○犬塚直史君 これは、軍事組織の果たす役割、特に大規模自然災害時の初動六十日の間、本当に大きいときは、大規模な支援が必要なところに軍事組織が出ていって、六十日間でほぼ九〇%の人道的な
ニーズが満たされて、後はNGO、民間、現地
政府に引き継いでいくという形が理想であるということが言われているわけですけれども、ただ残念なことに、今言っているパシフィック・パートナーシップというのは年次のキャンペーンにしかすぎないわけですよね。やっぱり、この年次のキャンペーンを恒久的な取組、できれば
地域的な取組にまでこれを役割を拡大させていくことがまさに信頼醸成のかなめになり得ると、私はこういうふうに思うわけです。
これを、やはり
枠組みとしては国連憲章の第八章に基づく八章機関、つまり
地域的な取組という形で、こういうキャンペーンにすぎないものを
一つの形にしていく。目を外に向けますと、例えば憲章第八章機構とされる
地域機関には、OSCE、欧州安全保障協力機構というのがございます。それから、明示的にはうたっておりませんけれども、憲章八章機構とされる
地域機関には、OAS、米州機構、AU、アフリカ連合、PIF、太平洋諸島フォーラム、ECOWAS、西アフリカ
諸国経済共同体等々、こういうものがあるわけですね。
ですから、私もう一度申し上げますが、やはり旧民主党が掲げておりました常時駐留なき
日米安保、こういうことを言いますと、すぐに非現実だとか、あるいは何を言っているんだということで一蹴されるということはよくありますけれども、いや、そうではないと。実際に軍事組織の果たす役割というのは非常に多岐にわたっている。そういう中にあって、もうこれからは
日米同盟だけでは中長期的にはやっていけないだろうと。
地域的にはそういうAUのようなものを
構想していくということが非常に大事だと私は思うんですね。
そこで、今非常に言いにくいかもしれませんが、
外務大臣に伺いたいんですけれども、常時駐留なき
日米安保ということを
鳩山総理が旧民主党で言われたときとは大分違っておりまして、第二弾目の民主党になったときに常時駐留なき安保という
考え方は成り立たないだろうと。そしてまた、自由党と合併した後に、また更に責任のある政党に脱皮をしてきているわけですが、私は、しかし理想は失うべきではないと思うんです。世界の中の
日米同盟ということを2プラス2でも盛んに言っているわけですから、やっぱり今の迷惑な基地をどこに持っていくかという話ではなくて、もう少し大きな
地域的な安全保障の
枠組みというものをやっぱりここは
構想するべきだろうと。その上で、今行われているパシフィック・パートナーシップ等々の
枠組みをもうちょっと広げていく、それを最終的には憲章八章機関ぐらいまでに持っていって恒常的なものにしていくというようなことについての
大臣の御見解を伺います。