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2010-05-20 第174回国会 衆議院 決算行政監視委員会第四分科会 第3号
公式Web版
会議録情報
0
平成
二十二年五月二十日(木曜日) 午後二時三十分
開議
出席分科員
主査
郡 和子君 大西 健介君 後藤
英友
君 三輪 信昭君
秋葉
賢也君
河井
克行
君
菅原
一秀
君
細田
博之
君
兼務
斉藤
鉄夫
君 ………………………………… 法務
大臣
千葉
景子君
国土交通大臣
前原
誠司君
環境
副
大臣
田島
一成君
厚生労働大臣政務官
足立 信也君
国土交通大臣政務官
三日月大造
君
会計検査院事務総局
第一
局長
鵜飼 誠君
会計検査院事務総局
第三
局長
斉藤
邦俊君
最高裁判所事務総局民事局長
兼
最高裁判所事務総局行政局長
林
道晴
君
政府参考人
(
消防庁次長
)
株丹
達也君
政府参考人
(
法務省刑事局長
) 西川
克行
君
政府参考人
(
法務省保護局長
) 坂井 文雄君
政府参考人
(
法務省人権擁護局長
) 石井 忠雄君
法務委員会専門員
生駒 守君
国土交通委員会専門員
石澤 和範君
決算行政監視委員会専門員
尾本 哲朗君
—————————————
分科員
の異動 五月二十日
辞任
補欠選任
二階
俊博
君
菅原
一秀
君
細田
博之
君
河井
克行
君 同日
辞任
補欠選任
河井
克行
君
細田
博之
君
菅原
一秀
君 二階
俊博
君 同日 第一
分科員斉藤鉄夫
君が本
分科兼務
となった。
—————————————
本日の
会議
に付した案件
平成
二十年度
一般会計歳入歳出決算
平成
二十年度
特別会計歳入歳出決算
平成
二十年度
国税収納金整理資金受払計算書
平成
二十年度
政府関係機関決算書
平成
二十年度
国有財産増減
及び現在額総
計算書
平成
二十年度
国有財産無償貸付状況
総
計算書
(
法務省
及び
国土交通省所管
) ————◇—————
秋葉賢也
1
○
秋葉
主査
代理 これより
決算行政監視委員会
第四
分科会
を開会いたします。
主査
が所用のため、その指名により、私が
主査
の職務を行います。
平成
二十年度
決算外
二件中、本日は、
国土交通省所管
及び
法務省所管
について
審査
を行います。 引き続き
国土交通省所管
について
審査
を行います。
質疑
の申し出がありますので、順次これを許します。
斉藤鉄夫
君。
斉藤鉄夫
2
○
斉藤
(鉄)
分科員
公明党の
斉藤鉄夫
でございます。 この
分科会
、一度水が入りましたけれども、きょうこういう形で
質問
をさせていただく
機会
を得ましたことに感謝申し上げます。 きょう私は
二つ
のテーマ、
一つ
は
自動車リサイクル
、そして後半は
成田高速鉄道
の
成田
への
開通
に伴う
運賃改定
につきまして
質問
をさせていただきます。 まず初めに
自動車
の問題ですけれども、
法定点検
というものがございます。一年
ごと
の
定期点検
とか二年
ごと
の
定期点検
、この二年
ごと
の
定期点検
は
車検
ということにつながっていくわけでございますけれども、この
定期点検実施率
が、自家用車の場合、四割
程度
しかないという
調査
結果がございます。
道路運送車両法
で自己の責任で行わなければならないとされている義務づけのある
点検
ですけれども、実際にそれが行われているのは過半数に達していないというのは大きな問題ではないかと
思い
ます。また、
整備
不良による
交通事故
の犠牲ということも
考え
ますと、やはりこれは何らかのことを
行政
としても
考え
なくてはならないと
思い
ます。
整備率向上策
が
効果
を上げていないと言われてもいたし方ないわけですけれども、このことに対しての
認識
をまずお伺いいたします。
前原誠司
3
○
前原国務大臣
今、
斉藤委員
から
お話
がございましたように、
定期点検整備実施率
、
平成
九年の
調査
が四一・六%、
平成
十三から十五年度の
調査
が四三・四%、
平成
二十年度の
調査
が四三・五%と、ほとんど
上昇
していないということでございまして、
法定点検
であるにもかかわらず四割
程度
しかないということは極めて不十分である、こういう
認識
を持っております。
斉藤鉄夫
4
○
斉藤
(鉄)
分科員
不十分である、こういう
大臣
の
認識
だということがわかりました。 法律によりますと、
自動車ユーザー
の自覚ということに
期待
をしているわけですけれども、不十分であるという
大臣
の御
認識
であれば、
日常点検
や一年
ごと
の
定期点検
を評価する工夫、システムを何か
考え
るとか、または、そういうことをきちんとやっている車に対しては
車検
時の
負担
を減らすなど
メリット
を還元するというようなことなど、目に見える
整備率向上対策
を講ずる必要があろうかと
思い
ますが、この点についてはいかがでしょうか。
前原誠司
5
○
前原国務大臣
整備率向上
のために
国土交通省
として行っておりますのが、
ユーザー
の
保守管理意識
の
向上
による
点検整備
の
実施促進
のための
運動
でございまして、これをしっかりとこれからも行っていくことが大事だというふうに思っております。 また、今
委員
が御
指摘
をされたように、評価する
仕組み
ということでありますが、若干難しいのは、これは
法定点検
ですのでやって
当たり
前ということですので、やったことを評価する
仕組み
というのはなかなか難しいというのが本音のところでございます。 したがって、やったことにおいてどういう
メリット
が生じているかということを、先ほど申し上げた
推進運動
の中でお示ししていくということが大事だと
思い
ます。
一つ
は、先ほど
委員
がおっしゃったように、
点検
をしなかったら
事故
の
危険性
が高まるとか、それから、
平成
二十一年度に行った
調査
においては
定期点検
の
整備
を実施したものは二%
程度
の
燃費改善効果
が
確認
をされた、それだけ
ランニングコスト
が安くなりますよ、こういうようなことも含めて、何かそれに対する直接の
メリット
ではなくて、受けることによって得られる安心とかあるいは
維持費
の
削減
とか、そういったものをしっかりと定着させていくことが大事かと思っております。
斉藤鉄夫
6
○
斉藤
(鉄)
分科員
罰則規定
がないということもございます。そのことともバランスをとりながら、
点検実施率上昇
に向けて、
問題意識
を持って取り組んでいただきたいと
思い
ます。 きょうは、
環境省
の
田島
副
大臣
に来ていただいております。
自動車リサイクル
についてお聞きをいたします。
資源
の乏しい
日本
にとって、
自動車リサイクル
による
使用済み資源
の確保というのは非常に重要な
課題
だと思っております。
国内循環
というのは大前提でございますけれども、
アジア
に目を向けて、特に
中国
などとの大きな枠内での
リサイクル技術
の提携、また、物の
循環
の
広域化
というようなことも取り組みとして必要なのではないかと思っております。
ハイブリッド車
や
電気自動車
、そこに
レアメタル
がたくさん使われるようなことになる、その
レアメタル
をしっかり確保しなきゃいけない。
都市鉱山
という
言葉
もありますけれども、今後、
アジア
全体を
考え
た
自動車
の
リサイクル
ということについての
認識
を伺います。
田島一成
7
○
田島
副
大臣
お答えを申し上げます。
委員
も御
指摘
をいただいておりますとおり、
我が国
の
資源
が少ないという事実を踏まえながら、まずはやはり
国内
での
資源循環
をしっかりと最大限有効
利用
していくことは何よりも優先すべき
課題
だろうというふうにも
認識
をしております。 御
指摘
をいただきましたように、今後、こうした
レアメタル
を多く所有する
中国
との
協力関係
は大変重要でございまして、もう
委員
もよく御
承知
のとおり、毎年、
局長クラス
の
政策対話
など、緊密な
連携
等々をとっているところでもございます。また、昨年六月に両国で合意をされました、神奈川県の川崎市と
中国
の瀋陽市との間での
エコタウン
に関する
協力
の
具体化
に向けまして、
環境省
としましては、ペットボトルや汚泥の
リサイクル事業
に関しての
実現可能性調査
を現在実施しているところでもありまして、また、今週末には
日中韓
の
環境大臣会合
が北海道の苫小牧で
開催
をされることとなっており、今まで以上に
連携
をしっかりと進めていくことが重要だと
考え
ております。
我が国
のすぐれた
技術
を生かしながら、
アジア各国
、特に
中国
との
協力関係
を戦略的に継続、そして強化をしていきたいと
考え
ているところでございます。
斉藤鉄夫
8
○
斉藤
(鉄)
分科員
自動車
の
リサイクル
ですけれども、
アメリカ
では、
リサイクル自動車部品
のシェアは
自動車
の
部品取引市場
の三〇%を超えている。
一つ一つ
の
部品
が三〇%以上の確率でまた使われるということなんですが、
日本
はこの
比率
が約三%にすぎない。ほとんど
リサイクル
