○
金子(恭)
委員 自由
民主党の
金子恭之でございます。きょうは自民党から一時間たっぷりいただきまして、ありがたく思っております。
本当に
前原大臣にはお疲れのところでありますが、きょうは特に、
国土交通行政も非常に幅広いですよね、本当に
前原カラーを出されて、いろいろなところから反発を買いながらも御努力をされているところでありますが、我々自身も、これまでやっていた政策とかなり違う部分もありますので、その部分については率直に議論をさせていただければありがたいと思います。
特にきょうは、何をやろうかなと思ったんですけれども、高速道路にしようか、あるいは
日本航空の問題もありましたし、いろいろありますけれども、この前、八ツ場の問題でちょっと消化不良ぎみに終わりまして、私の地元の川辺の問題も出しておりませんでしたので、治水問題について、国民の安全、安心にとって一番重要な治水の問題について質疑をさせていただきたいと思います。きょうは、政府
委員もなしで、特に
国土交通省の中の河川局は陣頭指揮をとっておられて、まさに
大臣が政治主導でやっていらっしゃるということでございますので、ぜひよろしくお願いしたいと思います。
その前に、我が地元においては、独特といいますか、川辺のようにこれからつくろうとしているダム、それからもう
一つは、今ある既存のダムで、まだ貯水量が足りないものですから、渇水時に下流域の水が足りないということで、二メーターほどかさ上げをして
環境のために強化をしたダム、これは氷川ダムと申し上げますけれども、それともう
一つ、
大臣もよく御案内のとおりの荒瀬ダム、これは
日本で初めて撤去をするというダムでございます。
この荒瀬ダムにつきましては、大変知事も苦労されて、自分の言われたことを撤回されたりしながらこられたんですが、その
一つの要因となったのが、
選挙前あるいは
選挙後の政治家の発言、特に
民主党の幹部の
方々の発言というものが非常に大きくて、速やかに進めなきゃいけなかったところが、ひょっとしてうまくいくんじゃないかというような、少し甘い言葉がありまして、そのことがございましたものですから、そのことについてお聞きをしたいと思います。
荒瀬ダムにつきましては、昭和三十年にできた水力発電用の熊本県の企業局のダムでございまして、もう五十五年を経過しているところでございます。平成十四年に、今の蒲島知事の前の潮谷知事が、荒瀬ダムは撤去をしようということで撤去を表明されて、そして水利権も、撤去を前提にことしの三月三十一日までの七年間延長をいたしまして今日に至ったというか、途中まで来ていたわけであります。
おととしの四月に蒲島知事が誕生されて、そして、いろいろ考えていく中で、撤去をするとかえって財源的にもたないということで、撤去のための四条件、資金の確保、
財政的なものを確保しないと、撤去をすると県の
財政を圧迫してしまう、二つ目に、撤去による危険性の除去、それから撤去により失われる利便性の補てん、それから撤去工事の技術の確立という四条件が確保されるまでは存続をしていこうということで方針転換がなされて、ことしの三月に至ったわけでありますが、
先ほど申し上げましたように、その後、
民主党の役員、幹部、大幹部がこの荒瀬ダムにはお見えいただきまして、いろいろな発言をされているわけでございます。
今、鳩山総理の言葉の軽さとかあるいはぶれとか、そういうものが国民的に言われている状況の中で、
野党のときに言ったことが、与党になって
政権になったときに、あれは
野党のときのだという話はできませんし、鳩山総理の普天間の問題にしろ、公約じゃなくて代表としての発言だというふうに言われたわけでありますが、しかるべき公党の幹部が言ったということは、
地域住民においては非常に重く受けとめるわけですね。逆に言えば、それを過度に期待してしまう部分があった。蒲島知事も、多少その嫌いはあったと思います。
そこで、御紹介をさせていただきたいんですが、今の財務
大臣・副総理、菅財務
大臣が
民主党の代表代行だったころに、平成二十年の七月二十九日に荒瀬ダムを訪問されまして、そして、現場を視察して、次の日に蒲島知事とも会談をされておりまして、そのときにこういうことを言っていらっしゃいます。
ダム撤去に国の
財政支援がないことに関して、県営であっても、自然回復
事業という形である
程度負担するべきだというふうに考えている、可能性を具体化していきたいということを、これは新聞各社、報道されておりますので、間違いなくこのことは言われたわけであります。まさに今、財源を握っていらっしゃる財務
大臣をやっていらっしゃるという
意味でも、去年の九月に鳩山
政権が成立したときに、熊本県の
関係の
方々の期待が高まったというのは申すまでもないと思います。
そして、その後、九月に
政権交代をしたわけでありますが、
政権交代の後、
民主党の熊本県連の代表でございます松野信夫参議院議員が、平成二十一年の十一月十四日、去年の十一月に、川辺川ダム中止・荒瀬ダム撤去を実現する県民大集会というのに
出席をされました。そこで、与党になった途端に腰が引けているみたいなことで大分突き上げを食ったみたいで、その場で、荒瀬ダムについては、撤去という皆さんの思いをしっかり踏まえて、
政権与党として腰を引かずに取り組んでいくことを約束する、球磨川から八代海を含めた自然再生という一大プロジェクトとして取り組むというふうに言われたわけであります。
そのお二人の言葉もありますし、また、
政権交代が成って、まさに知事としても期待をされたんだろうと思います。ことしの三月に、荒瀬ダムの水利権が切れたわけですね。その前に、私がまだ副
大臣当時に、これはなかなか簡単に、水利権を更新するのは難しいですよ、かなり準備を進めていってくださいよというお話はしていたんですが、どうも
政権交代、特に
大臣と蒲島知事は昔から親しい間柄ということがあったものですから、きっとこのダム撤去について、
民主党政権である鳩山
政権が支援をしてくれるだろうというふうに思われて、ずずずずっと延びていったんですね。
そして、去年の十二月五日です。私も
出席をしましたが、年に二回、熊本県の幹部、知事と各部長、そしてこちらは、衆参の国
会議員、与
野党九名
出席をしたんですが、そこで知事から、これは松野参議院議員に向けてだったと思いますが、衆議院
選挙を通じて荒瀬ダム撤去への国民の期待感が高まっていると国の支援
制度創設を求めたわけです。
そうしたら、それに松野参議院議員が、この辺はどうも、
大臣と打ち合わせをされているというふうに本人は言われているんですが、川辺川ダム関連
予算で、要するに川辺川ダムを
建設中止にするための
予算で撤去のための費用とか技術の支援をするなど、熊本県の
負担を軽減する方法を政務三役、ですから
大臣を含めて副
大臣、政務官と詰めて協議をしておりますということを言われたわけであります。
そこで、すかさず知事も、協議をしているのはいいんだけれども、来年一月には水利権の更新を申請しなきゃいけないから、早くやってくれという話をされたんです。そうしたら、松野参議院議員は、
承知をしていると。そして、その後記者団に、まあ、そうは言っても、知事が荒瀬ダムの撤去をまず明確にしてくれないと動けないからということを言われたものですから、そこで知事もいろいろな形の中で、また
一つは、
大臣がことしの一月に言われましたよね、現行の水利権は許可権限では失効するということも言われた、撤去の資金については
社会資本整備総合交付金を活用してくれということも言われた。そういうことで、結局は水利権が更新できない以上は撤去を決めて、そして、二年間の水利権の延長もあきらめて、
あと二年後にこのダムを本格的に撤去するということを決められたわけです。
そのときに、今言われた政務三役と
民主党の熊本県連と詰めの話をされているということでみんな期待していたわけです。そのことについて、
大臣はお聞きになられたでしょうか。