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2009-11-06 第173回国会 参議院 予算委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成二十一年十一月六日(金曜日)    午前九時三分開会     ─────────────    委員の異動  十一月五日     辞任         補欠選任      尾立 源幸君     行田 邦子君      櫻井  充君     中谷 智司君      蓮   舫君     川合 孝典君      山本 一太君     脇  雅史君  十一月六日     辞任         補欠選任      行田 邦子君     米長 晴信君      自見庄三郎君     森田  高君      芝  博一君     徳永 久志君      中谷 智司君     姫井由美子君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         簗瀬  進君     理 事                 大島九州男君                 辻  泰弘君                 平野 達男君                 藤末 健三君                 牧山ひろえ君                 川口 順子君                 西田 昌司君                 舛添 要一君                 荒木 清寛君     委 員                 植松恵美子君                 梅村  聡君                 川合 孝典君                 喜納 昌吉君                 小林 正夫君                 行田 邦子君                 今野  東君                 自見庄三郎君                 芝  博一君                 下田 敦子君                 鈴木 陽悦君                 谷岡 郁子君                 徳永 久志君                 中谷 智司君                 姫井由美子君                 円 より子君                 森田  高君                 山根 隆治君                 吉川 沙織君                 米長 晴信君                 荒井 広幸君                 泉  信也君                 加納 時男君                 木村  仁君                 小泉 昭男君                 佐藤 正久君                 世耕 弘成君                 西島 英利君                 橋本 聖子君                 牧野たかお君                 森 まさこ君                 若林 正俊君                 脇  雅史君                 加藤 修一君                 草川 昭三君                 澤  雄二君                 大門実紀史君                 近藤 正道君    国務大臣        内閣総理大臣   鳩山由紀夫君        国務大臣        (内閣特命担        当大臣経済財        政政策科学技        術政策))    菅  直人君        総務大臣        国務大臣        (内閣特命担        当大臣地域主        権推進))    原口 一博君        法務大臣     千葉 景子君        外務大臣     岡田 克也君        財務大臣     藤井 裕久君        文部科学大臣   川端 達夫君        厚生労働大臣   長妻  昭君        農林水産大臣   赤松 広隆君        経済産業大臣   直嶋 正行君        国土交通大臣        国務大臣        (内閣特命担        当大臣沖縄及        び北方対策、防        災))      前原 誠司君        環境大臣     小沢 鋭仁君        防衛大臣     北澤 俊美君        国務大臣        (内閣官房長官) 平野 博文君        国務大臣        (国家公安委員        会委員長)    中井  洽君        国務大臣        (内閣特命担        当大臣(金融)        )        亀井 静香君        国務大臣        (内閣特命担        当大臣消費者        及び食品安全、        少子化対策、男        女共同参画))  福島みずほ君        国務大臣        (内閣特命担        当大臣行政刷        新))      仙谷 由人君    内閣官房長官        内閣官房長官  松井 孝治君    副大臣        内閣府副大臣   大塚 耕平君        外務大臣    福山 哲郎君        財務大臣    峰崎 直樹君        厚生労働大臣  細川 律夫君        厚生労働大臣  長浜 博行君        農林水産大臣  山田 正彦君        農林水産大臣  郡司  彰君        経済産業大臣  増子 輝彦君        環境大臣    田島 一成君        防衛大臣    榛葉賀津也君    大臣政務官        厚生労働大臣政        務官       山井 和則君        厚生労働大臣政        務官       足立 信也君        農林水産大臣政        務官       舟山 康江君        国土交通大臣政        務官       長安  豊君        国土交通大臣政        務官       三日月大造君        国土交通大臣政        務官       藤本 祐司君        防衛大臣政務官  楠田 大蔵君        防衛大臣政務官  長島 昭久君    政府特別補佐人        内閣法制局長官  宮崎 礼壹君    事務局側        常任委員会専門        員        藤川 哲史君    政府参考人        総務省自治行政        局選挙部長    田口 尚文君        外務省中東アフ        リカ局長     鈴木 敏郎君        外務省経済局長  鈴木 庸一君        国税庁次長    岡本 佳郎君    参考人        日本銀行総裁  山口 廣秀君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○政府参考人出席要求に関する件 ○参考人出席要求に関する件 ○予算執行状況に関する調査     ─────────────
  2. 簗瀬進

    委員長簗瀬進君) ただいまから予算委員会を開会いたします。  政府参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  予算執行状況に関する調査のため、必要に応じ政府参考人出席を求めることとし、その手続につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 簗瀬進

    委員長簗瀬進君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。     ─────────────
  4. 簗瀬進

    委員長簗瀬進君) 参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  予算執行状況に関する調査のため、本日の委員会日本銀行総裁山口廣秀君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 簗瀬進

    委員長簗瀬進君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  6. 簗瀬進

    委員長簗瀬進君) 予算執行状況に関する調査についての理事会決定事項について御報告をいたします。  本日及び来る九日の質疑総括質疑方式で行い、質疑割当て時間は三百三十五分とし、各会派への割当て時間は、民主党・新緑風会・国民新日本百四十一分、自由民主党改革クラブ百四十分、公明党三十四分、日本共産党十分、社会民主党護憲連合十分とすること、質疑順位につきましてはお手元の質疑通告表のとおりでございます。     ─────────────
  7. 簗瀬進

    委員長簗瀬進君) それでは、予算執行状況に関する調査を議題といたします。  これより質疑を行います。舛添要一君。
  8. 舛添要一

    舛添要一君 皆さん、おはようございます。自由民主党舛添要一でございます。  今日は参議院予算委員会が始まります。まず総理に、総理就任本当におめでとうございますということを申し上げたいと思います。  二十年前になりますか、我々、北海道を基盤にしていろんな議論をしてきた。そして、そのときは、もう今、残念ですけれども、中川昭一君もああいう形で急逝された。鳩山総理中川昭一、それから鈴木宗男さんもおられたと思います。ああいう北海道の仲間と議論をしたことを懐かしく思い出しますし、その後、鳩山総理が、この自民党政治では駄目だと、何とか日本政治改革したいということで、こういう形でさきがけをつくったんだというような話も親しく室蘭で議論したことを思い出します。  そういう意味で、同じ世代の総理、そして一緒にこの政治改革しようという熱意、私はしばらく外におりまして、国会に参ったのはずっと遅れてでありますけれども、二十年を経て、総理がこういう形で日本リーダーになって新しい国づくりをやるんだと、そういう状況になられたということを本当に心からお喜び申し上げたいと思いますので、まず最初に、新しい日本リーダーになると、そして新しい国づくりをやるんだと、そういう御決意のほどを、二十年前のその初心というか、それと変わりないかどうか、そこをまずおっしゃっていただければと思います。
  9. 鳩山由紀夫

    内閣総理大臣鳩山由紀夫君) 舛添委員から二十年ほど前のお話をいただきました。当時、やはり自民党の中におりながら、しかし新しい政治を起こさなきゃならないと、その思いでお互いに、まだ舛添委員議員になられる前でありましたけれども、北海道の未来のために頑張りたいと、そのような決意を述べられたときもございました。  この国を何とかしなければならないと、このままではいけないと。やっぱりそのためには政治自らが改革の志を持たなければならない、その思いは当時も持ち合わせておりましたし、今も持ち合わせておるつもりでおりますし、またこれからも持ち合わせておかなければならない、私あるいは政治家にとっての原点のようなものだと、そのように考えております。
  10. 舛添要一

    舛添要一君 是非、その原点を忘れずに、国民の期待に沿う政治をやっていただきたいと思います。  そういう中で、私は、今日は是非参議院らしい議論をしたいというふうに思っておりますので、是非閣僚皆さん方も真摯なお答えを賜りたいと思います。  私の問題意識は、やはりこれは政権交代がある政治をつくるんだと。つまり、仮に民主党政権がいろんな問題を起こせば、じゃ、その不満をどこに持っていけばいいのかと、どういうふうにして国を導くのかと、そういうときに、もう一つないし複数の政党がきちんと控えていると、そういうことが必要だと思いますので、権力の作法というのはどうあるべきなのか、民主主義のルールというのはどうあるべきなのか。  そして、私は、少なくとも、野党のときに民主党さん始め、ほかの、福島さんもおられますけれども、こういう意地悪をされたから自民党はそのしっぺ返しをするんだと、そういうことはやりたくないと思っています。ですから、この参議院の議院の運営についても、民主党理事さんたちとも御協力して、例えば意地悪して質問通告しないと、そういうことじゃなくて、きちんと質問通告をして、そして議論の中身で勝負をすると、そういう形でやりたいというふうに思っておりますので、是非参議院らしい良識の府としての議論をやりたいというふうに思っております。  そこで、総理にお尋ねしたいのは、せっかくこれだけの国民の信任を得て、そして改革をしたい。私も閣僚だったときに、これはやっぱり自民党を変えないといけないなという思いがたくさんありまして、今でもあります。ですから、これは自民党再生のために今努力をしているところですが、やはり政治信頼を取り戻さないといけない。  私どもの最大のこの敗因というのは、政治信頼を損ねた、それが大きな理由だと思います。ですから、是非その轍を踏まないでいただきたいと。そのために、これはもう何度も衆議院でも御議論ありましたけど、是非総理には政治と金の話でもっと国民説明していただけないかなと思うんです。  というのは、小泉総理のときに、これは五年続きました。亀井大臣含めて、いろんな郵政含めての御議論あったと思いますが、長期に政権が続いた一つ理由は、あの小泉さんというのはお金の問題でほとんど問題なかったように私は記憶しております。ところが、細川政権の場合は、これはみんなが期待して政権交代が起こった。ところが、わずかの期間でついえてしまった。これは、お金の問題で足をすくわれたような記憶をしております。  ですから、いい改革をやるためには、やはりその御自分政治と金の話というのを、既に議論出ています、それからもう検察司法捜査が入っていますから限界はありますが、やはりこれ、マニフェスト見てもそういうふうなこと見ても、政治不信を解消するということを何度もおっしゃっています。  それから、先般の、共同通信でしたか、世論調査、十一月二日付けで出ていますが、これちょっと読んでみますね。こういう問いがあります。鳩山由紀夫首相は、自分政治資金管理団体収支報告書の虚偽の記載があったことを認めた上で、元のお金自身資金で、不正なものはないとしています、架空の個人献金記載は元公設秘書が行ったことと説明しています、あなたはこの説明について納得できますか、納得できませんかで、納得できるという人が二二・二%、納得できないという方が六八・〇%、分からない、無回答が九・八%。  つまり、六八というのは、七割の国民がそういう御意見だということは、これはやはり総理説明しないと、せっかく今おっしゃった、原点変わっていないんだと、改革なさるということですから、その改革に傷が付かないためにも、是非こういう機会に、またそして、私は場合によっては、検察捜査に支障がない形で、例えば記者会見でも開かれて、これはこういうことなんだと説明できる限りきちんとおやりになった方がいい。そういうことで鳩山総理改革原点が損なわれるというのは大変残念に思いますが、いかがでございますか。
  11. 鳩山由紀夫

    内閣総理大臣鳩山由紀夫君) 舛添委員にお答え申し上げたいと存じます。  この問題に関しましては、衆議院においても国民皆様方おわびを申し上げたところでございますが、この良識の府の参議院におきましても、まずは私自身政治資金の問題で、自分自身政治と金の問題に関して最もクリーンでなければならない、そのように誓っておった私自身がこのような問題を起こしてしまったことを本当に申し訳なく思って、心からおわびを申し上げたいと思います。  私も、この問題に関してできる限り国民皆様方に真実を知っていただきたいと、その思いはございます。そして、その思いは、この六月三十日の時点で知り得る、私自身の知り得る情報を集めまして、そのことに関してはお話を申し上げたつもりでございます。すなわち、元いわゆる会計実務担当者が、私自身の資産でありますお金を様々、一つは六幸商会というところにある私の個人の口座であります、そこに、私の個人に使うお金も含めてでありますが、友愛政経懇話会部分に関しても、その都度引き出して使っていたというのも事実であります。それを私は、この長年の友であるような秘書でありましただけに完全に信頼をしておりまして、適正に処理がなされていたものだと、そのように判断をしておりました。しかし、現実はそうではなかったと。偽装献金ということが行われていたということは本当に恥じ入るばかりであります。  私は、別にここで逃げるつもりも全くありません。自分自身の知り得る情報に関して申し上げているところであります。ただ、その後に関しまして、今まさに舛添委員お話しされましたように、検察、私自身当事者という身になって告発もいただいている状況でございます。したがいまして、その状況で私がなし得るすべてに関しては、できる限り私のこの資金に関するすべての情報というものを検察の方に提供いたしまして、全容を解明をしていただきたいと思っています。  私は、この事件が起きてから、残念ながらというか、当然かもしれませんが、弁護士に調査をするようにということにいたしまして、それ以後、私自身がその元公設秘書に対して一切連絡を取ってはならない、むしろ、そのことをすれば怪しまれるばかりだと、当事者なんだからという話で……(発言する者あり)そうではないんです。一切連絡を取らずに、だから公平公正に……(発言する者あり)
  12. 簗瀬進

    委員長簗瀬進君) 御静粛に。
  13. 鳩山由紀夫

    内閣総理大臣鳩山由紀夫君) この東京地検判断をしていただきたいという思い情報をすべて提供しているところでございます。そこで私は公平公正な判断がなされるものだと、そのように信じておりますので、今はそこに身を任せているという状況でございますので、御理解を願えればと思います。
  14. 舛添要一

    舛添要一君 司法の場の判断司法の場でありますから、それにある判断が下されれば、不満であればこれは控訴するというようなことは当然あり得ると思います。ただ、私が申し上げたのは、こういう六八%の人が納得いかないという以上は、やはり説明責任をもっと果たされることをお考えになったらいかがかということと、やはりどうしても道義的責任ということは付きまとうと思います。  それで、会計責任者であれ秘書であれ、やはり我々政治家本人に掛かってくる話でありますから、そこのところを、説明責任道義的責任、これをどういうふうにお考えになっているか、そしてそれをまたどういうふうにお果たしになるのか、ちょっとお考えをお聞かせ願いたいと思います。
  15. 鳩山由紀夫

    内閣総理大臣鳩山由紀夫君) 道義的責任という話がありました。法的な責任に関しては、言うまでもありません、司法にゆだねたいと思います。道義的な責任、それは当然、このようなことを事務所が起こしてしまった以上、私はあろうかと思っております。そのことに関してどのようにして責任を果たすかと、いろいろ、これはきれい事ではありません、いろいろと自分自身考えております。  ただ、同時に、このような問題に関して更に申し上げれば、このことを事実として、多くの国民皆さん、しかし必ずしも十分に説明が果たされてないねというようなことを理解していただきながら、しかしやはり政権交代に向けて頑張れと、民主党に対して大きな支援もいただいたことも事実です。いろんな責任の果たし方があろうかと思いますが、まずは私自身としては、国民皆様方政権交代をそのような状況であったとしても果たせなきゃならぬぞと、その思いを今果たしている以上……(発言する者あり)いや、すり替えではありません。その任を果たすことも責任一つだと、そのように考えております。(発言する者あり)
  16. 簗瀬進

    委員長簗瀬進君) 御静粛に。
  17. 舛添要一

    舛添要一君 次に、統治の方法、民主主義という問題についてちょっと触れたいと思います。  確かに、政権交代のダイナミズム、これで自公政権のときに、特に自民党政権のときに大きな改革ができなかったことを新しい政権でやる、これは当然それでやればいいんです。ただ、私は、総理民主主義とは何かと、いろんな定義がありますが、私は端的に言うと民主主義手続だと思っています。この考え方はどう思われますか。
  18. 鳩山由紀夫

    内閣総理大臣鳩山由紀夫君) 民主主義に対するお尋ねがございました。  当然、言うまでもありませんが、民主主義国民皆様方思いをこのような代議制の中で果たしていくという状況でございます。それだけに、その代議制の中で民主主義手続というものは大変重要なものがあると、そのように認識しております。
  19. 舛添要一

    舛添要一君 私は、手続が大事じゃなくて手続そのもの民主主義だと、そういうふうに思っております。  非常に衆議院議論を聞いておりましても気になるのは、政治主導という言葉です。政治主導とおっしゃるときに脱官僚だということでおっしゃる、これはよく分かります。しかし、政治主導ということが手続の無視ということになれば、日本の根幹の民主主義が壊されてしまうことになります。  そこで、日本国憲法、これは総理日本国憲法試案を出されているぐらいで、当然国会議員としては皆さんこれ知っておかないといけない。その中で、「第七章 財政」という章がわざわざ取ってありまして、これは財政民主主義、当たり前のことです。第八十三条、「国の財政を処理する権限は、国会議決に基いて、これを行使しなければならない。」、これは租税租税法律主義、今申し上げたことは憲法学では財政民主主義というふうに申し上げますけれども、私は、国権の最高機関国会である、このことは間違いない。そして、財政についての決定国会議決を経なければならない。  そうしますと、補正予算、二十一年度組みました。これは、そのときの政府というのは、武力革命やって権力取ったわけじゃありません。今の民主党政権も正統なる日本国憲法に基づいて成立した民主的な政権であります。あのときの麻生内閣もそういう政権であって、そこで、しかもその国会法律が決まった、予算が決まったこと、これを変えるならば、この日本国憲法体制の下においては、新たなる補正予算を組んで二十一年度の私たちが作った補正を変えないといけないのではないでしょうか。
  20. 鳩山由紀夫

    内閣総理大臣鳩山由紀夫君) 先ほど民主主義の中で手続が大事だと私が申し上げたら、手続こそが民主主義だとおっしゃった。私は、その気持ちも分かりますが、しかし一方で、手続が形骸化し過ぎてきたのではないかと。形の上で民主的な手続だといいながら、現実政治主導ではなくて官僚皆様方政策判断を、そして意思決定をゆだね過ぎたんじゃないかと、そこの部分を、より政治家が自らの汗を流して最終的な責任も取ろうじゃないかというような発想に変えていくのが新政権だと、そのようにまず御理解をいただきたいと思います。  それから、私が申し上げたいのは、この補正予算の話でございますが、補正予算、確かに補正予算自体国会でお決めになったわけであります。それから、いわゆる総選挙があった、選挙によって国民皆様方が新しい政権を選ばれた、これも厳粛な事実であります。その中で我々が主張していた、やはり予算の在り方も必ずしも適正ではないんじゃないかと、使い方に無駄があるんじゃないかと、そのような思いの下で執行の停止というものを行った。行政には、国会予算を組むのは当然、通すのは当然でありますが、行政においては執行というものを一部見直すことはできます。当然そのことは、毎年、行政執行見直し行政における執行見直しは毎年自民党政権においても行われていたわけでありまして、それは最終的な段階の中で、最終的にですよ、例えば年度末に補正予算のような形でそこを修正をして、それを国会で認めていただく、そのプロセスは私たちは取りたいと思っています。
  21. 舛添要一

    舛添要一君 総理思いはよく分かります。しかし、大きな改革をやるときにはある程度のダイナミズムが必要ですから、若干それは無理かなというようなこともあるかもしれないし、私の今日の質問は、皆さん今試行錯誤を続けられておる、だから多少の混乱はあると思います。それは、だれが政権取ろうと、だれが大臣になろうと、最初はそれは皆さん混乱はあり得るわけですから。ただ、民主主義というのはダムの一つに穴が空いたら決壊するんです。ですから、私が今日、冒頭申し上げたのは、政権交代のルール、権力の作法をきちんとしましょうよと。今度、民主党政権が一生懸命、正式なルールで、正式な手続をもって作った法律予算があって、それを今度、我々野党が政権取ったときに今までの手続を踏襲しないでこれが改革なんだからというようにやったら、やっぱり民主主義というのは危ういものになって独裁に道を開くことになりかねません。それを心配しているんです。  ですから、そこのところの財政民主主義というのをどう考えるか。これは、今、もちろん執行の一部停止あり得るということだったんですが、例えば、後ほど議論しますけど、なぜこれが無駄で切ったのか、なぜどうなのか、今ここで質問していますけど、決める段階で我々が質問立てないんですね。ですから、やはり国権の最高機関国会で、この項目無駄だから切るよ、じゃ、我々が、いや、無駄じゃないと思いますが、どうですかと、そういう議論のプロセスが欲しいと思いますが、内閣法制局長官、今の私の議論について憲法上の解釈はどうですか、財政民主主義
  22. 宮崎礼壹

    政府特別補佐人(宮崎礼壹君) お答え申し上げます。  歳出予算に対する国会議決ということでございますが、これは、内閣に支出権限、債務負担権限を付与し、項の金額及び目的により内閣を拘束するものでありますが、計上された予算金額のすべてを執行する義務までを内閣が負っているわけではありません。また、具体的な執行の方法等につきましては内閣判断に係る事項でありますので、年度の途中において予算の一部の執行を停止したからといって憲法違反となるわけではないと考えております。  また、今回執行が停止された歳出予算につきましては、今後、歳出を減額した第二次補正予算を編成し、国会議決を求めることとしているというふうにただいまも総理の御答弁がございました。したがいまして、その面からも憲法上の問題は生じないものと考えてございます。
  23. 舛添要一

    舛添要一君 まあ、そういう答弁が来るのは当然分かっておりましたけど、ただ、何度も申し上げますけれども、政権交代をやり得る政治をつくると、これはよろしいですね。
  24. 鳩山由紀夫

    内閣総理大臣鳩山由紀夫君) 当然、それは、私どもは別に独裁国家をねらっているわけでも何でもありませんので、大いに政権交代を目指してお互いに政党同士頑張ろうじゃありませんか。  私は、政権交代というか、選挙というものが国民が参加する最大の民主主義のプロセスだと、そのように理解しています。
  25. 舛添要一