されていないということだと
思い
ます。
循環型社会形成
のためにはこれを大幅に拡大する必要があるわけですけれども、統一された
品質基準
、
保証制度
をさらに拡大してこの
比率
を
上昇
させていく、これはCO2
削減
ということにもつながってまいりますけれども、
リサイクル率
を上げる方途などについてのお
考え
をお伺いします。
田島一成
9
○
田島
副
大臣
委員
が御
指摘
いただきましたとおり、
アメリカ
の
リサイクル
の率と比べてもまだまだおぼつかない
日本
の
現状
に、私も
大変心
を痛めている一人でもございます。
自動車
の
リサイクル部品
に係る
品質基準
を統一するであるとか、
保証制度
を拡大していくということにつきましては、今後
リサイクル制度
を高度化していく観点からも大変重要だと思っております。 ことし一月に中
環審
それから
産業構造審議会
において、
自動車リサイクル制度
の
施行状況
の評価・
検討
に関する
報告書
が取りまとめられたところでございますけれども、この中におきましても、
自動車リサイクル部品
については、
品質
・
保証基準
を共通化することなど、
利用促進
の
必要性
が
指摘
をされているところでございます。
委員
も御
承知
のことと
思い
ますけれども、全国の
販売グループ
が十ほどに分かれている。また、その分かれている表示や
保証期間
、
保証対象
、方法などもばらばらになっている
現実
等々を統一化していくことのハードルは大変高いというふうに思っておりますけれども、
委員
の御
指摘
も踏まえながら、経産省ときっちり
連携
をさせていただき、
自動車リサイクル部品
の
利用
が今後さらに進みますように、
関係業界
への
働きかけ等
もしっかりと進めていきたいと
考え
ているところでございます。
斉藤鉄夫
10
○
斉藤
(鉄)
分科員
一つ提案
があるんですけれども、国や自治体の
公用車
の
修理
にできるだけ
リサイクル部品
を使うというようなことで
率先
をするというのはいかがでしょうか。
田島一成
11
○
田島
副
大臣
公用車
の
修理
につきましては、そもそも
グリーン購入法
によりまして、
国等
の
機関
、
外郭団体等
もそうですけれども、
国等
の
機関
につきましては
リサイクル部品
を使用することというふうにされているところでありまして、これに基づきまして、
国等
においては
公用車
の
修理
の際には
リサイクル部品
を使用するように、もう既に取り組んでいるところでもございます。 地方自治体におきましては、
地方分権
という流れの中でなかなか難しい
部分
も正直ございますけれども、まずは
国等
が
率先
をして取り組んでいくことが何より重要だというふうに思っておりますので、
委員
御
指摘
のとおり、前向きに今後も取り組んでいきたいと
思い
ます。
斉藤鉄夫
12
○
斉藤
(鉄)
分科員
取り組み、よろしくお願いをいたします。
自動車関係
の
質問
はこれで終わりますので、もしよろしかったら、どうぞ御退席ください。 次に、
前原大臣
と
三日月政務官
に
質問
させていただきます。 今度、七月に、いわゆる
成田高速鉄道
が
開通
をいたします。三十分台で
都心
と
成田
をつなぐということで、ある
意味
では
成田
の
アクセス向上
ということで大変すばらしいことだと思っております。 それに関連しまして、今までは
都心
と
成田
は
JR
があり、また
京成本線
があったわけですけれども、遠くをぐるっと大回りをしていた。今回、
直線コース
に近い形で
成田
に
開通
をするということでございます。その真ん中に、これまで余り開発されていなかった
千葉ニュータウン
がございます。ここを走っております
北総線
という
電車
の
運賃
について
質問
をさせていただきたいと
思い
ます。 非常に複雑な問題なので、きょうは、ここが問題なのではないかという私の
問題意識
をある
意味
で一方的に述べさせていただいて、
大臣
と
大臣政務官
に
問題点
を把握していただきたいというのをきょうの
目的
にしておりまして、いつかまた、
国土交通委員
でもございますし、
国土交通委員会等
で
質問
させていただければと
思い
ます。 選挙区が
中国地方
なのになぜこの
質問
をするのかとお
思い
かもしれませんが、実は、
議員
になる前、
東京
で
サラリーマン
をやっておりまして、この
千葉ニュータウン
に住んでおりましたので、昔の
友人
がいかにそこで苦しんでいるかということを常にこちらに言いに来てくれておりますし、それから、私は、
前原大臣
ほどではありませんけれども
鉄道趣味
もございまして、一応、
時刻表検定
の五級を持っています。五級というのは、ある
意味
では恥ずかしいことですが。 そういうこともありまして、今回の
開通
に伴う
運賃改定
が、本当にこういうことが許されていいのかなという
問題意識
で
質問
させていただきたいと
思い
ます。 お手元に「図一
運賃
と
距離
の
関係
」という図が行っているかと
思い
ます。その
カーブ
です。これは、
横軸
が
距離
でございます。
縦軸
が
運賃
です。下の
直線部分
は、いわゆる遠回りで行っている……。 その前に、この
北総線
というのは極めて高い
運賃
だということ、これはもう既に御存じかと
思い
ます。
運賃
が
JR
やほかの私鉄に比べて大体二倍から三倍高い。特に高いのが
通学定期
で、これは四倍近い高さでございます。国と県が一緒になってこの
千葉ニュータウン開発
をやったわけですが、なかなか
入居
が進まないということもあって、このような高
運賃
になっている、こういうふうに
認識
しております。そのほかにも理由はありますけれども。
千葉ニュータウン
では、私が住んでいるころから、財布は落としてもいいけれども
定期
を落とすな、こう言われておりまして、
都心
に私も通っていたんですが、六カ月の
定期代
だけで二十五万円でございました、今も基本的には変わっていないわけですけれども。まず、それほど高い
運賃
だという
認識
をいただきたい。これが
一つ
。 それから、住んでいる
人たち
も、しかし
希望
がなかったわけではないんです。この
線路
が
成田
に
開通
すればそのときに安くなる、こういう
希望
を持って生きてきたわけですけれども、しかしながら、今回の
運賃改定
は五%の
値下げ
ということだけ
運輸審議会
からの結論があったということで、
地域
の皆さんは大変失望して、夢を失ったという
状況
でございます。 これはかなり深刻な感じで、みんな、私の友達も、昔の
サラリーマン時代
の
友人
も、とにかく、子供が
通学定期
を買い出すと、もう家計が耐えられなくなって町を捨てていくという人もたくさんおりました。しかし、
成田
に
開通
する契機にこれが安くなる、このような
期待
を持っていたわけですけれども、その
期待
が裏切られたというのが今の
現状
でございます。 先ほどの「図一
運賃
と
距離
の
関係
」ということですけれども、下の
直線
が
京成線
、
京成グループ
です。今、
成田
に行っている
京成線
の
運賃表
で、これは
距離
と
運賃
がある
意味
で
比例関係
といいましょうか、
直線
で結ばれております。最後、
京成成田
から
成田空港
に行くところだけちょっとジャンプをしておりますけれども、基本的にこのような、
距離
と
運賃
がいわゆるリニアな
関係
にある。 今回
運輸審議会
で認定された
運賃
が、その上にある
カーブ
でございます。これは
直線
になっておりません。ぐうっと上に膨らんだ形になっております。
最初
は非常に傾きが急です。つまり、
運賃
の高い
上昇率
といいましょうか、一キロメートル
当たり
、
運賃
が
上昇
する
割合
は近
距離
ほど大きい、だんだんそれが緩やかになってきて、最終的に
成田
まで乗り通すと、
京成本線
を通って
成田
に行く人とほぼ
同等
の
運賃
になる、こういう
カーブ
になっております。 これは何を
意味
しているかといいますと、
地域住民
から高い
運賃
を取るということを示しております。実際、これは
沿線利用者
の方が書いた図なのでと思って私も
確認
をしてみましたところ、
最初
の方は一キロメートル上がる
ごと
に六十六円ずつ
運賃
が上がっていくんですが、最終的には一キロメートル
当たり
六円の
上昇
。長
距離
乗れば逓減するというのはどこにもあります。しかし、これほど厳しい
長距離逓減
はない。
最初
は一キロメートル
当たり
六十六円なのが最終的には一キロメートル
当たり
その十分の一の六・六円。これは、乗り通す客を今までの料金と
同等
とするために、しかし、
運賃
だけは取りたいから、中
距離
のところをぐっと膨らませて
沿線
に住んでいる
住民
からたくさん取るという
構造
になっているわけで、これはおかしいのではないか、このように思っているわけですけれども、まず、
大臣
、この
カーブ
について率直にどのようにお
考え
になりますか。 〔
秋葉主査代理退席
、
主査着席
〕
前原誠司
13
○
前原国務大臣
京成
電鉄から
申請
のありました、今
委員
が御
指摘
をされた
成田空港線
