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野田(毅)
委員 きょうは、菅
大臣には特に、
金融商品の問題であるんですがおいでをいただきまして恐縮です。
その前に
亀井大臣、あなたほど、突撃力というのかしら、突進力というのが抜群な人はいないんだが、同時にまた破壊力も抜群な人もいないんでね。本当は、
金融担当大臣としてはどっちかというと、突進力よりは破壊力の方が大きいんじゃないかという心配をしておるのをまず申し上げておきたいと思うんです。
一応、きょうの
議題としては、
金融商品取引法等の一部を改正する
法律案ということがテーマになってはおるんですが、冒頭、概略だけ私の考え方なりを少し申し上げておきたいと思うんです。
残念ながら、私
ども日本は、
金融商品についての勉強が実におくれてしまった。どちらかというと、特に
海外が非常に早くから、現物と先物とをうまく組み合わせることによって、例えば株価が下落しても扱う業者はもうかるような仕組みを先に実は
欧米がやってきて、結果的に
日本が、証券会社がまだそこまで知恵が回らなかったがために、結果として全部吸い取られてしまったという苦い経験が、私自身がかつて宮沢
内閣で企画庁長官をしておりましたころに、あのバブル崩壊の直後に大変苦い思いをした。
そのころからいわゆる
金融工学という
言葉がはやり出して、先物から
デリバティブズ、いろいろな形に発展していったわけですが、当時の
日本の
金融界は、残念ながら、あの
不良債権処理ということに追われてフリーズしてしまった。国会における論戦も、
金融機関バッシングみたいなものがたくさんあったし、同時に、いろいろな不祥事もあって大蔵省バッシングも重なった。
そのいろいろな過程の中で、諸外国の
金融商品がさまざまな形で開発されている過程の中で、
日本の役人の皆さんが、どちらかというと、政策勉強にいそしむよりも、むしろ機構改革の中で、
金融監督庁をつくったり
金融庁をつくったり、そういう中に忙殺されてしまった。その結果、政策勉強は大変怠ってきたということを、私は、
自分の今まで関与してきた中で、残念ながら反省点の
一つだと思います。これは、
政治家が与党、野党を超えて、マスコミを含めて、世の中のバッシングがそういう形に向かった。
今もいろいろな形で、公務員
制度改革その他がいろいろあるわけですが、ややもすれば機構改革的な形で、政策勉強をしっかりさせるということが本来役人を善導していく大事な
視点なんだけれ
ども、その辺が少し組織いじり的な側面に傾いてしまうとまた同じ過ちをするんではないか、そんな心配をしています。
そこで、今回の、
金融商品取引についていろいろ
規制を
強化しようということですから、おおよそにおいてその
方向性は結構だと私は思います。
それは当然のことながら、
市場主義ですべてが正しいわけではないんです。
市場は必ずウイン・ウインではないわけで、得する人と損する人が必ず発生する。これは当たり前であって、イーブンな力関係というのはほとんどない。特に、
情報力の格差なり資金量の格差なり、あるいは、場合によっては国家的な権力が背景にあるとか、さまざまな形によって、理論どおりのマーケットはまずはない。
そういう中で
一つ見えるのは、
市場参加者が一般投資家からお金を集めてかわって運用するという場合に、その一般的な投資家からお金を集める際にきちんとした形でやっているかどうかという
意味での
規制をきちんとしなきゃいけない、これは当然のことだと思います。これは第一のジャンルですね。
それからいま
一つは、単に
市場に参加をしている当事者の損得だけならば問題は限定されるんだけれ
ども、その扱う
商品なりその
影響が、あるいは業界全体なり
産業界全体なり国全体にかかわってくるというようなものである場合には、そう簡単に放置するわけにいかない。これは、特に国債の
市場であったり、あるいはさまざまな証券
市場であっても、そういうことが言えるかもしれませんね。その場合に、どういうような形で
規制をしていくのか、あるいは
商品に対する
規制なのか携わる人に対する
規制なのか、さまざまなやり方があろうかと思います。
それからもう
一つ、最後は、最近非常に心配しているのは、いわゆる
CDSもそうなんですが、空売りと空買いが平気でできるという、空売り、空買い。つまり、最終的に
決済の責任を果たせないような形のままで
市場に介入をして、そして逃げていく。そのダメージが大きいときには大変な問題を起こすというのが、今回のリーマン・ブラザーズ初めさまざまな事件で発覚したわけです。そういう分類でいくと、今回の
金融商品規制に対して幾つかの
視点があると思うんですが、この辺は、
亀井大臣に聞くよりもむしろ
大塚さんかな、その辺少し、
大臣、答えますか。