    舛添要一君 大きな改革をやるのは結構なんですけれども、私が申し上げているのは、そういう手続とかルール、そして国会が国権の最高機関であるという、このことは忘れないでやらないと、今度もう一遍政権交代があったときにどうするのかと。私は非常にこれは大事なポイントだと思いますので、是非そういう手続、ルールについてもう少し議論をしたいなと思っております。  そこで、これが、私が今から申し上げていることが誤解であって間違っているなら間違っているということを明確におっしゃっていただきたいんですけれども、民主党政権は、ないし民主党議員立法を禁じるという話が伝わってきておりました。そうじゃないならば、民主党の代表は鳩山さんですから、鳩山総理民主党代表としてそうではないと。  なぜかといいますと、まず肝炎基本法、これをおやりになると言った。しかし、その前は、やりたいんだけれども、どなたかと言いませんよ、民主党の同志の諸君が、やりたいんだけど、我が党は議員立法しちゃいけなくなっているのでやれなくなりましたというような話が来ている、例えば。  こういうことであってはいけないんで、議員立法というのは総理はどう考えますか。そして、本当に民主党議員立法を禁止したんですか。禁止していないならいないとはっきりおっしゃってください。
  26. 鳩山由紀夫

    内閣総理大臣鳩山由紀夫君) 私どもは、議員立法を禁止しているとは全く思っておりません。そのように決めたわけでもありません。  一般行政に関する意思決定に関して私どもは政府で一元的に政策を決めていこうと。したがって、政府の中で多くの意思決定をされる、政策立案されて意思決定をされる、その過程の中で多くの国会議員の中、国会議員皆さんが意見交換をして最終的に決めていくと、そのように考えておりますが、だからといって、政治的なマターなどに関して私どもとして議員立法を禁止しているつもりもありません。  肝炎の法案に関してそれをどのように扱うかというそのことに関して早急に決める必要があろうかと思っておりますが、一般論として申し上げて、私ども、議員立法を禁止しておりません。
  27. 舛添要一

    舛添要一君 ですから、要するに、政府・与党一元化というのは結構なんです。結構なんですが、例えば臓器移植法、こういうものについては私は議員立法の方がなじむと思いますが、いかがですか。
  28. 鳩山由紀夫

    内閣総理大臣鳩山由紀夫君) そのようなことも当然考えられると思いますので、議員立法になじむかどうかということを一つ一つの法案に関して早急に検討をして、そして議員立法にするべきもの、あるいはこの内閣の中で結論を見出していくもの、閣法で決めるものと、様々分けて考えてまいりたいと思っております。
  29. 舛添要一

    舛添要一君 民主党が、巷間報じられているように、議員立法は禁止してないということを代表である鳩山総理の口からおっしゃっていただいたので、そのことを信じたいと思います。  というのは、肝炎の基本法はおやりになるということなんですが、同じように、原爆訴訟での救済、これを是非やらぬといかぬと思っています。私が厚生労働大臣のときにこれを合意をまとめましたんで。ところが、これはできれば党派を超えて提出したいんです。  私がなぜ先ほどのような質問をしたかというと、数名の民主党議員の方々から声が届いていて、うちは議員立法やっちゃいけないことになっているんだと、だから舛添さん、何とかあなたやってくれないかという声が本当に届いているんです。ですから聞いているんで、むしろ民主党議員のためにももう一度そのことを強調していただきたいと思いますし、私は、肝炎だけ救済する、原爆症ほっておいていいんですかということで、覚えていらっしゃるでしょう、あの八月六日、原爆の日の暑い中で一緒に慰霊祭に出ていたときにお願いしましたね。仮に政権交代あってもこれはしっかりやりましょうと言ったら、総理がそれはしっかりやりますということなので、まずしっかりと、必要なら党派を超えて議員立法をやるんだということ、これを明確に民主党の党員の皆さんにおっしゃっていただきたいということと、私は原爆症の訴訟の救済法案を出したいと思いますが、そういうことについて、これは是非民主党皆さん方とも協力をしていただきたいというふうに思っています。  というのは、今までの行政の枠組みの中でできないから議員立法ということをやっているわけです。ですから、よもや八月六日の私に対するお約束をお忘れじゃないでしょうねということと、是非自由闊達な議員立法を民主党皆さんもおやりいただきたいと思います。いかがですか。
  30. 鳩山由紀夫

    内閣総理大臣鳩山由紀夫君) お尋ねの件、よく分かります。この肝炎のお話も原爆症の認定集団訴訟の法案に関しても、私どもも早急に結論を出す、すなわち法案としてどういう形であれ提出をして、それを成立をさせたいというその思いを持っております。それを、今まで行政がなかなかできなかったからと、しかし政権交代しましたから、新しい政権ならばそのことも壁を乗り越えられるかもしれません。  その辺のことも含めて考えながら、一番大事なことは、これは舛添議員もそのとおりだと思われると思いますが、早くこの法案の成立を図るということだと思います。その道を積極的に考えてまいりたい、そのことはお約束をいたします。
  31. 舛添要一

    舛添要一君 できれば今国会に法案を私が作成して出したいと思いますので、是非よろしくお願いをいたします。肝炎の方だけじゃなくて、原爆訴訟で大変苦しい思いをなされた方々もたくさんお待ちですので、是非やりたいと思っています。  そこで、統治の方法、政策の実施方法、こういうことについての議論を進めたいというように思います。  これは、統治とは優先順位を付けることであるということを総理もおっしゃっているし、私も統治するというのは選択することだというふうに思っております。そういう中で、マニフェストにも大変いいことをたくさん書いておられる。これを認めてこれを認めない、言葉を換えますと、まずこれから実施してこれは実施しない、こういうところの優先順位を何に基づいて総理はお付けになっていますか。
  32. 鳩山由紀夫

    内閣総理大臣鳩山由紀夫君) 政策の実現に向けての優先順位、いわゆる私どもは、これは民主党としてはマニフェスト選挙を行ってまいりました。そのマニフェストの最重要に掲げておりますテーマに関してはまず最優先で取り組んでまいりたいと、それは国民的な関心が高いから、そのように思います。  一方で、ただ、国民の期待が高くても、その実施に向けて、例えばモデル事業を最初スタートをさせていかなきゃならないというようなものは徐々にスタートをさせていくという必要があろうかと思いますし、また、財政的にこれは相当お金が掛かりそうだというようなものもあろうかと思います。そういうものに対して、その必要性を国民皆様方と常にキャッチボールをしながら最終的に優先順位というものを選択して決めていきたい、そのように考えております。
  33. 舛添要一

    舛添要一君 問題は、この一月余りの政権運営拝見していますと、そのキャッチボールが必ずしもきちんとなされていないんではないかなというような気がするんです。ですから、歳入庁構想の問題にしても後期高齢者医療制度の問題にしてもそうですし、いろんな分野についてもう少し説明を、なぜなのかというのはする必要があるというふうに思います。  そういう中で、ちょっとやっぱり気になりましたのは、衆議院議論を聞いていて、先ほどちょっと私申し上げたんですけれども、政治主導という言葉を使えば何でも許されるのか。手続の、場合によっては軽視、無視ということまで含まれてはこれはならないというように思っております。  ですから、高級官僚だった人が役職に就く、それは優秀な人を使えばいいんですが、これは総理の答弁でも前原大臣の答弁でも長妻大臣の答弁でも、政治主導ですからということをおっしゃっておられますね。だけど、天下りを廃止するということはしっかりまず第一におっしゃったことではないかということと、役所のあっせんがいけないというのは、もちろん一般公務員です。私たちは特別公務員なんですね、国会議員というのは。特別公務員がまさかそんなばかなことはしないだろうという前提なんですが、私は、権力の作法と先ほど申し上げたのは、権力の行使というのは極めて抑制的であるべきだと思っています。抑制的でないように見えている、私にとっては、それが問題であるんですね。  ですから、権力の行使をするときに今申し上げたような点をどう考えるか。それは、財金分離だと言うのは簡単ですよ。日銀総裁の人事について財務省出身だから最初からノーだと言ってきた立場で、じゃ、今度どういうふうに説明付けられるんですかと。それから、今度、人事官の、これは議運で今もめているように聞いていますけれども、私の部下だった厚生省の次官、これは大変人物的にもすばらしいし、優秀です。いろんなところで活用したいと思います。しかし、政治主導の名の下に原理原則とか手続がおかしくなってはどうなんでしょうかと。財金分離というのは結構なんですけど、日銀法をお読みになったら分かりますけれども、財政と金融ってハーモナイズ、調整しないといけない、対立ばかりしていてはいけないんです。  ですから、そういう面もありますから、ちょっと個々の、政治主導という言葉ですべてが許されるようなことはちょっとどうかなと私は疑問に思うんですが、国家を運営する立場から、そのことをちょっと、私の疑問にお答え願えますか。
  34. 鳩山由紀夫

    内閣総理大臣鳩山由紀夫君) これは、おっしゃるとおり、政治主導だから何でもかんでも無視して人事などを決めていいと、そのように考えているわけではありません。  今の江利川氏の件、今具体的にお話ありました。その件に関しては、当然のことながら、これは同意人事でありますから、国会の中の同意というものを、御同意をいただかなければ進められない。その案を提案をさせていただくということでございまして、三人の人事官の中で、民間と学者、しかし、これから労働基本権の回復ということを行って、ある意味でこれは人事院そのものの存廃が必要なぐらいの、その議論が必要なぐらいの人事院改革をしなきゃならない、公務員制度改革をしなきゃならない、そのぐらい大きな実力のある人を就けさせなければなかなかこういった改革はできないだろうと、そういう幅広い範疇の中からの発想の中で私どもは提案を申し上げた。  当然、これは自民党さんが気に入っていただけるかどうかという、これからの同意人事になっていくわけでありますから、国会の中で最終的にはお決めをいただくというプロセスを踏みたいと思いますし、決して、政治主導だと、だから何でもやっていいというように思い上がっているつもりはございません。
  35. 舛添要一

    舛添要一君 是非そういう節度を持ってやっていただきたいというふうに思います。  それと、今人事院の話が出ましたけれども、今おっしゃったのも一つ考えです。しかし、民主党政権で労働基本権の付与、労働争議権、こういうことの議論もなっています。ということは、今まで人事院が問題であったとすれば、それはまさに官の立場から見ていたから問題であるならば、今度の新しい人事院改革をおやりになるならば、労働基本権を付与するということならば、民の観点からの、民は労働基本権付与していますから、普通の会社は、サラリーマンは、ですから、そういう観点から人を選ぶという観点があってもいいんじゃないですか。そこはどういうお考えですか。
  36. 鳩山由紀夫

    内閣総理大臣鳩山由紀夫君) したがって、三人の方の中で二人は、すなわち民間の方とそれから学者の方でございまして、三人とも民間人で果たしてできるかどうかと。このような公務員制度改革、人事院のもう抜本的な見直しを行うようなことを、官の中にいて、あるいは官の中の経験がまるでない方ばかりで果たして本当にできるのかどうかと。中を知っている人が一人は、一人くらいはおった方がいいのではないかという判断を私どもはいたしたわけでありまして、これはある意味では見解の相違かもしれませんが、我々としてはその方がむしろ大胆な人事院の改革などができると、そのように考え判断をしたいと、そのように思っております。
  37. 舛添要一

    舛添要一君 いや、過去のことをよく知っている人がいた方がいいというのも一つの観点ですけど、何のために政権交代やったかといったら、それはやっぱり大きな改革を中の人たちが駄目だから外からやっているんで、それは大きな方針と矛盾するかもしれませんし、それは、この現内閣の中にも過去官僚と言われている優秀な官僚の方々がたくさんおられるので、こういう力を使ってやっておられると、それは結構なんですけど、是非、この人事の在り方、人事が基本なんです。私は、何度も言うように、鳩山政権のあらを探して、足引っ張ってと、そういうことを言っているんじゃないです、お分かりだと思いますけど。大きな改革をやってもらいたいから、そのときに最初からつまずいてもらったら困るんです、そういう観点からいうと。  したがって、天下りということは、これでもってある意味で政権取った意味があるんです。だから、私は非常に国民が失望していると思いますよ、この一連の人事について。ですから、それをもう少しお考えになった方がよろしいんじゃないかということで申し上げております。  それから次に、マニフェストのその政策優先順位ということを申し上げている。これは、先般、衆議院で公明党の富田議員が既に私がやろうとした議論をおやりになりましたので繰り返しは避けますが、今日テレビで初めてお聞きになる国民皆さん方もおありだと思いますので。補正予算の付け方どうだということもありますが、執行停止の問題で、未承認薬などの開発支援事業、それ、六百五十三億円が止まっちゃっているというのは、私は非常に、総理、残念なんです。  難病対策とかこういう薬がなくて困っている方、これは厚生労働大臣をやっていますと毎日のように本当にかわいそうな方々にお会いするんです。財政にゆとりがないその中で、何とか一日も早く薬を承認し、一日も早く命を救いたいと思って努力をしてきたつもりであります。そういう中で六百五十三億円、これを付けたんですが、これが執行停止されて、来年度の概算要求に何も書いていない。  そうすると、総理、何のために執行を停止したかというと、よく言われるのは、子ども手当含めて三兆円捻出するためにやっている。ただ、お金持ちで何も困っていない方に子ども手当を差し上げるために今目の前で命が大変だという方の予算を減らすというのは、私は、命を大切にする、友愛ということをお説きになる総理政治姿勢とは背反するような気がしますが、いかがでしょうか。
  38. 簗瀬進

    委員長簗瀬進君) 長妻昭厚生労働大臣
  39. 舛添要一

    舛添要一君 いや、総理総理です。総理
  40. 簗瀬進

    委員長簗瀬進君) まず、長妻大臣をして答弁させます。
  41. 長妻昭

    国務大臣(長妻昭君) 舛添委員に御答弁を申し上げます。  かつて大臣の後任に私がなさせていただきまして、非常に感慨深いものでございますけれども、お答えを申し上げたいと思います。  この今おっしゃられた基金といいますのは三年分の基金でございまして、これは、枠はお薬の五十を枠としております。その中の未承認薬は十四品目確定しましたので、この部分の基金は執行は停止しておりません。未承認薬はそのままきちっとやります。その別の、あとの三十六品目が適応外薬というものでございまして、これは枠は三十六と決まっておりますけれども、まだ具体的な薬の名前が決まっておらないということで、これから有識者会議を立ち上げてそれをきちっと選定をしていく、その中できちっと本予算の要求でそのお金を付けていくと、こういう発想を持っておりますので、適応外薬についても影響が出ないという範囲で我々は基金の部分について差配をさせていただいたということでございます。
  42. 舛添要一

    舛添要一君 今、厚生労働大臣、そうおっしゃった。そうすると、今、本予算で付けられると明言なさいましたね。そうすると、本予算で明確に付けるのか、それとも、例えば診療報酬でという手もあるんですが、そういうことを省内でないしは大臣の下で具体的に御検討なさっていますか。
  43. 長妻昭

    国務大臣(長妻昭君) 先ほども申し上げましたように、有識者会議で品目を三十六品目セレクトしていくと。その中で企業が自社開発できる部分もある、あるいは、既に支援措置がありますのでそのスキームに入る部分もあると。それに抜ける部分三十六品目を限定をして、そこに予算を付けるということでございまして、これにつきましては私どもとしては平成二十三年度の予算できちっと差配する、そういう時間軸で今のところ検討して、それで十分に対応できるというふうに考えているところでございます。
  44. 舛添要一

    舛添要一君 未承認薬等と私が申し上げたのは今のようなことも入っているんですが、ただ、総理、これは厚生労働委員会でまた細かい議論をしてもらいたいと思いますが、基本的な方針として、こういう執行停止をやるときに是非私が先ほど申し上げたような視点をお入れいただきたいし、今厚生労働大臣からお答えになった中で、私は診療報酬という手も是非これは検討していただきたいと思うんですが。  いずれにしましても、本当に弱い者のために政治があるなら、そこのところは是非政治リーダーシップで一日も早くこういう予算の方針というのは明言していただかないと、あれを見ますと来年度ゼロじゃないかと。今厚労大臣はこういう形でやれるということをおっしゃっていますけれども、しかし、明日に命をつなぐ希望を持たせるためには、もう少し強力なメッセージが総理からいただきたいと思います。
  45. 鳩山由紀夫

    内閣総理大臣鳩山由紀夫君) 今、舛添委員から御質問がありました思いを大事にさせていただいて、私ども新しい政権は、まさに政治は弱者のためにある、弱い立場の皆様方思いというものを大事にしながら政策遂行してまいりたい、そのように思っておりますから、人の命をとことん大切にする、そんな政治を目指していくために、今の舛添委員の御提起に対して尊重してまいりたいと思います。
  46. 舛添要一

    舛添要一君 そこで、その弱い者を助けるために、これは富の再配分政策という形でおやりになる、もっと言うとセーフティーネットの再構築ということだと思いますが、セーフティーネット論の落とし穴というのは、全体の経済成長戦略、GDPをどう上げるかということがなければ、お金持ちから貧しい人にお金を流すだけで、国力これ自体が上がりません。ですから、そういうセーフティーネット論の落とし穴について明確な経済成長戦略をどのようにお持ちになっているのか、お答えください。
  47. 直嶋正行

    国務大臣(直嶋正行君) 今、成長戦略についてのお尋ねがありました。  基本的に、我々は、今内需を拡大するために国民皆さんの生活部分を大事にしたいと思っていますが、委員御指摘のように、将来の日本経済を考えた場合に、やはり中長期を見た成長戦略は必要だというふうに思っています。特に、人口減少社会になっていきますから、将来の雇用とか社会保障を確保する上でも当然経済成長を考えていかなきゃいけないというふうに思っています。  私が経済産業大臣に就任する際に総理の方からも御指示がございまして、特に成長するアジアを視野に入れて日本の強みを生かした形で成長戦略を構築しなさいと、こういう御指示をいただいています。それで、今、この総理の御指示を踏まえまして、先月に成長戦略の検討会議を立ち上げました。できるだけ骨格は年内に整備をしたいというふうに思っています。  それで、その際、今私が基本的な視点として考えていますことを申し上げますと、これは三つございまして、一つは、さっき申し上げたアジアと一体になった成長、世界の成長センターと言われていますアジアの成長を日本経済にどう取り込んでいくかということにもなると思うんですが、アジアと一体になった成長を視点にしたい。  それから二つ目は、この後も議論があるかもしれませんが、やはり地球温暖化対策というのは、これは人類として避けて通れない課題であります。したがいまして、私どもは、その地球温暖化対策を一つのチャンスというふうにとらえまして、そのチャンスを生かす形で新しい成長産業を育成したい。  それから三点目、これは重要な視点だと思うんですが、成長戦略といいますと、ややもすると産業育成といいますか、供給サイドに視点を置いた発想になりがちなんですが、やはりその成長の成果をきちっと国民皆さんに実感をしていただける、成果を配分できる、そういうような基本的な視点を置きまして、今、様々な皆さんから御意見をちょうだいをしているところでございます。
  48. 舛添要一

    舛添要一君 今のお話を受けて総理にお伺いしますけれども、しかし、やっぱり外需ってなければ、内需だけではこの一億二千五百万人の人口を食わしていくことはできないと思います。それからもう一つ、例えば最低賃金にしても派遣労働の問題にしても、理想を追求するのは結構なんですが、その結果として産業の空洞化、こういうことが、つまり企業が外に出ると、こういうことが起こりかねない。  こういうことに対して、政府全体の司令塔として総理はどういうふうにお考えでしょうか。
  49. 鳩山由紀夫

    内閣総理大臣鳩山由紀夫君) 舛添委員にお答えいたします。  言うまでもありませんが、今日の日本の経済状況考えたときに、私どもは人間のための経済という言い方をしておりますが、まずは内需主導型の経済というものに導いていくことは大事だと思います。しかし、一方で、当然のことながら、今日まで外需にかなり依存をしてきた経済であることは間違いありませんし、今日も中国の発展、成長のおかげで、その外需で日本の経済がやや持ち直しぎみになっているというのも実態であります。したがいまして、外需も当然のことながら重視して、そこの意味での戦略を考えていかなければならないことは言うまでもありません。  すなわち、車の両輪として内需と外需をうまく適合させていくためにも、先ほど直嶋大臣から申したように、アジアというものを一つのターゲットとして戦略的に、アジアに対する外需、そしてアジアからの内需という意味も、その両方のことを考えてアジアを重視した成長戦略をつくり上げてまいりたい、そのように考えております。
  50. 舛添要一

    舛添要一君 産業の空洞化絡みの問いに対してはお答えいただいていません。いや、総理
  51. 直嶋正行

    国務大臣(直嶋正行君) 私の方からお答えさせていただきます。  お話あったように、最低賃金とかの引上げ等マニフェストにうたわせていただいていますが、基本的には、やはり国民生活を考えますと、最低賃金をある程度のレベルに引き上げていくことは必要だというふうに思っています。もちろん、今委員が御指摘のように、そのことによって企業が海外に逃げていってしまうということになってはいけないと思っています。したがいまして、特に中小企業等についてある程度御支援をしながら最低賃金については引き上げていきたいというふうに思っています。  それから、一点ちょっと付け加えさせていただきますと、我々は、さっき総理からお答えしたように、当面、国民生活も含めて内需、これは内需を拡大していくということを申し上げているわけですが、これは、過去十年ぐらいの日本の経済成長を見ますと、経済成長の六割以上が輸出によって成り立ってきています。  したがいまして、その結果として、このリーマン・ショック以降の不況の中で各国の需要が低下する中で日本経済が大きく、非常に大きなダメージを受けたということでございまして、そういうことも含めて今内需が必要だと申し上げているわけですが、しかし、日本の例えば貿易構造とかそういうことを考えますと、当然外需といいますか、それは必要でございます。  したがいまして、当面内需を意識していますが、やはり内需と外需のバランスをこれからしっかり考えていかなければいけないと、このように思っています。
  52. 舛添要一