の
上限運賃
は、
鉄道事業法
第十六条の第二項に規定する
認可基準
、つまり総収入が適正な原価に適正な利潤を加えたものを超えないものに基づいて、
運輸審議会
から、
認可基準
に適合するものと認められ、
申請
どおり
認可
することが適当である旨の答申を受けて
認可
を行ったものでございます。
鉄道事業者
の
運賃体系
は、それぞれの
路線
における他の
輸送機関
との
競争状況
、
輸送需要等
の
特性
により設定されているところでありまして、
大都市近郊
の
路線
においても、
運賃
の
上昇割合
が大きいもの、小さいもの、
遠距離逓減
の大きいもの、小さいものがございます。
斉藤鉄夫
14
○
斉藤
(鉄)
分科員
いや、もっとこの
カーブ
についての率直な感想を、これだけの
遠距離逓減
というのはほかに例がありません。十分の一になるわけです。その
目的
は、明らかに、乗り通す
京成
の客を確保するために、途中の
住民
の二倍、三倍する高い
運賃
でそれを支えているという
構造
なんですね、この
カーブ
は。それについて、率直にどのようにお
思い
になりますでしょうか。
前原誠司
15
○
前原国務大臣
よかったらこれは後でお渡しをいたしますが、
京成成田空港線
と他社との
運賃比較
ということで、これは
北総線
の
運賃値下げ
を実現する会の
資料
でございますが、これは我々
国土交通省
で用意したものであります。 一番上が
成田空港線
でありまして、確かにここの膨らみは大きいのであります。ただ、先ほど
委員
もおっしゃったように、長く乗られると、ほかの
鉄道会社
とクロスしてくるということになり、若干長く乗れば、それなりに
運賃
が
適正規模
に出てくる、こういうことであります。また、
東葉高速鉄道
、これも大体同じような
上昇カーブ
を示しておりまして、別に
成田空港線
だけがこういう
上昇カーブ
を示しているわけではない。 再度の御答弁になって恐縮でございますけれども、
鉄道事業者
の
運賃体系
というのは、それぞれの
路線
における他の
輸送機関
との
競争状況
や
輸送需要等
の
特性
によって設定されているところでございまして、我々としては、この
申請
を、
運輸審議会
において適当であるという旨の
認可
をしているところでございます。
斉藤鉄夫
16
○
斉藤
(鉄)
分科員
その
運賃カーブ
の
異常性
になかなか納得いただいていないようなので、またこのことについては
大臣
とゆっくり
お話
をさせていただきたいと
思い
ます。 ただ、本当に高い
運賃
を、つまり、乗り通す客についてはある
意味
では非常に安い
運賃設定
をして、しかし、その中間を膨らませて
住民
に非常に高い
負担
を強いているということだけはぜひ御理解をいただきたいと
思い
ます。 それから、それを解決するためには、やはり
京成
が直通で乗り通すわけですから、
線路使用料
をきちんと払わなくてはいけないんですが、その
線路使用料
、これは
国土交通省
の
資料
で知ったんですけれども、ここは細かく言うと四
区間
に分かれているんです。大きく分けて、
京成
の
子会社
が持っている、
北総
と
千葉ニュータウン鉄道
というのは
京成
の
子会社
です。
北総
については
京成
が五〇%、
千葉ニュータウン鉄道
については一〇〇%の株を
京成
が持っています。この
区間
が大体三十二キロで、払う
線路使用料
が年間十九億円。 ところが、今回
開通
する
成田高速鉄道アクセス
と
成田空港高速鉄道
というのがあるんですが、ここは
京成
の
支配下
にはないわけです。ここは十九キロ
メーター
に対して三十八億円、一キロ
メーター当たり
にしますと、
京成
が支配している
子会社
の
部分
については一キロメートル
当たり
五千八百万円なのに対して、そのほかのところに対しては一キロメートル
当たり
二億円、つまり三倍以上の
線路使用料
を払っているんです。 つまり、株式を五〇%以上持って、支配できる
子会社
のところには非常に安い
線路使用料
しか払わなくて、経営をある
意味
では困難にさせておいて、
地域住民
から高い
運賃
を取る
構造
を温存させたまま、そのほかの
線路
については三倍以上の
線路利用料
を払っている。これは、例えば、同じ
電車
が同じ
線路
を通っていくわけですから、一キロメートル
当たり
同じ
線路使用料
を払えば、
北総
の
高額運賃
の問題は一気に解決するわけでございます。 この
線路使用料
についても、これはどう
考え
ても理不尽だ。つまり、親会社が、支配できる
子会社
には非常に少ない額の
線路使用料
しか払わない、それで、その
地域
の
住民
から高い
運賃
を取る
構造
をとっておいて自分の利益を確保する、こういう
構造
としか
考え
られないと私は
思い
ます。 もう時間が来てしまいました。
千葉ニュータウン
というのはなぜこれまでこれほど高い
運賃
だったかというと、
入居
が思うように進まなかったわけです。
入居
を勧めたのは国と
千葉
県です。私も
千葉ニュータウン
に住みましたけれども、それは、将来大きな町ができてという、ある
意味
では
希望
を持って入った、国の
言葉
を信じて入った。しかし、今その
ニュータウン
が捨てられようとしているというのが
現実
ではないかと
思い
ます。 そういう中で、唯一の
希望
だった
開通
時の
運賃値下げ
が今回できなかったということで、大変多くの人が失望し、苦しんでいるということだけお伝えし、また次の
機会
にこの
質問
をさせていただきますので、どうかよろしくお願いいたします。 ありがとうございました。
郡和子
17
○
郡主査
これにて
斉藤鉄夫
さんの
質疑
は終了いたしました。 次に、
菅原一秀
さん。
菅原一秀
18
○
菅原分科員
貴重なお時間をちょうだいしました。身近な問題を大きく
二つ
、まず
一つ目
は、
東京外環
の問題についてお尋ねをしたいと
思い
ます。 私は
地元
が
東京練馬
でございまして、この
外環
の問題、まさに
地元
の問題としても大きな関心を持ってまいりました。また、今からちょうど十一年前、一九九九年、私は
東京都議会
の
議員
でございましたが、
石原都知事
がまさに三十年ぶりにこの
外環
問題に風穴をあけたということで、また翌年には、当時の
扇千景国交大臣
が現地を視察してくださいました。それから十一年、一九七〇年の
凍結
以来、まさに四十年という長い歴史を経て今日に至っているわけでございますが、最近、ここに来て、この
外環
の雲行きが非常に怪しくなった、あるいは不安を感じております。 そこで、きょうは
大臣
に改めて
確認
をしたい、こう思っているわけであります。 去年の四月の
国幹会議
の議を経て、当時の
金子大臣
が、五月には
整備計画
を決定したわけであります。また、その当時の
自公政権
において、
補正予算
においては、いわゆる
ミッシングリンク
の結合を図り、慢性的な渋滞の緩和や
環境
の
改善
を図るために九十五億の
予算
をつけたわけでありますけれども、その後
政権
が交代して、去年の十月には、この
補正予算
の
国交省関係
の
事業
の執行が見直しをされまして、約五億円残ったものの、ほとんど
凍結
をされてしまったわけであります。その一方で、十二月には、
事業
の
概要等
に関する
説明会
が各
地元
で
開催
をされたり、あるいは、ことしの一月には、測量や
地質調査
に入っているわけであります。ところが、二十二年度
予算
においては、当初、
検討
中という
状況
であったわけですけれども、直後に、経過措置として、直轄
事業
費として五十七・九億円計上されたわけであります。 これまでの議論にもございましたように、
外環
はまさにBバイC二・九、最も評価が高い道路でもあります。また、これは首都圏の経済、流通のみならず、
日本
全体にも大きな波及
効果
を及ぼす道路である、こう確信をいたしているわけでございます。 ここに来て、先般の四月十三日の高速
自動車
国道法の改正法案、これは
大臣
も党内でいろいろと御議論、御苦労があるのは
承知
をいたしております。しかし、
地元
の
住民
からしたり、あるいはこの
外環
に極めて
関係
を持つ者としては、まさにこうした国政の迷走、あるいはダッチロールによって、結局、特にこの道路にかかわっている方や
地域
の方は、いずれ売らなければいけない、移らなければいけない、そういう生活再建ということも含めると、言ってみれば、非常に翻弄されているという
現状
があると思うんです。 したがって、私は、今この時点において、この
外環
における全体スケジュール、ロードマップをぜひ
大臣
に明確に示していただきたい。これがまず冒頭の
質問
であります。
前原誠司
19
○
前原国務大臣
菅原
委員
にお答えをいたします。 昨年の四月二十七日の
国幹会議
で
東京外環
が正式に決定をされたわけでありまして、我々は野党でありましたけれども、
国幹会議
に民主党の
議員
も賛成をしておりますので、これについては、
政権
交代後も、当然ながら
国幹会議
で決めた
路線
については継承していく、こういうことで臨ませていただいております。 ただ、施行主体と施行方法、特に施行方法というのは、
