○三ッ矢
委員 おはようございます。自由民主党の三ッ矢でございます。
朝から、
前原大臣、何かあくびをかみ殺しておられたので、ちょっと目の覚めるような質問をぜひさせていただきたいと思っています。
最初に、これは、いつも申し上げているので若干しつこいようですけれ
ども、一兆円もの
公的資金が投入されようとしている大問題ですね。また、透明性、衡平性あるいは国民的視野での解決が可能といううたい文句で
法的整理の道を選んだとの政府の
説明がございましたが、それとは全く逆で、これまでのこの
委員会でのこの問題に対する
審議のために必要な資料、また
参考人の
出席を再三にわたり要請してまいりましたが、資料は
提出されないし、
参考人についても、肝心の
企業再生支援機構と
日本航空からは
出席が得られていない。
これはこの前も申し上げましたが、
機構も
日本航空も、記者会見とかあるいは記者の取材にはいろいろなことをお話しになっている。そういうことを
考えますと、私は、これは国会軽視も甚だしいし、ひいては国民をばかにしているんじゃないかというふうに言わざるを得ないと思います。
このような
状況の中できょうの
集中審議を行うのは極めて不本意であり、遺憾だと言わざるを得ないということをまず最初に申し上げておきたいと思います。
さて、冒頭、
委員長から、先日の
委員会での
日本航空の
視察の件について報告をいただきました。早川
委員もおっしゃっていましたが、実は私も、
日本航空のあの場に出てこられた
経営陣の方から、
日本航空が今置かれている立場といいますか、それに対する危機感とか、あるいは何とかしなきゃいかぬという気迫といいましょうか、それは全く
感じられなかったですね。口では言うんですよ、言葉では。だけれ
ども、私
どもの質問に対する応答を聞いていても、心に迫ってくるものがない。私は、非常に残念なことだというふうに言わざるを得ないと思います。
機構がつくったとされている
再建計画、これは一月十九日の
時点で出ていたんだと思いますが、
事前調整型の
再建、こう言いながら、実際には何の
調整もできていない、私は大甘の
計画だというふうに思います。
多分、
日本航空の方は、
機構の皆さんは航空のことなんか何にもわかっていないから、
自分たちが
計画をつくってそれを出せばそのまま認めるだろう、そのままのむだろうというぐらいの気持ちなんですよ。私はそう思いますよ。あれはまさに、
日本航空がこれまで何回か
再建計画といいますか中期
経営計画といいますか、そういうものでやってきた、その
中身そのものなんですね、ほとんどが、あの
再建計画というのは。だから、詳しい精査といいますか、それはほとんどされていないんだと私は思います。
それから、政府もどうも一兆円も出してくれるし、先ほどから話が出ていますけれ
ども、安売り、バースデー割引、あるいは大盤振る舞いのマイレージキャンペーンをやって見かけの売り上げだけふやして、何とか
更生計画決定まで持ち込めば、あとは、新しい飛行機も買ってくれるわ、ひょっとしたら航空機燃料税や着陸料もまけてくれるんじゃないかというぐらいの気持ちでいると思います。
日本航空は、今までと何も変わらないし、永遠に不滅だと彼らは思っていると私は思います。おれたちはほかの会社とは違うんだ、昔ヘリコプターの会社をやっていた会社なんかと違うんだぞ、そういう気持ちなんですよ。それがあるから気迫が伝わってこないんですよ。
国交省も、日航がなくなったら困るんでしょうと。現に、国交省の役人でそう
考えている人もいると思いますよ。
自分たちの権限の源泉だと思っている人もいますから。航空会社の数は多い方がいいと思っている人もいると思いますよ。私は
違いますよ。だけれ
ども、そう思っている人はいるんですよ。
大臣も、日航は守りますと言っている。稲盛さんも人質にとっていますよ、こういうことなんですよ、彼らが思っているのは。
赤字の
原因も、余計な地方空港をたくさんつくって不採算の
路線を押しつけられたということで、行政や政治の
責任だと言わんばかりの論理を押しつけ、幸いこれに一部のマスコミや民主党の皆さんも乗っている。思うつぼなんですよ。これで会社の
経営責任を薄められると思っているんですよ。私はそう思いますよ。
それが全く
原因じゃないとは言いません。一部の
原因にはなっていると思いますが、それが大きな
原因ではないんです。そこのところの
認識を誤ると、私は、この問題は大きく間違ったことをやってしまうということになると思います。そこは十分留意をしていただきたいと思うんですね。
それから、
日本航空というのは、私に言わせると、薬物中毒のどら息子みたいなものですよ。生活に困りましたといって、じゃ、生活費の
支援をしてあげましょうと。それから、乗っている車も、古い大型のガソリンがぶ飲みの車だから、これはかわいそうだ、新しい省エネ型の車に買いかえてあげましょうと。今度こそ更生するんだ、立ち直るんだといって、場合によってはガソリン代とか駐車場の料金までまけてやろうか、こんなことをやっているのと同じですよ、これは。
しかし、こんなどら息子が更生した例というのは
一つもないですよ。本当にそうだと思いますよ。全くそのとおりのことをやろうとしているんです。
本来なら、親の助けをかりないで、
自分で立ち直って頑張ってやっていくんだ、それで、少しは世の中のために役に立つこともあるだろうからというので
支援、援助してやろうというのに、それにこたえているかということですよね。これまでとほとんど変わらない生活をしている、私の目にはそう映ります。
本当に更生させようと思ったら、まず薬物中毒を治さなきゃいけない、甘えを取り除かないといけない。その上で、これからおまえはこうやって生きていくんだよという示唆をしてあげる、道を示してあげる、それが親の役目というものだと思います。だから、ぜひ政府が、ここまで踏み込んだ以上は、私は、その親の役目をやってほしいと思うんです。
ここまで申し上げた上で、質問に入っていきたいと思います。
まず、
日本航空救済の必要性について伺いたいんです。
前原大臣は、十一月のこの
委員会で私は同じことを聞いたと思いますが、
JALが国際、国内ともに国民の足として重要な役割を果たしている、そういうことを挙げて、具体的なシェアとか数字も挙げられましたね。だから
日本航空を助けないといけないんだということを言われたんですが、私は、あのとき
大臣が引かれた数字、国際線、国内線におけるシェアだとか、それから
日本航空が運んでいるお客さんの数だとか、これはこれで事実なんですけれ
ども、だから残さないといけないんだというのは、
大臣、何でそんなところだけ役人の言うことを聞いちゃったんですか。役人がつくった資料をそのまま言っているんですよね。私はおかしいと思いますよ。
例えば、国際線
一つとっても、あれは
日本の航空会社の国際線のシェアを言われたんですよ。だから、外国のエアラインまで含めたら、日航のシェアというのは四分の一ぐらいですよ、二五%ぐらいですから。しかも、代替する
路線はいっぱいあるんです、便、サービスは。
だから、それは余り
理由にならないと私は思ったんですが、あのときおっしゃった
考えと今と、何もそこに
違いはないんでしょうか。まず、そこを伺いたいと思います。