    舛添要一君 派遣労働についてのお答えがございません。
  53. 長妻昭

    国務大臣(長妻昭君) 舛添委員にお答えを申し上げます。  この派遣につきましては、これはもう全体状況をよく見て判断する必要があるというのはおっしゃるとおりでございますけれども、やはり私どもとしては、これまでの労働法制の規制緩和というのが余りにも経済合理性を追求する余り規制緩和し過ぎたんではないかと、こういう問題意識に立っておりまして、そういう意味では、登録型派遣あるいは製造業派遣については原則的に禁止をしていこうということで、労政審という厚生労働省の審議会で今慎重に議論をして、来年の通常国会に向けて法律の提出を今目指しているところでございます。  いずれにしましても、今生活保護とそして雇用保険、両方受けられておられないということで、制度のはざま、最低限度のセーフティーネットもほころびが見えておりますので、それをきちっと体制を整えた上で市場原理を働かせていくと、こういうような発想が必要ではないかと考えております。
  54. 舛添要一

    舛添要一君 今、大臣は審議会で慎重にということをおっしゃった。随分変わられたなと。審議会が隠れみのになって官僚のやりたい放題だとおっしゃっていたのが民主党じゃないかと思いますし、それで、まさに派遣の問題であるとか最低賃金の問題、今の両大臣の御答弁を聞いていますと、マニフェストに書いていることと違うことなんです。だから、説明をしてくださいということを申し上げている。だから、どういう順番で優先順位を付けるんですかと、こういうことを申し上げているんです。総理総理
  55. 直嶋正行

    国務大臣(直嶋正行君) 私は、先ほどの答弁をマニフェストに書いているとおり申し上げたつもりでございます。  例えば、最低賃金の引上げは、やはり中小企業に配慮をしながらということを明確に書かせていただいているというふうに思いますし、派遣労働についても、これは長妻大臣からお答えがあるかもしれませんが、同様だというふうに思っています。
  56. 舛添要一

    舛添要一君 総理に全体のマニフェストの優先順位の付け方をお伺いしているんです。
  57. 鳩山由紀夫

    内閣総理大臣鳩山由紀夫君) 御案内のような経済状況ということを踏まえて考えれば、雇用問題あるいは成長戦略、大変これは重要だと思います。  今、答弁の中に審議会の利用みたいな話がありました。それは、当然のことながら、最終的に政治家責任を持って意思決定をする、その前段階において様々な意見を聴くことも、これは当然私は必要なことだと思っておりますので、決してそのことによって、何でも審議会だけで決めるという話ではないことも御理解をいただきたい。  私どもとすれば、こういう経済状況を踏まえてマニフェストの優先順位などもしっかりと決めてまいりたい、そのように考えております。
  58. 舛添要一

    舛添要一君 是非、今のような説明を、まあ今日、国会の場でおやりになりましたけど、国民に対しておっしゃらないと失望が強まってくると思うんです。こういうことに期待してこうしたのにやってくれないじゃないか。だから、説明責任というのをきちんとお果たしいただきたいと。  こういうことで、次に、新型インフルエンザ対策についてちょっとお伺いをいたします。  長妻さん、私の後任で大変御苦労なさっているし、是非体壊さないで頑張っていただきたいというのは、いや、やれば分かると思います、私やりましたから。大変なこれは役所なんですよ、カバーする範囲が。ですから、頑張ってやっていただきたいと思いますし、それはね、多少の混乱があったり慣れないところは、それは時間掛けてやらないといけない。そういうところを揚げ足取るような気は全くありません。  いい仕事をしてもらいたいから申し上げたいんですが、新型インフルエンザは待ちません。目の前で子供亡くなっています、大人も亡くなっています。だから、ちょっとこれはただしたい。  私がおったときに、新型インフルエンザのワクチンの培養で千八百万人までしかできない。で、私が辞めてすぐ二千七百万人に上がりましたが、この上方修正の理由についてお聞かせください。
  59. 長妻昭

    国務大臣(長妻昭君) 激励ありがとうございます。  舛添大臣にお答えを申し上げます。  この国産の新型ワクチンのインフルエンザの人数が何人製造できるかということでございますけれども、これは、今おっしゃられたように、上方修正をいたしまして二千七百万人分ができるということになりました。  その理由といたしますのは、当初見積もっていた時点では、まず、そのワクチンを出荷するときの容器、バイアルといいますけれども、容器の大きさを一ミリリットルとしておりました、すべて一ミリリットルで出荷しようと。しかし、昨今のワクチン不足ということで、その容器の半分については十ミリリットル、十倍大きな容器に入れて出荷をしようと。そうすると、こん包とかいろいろな手間としてその部分が、製造量が多くできるという観点。  もう一つは、当初発表するときに間違いがあってはいけないということで、実際に予想される培養量の二割を減らして発表しました。実際にやってみないと分からないので、その予想されるものと低まっては大変なことになるんで、八割の量で国民皆さんに発表いたしました。その後、試験を繰り返したところ、実際に予想どおり十割の形で培養量が確保できるということになりましたので、そういう二つの大きな要素で上方修正をしてその数字になったということを御理解をいただければと思います。
  60. 舛添要一

    舛添要一君 大変大事なことをおっしゃった。十ミリバイアル、今これで無駄がなくなるということをおっしゃいましたけれども、安全性については確信持たれておりますか。
  61. 長妻昭

    国務大臣(長妻昭君) 舛添委員にお答えをいたします。  この十ミリリットルの容器、そして一ミリリットルの容器、あとは〇・五ミリリットルというのがありますが、十ミリリットルと一ミリリットル、この二つの形で今出荷をしております。そういう意味では、製造量をそこに入れて迅速に出荷できるということで十ミリリットルの容器も使わせていただきました。  今おっしゃられましたように、十ミリリットルでありますと、基本的には一ミリリットルの容器でありますと、二回打ちの場合はその一ミリリットルの容器で二回分を注射できるということで、それでもうそれは廃棄処分、中が空になる。ところが、その十ミリリットルの容器でありますと、そこから何人分も注射針を刺してそこでワクチンを接種するということになりますので、そこについてはきちっと消毒の徹底、そして打った後は冷蔵庫に保管をする、そして二十四時間以内に使わない場合は廃棄をするということを徹底をしております。  海外でも十ミリリットルの容器での提供というのはなされておりますので、基本的にそういう注意喚起をした上で使っていただければ問題はないというふうに認識をしておるところでございます。
  62. 舛添要一

    舛添要一君 赤ちゃんに打つときは〇・二ミリなんです。五十人分打てるんです。五十回針替えるときに、人間がやることだから、針替え忘れたら新たなる薬害になりませんか。それから、二十四時間以内、一日しか使っちゃいけない。ただ、ひょっとして翌日使って五十回これやったら雑菌が入る危険性があります。いろんな問題がそこにあるんです。  ですから、これ、いつ大臣決定されたんですか。私、その話聞いたときに認可しませんでしたよ。
  63. 長妻昭

    国務大臣(長妻昭君) ですから、そういう意味で、十ミリバイアル、つまり十ミリリットルの容器だけではなくて、その一ミリリットルの容器での提供もいたしまして、比較的ワクチンを打つ方が少ないところ等々で差配をしていくと、こういうようなことを考えております。  いずれにいたしましても、広くこのワクチン接種につきましては、医療関係者、地方自治体、そして国民皆様方にもその中身をきちっと広報していくということは重要でございますので、これからもその努力は続けていきたいというふうに考えております。
  64. 舛添要一

    舛添要一君 容器の大きさを工夫することによってワクチンの所要人数を確保するというのは本末転倒で、最初にやるべきことは安全なんです。そしてそれは、やっぱりそこはしっかり大臣頑張って、官僚にだまされないようにしないと。そこが困りますよ。  それから、海外で使っているって言うけど、海外は保健所のようなところで確実に五十人、そのときにしか使ってないんです。普通の小さな診療所で、開業医のところでそれ使ったときにそうだし、それから、十ミリバイアルのを使って、途中で、一日しか使えないんで、今日三人しか来なくて十六人分ぐらい残ったら破棄するじゃない。そうしたら、数増えるどころか減るんじゃないですか。  だから、そういうことをやるときに、どういう計算の下で生産量をどうしてということをやらないといけないし、私は最初二千五百万人分作れると言ってたんだけど下方修正したのは、CDCからもらったワクチンの株の能力がなかったから。こういうことはきちんと公表していますよ。ですから、記者会見大臣国民にきちんと説明しなきゃ。お願いしますよ。
  65. 長妻昭

    国務大臣(長妻昭君) 舛添大臣にお答えをいたします。  やはりこの新型インフルエンザのワクチンの確保というのは、これはもう非常に喫緊の課題で、一つでも多くのワクチンを確保したいと、こういう思いもございました。その中で、御存じのように、国産のワクチンを製造する場所、会社というのは四社、日本国内にはございます。ところが、そのうちの一社については、一ミリリットルの容器で新型インフルエンザのワクチンを作るとすると季節性インフルエンザワクチンの製造を中止しなければいけないと、こういうようなお話もあって、我々としては量を確保したいという思いとの中でぎりぎりの判断をさせていただいたということでございます。  いずれにいたしましても、それらの使い方あるいは中身については、国民皆様方にも、あるいは医療関係者にも十分説明をしているということでございますので、御理解をいただきたいと思います。
  66. 舛添要一

    舛添要一君 初めて私はその説明を聞きました。大臣やった人間ですよ、前まで。  ですから、インフルエンザ対策の本部を開かれましたね、官邸で。本部長、総理ですね。今のような話をちゃんと役人がその会議でやりましたか、やりませんでしたか。対策本部の本部長ですから、総理
  67. 長妻昭

    国務大臣(長妻昭君) 舛添大臣にお答えをいたします。あっ、舛添委員にお答えをいたします。大変失礼しました。  私もこのインフルエンザ対策本部のメンバーでございますので、お答えを申し上げますと、官邸で開かれたインフルエンザ対策本部でも、このワクチン接種の方法、あるいは優先接種の方法などなどについてはきちっと専門家も交えて議論をさせていただいているところでございます。
  68. 舛添要一

    舛添要一君 総理にお願いします。
  69. 鳩山由紀夫

    内閣総理大臣鳩山由紀夫君) ただいま長妻委員が答弁を申し上げたとおりであります。
  70. 舛添要一

    舛添要一君 委員長ね……
  71. 簗瀬進

    委員長簗瀬進君) 答弁しています。舛添要一君、発言してください、質問。(発言する者あり)同じことだから。同じことだから。答弁しています。   速記を止めてください。    〔速記中止〕
  72. 簗瀬進

    委員長簗瀬進君) 速記を起こしてください。
  73. 舛添要一

    舛添要一君 官邸の対策本部、これが最高意思決定機関です。随分その中にいる役人に抵抗されました。相当苦労しました。ですから、総理、しっかりしないと今のようなことになるんです。ちゃんと説明いただきましたか。
  74. 鳩山由紀夫

    内閣総理大臣鳩山由紀夫君) 今申し上げたとおり、私は官僚皆さんから詳細の説明がありました。  今、長妻大臣が申したとおり、この問題に関しては、一方では安全性というものをしっかりと確保しなければならない、他方で、他方でしかし安全性の意味においても多くの方にワクチンを提供を、差し上げなければならないと。この二つをいかにして生かし切るかということが工夫であるということでありまして、したがって、やはりワクチンが欲しい方は全国にたくさんおられる、その方々にまずこの目的を満たすために提供量を増やそうではないかと、その中で、しかもいろんな工夫の中で安全性の確認を徹底的に行ってやろうではないかと、そのような判断をされたと、私はそのように理解しています。
  75. 舛添要一

    舛添要一君 量の確保は、相当苦労して二つの外国の会社とやりました。そのために新しい法律を作らないといけないところまでやったんです。しかし、総理、安全性第一ですよ。  それから、量の確保、矛盾しますよ。先ほど申し上げたように、その日のうちに使い切れなきゃ無駄になって捨てるんですから。  ですから、これ以上時間取りたくありませんから、正確な資料を出していただきたい。そして、ワクチン対策本部を開いてそのことについてきちんと議論をしていただきたい。いかがですか。
  76. 簗瀬進

    委員長簗瀬進君) 資料要求については、後刻理事会で協議をします。
  77. 長妻昭

    国務大臣(長妻昭君) 舛添委員にお答えをいたします。  資料につきましては、基本的には公表資料でもございますので、これをすべてきちっと整理をして提出をさせていただきたいと思います。
  78. 鳩山由紀夫

    内閣総理大臣鳩山由紀夫君) 資料の提供に関しては、長妻大臣が申したとおりであります。  私は、舛添委員の御質問でありますが、人の命が大事だというのは、ワクチンの提供をすることを増やすのも人の命を大事にする政策でありますから、それをいかにして両立をさせるかということで判断をさせていただいているということであります。
  79. 舛添要一

    舛添要一君 十ミリバイアルを使ったら無駄に破棄することになるから、その論理が成り立ちませんと申し上げているんです。
  80. 長妻昭

    国務大臣(長妻昭君) 舛添委員にお答えをいたします。  今、新型インフルエンザのワクチンを接種をしたいという御希望を持っておられる方が多いわけでございまして、そういう意味では、ワクチンを打ちたい方が来られて、そして、何日もまだ、次回から来られないということではなくて、連続して来られるという状況も想定されますので、そういう意味ではその問題というのも、我々としては、生産量を、そして提供量を増やすということとの兼ね合いの中で考えさせていただいたということでございます。
  81. 鳩山由紀夫

    内閣総理大臣鳩山由紀夫君) おっしゃるように無駄に破棄されてはならないと、そのように思っております。  そこで、いろいろと考えて使い分けをさせていただいて、〇・五ミリリットルが百四十万人、それから一ミリリットルの分が約千三百八十万人、十ミリリットルが約千百八十万人分と、このように分けて、十ミリリットルというものにするのは、できるだけ一気に多くの方々に提供できるというところに提供させていただくというふうに考えております。
  82. 舛添要一

    舛添要一君 私の質問にきちんとお答えいただいていないんで、是非総理、今のような点をもう少しきちんと議論をしていただきたい、人の命に代えられませんから。  それで、時間がもうありませんので、次に外交、防衛の問題に入りたいと思います。  日米関係、緊密で対等な関係を目指すということをおっしゃっていますが、対等な関係というのはどういう関係でしょうか。
  83. 鳩山由紀夫

    内閣総理大臣鳩山由紀夫君) 日米関係の対等な関係というのは、これは一つは安全保障面での対等の関係もありますが、それだけではありません。日米関係というのは大変重層的にこれからも深めていかなければならない問題でありまして、言うまでもありませんが、経済、貿易の部分もそうですし、あるいは教育とか環境もそうです。様々な新しい課題も出ております。そういうものに対して、日本が今までややもするとアメリカの意に沿った形で、はい、分かりましたという形の外交が多かったのではないかと。これからは、むしろ言うべきことは日本としても主張するという意味でのより対等な日米関係を目指してまいりたい、その意味であります。
  84. 舛添要一

    舛添要一君 安全保障について申し上げますと、これはどうですか。安全保障についても対等と今おっしゃったと思いますけれども、言うべきことを言うためにはどういう対等な責任を果たしていくんですか。コストとバードン、負担と責任
  85. 鳩山由紀夫

    内閣総理大臣鳩山由紀夫君) 御案内のとおり、日米安保に関しましては、一つは、当然この米軍の基地が沖縄を始めとして日本に存在をしております。そのことによって日本の安全を、あるいはアジア太平洋の安全を守ってもらっているという部分があります。  一方で、アメリカの戦略的な、東アジアを中心として、あるいはアジア全体と言ってもいいかもしれませんが、その戦略的な拠点という意味での役割も日本の基地が果たしているということもあります。  そういう意味で、私は、決してそのことが日本にとって義務ばかり背負っているという話でもない、そのように思っておりまして、私は、その形が、しかしややもすると安全保障の部分がイラクへの自衛隊の派遣あるいはアフガニスタンへの海上自衛隊の派遣、こういう局面局面においてアメリカの意思というものを尊重する形で日本の自衛隊が派遣されてきたのではないかと。もっとそのような状況の中で日本の意思というものを積極的に示す必要があるのではないかという意味でのより対等な日米関係を目指したい、そのように考えております。
  86. 舛添要一

    舛添要一君 安全保障の原則、これは意思と能力。意思は、北朝鮮の意思は計り知れません。しかし、能力は分かります。北朝鮮の核攻撃に対して自らを守る能力を我が自衛隊は持っていますか。総理
  87. 鳩山由紀夫

    内閣総理大臣鳩山由紀夫君) いわゆる北朝鮮の脅威でありますが、当然のことながらこの日米安全保障の役割もそこにあると思っておりまして、日本の自衛隊の能力で北朝鮮の戦力に対してすべて対処できるという状況ではない、そのように考えております。
  88. 舛添要一

    舛添要一君 安全保障政策、今おっしゃったとおりだと思います。しからば、同盟という選択をするか、自力でやるかという選択をするか、これどちら選択しますか。
  89. 鳩山由紀夫

    内閣総理大臣鳩山由紀夫君) これは、私は何度も申し上げておりますように、日米同盟というものは安全保障の観点からも重視すべきだと、更にこれを重層的に発展をさせていきたい、そのように考えております。
  90. 舛添要一

    舛添要一君 重視という言葉使われましたが、堅持しますか、破棄しますか、どちらの方向を目指しますか。
  91. 岡田克也

    国務大臣(岡田克也君) 日米同盟は、当然これは我々非常に重要なものだというふうに思っておりますので、堅持することはもとより、三十年、五十年先に日米同盟が更に深いものになるように努力をしていきたいというふうに考えております。
  92. 鳩山由紀夫

    内閣総理大臣鳩山由紀夫君) 日米同盟は当然堅持をいたします。更に、申し上げましたように、重層的に深化をさせてまいりたい、そのように思っております。
  93. 舛添要一

    舛添要一君 深化をさせるためには、役割分担、これをきちんとしないといけない。どういう役割分担しますか。
  94. 岡田克也

    国務大臣(岡田克也君) まず、同盟というのは私は軍事的なものだけではないというふうに思います。  昨日も、国務次官補のカート・キャンベルさんとお話をしたんですが、彼はミャンマーから帰ってきたところで、やっぱりミャンマーの問題にどう対応するかというのは、これはアメリカ側も今政策転換をしているところですけれども、日本も従来から深くかかわってきたことで、日米間で協力をしながらやっていく、これもその一つの例だというふうに思います。  つまり、外交、これもお互いその同盟の中の一つの大きな部分であるというふうに考えています。
  95. 舛添要一

    舛添要一君 総理
  96. 鳩山由紀夫

    内閣総理大臣鳩山由紀夫君) 今、岡田外務大臣が答弁されたとおりでありますが、私としても当然、同じ内閣を構成する総理大臣としてその思いで努力をいたします。
  97. 舛添要一

    舛添要一君 内政では簡単に国は滅びませんが、外交、防衛で国は滅びます。その重みを感じていただきたい。  その中で、閣僚の間で、例えば普天間基地に対しての対応が全然ばらばらだ。福島大臣は県外移転ということを更に御主張なさっている。  総理として、どう閣内を統一して、どういう方向に持っていかれようとしているんですか。
  98. 鳩山由紀夫

    内閣総理大臣鳩山由紀夫君) 私どもは、この普天間基地の問題、当然のことながら日米同盟の中で大変重要なテーマだと、そのような認識をしております。したがって、いたずらに時期を延ばすというつもりはありません。しかし、一方で、国民皆さん政権交代を望んだという状況でございます。沖縄の県民の意思というものも尊重しなければなりません。  したがいまして、今、私どもとすれば様々な選択肢というものを考えてまいりたい。選挙のときに主張した事柄、あるいは選挙後、新政権になったとき、当然のことながら日米の合意というものがございましたから、その日米の合意というものも尊重しなければならないという立場の中でどのような結論を出していくか。今、関係の閣僚皆さん、知恵を絞りながら、それぞれの立場から選択肢を検証しているという状況でございまして、くどいようですが、いたずらに時期を引き延ばすと、そのような意図を持っているわけではありません。
  99. 舛添要一

    舛添要一君 来週、アメリカのオバマ大統領が訪日されます。それまでにきちんと対応を決めるということに理解してよろしいですか。
  100. 簗瀬進

    委員長簗瀬進君) まず、外務大臣をして答弁させます。
  101. 岡田克也

    国務大臣(岡田克也君) 御指摘のように、オバマ大統領が来週訪日されます。  いろいろ普天間の問題に焦点が当たっているかのような報道もありますが、日米関係というのはより幅広いものであります。したがって、両首脳の間では、例えば地球温暖化の問題、あるいは核の拡散、軍縮の問題、そういったグローバルな問題、そしてアジア太平洋の問題、それから日米間の、両国間の問題、そういったものについて幅広く議論したいというふうに考えておりまして、今御指摘の普天間の問題のみを議論するということではありません。  現時点において私たちが申し上げておりますことは、委員もよくお分かりだと思いますけれども、沖縄の皆さんのその思いというものをきちんと踏まえてこの問題をやっていこうとすれば来週の段階で答えが出せるはずがないということは、これは普通にお考えいただければ御理解いただけることだというふうに思います。
  102. 鳩山由紀夫