委員
御
承知
のとおり、合併施行方式ということで、薄皮方式と言われるようなもので、責任の所在がなかなかわかりにくいということで、施行方式と施行主体の見直しをやってまいりまして、今回、利便増進
事業
を一部使って、この
東京外環
と名古屋二環、そして四車線化の六つのうち四つをやらせていただくということを決めたわけでございます。 もうこれは閣議決定をして、そして本
会議
で趣旨説明をし、
質疑
をしておりますので、私としては、内閣として閣議決定をして出した法案でございますので、できるだけ速やかに議論していただいて、そして成立を見る、そのことによって、
委員
の御懸念されているものは払拭されるのではないか、そういう
認識
をしております。
菅原一秀
20
○
菅原分科員
基本的なお
考え
はわかりましたが、国会が通常どおり閉会をすると、あと一カ月を切っています。四月十三日に出した法案がいまだにたなざらしになっている。これはやはり政治の不作為、あるいは政府の不作為、こう言われても仕方がない。この点は後で聞きます。 今
お話
があった施行方式について、我々は会社施行と直轄施行のいわゆる合併施行方式を用いてきたわけですけれども、今
大臣
から
お話
があったように、民主党
政権
においては会社施行方式でやる。確かに、お金の出入り等については
一つ
見えてくる
部分
はあろうかと
思い
ますが、民間企業に任せるわけですから、言ってみれば、ややもすると国の関与が薄れてしまう。どうしても
地元
の
住民
からすると、用地の取得やら、あるいは推進そのものに関して、今までであれば、
地域
PIですとか、都市計画の変更やら
事業
の進め方を
地元
住民
との話し合いをもとに進めてきたわけですけれども、施行ということに関しては民間企業でやるけれども、
行政
の関与が後退をしてしまいかねないということを
考え
ますときに、本当にこの
地元
住民
の声を
大臣
がどのように聞き、そしてまたこの
外環
をどう進めていくのか、この点を
確認
しておきたいと
思い
ます。
前原誠司
21
○
前原国務大臣
この
東京外環
、関越—東名は、首都圏三環状道路を形成して、首都圏の
都心
方向に集中する交通を適切に分散導入するとともに、交通渋滞の解消、沿道
環境
の
改善
等を図る上で重要な道路であると
認識
をしております。 国としては、これまで四百回を超える
地域住民
の方々との対話を行ってきておりますけれども、今後とも必要な
協力
はしっかり行ってまいりたい、こう
考え
ております。
菅原一秀
22
○
菅原分科員
ちょっと別の議論をいたしますが、四月九日の再検証結果におきましては、いわゆる利便増進
事業
を
利用
して有料道路として新たに
整備
するもの、この
一つ
にこの
外環
の関越から東名まで、それともう
一つ
は愛知県の名古屋環状の二号線、この二
区間
で最後というふうな表現をされているんですね。 ところが、
外環
は、東名までだけではなく、そこから以南、湾岸まで行かないと真の
意味
での環状線にならないわけであります。また、私の
地元
の練馬の大泉というところは、関越の出口であり
外環
の出口である、一日に数十万台の車がそこを行き来し、なおかつ八万台の車が出口から一般道、一般の住宅街を走って通過する、こういう極めて深刻な
状況
を三十年も四十年も続けてきたわけなんですね。 したがって、
都心
にこの
外環
を関越から延伸する、例えば高速十号線としての
地域
高規格道路、こういった道路も国の候補
路線
に本来位置づけられてきたわけですけれども、この二
区間
で終わりにしてしまうと、こういう
希望
が非常に薄れてしまう。この点、どのようにお
考え
ですか。
前原誠司
23
○
前原国務大臣
現行の料金水準のもとでは、新規
整備
に伴う収入増加分によってすべての
事業
費を償還できる道路はもう想定されていないということでございまして、つまりは、これからやる道路で有料道路として着工するのは最後だという
意味
で、それ以外については、新直轄などで必要な道路については行っていく。そういう
意味
で、有料道路としてやらないからほかはやらないんだということではないということは御理解をいただきたいと
思い
ます。
菅原一秀
24
○
菅原分科員
その辺、今の民主党
政権
あるいは党とのかかわりといいますか、お
考え
で示されている
現状
では、やはり有料道路で
整備
しないということであると、いささか心もとない、本当にできるんだろうかという懸念が残りますから、この辺はよくしんしゃくをしていただきたい、このことを申し上げておきたいと
思い
ます。 最後に、この
外環
の問題につきまして、もう一度、ここ数カ月のやりとりを
確認
してみたいと
思い
ます。 まず、四月の九日に国交省が再検証結果を発表したわけですけれども、今
お話
があった利便増進
事業
の対象を拡大して、割引の
部分
を財源として
外環
や高速道路の四車線化を実施できるように、そういうことの法律を出したわけですけれども、これはあくまでもこの法律が成立することが前提なわけですよね。ところが、あと一カ月で、この法律がどうなるかわからない。 この利便増進
事業
の見直しも、去年の十二月の民主党のいわゆる二十二年度
予算
重要要点にこたえたもので、これまで割引料金等に使っていた財源の残りの二兆六千億円のうち、一兆四千億円を高速道路の
整備
に充てるものという
考え
を示している。 ところが、四月の二十一日の小沢さんとの
お話
といいますか小沢さんの会見では、高速道路無料化と言っているのに料金が値上げされるのはおかしいと。これはマニフェストに書いてあるから
一つ
の論理ではあるけれども、党として、あるいは政府として決めたことをひっくり返すような記者会見をしているわけですね。
大臣
の言うことも、小沢さんの言うことも、聞いているとふむふむという感じがするんだけれども、一体これはどっちに行くんだという大きな懸念を国民は抱いているわけです。 国権の最高
機関
である国会での審議を経て、最終的には
大臣
が、国交省が判断をするということで、先般の本
会議
でこういう御説明があったわけなんですけれども、非常に二転三転して、
地元
の
住民
としては、
外環
の進捗
状況
、本当に不安を抱えて、またこの不安が大きく増幅をしている今の
現状
なんです。 私は、改めてここで申し上げたいのは、例えば、現在の計画案が変更されて利便増進
事業
を仮に
利用
できなくなったとしても、国でしっかりやるということをここで明言していただきたいんですよ。どうですか、
大臣
。
前原誠司
25
○
前原国務大臣
去年の四月の二十七日に
国幹会議
で決まったものでございますので、これはやらせていただくということであります。そして、もう閣議決定をして国会の審議を始めているものでございますので、速やかな審議をいただいて、そして予定どおり着手をしたいというのが私の
思い
であります。 いずれにしても、
国幹会議
で決まったものでございますので、これはやるということは御理解をいただきたいと
思い
ます。
菅原一秀
26
○
菅原分科員
今の御答弁をしっかり受けとめて、またこの問題は与野党を超えてぜひ進めていただきたい、進めていこう、こう思っております。 次に、身近な問題の
一つ
といたしまして、石油系の溶剤を使ったドライクリーニング店、あるいはドライクリーニング工場の問題についてお尋ねをしたいと
思い
ます。 この問題は、去年の七月そして十二月に、業界の大手二社に対して
行政
指導が入ったことに端を発するわけであります。
大臣
の
地元
も政務官の
地元
もそれぞれ、町中のクリーニング屋さんというのは、一生懸命仕事をして、朝から晩まで働いて、特に町のクリーニング屋さんというのは、お父さん、お母さん、そして息子、パート一人、二人、本当に零細で、懸命に家族で頑張っている姿が見受けられるわけであります。ところが、その町のクリーニング屋さんからすれば、とても、ある日突然、降ってわいたような難事が降りかかってきた。 そこで、私の今把握している全国のクリーニング店、三万八千軒、こう言われているわけですけれども、まず国交省にお尋ねをしたいのは、用途
地域
ごと
の立地数をお示しいただきたい。また、厚労省には、この石油系溶剤の
利用
の実態についてお示しをいただきたい。きょうは総務省消防庁にもおいでをいただいておりますけれども、石油系の溶剤あるいは引火性溶剤と言われる溶剤を用いたことが理由で発生した火災の件数、単年度で、わかる数字を示していただきたい。 以上、まず冒頭、お尋ねをしたいと
思い
ます。
三日月大造
27
○三日月
大臣政務官
お答えいたします。 まず、用途
地域
ごと
の立地
状況
ですけれども、厚生労働省が
平成
二十年度に実施した
調査
によりますと、全国のドライクリーニング溶剤を使用する施設は約三万施設となっております。 実は、これまで、引火性溶剤、これは石油系溶剤なんですけれども、これを用いるドライクリーニング工場の立地
状況
について
調査
を実施したことはなく、用途
地域
ごと
の立地
状況
についても把握をしていないというのが
現状
でございます。
足立信也
28
○足立
大臣政務官
今、
三日月政務官
