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近藤(三)
委員 二〇一三年までというふうに総理、閣僚がよくおっしゃいますので、二〇一三年まで一体どれぐらいの量になるのか。このパネルにありますように、京都議定書以降、
産業界を
中心とした必死の省エネの
努力にもかかわらず、一九九〇年から二十年間で六%を
削減するということすらままならない。確定値が出ています二〇〇七年、これはごらんのように十三億七千百万トンも出していますから、プラス八・八%増加しているというのが
現状です。
そのような
現状の中で、仮に百歩譲って現政権の最長任期二〇一三年までに一九九〇年の
排出量まで
削減できたとします。
削減できたとして、二〇二〇年まで残された七年間で毎年何%
削減しなくてはならないかという数字をこちらに出しております。計算したんですけれども、毎年四%ずつ
削減しないといけないということなんです。
中期目標の問題は、現政権の後も二〇二〇年まで引き続き取り組まなければならない継続性が求められる、場当たり的な政策であってはならないと思います。
先ほどの仮定でも、
民主党政権からバトンタッチする政権は、国際公約の達成のために年率四%の
削減が必要だということになると思います。そのために、
経済政策の縛りをかけ、国民に達成のための金銭的な大きな負担を求めなければならないということになります。
世界各国の背中を押すという美名のもとに、みずから政権を担う可能性のある前半の四年間についてはなかなか
削減量の方が明らかに出てこないというのが今の政権ではないでしょうか。子ども手当の後づけ等の負担と同じだと思うんですが、非常にこの数値が法外な目標値であるということをまず
認識していただきたいと思います。
この数字、二五%の数字の内訳というものをまず御理解いただきたいという
気持ちでこのパネルをつくりました。
続いて、各国の限界
削減費用による目標値の比較をパネルにまとめました。これは、四月二十一日の
経済産業委員会の
審議でもこのパネルを示させていただきました。
地球環境産業
技術研究機構、RITEが分析したグラフです。
各国がこれまでに示している中期目標を達成するためには、
CO2を一トン
削減するのにどれほどの費用を必要としているのか、すなわち限界
削減費用を示したグラフですが、鳩山政権が打ち出している二五%だけが、つまり
日本だけが突出して限界
削減費用が高い。四百七十六ドル、
日本円にして約四万円となっています。EUを見ていただきますと、二〇%
削減を目標としているんですね。この限界
削減費用は、真ん中の方にあります四十八ドル、
日本円にしますと四千五百円にしかなりません。EUは最大三〇%
削減を行う用意があるとしていますので、仮に三〇%
削減に目標を引き上げたとしましても、限界
削減費用は百三十五ドル、
日本円で一万一千円です。つまり、
日本の二五%
削減の方がEUの三〇%
削減より、
削減目標を達成するためにかかる必要な費用、コストが高いということです。つまり、
削減率の大小でそのためにかかる費用の大小をはかれないということです。
さて、今回自民党が対案として
提出している低
炭素社会づくり推進基本法案の中期目標である二〇〇五年比一五%
削減を見ていただきますと、こちらは百五十一ドルです。この図にありますように、EUが最大の
努力をして三〇%
削減を行うとしてもそれにかかるコストは百三十五ドルですから、自民党の一五%
削減の方が限界
削減費用が上回っているということがこのグラフからもおわかりいただけると思います。
このことから見ましても、自民党の目標である二〇〇五年比一五%
削減は、既に国際的に見て意欲的な目標であると
考えております。鳩山政権が打ち出している二五%
削減は、EUの目標と比べても突出しており、
削減費用で見れば四倍から十倍にもなります。このように突出した目標では、国富が流出することになると私は
考えております。
RITEの
CO2の限界
削減費用の分析結果は、OECDの報告書を初め、国際研究機関におけるそれぞれのモデルの比較においてもよく利用されている信頼性の高い分析結果というふうに私は
考えておりますが、公平かつ実効性が
確保された
地球温暖化の防止のための国際的枠組みの
構築は大変重要です。その際、限界
削減費用は、公平性をはかる上で重要な尺度だと私は
考えております。
そこでお聞きしたいのですが、
小沢大臣は、限界
削減費用の国際的な認知は十分に得られていない、このようによく御
答弁しておられます。私は、
政府が最終的に各国の
削減量を評価する際には、限界
削減費用は三条件の
一つ、公平性の評価尺度になると
考えております。この点において、
環境大臣も私と同じ見解をお持ちなのか、簡潔にお答えいただきたい。
また、この限界
削減費用の
考え方は、公明党の斉藤先生が
環境大臣であられたときに、当時の
政府が対外的な
説明に役立ててきた分析手法です。今後の
CO2
削減の各国比較についても役立つ分析手法と公明党も
考えておられるのか、
答弁をお願いいたします。
環境大臣そして公明党
答弁者の順でお答えください。