○井上義久君 私は、公明党を代表して、ただいま議題となりました
菅総理の
所信表明演説に対し、質問します。(拍手)
鳩山前
総理は、辞任の
理由として、普天間基地と、
政治と金の二つを挙げました。確かに、これも大きな要素です。しかし、本質的な原因は、この九カ月間にわたる
鳩山内閣の
政権運営の失敗に尽きると私は思います。
菅総理、あなたは、
鳩山政権では、副
総理として、そして国家戦略担当
大臣、
財務大臣と、まさに
政権運営のかなめにありました。九カ月間、
政権運営をともに担ってきたわけで、いわゆる
鳩山、
小沢、菅のトロイカ体制の一人として、あなたには、前
政権の失政に大きな
責任があります。
第一は、
成長戦略や
財政健全化の道筋を
内閣として示すことができなかった
責任。これは極めて致命的な問題です。
第二は、昨年十一月にみずからデフレ宣言をしておきながら、今日まで肝心のデフレを克服するための対策を提示できなかった
責任。まさにデフレ対策なしのデフレ宣言です。
そして第三は、
マニフェストに掲げた施策に必要な財源を
予算の組み替えや無駄の削減などでいとも簡単に捻出できると公言しながら、結局、財源なき施策を積み重ね、今年度の
予算編成では過去最悪の四十四兆円を超える膨大な
国債を発行、借金を膨らませた
責任です。
そして、普天間基地、
政治と金の問題では、副
総理として何の汗をかくこともなく、ただただ沈黙を守り、みずからの
責任を果たそうとされませんでした。
鳩山、
小沢両氏は辞任をいたしましたが、
総理、あなたはどう
責任をとりますか。お答えください。
そもそも今の
内閣は、
鳩山前
内閣が行き詰まった結果、看板をかけかえたにすぎません。まさに参院選向けの首相交代劇そのものです。
菅総理、あなたは、かつて、
総理の首のすげかえに対し、やめざるを得なかった首相を支え切れなかった人にリーダーシップはないと批判をし、
政権が行き詰まったら
衆議院を解散すればいいんですよとの趣旨の発言をされました。
立場が変わるとこのような言々を簡単に翻すのですか。まさに御都合主義ではありませんか。
トップをかえるだけで
政権を続けるのは正統性に欠けます。ましてや今回の
政権のたらい回しは、まやかしの
マニフェストで
政権を獲得した
国民だまし
政権であり、今後、政策転換をするのであれば、
国民からの新たな負託が必要なのは当然です。
鳩山前
総理は、
言葉の軽さから
国民の信頼を失いました。
国民に約束をする、できなければいとも簡単に謝罪をする、しかし
責任はとらない。この繰り返しが
国民の
政治への信頼を失墜させたのではありませんか。
総理、あなたは、
言葉に
責任を持つという意味をどのようにお
考えなのですか。お答えください。
以下、当面する政策課題について質問します。
まず、
政治と金の問題について伺います。
副
総理だった当時、あなたは、
鳩山、
小沢両氏の
政治と金の問題について、なぜ
国民に対し
説明責任を果たすよう助言できなかったのでしょうか。副
総理という要職だったにもかかわらず積極的な発言がなかったということは、結果として不祥事を容認していたと言わざるを得ません。その
責任をどう認識されているのか、まず
国民の前に明らかにすべきだと申し上げたい。
鳩山氏については、十二億円にも上る
資金の使い道や
自身の関与の有無など未解明なままです。
鳩山氏は、三月三日の
予算委員会では、裁判が終われば書類の返還を求めて皆様方に見ていただきたいと答弁されました。ところが、四月二十一日の党首討論では、資料の
提出は必要ないと前言を翻しました。
総理は、こうした答弁の変遷を見て、果たして
説明責任が果たされたとお
考えですか。
また、
総理は、
民主党代表選の出馬会見で、
小沢氏について、
幹事長も
国民のある種の不信を招いたことで、少なくともしばらくは静かにしていただいた方が、本人にとっても、
民主党にとっても、日本の
政治にとってもいいのではないかと発言されました。問題があったと認めながら静かにしろと言う、これこそ疑惑隠し以外の何物でもありません。とりわけ、日本の
政治にとってもいいとまで言われましたが、では、