    内閣総理大臣鳩山由紀夫君) オバマ大統領の来日までにこの結論を出すというつもりはありません。
  103. 舛添要一

    舛添要一君 そうすると、アメリカ大統領の立場からいうと、普天間問題の議論のためには日本に来る必要はないと、こういうことになりませんか。
  104. 鳩山由紀夫

    内閣総理大臣鳩山由紀夫君) それはとんでもない詭弁だと思っておりまして、私は、日米関係というものは普天間問題のみではありません。オバマ大統領の懸案あるいは日本の懸案はたくさんございます。それを日米の中でいかに解決をしていくか、そういうテーマを一つ一つ議論してまいりたい。その幾つかを岡田外務大臣が申し上げましたが、アフガニスタンの問題なども積極的に議論をしてまいりたい、そのように考えております。必ず意味がある私は訪日になると、そのように確信しております。
  105. 舛添要一

    舛添要一君 アフガンの問題が出ましたけど、アフガンの軍事参謀の中に自衛隊入れるという話はどうなっているんですか。総理総理
  106. 北澤俊美

    国務大臣(北澤俊美君) アフガンの支援に自衛隊を投入するということを防衛省として、また私の立場として表明したことは一切ございません。
  107. 舛添要一

    舛添要一君 そういうふうに報道されているから聞いていますので。  総理、どうですか。
  108. 鳩山由紀夫

    内閣総理大臣鳩山由紀夫君) 報道されていることは事実ではありません。したがいまして、私自身としてアフガニスタンに自衛隊、自衛官を派遣する意図はありません。
  109. 舛添要一

    舛添要一君 総理の東アジア共同体構想について教えてください。
  110. 鳩山由紀夫

    内閣総理大臣鳩山由紀夫君) 私は、一方で、今議論がありました日米同盟というものは大変重要な日本の外交の柱であります。一方、アジアの国として日本が今日まで必ずしも韓国あるいは中国との間に真の意味での信頼関係があったか、必ずしもそうではなかったという反省の中で、新しくこの東アジア全体に様々なレベルで協力を申し上げることは、非常に日本にとって、あるいはアジア全体にとって重要な発想だと思っています。  中長期的な展望の中で東アジア共同体というものを構想してまいりたい。様々な、これは将来的に安全保障の議論も出てくる可能性はありますが、当面のことは、経済、金融、貿易、あるいは教育、環境、あるいは雇用、こういった問題を中心として議論を進めてまいりたいと、そのように考えております。
  111. 舛添要一

    舛添要一君 マハティールさんのEAECのときからアメリカの関与をどうするのかというような問題がありましたが、この総理の構想の中でアメリカはどういう位置付けにありますか。
  112. 鳩山由紀夫

    内閣総理大臣鳩山由紀夫君) 私は、まず日米同盟というものの存在そのものが東アジアの安定、そして経済の発展にとって大変大きな意義があると、そのように考えております。そのことを前提としながら、東アジアをどのように展開をさせていくか、その中での日本の役割は何かということを構想してまいりたい。私は、将来的にアメリカもいろんな形で協力をする、そういうものを構想してまいりたいと思いますが、今、どの国が入ってどの国が入らないというようなことを考え切っているわけではありません。
  113. 舛添要一

    舛添要一君 是非もう少し具体的にそのデッサンを描いていただかないと、やっぱり日本の行く末に大きくかかわることであります。これは、幕末、明治維新以来、脱亜入欧という路線があったりアジア主義という路線があった。今は状況は違います。しかし、やはりアメリカとの関与、今おっしゃったように、日米同盟はコーナーストーンですよ。そういう中でどうするのか。  さあ、そこで、EU、ヨーロッパ連合ですね、昔のEC、これはどういうふうに見ておられますか。総理
  114. 鳩山由紀夫

    内閣総理大臣鳩山由紀夫君) EUと東アジア共同体との間の関連のお尋ねではないかと思います。  私は、かつて、ある意味での友愛精神にのっとって、ある意味でけんかをしていた、戦っていたドイツとフランスが、石炭鉄鋼の共同体、一緒に働くこと、汗を流すことによって二度とけんかをしない関係になった。それだけではない、もう密接不離な関係になっていったと。そういう思いの中で、その国々が協力体を大きく構築をしてくるようになったと。EUというものが一つの私は東アジア共同体のモデルかなとは思っております。  しかし、言うまでもありません、違いというものは多々あるわけでありまして、EUの考え方をそのまま東アジアに導くことはそんな簡単な話ではないと思います。  しかし、一つのモデルとして、あのような争っていた地域が平和な地域になってきたと、そのために、そのことを歴史的にたどっていく中で参考にされるべきものも多々あるのではないか、そのような発想を持っております。
  115. 舛添要一

    舛添要一君 EU、しかしNATO、北大西洋条約機構、軍事同盟、アメリカとの、これは存在していて、いまだにヨーロッパ統合軍ってできていません。それはもう理由があるわけであります。そういう意味で、是非この総理の東アジア共同体というものの構想をもう少し具体的にお詰めいただきたいというふうに思っております。  その他いろいろ御質問をしたいこともありますけれども、残余は、それぞれ私の同僚議員が個別のテーマについて議論をしたいと思います。  是非、大きな改革を成し遂げるために、今私が提起したような問題について国民説明し、そして納得をいただくと、そういう形で改革を前に進めていただきたいと思います。我々も必要な支援はいたしたいと思います。しかし、国民を代表して、こういうところに問題があるぞということはきちんとやりたい。ですから、是非、国権の最高機関国会、これを活用したいというふうに思っていますので、今後ともよろしくお願いいたします。  ありがとうございました。
  116. 簗瀬進

    委員長簗瀬進君) 関連質疑を許します。脇雅史君。
  117. 脇雅史

    ○脇雅史君 自由民主党の脇雅史でございます。主として総理にお聞きすることになると思いますので、よろしくお願いをいたします。  今回、総理の所信表明ということで私もかつてないほど真剣に聞かせていただきました。その中で、ちょっと違和感を覚えた箇所がございます。どこに違和感を覚えたかというと、ごく最初のところだったんですが、あの夏の総選挙の勝利者は国民一人一人ですとおっしゃいましたね。私、勝者でないものですから、もしかして私、国民じゃないのかなと、どうなんだろうというふうに正直思ったわけであります。国民全体が必ずしも勝利したと思っているわけでもないのも事実だと思うんです。しかし、民主党が勝利されたこともこれまた確かな事実。  そこで、総理国民という言葉をお使いになるときに、民主党の大会ならいいんですよ、国会総理国民という言葉をお使いになるときには全国民をやっぱり意識していただかなくちゃいけないと思うんです。この国民一人一人が勝者だという言い方にはその配慮がないように私は感じたんですが、いかがでございましょう。
  118. 鳩山由紀夫

    内閣総理大臣鳩山由紀夫君) 脇委員にお答えを申し上げたいと思います。  私は、今回の選挙というもの、民主党が勝った勝ったとおごってはいけないというその戒めの思いで、この選挙の勝利者は国民皆さんだと申し上げた。当然、国民皆さんの中には自民党さん始め民主党を応援しなかった方もたくさんおられることも事実であります。しかし、結果として政権交代というものを成し遂げた原動力は国民皆様方の意思であったと、そのように思っておるものですから、当然のことながら、すべて一人一人という、そんな思い上がったつもりではありませんが、多くの国民の期待がそこにあったと、そのような思いで申し上げたところでございます。
  119. 脇雅史

    ○脇雅史君 揚げ足取りで申し上げているのではなくて、実はこれは非常に大事なことなんです。選挙でお勝ちになったから民主党政権になるのは当然です。しかし、民主党の政党がそのまま政府になるわけではないんです。国会の承認を得て、そして初めて民主党の党首だった鳩山さんが国全体の総理になられるわけです。私の総理でもあるんです。みんなの総理なんです。行政府として全国民を視野に入れた総理であるということをきちっと認識をされたら、ちょっとこの国民一人一人という言葉も違う言葉になるんじゃないかなと私は思うんです。  鳩山総理も、今言われましたように決してそんなおごった気持ちでないということは分かるんですが、実は国民全体に対して行政府が存在するんだということは大変大事なことで、大臣一人一人もそうだと思うんですね。決して民主党のためでもない、民主党を支持した国民のためでもない、国民全体に対して奉仕をする立場だ。どうですか。
  120. 鳩山由紀夫

    内閣総理大臣鳩山由紀夫君) 脇委員のおっしゃるとおりでありまして、私どもが選挙に勝ったと、だから国民といっても私どもに応援した人たちのためだけの政治を行おうなどとは毛頭思っておりません。公平公正、無私の立場からすべての国民皆さんのための政治を行ってまいりたい、その決意を申し上げたいと思います。
  121. 脇雅史

    ○脇雅史君 ありがとうございました。是非その気持ちでお続けいただきたいと思います。  そして、そこで何が出てくるかというと、マニフェスト、マニフェストと言われていますが、マニフェストで決められたのは政党の政策なんですね。それが、幾ら選挙で勝ったからといって、そのまま国の政策に即なるわけではないんです。なぜそれがなるかというと、国会を経て、国会を経たときに初めて国の政策になるんです。つまり、一つの政党の政策が全国民政策になる。したがって、国会で決まったことは我々も納得して従います。予算であれ法案であれ、そうなんです。ですから、マニフェストで決まったから即国の政策だというのは私は間違いだと思うんですが、どうですか。
  122. 鳩山由紀夫

    内閣総理大臣鳩山由紀夫君) だからこそ、今皆様方国会の中で議論をしながら一つ一つ政策の実現に図っていきたいと。  私どもは、しかし、マニフェストで訴えたことが国民皆さんとの契約だとも思っております。すなわち、今まで余りにも国民皆さんにいろいろと甘いことを訴えながら、そのことが、公約を守らなくたって大したことがない、そういう政治政治不信を招いた、そのように思っておりますので、その意味でマニフェストというものも重要だと思っておりまして、そのマニフェストの政策一つ一つ、これは連立政権でありますからマニフェストと言い過ぎてもいけないんでありますが、連立合意でつくられた政策一つ一つ皆様方議論をさせていただきながら決めてまいりたい、そのように考えております。
  123. 脇雅史

    ○脇雅史君 余りマニフェストにこだわらない方がいいと思うんです。マニフェストで決まったんですから、それを前提にして国会にお諮りになる、少数政党の意見も聴く、そして変えるべきものは変える、そして国の政策になるんです。御自分で決めたものがすべて、民主党で決めたものがすべて国の政策になるんじゃないんです。これ、大事なことなんです。国会で、少数党の意見を大事にするとよく言いますが、きちっと議論をする。そして、形式的な議論だけじゃないんですよ、皆さんが、いや、我々の意見もいいなと思ったら取り入れればいいんです。そういう謙虚な姿勢が私は必要だと思うんです。総理はそういう気持ちですね。
  124. 鳩山由紀夫

    内閣総理大臣鳩山由紀夫君) 私は所信の中でも、政治というのはまさにそういった少数者のためにあるんだと、そのように申し上げたつもりでございまして、是非今の気持ちをしっかりとお互いにわきまえながら、マニフェストに掲げたことは金科玉条だから一言一句たがえちゃならないと、そういう発想ではなくて、国民皆さんの意思というものもしっかりと伺いながら判断して決定してまいりたい、そのように思います。
  125. 脇雅史

    ○脇雅史君 国民との契約というふうによく言われますが、契約というのは相手方との合意ですから、国民というのは先ほど私が申し上げたように全国民ですからね、政府にとっては。必ずしも契約ではないんですよ、まだ。余り契約ということにこだわらない方がいい。もし本当に契約だと思われるんなら、国民に聞いてみたらいいんです。あらゆるマニフェストについて国民が契約をしたと思っていますか、今。
  126. 鳩山由紀夫

    内閣総理大臣鳩山由紀夫君) 私は法的な意味での契約という意味で申し上げたつもりではありませんが、余りにも公約というものが無視され続けてきた今日までの政治というものを反省しながら、国民皆さんにお約束したことは政権取ればできるだけ実現を果たしていかなければならない、その思いを申し上げたつもりであります。
  127. 脇雅史

    ○脇雅史君 ですから、マニフェストが達成できなかったら責任取るとかなんて言う必要ないんです。政権国民からゆだねられた民主党が、今の立場できちんと議論をしていい政策を出せばそれでいいんです。マニフェストに余りこだわるのは私はよろしくないと思っております。  そこで、次に行きますが、先ほども話に出ておりましたが、国会における予算審議の問題です。  まさに、憲法からいっても財政法からいっても、政府というのは国会で決めたことをやるんですね。それを実行する機関なんです、法律にしろ予算にしろ。ですから、もし政策で前政権のことを変えるのであれば、結構な話です、変えてもいいんです。それはやっぱり国会ということをきちんと通過させる必要があるのであって、先ほどの法制局の見解はやや乱暴だと思いますね。使いたいけれども使えないようなものを、それは使わないことはあります、移用、流用といって、財政法上ちょっと使い道を変えることもある。しかし、それはあくまでも法律の範囲内なのであって、今回のように政策を明らかに変えるというのであれば、それは国民に問うべきなんじゃないでしょうか。
  128. 鳩山由紀夫

    内閣総理大臣鳩山由紀夫君) 行政府、内閣において、これは新しい政権になって必ずしも必要がないなとか、あるいは不要不急だなというものに対して私どもは見直して、そして執行停止をしてまいったところでございますが、その執行停止をしたものに対して皆様方議論をしながら最終的に結論を出してまいりたいと思っておりますし、決して国会を軽視したり無視したりするつもりもございません。
  129. 脇雅史

    ○脇雅史君 そうであるとするならば、今この国会に、さきの国会で成立した補正予算に対する修正といいましょうか、補正は出るべきなんじゃないでしょうか。
  130. 鳩山由紀夫

    内閣総理大臣鳩山由紀夫君) 今申し上げましたように、行政において必ずしも今執行する必要がないというものに関して停止をすることは今のこの内閣においてできると、そう思っております。  そして、毎年、このような不要になった、あるいは執行停止になったものに対しては最終的に修正がなされております。これは毎年自民党政権においてもなされてきたことでございまして、当然のことながら何らかの形で最終的に補正という形が修正でなされるべきだ、その議論国会の中で行わせていただきたい、そのように思っております。
  131. 脇雅史

    ○脇雅史君 国会で決めたことをおやりになるのであって、違うことを勝手に行政府ができるということはないので、まあ御存じでしょうけれども、それはお気を付けいただきたいと思います。  それから、特に生活保護費の母子加算という話がございましたが、これもさきの国会で随分議論しましたよね。国会議論をしてやめることになった。それに対する賛否いろいろございました。いろんな意見あるんです。  そのいろんな意見の中の一つの代表的な意見というのは、生活保護を受けてられない方との平等感、それから実際にお子さんがおられたときに、高校生なのか小学生なのか、随分違いますから、実態に合わせてきめ細かくやりましょう。そして、生活保護を受けられている方、受けられていない方、そういうところの平等感を保つためにやめたんですよね。  今回、それは、きめ細かくお払いする部分はそのままにして、そして母子加算をまた復活するということになると、その辺の平等感は大丈夫なのかと、しかもそれを国会議論をせずに予備費でやるということが本当にいいんだろうかと。私はやっぱり国会に出すべきだと思いますよ。どうですか。
  132. 長妻昭

    国務大臣(長妻昭君) お答えを申し上げます。  今のお話は生活保護の母子加算の削減というお話だと思います。  これは前政権の下、社会保障費の伸びを一律二千二百億円毎年カットする、その考え方の中でこれが削減をされたと。私どもといたしましては、きちっとした根拠なしに削られたというふうに認識をしておりまして、母子家庭の窮状、そして年の瀬を迎えた現状等々を考え、これは内閣といたしましても財政法のルールにのっとって予備費として使わさせていただき、十二月から母子加算の復活をさせていただくと、こういうことになったわけでございまして、是非理解をいただきたく存じます。
  133. 脇雅史

    ○脇雅史君 今のお話も、私は大分中身が違うんじゃないかなと、見解がですね。だから、そういう見解をやっぱり闘わせる必要があると思うんですね。  それから、予備費というのは使った後に必ず国会の承認が要るんですよ。これから使うんですから、事後の承認が必要なものだったら今承認を取ればいいじゃないですか。何でやらないんですか。
  134. 長妻昭

    国務大臣(長妻昭君) 今申し上げましたように、この委員会の場でもお尋ねがございましたので私の方からも報告をさせていただき、そして、この後、厚生労働委員会というのも開催される際には私の方からも丁寧に説明を申し上げると、こういう予定にしているところでございます。  いずれにしましても、一律にカットする、そして、その根拠につきましても非常に不十分であるという問題意識を持っておりますので、今後、国民皆様方の最低限度の生活、憲法二十五条で保障されるナショナルミニマムについての基準というのも新たに考えていくべきであるということで今進めているところでございます。
  135. 脇雅史

    ○脇雅史君 若干少しくどく申し上げましたが、舛添議員が申し上げたのと同じことなんですが、やはり国会が国権の最高機関、やっぱり国会でしっかりと議論をするということは、与党におなりになって是非大事にしていただきたいと思っています。よくそこら辺で何か言っていますが、我々が与党のときに完全だったとは申しません。いろいろ悪いところもあったんでしょう。しかし、お互いにいい国会にしていかなくちゃいけないんですから、与党におなりになったら、是非とも国会というものの位置付けをもう一回しっかりしないといけないと私は思うんです。どうですか。
  136. 鳩山由紀夫

    内閣総理大臣鳩山由紀夫君) 国権の最高機関としての国会を大切にして、したがって、その意味での議論というものは大いにしてまいりたいと思います。  母子加算の復活に関しては、予備費を使わせていただいたのは、余りにも緊急的に必要だったということで、国会が始まる前にその手当てをさせていただくという必要性から生じたものだと、そのように私は理解をしております。
  137. 脇雅史

    ○脇雅史君 小沢さんが、大分国会改革したいと、イギリスの国会考えながらそう言われているようですので、ちょっとお聞きをしたいんですが、政権政党と立法府とは一緒じゃないですよね。もう一体化するんだと言って、衆議院では国会質問も与党はしないなんていうことがいっとき言われていましたが、これは明らかに間違いだと思うんですが、どうですか。
  138. 菅直人

    国務大臣(菅直人君) 議院内閣制というものに対する理解が私は従来やや間違っていたと思っております。つまり、三権分立だから国会議員国会議論すればよくて、大臣以外は、内閣はあとは官僚に任せればいいという、それそのものが私は間違ってきたと思います。  そういう意味では、衆参、国会で多数の議席を得た政党が、ある意味では自分たちリーダー総理にして内閣をつくるわけですから、つまり、そういう意味では、政権党がある意味では内閣全体に対して責任を持つ、これが議院内閣制、つまり、そうでなければ、国民内閣に対して直接総理大臣を選ぶわけにいかないわけですから、そういうところから原理的に一元化ということが出てくるわけで、決して二元制がうまくいかなかったからというんではなくて、議院内閣制というのは議会が、つまり国会内閣をつくる、多数派が責任を持って内閣をつくる、だから一元的だと、こう理解しております。
  139. 脇雅史

    ○脇雅史君 行政の中立ということがよく言われますね。行政の中立性というのはどういうふうにお考えですか。
  140. 菅直人

    国務大臣(菅直人君) 多分それも行政執行の中立性ということであって、行政そのものは、例えばどこの知事でもどこの自治体でも首長はまさに政治家でありますから、当然公約したことを進めるのが当然であって、それを何か中立という表現が、もし政党が政党の公約をやるのが一方的だと言われたらそれは選挙にならないわけですから、あくまで行政の中立性というのは、行政が例えば箇所付けなどをするようなときにそれがきちっと中立性を保たれなければならない、そういう意味だと私は理解しています。
  141. 脇雅史

    ○脇雅史君 この辺はよく議論をしなくちゃいけないと思うんですが、私は、大臣の中立性ってどういうことか。行政府の中立って、大臣政治家だから中立でなくていいということではないと思うんです。中立ということの意味は、全国民を視野に入れている。つまり、国会という場を通って出てきたものは、法律だって全国民のものだし、それを執行する意味で大臣は中立性が担保されるんですよ。そして……(発言する者あり)違うって、どう違うんですか。
  142. 菅直人

    国務大臣(菅直人君) だって、大臣は特別職ですし、当然、例えば選挙になれば、私なども、ついせんだっても神奈川と静岡に応援に行きました。これ、中立違反になるんですか。一般の公務員は当然中立義務があります。ですから、そういう意味で政治家である大臣は中立性の義務はありません。
  143. 脇雅史

    ○脇雅史君 一般の……(発言する者あり)
  144. 簗瀬進

    委員長簗瀬進君) 御静粛に。
  145. 脇雅史

    ○脇雅史君 一般の職員は中立でなくちゃいけないと、こう言われていましたが、それでは、民主党の職員を政府が今回採用されるという話を聞きましたが、これは本当ですか。
  146. 菅直人

    国務大臣(菅直人君) 現在、たしか、名称は調査員という形で、臨時、いわゆる常勤ではなくて採用をさせていただきました。ただ、給与は国からは出ない、そういう仕組みの中で、しかし、同席をするときには守秘義務等が掛かるという意味で、そういう形の採用をしていただきました。
  147. 脇雅史

    ○脇雅史君 その職員には行政の中立性ということは適用されるんですか。
  148. 菅直人

    国務大臣(菅直人君) 私は、これは、イギリスの場合はスペシャルアドバイザーという形で、ポリティカルアポインティーについてはそういった一般の職員のような義務は掛かっておりません。  私は、今回の場合もそれと同様に、言わば特別職と同じ扱いでありますから、これはほかの立場もそうですが、臨時職なりあるいは常勤でない人には掛からない仕組みがありますので、一般の職員とは違って政治的中立性の義務はない、これが私が聞いた見解です。
  149. 脇雅史

    ○脇雅史君 ちょっと私には理解できないんですが、国家公務員法あるいは人事院規則で、どういうところで適用されているのかを教えていただけますか。
  150. 平野博文

