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川口(博)
分科員 おはようございます。民主党・無所属クラブの
川口博と申します。秋田二区からやってまいりました。
実は、昨年の四月まで、小さい町の町長を五期務めさせていただきました。昔は鉱山の町として大変栄えた町で、もちろん、鉄道も総合病院も、水道を含めてすべて完備された、東北を代表するような小さい町であったわけでありますが、
一つのきっかけは、一九八五年、プラザ合意です。六十年のプラザ合意で円高が大きく進展をし、残念ながら秋田の鉱山、
日本の鉱山はつぶれてしまいました。
当時、二十年前になりますが、ある意味では、今の
日本の
状況とうちの町はよく似ておったと思います。それは、働く場所がないですから、若者がどんどん出ていきます。人口
減少です。子供を産む能力のある若い方の職場がないですから、生まれてくる赤ちゃんの数が少なくなる、そしてまた、もちろん税収も少なくなっていくという大変厳しい
状況でありましたが、当時、町の
方々が相談して、二つのことを確認し合いました。
一つは、プラザ合意というのは、世界の
経済と地方の
経済が同時性を持って進んでいる、ですから、やはりもっともっと広くいろんな目を見開いて注意しなきゃだめなんだなと。
それから、あともう
一つは、普通の生活ができるような町にしようじゃないかと。子供も孫もどんどんどんどん出ていってしまう。多少給料が少なくても、当たり前の暮らしができるような、そういう町にしましょうと。あの苦しかった第二次世界大戦のときでさえ、親戚は、命が惜しければ東京から田舎に戻ってきた。食べるものがなければ、ぜいたくはできないけれ
ども食い物はあった。
日本の最低限度のセーフティーネットはあったわけですが、そのままいくと田舎がなくなってしまう、セーフティーネットさえもなくなってしまうんじゃないのかな、そういう危機感、がけっ縁だという意識は非常に町民がみんな持ってくれました。
それから、
企業の方も、先ほど鉱山の話も出ました。やはり鉱山も石炭も、例えば遠洋漁業もそうですが、資源があるうち、宝の山があるうちは大
企業はいろいろないいビジネスをしてくれますが、なくなってしまうといなくなってしまいます。それは、もうけがなくなるからです。しかし、地元の
企業とよく話をし、新しい
産業をぜひつくっていただきたい、新しい
雇用をぜひつくっていただきたい、人口増はなかなか難しいとは思うけれ
ども、交流人口をふやして、観光というのはすそ野が広い、そういうことで、地元
企業も全面的にバックアップしてくれました。
ただ、我々はそういう知識がないものですから、旧通産省の幹部の
方々と相談をしながら、必ずや世界には、昔鉱山で大きなビジネスをして、鉱石はなくなったけれ
ども再生した事例はあるはずだと、それを
伺いました。
例えば
アメリカのアスペン。これは、一九五〇年、シカゴ
大学の総長が、これからの世界の
経済はこうあるべきだという研究所を立ち上げて、見事に町を
再生しました。
カナダは、キンバリーはもちろんリゾート化で
再生しましたし、今、バンクーバーはオリンピックをやっていますが、あの近くにはブッチャートガーデンという、これは昔の露天掘り跡地です。二十町歩ぐらいですか、それをすべて花畑にして、世界の観光客がそこへ行っております。
また、ヨーロッパの方では、スロバキアには一七六二年にマリア・テレジアがつくった鉱山
大学があります。これは世界で一番古いです。そこは世界遺産の町でした。それから、ドイツのフライベルクの方ではもちろん鉱山
大学校があります。また、ベルギーの方ではすぐれた製錬
技術を持っています。
いろいろなそういうところを国から紹介していただきながら、もちろん、鉱山跡地利用、リサイクル・マイン・パーク構想それからエコタウン構想ということで大変な御
支援をいただき、二十年前には町民所得も税収も下のグループだったんですが、十九年、つい先般発表になりましたが、見事二十五市町村で一位の町民所得になりました。ですから、やはり地元の熱意といろいろな有機的な結合で危機感を持って取り組むことによって、成熟社会にふさわしい政策を盛り込むことによって、私はそういうことが体験できたと思っております。
今まで、山の鉱石を取り出して、金属で工業製品、第二次製品をつくったわけです。車もそうです。いろいろ、冷蔵庫、エアコン、洗濯機、家電もそうですし、携帯電話もそうです。いわゆる山の鉱石じゃなくて都会の鉱石から、都市鉱石から金属を取り出すということに向かったわけであります。
きょうは、その都市鉱石、レアメタルについてちょっとお尋ねをさせていただきます。
そのレアメタルなどの資源でありますが、
自動車や電機・電子
産業といった外貨を稼ぐ
輸出産業を支えるキーマテリアルであります。電気
自動車などの高性能モーターや電池、それから太陽光パネルや燃料電池といった低
炭素社会の新
技術にも必要不可欠です。
反面、こうした資源は、鉱物資源であるという性質上、鉱石を探す探鉱、鉱山
開発、そして生産に至るまで、長い時間と膨大な資金を要します。リスクも大きい。さらに最近は、新興国の資源需要の増大で、各国とも資源確保に動いていると同時に、鉱山の権益の寡占化も進んでおります。
我が国は資源確保を急ぐ必要があります。
そうした中で、今国会でもJOGMEC法改正法案が提出される予定ですし、極めて厳しい
財政状況の中、関連
予算もその重要性に配慮されたものになると
認識しております。
そうしたことも踏まえまして、きょういただいた
質疑の機会に、鉱山権益の取得と並んでもう
一つの資源確保の方策となりますレアメタル等循環資源のリサイクルについてお尋ねをいたします。
国内の循環資源の徹底的なリサイクルも大変重要ですが、きょうは、アジア全体のレアメタル等の資源循環について
経済産業省のお考えをお
伺いしたい。アジア全体でリサイクルのループをつくる、いわばアジア大の資源循環の仕組みを構築する、そうした考え方について
経済産業省のお考えを
伺いたいと思います。よろしく
お願いします。