるの件につきまして、提案理由を御説明いたします。  政府は、平成二十一年六月に、バミューダ政府との間でこの協定交渉を開始しました。鋭意交渉を行った結果、本年二月一日にロンドンにおいて、我が方在英国臨時代理大使と先方財務大臣との間でこの協定の署名が行われた次第であります。  この協定は、我が国とバミューダとの間で、脱税及び租税回避行為を防止するため、租税に関する情報の交換を行うための詳細な枠組みを定めるとともに、我が国とバミューダとの間の人的交流を促進する観点から、退職年金等の特定の個人所得についての課税の免除を規定するものであります。  この協定締結により、国際的な脱税及び租税回避行為を防止するための情報交換ネットワークが更に拡充されること等が期待されます。  よって、ここに、この協定締結について御承認を求める次第であります。  次に、所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税防止のための日本国クウェート国との間の条約の締結について承認を求めるの件につきまして、提案理由を御説明いたします。  政府は、平成十八年十一月に、クウェートとの間でこの条約の交渉を開始しました。鋭意交渉を行った結果、本年二月十七日にクウェートにおいて、我が方在クウェート大使と先方財務省次官との間でこの条約の署名が行われた次第であります。  この条約は、日・クウェート両国間で二重課税の回避を目的とした課税権調整を行うとともに、両国における配当、利子及び使用料に対する源泉地国課税の限度税率等を定めるものであります。  この条約の締結により、両国間の経済的交流、人的交流等が一層促進されることが期待されます。  よって、ここに、この条約の締結について御承認を求める次第であります。  最後に、原子力の平和的利用における協力のための日本国政府カザフスタン共和国政府との間の協定締結について承認を求めるの件につきまして、提案理由を御説明いたします。  政府は、平成十九年六月に、カザフスタン共和国との間でこの協定交渉を開始しました。鋭意交渉を行った結果、本年三月二日に東京において、私と先方駐日大使との間でこの協定の署名が行われた次第であります。  この協定は、原子力の平和的利用に関する我が国とカザフスタンとの間の協力のための法的枠組みを提供するものであり、核物質等の平和的非爆発目的利用、国際原子力機関による保障措置の適用、核物質防護措置の実施等につき定めております。  この協定締結により、両国間で移転される核物質等の平和的利用が法的に確保されるとともに、我が国の安定的なエネルギー供給の確保に資することが期待されます。  よって、ここに、この協定締結について御承認を求める次第であります。  以上三件につき、何とぞ御審議の上、速やかに御承認いただきますようお願いいたします。
  248. 田中直紀

    委員長田中直紀君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。  三件に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。    午後一時二十六分散会