からありましたもの、この
調査
は、二年に一回やっております。そして、二十年度のドライクリーニングにおける溶剤の使用管理
状況
に関する
調査
から申し上げます。三万百二施設でドライクリーニング溶剤を使用しておりますが、そのうち、引火性溶剤、つまり
委員
御
指摘
の石油系は、二万八千百六十三施設、全体の九三・六%です。
株丹達也
29
○
株丹
政府参考人
消防庁でございます。
平成
二十年の一年間の数字を申し上げます。クリーニング施設等で発生をいたしました火災の件数は、五十六件でございます。一
部分
は火災原因が不明なものはございますけれども、わかっておりますものの中で、クリーニング用の引火性の溶剤あるいは石油系の溶剤ということでございますけれども、これが着火物、つまり火災のもとになったものは四件でございます。
菅原一秀
30
○
菅原分科員
去年の七月と十二月に国が
行政
指導をしているわけですよ。なのに、今、私がお尋ねをした用途
地域
ごと
の数を把握していない、
調査
をしていない。このこと自体、やはりおかしいと思うんですね。 今、消防庁からお答えありましたように、その前に厚生労働省からお答えありましたように、約九三%がこの石油系溶剤を使っている。しかしながら、それが原因で起きた火災は四件というお答えでした。 一年間で火災というのは大体平均で三万件以上起きているわけでありますけれども、四件といえば、それは実数ですけれども、全体からすれば極めて少ないということもとらえられると思うんですね。一件ずつとらえると非常に大きいものがあります。しかし、だからどうこうという
お話
はあえて申し上げません。この実態を踏まえて、一件でも火災がない方が当然いいわけであります。 しかし、今
お話
をこれから進めてまいりますけれども、例えば、この溶剤というのは、今
お話
があった石油系、それから塩素系、弗素系と三つあるんですね。特に
アメリカ
、ドイツなんかは塩素系溶剤が主流であったわけですけれども、これは結局、土壌汚染につながって、
環境
被害やら健康被害が大きくて、かつ、弗素系に関してはオゾン層の破壊につながるという極めて大きなリスクが発生をしている。 したがって、結果的に、今
お話
があったように、石油系が九割を超えているという
現状
があって、しかも塩素系やら弗素系だと石油系の十倍ぐらい値段が高くて、とてもやっていけない、こういう
状況
で今日を迎えているわけであります。 そこで、ことしの一月の二十八日に、国交省の通達によりましてドライクリーニング業の全国実態
調査
を行ってきたわけでありますが、四月いっぱいぐらいで結果が把握できるのではないか、こう私は思っているんです。 いわば建築基準法における用途規制に関する違反かどうかという問題。あるいは、建築基準法の四十八条というのがありますね。この四十八条というのは一から十五までありまして、それぞれ、第一種低層住居専用
地域
から工業系等々含めて、この範囲においては例えばドライクリーニング店はやっちゃいかぬ、こういう規制があるんですが、実際問題、ただし書きが全部ついていまして、住宅でも、あるいは商業
地域
でも、ただし書きの中では経営できるということが担保されているんだと思うんですね。 今現在、この
調査
の最終的な
現状
はどうでしょうか。
三日月大造
31
○三日月
大臣政務官
昨年来、今
委員
御
指摘
のように、大手
事業
者において建築基準法違反が発覚したことを踏まえまして、引火性溶剤を用いるドライクリーニング工場について、全国の特定
行政
庁あてに、ことしの一月二十八日に実態
調査
の依頼を行いました。 四月十二日時点での特定
行政
庁からの
調査
報告について、現在、国交省において集計作業を行っているところではありますが、実態把握のため現地
調査
を必要とする場合が多く、また、ドライクリーニング溶剤を使用する施設が約三万と多いこともあって、いまだ
調査
中という施設が多い
状況
であります。 現在のところ、
調査
完了した施設が約二万二千であります。三万のうち二万二千の
調査
完了を済ませたところでありますが、このうち、違反が
確認
された施設が約一万、今
委員
が御
指摘
のあったただし書き許可を受けた施設が約百五十という
状況
でございます。
菅原一秀
32
○
菅原分科員
去年の七月と十二月に
行政
指導をして、ある
意味
ではもう一年近くたっている。一月から
調査
をしたけれども、約三カ月たって七割というのはややピッチが遅い、こういうふうに
思い
ます。 毎日、クリーニング屋さんの店主たちは本当に一生懸命頑張っているのに、降ってわいたようなこの災難といいましょうか難事に対して、非常に不安を抱えながら日々仕事をしているわけですよ。その中にあって、これは早く
調査
をして、きっちりとした方向性を示さなければいけない。 クリーニング業法というのがございます。これは厚労省が所管をしているわけですけれども、その五条の二の規定には、クリーニング所の開設に当たっては届け出を出して、いざ開所の際には都道府県知事の行う検査を受けて、そしてそれをクリアする。これが、言ってみれば建築基準法の立地規制違反ということになるんですけれども、この点は、今まで国交省はチェックをしてきたんでしょうか。
三日月大造
33
○三日月
大臣政務官
今
委員
御
指摘
のとおり、クリーニング業法に基づいて、クリーニング所を開設する際に都道府県知事に届け出が行われているということについては
承知
をしておりますが、その際、建築基準法上の立地規制の適合
状況
については
確認
しておりませんでした。 このため、今後、厚生労働省とも
連携
しながら、クリーニング業法に基づく届け出の際に、地方公共団体の保健部局から建築指導部局へ情報提供がなされるよう、ドライクリーニング工場の違法立地を防止するための、それこそ降ってわいたような突然のそういった知らせが行き、クリーニング業者の皆様方を困らせることがないような、必要な措置を
検討
してまいりたいというふうに
考え
ております。
菅原一秀
34
○
菅原分科員
非常に大事な答弁をされたと
思い
ます。また、デリケートな問題であります。クリーニング業法は厚労省、しかし、そこにかかわる建築基準法は国交省。したがって、これはもう我々若手
議員
でいえば、自民も民主もなく、やはりこういったことは、垣根を越える、縦割り
行政
の弊害をなくすということが最も肝要なことだと
思い
ます。 そういう
意味
においては、今の
現状
でいえば、政務官もお答えされたように、建物自体は合法だけれども石油系溶剤を使うと違法、しかし、そこは厚労省、保健所。しかし、チェックはされていない。では、クリーニング屋さんは、国交省なのか厚労省なのか、どっちの話を聞いてやればいいんだという、非常に苦悩がそこにあるわけだと思うんですね。 言ってみれば、この状態を放置してきた、自民党時代も責任はあると
思い
ます、しかしここ数カ月の間放置をして、問題が発生したら、溶剤をかえてくれ、さっき言ったように、石油系の十倍もする塩素だ、弗素だ。あるいは、機械を買いかえる。あるいは、溶剤をかえる場合には、今の機械だとゴムパッキンなんかが壊れちゃってとても対応できない。あるいは、その機械を買いかえるといったって一千万以上かかる。今使っているのが償却途中で、一生物の機械ですから、とても町中のクリーニング屋さんには買えるわけがない。 こんな
状況
の中で、やはり私は、問題は建築基準法、一九五〇年に施行されてから六十年間、ここの
部分
に関してはほとんど改正されていないんですね。一九五〇年というと、戦後間もなく、そのときに石油系の溶剤を使っていれば、当然火災のリスクも高かったし、懸念もあった。機械だって今のように開発されていないという
状況
のときの法律のまま、
平成
のこの時代になっても全く同じ法を定め、しかも、そのただし書きでふむふむふむと、お互いにクリアしていない
状況
。 先般、
前原大臣
は、二月の国交委で、立地規制違反については、建築基準法四十八条のただし書きによる例外許可の運用を策定して適切な運用が行われるようにすると答弁をしておりますけれども、まずは、この例外規定の追加を、あるいはその例外許可というものを早く行っていただきたい。これは
一つ
、対症療法。 あわせて、やはり今申し上げたように、今の機械や溶剤や、さまざまな新しいものが開発されて、極めて火災のリスクが低くなっている
状況
があるとするならば、逆に私は、建築基準法を変える、そういうことをしていかないと、本当に町のクリーニング屋さんが胸を張って仕事ができない。私は、公衆衛生という
部分
においては、クリーニング屋さんの仕事というのは国民生活にとっては本当に大事なことであり、そこの
環境
をしっかり担保していくことが大事だと
思い
ます。 法改正も含めて、対症療法と根治療法における
大臣
のお
考え
をお示しいただきたいと
思い
ます。
三日月大造
35
○三日月
大臣政務官
まず、対症療法と表現されましたけれども、今、私たち、引火性溶剤を用いるクリーニング工場に関するサブワーキンググループということで、建築基準法四十八条に基づく例外許可の運用方針の
検討
をさせていただいております。
委員
も御
承知
