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新藤義孝君
自由民主党の
新藤義孝でございます。
私は、
自由民主党・
改革クラブを代表して、
核セキュリティーサミットに関する
報告に関し、
鳩山総理及び
関係閣僚に対して
質問します。(
拍手)
本題に入る前に、きのうの
党首討論で、見逃せない、聞き逃せない
発言が
鳩山総理からありましたから、まず
冒頭に
お尋ねします。
鳩山総理の元秘書による
政治資金規正法違反をめぐる
裁判は、本日判決が出るわけでございますが、その
裁判に提出された
書類について、
総理はこれまで、
偽装献金事件、いわゆる
鳩山家の
特別子ども手当、これについて、正確を期す必要があるため、
裁判の終了を待って、
書類を取り戻し、
書類を
国会に提出した上で
説明努力を尽くす、このような趣旨の
答弁を繰り返してきました。
しかし、きのうのQTでは、あなたは何と、
個人のプライバシーにかかわる資料は提出しない、検察が判断して結果を出したので
書類の提出は必要ないとおっしゃった。
どうしてあなたの
発言は、こうやってぶれるのか。
国民に対する裏切りではないんでしょうか。
国会での
約束は、単なる言い逃れだったのか。はっきりと弁明していただき、
約束どおり、
国会に
書類を提出して、しっかりと
説明をしていただきたい。
答弁を求めます。
それでは、
本題に移りますが、先ほどの
総理の
報告、そしてまた
民主党議員に対する
答弁、全く力がない、弱々しい。
国民に対する誠意のかけらもない
報告であり、
答弁じゃないか。私は、もっとしっかりと、皆さんに対して、力を入れて、頑張ってやってもらいたいと思います。私に対する
答弁は、力を入れて
答弁してください。
まず、この
核セキュリティー、重要な国際問題で、自民党政権時代は、これは、
世界の
イニシアチブをとって、我々は
米国と一緒に
中心的に取り組んできました。
唯一の
被爆国として、
日本はこれまで大きな存在感を示してきたのです。
しかし、今回の
サミットにおける存在のなさ、軽さ。存在の耐えられない軽さとは、まさにこのことを言うのではないかと思います。どうしてこんなに急激に
日本の位置づけが低下したのでしょうか。
総理、あなたは外交下手です。私が言ったんじゃないですよ。あなたを支える与党の人が言った
発言です。あなたは外交下手、私もそう思いますけれども。そして、あなたの外交下手や存在の軽さが
我が国の
国際社会の信頼や信用を大きく損ねているということ、それをあなたは全くわかっていないんじゃないかと思います。
今回の、
オバマ大統領が選んだ四十七カ国に限定したこの
核セキュリティーサミットには、どのような緊急的な
意義があったのでしょうか。また、現実の核による危機を
防止するためにどのような
成果を上げられたのか、お伺いしたいと思います。
そして、
鳩山総理、今回の訪米は、あなたにとってさんざんなものでした。先ほどの
報告も弱々しいのは、よっぽどがっかりしたのか、残念だったのか、そういうことだったと思います。
たった十分間の、夕食会で非公式の会談しかできなかった、その
総理の心中はお察しいたします。まともな会談になるわけがないわけです。あげくの果てに、
ワシントン・ポストにおいては、
サミット参加国の中で、
日本は最大の敗者、そして、あなたは、哀れで愚かな
日本の首相という記事まで書かれてしまいました。一国の首相に対して、まことに無礼な評価だと思います。
しかし、どうしてそこまで言われるのか、
総理、あなたに心当たりはありませんか。
あなたは、昨年十一月の日米
首脳会談で、
オバマ大統領に、トラスト・ミーと言い、翌日、撤回。さらに、もう一度、十二月の中旬、十五日と
報道されておりますが、しかるべき時期になれば日米合意に戻したい、任せてほしいと、ルース大使と会談し、再び
約束したのではありませんか。その証拠に、その後、決着の先送り、現行計画以外の検討に入るという方針を聞いたルース大使は、あの温厚な性格にもかかわらず、激怒したと伝えられております。
あなたは、二度にわたって
アメリカに対し軽い口
約束をし、信頼を裏切ってきたのではありませんか。
今回の核
サミットでの
米国側の冷遇は、普天間問題に対するあなたの優柔不断と無
