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伊吹委員 今、御心境はそのようなことですが、きょう私がここへ立っているのは
二つの目的があります。
一つは、
日本国の行政の最高責任者であり、与党の、まあ、最高の立場におられると期待していますけれ
ども、鳩山さんがどういうお人柄の人であるかということをテレビで大勢の人に理解していただくということが
一つ。それから、政治資金の問題もいろいろ大切ですけれ
ども、やはりお互いに、野党は野党らしい矜持を持ち、与党は与党としての自覚と責任を持ってもらいたいということ、それを通じて、民主党と自民党の国家観あるいは目指すべき国家ビジョン、これを
国民の皆さんに
判断していただいて、この次の参議院選挙の投票行動の一助にしていただきたいということです。
今、
お話を伺いました。テレビの皆さんはこれをどう聞かれたか私はわかりませんが、党内で、当時の小沢代表からはこう言われた、あるいは、役員会に諮ったらこうだという
お話はそうでしょう。しかし、交渉事、約束事には相手があるんですよ、相手が。だから、いみじくも言われたように、マニフェストは
国民との約束であり、これを履行するのが私の責任だということを言っておられる。これはそのとおりおっしゃっている。
しかし、鳩山
総理は多分、鳩山威一郎
先生と安子さんや、あるいは長い御家系の中で恵まれて育ってこられたから、人を傷つけないとか、そのときうまく話を合わせていくというお気持ちが強いから、自分では意図していないけれ
ども、結果的に、党内の事情はわかりますよ、それを信じた相手を裏切るというか、うそをつくつもりはないんだけれ
ども、結果的にそういうことになっちゃう。
これはぜひ、これから一国を担っていかれる場合には、少し慎重にやってもらいたいというのが私の希望です。
お答えは要りません。
それで、そのことが結局、
総理の立場、与党の立場ということを必ずしも自覚しない発言になるということなんですよ。先ほど来もずっと言われていましたけれ
ども、闘ってください、不起訴を期待すると。これはぶら下がりで言っておられますよ、国会内で。先ほど来、ここに座って、私は
総理大臣としてとおっしゃったんだけれ
ども、参議院の
補正予算審議のときは、小沢さんとはともに
政権交代をなし遂げた、私は代表であり、小沢さんは幹事長であると、国会の場でそう言っておられるんですよ。
だから、もう今や与党のトップであり
総理大臣で、野党の幹事長や代表じゃないんですよ。あなたの下には、強制捜査権を持っている法務省の外局である検察庁があり、そして、
財務省の外局である国税庁があるんですよ。あなたのその
一言は、人情としては私はよくわかりますよ。人間として、小沢さんと一緒に闘ったんだからぜひ小沢さんは信頼したい、それは結構です。しかし、一国の
総理としては、それをどう行政の構成員が受けるかということをやはり考えて御発言にならないと私はいけないと思いますよ。
習近平さんの訪日のときの対応もそうです。
先ほど来、憲法の論議が
石破さんのところであったけれ
ども、この
日本国憲法、これは皆さん持っていると思いますが、この第一章に「天皇」というのがあって、「天皇は、
日本国の象徴であり
日本国民統合の象徴であつて、この地位は、主権の存する
日本国民の総意に基く。」と。そして、行
政権は、
日本は議院
内閣制ですから、与党の支配下にあるんですよ。しかし、与党の支配下にはあるけれ
ども、公務員はすべて、我々特別職の公務員も
国民すべてに奉仕をしなければならないんです。だから、ある党の有利なために、あるいはある党の影響力を行使したと、実際していなくても、疑わせる発言は絶対にしちゃいかぬですよ。
私も与党の幹事長として中国へ行きました。そのときに胡錦濤さんが出てきて、私
どもは百六十人も連れては行っておりませんが、我々は公明党の幹事長と私と両党合わせて十名で行ったんですが、約五十分ばかり親密な話を、
意見交換をしました。そのときに私は、私は一政党の幹事長ですよ、国家主席にお目にかかるということは外交上いいんでしょうかということを聞いたんですよ。中国の要人は、いや、胡錦濤さんは中国共産党の総書記です、
伊吹さんは自民党の幹事長だから、それは構わないんですと言って会ったんです。
これは、伝聞でいろいろなことを言うと間違うといけないから、公の新聞が書いていることを私は読み上げますから、もし間違っていれば新聞社にぜひ注意をしてやってもらわないといけないのは、
内閣が要請した、あるいは、小沢氏強く要請、みんなそういう記事になっていますよ。だから、これからすると、胡錦濤さんは国家主席として小沢さんに会っているわけじゃないんですよ。中国共産党総書記として民主党幹事長の小沢さんと会っておられるんですよ。