おきかもしれませんけれども、引火性溶剤の保管方法についてでありますとか、乾燥機等の爆発防止策、これは静電気モニターの設置、溶剤の冷却装置の設置等々、静電気が滞留しないようどのような措置をするのかということ、加えて、建築物の防火措置について、これは溶剤の保管場所と作業スペースの分離等々といった観点から、今
検討
をさせていただいているところであります。これらの対策を総合的に講じてまいるべく、これは六月末を目途に今
検討
をさせていただいているんですが、極力早く策定できるように取り組んでまいりたいというふうに思っています。
前原誠司
36
○
前原国務大臣
今、
三日月政務官
からお答えをいたしましたように、この四十八条に基づくただし書きの運用方針につきましては、引火性溶剤の保管方法、乾燥機等の爆発防止策、そして建築物の防火措置の三つの観点から、安全対策の
検討
を行っております。 実は、私も
地元
でクリーニング業界の顧問をしておりまして、こういう見直しを行うに
当たり
ましては、しっかりと、クリーニング
事業
者の営業の継続性、そして同時に市街地の安全性の確保、これを両立させるべく、スピード感を持って対策を詰めていきたい、こう
考え
ております。
菅原一秀
37
○
菅原分科員
まず、
お話
あったように、クリーニング屋さんがまじめに頑張っているその
環境
の担保ということ、あわせて、今、当然そこの周辺、仮にそこが住宅地であれば、周辺
住民
の安心、安全というものは確実に担保されなければいけない。 しかしながら、今の
現状
においては、結局、この先営業ができるんだろうか、仕事が続けられるんだろうか、こういう
状況
にさいなまれている、悩まされている
状況
の中で、今
お話
あったように、さまざまな対策を講ずる中にそれを担保しようとしていると
思い
ます。 問題は、運用方針の内容を今策定中、これは早くやっていただきたいと
思い
ますし、過度な基準を設けることによって結局真逆の方向に行くようなことがないようにしっかりお願いをしたいと思っておりますし、御答弁はありませんでしたけれども、これはもう建築基準法を現代の
状況
にマッチさせるぐらいのことをやらないと、とても問題の真の解決にはならないと
思い
ますから、双方含めて、今後ともしっかり
検討
をしていただきたいと
思い
ます。 終わります。
郡和子
38
○
郡主査
これにて
菅原一秀
さんの
質疑
は終了いたしました。 以上をもちまして
国土交通省所管
の
質疑
は終了いたしました。
—————————————
郡和子
39
○
郡主査
引き続き
法務省所管
について
審査
を行います。
質疑
の申し出がありますので、これを許します。
河井
克行
さん。
河井克行
40
○
河井
分科員
自由民主党の
河井
克行
です。 ちょうど一年前のきのう、司法
行政
にとって画期的なことが新しく始まりました。法務
大臣
、それが何なのか、改めておっしゃっていただきたいと存じます。
千葉景子
41
○
千葉
国務
大臣
裁判員制度が五月二十一日にスタートいたしております。
河井克行
42
○
河井
分科員
裁判員制度はもちろん去年のきのうから始まりましたが、それだけではありません。きょう私が
質問
を申し上げる項目であります検察
審査
会の新たな
仕組み
、いわゆる起訴議決の制度がやはり同じ日から施行されております。裁判員制度とこの検察
審査
会を含む刑事訴訟法の一部改正案は、
平成
十六年五月二十一日に参議院で可決し、国会として成立をいたしました。いわば国民の司法過程に対する参画をふやしていくということでありますので、どうか
大臣
、裁判員制度のことだけじゃなくて、検察
審査
会のこともお忘れなくお
考え
をいただきたいと存じます。 この検察
審査
会、直近でもいろいろな事柄が起こっております。小沢一郎民主党幹事長にまつわるさまざまな事件、それの
東京
第五検察
審査
会、
審査
員十一人全会一致で小沢氏の起訴相当が議決をされたちょうど次の日であります四月の二十八日ですけれども、報道によりますと、民主党の国会
議員
ら数十人が集まり、司法のあり方を検証・提言する
議員
連盟というものが結成をされた。 まず、このことにつきまして、事件のちょうど翌日、
大臣
はどのような所感をお持ちでしょうか。
千葉景子
43
○
千葉
国務
大臣
御
指摘
をいただきました検察
審査
会制度、これが新しく改正されまして施行されたこと、私も十分に
承知
をさせていただいております。 私も、この
審査
のときに、この法律の改正のときに議論に参加をさせていただいて、そして、裁判員制度とともに、国民が参画をする、司法を国民の本当に手のもとにということで、大変その趣旨に賛同いたしました。そして、賛成をいたしたこの制度でございます。これがこれから十分に機能していくようにと、私も
期待
をいたしてきたところでございます。 この検察
審査
会で
一つ
の議決が出た直後にいろいろな御意見が出ているということは私も
承知
をいたしておりますが、それ自体は、それぞれの
議員
の皆さんのいろいろなお
考え
方であろうというふうには思っております。 ただ、私は、この制度が今着実に定着をし、そしてまたよりよい制度に発展をしていく、成熟をしていくということをむしろ
期待
させていただいているところでございます。
河井克行
44
○
河井
分科員
四月三十日のこれは読売新聞だと
思い
ますが、見出しで「民主、検察審に「圧力」」ということがこの議連について報道されております。中では、議連の中核の方が、「国民感情で司法制度が大きく揺さぶられている。国民の感情で被告席に簡単につけていいのか」と述べたと報じられております。 私は、裁判員制度にしてもこの検察
審査
会にしましても、これはやはり、国民の司法参加によって、国民が持っている普通の日常感覚や常識というものをこの司法の過程に反映する、そして同時に、司法に対する国民の理解の増進や信頼の
向上
を図るというものでつくられたはずでありますけれども、その根本を否定するような発言がなされている。しかも、いろいろな
議員
がいろいろなことをおっしゃいますという、今御答弁にありましたけれども、ほかでもない、ある
意味
利害
関係
者、
政権
与党の最高実力者、そしてまたその
人たち
を囲むと言われているような
議員
がこの議連にも数多く参加をしている、そこで報道は「圧力」という表現を使ったんだと
思い
ます。 重ねて
大臣
にお尋ねいたします。こういう
政権
与党の動きというものについて、どのような所感をお持ちでしょうか。
千葉景子
45
○
千葉
国務
大臣
先ほど申し上げましたように、これは、国会でそれぞれの
議員
の方々が自主的ないろいろな御発言や活動をされているということでございますので、与党、野党ということではなくて、
議員
それぞれの独自な
考え
方あるいは御発言であろうというふうに
認識
をいたします。 ただ、今、検察
審査
会においても、それは私の直接の指揮するところではございませんけれども、検察等においても、こういういろいろな発言に左右されることなく、きちっとその趣旨と、そしてよって立つ議論の基礎を踏まえて適切な運営と判断がされているものと私は理解をいたしております。
河井克行
46
○
河井
分科員
私が一番心配しておりますのは、
一つ
の議連にすぎないということでありますけれども、その議連の意見がまた与党の中で集約されて、施行されたばかりの検察
審査
会の新しい
仕組み
、始まってまだ時間もたっていないのにすぐに改正、そういった機運につながっていくことを
一つ
は危惧いたしております。 もう
一つ
は、法改正に至らないまでも、この前は第一回の判断が示されたわけでありまして、検察
審査
員の人選がおよそ半分組みかえられて新しい顔ぶれになってから、そして二回目ということになっていくのだろうと言われておりますけれども、その過程で、個々の検察
審査
員に対しまして、私は、政治的な圧力が加えられることは断じてあってはいけない、それにつきまして、やはりしっかりと検察
審査
員をさまざまな圧力とか妨害から保護するための
仕組み
がなくてはいけない、そのように信じております。 その
意味
で、まず初めに、この検察
審査
会事務局が置かれております最高裁判所の方はお見えでございますか。林さんにお尋ねをいたしたいんですが、万が一被疑者等が、検察
審査
会が二回連続で起訴相当、そういう判断を示した場合、いわゆる強制起訴になってしまいますね、そういった判断について、損害賠償を刑事、民事両方起こされた場合、どうするのか。つまり、検察
審査
員一人一人が、そういうふうなおそれを抱きながら、果たして何者からの圧力や妨害に屈しないような合理的な判断、これを損なうような動きが政治的に断じてあってはいけないと私は信じているからこの
質問
をしているわけでありまして、お
考え
をお示しいただきたいと
思い
ます。
林道晴
47
○林最高裁判所長官代理者 ただいまの
議員
の御
指摘
、実際の事件につきまして、検察
審査
員個人が、今、刑事上という
お話
もありましたが、主に民事上の責任を問われるかどうかということの問題かと
思い
ます。 その点につきましては、個別の事件の
お話
