○
国務大臣(長
妻昭君) お答えをいたします。
今般の
子ども手当法案を単
年度の
法案として
提出した
理由について御
質問がございました。
少子化が進展する中、今、思い切った
対策を講じなければ、将来、経済や
社会の担い手が不足する、国の基盤が揺らぎかねない。
先ほども二〇五五年のお話を申し上げたわけでございます。
こうした
状況も踏まえ、
子ども手当については、
次代を担う一人一人の
子供の
育ちを、個人の問題ではなくて、
社会全体で支えるという観点から実施するものであります。
子ども手当の実施によって、結果として、
少子化の流れを変え、
子供の健やかな
育ちの確保などにつなげていきたいと
考えております。
平成二十二
年度においては、
財源をめぐりさまざまな
議論がある中で、まずは、一万三千円の
子ども手当について、
児童手当分を
現行どおり、国、
地方、
事業主が
費用を
負担し、それ以外の
費用については、
全額を国庫が
負担する仕組みのもとで実施するということにしたわけでございます。
単
年度でございますけれ
ども、
平成二十三
年度以降の
子ども手当については、昨年十二月の四
大臣合意を踏まえつつ、
平成二十三
年度予算編成過程において、
財源の
あり方も含めて改めて決定することとなっております。
政府全体で本格的な
制度設計に向けて検討し、結論を得た上で、改めて
法律案を
提出してまいります。
子供の貧困の現状の原因と
責任についてお尋ねがございました。
これまで、医療や
生活保護を初め、
社会保障費の自然増を毎年二千二百億円機械的に抑制することや、経済のグローバル化に伴う企業行動の変化と相まった、雇用にかかわる行き過ぎた規制
緩和などにより、格差が広がり、
国民の不安が増大していると認識をしております。
新
政権では、
我が国の抱える貧困の問題を直視するため、厚生労働省において、初めて
相対的貧困率を公表したところであります。
平成二十二
年度予算案においては、
子供の貧困に着目をして、第一に、昨年復活させた
生活保護の母子加算の継続、第二に、これまで
支給対象ではなかった
父子家庭、お父様とお子様の
父子家庭への
児童扶養手当の
支給などの
対策を盛り込んだところです。加えて、
中学校修了までの
子供一人当たり
月額一万三千円の
子ども手当の
創設についても、結果として
子供の貧困問題にも資するものと
考えております。
さらに、今
通常国会において、非正規労働者に対する雇用保険の適用拡大という
法案を一月二十九日に
提出をいたしました。また、労働者派遣
制度では、派遣労働者の雇用の安定を図るための
法案を
提出することとしております。
これらの取り組みなどにおいて、引き続き、
子育て世代を中心として、格差
社会の是正や貧困の問題に真摯に
対応をしてまいります。
配ったらあとは自己
責任というような、
子育てのための現物
給付と
待機児童解消などの土台整備、自己
責任との
関係についてお尋ねがございました。
もちろん、
手当を配ったらそれで終わりという発想ではございませんで、
子供に対する
支援、
子育て支援には、現金の
給付等、そして保育所
サービス等の現物
給付、そしてワーク・ライフ・バランス、仕事と
生活の調和、この三つが適切に整備されるということが、これは諸外国の例を見ても非常に重要だと私
どもも心得ているつもりであります。
具体的には、まずはこの
保育サービス、
待機児童の問題も言われておりますので、その定員を毎年五万人ずつふやす
目標値を設定し、そして、
放課後児童クラブの
拡充というのも五年計画で取り組んでいく。これらの取り組みを通じて、
子ども手当等の
支援と
教育や
保育等の
サービスとを車の両輪としてバランスよく組み合わせて、個人に
子育ての過重な
負担を負わせるのではなくて、
社会全体で
子育てを支え合う環境づくりに取り組むということを続けてまいりたいと
考えております。
保育所の最低基準についてお尋ねがありました。
保育所の最低基準に関しては、昨年十二月十五日に閣議決定した
地方分権改革推進計画において、基本的に条例に委任し、国は、参考にすべき基準、つまり参酌基準を定めることといたしました。しかし、保育士の配置基準や保育室等の面積基準など、直接、保育の質に大きな
影響を与える基準に限り、遵守するべき基準として全国一律の最低基準を維持することとしております。
一方、保育室等の面積に係る最低基準については、
待機児童の
解消を図る観点から、東京など一定の地域についての一時的な特例
措置として、
説明責任を付した条例委任である標準という
措置といたしました。ただし、
待機児童の
状況が好転した場合には、これらの基準は遵守すべき基準とする予定であり、直接、