小沢氏の何が問題だったのか、明確にお答えください。
小沢氏については、
資金の出所など、今もって全く
説明責任が果たされていません。
予算委員会での集中審議はもちろん、参考人招致、
証人喚問も視野に入れて解明すべきであると
考えます。クリーンと言うなら、
総理は
民主党の代表として党にその
実現を指示すべきであります。
さらに、
小沢氏の元秘書で逮捕、起訴された石川知裕
衆議院議員、そして、北海道教職員組合から違法な企業・団体献金を受け取り、
選挙対策の
資金管理
責任者に有罪判決が下った小林千代美
衆議院議員、この二人に対する
辞職勧告決議案も
民主党の反対で宙に浮いたままです。
総理、
辞職勧告決議案を採決すべきだと思いますが、いかがでしょうか。それができないというなら、
菅政権は
政治と金の疑惑隠し
内閣と断ぜざるを得ません。明確にお答えください。
政治と金の問題では、再発防止策をしっかりつくり上げなければなりません。
公明党は、既に、
政治家の監督
責任を強化する
政治資金規正法改正案を今
国会に
提出。審議に入っており、何としても今
国会で成立させるべきです。
総理、いかがですか。さらに、企業・団体献金の全面禁止についても、そのための協議機関設置の提案に対して、
鳩山前
総理は前向きの答弁をされています。
総理、再発防止策をしっかりやろうではありませんか。答弁を求めます。
荒井国家戦略担当大臣の事務所費問題について伺います。
公表された事務所費経費の領収書によれば、漫画本、マッサージ料金、女性用の下着、トランクス、靴下などが含まれており、
政治家の後援会の事務所経費としては極めて不適切であり、私的な使用と受けとめられてもやむを得ません。
新
内閣がスタートしたばかりなのに、またしても
政治と金の問題ですか。そして、またも疑惑隠しですか。
総理、
国民に納得いく
説明責任を本人からさせてください。結局、
鳩山政権時代の体質をそのまま引きずっているのではないでしょうか。
総理、このまま国家戦略担当
大臣という重要な職に引き続き据え置いていいのですか。本当に国家戦略を立てられるのですか。本来、景気や雇用対策、待ったなしの介護問題など
国民生活に直結した問題を
議論すべきなのに、またこうした
政治と金の問題を取り上げざるを得ないのはまことに残念です。
総理、そして
荒井国家戦略担当大臣、事務所費問題について、
国民に納得いく、
責任ある答弁をしてください。
与党側は、これまで衆参で
予算委員会の開催を提案しておきながら、けさの
国会対策委員長会談で一方的にこれを撤回し、この
代表質問でこの
国会を強引に閉じるという暴挙に出たことは、まことに遺憾です。
菅総理は、山積する
重要課題に対し、新しい
総理としてどう取り組むのか、少しでも明らかにする機会を設けるべきです。
政治と金の問題についても、再発防止策を含め、今
国会で決着を図るべきです。それとも、
荒井大臣の事務所費問題を含め、ぼろを出したくないということでしょうか。
我々は堂々と論戦を挑んでまいる決意です。
総理、
逃げてはいけません。
国民のために、きちんと
議論しようではありませんか。それとも、争点を明確にして
国民の審判を受ける自信がないのですか。そうでないなら、
総理は党代表として
予算委員会を開催するよう指導力を発揮すべきです。御答弁いただきたい。
次に、普天間基地問題についてお伺いいたします。
鳩山前
政権の失政により、地元
沖縄県の皆様方の心は踏みにじられ、今や民意は期待から怒りへと変わり、解決への道のりはより困難なものとなってしまいました。その
責任は重大です。
菅内閣は、引き続き
日米共同声明を遵守するとしていますが、八月末までに代替施設の位置、配置及び
工法に関する
検討は本当に完了できるのでしょうか。普天間基地の危険性の除去と地元の皆様方の信頼を回復するために、
総理はどのような努力をされるのでしょうか。今や、普天間協議会という地元と緊密に協議を重ねてきた受け皿も、事実上機能停止しております。
沖縄県民の
頭越しではなく、丁寧な協議が不可欠です。
総理はこの問題へどのように対処されるのですか。所信表明では具体的な言及が全くありませんでした。お答えください。