だから、習近平さんが来られて、十分時間があって宮内庁がオーケーだと言えば、それは外交上
内閣が必要だと思えば会われたらいいですよ。胡錦濤さんが来たときに事実そういうことをしたわけだから、自民党
政権は。しかし、今回は宮内庁
長官があれだけの抵抗を示しているでしょう。それをやはり無理押しするということは、与党が支配している議院
内閣制の
内閣官房や、しかも、官房
長官や外務省は、それは時間的に無理だということを一時言っているんですね。これだけはやはり私はぜひ注意をしてもらいたい。
もう
一つ、先ほど来問題になっているこの
予算審議の、箇所づけか仮試算かということなんですけれ
ども、これも
財政法違反だとかどうだとかということの議論があったけれ
ども、これは明らかに私は憲法違反じゃないかと思いますよ。
憲法では「
財政」という項目があって、その八十三条に「国の
財政を処理する権限は、国会の議決に基いて、これを行使しなければならない。」国費を支出し、または国が債務を負担する、つまり、地方自治体にこれこれの補助金を上げますよという約束をすることは、これは国会の議決が終わってから。
だから、自公
政権のときは、衆議院が通れば、一カ月
ルールがあるから、行政の作業の開始を許可して、そして
予算が通ってから配賦をして、ましてや与党の我々のところへそんなものは一切来ませんよ。そのことだけはやはりしっかり注意を……(発言する者あり)いやいや、当時の与党と言っているの。よく聞いて、そして勉強して、不規則発言は構わないんです、いい不規則発言で結構なんですが、やはり、一寸の鉄が人を刺すように、サンショウは小粒でもぴりりと辛いように、私はさっきテレビを見たら、ずっと皆さん方を映していますよ。有権者が見て、この人に票を入れてよかったなという不規則発言と行動をしてください。ぜひ
総理にそのことを私は強くお願いをしておきたい。
そして、これはいい与党になってもらいたいから申し上げているんです。皆さんがいい与党になり、我々が、かつて皆さんが野党のときに出任せを言ったり場当たり発言をしたりしたことを反面教師として、今しっかりした野党としてやっていく、これが私は正しいことだと思います。
今皆さんが困っているのは、結局野党時代に気楽に言ったことの後始末をすることにみんな困っているんですよ。それはよくわかりますよ。(発言する者あり)四年間でやっているということは、あのマニフェストを掲げて選挙をしたことを知らない人が言っているんです。後で私はきっちりそのことを
説明します。
ですから、皆さん、普天間の問題も、
外務大臣や官房
長官が言われたことは、まあ、官房
長官が言ったことは名護の市長選のすぐ後だから、必ずしも、政治的には私は言っちゃいけないことだと思うけれ
ども、
日本の主権を最後に守らなければならない場合は、そういうことも法制的にはあり得ることなんですよ。やはり沖縄の方のおかげで
日本は核武装もせず、そしてその軍備の増強の費用を公共投資や何かに回してここまで豊かな国になった。だけれ
ども、沖縄の方の県民
所得は今低い、そして基地もたくさんある。だから、全
国民の税金を集めて、少しでも沖縄の方の合意を、ガラス細工のようにして時間をかけて時間をかけてつくり上げたのが、あの名護の辺野古への移転案だったんですよ。それを、選挙の前に、国内か国外へという発言で、今、そのガラス細工はばらばらになったということですよ。
さて、その後、あなたに言われたくないとか、これはまあ訂正されたんだけれ
ども、前の
政権のツケだとか云々ということが言われますが、そうかどうかをこれからちょっと私は検証したいと思います。
まず、今お手元に配ってある
補正予算のマクロ効果というのをごらんいただきたいと思います。これは
野田財務副
大臣にお伺いしますが、あなたは藤井さんと一緒に大変な御
努力をなすって
補正予算と本
予算の作成をされましたので、あなたにお伺いしますし、菅
財務大臣も、適宜、発言したいときは手を挙げて発言していただいて結構です。
まず、
補正予算が七兆だとかどうだとかという話が言われていますが、マクロ
経済的にいうと、ごらんのように、二十一年五月に成立をした麻生
内閣の
補正予算の税収見積もりが、五月ですから、全く自民党としては間違ったんですね。これは自民党の責任として公平に認めなければいけないでしょう。そして、間違ったから、その分を
国債で埋めた以外は、結局、
予算の内容を組み替えておられるだけなんですよ。
予算の内容を組み替えておられるわけです。
だから、あなたはまず、私が示したこのグラフが
補正予算の実態に合っているかどうかを確認してください。