責任な言動にある。オバマ政権の深い不信感のあらわれではないのですか。
平和のハトを自認する
鳩山総理、あなたは、
米国からは、サギと思われているんじゃないですか。
普天間問題をめぐる鳩山政権の迷走ぶりは、目を覆うばかりの悲惨さです。なぜここまで混乱し、迷走するのか。その答えは明快です。
あなたは、国家運営の最も基本的な安全保障
分野に対して選挙を持ち込んだのです。政権交代という
政治的野心を達成するために、選挙で、最低でも県外移設と演説し、票をとることに専念しました。
政権をとってからは、安保論議には目もくれず、いかにこれまでの政府案と違う案にするかという場所探しに明け暮れているんです。我々は、各委員会で何度も
質疑を行っております。あなたを初め担当閣僚から、普天間移設問題に対する安保論や専門的、具体的な
内容について
答弁を得たことは一度もありません。
当初は、何か新しい別の考えもあるのかな、このように思っておりましたが、結局のところ、何にもわかっていない、理解をしていない。私は、最近、そう確信をしているところです。
総理、あなたは、辺野古現行案を検証すると言いながら、現行案をあなたが採用できない理由を一度も語っておりません。抑止力の維持、負担の軽減、それぞれの
観点からあなたが普天間基地移設問題の現行案を受け入れられない理由を
説明していただきたいと思います。
そして、驚いたことに、きのうの
党首討論で、あなたは、もし年末に現行案で決着させていたら、工事の際に反対運動が起こり、数年間は何も動かなかっただろう、このように
発言しました。これはどういうことですか。
あなたは、これまでの日米両政府間のすべての経緯、歴代
総理が何度も沖縄に足を運んで、沖縄の人々、知事や市長、議会とした
約束を、当てにならない計画だった、
約束だったと言うんですか。これまでの十三年の努力を否定して、国と国との
約束である現行案を、実現できない案だったと言うのでしょうか。しかも、そのように思っている、実現できないと思っている案を、
アメリカに、やると答えたんですか、あなたは。このことを私は絶対に見逃すわけにはいかないと思います。
環境アセスメントの最終段階まで来ました。いよいよこれから工事が始まる寸前で、あなたたちがとめたんです。
民主党政権がとめたんです。それを地元の反対のせいにするのか。
辺野古の海の埋め立てに反対と言いますけれども、地元では、住民の危険性の除去のために、逆に、今の案を五十メーター沖に出してくれという要望まであることを、多分あなたは知らないんでしょう。
あなたの
発言は、沖縄の人たち、そして今までのことを全く信用していない、すべての関係者を愚弄するものです。これは絶対に許せません。沖縄の皆さんに対して謝罪の上、きのうの
発言を撤回してください。
ところで、社民党党首の福島みずほ大臣、昨年十二月の初め、
鳩山総理に対し、現行案を閣議決定するならば、社民党にとっても私にとっても重大な
決意をしなければならないと述べられました。
この重大な
決意とは、連立政権からの離脱も辞さないという覚悟だったんでしょうか。福島大臣に
お尋ねします。
そして、その上で、先月下旬、社民党は沖縄県内に新たな基地をつくることに明確に反対と言いつつ、鳩山政権が県内移設を決めた場合の閣僚としての対応については、社民党一〇〇%の政権ではないと、明言を避けられました。
現在、福島大臣は、社民党として反対であっても、鳩山政権が決めた移設案には閣僚としてサインをするという、まさに閣僚としての覚悟を決めておられるということなんでしょうか。重ねて大臣に
お尋ねします。
そして、政府はいまだに政府案を発表できず、
鳩山総理は腹案があると言われますが、三月末に出すはずのものがいまだに出てきません。徳之島で大反対集会が開催されたように、これから普天間問題を受け入れようという自治体は皆無というのが現実です。
総理、ここで、冷静になって、客観的な政策判断をしませんか。
あなたが五月末までに決着をさせると言う
三つの合意。まず第一、
アメリカは現行案であれば同意するんではないですか。
二つ目、連立与党は
総理が決断すれば決められるんではないですか。これで二つの合意が成り立ちますよ。そして残りは、
最後、
三つ目、地元の同意。これは難しい。しかし、地元の声はしっかり受けとめなければならないと思います。