一方、
総理は、かつて、
民主党の
幹事長であった二〇〇一年の
参議院選挙の際、応援に訪れた
沖縄で、
沖縄駐留の米
海兵隊について、即座にアメリカの領域内に戻ってもらっていいんじゃないか、
民主党が
政権をとったときはアメリカに提示すると、
海兵隊不要論の発言をされました。この
考えを今も堅持されているのですか。それとも、
鳩山前
総理と同じように、最近
抑止力の必要を学ばれて
方針を変えたのですか。お答えください。
景気・
経済政策に関して質問をいたします。
菅総理は、
鳩山前
内閣の
経済政策のかなめにおられました。しかし、九カ月間にわたり、
鳩山前
総理のリーダーシップはおろか、
経済政策の司令塔も不在の中で、
成長戦略も
財政再建への道筋も何も進まないまま、時間だけ空費してしまったと言っても過言ではありません。
まずは、
平成二十二年度
予算。歳出を抜本的に組み替えるという意気込みもむなしく、事業仕分けで生み出せた財源はごくわずか。また、一時的な財源である、いわゆる埋蔵金をかき集めても、
マニフェスト至上主義で大幅に膨らんだ歳出の財源を十分に確保できず、結局は、国の税収を大きく上回る、四十四兆円を超える巨額の借金をつくる結果になりました。
国民との約束を裏切った
マニフェスト違反の数々も問題です。
ガソリン税などの暫定税率の廃止。当時の
小沢幹事長のツルの一声で、あっさり撤回されました。
高校生の特定扶養控除。
マニフェストで維持すると明言したものの、縮減されました。十五歳以下の年少扶養控除も、国税だけのはずが地方税も廃止。いずれも明白な公約違反です。
さらには、
高速道路の無料化についても、これまた
小沢前
幹事長のツルの一声で、その財源の一部が
高速道路建設に充てられることとなり、
方針も大幅に後退。一律二千円という多くの
国民にとって負担増となる案も、
民主党内からの反乱に遭って、これまた頓挫。余りにもぶざまな
混乱ぶりではありませんか。
数え上げれば切りがありません。その原因は、突き詰めれば、
選挙目当ての無
責任な
民主党マニフェストそのものにあるのではありませんか。私は、
鳩山前
内閣は、
国民だまし
政権であったと総括するものであります。
菅総理、
鳩山前
総理の後を引き継いだあなたがまずなすべきことは、これらの公約違反について総括をし、その上で、
国民に対し、その事実を率直におわびすることなのではありませんか。
民主党政権における数々の公約違反について、
総理の認識を伺います。
以下、
総理の
経済政策の基本的な
考え方について、端的に質問いたします。
初めに、当面の景気、
経済についてです。
足元の景気は、昨年の私たちの
政権によって実施、継続されたエコカー減税・補助金、家電エコポイントなどの景気対策の効果、及び中国など新興国向けの輸出に支えられ、最悪期は脱したものと認識をしております。
しかし、雇用情勢は依然として厳しく、地方では、仕事がないという声が充満しております。
ギリシャの
財政危機に端を発した国際金融の
混乱も続いており、なお景気には十分な目配りが必要と
考えます。
ところで、連立パートナーである
国民新党は十一兆円規模の
補正予算の編成を提案していますが、
総理はどう評価しておられますか。今後、追加的な景気対策を打つことの
必要性を含め、
総理の
考えをお聞かせ願いたい。
民主党は、コンクリートから人へとして、公共投資を大幅に削減しました。しかし、
公共事業は、すべて悪なのでしょうか。
私は、そうは
考えません。学校など公共施設の耐震化や太陽光発電装置の設置、さらには介護施設の拡充などは緊急の課題です。また、橋梁やトンネル、上下水道など、老朽化した施設の計画的な更新、大規模な修繕も生活の安全に欠かせません。
私は、真に必要とされる二十一世紀型の公共投資は着実に整備していくべきであり、人に優しいコンクリートという
考え方こそが目指すべき
方向であると
考えますが、
総理はいかがですか。
あわせて、報道によれば、コンクリートから人へのフレーズは
民主党の
マニフェストから削除されるとのことですが、事実かどうかも含め、
