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小野寺委員 自由民主党の
小野寺五典です。
きょうは質問の機会を与えていただきまして、大変ありがとうございます。
まず、今、
谷委員がお話をされた、湾奥で二メートルを超えるような場所もあったというお話がありました。それは、私の自宅の前でございます。目の前で、本当に
津波というのはこういうふうに上がってくるのかということを実体験いたしました。
そしてまた、実は漁業者の
皆様、沿岸をずっと私はこの後も何回か視察をしておりますが、
皆様から言われる言葉は、いや、大
津波警報を出してもらってよかったということです。これだけのことは来るということを
皆さん予測したので、実は、漁船を沖合にいち早く出すとか、あるいはさまざまな漁具を片づけるとか、今回は水門を閉めるとか、相当
備えのことができました。ですから、私ども地元の漁業者は、むしろ、これはオーバーではなくて、こういうことをしていただいたおかげで
最小限に食いとめられた、そういうことを言っております。
ただ、どうしても
避難、準備ができないものがございます。それは、湾や沿岸で
養殖している
養殖施設であります。この後、隣接する選挙区から選ばれている黄川田
委員も多分このことは質問されると思いますが、与野党問わず、この問題、ぜひ
実態を見ていただければ、知っていただければというふうに思っております。
きょうは、お
手元に
資料をお配りさせていただきました。これは、
津波が起きた翌日、
養殖施設がどうなったかということ、気仙沼湾の写真でございます。
ここで見られる
養殖施設というのは、ワカメであったり昆布であったり、それからカキであったりホタテであったり、何か、こうやって見ると、浮きの中でぐるぐる巻いている塊のように見えると思いますが、通常は、これは御案内のとおり、実は線状にずっと海の中でまばらに浮きが設置されて、そこで昆布やホタテが
養殖されている、そういう施設であります。
ですから、普通はこれは線状に、まばらに点、点、点としているのが
状況なんです。これが、波に洗われ、ぐるぐる回って、結果的に、何十人ものいかだが、
養殖施設がこうやって一つのだんご状になっている。ですから、これは手のつけようがないです。それから、どの人のどの施設かもわからない。それぞれの漁家、漁業者が、これを
災害復旧しろと言っても、もうどうしようもない、そういう
状況になります。
例えば、
養殖施設、カキのいかだという施設があります。はえ縄式で百メートルぐらい延ばしているんですが、その施設一台設置するのに百八十七万円かかります。通常、漁業者は五つから十この施設を設置するんですが、そうすると設備投資だけで一千万、二千万かかって、そして、その下にカキをつるして
養殖をしています。しかも、このカキの
養殖というのは二年から三年かかります。今回これだけの
被害を受けたということになりますと、この
方々の逸失された、損害というのは数年分にわたります。ですから、この瞬間だけではありません。
また、別な湾ですが、ギンザケや魚類の
養殖をしている場所もあります。そこは、生けすで囲まれたところで魚を
養殖しているものですから、大きな波が来ると魚が網ですれてしまいます。今現在は何となく元気になっているかもしれませんが、これから大きくなる時期に病気がさまざま
発生してきます。
ですから、この魚族の
被害、
養殖の
被害というのは、これからだんだん時間がたつにつれて大きくなってくる、そういうこともございます。この瞬間の
被害というだけではなくて、将来につながる
被害があるということをぜひお含みおきいただきたいと思います。
そして、これだけの漁具の
被害というのは、海に浮かんでいるからこの写真だけで見えますが、海の底に沈んでいるものもあります。これは、船舶の航行にこれから大変な問題もあります。
漁業者の
皆さんが自分たちの全く意図しないところでこのような
災害に遭うということ、私は、これはぜひ、激甚
災害なり天災融資法なり、こういうことの適用になるべきだと思いますが、
大臣にその見通しとお考えをお伺いしたいと思います。