○富田
委員 わかりました。確認して、訂正していただければと
思います。
このアピール21は民主党の議員の
皆さんに物すごい寄附をしている。これは去年の
予算委員会でも指摘させてもらいましたけれども、ちょっとけた違いなのでびっくりしちゃうんです。だから、鈴木副
大臣、アピール21なんという名前が出るのが嫌でフォーラム21と書いたのかなと思うんですが。
きょうは資料として配付していませんけれども、アピール21の二十一年の収支報告を見ますと、こんなのが書いてありました。民主党千葉県第一区総支部、
平成二十年十月三日、一千万。民主党北海道第一区総支部、十月二十一日、五百万。これは多分衆議院議長の総支部だと
思います。民主党東京第十八区総支部、五百万。これは菅財務
大臣ですね。私が
質問した原口
大臣の総支部にも五百万。枝野さんの総支部に四百万。仙谷さんの総支部に四百万。松野さんの総支部に二百万。だから、鈴木副
大臣は、松野さんよりは評価が高くて、仙谷さんや枝野さんよりはちょっと低かったということなのかなと思うんです。
やはりこれは、金額的に見ても、去年の
予算委員会のときも原口さんは、こんな
お金をもらっても、私は寄附を受けたということによって自分の政治行動は左右されませんと言っていましたが、一般の
国民から見たら、これだけ
お金をもらっていたら、何かそれに従ってやるんじゃないのというふうに疑われると思うんですね。こういった金額の多さというのも、やはり我々議員の間でこれが適正なのかどうかというのも
議論していく必要があるんじゃないかなと私は
思います。
文部科学委員会の所管ではありませんので、この件に関してはもうこれ以上言いませんので、各党でこういった
議論をぜひ進めていきたいというふうに
思います。
次に、児童虐待の防止について
質問をしたいと
思います。
私の後、池坊議員の方からも児童虐待を今後どうしていったらいいかという
質問があると
思いますが、私は、江戸川区で起きた岡本海渡君という小学校一年生の死亡事件、この報道を
最初に見たときは本当にびっくりしました。学校の方でもう去年の秋からかなりいろいろなことを掌握していながら、結局この子の命を守れなかった。何でこんなことになるんだろうと、ちょっと報道しかわかりませんでしたので。
今回、江戸川区と江戸川区の教育
委員会が「岡本海渡さん死亡事件検証報告」というのを出されて、副題で「児童虐待死ゼロをめざして」と書いてありました。中を全部読ませていただきましたけれども、非常によく現場を
調査されて、事実経過もかなり丹念に拾い上げて、どこに問題があったのか、そこもきちんと、「問題点・課題と対応策」というような形でかなり細かくまとめられていました。
特に、子ども家庭
支援センター、そして学校、それ以外の組織がどうあったかというようなところを丁寧に拾われて、これまでいろいろこういう検証報告というのが出てきましたけれども、やはりこの子の命を亡くしてしまったということに対して、江戸川区の
関係者の
皆さんが、本当に大変なことをしてしまったということで、必死になってやられた
思いが本当に文章から切々と伝わってきます。
この中で、子ども家庭
支援センターがせっかくできているのに、歯医者さんからあざがあるよという情報があって、そのほかに顔にあざがあった、また複数のあざがあった、本人が虐待について訴えていた、そういったことがあったのに、ハイリスク家庭というふうに子ども家庭
支援センターの方も
認識しなかった。この子は、お母さんが再婚したことによってほかの
地域から江戸川区に移ってきたのに、前住所地の
関係機関に全く情報収集していなかった。これは、児童虐待があると必ず問題になることをまた繰り返してしまった、そういう指摘もされていました。
学校の問題点も、状況把握の甘さ、経過の情報提供の不足、かなり厳しくこの
報告書では指摘されていました。担任の方がだめだったんじゃないかとこういうときにすぐ言われるんですが、担任の二十八歳の男性教諭は本当に一生懸命頑張っていたと
思います。よく家庭訪問もされていたし、一生懸命やってきたけれども、ただ就学前状況や家庭
