○三ッ木宣武君 連合大阪高齢・退職者の会の三ッ木でございます。よろしくお願いをしたいというふうに
思います。
土地柄でございまして、ちょっと品の悪い言葉もあると
思いますが、お許しをいただきたいというふうに
思います。
平成二十二年度の
予算についての膨大な
資料をお送りいただきましたけれ
ども、大変膨大なので、もう見るだけでたまげてしまって、先ほど座長が言われたような内容の、要約されたものをよく読んでまいりました。しかし、読んだということと
理解するということは大分違いますので、いろいろ御意見を申し上げたいというふうに
思います。
私は
専門家ではございませんので、
予算全般について意見を言うというのは非常に難しい、できないということがございますが、学者でもなく業界団体の人間でもありません。労働団体のOB、町に働く人たちのOBという立場でございます。そういうふうなことで、本日の私の立場というのは普遍的なものではなくて、高齢者としての立場の意見を述べさせていただきたい。高齢者というのは、日本で定義するならば、六十五歳以上と通念上なっているというふうに聞いておりますけれ
ども、そういたしますと、六十五歳以上の高齢者は、昨年の九月で二千八百十九万人おられるそうです。
国民の実に二二・一%に当たると。
その高齢者の生きがいといいますか誇りは、やはり戦後の混乱した日本から今日の日本をつくり上げてきた、そういうことの誇りであります。もちろん鬼籍に入られた方もおられますけれ
ども、そういうことを生きがいにして今日まで来ておるわけですが、この高齢者の生活というのは、イコール年金生活者の生活でございます。国の政策の
社会保障制度と税制で、生かすも殺すも、生殺与奪の権は政権が握っているということで間違いがないわけであります。これは、現政権であれ前政権であれ同じだというふうに思っております。
この私たちの生活が脅かされそうになったときというのは、やはり生活
防衛として、
国民の生活を豊かにしてくれる政権を選ばなければいけないということで、
選挙権を行使して、私たちの将来が安心できるような政権になっていただくということでございます。
そこで、政権を目指して掲げたマニフェストで
選挙が行われたわけでございますけれ
ども、当然ながら、政権を得た政党は、そのマニフェストを政策に反映しなければ約束違反ということになるわけでございます。
この
予算について、もうかなりでき上がっているというふうに思うわけではございますけれ
ども、十分な審議がされて決まってきているのかどうか。決定に当たっては、現実の姿としては、きょうはたくさんの党の方がお見えでございますけれ
ども、政権政党がイニシアチブを握っているということについては間違いのないことだろうというふうに
思います。そういたしますと、政権政党とは、民意が最も強く負託されている政党ではないか、また、そういうふうに心得ていただかなければいけない党ではないかというふうに思っておるわけでございます。
しかし、
予算の審議状態をマスコミによってしか我々は知るすべがないわけでございます。
予算委員会に出るとか
国会の討論に出るとかというのは、この大阪の地にあっては当然不可能でございますから、新聞、テレビで見るしかないわけでありますけれ
ども、非常に私たちの生活を大切にしていただかなければいけないこの
予算の審議について、
国民の期待に沿った審議が行われているのかどうか、大変問題であります。
テレビなどで審議の状態を見ていますと、飲みかけたビールのコップをテレビにぶん投げたくなるような未熟な審議だというふうに
思います。いさかいの起こる議論を応酬するんだったら土俵の外で乱闘でも何でもやってくれ、土俵の上では純粋に
予算の審議をしていただきたいというのが
国民の願いだというふうに思っております。
しかし、こういうふうな未熟な審議であっても、先ほど申し上げましたように、
国民の負託を受けている政権政党であれば、提案側に十分な重みを持った内容が必要で、大いに期待しているというところでございます。
そこで、
予算を提出する現政党に政権交代への風が吹き始めたのは、
一つは前政党が起こした政策の失敗、特に社会格差に対する
国民の怒り、あるいは直接的な引き金になったのは、年金問題、後期高齢者医療問題を含む
