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赤松国務大臣 これはあくまでも所信でございますので、私自身がこういう方針のもとでやっていきたい、ある
意味でいえば
大臣としての決意でございます。
そして、
委員が今いろいろ御
指摘をされました。個々の細かな問題は言いませんが、一つは、戦後の
食料不足の中で、わかりやすい、具体的な例でいえば、例えば干拓事業についても、多くの海を埋め立てて、そこで米の増産に励もう、あるいは食管
制度をつくって、きちっとそういう国の管理のもとで
食料供給をやっていこう、特に米の供給をやっていこうということをやってきたわけです。
しかし、当時としてはそれはある時期正しかったかもしれないけれ
ども、八郎潟なんというのは一番わかりやすい例ですけれ
ども、さあやりましょう、
全国から、やる気のある
農業者は財産を売っ払ってみんなここへいらっしゃいと言ったら、一年か二年たったら、もうつくるな、もうここはつくらなくていいんだというようなふうで、まさに猫の目の
農政の転換の中でそれに愚弄されてきたというのが、そういう干拓
地域の人たちであったわけでございます。
また、食管
制度についても、かつての戦後二十年代、三十年代はどうだったかはわかりませんけれ
ども、少なくとも今の時代に、食管
制度を維持して、そして先ほど
委員は米を高く買って安く売るんだと。しかし、そのバランスを、一兆円、二兆円をずっと払い続けることに果たして国民全体の理解が得られるのかどうなのかということを考えていったときに、それは時代とともに、当時
自民党政権でしたけれ
ども、食管
制度の見直しをせざるを得ない。干拓事業もつくれつくれから変えざるを得ない。そういうふうで、やはり時代とともに変わってきているんですね。
今一番何か気にかかっているところは、つくらせない
農業からつくる
農業へというくだりのようでございますけれ
ども、これはまさに減反
政策を進めてきたこれまでの政権が、必ず減反に従わなきゃいけないんだ、従わなければペナルティーなんだ。どんどんどんどんペナルティーを科して、それで、おまえの来年の割り当ては三十だ、持っている
土地が十あるとすれば三でしかつくっちゃいけない。こんなことをやればますます、きちっとやろうとしてもそれはできないというふうになるわけです。
そういう
意味でいえば、力と権力によって無理やり抑えつけてこの減反
政策に従わせようとしたわけですけれ
ども、実際にはそれに従わない人がどんどん出てしまって、むしろそういう人たちが自由につくるものですから、米がどんどん市場に出て、価格は下がっていく。しかし、下がったって、その米をつくったお百姓さんには、それそのものには直接何の援助もないというのをやはり変えていこうというのが今度の
戸別所得補償制度であります。
私
どもは、この
制度に入るか入らないかは
農業者自身が決めてください、しかし、入ったらこんないいことがあるんですよ、こんなメリットがあるんですよ、入らない場合はこうなるかもしれませんよということを
農業者自身が御自分の
判断でしていただく中で、そして現実の問題として、今ずっと集計中ですけれ
ども、今まで一番こうした
生産調整に応じてこなかった、ワーストスリーなんというのでよく県が出ていますけれ
ども、そのトップだった秋田県とか福島県だとか、そういうところでもって、積極的に、一〇〇%とは言いませんけれ
どもかなりの比率で、今まで
生産調整に協力してこなかった人たちが、ぜひこの
制度に入れてください、ぜひこの
制度でやりたいんですと。そして、
生産数量目標をきちっと守りますから、そして余った水田では今度は米粉をつくります、飼料米をつくりますということで、今、一生懸命に取り組んでいただいているということも、ぜひ
委員も客観的な目で見ていただきたい、このように思っております。
そして、私
どもは、今までの
農政で一〇〇%全部悪いと言っているわけじゃなくて、必要なこと、いいことについては、これじゃむしろ足らないぐらいだからもっとそれを支援していこうなんということも現にやっておりますし、これからまた一年モデル事業をやる中で、二十三年度からは本格実施になるわけでありますので、そういう中で、
戸別所得補償制度の本格実施、そしてもう一つは六次
産業化、そして、広く言えば、これは
農業者ばかりじゃなくて、消費者である都市の住民の皆さんも含めた食の安心と安全と安定供給というような三本柱を中心にして、しっかりとやっていきたいというのが私の決意でもございます。