    国務大臣平野博文君) 党の職員を政策スタッフとして採用いたしました。職名は専門調査員という、こういう形で臨時的にやらせて、非常勤と、こういうことで採用させていただいております。
  151. 脇雅史

    ○脇雅史君 私の質問に答えていないんですが。国家公務員法あるいは人事院規則のどこで読んでいるのかということです。
  152. 平野博文

    国務大臣平野博文君) 一般職の公務員法でございます。
  153. 脇雅史

    ○脇雅史君 そこで何で中立性が担保されないんですか、適用されないんですか。一般職なんでしょう。
  154. 平野博文

    国務大臣平野博文君) 失礼をいたしました。  一般職でございますので、中立性は担保されます。(発言する者あり)
  155. 簗瀬進

    委員長簗瀬進君) ちょっと待ってください。  速記を止めてください。    〔速記中止〕
  156. 簗瀬進

    委員長簗瀬進君) 速記を起こしてください。
  157. 平野博文

    国務大臣平野博文君) 政治的な立場での中立性は問われないと、こういうことでございます。
  158. 脇雅史

    ○脇雅史君 公務員には政治的中立でなくちゃいけないと言っているんですが、今の答弁では全く訳が分からないんですが。(発言する者あり)ちょっと止めてください。
  159. 簗瀬進

    委員長簗瀬進君) 速記を止めてください。    〔速記中止〕
  160. 簗瀬進

    委員長簗瀬進君) 速記を起こしてください。  通告がなかったために混乱をいたしておりますが、内閣官房長官松井孝治君。
  161. 松井孝治

    内閣官房長官(松井孝治君) 御答弁申し上げます。  御指摘の職は、一般職の専門調査員でございますが、当然行政としての中立性はございますが、専門的な非常勤の一般職でございまして、必ずしも政治的行為の禁止までは掛かっておりません。そういう仕組みが国家公務員法上ございます。
  162. 脇雅史

    ○脇雅史君 非常勤ということですが、給与がないと。多分国家のために働くんですよね。働いている一般職に対して給与を払わないというのも私はまたおかしいと思うんです。ちゃんと働いたらやっぱりちゃんと払わなければいけないんですから。  そこで、通告がないとおっしゃいましたが、私、昨日、政務官に来てくれと言ったんですよ。これは行政の問題じゃないですから。そうしたら、来なかったんですよ。そういう言い方はないんですよ。そういう言い方はないんですよ。私のところに来ればちゃんとこの話したんですから。政務官来いって言ったんですよ。  それから、今の問題については、大事でないなんてことを言っていられる方もいますが、これは極めて国家の運営上大事なことですから、後できちんと私に報告してください。よろしいですね、官房長官
  163. 平野博文

    国務大臣平野博文君) 今の脇先生の話については、私、承知いたしました。
  164. 脇雅史

    ○脇雅史君 それでは、次に行きます。  公共事業に対する鳩山内閣のお考えをお聞きしたいんです。  まず、今、世界的同時不況を抜けるために各国政府はどうしたらいいかということを、去年G7とかG20とか、いろいろ話してきましたよね。そこで、国際的な合意というのは、これは民間が振るわないんだから財政出動をしよう、各国大変だけれども財政出動をしようというのが今国際的な合意ですよね。そしてその中で、アメリカを始めヨーロッパ各国も財政出動は公共事業にウエートを置くんだということが言われています。鳩山政権はそのことを全く否定されるのでしょうか。
  165. 鳩山由紀夫

    内閣総理大臣鳩山由紀夫君) 全く否定するつもりはありません。真に必要なインフラ整備はやはり進めていかなければならないと思います。  ただ、私たちは、限られた財政の中でこの日本の経済運営を図っていかなければなりません。その思いの中で、コンクリートから人へという言葉は使いました。今まで必ずしも、ある意味で、中長期的な視野に立てば、果たして必要な大規模な公共事業だったかというものがたくさんありましたから、それを一つ一つ見直すことも新内閣としては必要だという思い見直しておりますが、真に必要なインフラ整備はやはり進めていきたい、そのことは当然のこととして申し上げたいと思います。
  166. 脇雅史

    ○脇雅史君 真に必要なものはやるんだとおっしゃいましたが、それでは、今の我が国の道路であれ河川であれ海岸であれ港湾であれ下水道であれ、今のインフラの整備状況はどのようにお考えでしょうか。これは国交大臣でも結構です。
  167. 前原誠司

    国務大臣(前原誠司君) 建設省の河川局のエースと言われた脇先生と議論をさせていただくこと、有り難いと思っております。  今、日本が置かれている状況というのは、私は三つの制約要因が主にあると思っております。一つは、人口減少社会、二〇〇四年をピークに日本の人口は減少に入っているということ。そして二つ目には、少子高齢化がどんどんどんどん進んでいるということ。これから社会保障のお金が多大なものになっていきますし、また人口減少に歯止めを掛けていくためには少子化対策お金を掛けなくてはいけないということがあります。もう一つ大きな要因は、今までの政治の中で国のGDPの一・八倍を超える長期債務というものが積もり積もっていったと。この制約の中でどこに優先的に予算を付けていくのかということが極めて重要なことだと思います。  もちろん、公共事業一つ取れば、例えば港湾でも、パナマ運河が拡幅をされたときにそれが通れるだけの、いわゆるポストパナマックスといいますか、スーパーパナマックス級のものが着岸できる港がないということ一つ取れば、それはそういった港整備にお金を使った方がいいということになろうと思いますし、あるいは、ある地域の高速道路、欲しいという方々あるいは必要だという方々の気持ちはよく分かります。しかし、それを全体の予算の中でどう割り付けをしていくのか、そして公共事業の予算を制約していく中で選択と集中をしていくということが大事だと思っております。
  168. 脇雅史

    ○脇雅史君 内閣として最後にいろんな分野を調整するのは、これは当たり前のことです。みんなそれぞれの省庁によってやらなければいけないと思っていることはたくさんあるはずなんです。  国土交通大臣の仕事は、初めから御自分で向こうが大事だからこっちやめようということじゃないんです。今のインフラの状況大臣としてどう見ているのか。足りるのか足りないのか、どこに問題があるのか、お金があったらここはやりたいんだと、そういうことをきちっと言っていかなかったら、ほかはだれも言わないんですから、国土交通省は沈没しますよ。
  169. 前原誠司

    国務大臣(前原誠司君) 私は、政権交代で今のような脇委員の発想を変える国土交通大臣になるということを私は思っております。つまりは、国全体の財政と国全体の予算配分をどう考えていく中で国土交通省としての役割を果たしていくのか。  そういう意味では、我々は公共投資額は減らすという結論を、決断をこの鳩山内閣の中でさせていただいた。概算要求でいうと、公共投資額については一四%減。しかし、その中でどうやって選択と集中をやっていくのかということを我々は考えていきたいと思います。
  170. 脇雅史

    ○脇雅史君 気持ちはいいんですよ。思いはいいんですよ。だけど、現行法上どうなっているかと。  例えば、法律では前原さんは道路整備をしなくちゃいけない立場になっていますね、道路法で。それから、河川法でもその責任を負っているんです。もしやらなかったら、例えば裁判を起こされて問題があったら責任取らなくちゃいけないんですよ。  だから、これだけはやらなくちゃいけないということを主張されることがまずは先にあって、難しいんですよ。じゃ、道路と川とどういう配分をするかといったって難しい。それが道路と子ども手当とどうするかというのはなお難しい。だから、それぞれいろんな事業の必要性を調整するというのは一つの省庁だけでも物すごく難しいんです。それを一足飛びによその省庁との調整まで頭に入れるとなると、それは一つ大臣じゃない、まあ菅さんの役割ですよね。
  171. 前原誠司

    国務大臣(前原誠司君) 私は、国土交通大臣であると同時に国務大臣ですよ。全体の財政をどう最適に配分をするかということを考えていかなければなりません。  今の脇委員考え方に立つと、借金がどんどんたまって長期金利が上がって国が破産して道路は造り続けると、そういうことになりますよ。
  172. 脇雅史

    ○脇雅史君 まあ時間が無駄だから議論はしませんが、私の言っていることでそんなことにはなりません。主張はしても、国家として我慢するものは我慢するのは当たり前です。だけど、最初に主張することはしないと駄目ですよと言っているだけなんですから。もうこの件はいいです。  それで、もう一回お聞きしますが、それでは、現在の公共事業あるいは民間の建設事業もそうですけれども、それを支えています建設産業の状況というのはどのように御認識されていますか、総理。これは総理にお聞きしたいと思います。
  173. 前原誠司

    国務大臣(前原誠司君) まず私からお答えをさせていただきたいと思います。  委員が一番お詳しいと思いますけれども、現在建設業者の数は五十万社以上はございます。ただ、年間百万円以上の売上げを上げている業者数に限って言いますと二十万程度でありまして、この二十万社の中で、どのように今後公共事業のパイが減っていく中で事業をしていただくかということになろうかと思います。  そこで、我々が考えておりますのは、一つはゼネコン、スーパーゼネコンと言われるところの海外進出というものをしっかりとバックアップをしていきたいと思っています。他国のゼネコン、スーパーゼネコンを見ておりますと、全売上げに占める海外比率というものが六割とか七割というものを占めておりますけれども、日本のスーパーゼネコンは二割以下でございまして、言ってみれば内弁慶的なところがあります。そういう意味では、スーパーゼネコンには、余りパイの減っていく公共事業、国内公共事業の中で地元業者とたたき合って、つぶし合って仕事を取るんじゃなくて、外へ出てもらうということを是非やっていただきたいと思います。  また、例えば一四%公共事業を減らすということを申し上げましたけれども、この単価の見直しとか、あるいは高コスト体質というものを変えていく中で、別に一四%の事業を減らすということを言っているわけではなくて、例えば一四%の公共投資額を減らしてでも、しかしそれが高コスト体質が減らせて一四%減らせれば事業費は減らないわけでありますので、そういったところもしっかりと指導していきたいと思っております。
  174. 脇雅史

    ○脇雅史君 何も私の問いには答えてないので。  要するに、今の建設業の実態がどうなっているか。どんどんどんどんつぶれていますよ。高コストなんて言っていましたけれども、本当に労働者の賃金はもう最悪ですよ。十年前から三割、五割減っているんです。生活できないんです。そして、今全国で五百万ぐらいの人がいますが、今年度の予測でも、今の政策で二十万人ぐらい更に失業者が増えるだろうと言っているんです。  その各社の経営状況、それからそこで働いている人の処遇、そういう実態をどう考えているのかということを聞いているんです。
  175. 前原誠司

    国務大臣(前原誠司君) 例えば、スーパーゼネコンが仕事を取って、そして下請、孫請に出していく中で相当たたかれて、今、脇委員がおっしゃったような地域の建設業者がやるところでは本当に赤字覚悟でやらなきゃいけないという状況が私は出てきていると思っておりまして、それについてはゆゆしき状況だというふうに思っております。  例えば、一つの例で申し上げると、沖縄の公共事業の、じゃ、地元に幾ら、何%お金が落ちているかということを私、調べました。そうしたら、沖縄の公共事業費の五一%しか落ちていないんですね、沖縄には。つまりは、四九%は本土へ引き揚げられているということ。これを考えると、いかに地場の業者がなかなか仕事ができていないか、あるいはそういった給与等が下りていないかということが分かっているわけであります。そういったところは改善をしていかなくてはいけませんし、ただ、先ほど申し上げたように、国全体の財政状況なりあるいは少子高齢化ということを考えていくならば、公共事業のパイは減らしていかざるを得ません。  したがって、これは政府全体として雇用緊急対策本部というものをつくっていただき、転業支援、転職支援というものを併せてやっていかなければいけないというふうに思っております。
  176. 脇雅史

    ○脇雅史君 だったら、日本の公共事業はどこまで減らしていくのか。私は、自民党政権の中でもそういう言い方はありましたが、これ以上減らしたら問題が出ますよと言っているんです。  そのときに何を考えるか。日本の今あるインフラを、この能力を落とさずに維持していくためにどれぐらいの支出が要るか。工場でいえば、減価償却なんということでずっと減価償却積み立てていきますよね。それを怠ると、あるときに大変な問題が生じるんです。今、日本が持っている道路であれ河川であれ、社会インフラというものの減価償却的なことを、耐用年数の問題ありますけれども、試算してみると、今の予算額では既に現状をずっと維持していくのに足りないだろうという試算もあるんです。どんどん減らせばいいんじゃないんです。これはもう日本の生活環境が壊れますよ。それこそ安全も保障されなくなるんです。どのぐらいまで減らせると思っているんですか。
  177. 前原誠司

    国務大臣(前原誠司君) 今まで自民党政治の中で新しい投資をどんどんどんどんやってきて、その維持管理にお金が掛かってきて、にっちもさっちもいかないような状況になっているのは委員一番お分かりのとおりだと思います。  例えば道路でいいますと、年間幾らの維持管理費が掛かっているか、道路だけで。林道や農道、つまり農水省の所管は外します。地域や高速道路入れると、それだけでもう二兆二千億掛かっているんですね、二兆二千億、道路だけで。ということは、新たな公共投資を更に新規なものにしていくと、それに対する維持管理費がまた掛かります。委員おっしゃるように、今までの投資でも維持管理費でもかなりもういっぱいいっぱいになってきていると。  したがって、これからの人口減少や少子高齢化、どこに予算配分するかということになると、まさに委員がおっしゃることを私が代弁をすれば、公共投資は抑制していかないと、また新しいものを造ると維持管理費が掛かると。これからの公共投資は、まさに維持管理を中心にやっていかなくてはいけないという認識を持っております。
  178. 脇雅史

    ○脇雅史君 どこの国でも社会インフラの維持にはお金は要るんです。お金掛けずに維持なんかできるはずがない。どこまで必要かということを言っているのであって、前原さんの意見は、日本はもう新たに新規に何もやる必要がないということなんですか。
  179. 前原誠司

    国務大臣(前原誠司君) いや、先ほど脇委員がそういう趣旨のことをおっしゃったから、そのとおりですと、今まで自民党政権で造り続けてきた公共投資というものに対する維持管理がかなりのものになってきていて、これだけの財政赤字と、そして日本が置かれている制約要因を考えていけば、新たな投資というのはなかなか難しい状況になっていますということを申し上げているわけです。
  180. 脇雅史

    ○脇雅史君 今の日本財政事情が厳しいのも分かります。しかし、ここでもう日本はインフラはいいんだという選択をすると、国民の安全上からも、それから経済発展ですね、国際競争力を付けていく、これにはインフラが要るんです。お金が要るんです。どこの国でも要るんですよ。最近、それでは、この十年間でヨーロッパでどんなことになっているか御存じですか。どんどん増えているんですよ、一・五倍とか二倍とか、アメリカでも増えている、イギリスでも増えているんです。みんなやっぱり必要な金は必要なんですよ。  しかし、必要であったって、大変なものは当然我慢しなくちゃいけないけれども、だからその限度はどこに置くんですかと言ったら、どんどん減らすとおっしゃるから、どこまで減らすんだと言ったらお答えになりませんね。
  181. 前原誠司

    国務大臣(前原誠司君) 抑制規模については、その年度年度でどのような配分ができるかということを内閣として相談しながらもちろん付けていきます。  私が先ほど申し上げたことは、新規を全くやらないなんてことは一言も言っておりません。それと同時に、釈迦に説法かもしれませんが、空港幾つあるか、日本で、九十八ありますよね。じゃ、コンテナが泊まれる港幾つあるか、これ議員御存じだと思います、六十五あるんですよね。そして、いっぱい造ったがために集中ができずに国際競争力がなくなって、釜山やシンガポール、ほかのところに取られていって、結果的には向こうで、例えば釜山で大型のコンテナが着いて、そしてそれで積み替えて日本に来るような状況になってきている。  つまりは、今までの公共投資というものが戦略なきばらまきで、選択と集中がされてこなかったということが一番大きな問題だと思っています。
  182. 脇雅史

    ○脇雅史君 まさに戦略ある投資というのは大事だから、それは大いに今の意見については私も賛成ですよ。国土交通委員会等でやりましょう。しかし、今までのものが全部無駄だったということでもないんですよ。いろんな要素があるんです。しかし、ここで政権が替わったから改めて見直そうということについては私も賛成ですから、大いに議論をいたしましょう。この場ではこれでとどめます。  それで、私から申し上げておきますが、今の建設産業は本当に危機的な状況にあります。例えば、全国建設業協会という各県の主な業者が加盟している団体がありますが、この十年間で三万三千社から二万一千社ぐらいまで減っています。これだけ減っているんですね。それから、全中建、中小建設業協会の建設業の団体がありますが、それも平成十年で六千四百社が今三千八百社まで減っています。どんどん淘汰されている。過当競争によって淘汰されているのが今事実なんですが、必ずしも良質な業者が残らないということもあるんです。  そして、一番問題なのは、建設産業というのは、日本の建設産業の優れているところは、技能労働者なんですよ、現場のいわゆる職人さん。本当に各専門業者というのは、すばらしい能力を持ってやる気もあるんです。まじめなんです。そこに給料が行かないんですね。今のまま続けたらこの人たちが本当にいなくなってしまう。  だから、業界をどうやって維持していくか。維持できなくなったら大変なことになるんですよ。だから、その業界を維持していくというその考えも国土交通省にはなくちゃ困るんですね、大臣
  183. 前原誠司

    国務大臣(前原誠司君) 今までの対GDP比でいうと過大な公共投資が行われてきて、それに合った事業者数やあるいは労働者数がいたというのは、それはそうかもしれません。しかし、それが果たして適正だったのかというと、私どもは適正でないと言っているわけですよ。したがって、公共投資額減っていけば、それは新たな職種に転業していただく方、あるいはほかの仕事に変わっていただく方、そういった方はそれはトータルの調整としてはやっていかなきゃいけません。  建設産業、もちろん技能が世界で優れている、日本の建設産業というのは世界で冠たる建設産業だと私も思います。そういった水準は残していかなければなりませんが、ただ、今までの過大な投資額を前提にその業者数を残せとか従業員者数を残せというのは私はおかしいと思います。
  184. 脇雅史

    ○脇雅史君 だれも残せなんて言っているんじゃないんです。適正な規模をつくるためにはどれぐらいの投資があるんですかと。適正な投資額がなかったら業界の適正規模なんか出ないんですよ。そして、そういう業界にしていくためには、公的な発注者も何らかの手助けが要るんです。  今までいろんな業界で、例えば造船でも繊維でも、いろんな業界が浮沈がありますよ。そのときに軟着陸させなくちゃいけないんですよ。いきなりぼんと減らして、大変なことが起こるんですよ、これから。いきなり来年度減らすんだって言うけど、減らすためには減らすなりの手当てが要るんですよ。  何を考えているんですか、その手当ては。
  185. 前原誠司

    国務大臣(前原誠司君) 総合的な雇用対策の中で、先ほど申し上げたように、業種転換あるいは転職支援、そういったものはしっかりやっていかなくてはいけないというふうに思っています。
  186. 脇雅史

    ○脇雅史君 言葉はいいですよ、やっていくんだと。だけど、二十万、三十万って出てくるんですよ、これから失業者が。どうやって吸収するんですか。今の言葉には何の具体性もないじゃないですか。
  187. 前原誠司

    国務大臣(前原誠司君) これは自民党政権から続けられていることです。これは別に我々民主党が新たにやったことではありません。(発言する者あり)いや、公共事業を減らしたということですよ。  つまりは、私が今から言おうとしているのは何かというと、転職支援、転業支援を自民党政権からやっているということですよ。観光、農業、林業、水産業、福祉、そういったものを転換をするための支援策は自民党からやられているんですよ。だから、それを更に拡充して推進していきますよ。
  188. 脇雅史

    ○脇雅史君 実態を言えば、農業では食えない、林業では食えない、だからもう建設業にも働きに行こうというような人が多いんですよ。そこでそんなに、本当に二十万、三十万人という労働力を吸収することができるんですか。
  189. 菅直人

    国務大臣(菅直人君) 緊急雇用対策本部の本部長代行として、十月の二十三日に緊急雇用対策をまとめました。前原国交大臣の方からも転業支援という話もいただいておりまして、そういう中でグリーン雇用創造というものを一項目立てさせていただきました。  今委員お話しのように、確かに農業、林業は、この十年、二十年、あるいは三十年、どんどん実質的な雇用が減ってきております。逆に言えば、そういうところから建設業へ変わった方もたくさんあるわけであります。  そこで、私たちは、林業についてはこれから非常に大きな可能性があるということで、実は三年前、民主党が出しました林業再生プランでは、直接雇用十万、間接雇用を含めれば百万の林業再生プランを出しております。今回の緊急対策の中でも、介護等を含めた、介護とかそういうものを含めた中では十万人の新規雇用を見込んでおりまして、そのためにいろいろな施策を併せて行うことを提案をさせていただいています。
  190. 脇雅史

    ○脇雅史君 結論的に申し上げれば、建設産業というのは必要不可欠な産業なんです。健全に立派な技術力を持った会社がしっかり残ってほしいと。しかし、全部は残れません。必要な数残す。あとは淘汰するんですから、その辺は、今、菅さんが言われましたけれども、いろんな手当てをしてしっかり面倒を見てほしい。そして、立派な会社を残す。その立派な会社を残すためには国の政策が必要なんです。民間民間とおっしゃいますが、公的な仕事で食べている部分もありますから、発注者側もきちんとした政策を持たなければ健全な建設産業って育成できないんですよ。健全な建設産業がなかったら国民が大変なんです。  だから、是非、前原さん、これからどういう格好で必要な建設産業を、数と質を残すか、是非真剣に考えていただいて国の政策として頑張っていただきたいと思います。何かありますか。
  191. 前原誠司

