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島田智哉子君 今の御
答弁にございますように、およそ八割のケースについては
大臣の認定が受けられ、救済の対象となっておりますが、およそ二割のケースでは否認という決定によりまして救済の
制度の対象となっていない
方々もいらっしゃいます。
大臣が認定するに当たりましては、その審査が必要なことは十分に理解をいたしております。しかし、仮に否認する場合には、親御さんに十分な説明をし、また場合によっては主治医の
意見もお聴きするとか、親御さんに御納得いただけるように最大限の配慮が必要だと思うんですが、現状の行政対応には全くそのような配慮がなされていないんです。
と申しますのも、この
制度の過程につきましては個人情報を理由に全く公開されていないものですから、たとえ問題があったとしましても外に出ないものですから、結果として、当事者の方だけで苦しんでいる
方々が決して少なくございません。
実は、そうした
状況の中で本当に苦しんでいらっしゃる親御さんから御相談をいただきまして、すべての資料を御提供いただきまして、私なりに
調査も進めてまいりました。この親御さんの苦しみは、単に認定か否認か、その結果そのものだけではございませんで、
制度上に相当な問題があるのではないかと感じております。
この子供さんについては、今から六年前に、生後八か月のときにポリオの予防接種を受けまして、その後、その赤ちゃんに大変な健康障害が発生をいたしました。ただ、この時点では、御両親は、ワクチンとの関係についても、もちろん救済
制度についても御存じなかったということでございます。
ところが、これは国が出している平成十五年度の、お手元に資料をお配りさせていただいておりますけれども、感染症流行予測
調査報告書というものなんですが、実はこの中にポリオ根絶
委員会の報告としてこの赤ちゃんの事例が記述されておりまして、ワクチン由来の麻痺の可能性は否定できないと書かれております。
この記述を受けまして、予防接種した市町村の方から申請を促されて御両親は申請手続を行ったわけなんですが、先週、私はポリオ根絶
委員会の
委員長にお会いいたしまして、この記述が
委員会としての御見解であることを直接伺ってまいりました。ところが、この申請から厚労省の審査会の決定まで二年も掛かった上、その審査会では認めないと判断され、救済策を受けることができていない事例です。
もちろん、その是非についてここで申し上げることはございません。しかし、その後の対応が余りにも配慮がないと申しましょうか、誠意が見られない、機械的で事務的な対応がなされています。
そして、資料の二にございます、当時の
厚生労働大臣よりその否認という決定の通知でございます。御覧ください。たった三行の文書です。たった三行の文書による通知なんです。プライバシーの関係でペーパーによる資料提示にさせていただきましたけれども、国の重要な報告書の中で、ワクチン由来麻痺の可能性は否定できないと書かれたことによって救済
制度の申請をなされた御両親には余りにも過酷な対応がなされていると言わざるを得ない、そんな
思いを持ちました。
しかも、御両親は、またその大変な御苦労の中、審査会の議事録の
情報公開を求めましても、資料三にございますように、ほとんど黒塗りの内容でしか公開されないんです。これでは到底御納得できないでしょうし、御両親の苦しみが和らぐような行政対応には程遠い現状がございます。
このポリオ根絶
委員会、また
厚生労働審議会、いずれも重要な国の機関でありますが、その御判断に違いが出ると。御両親はもちろんのこと、私も理解、納得ができなかったのですが、長妻
大臣の御所感をお聞かせください。