○竹本
委員 ギリシャ問題から入ります。
最近いろいろ起こっております事象に関しまして、実は二時間ぐらい時間をいただいてやろうと思っていたんですけれ
ども、そういうわけにもいきませんので、三点ほど絞って
質問をさせていただき、また両
大臣の
お答えをいただきたいと
思います。
まず、きのうのニューヨークの終わり値が一万六十八ドル
余りでした。一万ドルを割りそうな雰囲気であります。
実は、随分前に、初めてダウ平均が一万ドルを達成したその日に、私、ニューヨークに
同僚議員、
先輩議員とともにいたことがありまして、ウォール街の投資
銀行の社長さんたちを
日本クラブへお呼びして、そして聞きましたら、あのときの元気よさはいまだに如実に覚えているんですけれ
ども、次は十万ドルだと。もう五人も六人もそう言うわけですよ。
当時、そのときの
日本の株価は一万五千円でした。ですから、その一万五千円が今一万円になり、そして一万ドルがもとの一万ドルに返ってきているわけですから、いかにデフレというか、証券業界、もう
一つぱっとしないという感じを如実に感ずるわけであります。この
原因は何かというと、やはりギリシャ問題なんですね。
それで、実は、最近ですけれ
ども、ニューヨークの投資
銀行の幹部三、四人とお会いいたしました。名前は言いませんが、中の一人は、このギリシャ問題は非常に深刻だ、EUは、ユーロを共有しているのは十六カ国ですけれ
ども、非常に深刻だと。
例えば、まあ笑い話に近い話なんですけれ
ども、ギリシャの
政府がまずうそをついていたわけですね。それがばれて、こういうギリシャ不信になった。同時に、
国民もうそをついているとこの人は言うんですね。どういうことかというと、家でプールを持っている人は
お金持ちです。それには固定資産税がかかる。ギリシャ市内でプールの数を数えたら、五百個ぐらい
登録がある。ところが、ギリシャの町の上をヘリで飛んで数えたら一千六百ぐらいあった。みんな、固定資産税も適当に申請をしている。このように、
政府もうそをつき、
国民もうそをついている。
そうしますと、そういう
人たちが起こした債務の問題を、一生懸命汗を流して働いているドイツ人やフランス人、こういった
人たちが背負うというのは何てばからしいことだという感情があるんだ、こういう率直な話を聞きました。
どこまで事実かどうか、私はもちろんわかりませんけれ
ども、そういう同胞としてやっていくのに、これはたまらぬという問題があるし、今回、ギリシャの問題で十三兆円ぐらいの債務の援助を仰いだわけでありますけれ
ども、全部返済し切れるかどうか極めて不安だ、こういう感じでありますし、あのようなギリシャの
状況が、PIIGSと言われるようなほかの国でも当然発生する
可能性がある。
ギリシャの場合は、EUに占める割合はたった二%、
経済力は二%ですけれ
ども、スペインの場合は一二%であります。ですから、ギリシャだけで済むのならともかくも、また連鎖してそういうことが起こるとなると、非常にEU内で分裂が起こるのではないか、グループA、グループBに分かれるんじゃないか、こういう話をする方もおられました。
ですから、こういう欧米の、特に欧州の
金融不安が非常に
世界経済に厳しい影響を与えるだろうと思っております。
今いただいたんですけど、けさの日経平均、九千七百六円九十三銭、こういうことでありまして、三百二十三円落ちております。ですから、こういう
状況を踏まえて、これから
日本の景気、
財政運営をやっていかなきゃいけない。これはもう大変な問題であります。
そこで、このギリシャの
財政赤字は幾らかというと、一二・何%、累積債務でGDP比一一一%。
日本の場合は、
財政赤字が単
年度でマイナス八・三%、もちろん、累積債務は二〇〇%近い、こういう
状況であります。
日本の方が、少なくとも累積ではひどいわけであります。ですから、ギリシャの
状況を他人事としてほっておくわけにはいかない
状況になっているのではないかというふうに
思います。
そういうときに、先般、IMFのリプスキー筆頭副専務
理事が
日本の
財政について、
財政の安定性が確保されることが消費者や
企業に安心感を与え成長につながるから、したがって、
財政の安定性についてしっかりとした措置をとるべきだという
趣旨の
発言をいたしております。
ところが一方、現在の鳩山政権は、
消費税は四年間上げない、こう言っています。
消費税を上げずに、この大変な累積債務及び毎年生ずるであろう
財政赤字、これに対してどういう
財政運営をこれからやっていこうとしておられるのか、
財務大臣にまずこの点をお聞きしたいと
思います。