○富田
委員 公明党の富田茂之でございます。
締めくくり質疑ということで、まず最初に
総理と文科
大臣にお尋ねをしたいというふうに
思います。
私は、この
委員会に所属させていただいて三年目になりますが、ずっと、
経済的理由により高等学校等の生徒が学業を断念することのない制度をということを訴え続けてきました。
先日の本
会議で川端文科
大臣は、各党の議員の
質問、高校無償化法案についての代表
質問があったわけですが、その中でこういう
答弁をされました。
公私間格差についてのお尋ねがありましたということで、私立
高校生に対しては、高等学校等就学支援金として公立
高校生一人
当たりの負担軽減額と同等の額を支給するとともに、低所得世帯については増額して支給することとしていますと。これは増額になっています、確かに。
また、これに加え、現在都道府県が独自に行っている授業料減免補助が就学支援金に上乗せされることにより、支援が充実することを期待しております。なお、
高校生修学支援基金も授業料の減免補助等に活用できることから、各都道府県においては、これらを活用して低所得世帯の私立
高校生への支援を充実していくことを期待しております。この
ように、私立
高校生に対しては手厚い支援を行っているところであり、むしろ公私間格差は縮小すると考えております。
こういうふうに
答弁されたんですが、私は、この
認識は間違っていると
思います。
今回の就学支援金の制度がどういうふうになっているのかというのをこれからちょっとお話しさせてもらいますが、これまで各都道府県は、
経済的理由により高等学校等の生徒が学業を断念することのない
よう、授業料減免補助事業等を独自に実施してきました。授業料減免に係る
平成二十年度の都道府県補助実績は、対象
高校生数で約十九万六千人、都道府県による補助額は二百九十億円になります。これは資料として
皆さんの席に配っておりますが、資料一に、数字として文科省の方でまとめた数字が出ております。
この対象
高校生は、私立
高校生全部の一七・八%に当たるんですね。この中で、都道府県から申請のあった国庫補助対象の
高校生は約七千人、
本当にごく一部です。これは国庫補助してきました。
私立
高校生の授業料滞納
状況は、
平成十九年度末で八千二百七十六人、〇・八%から、
平成二十年度末で九千六十七人、〇・九%と増加しています。多分、二十一年度末もかなりの数のお子さん
たちが授業料を払えないという
ような
状況になっていると
思います。
そこで、前
政権は、
平成二十一年度の第一次
補正予算ということで、昨年五月、
経済雇用情勢の悪化に伴い、授業料を滞納したり、学業の継続が困難となる
高校生が大幅に増加することが見込まれる、これらの
高校生が学業を継続できる
よう、都道府県による授業料減免補助や奨学金事業の今後の増加分について、国が都道府県に対して新たな交付金により緊急支援を行うとして、高等学校授業料減免事業等支援臨時特例交付金ということで四百八十六億円を
予算化しました。
民主党政権になって、連立
政権になって、この基金を崩されるんじゃないかなと心配していたんですが、さすがにここはしっかり押さえていただいた。これは感謝申し上げます。
この臨時特例交付金は、各都道府県の対象生徒数に応じて、各都道府県に設置された
高校生修学支援基金に交付されます。各都道府県で、
平成二十一年度末のこの基金からの取り崩しの見込み額、これは文科省の方で各都道府県に尋ねてくれた
ようですが、最終的には年度末にならないとわかりませんけれども、約五十一億円だというふうに数字を教えていただきました。四百八十六億円は三年分の基金ですから、一年で百五十億以上あるのに、五十一億しかまず使われない。
ところが、今回の
平成二十二年度
予算案では、私立
高校生に対して高等学校等就学支援金として、支給限度額が年額十一万八千八百円。これは低所得の
皆さんには増額されています。この授業料の一部を助成することにより教育費負担の軽減を図るというふうに制度設計をされたんですが、実際に現場でどうなっているかといいますと、例えば、私は千葉県ですが、千葉県の
予算案を見ますと、これまで三億円を授業料減免補助に充てていたんですが、何と七二%カットされて八千三百万円になってしまった。これは、共産党の宮本議員が本
会議でも各都道府県の
状況を紹介していました。そういう中でかなりのカット率であります。
そしてもう一つ、例えば、千葉県の平均授業料というのは二十七万五千円だそうです。これを全額免除されている生徒さんがいらっしゃるわけですね、単独事業で。ところが、こういうふうに三億円を八千三百万まで減らされてしまうと、免除にならなくなる
可能性がある、単独事業の方で。就学支援金をもらえるんだからそれで面倒見てよということになると、これまで全額授業料を免除されていた生徒さんは負担増になってしまうこともある。また、免除されていたんだからそのまま免除になる方にとっては、この就学支援金が新しく創設されたからといって何のメリットもない、こういう御家庭が出てくるわけですね。
本当は一番支援が必要な
子供さん
たちに支援が行かない。ここをやはり、公私間格差が広がるというふうに各党が代表
質問で言ったんだと思うんですね。千葉県の
ように七二%もカットする都道府県が出てくると、やはり都道府県格差が出てしまう。冒頭、私が御紹介した
大臣の
答弁は、期待します、期待しますと、地方がやってくれることを期待していて公私間格差は縮減されているんだというのは、これはちょっと違うんだと思うんです。
鳩山連立
政権は、
高校生たちを全部国で面倒見
ようという発想から高校無償化の法案もでき上がっているんだと思うんですね。そうだとすると、都道府県任せではなくて、国の方が
本当に、学費を納入するのが困難な家庭に対して、国がちゃんと最終的に全部面倒見ますよ、そういうメッセージをきちんと出していく必要があると思うんですけれども、文科
大臣、どうですか。
〔海江田
委員長代理退席、
委員長着席〕