総理の答弁を求めます。
公明党は、
鳩山前
総理に対し、二十二年度当初
予算で大幅に削減された学校の耐震化など、子供の命を守るための
予算の復活を求めてきました。そして、
鳩山前
総理から、予備費を活用して、
国会閉会後に着実に
支出、執行する旨の確約を得ました。
菅内閣も当然この
方針を受け継ぎ、速やかに執行されると確信していますが、
総理の明快な答弁を求めます。
所信表明演説で、
菅総理は、
経済、
財政、
社会保障の一体的立て直しを強調されました。
私たち公明党も、雇用の安定確保を基軸とした安心の
社会保障・福祉の確立こそが日本の
経済成長の基盤である、あわせて
成長戦略による民需主導の
経済成長の達成、そして
財政健全化が重要であると
考えております。
何よりも大事なことは、スローガンにおぼれることなく、その具体化こそが重要です。しかし、残念ながら、
演説では、強い
社会保障と高らかにうたい上げる割には、年金
改革をどうするのか、医療も介護もどう立て直すのか、全くその具体的中身が示されていないではありませんか。
当面の景気回復をどうするのか、それを
成長戦略にどうつなげていくのか、その上で、
財政や
社会保障の立て直しをどう進めていくのか、さらには一体的立て直しの
考え方と具体的な工程表、道筋を示すべきです。
総理の答弁を求めます。
さて、近々、
政府は、新
成長戦略、
中期財政フレーム、さらには中長期の
財政健全化の道筋を示す
財政運営戦略などを取りまとめるとのことですが、今の段階でこれらの具体的な
内容について質問できないことは、まことに残念であります。
その上で、三点指摘したい。
そもそも取りまとめが遅過ぎます。これが第一の問題です。
約九カ月間にわたり、
政権内で真剣な
議論がなされてきた形跡が見えません。これまで
民主党が強く批判してきた、官僚主導の作文になってしまうのではないかとの懸念があります。これが第二の問題。
さらには、
民主党と
国民新党との間で
合意がつくれるのかどうか。これが第三の問題であります。
いずれにしても、脱官僚、
政治主導による整合性、説得性、そして
実現性のある将来ビジョンが示されるのかどうか。具体性に乏しい場合には、国内だけでなく
国外を含め、市場からレッドカードを突きつけられる可能性も否定できません。
総理の答弁を求めます。
総理は、マクロ
経済運営の基本的な認識として、
増税しても使い道を間違わなければ景気はよくなるとの
考え方を述べられています。そして、就任直後の会見では、かつての
政権は無駄な空港や公共投資など使い道が間違っていたのだと言われました。歳出の無駄をなくすことは重要です。しかし、それは、
増税しても使い道を間違わなければ景気はよくなることの
説明にはなっておりません。
一般的に、
増税は短期的に景気の下押し圧力につながるというのが、私の
理解するところであります。また、間違いのない使い道、すなわち賢い使い道を
政府ができるという担保はどこにあるのでしょうか。
総理の言われる第三の道との
関係などを含めて、
総理の
経済理論を具体的に
説明してください。
関連して、無駄な空港と指摘された地方空港はどうされるつもりか。廃港も
考えているのでしょうか。さらに、八ツ場ダムの中止
方針は変わりませんか。
総理の
見解を求めます。
そもそも
総理は、
消費税について、逆立ちしても鼻血が出ないほど無駄をなくしてから
議論をすると言われておりました。さらに言えば、
民主党は、
予算全体を見直せば十兆円単位で財源が生み出せるとしていたことからすれば、何たる豹変ぶりでしょうか。
総理、あなたは、完全に
消費税増税にかじを切ったと認識してよろしいのでしょうか。さらに、
鳩山前
総理の
方針は間違いであったということなのでしょうか。また、
消費税は、
衆議院の任期、すなわち、今後三年間の間に
増税をするのですか。そして、間もなく取りまとめられる
財政運営戦略には、
消費税についてどう明記されるのか。答弁を求めます。
さて、わずか一日、しかも、野党の質問を打ち切って行った前代未聞の異常な強行採決により無理やり
衆議院を通過させた郵政
改革逆行
法案は、廃案と決まりました。数におごった