でも、いいですか、現行案の受け入れ自治体である名護市議会の意見書をよく見るべきなんです。
名護市議会は、キャンプ・シュワブ陸上案反対の意見書を
全会一致で可決しました。でも、現行案である沿岸部案については触れず、陸上案に限って反対する意見書になっているんです。簡単に受け入れるわけはありません。でも、地元には、これまで受け入れを容認していた人たちもたくさんおられるんです。
あなたが、まさに
政治生命をかけて、国策遂行のために、不退転の覚悟で、これまでのことを謝罪し、誠心誠意お願いをすれば、針の穴を通すような道ではありますが、合意も得られる余地もあるのではないですか。
普天間の移設先として、
唯一現実的、実行可能な解決策は、現行案を進めることなんです。
鳩山総理、勇気を持って国のために決断することはできませんか。
総理の見解を
お尋ねします。
また、普天間問題には、現在、五月末に決着という期限が
総理自身によって設定されています。そもそも、この問題の決着を五月末を期限とする根拠は何なのでしょうか、どのような理由で設定されたのでしょうか。お答えください。
その上で心配すること、それは、この五月末の期限が法的に決まっているわけではないということです。
まさか、
鳩山総理、あなたは、また
言葉遊びでこれまでの
約束を変えないでしょうね。
連立与党、
米国政府、そして地元のすべての合意を得て普天間基地の移設先を五月までに決着させる、これが五月末までに決めることですよ。方針が示されたり、案が提示されたり、それから、協議に入っただけで決着とは言わないんですよ。もう一度、この本
会議場で、この
国会の場で宣言してください。
そして、あなたは、五月末決着に、覚悟を持って臨む、命がけで行動すると再三
発言しております。ところが、その覚悟が全く伝わらない。
命がけと言えば、政権の命運をかけ、
政治生命をかけると我々は受け取るんです。うまくいったときのことは問題ないんです。だめだったときに、だめなときにどうするか。自分の身を捨ててでも何としても実現したい、そういう覚悟を相手に伝えてこそ、この不可能が可能になるのではないでしょうか。うまくいかなかったときの態度を表明しなければ、あなたの真剣な気持ちは伝わりません。
あなたの、この問題にかける、問題解決にかける姿勢をお聞かせください。
ところで、
総理、あなたは、
日本という国家を守る
責任があります。国家には
国民があり、領土を守り、そして主権を確立させることで国家が成立します。
今、
日本の領土である竹島で大変なことが起きようとしています。韓国は、竹島のヘリポートを三十年ぶりに改修する工事を発注しており、九月には工事を完了すると言われております。その後、竹島沖合一キロ先の浅瀬に地上十五階建て相当の海洋科学基地を建設する計画があると韓国国内で
報道されているんです。
私は、このことを
外務委員会で再三にわたって外務大臣に
質問しておりますが、外務省は、この
報道が事実であることを認めつつ、個別外交案件だとして、対応しているか、今後どうするのか、一切明かしません。
我が国の領土、領海に他国が勝手に工事をしようとしている、岡田大臣は、このことを知った上で韓国を訪問し、外相会談を行っても、
議題に取り上げようともしない。
鳩山総理も、
首脳会談を二度やっているけれども、今まで一度も竹島問題を取り上げていない。一体、
日本政府は何をやっているんですか。
鳩山総理、ヘリポートの改修工事と海洋科学基地の建設計画について、韓国政府に直ちに抗議をして、そしてそれを
国民に公表すべきではありませんか。
外務省のホームページには、竹島は
日本の領土である、そして韓国に不法占拠されている、このように明記されているにもかかわらず、岡田大臣は、再三にわたる私の
質問に、ついに、不法占拠という
言葉を口にしませんでした。
総理、あなたは、韓国による竹島の不法占拠を認めますか。その上で、ヘリポートの改修工事と海洋科学基地の建設計画の即時中止を求める外交交渉の場を早期に設けるべきだと思いますが、
総理、お考えをお聞かせください。
以上で、私の
質問、普天間問題及び竹島問題について、満足ある
答弁がいただけなかった場合は再
質問させていただきますので、よろしくお願いいたします。(
拍手)
〔
内閣総理大臣鳩山由紀夫君
登壇〕