    国務大臣(前原誠司君) 委員おっしゃるように、建設産業というのは必要な産業でありますし、優秀な技術者、高いレベルの能力を持っていただくということは大事だと思いますので、今おっしゃった観点も含めてしっかりと建設行政を進めていきたいと思います。
  192. 脇雅史

    ○脇雅史君 コンクリートから人へということをキャッチコピーで使っていますが、私は、余りキャッチコピー、キャッチフレーズで政治はやらない方がいいと思っているんです。小泉さんからの悪い癖ですね。  私のところに、コンクリートという社名の付いた会社あるいは建設産業から大変な苦情が来ています。コンクリートから人へとおっしゃいますが、総理、コンクリートから人へと言うけれども、じゃ、コンクリートで仕事をしている人は人間じゃないのか是非聞いてくれと、総理に、そう言われまして、私。どうですか。
  193. 鳩山由紀夫

    内閣総理大臣鳩山由紀夫君) これは、私どもコンクリートから人へという言葉を使いました。そのことに対してコンクリートの業界からいろんな御指摘をいただいているのも伺っております。その方々に申し訳ない思いはあります。  ただ、ある意味でのイメージ、方向性として今まで公共事業というものに対して余りにも、脇委員は御活躍をされておられたとしても、我々からすれば過ぎたところがあったのではないかと。それから、もっと大事な、財政が厳しい中で人間のための経済に動いていかなければならないという思いを乗せてこのようなメッセージを出したところでございまして、御迷惑を掛けた方があるとすれば、それは申し訳ないなと思っております。
  194. 脇雅史

    ○脇雅史君 今全国に向けておわびになられましたからそれでいいんですが、コンクリートには何も罪はありませんよね。地震列島、災害列島と言われる日本列島に私たちは暮らしています、大きな自然災害が日本を見舞うときのために万全の備えをするのが政治の第一の役割でありますと、こう言われています、総理は、所信で。これを達成するにはコンクリートを使うしかないんですよ。そうでしょう。コンクリートなしに防災なんかできますか。できないでしょう。もう一回謝ってくださいよ。
  195. 鳩山由紀夫

    内閣総理大臣鳩山由紀夫君) 人の命を守るためにコンクリートが必要になる、そういう事業もたくさんあることは当然だと思っております。その意味でもコンクリート業界の方にも頑張っていただきたいなと、そう思います。
  196. 脇雅史

    ○脇雅史君 それでは、八ツ場ダムについてお聞きをいたします。  まず、総理にお伺いするんですが、総理、この間の衆議院の審議の中で、私自身、昨年の夏、八ツ場ダムを視察してまいりましたと、こう云々言っていまして、私が視察した結果においてはクエスチョンマークを付けざるを得ない、そんな事業でありましたとおっしゃっていますね。視察して、その治水や利水、発電にクエスチョンマークが付くような、何を御覧になってそういう結論になったんでしょうか、具体的にお答えください。
  197. 鳩山由紀夫

    内閣総理大臣鳩山由紀夫君) おっしゃるとおり、私も昨年の夏、八ツ場ダムを視察してまいりました。そこで、当然見たからすべてが分かるという話ではありません。いろんな方からのお話を伺いました。そして、特に、これから人口が大幅に減っていくような日本の社会になってしまっている、その中でこのような巨大工事というものが本当に必要なのかと、そして、いろいろと識者の方からも意見を伺う中で、治水もそして利水も発電もこのような規模のものを決して必要だとは思わないという意見を多々いただきました。ただ、住民の皆様方からも当然、せっかく何十年も掛けてここまで来たんだ、だからその自分たち思いも大切にしてくれということもいろいろと伺ってまいりました。  その住民の皆様方の御意見というものも大切にしながら、今、前原大臣の下でどのような最終的な結論というものを導き出すことができるか、判断をしているところでございます。
  198. 脇雅史

    ○脇雅史君 視察した結果においてはと言われているから、視察後どのことが気になってそういう判断をされたのかと聞いているんです。(発言する者あり)総理が視察したんだよ。
  199. 鳩山由紀夫

    内閣総理大臣鳩山由紀夫君) これは後で前原大臣からもお答えいただきますが、私は、そのときに様々な方々から、関係者の方々からお話を伺いました。いろいろと科学的なことも話を伺いました。その中で私の中に大きな疑問符が付いたということでございます。
  200. 脇雅史

    ○脇雅史君 様々な方というのはだれですか。
  201. 前原誠司

    国務大臣(前原誠司君) いや、総理が行かれる前に我々が党で様々な検証を加えたということの御説明をさせていただきたいと思います。  我々は、質問主意書、国会での質疑、そして様々な専門家の方々、もちろん住民の方々からもお話を伺いました。まず、大きなポイントから申し上げますと、五十七年たってまだ完成してない工事、つまりは五十七年前に前提とした社会環境なりが変わったんではないかと、変わったんであれば、それを見直す中で事業の在り方というものを見直していくべきではないかということを我々は一つ大きく考えました。  治水にいたしましても、例えばカスリン台風というものを前提に八ツ場ダムをその一つとして考えられたわけでありますけれども、八ツ場ダム以外にかなり利根川水系にはダムができましたし、河川整備にもお金が掛けられたわけであります。また、利水にいたしましても、右肩上がりのいわゆる需要増から、今や人口減少、そして節水、そういったものがかなり進んでまいりまして、利水状況においてもかなり環境の変化が起きたんではないかということで、我々はできるだけダムに頼らない治水というものを、利水というものを考えるということで様々な検討を加え、そしてその中で総理にも御視察をいただいたということでございます。
  202. 脇雅史

    ○脇雅史君 マニフェスト作成の経緯はこれから後で聞きますからいいんですが、総理がお答えになった中で視察してクエスチョンマークを付けたとおっしゃるから聞いているんですよ。
  203. 鳩山由紀夫

    内閣総理大臣鳩山由紀夫君) 具体的な個人名を今申し上げるような立場ではありませんが、当然のことながら、この地域にお住まいの住民の中にも様々なお考えがございました。また、専門家の、この八ツ場ダムに関して専門的に研究しておられる方にも御同行をいただいて、そういった方々のお話を総合的に聞かせていただいたということでございます。
  204. 脇雅史

    ○脇雅史君 問題をはっきりさせるために、最初にマニフェストをお決めになった民主党としてのことについてお聞きします。  八ツ場ダムが要らなくなったということは先ほど幾つか理由を言われましたが、それだけですか。何か報告書ございますか、このことについて。
  205. 前原誠司

    国務大臣(前原誠司君) 利根川水系の自治体の方々からも、今、脇委員がおっしゃったような御質問をいただいておりまして、それに対する書面での回答等もありまして、それは党のホームページには掲載しておりますので、御覧いただければと思います。(発言する者あり)
  206. 脇雅史

    ○脇雅史君 ふざけるな。国会で聞いているんだよ。ちょっと、ふざけるな。何だその答弁は。
  207. 簗瀬進

    委員長簗瀬進君) もう一回、脇雅史君、質問を正確にしてください。
  208. 前原誠司

    国務大臣(前原誠司君) 我々の考え、我々の考え方をまとめたものはございます。
  209. 脇雅史

    ○脇雅史君 あのね、大変なこれは……(発言する者あり)
  210. 簗瀬進

    委員長簗瀬進君) 脇雅史君、質問を続けてください。
  211. 脇雅史

    ○脇雅史君 大変な問題なんだから。今の答弁じゃ駄目だよ。
  212. 前原誠司

    国務大臣(前原誠司君) 我々の考え方をまとめたものはございます。
  213. 脇雅史

    ○脇雅史君 それでは、是非私に提出してください。
  214. 前原誠司

    国務大臣(前原誠司君) 我々の考え方をまとめたものを提出させてもらいたいと思います。
  215. 脇雅史

    ○脇雅史君 いろんな方がいろんなことを言っていますが、一つ、河川を人体の血管だとすればダムは血栓だと、こう言っている、血栓って血の塊、詰まりですね、血栓だと言っている方がおられますが、そのことは御存じですか。どちらでも。
  216. 前原誠司

    国務大臣(前原誠司君) そのお話は初めて伺いました。
  217. 脇雅史

    ○脇雅史君 鳩山総理
  218. 鳩山由紀夫

    内閣総理大臣鳩山由紀夫君) 私も存じ上げておりません。(発言する者あり)
  219. 簗瀬進

    委員長簗瀬進君) 質問をお続けください。
  220. 脇雅史

    ○脇雅史君 このことはこの間のテレビでも、あるテレビ番組でも言っているんですね。  それで、これは学者が言っていることなんです。人体の血管、河川を人体の血管に例える、これはまあいい。ダムは血栓だと。人体にとって血栓というのはどういうことを意味するかと。一刻も早く取り除かなくちゃいけないですね。ダムというのはそういうものじゃないですよね。ダムというのは、下流の血管が切れそうになったらそれを防ぐ役割をしている。下流に水が流れなくなったときにその血液の代わりに水を流す、それがダムの役割だから、これは明らかな間違いですよ。  私は、学者がこういう間違いを言うということが非常に問題だと思っているんです。一般の人が言うんならまだいいですよ。学者がそれをうそを言ってしまえば知らない人は信じてしまいますからね。前原さん、どう思いますか。
  221. 前原誠司

    国務大臣(前原誠司君) 脇委員がおっしゃるように、血栓というのは体にとって悪いもので、それを取り除かないと血液が回りませんから死に至るということになります。しかし、河川整備においては我々はダムを全否定しておりません。治水においてダムが必要な場合もあろうかと思います。
  222. 脇雅史

    ○脇雅史君 緑のダムという言葉がありますが、それは御存じですか、総理
  223. 鳩山由紀夫

    内閣総理大臣鳩山由紀夫君) 緑のダムという言葉を私自身も申し上げたことがあります。
  224. 脇雅史

    ○脇雅史君 どういう意味でしょうか。
  225. 鳩山由紀夫

    内閣総理大臣鳩山由紀夫君) 森林には様々な役割がありまして、その中で、その一つは保水能力であります。  森林というものを日本が開発の途上においてかなり破壊をしてきてしまったのではないかと。その結果として洪水というものが起きやすくなってきてしまったという実態もあったと思います。そのような反省の中から、自然をもっと大事にした方がいいだろうという思いで、ダムに代わってむしろ緑のダムにした方がよいのではないかという発想もあることも理解をしておりますし、そのようなことも必要なところもあるのではないか、そのように推量いたしております。
  226. 脇雅史

    ○脇雅史君 これは大問題ですね。日本で森林が整備されていなかったから洪水が起こったと言われたけれども、それはどこの例ですか。
  227. 前原誠司

    国務大臣(前原誠司君) 総理がおっしゃったのは、山には保水能力があると、その保水能力を山の手入れがしていなかったがために低下をしていったと、そういったものをしっかりと能力を向上させる中で山の保水能力を向上させることがまた洪水を止める一つの役割になるのではないかということであります。
  228. 脇雅史

    ○脇雅史君 森林による保水能力が洪水のピーク流量を調節するというのは学問的には否定されていますよ。それが証明できるんですか。
  229. 前原誠司

    国務大臣(前原誠司君) 脇委員がおっしゃるように、例えば集中豪雨が降ったということにおいて森林の保水能力というのは余りないというのはおっしゃるとおりであります。しかし、断続的にそれほど多くない量において雨が降った場合の森林の保水能力というのはあるというのが私は定説だと思っております。
  230. 脇雅史

    ○脇雅史君 山に森林があることは、これは文句なしにいいことですね。どんどん木を植えるべきです。しかし、そのことによって洪水の調節なんかできないんですよ。それから、渇水時も必ずしも水は増えてこない。確かに、森林があればそこには水がたまりますから、保水力は出ますよ。しかし、それによってダムの代わりに渇水対策ができたり洪水対策ができるということはないんですよ。  これは国民皆さんも大変な誤解をしていて、テレビのコメンテーターなんか見ると、ダムやめて緑のダムでいいじゃないかと言うんですが、これは大いに世の中を迷わせる間違った意見なんですよ。そう思いませんか。
  231. 前原誠司

    国務大臣(前原誠司君) 白か黒かという話ではないと思います。  山の保水能力が高ければ高いほど洪水に対しての調整は利くし、そして、おっしゃるように、山の保水能力がすべて干ばつに役に立つかというと、すべて役立つわけではありませんけれども、ある程度の保水能力があることによって、山に雨が降って一気に流れて、そして川に水が流れないということの調整機能は果たして、ある程度のかんがい的な要素も持つということで、黒か白か、ゼロか一かの話ではないと思います。
  232. 脇雅史

    ○脇雅史君 一かゼロかといったって、もう〇・〇〇〇なんですよ。具体的にじゃ数字を出してみてください、この森林がある場合、ない場合。そんな学術書や学術論文なんかないんですよ、この世の中には。  一般の人は何となく効果があると思って、確かに山に木があった方がいい、だれしもそう思いますよ。しかし、本当に、本当に効くんですかというと効かないんですから。そのことがどれだけの効果があるということを具体的に言わなかったら国の計画にはならないでしょう。利根川の治水安全度を保つのに、じゃ緑のダムがあったらどれだけ役に立つのか。具体的に役に立ってそれで施設計画が変わるんならいいですよ。そのしっかりとした議論もなしに、何となくダムはやめて緑のダムでいいんですというのは、これは明らかな間違いなんですよ。
  233. 前原誠司

    国務大臣(前原誠司君) 八ツ場ダムをやめて山の保水能力を高めればすべて解決すると言ったことは民主党は一度もございません。  ただ、日本の国土の七割が森林であって、その森林の手入れが行われていないために保水能力が低下をしているというのは事実でありますし、これは委員が一番よく御存じだと思いますけれども、例えば、山の手入れがされていない、そして間伐、除伐がされていないがために、集中豪雨が降って、そして細いひょろひょろとした木が流れて、そしてダムをそれこそ埋めてダムの能力を低下をさせるなどの様々な問題がありますよね。そういった問題も含めて山の手入れというものは大事であるということを我々は申し上げているわけであります。
  234. 脇雅史

    ○脇雅史君 要するに、具体的な洪水対策計画、渇水対策計画には効かないけれども、いろんな意味で環境は良くなりますから山に森林があった方がいいと、こういうことでよろしいですね。
  235. 前原誠司

    国務大臣(前原誠司君) そのとおりだと思います。
  236. 脇雅史

    ○脇雅史君 それでは、民主党のマニフェストの立場を離れて、今度は政府の立場におなりになってからのことで申し上げます。  鳩山総理も前原大臣もダムをやめると再三公言されていますね。総理大臣の権限としてやめるということ、やめる権限がおありなんでしょうか。
  237. 前原誠司

    国務大臣(前原誠司君) 例えば八ツ場ダムで申し上げますと、我々は本体工事の中止というものを政府として表明をさせていただきました。ただ、ダム事業としては継続をさせていただいております。これは、委員御承知のとおり、生活関連事業は継続をしていかなくてはいけないということであります。  ただ、特ダム法もすべて含めまして最終的にじゃ中止をするということの効果が及ぶのは予算執行を止めるということでありますので、最終的には国会議論を経て、議決を経て中止ということになるわけであります。
  238. 脇雅史

    ○脇雅史君 総理にしろ大臣にしろ、その権限というのはすべて法律で決まっているわけですから、現行法でやめるという権限はないですよね。
  239. 前原誠司

    国務大臣(前原誠司君) 先ほど申し上げましたように、特ダム法であるとか、あるいは最終的にはお金を付けるということでありますので、予算執行という国会議決が必要になります。
  240. 脇雅史

    ○脇雅史君 単にそういうことではないと思うんです。大臣も御存じだと思いますが、河川法で言えば、河川整備基本方針というのを作って、そこでその方針を決めるわけですね、ダムによるのかよらないのか。そのことは大臣一人で河川整備基本方針って決められないんですね、いろんな方の意見を聴かなくちゃいけない。つまり、法の精神からして一人で決めていいものじゃないんですよ。いろんな方々、知事さんの意見もそうですけれども、そういう方の意見を聴いて決めるという仕掛けになっているのであって、一人でやめたやめたと言うのは私は少し権限の出し過ぎだと思うんですが、いかがですか。
  241. 前原誠司

    国務大臣(前原誠司君) 政府として方針を決めさせていただいた、外に発出をさせていただいたということであります。  一つ、先ほどおっしゃったことで申し上げると、河川整備の基本計画、そういったものも我々はこれから再検証の中で見直していきたいというふうに考えております。
  242. 脇雅史

    ○脇雅史君 前原大臣のかつての国会答弁をちょっと見さしてもらいました、答弁というか質問ですね。  平成十九年のときに、これは川辺川ダムのことなんでしょうね、川辺川ダムの問題というのは、地元の相良村の村議会あるいは相良村の村長さんも反対、ダムは要らないというふうに言っていると。そして、相良村だったら一つではないかということを言われますけれども、全体の流域、球磨川水域を管理されている熊本県の潮谷知事、この知事も反対されている。取りまとめ案については了承し難いと発言されていると。地元の流域が反対をしているんなら、熊本県知事も反対しているんだから、ダム建設を前提とするのはおかしいんじゃないか、そういう意見があるのにまだあなたはダムを強行する気ですかと当時国土交通大臣に聞かれていますね。今のお立場と全く逆のように思いますが、どうですか。
  243. 前原誠司

    国務大臣(前原誠司君) 政権交代をして、先ほどから公共事業で申し上げておりますように、税金の使い道をどう変えていくかということを我々は根本的に見直していきたいというふうに思っております。つまりは、今まで二千八百ほどですか、ダムができてきて、そして改修工事をしなきゃいけないもの、あるいはしゅんせつをしなけりゃいけないものもたくさん出てきておりますし、これから先もまだ百四十三の事業を計画、継続中であります。  例えば、今委員が御指摘をされている八ツ場ダムにいたしましても、委員、よろしいですか、例えば八斗島の基本地点におきまして、基本高水というのが二万二千トンですよね、毎秒。しかし、計画高水というものは一万六千五百毎秒トンであります。ということになると、八ツ場ダムが仮にできたとしても、今の先ほどの利根川の基本計画というものによりますと更なるダムや河川整備というものが必要で、今のような状況だとどんどんどんどんお金が掛かるというような仕組みになっている。それを全体として政権交代を契機に予算の使い方を見直させていただく中で河川整備の在り方も根本的に見直させていただく、その中での川辺のダムの中止あるいは八ツ場ダムの中止であるということを御理解いただきたいと思います。
  244. 脇雅史

    ○脇雅史君 政治家の姿勢として、地元を大事にするから地元の意見を尊重しろと言っていたわけですよ、前はね。今回は全く逆の立場におられる。  それから、地元に行って、白紙にしたらどうかということについて、そんなことはできない、方針は決まっているんだとおっしゃいますが、これまた前原さんは、十二年の二月のこれは衆議院委員会で、建設委員会ですけれども、このときには吉野川の第十堰のことを言われているんですが、私がその立場にいればいったん全く白紙に戻しますよと大臣に言っているんですね。余り勝手に決めないで白紙にして検討したらどうだと。それで、その結果どういう答えが出るか分からないけれども、そういう態度が大事じゃないかとあなたは言われているんですよ。  今回、地元でそういうことを言われたけれども、いや、私は変えないと言っているけれども、えらく、君子豹変なのか何か知りませんが、変わっていますよね。
  245. 前原誠司

    国務大臣(前原誠司君) 吉野川の第十堰でどういう質問をしたか、私は今覚えておりませんので、また後で見たいというふうに思いますが、先ほどから申し上げているように、人口減少、少子高齢化、莫大な国の借金、その中で今国民皆さん方からお預かりしている税金の使い道として何を優先すべきなのかと。  当然ながら公共投資は必要です、維持管理も含めて。しかし、今までの自民党の河川整備、治水対策というものを継続していったらお金が幾らあっても足りないと。根本的にその治水政策を見直させていただくという中での方針なんだということを、繰り返しではございますけれども、御理解をいただきたいと思います。
  246. 脇雅史

    ○脇雅史君 首都圏の利根川の治水計画どうするか。大変なことですよ。これはしっかり議論しなければいけません。今のままでいいということもない。きちっと議論をして今の時代に合う計画にすればいいんです、みんなが納得できるように。そのことを何の結論もなしにいきなり言われるのはおかしいので、これはやっぱり専門家にしっかり検討させるべきだと思いますよ、利水もひっくるめてね。
  247. 前原誠司

    国務大臣(前原誠司君) この八ツ場ダム含めた利根川水系につきましても再検証をさせていただくということで、また国会でも御意見をいただければと思います。
  248. 脇雅史

    ○脇雅史君 OECDが専門委員会をつくって日本の洪水対策について報告書を去年出されていますね。その概要をちょっと示してください。
  249. 前原誠司

    国務大臣(前原誠司君) 報告書では、日本が洪水対策における非常に高い専門性を培ってきたことや洪水防御施設の建設における工学技術などにおいて世界的なリーダーであるとし、最近の予算の大幅な削減にかかわらず日本のハード対策は大きく進展したなどの評価を得ているというふうに理解をしております。
  250. 脇雅史

    ○脇雅史君 何も外国がそう言ったからというんじゃないんですが、外国が日本の治水についてきちっと評価をして、財政は大変だけれどももっときちんとやっていきなさいよという報告書を出しているんですよ。だから、いろんな意見があるんです。前原さん、もういきなり要らないようなことを言っているけれども、よく人の意見を聞いてほしいと思う。  それから、今この件について裁判が三つ起こされていますね。その裁判の状況を教えてください。
  251. 前原誠司