政府・与党の横暴のきわみであり、当然の結果であります。
そもそも、この郵政
改革逆行
法案なるものは、全くのでたらめ、噴飯物であります。
政府関与を残したままでの郵貯の貯金限度額の引き上げや、永久に
政府が関与し続ける余地を残した簡保の存続など、まさに民業圧迫、
中小企業いじめそのものではありませんか。到底認めることはできません。
四年前の郵政
改革論議の際、郵貯の預金限度額を五百万円まで引き下げ、簡保も廃止することで
資金を官から民へ流すとしていたのは、一体どこの党でしょうか。あなた方
民主党ではありませんか。
この
法案に対しては、国内にとどまらず、アメリカやEUなどからも懸念が寄せられています。当たり前です。
経済のイロハがわかっていれば、市場
経済を無視して民業を圧迫する、こんな、
平成の世を明治に戻すような、余りにも愚かな
法案をごり押しできるはずはありません。
みずからの主張を百八十度ねじ曲げてまでこの
法案を押し通そうとした本当の意図は、連立維持、
選挙目当てそのものではないですか。
公明党は、今後も、民意を無視し、海外からも笑われるような
経済音痴の郵政
改革逆行
法案を断じて通すわけにはまいりません。
総理、郵政
改革逆行
法案の成立を今こそきっぱりと断念すべきです。答弁を求めます。
次に、
口蹄疫対策について。
まずは、日夜、不眠不休で対策に当たられている
畜産農家を初め
関係者の皆様に、心よりの敬意とお見舞いを申し上げます。
宮崎県における
口蹄疫は、終息の願いをよそに、川南町から約五十キロも離れた都城市に拡大し、隣接する鹿児島県も不安にさらされています。
防疫体制に甘さがあったと指摘せざるを得ません。まだまだ予断を許さぬ状況が続いています。いま一度、
危機管理体制の見直しをすべきではないでしょうか。飼料の運搬など
関係車両の消毒を徹底するとともに、
感染経路の究明に総力を挙げ、根本的な防疫対策をとるべきです。
口蹄疫の
感染例が確認されてから七週間、史上最悪の被害をもたらしている原因は、対策が後手後手になった
政府の
責任であると言わざるを得ません。しかも、
政府は、公明党と自民党がさらなる対策強化に向け特別措置法を作成している間、傍観していただけで、現場の悲痛な叫びを受けとめ、迅速に行動しなかったことは周知の事実です。
公明党は、今回の
口蹄疫対策では、直ちに対策本部を党本部並びに宮崎県本部に設置をし、
国会議員を派遣し、地方
議員と連携して繰り返し視察、調査を行い、現場からの要請に基づいて特別措置法を提案し、各党の協力を得て、わずか二日で成立をさせました。これが
政治に求められるスピードです。さらに、いち早く一千億円規模の支援を訴え、特別措置法にも反映させました。
今回の
口蹄疫対策について当時の菅副
総理は一体何をされたのでしょうか。宮崎県は
補正予算を直ちに組みました。また、
経済損失が八百億円を超えるという試算があった状況の中で当時の菅
財務大臣が対応したのは、わずか九十六億円の予備費だけでありました。しかも、発生から六週間もたってのことであり、全くの期待外れでした。
政治主導と言いながら、実質何もしなかった
政府の
責任は重大です。
この国家の危機とも言える
口蹄疫問題の影響は、畜産関連業界だけでなく、運送業など多業種にも及んでいることから、
畜産農家を初め、食肉加工業、飲食業、サービス業、製造業などあらゆる産業への影響を
考え、フォローアップを急ぐべきです。
総理の答弁を求めます。
民主党が公約した、年金制度の一元化、
最低保障年金、後期
高齢者医療制度や障害者自立支援法の廃止は一体どうなったのでしょうか。この九カ月間、何ら進展がありません。結局、実行できない、でたらめな公約であったことが白日のもとにさらされました。
一方で、高齢化に伴う年金、医療、介護費用の増大、不安定な就労の増加、都市化や核家族化の進行など、
国民生活を取り巻く環境は大きく変化し、これまでの
社会保障制度や、企業、地域、家族の力が十分に機能しなくなっております。
こうした問題に加え、うつ病等の精神疾患、児童虐待やDV、不登校や引きこもり、さらには自殺や