になりますし、しかもそこで裁判所がどう判断をするかということにかかわりますので、私ども最高裁事務当局としては、回答を差し控えさせていただければと思っております。 なお、この点について取り急ぎ裁判例を調べたところでは、検察
審査
員個人が検察
審査
会の起訴議決に関して民事上責任を問われた裁判例というのは見
当たり
ませんでした。 また、国家賠償法一条一項、要するにこういう民事上の責任の根拠は国家賠償法になるわけですが、その裁判例では、検察
審査
員に限らず、公務員の個人責任の余地を否定するものが多数であると言われておりますということをつけ加えさせていただきます。
河井克行
48
○
河井
分科員
林さん、これまでなかったからこれからもないだろうということはないと思うんですね。やはり想定の中に、検察
審査
員、
現状
では
仕組み
として個人名などは特定されておりませんけれども、そういうふうなおそれが本当に未来永劫ないのかということについて私はやはり大変危惧を持っておりまして、よしんば訴訟しないまでも、訴訟するぞという一種の圧力、おどしによって自分たちの望ましい議決に変更を導いていくというふうなことは、私は可能性としてはあるだろうと思っております。いかがでしょうか。
林道晴
49
○林最高裁判所長官代理者
議員
の御
指摘
は、訴訟にならないまでも、そういうようなことが生じた場合どうするかという
お話
かと
思い
ますが、広い
意味
ではやはり訴訟にかかわることであり、またそういう
意味
で私が答弁の立場に立っているという
部分
がありますので、また仮定の話になりますので、事務当局としては、やはり回答することについては差し控えさせていただければと思っております。
河井克行
50
○
河井
分科員
今の点について、
法務省
の御見解をお尋ねします。
西川克行
51
○西川
政府参考人
委員
御案内のとおり、検察
審査
会の
審査
員に不当な圧力が加えられるというようなことはあってはならないというふうに
考え
ておりまして、法律上、これも御案内のとおりと
思い
ますけれども、さまざまな措置がとられております。 例えば、
会議
は非公開にする、あるいは検察
審査
員の身分事項それから
会議
の経過等は非公表ということになっておりますし、さらには
審査
員に対して威迫ないし不正な請託がなされた場合についてはそれは犯罪行為、こういう制度上の保障がなされておりますので、今後とも、検察
審査
会における
審査
員は、独立に自由な議論の場が保障されるということになろうというふうに
考え
ております。
河井克行
52
○
河井
分科員
もともとこの検察
審査
会の新しい
仕組み
については、刑事
局長
、御記憶ならお答えいただきたいんですが、自民、民主、公明、各党が賛成をしておりましたけれども、自民党と民主党、どちらがより積極的に改正派だったでしょうか。
西川克行
53
○西川
政府参考人
ただいまの会派が賛成であったということは記憶しておりますが、どこが積極的だったかということについてはちょっと記憶しておりません。
河井克行
54
○
河井
分科員
刑事
局長
のかわりに答弁しますと、どっちかというと民主党の方が積極的だったというふうに記憶をいたしております。それが、こういうふうな議決が出たからといって、急に制度そのものを変えようというのは明らかに私は御都合主義だということを
指摘
させていただき、同時に、ゆめゆめ一人一人の検察
審査
員に不当な政治的な圧力、そういったものがないように、やはり李下に冠を正さずというのが
政権
を担っている責任のある政党のするべきことである。それは
議員
連盟とか勉強会ということはそうかもしれませんけれども、党の正規な
機関
じゃないとはいっても、やはりそれだけ社会で注目をされている、危惧されているということは、
大臣
、しっかりと頭に刻んでいただきたいと
思い
ます。 それから、いつもいつも私は法務
委員
会で
大臣
にこの手の
質問
のときに申し上げているんですけれども、改めてお尋ねしますが、指揮権の発動、法務
大臣
としての職権に基づく指揮権の発動について、
大臣
の在任中、今まで自民党
政権
時代は、すべての
大臣
が、権能としては有しているけれども自分の任期中には一切行う意思もつもりもないという御答弁で定着しておりましたが、
千葉
大臣
のお答えを改めて伺いたいと
思い
ます。
千葉景子
55
○
千葉
国務
大臣
私も、一般的な権限として有しているということは
承知
をしておりますし、そう
考え
ております。 しかし、検察に不当な圧力になるような、そんなことを私が行使をするというつもりは全くございません。
河井克行
56
○
河井
分科員
特に今、いろいろな
意味
での利害
関係
者が
政権
与党の最高幹部の皆さん方のところにいらっしゃいますので、私は、
大臣
のこの
委員
会における答弁一言一言が
関係
者にとっては大変重とうございますので、明確に自分の任期中は
考え
ていないと御答弁をいただきたいなといつも
希望
いたしております。 続きまして、次の話題に移らせていただきます。 私が法務副
大臣
を務めておりました折に、
法務省
の
地域
の現場における仕事の多くは、実は有志の国民の皆様、志の高い皆様にお支えをいただいている。例えば、保護司でありますとか、人権擁護
委員
の皆さんでありますとか、篤志面接の先生方でありますとか、さまざまな宗教
関係
の方の働きでありますとか、本当にそれは頭の下がる
思い
をいつも抱いておりました。 そういう中、保護司の皆さんですとかあるいは人権擁護
委員
の皆さんから私が最近現場で聞いた意見なんですけれども、毎年毎年同じような、街頭でティッシュを配る活動あるいは学校に花を持っていく活動、もうそろそろマンネリだわねという意見を幾つか聞いております。具体的には、保護局の
関係
では社会を明るくする
運動
、それから人権擁護局の
関係
でいえば人権の花
運動
ということなんです。 まず、社会を明るくする
運動
。ここは決算
委員
会でありますから、ちょうどいい
機会
だと
思い
ますのでお尋ねをいたしますが、社会を明るくする
運動
の
関係
経費、幾らぐらいかかっているか。それから、これは保護司の皆さんも持ち出しをしているというふうに現場で聞いております。幾らぐらいなのかを含めてお答えください。
坂井文雄
57
○坂井
政府参考人
お答えいたします。 社会を明るくする
運動
の
関係
経費でございますが、これは犯罪予防活動の促進に必要な経費という中で見ますと、例えば
平成
二十一年度ですと五億八千八百万円ということになっております。これが犯罪予防活動の促進に必要な経費でございますが、その中で社会を明るくする
運動
の
関係
経費は、約千百万円というのが国費として支出されているということになろうかと
思い
ます。 それから、保護司さんの御
負担
の件でございますが、実は、社会を明るくする
運動
につきましては、中央が実施するものもございますが、多くは、それぞれの地方の実施
委員
会、今は推進
委員
会と言っておりますが、そこで推進していただいております。 したがいまして、地方で御
負担
していただいているということからしますと、例えば都道府県及びそれぞれの地区の推進
委員
会においては、これは
平成
十九年の数字でございますが、合計六億三千六百万円という数字を出させていただいているところでございます。その内訳でございますが、約四四・三%が保護司組織が
負担
をしているという金額になっております。
河井克行
58
○
河井
分科員
今初めて聞いた数字なんですが、では、
局長
さん、今、保護司は全国に何人いて、保護司の皆さんに実費弁償という形で幾ばくかのお金をお支払いしていますね、その金額、ざっくりとした一人
当たり
に渡っている金額を教えてください。 それから、今のお答えにあった、保護司組織が
負担
している金額をおっしゃいましたね、何%というのを。大体一人
当たり
幾らぐらい御
負担
をお願いしているか、教えてください。
坂井文雄
59
○坂井
政府参考人
お答えいたします。 保護司に対する実費弁償金の
予算
額で見ますと、保護司さん一人
当たり
につきましては約十二万円の
予算
ということになっております。 それから、今の社会を明るくする
運動
についての保護司会が
負担
した経費ということを保護司一人に割ってまいりますと、お一人
当たり
約五千八百円の御
負担
をしていただいている、こういう計算になります。
河井克行
60
○
河井
分科員
この社会を明るくする
運動
というのは、ことしで六十回を迎えるんですね。 それで、私が在任中も、もうマンネリじゃないかとか、趣旨がわかりにくいとか、名称も含めていろいろな
問題意識
を持っておりまして、名称の変更も含め、そして本当に毎年これをずっとやり続けてきて
効果
があるかどうかということは、ああ、やってよかったですね、やってよかったですねということが
効果
があるんじゃないんです。よくよく物事を
考え
て、ほかの違う
運動
とか活動に置きかえたとき、それと比較してどちらが
効果
があるか、それが限られた財政の、
資源
の発想を今しなきゃいけない点だというふうに私は思っているんですね。そういう面で、この社会を明るくする
運動
については変更するべきだ、
思い
切った見直しをやはりしなきゃいけないというふうに主張してまいりました。 今回、この