    国務大臣(前原誠司君) 委員の御質問は八ツ場ダムの件ですね。
  252. 脇雅史

    ○脇雅史君 はい。
  253. 前原誠司

    国務大臣(前原誠司君) 八ツ場ダム公金支出差止め等住民訴訟は、一都五県の住民が利水、治水、水源地域整備事業等に係る負担金の支出の差止めを求めて提訴した訴訟であると。そのうち、東京それから前橋、水戸の三地裁では判決が出されており、原告の請求が棄却又は却下され、八ツ場ダムの利水及び治水に関する都県の判断は合理的な裁量の範囲を逸脱しているとは認められないと判決がされたと承知しております。
  254. 脇雅史

    ○脇雅史君 つまり、三つの裁判所で、前原さんの言われているようなこともひっくるめて、治水や利水について今まで国がやってきたことは道理があると言っているんですよ、裁判所の判断はね、まあ一審ですけれども。だから、いろんな意見があるんです。余り自分の意見だけがいいんだと思わない方がいいです。  もう時間ですから。(発言する者あり)いや、あなた方知らないでしょう、中身に、ちゃんと判決の中に理由書いてあるんですよ、よく読んでください。  そろそろ時間ですから収めなくちゃいけませんが、聞きたいことは大変いっぱいあったんですが、聞けなくて済みません。
  255. 前原誠司

    国務大臣(前原誠司君) 先生、済みません、一言だけ。  今おっしゃったのは、合理的な裁量の範囲を逸脱しているとは認められないということで、それが正当化されたということではありません。
  256. 脇雅史

    ○脇雅史君 判決の中身をよく御覧いただければ分かりますが、治水、利水についても合理的でないとは言っていないんですから、これはこれからきちんと検証していただきたいと思います。  時間が参りましたので、終わります。  ありがとうございました。
  257. 簗瀬進

    委員長簗瀬進君) 残余の質疑は午後に譲ることといたします。  午後一時に再開することといたし、休憩いたします。    午前十一時五十五分休憩      ─────・─────    午後一時開会
  258. 簗瀬進

    委員長簗瀬進君) ただいまから予算委員会を再開いたします。  予算執行状況に関する調査を議題とし、休憩前に引き続き質疑を行います。  舛添要一君の関連質疑を許します。川口順子君。
  259. 川口順子

    ○川口順子君 自由民主党改革クラブの川口順子でございます。  総理外務大臣には、日ごろからの外遊、及び閣僚の皆様には、予算委員会等の国会で大変にお疲れのことと思います。  早速質問に入らせていただきます。  選挙のときに、自民党には不満だけど、民主党に対しては不安だという声がありました。選挙が終わりまして、民主党に対する不安というのはその後広まり、深まりこそすれ、止まるところがない、国内どころか海外にも飛び火をしているというふうに私は思っております。  そこで、幾つかお伺いをしたいと思っております。  先ほど、総理の御答弁、舛添委員に対してのお答えの中で、対等な日米関係は何かということがございました。それで、これは念のために確認をさせていただきますが、安全保障面での対等な関係というふうにおっしゃられました。総理の御認識は、今、安全保障面での関係は対等であるというふうに考えられているということでよろしゅうございますね。
  260. 鳩山由紀夫

    内閣総理大臣鳩山由紀夫君) 川口委員には、外務大臣としても、またさらに現在においても大変国際的な環境の中で御活躍されておられること、何よりでございます。是非、大いにこれからも御活躍、期待をしております。  今お尋ねがございました、安全保障面においても対等であるかどうかということでございます。  本来、私は、やはりある意味で、抑止力ということにおいて日本のあるいはアジアの安全が守られていると、一方において、沖縄などに基地を提供するということによって米軍あるいはアメリカの前方展開能力というものを高めるために役立っていると、その意味で対等だというふうに考えております。ただ、ややもすると意思決定の中で対等でない状況が過去においてあったのではないかと、それをより対等な状況にしていきたいというのが新政権における外交姿勢だと御理解を願えればと思います。
  261. 川口順子

    ○川口順子君 実は、その意思決定において、あるいは今後対等にするために言うべきことを言っていくというのが鳩山総理の姿勢だというふうに思っておりますけれども、私は、まさにそのときの言い方について、今までの鳩山内閣発足以来の経過を見ていきますと、大変に不安を感じております。  同盟関係、日本とアメリカは、アメリカは日本が唯一の同盟国と呼ぶ国でございます。その国に対して物を言うときには、おのずから言い方があるというのが歴代の自民党政権考え方でございました。同盟国同士というのは、表立って物を言うということではないということでございます。静かに水面下で、言うべきことはもちろん言わなければいけませんが、同盟国ですから、言うことを見えないような形で水面下で言うということが私は非常に大事だと思っております。昨今の状況を見ると、民主党、鳩山内閣、そういうふうに考えていらっしゃらないのではないかという気がいたしております。  民主党はイギリスからたくさん学んでいらっしゃるようでございますので、この同盟国としての付き合い方についてもイギリスから大いに学んでいただきたいというのが私のお願いでございます。  それで、次に行きたいと思いますけれども、安保体制でございます。  日米安保体制について、私、実は総理の所信表明を伺いまして、後で読みましてびっくりしたのは、日米安保体制についての言及が全くない、日米同盟については確かに言及をしていらっしゃいますけれども。  これもまた自民党の歴代の内閣においては、少なくともここ十年ぐらい見てみますと、安保条約あるいは日米安保体制の信頼性の向上とか強化とか、そういうせりふは必ず入っております。これは、まさに日米同盟が我が国外交の基軸であるということの中で、しかも安保というのは日本の安全を守る、それから安保条約は日本のみならず極東の平和と安全を守る大事なことでございますので、その観点で、なぜ安保体制ないし安保条約について言及をなさらなかったのか、なさらない理由をお伺いします。
  262. 鳩山由紀夫

    内閣総理大臣鳩山由紀夫君) 私は、日米同盟というものの重要性、まさにこれが日本の外交の基軸だということは何度も申し上げておりましたし、所信表明の中でも日米同盟という言葉を申し上げました。その中に安全保障というものが含まれるということで、自然の形の中で日米同盟という言葉の中に安全保障の意味合いを持たせたものでございますが、現在の日米同盟は更に私どもは重層的に深化をさせていきたいと。すなわち、安全保障という面のみならず多方面にわたって深化をさせていきたいと、そう願っているものも事実でございます。
  263. 川口順子

    ○川口順子君 安保条約について、何でそれを入れなかったかということをお伺いしています。
  264. 鳩山由紀夫

    内閣総理大臣鳩山由紀夫君) 日米同盟という意味合いの中で日米安保体制の重要性を私としては含意している、その意味において必ずしも日米安保条約という言葉を用いませんでした。
  265. 川口順子

    ○川口順子君 それでは、ここで御表明ください。日米安保体制の強化は重要である、日米安保条約も重要であるということをここではっきり言明をいただきたいと思います。
  266. 鳩山由紀夫

    内閣総理大臣鳩山由紀夫君) 日米安保体制、日米安保条約、大変大きな役割を果たしていると、そのように評価をいたしております。
  267. 川口順子

    ○川口順子君 役割を果たしているのは当然です。重要であるとお考えかどうか、それを伺っています。
  268. 岡田克也

    国務大臣(岡田克也君) 今の川口委員お話を聞いておりまして、やはり物事の定義をきちんとした上で議論をしないと、例えば今、川口委員の質問の中で、安保条約と安保体制というものを違うものとして言っておられるのか、同じものとして言っておられるのか、必ずしも私は聞いていて理解できませんでした。  私の考えでは、日米安保条約、それより広い概念としての日米安保体制、さらに大きな概念としての日米同盟と、こういうことでありますから、日米同盟についてきちんとこれが重要であるということを触れれば、当然、日米安保体制、そしてその下にある日米安保条約、大事であるということは言わずもがな、当然のことであります。
  269. 川口順子

    ○川口順子君 総理に一言お聞きします。
  270. 鳩山由紀夫

    内閣総理大臣鳩山由紀夫君) 日米安保体制の重要さは認識をしています。当然、新政権においても日米安保条約並びに日米安保体制は重視してまいること、言うまでもございません。
  271. 川口順子

    ○川口順子君 この点についての、例えばマニフェストにも載せない、所信表明にも入れないということが、私は今の普天間あるいはアフガニスタンの問題についての民主党の言動、これに影響を与えているというふうに私は考えております。  そこで、普天間の話に移らせていただきます。  普天間の問題といいますのは、これは日米間の今最大の問題点であるというふうに思っております。沖縄には在日米軍基地の七五%が集中をしている、大変な負担を沖縄県民は負っていらっしゃるわけでございまして、米軍再編の動きの中で、この負担を軽減するというために九五年から交渉に交渉を重ねてようやく合意に達したのが再編実施のための日米のロードマップでございます。アメリカもこの間言っていましたけれども、ずっと言っていますが、これは一度壊したら、壊れたら元に戻らないガラス細工のような難しい合意であるというふうに思います。また、これを実施するのが唯一の、たった一つの沖縄県民の負担を軽減する道であると私は考えております。  そこでお伺いをいたします。  検証を今していらっしゃるということでございます。外務大臣防衛長官に伺います。検証をいつまでに終わりますか。
  272. 岡田克也

    国務大臣(岡田克也君) お答えする前に、今、川口委員は九五年から米軍再編というふうに言われましたが、私の理解では、米軍再編は、これはブッシュ政権になってラムズフェルド国防長官の下で行われたもので、もう少し後だというふうに私は理解をしております。  そして、いつまでにというのは、私たちはなるべく早くというふうに考えております。ただ、これは両国政府間で勝手に決めればいい問題ではなくて、当事者である沖縄の皆さんの気持ちというものも十分に尊重しながら、そしてある程度の納得がいく形でこれができませんと、結局はまた更に大きな回り道をしてしまうことになりかねないと。そういう意味で、丁寧に、しかし急いでやりたいと、こういうふうに考えています。
  273. 北澤俊美

    国務大臣(北澤俊美君) お答えいたします。  余計なことかもしれませんが、防衛長官と、こういうふうにおっしゃられましたが、皆さんの御努力で防衛省になっておりますんで、私も防衛大臣に拝命をいたしたところでございます。  検証につきましては、鳩山総理より御指示がございまして、我々防衛省としても、過去の経過を細かく検証して、米国へも職員を派遣して、米国の大変な御協力もいただく中で今検証を進めているところであります。  時期についてのお尋ねでございますが、時期につきましては、これは岡田外務大臣の方の外務省の進展状況とも併せながら慎重に決めてまいりたいと、このように思っております。
  274. 川口順子

    ○川口順子君 私も防衛庁の防衛省への昇格を一生懸命に推した人間の一人でございます。うっかりそういうふうに言ってしまったとしましたら、大変に申し訳ございませんでした。  それで、最近の外務大臣記者会見でのお話で、十二月までに結論を出すことが大事だとか必要だとか、はっきり引用されていないかもしれませんが、大体そういう趣旨のことをおっしゃっていらっしゃいます。十二月までに結論を出されますか。
  275. 岡田克也

    国務大臣(岡田克也君) 私が十二月というふうに言いましたのは、来年度予算との関係がございます。どういう形の決着を付けるかによって予算の計上の仕方が異なってまいりますので、そういう意味で十二月いっぱいというのが一つの区切りであることは間違いありません。それに間に合うように努力はしたいというふうに考えますが、同時にこれは相手のある話でありますから、場合によってはそこで収まり切らない場合もある。しかし、なるべく早くという私の気持ちは変わっておりません。
  276. 川口順子

    ○川口順子君 なるべく早くなるべく早く。検証の仕方として、終わりを決めないでただだらだらと検証を続けていくというのは通常の検証の仕方ではない、いい仕事のやり方ではありません。米国がやはり政権が替わりました。それで、政権が替わったときに早速検証を当然のことですからしました。外務大臣はこのアメリカの検証がどれぐらいの期間が掛かったか御存じですか。
  277. 岡田克也

    国務大臣(岡田克也君) 私の理解では、一か月というふうに理解をしております。  ただ、これはアメリカ側ともよく話をするんですけれども、アメリカの場合には、政権は替わりましたけれども、元々この沖縄の基地の問題というのはクリントン政権のときにもやっていた話、それからブッシュ政権に替わり、そしてまた民主党政権になったと、こういうことであります。ゲーツ長官はブッシュ政権から引き続いて長官をやっておられます。  それに比べて日本状況はどうかというと、細川政権、あるいはもっと言えば、本格的には五十年間で初めて政権交代が行われたと。そういう大きな変化があって、しかも、例えば沖縄において四つの選挙区ですべて、この普天間の問題について県外にと、こう主張した人たちが当選をした、そういう民意も受けた上での作業でありますので、やっぱりそこは時間的に違いが出るということはやむを得ない。  それから、もう一つ申し上げておきますと、検証する作業と、検証した上で、それじゃ、沖縄の皆さんの気持ちも含めて実際に結論に至る、二つの作業があるわけで、私は、検証自身は、まあ私の感じでは、そう、これから十二月いっぱいを越えて更に検証を続けるということにはしたくないなというふうに思っております。ただ、その後の作業もありますので先ほどの発言をさせていただいたところであります。
  278. 川口順子

    ○川口順子君 オバマ大統領が間もなくいらっしゃいます。十二日にいらっしゃることになっています。総理はオバマ大統領に十二月までに結論を出すというふうに言われるわけですね。お答えください。
  279. 鳩山由紀夫

    内閣総理大臣鳩山由紀夫君) オバマ大統領が来週来日をされます。その中で様々な議論をすると思います。私は、必ずしもそのように日にちを区切っていつまでに普天間の移設問題に対して結論を出すというようなことを申し上げるつもりはありません。議論は申し上げると思います。
  280. 川口順子

    ○川口順子君 この国会議論は世界中が注目をいたしています。私の外務大臣のときの経験でいいますと、在日の、在京のアメリカ大使館はこれをずっと見てモニターをしています。今総理のおっしゃったことは、アメリカに対して重要な、重大なメッセージを送っているということを是非御自覚ください。  オバマ大統領がいらっしゃって、それで、もう一回伺いますが、総理は十二月までに検証を終えるというお約束をなさらないんですか。
  281. 鳩山由紀夫

    内閣総理大臣鳩山由紀夫君) 私は、先ほど申し上げましたように、この普天間の議論もいたしたいと思います。率直に私どもの思いを述べたいと思います。しかし、そのときにいつまでに検証を終えるなどというようなことを先見性を持って申し上げるつもりはありません。
  282. 川口順子

    ○川口順子君 この普天間の問題は、もちろん沖縄県民の方々にとっても重要な問題、米軍にとってもそうです。そして、私たち国民一人一人にとって重要な問題であります。オバマ大統領と総理がお会いになった後、是非国会報告をいただきたい、それをお願いを総理にいたします。
  283. 鳩山由紀夫

    内閣総理大臣鳩山由紀夫君) 私としても何らかの形で思いを、そのオバマ大統領との会談の内容は国民皆さんにもお知らせをしたいと思っておりますが、この国会の中の様々なことに関しては国会でお決めを願いたいと存じます。
  284. 川口順子

    ○川口順子君 そして、これ委員長にお願いをいたしますが、総理報告及びその報告を踏まえてのこの問題、あるいは外交・防衛問題についての集中審議、これを是非お願いをいたします。
  285. 簗瀬進

    委員長簗瀬進君) 後刻理事会で協議をさせていただきたいと思います。
  286. 川口順子

    ○川口順子君 検証というのは、これは重大な、重要な大変な作業であろうというふうに思います。透明性を持って、非常に透明性を言っていらっしゃる民主党ですから、検証の結果、どのような過程を経てどのような結論を出したかということは国民報告書という形で当然に出されるんですね、外務大臣
  287. 岡田克也

    国務大臣(岡田克也君) この検証作業を今行っているところですが、国内での防衛省そして外務省、それに加えて米国側からも様々説明をいただいたり資料をいただいたりしております。  しかし、委員よく御存じのように、そういう中で、これは非常に限られた人しか接することのできない情報がたくさんあります。そういったものについて一般に報告書の形で出せというのは私はちょっとあり得ない話、そういうふうに思っております。  それから、先ほどの御議論を聞いておりまして、私はやはり日米首脳会談というものに対する考え方がかなり違うなというふうに思います。来週、オバマ大統領来られます。もちろん二国間関係も重要ですから、そのことも議論いたします。しかし、アジア太平洋における日米の同盟、その同盟国としての協力、あるいは、先ほども少し申し上げましたけれども、グローバルなそういう問題へのお互いの意見交換、そして協力、そういったこともこの日米首脳会談における重要なテーマでありまして、個別の、普天間基地についていつまでに検証しろとか、いや、いつまでにしますとか、そういう次元の私は日米首脳会談ではないというふうに考えております。
  288. 川口順子

    ○川口順子君 それでは、検証をいつまでに終わるか分からないというふうにおっしゃられますので、まあできるだけ早くやるけれどもいつまでに終わるか分からないとおっしゃられますので伺いますが、先ほど外務大臣がいみじくもおっしゃられましたように、アメリカの予算編成のプロセスというのは日本よりもはるかに長く、新会計年度が始まる一年半以上前から始まります。私が理解しているところでは、既に二〇一〇年の十月から一一年の九月までの、すなわち二〇一一会計年度ですが、その項目ごとの最終案を各アメリカの省庁は十一月末ごろまでに行政管理予算局、OMBに提出をしなければいけないというふうに聞いております。  また、時間の関係で細かくは申しませんけれども、普天間移転というのはパッケージになっている話でございまして、この間、ゲーツ国防長官は、普天間代替施設に進展がなければ米国議会は在沖海兵隊のグアム移転についての歳出を認めないというふうに言われたと思います。また、普天間代替施設とグアム移転事業の二つの要素は不可分である、また普天間代替施設についての進展がなければ在沖海兵隊のグアム移転もなく、沖縄における米軍の統合及び土地の返還もないという発言があったわけでございます。  それで、アメリカの予算がそういうことになっているということを外務大臣防衛大臣もよく御存じでいらっしゃるわけでございます。そして、十二月になりますと、アメリカの行政管理予算局が詳細な予算案を策定して大統領の承認を得るということになるわけです。それでも十二月までに結論を出さないんですか。二人の大臣にお伺いいたします。
  289. 岡田克也

    国務大臣(岡田克也君) 委員もおっしゃるように、この審議というのは非常に全世界で注目されておりますから、それだけ言葉に対しては慎重にお互い運ばなければいけないと思います。私はなるべく早くというふうに申し上げておりまして、十二月いっぱいで出ませんと、そんなことは全く申し上げておりません。もちろん結果的にはそうなるかも分からない、そういうこともありますから私は表現を選んでいるわけですけれども、今議員がおっしゃったように、十二月いっぱいには出ませんというふうなことを私は先ほど申し上げたつもりはありません。  そして、アメリカにおける、議会における様々な議論、そのことは私も念頭に置きながら様々な検証作業を行っている、そういうつもりでございます。
  290. 北澤俊美

    国務大臣(北澤俊美君) 外務大臣の答弁に集約されておりますが、防衛省とすれば、私が就任したときにこの問題について、まあ表現力は余り私は豊かではありませんが、余り時間を浪費するのは建設的でないと、こういうふうな心境を申し上げてあります。  あわせて、防衛省とすれば、概算要求の中に普天間の基地の移転の予算も計上してあります。これは右も左もなしに、ただ単純にということでそのまま置いてありますから、いずれにしても、予算決定をするときには何らかの意思表示がないとなかなか防衛省としては大変であります。しかし、内閣全体で決定することでありますので、そのことを考慮しながら御理解をいただきたいと思います。
  291. 川口順子

    ○川口順子君 お二人の大臣は、タイミングの問題についてはよく分かっていらっしゃるというふうに理解をいたしました。十二月まで、日本の、北澤大臣がおっしゃいましたように、予算のプロセスからいっても十二月に政府案を作るわけですから、そこに入ってこないと大変であります。  かつて、亡くなられた大平総理が、日米関係、日本はアメリカに対して共存共苦、一緒に、共に苦しむですけれども、という関係で、姿勢でいくということをおっしゃったことがあります。大変に日米関係を律する上でいい言葉だと私は思っております。オバマ大統領ははるばるいらっしゃるわけですから、日本としてこの普天間の問題については一刻も早く結論を出して、そして、その結論が今までのグアム移転、この協定を可能にする、あるいはロードマップのとおりであるということでないと、また十三年あるいは十四年というふうに掛かって、その間沖縄県民の負担が増えるばかりですから、是非その点もきちんと踏まえて、今の案がやはり一番いいという結論を十二月までに出していただきたいということを申し上げまして、時間の観点から残念ですが、次に移らせていただきます。  アフガニスタンについてお伺いをいたします。  インド洋における補給支援活動というのは、海上自衛隊の皆様が酷暑の中、使命感に燃えて今まで約八年間、八年近く任務を果たされて、その間、自衛官三名の方が尊い命をなくされたわけでございます。また、この補給支援活動につきましては、これまで成果を上げている、また、アフガニスタンの外務大臣も国連で、外務大臣、本会議でおっしゃいましたように、是非続けてほしいというふうに言われたというふうに聞いております。  インド洋の給油活動あるいは補給支援を継続をしない理由について、今まできちんと説明を伺ったことがございません。総理、御説明ください。
  292. 鳩山由紀夫