高齢者の孤独死など、新たなリスクが次々とあらわれ、その対策が求められています。
そこで、公明党は、これらの新しいリスクにも対応できる、従来の枠組みを超えた新しい福祉を提案しております。
第一の柱は、新しい生活保障です。
年金、医療、介護の拡充に加え、生活の基盤である住宅の確保、子育て支援など、新しい生活保障で安定した生活の
実現を目指しています。低年金対策では、年金加算制度の創設や受給資格期間の短縮、高額療養費制度については、上限額の引き下げや二つ以上の医療機関にかかっても合算できるよう見直すべきです。救命率向上への救急医療体制の強化が必要です。
我が党が介護総点検をもとに取りまとめた、施設の整備拡充や在宅支援を柱とする新・介護公明ビジョンの
実現を
政府に強く求めます。特に、ビジョンでは、三年間介護保険を使わなかった
高齢者に介護保険料などを軽減するポイントシステムが注目されています。さらに、住宅困窮者に低家賃の住宅を提供するセーフティーネット住宅百万戸の整備、生活・子育て支援策として給付つき税額控除の導入を提案しています。
第二の柱は、新しい雇用保障です。
安定した生活を
実現するには、雇用を軸とした大胆な施策の展開が重要です。雇用保険の対象とならない失業者への職業訓練とその間の生活を保障する第二のセーフティーネットの構築や、正規雇用を推進する
中小企業への支援など、新しい雇用保障システムで安定した雇用
実現を目指しています。
新卒の未就職者対策も急務です。卒業後三年間は新卒扱いとして就職活動に挑めるよう条件緩和すべきです。中長期的な
取り組みとしては、学校教育の中で職業教育に力を注ぐことを提案します。
第三の柱は、新しいヒューマンケアです。
急増するうつ病や不安障害、DVなど、心の病を克服し、社会復帰できる体制を強化すべきです。また、独居老人、介護、子育てなどを地域で支える体制の確立など、新しいヒューマンケアで人に優しい
政治を目指しています。
具体的には、行政と民間が連携し、独居老人への買い物支援や宅配、見守りサービス、介護支援ボランティアの普及、児童虐待やDVの対策強化として、家庭訪問方式での相談支援事業や民間シェルターの拡充など、きめ細かな支援体制を充実すべきであります。
以上、公明党が提案する新しい福祉の
考え方と、ただいま提示をした具体的な政策について、
総理の
見解を伺います。
私たちは、今、地球温暖化の危機、資源枯渇の危機、そして生態系崩壊の危機への対応が迫られています。農業、林業、水産業の再生は、地球環境の保全に貢献するとともに、地域
経済を活性化させ、雇用を生み出します。このような
観点からの施策の展開が重要だと
考えます。
まず、農業について伺います。
戸別所得補償制度については、担い手対策や地域の自主性が担保されていないなどの問題点が指摘されていますが、対応策は示されないままです。生産現場からは、政策に安定感がなく何を信用していいかわからないとの切実な声が聞こえてきます。さらに、各地から、全国一律の助成体系では地域の農業振興と一体となった推進ができないなどの声が多く上がっています。
農業政策については、担い手像を明確にし、地域の主体的判断を尊重した対策へと見直すべきです。
総理の
見解を求めます。
公明党は、水田農業について、三階建ての経営セーフティーネットを提案します。つまり、再生産を下支えする直接支払いと農の多面的機能を評価した環境直接支払いの拡充、加えて、認定農業者等への経営安定対策の強化であります。特に経営安定対策については、生産費の算定基準を地域ごとの再生産価格に見直すことです。環境支払いを中核に据えた持続可能な農業を展開すべきです。
さらに、ことしは冷害の発生が懸念されていますが、地球温暖化を起因とした予期せぬ気候変動による農作物への被害は今後も頻発するおそれがあります。農業経営を安定させるために、公明党は野菜、果樹等について積み立て方式の収入保険制度の創設を提案していますが、
総理はどのような対策を講じるのか、具体的に示していただきたい。
次に、水産業の再生について伺います。
日本の周辺水域は世界有数の豊かな漁場であり、海洋資源、水産資源を適切に管理し、持続的な利用が求められています。