子供の健康や安全、発達の保障に
影響を与えるものについては、国が最低基準を定めるという原則は維持されるものと
考えております。
各自治体においてそれぞれ適切な基準を定めるなど、引き続き保育の質が確保されるよう、適切な
措置を講じていただきたいと
考えております。
乳幼児医療費の無料化について御
質問がありました。
国においては、近年の
少子化対策の
重要性の高まり等を踏まえて、医療保険
制度における乳幼児に対する自己
負担割合を三割から二割に
軽減する
措置の対象年齢について、御存じのように、
平成二十
年度から
小学校入学前のすべてのお子さんまで拡大をしたわけでございます。
乳幼児医療費については、さらなる
軽減を行うことについては、
現行の厳しい財政
状況の中で、医療提供体制の確保や保育などの他の
少子化関連施策との均衡などを勘案すると、現時点においては
課題が多いと
考えております。
なお、未熟児、
子供の難病といった特に手厚い
支援が必要な
児童に対しましては、その医療費の公費助成を実施しているところでございます。
子ども手当額について
質問がありました。
子ども手当の額、二万六千円については、第一に、
子供の
育ちに必要な基礎的な
費用の相当
部分をカバーする、第二に、諸外国の
手当制度と比較しても遜色のない水準とするといった点を総合的に勘案して、
民主党において判断をして、
マニフェストに盛り込まれました。
国民にお約束をした額であり、
平成二十二
年度はその半額である一万三千円を
支給いたします。
また、
平成二十三
年度以降の
子ども手当については、昨年十二月の四
大臣合意を踏まえつつ、
財源の
あり方も含めて、
平成二十三
年度予算編成過程において改めて決定するということとなっております。基本的には、
マニフェストどおり月額二万六千円実施できるよう、
政府全体で結論を得てまいりたいと
考えております。
子ども手当の
支給対象となる
子供について御
質問がございました。
子ども手当は、すべての
子供の
育ちを
社会全体で
支援することを
趣旨としております。したがって、本来、施設内の親のいない
子供等に対しても
子ども手当の恩恵が行き渡るべきであると
考えております。
しかしながら、
平成二十二
年度においては、施行までの期間や
市町村の事務
負担を考慮すれば、
子供を保護し、見守り、監護する方に
手当を
支給するという現在の
支給要件を
法律上変更することは困難であります。
このため、別途、例えば安心こ
ども基金の活用により、
子ども手当の
支給対象とならない施設内の親がいない子等について、施設に対し
子ども手当と同じ額が行き渡るような
措置について今検討をしているところでございます。
平成二十三
年度以降の取り扱いについては、
制度の
あり方の検討の中で、
子ども手当の恩恵が行き渡るような
子ども手当制度における
対応について決定をしてまいります。
子ども手当と給食費等の相殺について御
質問がありました。
子ども手当については、
次代を担う一人一人の
子供の
育ちを
社会全体で応援する観点から実施をするものであります。受給者である父母の方には、受給者の責務として、
手当の
趣旨に従って
子ども手当を用いなければならない責務が課されており、
制度の
趣旨を御理解いただき、
子供の健やかな
育ちのために有効に使っていただきたいと
考えております。
給食費の滞納については、まず、厚生労働省としては、
子ども手当が
支給の
趣旨に従って用いられるよう、広報等に極力努めていく
考えであります。
また、本件については、今後、現場の御意見も踏まえ、
平成二十二
年度の実施
状況も見た上で、
平成二十三
年度以降の本格実施に向けた検討を進めることとしております。その中で、
子ども手当の
趣旨がより生かせるような仕組みができないか、
制度面の検討も含め
議論をしてまいりたいと
考えております。
子ども手当に係る
財源について御
質問がございました。
これは、繰り返しになりますけれ
ども、
平成二十三
年度以降の
子ども手当については、昨年の四
大臣合意を踏まえつつ、
財源の
あり方も含めて
予算編成過程において改めて決定することとなっております。
その
財源の確保については、
政府全体で、より一層の歳出
削減や
予算の
見直しに徹底して取り組むこととしており、
財源の
あり方も含め、
関係方面の御意見もよくお伺いしながら結論を得てまいりたいと
考えております。
また、厚生労働省としては、保育所整備について、引き続き国が
責任を持って取り組む必要があるというふうに
考えております。
以上です。(
拍手)
〔
国務大臣原口一博君
登壇〕