社会保障費の削減だったというふうに
思います。そして、政権交代は、総
選挙において、二千八百十九万人の高齢者やあるいは社会格差に泣く弱者が、生活を守るために投票を行った結果のあらわれだというふうに思っておるわけであります。そういうことで、現政権に大変期待をしておるわけであります。
しかし、この
予算編成に際して、そのことが生かされるかどうかということを大変疑問に思っているわけであります。高齢者や社会格差に泣いている
国民の救済が生かされている
予算であるかどうか。
国民のほとんどはマスコミのニュースでしか判断する方法がないわけでございますけれ
ども、そこから推測するに、その期待にはこたえていない
予算ではないかというふうに
思います。
きょう、お
手元の方にお配りしております
資料は、前政権の時代から私
どもが要請し続けている高齢者の生活を守る
要求書でございます。年金制度、医療制度、介護保険制度、税制、どれをとっても
予算措置が必要でありますけれ
ども、高齢者の現在の生活、将来の生活設計にはそれぞれ欠かせないものでございますけれ
ども、それがほとんど手がつけられていない、あるいは、それは作業はしているとおっしゃられますけれ
ども、私たちには聞こえてこないということでございます。
中身につきましても、皆様既に承知済みのことであるというふうに
思いますので一々
説明はいたしませんけれ
ども、これらの実現をお願いするということでございます。これは有権者の三〇%を占める
国民の生活の実感からの政策
要求であり、
予算編成に重きをなしていただきたいというふうに思っております。
それから、高齢者の立場を外れて普遍的な立場で一件だけ意見を申し上げたいと
思います。少子高齢化解消についての子
ども手当でございます。
その導入は、将来の労働力の維持、あるいは
国民皆保険制度の維持、あるいは喫緊の景気刺激策と聞いておりますけれ
ども、子
ども手当で本当に子供がふえるのか、その上で、
国民の皆保険制度が維持できるのか、子
ども手当で子供のいる家庭の可処分所得をふやしても消費が起きるのか。それを本気で思っているとしますと、非常に甘い算段と言わざるを得ないわけであります。
これは、産業構造の変化と労働形態の変化から将来の歳入をどのように予測するか。今日の産業構造と労働形態を二十年後、三十年後に平行して移動して見るということは、二十年前、三十年前と今日を比較して見ると、想定ができない話であります。したがって、将来必要とされる労働力や産業形態と労働の質と内容をどのようにとらえるべきかが重要であり、この重要な点が明確でないというふうに
思います。にもかかわらず、子
ども手当の創設は非常に拙速ではないか。
将来の労働力の確保や皆保険制度の負担の担保は十分な検討が必要であります。今後も歳入増が余り見込まれないときに、この子
ども手当という恒久的付加給付は後世に禍根を残すし、制度化したらやめることができないというふうに思っております。大変口の悪い言い方で申しわけありませんが、私は現政権の政党を支持する立場でございますけれ
ども、これは厳しく
指摘しておきたいというふうに
思います。子
ども手当は点取り虫的な政策ではないかというふうに思うわけであります。
総論といたしまして、平和、安全、利便性等多くの分野で
予算措置が組み替えられ検討されて
予算案ができつつあると
思いますけれ
ども、
国民生活の面から見ると社会福祉充実が最大の要点でございまして、社会福祉が充実している北欧諸国の視察な
ども私は経験してきておりますが、決してまねするとは言いませんけれ
ども、やはり今日の日本の歳入状態から見ますと、高福祉の追求は高負担がなければ不可能だということが
実態としてあるわけでありますから、十分な社会福祉制度のもとの豊かな生活を実現したい、そして、そのためには税制のあり方についても真剣な検討が必要ではないかというふうに思っておるわけでございます。
以上の意見を付して
予算案に賛成をいたしますけれ
ども、歳入について危機的状態なので、ひとつ一層の全般的な見直しをお願いしたい。
最後に、特に公務員改革や独立行政法人の整理、廃止を断行し、日本がマニフェスト倒産にならないようにお願いをしておきたいと
思います。
以上でございます。