環境までは把握できなかった。結果として学校だけで抱え込んでしまって、
トータルのケアができない、そういう問題があるというふうに指摘されています。
また、もっときちんと通告すべきだったんじゃないのか、そういったところも甘さが指摘されています。こういう指摘が本当にそのとおりだなと思ったんですね。みんなで見ていこうの合意だけで、危機感がなかった。見守っていくんだというような形になってしまって、そして一番の問題は、民生
委員、児童
委員への情報提供がされていなかったという点を厳しく指摘していました。
最終的に、この
報告書では、子供の命は自分が守るんだという使命感を持って教師が子供や保護者の理解を深めるという点が今後のやるべき点だというのと、情報の共有化を行えるように組織的な校内体制の再
構築を図るべきだというふうに指摘していました。本当にこのとおりだと思うんですけれども、何でこんなことが毎回毎回繰り返されてしまうのか。
池坊さんともさっき話していたんですが、実はちょうど十年前、二〇〇〇年の
予算が通った後、四月、五月と、私、たまたま当時、青少年問題特別
委員会の
委員長をさせていただいていましたので、各党の
理事さん
たちと、児童虐待防止法をつくろうということで一挙にいろいろな話し合いを各党で持ちました。
ただ、私は公明党、そして自民党の
皆さん、民主党の
皆さん、社民党の
皆さん、それぞれの児童虐待防止法の案があったんですね。
委員長として、とてもこれはまとめられないな、各党の
考え方が違って、法律は必要だというのはわかっていたんですけれども、それぞれの
思いが違ってなかなかまとめられないと思ったんです。
実は、当時、二〇〇〇年の四月二十二日に、児童相談センターとか現場を
委員の
皆さん全員で見に行きました。現場の子供
たちを養護している教員の先生とかケア担当の方
たちから、今変えてもらわなかったら本当に毎日子供が亡くなっていくんだという声を各党の
委員が聞いて、当時、六月に解散だと言われていましたので、ここでやらなければもう絶対できなくなってしまうということで、各党の考え、譲るべきところは譲って、一挙に児童虐待防止法ができていきました。
このときに一番
議論していたのは、親はしつけだと言う、そうじゃなくて虐待なんだというふうに、どういうふうに見つけていくか。そういった中で、やはり学校の先生とかお医者さんとか、子供に一番接触する機会の多い
人たちがきちんと児童相談所に通告してくれないと虐待があるんだというのはわからないんだというところから
議論が始まったんですね。
今回の江戸川区の事件は、その一番
最初、根っこの根っこ、学校の先生が自分のクラスの生徒にそういう虐待があったということを認知していながら、結局その子の命がなくなってしまった。その通告義務の大切さと、あと、チームを組んで子供の命をどうやって守っていくんだというところがすぽんと落ちちゃったのが今回の事件なんだろうなというふうに、
報告書を見ていて
思いました。
たまたま、この
質問をしようと思ってきのういろいろ資料を集めていましたら、鈴木副
大臣が
日本教育新聞の一面にぼんとお顔が出ていてびっくりしたんですが、やはりこの江戸川区の事件からどういう教訓を得ていくかということが大事だと。目黒区の例がここに出ていたんですけれども、目黒区は、主任児童
委員にすぐ通告する、この方が全責任をまず持って、その上で、だれがどういうことを担当するかというのを決めていくんだと。やはりだれかが責任を持ってその子を面倒見ないと、学校の先生に全部見ろというのは無理だと思うんですね。
今回も、この事件があったら厚生労働省の方は児童虐待、児童の安全を守るための通知というのをすぐ出したようなんですが、
文部科学省として、現場の教員の
皆さんに、虐待についてどう対応すべきなのか、虐待があったときに教員としてどういう動きをすべきなのかというのをもう一回ここできちんとしないとまた同じことが起きると思うんですけれども、今、
文科省として今後どういうふうに対応を考えていらっしゃるのか、
大臣からお聞かせ願えればと
思います。
〔笠
委員長代理退席、
委員長着席〕