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亀井国務大臣 山本委員から金融円滑法の効果が出ているのかどうかという御意見がございましたが、私は、あの法律を審議しておる最中から申し上げておりました。金繰りをよくしていくことだけでは中小零細
企業、商店のそうした現在の苦境から脱することにはならない、仕事を出していく、仕事が生まれてくる、またそれがもうかる形で出てくるという、マージャンに例えれば一気通貫でなければだめだということを、私は品がありませんからそういう例えをしておるわけでありますけれ
ども。
確かに、
金融機関もこの法律の趣旨を踏まえて体制もとっていただき、今までとは違った金融マターになっておることは私はほぼ間違いないと
思います。
金融機関がいわばコンサルタント的な機能を果たしてくれ、今からの金融監督検査はそういう視点でやるんだということを今徹底しておりますから、それをやらない場合は人事考課にまでこれを
影響してくれ、そこまで非常に突っ込んだことまでしております。
ただ、問題は、
委員御
指摘のように、残念ながら、もう新しい
資金を借りたいという意欲がなくなっちゃっているんですよ。借金も将来先延ばしするんなら、この際、倒産しちゃえ、店を閉じちゃえ、残念ながらそういう空気が今蔓延をしている。私は
日本経済にとってゆゆしき事態だろうと
思います。
今、インフレターゲットの問題もありましたけれ
ども、インフレターゲット、そういう数値
目標も大事でしょう。しかし、要は、三十五兆円以上の
需給ギャップが起きておる、この
状態を変えないことにはどうしようもない。私は
委員も恐らく賛成されると思うんですけれ
ども、余り精緻な数値を基本にしての
議論をやったって、しようがないとは言いませんけれ
ども、しようがないに近いんですよ。
アメリカは、御承知のように、
日本から官民二百兆円以上の金を借りて、中国からも百兆円も借りて、国内でも大変な
財政赤字を抱えている中で、七十兆円の緊急
財政出動をしたでしょう。その七〇%は公共事業ですよね。また、中国も、こうした百年に一度の
経済危機が
世界に襲ってきたときに、大胆な六十兆を超える
財政出動をやっちゃった。これもほとんど、
日本では評判の悪い公共事業ですよ。数値の面での細かい
議論をする前に、大局を踏まえて大胆なそうした対策を
世界はとっているんですよ。私は、
日本もそれをやるべきだということを言っておるんです。
私は、
日銀も今精いっぱいの
努力をしていると
思いますよ。しかし、
日銀の
金利政策、
金融政策だけで
デフレギャップを
解消できるか、私はやはり無理だと
思います。やはりそれは、
政府が
財政出動を含めて
需給ギャップを
解消していく
努力をしなければ、
日銀の責任だけで解決できる問題ではない。
今度、福祉
経済にうんと力を入れる、私はすばらしいと思うんです。私もおった党ですが、かつて自公はそういう面に必ずしも力を入れなかった。そういう面ではすばらしいと思うんだけれ
ども、一方では産業活動を活発化していく、富を生産していくという
努力を同時にやらなければ、福祉
経済だけで、
アメリカや中国がああいう手を打っているときに、本当に
日本経済は
デフレギャップから脱することができるかということになると、私は極めて疑問に思っております。まあ、党が違うから気楽なことを言っているのかもしれませんけれ
ども。
それと、私は、
政府が大胆な
財政出動をして、
日銀も協力できる点があると思うんですよ。だって、財源といったら、残念ながら今から
税収が三十七兆円を超えてどんどんふえるという見通しはないでしょう。では来年度、二十三年度予算はどうするかということ。財源としては何があるんですか。そうなると、
国債と、特別会計をどう切り込んでいくしかないんです。これは赤ちゃんが考えてもわかる話なんだ、まあ赤ちゃんは別として。
そうした場合、
国債についてどうするかという場合に、私は、
日銀が市中から買い入れをするということだけじゃなくて、直接
日銀が
国債を引き受けて財源をつくるということをやったらいいと思うんですよ。そういうことも今考えて
菅大臣に
思い切った財源を与えるということをしなければ、手足を縛って
需給ギャップの対策を
菅大臣にやれって、マジシャンじゃありませんから、そんなことできないんです。
そういう
意味では、
日銀もそうした、ただ
金利政策、
金融政策だけじゃなくて、
政府の財源についても責任を持って踏み込んでいく、ちょうどいらっしゃいますから申し上げるんだけれ
ども、それぐらいな覚悟をされないとこの危機から脱することはできないと私は思っております。ちょっと長くなりましたけれ
ども、そのように思っています。