質問
をするに
当たり
まして
法務省
の方に来ていただきましたら、名称を変更しましたというふうに胸を張って言われたんですよ。ところが、名称は社会を明るくする
運動
と全然変わっていない。前の社会を明るくする
運動
を、「名称を「“社会を明るくする
運動
”〜犯罪や非行を防止し、立ち直りを支える
地域
のチカラ」に変更し、」という紙を持ってきたんですけれども、
局長
、これは変更と言いませんよ。これは副題をつけたというだけですよ。御答弁ください。
坂井文雄
61
○坂井
政府参考人
この名称の変更につきましては、当時の
河井
副
大臣
の御指示もあり、その後、公募をするということも含めて、これは私どもだけではなくて、この活動を実際にやっていただいている御
指摘
の保護司さん、保護司の組織の皆様方ともいろいろ御相談してやらせていただいたところでございます。 その結果としまして、御
指摘
のとおり、名称というのをやはり
考え
直した方がいいのではないかというようなことで、要するに公募をしてみようということで、社会を明るくする
運動
の強調月間であります昨年の七月に公募をさせていただきました。 その結果といたしまして、全部で二千八百九十八件の応募をちょうだいいたしたところでございます。さまざまな意見がございましたが、その中でやはり一番多かったのが、社会を明るくする
運動
という名称のままの方がいいのではないかというようなことがございました。 それ以外にもいろいろありましたが、しかし、これならいいだろうというようなものもなかなかないということで、そうすると、これは一般の有識者の皆さんの御意見を聞こうということで、有識者の皆様に集まっていただいて、いろいろ御議論をしていただいた。 その結果として、やはり社会を明るくする
運動
の名前自体を抜本的に変えるといういい名称がない、しかしながら、確かに社会を明るくする
運動
ではわかりにくいものがあるので、副題をつけてその趣旨を明確にしたらどうだろうかというような御意見をちょうだいし、その御意見に基づいて昨年の中央推進
委員
会にお諮りしたところ、そういうことでいいのではないかということで決定させていただいた、こういう経緯でございます。
河井克行
62
○
河井
分科員
今の
局長
さんの答弁を聞いて、本当によくわかりましたよ。やはりあなたたちは内々しか見ていないんですね。
大臣
、公募したけれども社会を明るくする
運動
が一番よかったという、一見もっともらしい答弁に聞こえるかもしれませんけれども、これは政党でいえば、参議院選挙の候補者、公認候補を決めるのに党員でしか投票していないみたいなものなんですよ。やはり一番大事なのは、国民の意見、その
地域
の無党派層も含めたたくさんの皆さん方の意見を聞かなきゃいけない。だから、
最初
から変えようという意識がないからこういうふうなことに陥ってしまう。 同じようなことは、人権の花
運動
もあるんです。これも、年に数日、小学校、中学校をずっと回って、花を持って歩いていただいている。人権擁護
局長
、人権擁護
委員
さんというのは
地域
の名士ですよ。さっきの保護司さんも
地域
の名士です。本当にとうとい、頭が下がるさまざまな活動をしていただいている。 去年もやったからことしもやっていく。
質問
をすれば必ず、いや、こういうふうな
効果
がありました、
目的
がありましたと言うけれども、本当にそれで、少なくとも今、民主党の皆さんは、政治主導と言っているし、今までの自民党
政権
の悪弊を打ち破ろうというふうに選挙戦でも言っていらっしゃる。そうであるならば、やはりちゃんと見直すところは見直していかなくちゃいけない。そのためには、内々の意見を聞くだけじゃない、例えば社会を明るくする
運動
だったら、社会を明るくする
運動
はどういう
運動
か知っていますかと国民に聞いていただきたいわけですよ。それは
運動
家の中の
人たち
にとってはもう知っている話かもしれないけれども、じゃ、新橋を歩いている
人たち
がどの
程度
知っているのか、そういった
問題意識
を強く抱いておりまして、
大臣
に、その辺はしっかりとやはり政治としての指導性を発揮していただきたい。 この人権の花
運動
、せっかく人権擁護
局長
さんがお見えでございますので、何かおっしゃりたいことがあったら言ってください。お願いします。
石井忠雄
63
○石井
政府参考人
委員
の御
指摘
でございますが、人権の花
運動
は、人権擁護
委員
の皆様の御
協力
をいただきまして、主として小学校が中心でございますが、児童の皆様と一緒に花をつくる、その過程で
委員
の皆様と子供さんたちが触れ合う、でき上がった花を老人ホームあるいは養護施設、そういうところにお届けして、またそこの方々と触れ合うというふうな形で活動を広げているところでございます。 この活動は、
地域
の市町村の方々、それから法務局、人権擁護
委員
の皆さん、こういう方々で企画していただいて、いろいろな意見を取り込んで進めているところでございます。そういう
意味
で、各地で独自のいろいろな試みが現在されているところでございます。 ここ数年、参加校も、それから参加人数も少しずつふえているところでございまして、できればそういういろいろなアイデアを
地域
ごと
に踏まえていただきまして私どもとしては活発な活動にしていただきたい、こういうふうに
考え
ているところでございます。
河井克行
64
○
河井
分科員
マンネリになっているから今
質問
をさせていただいているのでありまして、なぜ私の耳にそういう意見が入ってくるかということなんですよ。私がちょっと聞いただけで、それだけの御意見がやってくる。 これらの方々は本当にすばらしい皆さん方ですから、ことしも七月一日がやってきましたよとかというふうに
最初
から言うんじゃなくて、全くゼロから、じゃ、子供たちに人権擁護の意識を持ってもらうためにはどうすればいいか、さっきの、再犯防止、更生の援助をするためにはどうしたらいいかということを、それは正直言って、保護観察所の職員さんよりもはるかに保護司の先生方の方が現場の意見を知っていますよ。私もそのように実感いたしました。 だから、ぜひ
大臣
、去年もやった、十年前もやっているからやるというのでは、これはやはり政治じゃない、もっとしっかり物を
考え
ていただいて、何が一番限られたお金の中で
効果
的か、そういう使い方をしていただきたい。その
二つ
の具体的な例をきょうは申し上げました。所感があればおっしゃってください。
千葉景子
65
○
千葉
国務
大臣
御
指摘
をいただきました、そしてまた当時
河井
副
大臣
としてさまざまな御提起をされてこられていることも、私も、報告をいただき、
承知
をいたしております。 子供たちやあるいは社会の中に人権尊重という
考え
方を十分に生かしていくためには、人権擁護
委員
の皆さんの活動のみならず、やはり社会の一人一人がそういう意識を醸成していくということが大事だというふうに
思い
ます。この人権擁護
委員
の皆さんの活動には、私も本当に心から頭が下がる、そして敬意を表する次第でございますけれども、それぞれの皆さんの知恵、そういうものをより一層生かしていくことというのは私も大事だというふうに
認識
をいたしております。 それから、保護司の皆さんの活動、これも本当に頭の下がる
思い
がいたします。再犯の防止、そして安心できる社会づくり、これも、
地域
の皆さん、いろいろな皆さんと一体となって行わなければいけません。特に、今
課題
になっておりますのは、就労の
機会
をしっかりとつくっていく、これが大きな
効果
をもたらすということも
指摘
をされておりますので、そういう
意味
では、この
運動
の中心も、例えば就労を支援する、こういうようなことが明確になるようないろいろな工夫をしていかなければいけないというふうに
思い
ます。 そして、そういう実情を十分に知っておられる皆さんから、どういう
運動
がいいのか、こういうことも積極的に御提起をいただきながら、やはりマンネリになることなく、しっかりと、新しい、本当に
効果
がある、そして多くの皆さんに知っていただく、こういう
運動
にぜひ私もしていきたいものだというふうに
考え
ております。
河井克行
66
○
河井
分科員
時間が参りましたので終わりますけれども、今のやりとりを聞いていて、三年前と同じやりとりなんですね。 ぜひ
大臣
、政治主導を掲げていらっしゃるんだったら、しっかりと目を光らせて、やはりどうしても役人というのは変えたくないですから、そういう本性を、いい悪いは別として、持っているわけですから、しっかりとしたリーダーシップを発揮していただいて、本当に国民の理解がふえるような、そういう法務
行政
を行っていただきたい。 終わります。
郡和子
67
○
郡主査
これにて
河井
克行
さんの
質疑
は終了いたしました。 以上をもちまして
法務省所管
の
質疑
は終了いたしました。 これにて本
分科会
の
審査
はすべて終了いたしました。 この際、一言ごあいさつ申し上げます。
分科員
各位の御
協力
によりまして、本
分科会
の議事を無事終了することができました。ここに厚く御礼を申し上げます。 これにて散会いたします。 午後四時四分散会