    内閣総理大臣鳩山由紀夫君) 川口委員にお答えをいたします。  私ども、今、川口委員からお話がありましたように、海上自衛隊の方々がインド洋で大変な苦しみの中で補給活動をされてこられたことを、そのこと自体を一言も非難をしたことはございません。私どもは、むしろ政府決定に対していろいろと申し上げているわけでございます。  そして、私ども、なぜ単純延長をしないかと申し上げれば、御案内のとおり、海上自衛隊のあの補給艦の、補給している実際の船の数が徐々に徐々に減ってきているという実態がございます。主にパキスタンに対する船の補給活動が中心、ほとんどになってきているという状況でございます。当然、それは補給されております国々からすれば喜ばれるかもしれません。しかし、私どもとすれば、アフガニスタン全体の平和とこれから経済再生のために何をなすべきかという視点から、ある意味で大きな文脈の中でこの問題をとらえてまいりたいと。限られた財源の中で何を日本として行うべきかという発想の中で考えた結果、このような補給活動よりも更によりアフガニスタンの人々に喜ばれる、むしろ日本として、頑張っているねと感謝される、そういう支援活動を行ってまいりたい、その思いでございます。
  293. 川口順子

    ○川口順子君 今、私は総理の口から出たとは信じられない言葉を伺いました。  一番最初におっしゃったこと、自衛隊の皆さんを非難していない。冗談じゃありません、感謝をしてください。感謝してください。
  294. 北澤俊美

    国務大臣(北澤俊美君) お答えいたします。  自衛隊の隊員が任務に基づいて大変な努力をしているということは、これは当然のことでありまして、私たちとすれば、それは、その任務にいかに忠実に成果を上げているかということは十分評価をし、それぞれの検証もさせていただいております。そのことと政策を遂行する上での隊員の努力を混然一体として政策の正当性に利用するというのはいかがなものかと、こんなふうに思っております。  それからさらに、先ほど三人の死亡の話がありましたが、これは交通事故等死亡ということも御認識をしていただいているとは思いますが、申し添えておきます。
  295. 川口順子

    ○川口順子君 総理
  296. 鳩山由紀夫

    内閣総理大臣鳩山由紀夫君) 私は、この海上自衛隊の活動に対して民主党が常に批判的に申し上げているということで、海上自衛隊の方々も非難をしているようにもし聞こえているとすれば、そういう意味ではまるでないよということでありまして、当然、任務に基づいて行動をされておられる方々の行為に対しては感謝をしております。
  297. 川口順子

    ○川口順子君 さっきの総理のほかの部分の御答弁は、船の数が減ってきたから必要性がなくなってきた、ほかの部分でやればいいというふうに私には聞こえました。  外務大臣にお尋ねをいたします。  国連安保理の決議の一七七六、一八三三、一八九〇、御存じでいらっしゃいますか。
  298. 岡田克也

    国務大臣(岡田克也君) 突然言われて、ちょっと私、すぐには思い出せません。
  299. 川口順子

    ○川口順子君 細かく決議のことを申し上げてなくて申し訳なかったですけれども、これは、アフガニスタンの補給支援活動をやめるのであれば当然その決断に関して外務大臣の耳に入っていなければいけない国連の決議、安保理の決議でございます。  何かといいますと、そこにおいて日本の海上阻止活動へ補給支援活動をしているわけですけれども、それが評価をされている、国連が評価をしている安保理の決議であるということを具体的な番号に沿って御存じないかもしれませんが、そういう決議があること自体は外務大臣、御存じですね。
  300. 岡田克也

    国務大臣(岡田克也君) 決議があることは存じております。そして、国連決議だけではなくて、私が外務大臣になってからでも、例えば英国のミリバンド外相、もちろんアフガニスタンの外相、パキスタンの首相、外相と、様々な人からこの給油活動について評価をする声というのは聞いております。
  301. 川口順子

    ○川口順子君 総理、今の外務大臣お話をどうお聞きになられましたか。  鳩山内閣は、国連を中心に活動をしたい、国連は重大、重要だというふうにおっしゃってずっといらっしゃいます。また、民主党もそういうふうに言っているわけです。その国連のほかならぬ平和と安全に重大な任務を持っている安保理が評価をしている活動を鳩山内閣はおやめになるんですか。総理に聞いています。
  302. 鳩山由紀夫

    内閣総理大臣鳩山由紀夫君) 私は、先ほども申し上げましたように、当然、主として補給支援を受けた国々に対しては評価をされていると申し上げましたし、そして国連の中でも、いろんな様々な経緯の中で決議ができて、その決議で評価をされているということは存じております。  ただ、私どもが考えているのは、評価をされているから続けるという単なる発想ではなくて、もっと更にアフガニスタンの方々にとって、彼らの経済的な支援活動というものをもっと強めていく必要があるのではないか、彼らの平和のために日本が尽くすべき役割はないかと、その大きな文脈の中で考えていき、だから単純な延長はないと、そのように何度も申し上げているところであります。
  303. 川口順子

    ○川口順子君 今、総理は大変に一国の総理としては問題ある発言をなさったと私は思います。なぜかといいますと、国連の安保理というのは世界の平和と安全に一番大きな役割を持っている国際機関でございます。それが評価をしていることを、日本がそう思わないからやらないんだというふうに言っていらっしゃるように聞こえます。  安保理決議、安保理というのは、国に代わって、一国の政府に代わって、ほぼ立法に近いような新しい行動をやりなさいということを言うことができる機関でございます。その決議を評価しないというふうに総理がおっしゃったように聞こえますが、もう一回、決議は評価をするということを言い直してください、総理
  304. 岡田克也

    国務大臣(岡田克也君) まず、川口委員お話は少し整理が必要だと思います。  まず、国連決議、確かに評価をする決議はしておりますが、しかし、根拠になる決議ではありません。つまり、ISAFに関してはこれは国連決議に基づく活動であります。しかし、この補給支援活動、その基になっているインド洋における各国の活動という、不朽の自由作戦、OEF、これは国連決議に基づくものではありません。国連が評価していることは事実ですが、そのことと決議に基づく行動であるかどうかはまた別の問題であります。
  305. 鳩山由紀夫

    内閣総理大臣鳩山由紀夫君) 今の外務大臣の答弁に加えて、私は、その当時の評価と、それから時間がたちました。先ほど申し上げましたように、補給支援活動が年々減ってきていると、それも実態として事実でございます。そのような事実を見定めていきながら、もっと評価をされるような日本の生き様があるのではないか、そのように考えているのであります。
  306. 川口順子

    ○川口順子君 もっと何かあるのではないか、具体的に何をお考えですか。オバマ大統領は来週来ます、十二日にいらっしゃいます。お答えください。総理
  307. 岡田克也

    国務大臣(岡田克也君) まず、お答えする前に、私は外務大臣として様々な外相からこの日本の活動に対する評価をいただきながら、やはり今、このアフガニスタンに対する、兵士を送り、そして多くの犠牲者を生んでいるという、そういうことに対してそれぞれの国でいろんな議論が出ていると、アメリカでもイギリスでもそのほかの国でもですね。そういう国外での様々な議論というものがある中で、我々がインド洋から撤退することが誤ったメッセージを送らないようにしなければいけないと、そのことは強く感じております。  あたかも今各国が行っているアフガニスタンにおける活動を、我々がそれに対して否定的な、そういう印象を与えては決していけないわけで、そこのところは十分注意しながら慎重に、法律は切れるわけですけれども、したがってやめるわけですけれども、やめるに当たって十分な説明を尽くしていかなければいけないと、そういうふうに思っているところでございます。
  308. 鳩山由紀夫

    内閣総理大臣鳩山由紀夫君) これは川口委員が一番御存じだと思いますが、アフガニスタンに対する、そのアフガニスタンの国内での日本の役割、大変今までも大きな仕事をなさってこられたと、そのように思っております。  それは、例えば農業の支援、ケシの栽培などで密輸がはやっておりますが、それを、彼らをやめさせて新しいより生計を立てることができる農業に変えていくというような経済的な支援を行うというのが一つございます、インフラなどもあろうかと思いますが。  さらに、警察官に対する給与などもなさっておられると、これも当然のことながら更に強化をしたいと、そのように考えているところでございます。また、警察官に対する、どこで訓練をするかというのはいろいろあると思いますが、警察官の養成に対する訓練の支援というものも行ってまいりたいと思っております。  また、いわゆるタリバンと言ってよいのかどうか分かりませんが、兵士の人たちがこれからはむしろ武器を捨てて新しい仕事に就かせるというようなことを何とか行っていくことも必要ではないかと、様々な支援策を今考えているところでございまして、そういった支援活動を通じて、これはアメリカのみならず国際社会にも理解をされ、特にアフガニスタンの皆様方日本の支援が更に充実をされていくなというようなことになるような努力を傾注してまいりたい、そのように思っております。
  309. 川口順子

    ○川口順子君 私は、総理はアフガニスタンへの支援の考え方、これを十分に整理してお考えではないのではないかと、大変に失礼ながら日ごろ感じております。  このインド洋の補給支援活動、これはテロ対策なんです。民生支援ではありません。民生支援はもちろん重要でございますし、日本は既に先ほどおっしゃったような警官の給与等も含めてほぼ二十億ドルをコミットし、約十八億ドルを既に支出をしております。これは、このアフガニスタンの補給支援というのは、九・一一に日本人が二十四名たしかお亡くなりになられました。それを受けて国際的に、これはまさに国連もたくさん決議がありますけれども、そういう中で、インド洋におけるテロリストの活動、これをコントロールし、止めるということで行われている活動でございます。  総理がおっしゃった農業とか警官の給料とかDDRとかは、これはもうDDRは私のときにやりまして、国軍兵士との関係では終わっています。それを更にやるとしたらば、これは例えば、今ふらふらとどっちの陣営にも付かないような人たちにつかまえてやるということをお考えなのかもしれませんけれども、柱はテロ対策なんです。  総理が今おっしゃっているのは、アフガニスタンの大部分は民生支援、警官の給料がテロ対策に関係ないとは申しませんけれども、大事なインド洋で、テロリストが例えばインド洋を渡って麻薬を外に持ち出し、お金に換えて、それをまたアフガニスタンの中でテロ活動に使う、そういったことをどうやって日本として国際的な枠組みの中で、あるいは国際社会に対する日本の貢献としてどうやってやっていくのかというのが答えが必要なことなんです。  総理は、重層的な日米関係とおっしゃっていらっしゃいます。そのとおりです。自民党政権のときもそう言っていました。まさに、これは重層的な日米関係の一番一つの大変に重要な例、先ほど共存共苦と申しました。オバマ政権、今アフガニスタンの増派問題で大変な苦境に立たされています。共存共苦の精神でテロ対策についてどういうふうにおやりになりますか、総理
  310. 鳩山由紀夫

    内閣総理大臣鳩山由紀夫君) いろいろ答えたい方がおられると思いますが、まずは私から答弁を申し上げたいと思います。  私はテロ対策は大変重要だと思っておりまして、したがって、旧政権においては、海上における海上阻止活動に対して後方支援をする形、すなわち補給活動を行ってこられたと思います。それで、現実、テロが減ってきたかどうかということを我々としては検証しなければなりません。なぜアフガニスタンの現状がこのように大変更に泥沼化しかかってきているのかということも考えていかなければなりません。テロ対策というのは大事です。ただ、テロ対策というものに対して、軍事面だけの対策では私は解決はなかなか難しいと思います。決してそれがすべて要らないとは申し上げません。しかし、それだけで解決はなかなか難しい。  むしろ民生支援、なぜテロが起きてきたかと、テロの根源というものを絶つ努力というものも必要ではないかと、そのように思いまして、テロ対策という形の中での民生支援というものを積極的に行ってまいりたい、そのように民主党、連立政権としては考えております。
  311. 川口順子

    ○川口順子君 今おっしゃったことですけれども、私は、総理がテロ対策のために、じゃ、補給をやめるんだったらば、給油をやめるんだったら何をやるか、テロ対策に代わるものとして、テロ対策のためのものとして何をやるかということについての十分なお答えがあったとは思いません。もう一度お答えください。
  312. 岡田克也

    国務大臣(岡田克也君) 結局、要するにテロ対策ということの定義の問題かとも思いますけれども、例えば、今総理がお答えになったことは、我々が、今総理が答弁された民生支援、これもやっぱりテロの根絶のためには、アフガニスタン、パキスタンの国境地帯にあるそういう組織といいますかあるいは勢力を、これをなくさなきゃいけない。そのためには単に武力だけでは無理で、やはりタリバンに走っている人たちの中で生活のために走っている人たちもいる、そういう人たちをもう一回引き戻さなきゃいけない。  基本的にオバマ政権も、最近のアフガニスタン政策というのは従来の力だけでは駄目だと、そういう民生支援、それも大事である、車の両輪でしっかりやらないと本当の意味でのテロ対策にならない、これが今大きな世界の流れであって、恐らく川口大臣大臣のころとは様変わりになっているということであります。
  313. 簗瀬進

    委員長簗瀬進君) 川口順子君、川口順子君、発言してください、発言してください。
  314. 川口順子

    ○川口順子君 総理
  315. 鳩山由紀夫

    内閣総理大臣鳩山由紀夫君) 私が答弁申し上げたことと同じことを岡田外務大臣が申したわけでございまして、テロ対策というのは必ずしも軍事活動だけではないんだというのが時の流れになってきていると。その中で我々としても、新しいテロ対策にもなる、テロの根源を絶つための施策というものを真剣に世に問いたいと、そう考えているわけであります。
  316. 川口順子

    ○川口順子君 答えが十分でありません。民生用の、民生の支援というのはもちろんテロに間接的に役に立ちます。それは決して否定はいたしておりません。直接的に給油支援に代わって何があるかということをお伺いをしています。
  317. 北澤俊美

    国務大臣(北澤俊美君) 今の議論をお聞きしていまして、十分議員は承知の上でお話しだと思いますが、もう九年たっているんですよね、九年。九年たっておりまして、現実はもう三分の一以下になっています。今年の補給の件数は、平均して五回ぐらいで来たものが、先月はたった一件です。先日のゲーツ長官との会談の中でも、ゲーツ長官は、補給支援についてはアメリカは既に受益国ではないとはっきり私にそういうふうに申し上げられました。
  318. 川口順子

    ○川口順子君 代わるものは何かという質問をしております、先ほどから。
  319. 岡田克也

    国務大臣(岡田克也君) 私は今、川口委員の質問の趣旨がよく分からなかったのですが、なぜ一つの今ある行動をやめたときに代わるものが必ず必要になるんでしょうか。(発言する者あり)
  320. 簗瀬進

    委員長簗瀬進君) 川口君、発言を続けてください。川口君、発言を続けてください。(発言する者あり)お答えしていますから。川口さん、発言を続けてください。川口さん、発言を続けてください。(発言する者あり)答えています。
  321. 川口順子

    ○川口順子君 お答えを聞いたと思っていません。もう一度お答えください。  テロ対策のために何をやるか。直接的にテロ対策、日本はやってきたんです。現に、ISAFその他も含めて七万人以上の各国の軍隊がアフガニスタンに出ています。死者の数も大変に多い。テロ対策に直接的にかかわっている。日本は、今まで車の両輪ということで民生対策とテロというのをやりました。そのテロの部分をやめるのであれば何が代わりなんですかということを伺っています。
  322. 鳩山由紀夫

    内閣総理大臣鳩山由紀夫君) 先ほどからお話を申し上げているように、テロ対策、そのための補給支援活動、それに代わるいわゆる軍事的な側面的な支援、後方支援をやるということだけが私は選択肢だとは思っておりません。もっと世界の潮流の中で本当の意味でのテロをなくすための貢献をしようではないかという方向で私どもは様々な支援活動を行っていくと。一言で言えば、いかにして貧困というものと闘っている人たち、その人たちの手だてになる支援を行うか、これに尽きると思います。
  323. 川口順子

    ○川口順子君 具体策を聞いています。(発言する者あり)
  324. 簗瀬進

    委員長簗瀬進君) 速記を止めてください。    〔速記中止〕
  325. 簗瀬進

    委員長簗瀬進君) 速記を起こしてください。
  326. 川口順子

    ○川口順子君 総理が今までやるとおっしゃっていらっしゃることというのは、既に日本政府がやってきたことばかりでございます。補給をやめる、直接的により、民生の支援よりはより直接的にテロ対策を日本として国際社会の一員としてやるという面について具体的な考えがないと考えざるを得ません。  それで、次に行きます。(発言する者あり)次に行きます。  まず、四千億円から五千億円の……
  327. 簗瀬進

    委員長簗瀬進君) 御静粛にお願いします。発言をいたしておりますので、御静粛にお願いします。
  328. 川口順子

    ○川口順子君 新聞報道で四千億円から五千億円の民生の支援を中心としてやっているというふうに新聞に出ておりました。お考えでいらっしゃいますか。(発言する者あり)
  329. 簗瀬進

    委員長簗瀬進君) 済みません、ちょっと今聞き取りづらかったので、もう一度お願いします。
  330. 舛添要一

  331. 簗瀬進

    委員長簗瀬進君) はい。
  332. 舛添要一

    舛添要一君 静粛にやらせてください。時間が失われるわけですから、こういうことをやると、貴重な。
  333. 簗瀬進

    委員長簗瀬進君) はい、分かりました。  発言者が発言中にはやじは慎んでいただきたいと思います。  それでは、川口順子君、もう一度。
  334. 川口順子

    ○川口順子君 四千億、五千億を民生に支援をするつもりだというふうに新聞に出ていました。そういうことをお考えですか。
  335. 鳩山由紀夫

    内閣総理大臣鳩山由紀夫君) 今、アフガニスタンの民生支援策としてその程度の規模のものを五年間にわたって提示をしようと考えておりますが、その具体案に関して、先ほど一部は申し上げましたが、更に詰めて提示をしたいと考えております。
  336. 川口順子

    ○川口順子君 鳩山内閣がテロに対して、テロ対策にコミットすることについて非常に消極的であるという絶好のメッセージをオバマ大統領がいらしたときに世界に送るということになると思います。大変に残念に思います。  それで、四千億から五千億ですけれども、どうやってアフガニスタンの中で、これだけ……(発言する者あり)
  337. 簗瀬進

    委員長簗瀬進君) 御静粛に。
  338. 川口順子

    ○川口順子君 危なくなっているときに、テロ活動が横行して安全保障あるいは治安が悪くなっているときにどうやって進められますか。
  339. 岡田克也

    国務大臣(岡田克也君) まず、アフガニスタン対策は今政府の中で検討しているところで、詳細は今お話しできる状況にはございません。  ただ、どうやってということですが、委員もよく御存じのように、今までも日本政府としては様々な支援活動を厳しい状況の中で行ってまいりました。現時点で見れば、確かに、例えばJICAの派遣している人たちも一時的にアフガニスタンから避難をしている状況であります。それは、やっぱり大統領選挙の混乱、大統領選挙が決選投票行われるあるいは行われない、そういう中での混乱の中で様々な事件も起きたわけで、今回、新しく現在のカルザイ大統領が再選されることが決定をいたしました。  その後、アフガニスタンの状況は、私は今と比べれば鎮静化していくというふうに期待をしているわけで、そういう中で、従来行っていたと同じように、JICAの職員やあるいは民間やNGOや、あるいは一部外務省の職員も含めて様々しっかりと活動していきたいというふうに考えているところであります。
  340. 川口順子

    ○川口順子君 理想はそうでしょう。私がJICAからヒアリングをしたところによれば、大統領選挙のさなか、それでもまだ三十人ぐらいのJICAの職員がアフガニスタンに危険を冒して残っています。それで、それを今後、見通しとしては、外務省の文書でもおっしゃっていらっしゃいますけれども、治安はますます悪くなっていく。  私は、ヒアリングをいたしております、外務大臣がなさったかどうかは知りませんけれども。今、最高可能な人数、JICAの、でいられる人というのは七十から八十、これは地方にも人がいますから、いったん事あればということで管理を、安全管理をしなければいけない。それからいうと、もうそれで精いっぱい。七、八十人以上増やせない。それから、国連の認証宿舎がこの間爆破されましたけれども、宿舎の限界もある。そういう中でこれ以上人を増やすということは不可能だという印象を私は得ております。  今までの二十億ドル、まあ二千億円、五年間掛かって、それを一遍に倍以上にして本当に国民の税金の無駄遣いにならないでやっていけるんですか。
  341. 岡田克也

    国務大臣(岡田克也君) 先ほど申し上げたように、具体的な対策の中身は現在検討中ではあります。ただ、今委員の言われたことにプラスさせていただくと、日本のNGOの中に、こういう状況ではありますが、あえてこのアフガニスタンの中で活動していこうという動きがあるということも一つ申し上げておきたいと思います。  それから、もちろんアフガニスタンの中だけで活動するわけではなくて、その周辺で、例えば警察官の訓練などはアフガニスタンで行うだけではなくて、その周辺の国で行うこともできるわけであります。現に、これは非常に人数限られていますが、日本にも来ていただいて一部訓練も行っているということであります。  したがって、そういうやり方は様々ございますので、もちろん私たちはそれが無駄遣いにならないようにしっかりとこの予算を決まれば使っていかなければいけないと、そういうふうに感じているところであります。
  342. 川口順子

    ○川口順子君 五年間で四千から五千億円という予算は、今後のアフガニスタンのテロ活動の見通し等を考慮すれば全く現実的でないという印象を私は持っております。是非、安全と、そして税金の無駄遣いにならないようにやっていただきたいと思います。テロ対策としての日本の貢献は全く十分でないという印象を今までのやり取りを通じて持ちました。  それで、時間が残りありませんので、地球温暖化問題に移りたいというふうに思います。  地球温暖化問題というのは、核廃絶の問題と並んで、私は二十一世紀中に解決をしていかなければいけない重大な大きな問題であるというふうに考えております。過去の自民党総理も地球温暖化あるいは核の廃絶に向かって非常にいろんな取組をなさいましたけれども、鳩山総理もその点について同じように考えていらっしゃるということについては結構なことだというふうに思いますけれども、この間、二五%、中期目標として削減ということを出されました。私は、その中期目標の決定過程、あるいは目標達成手段の具体的な詰め、また中期目標という交渉上の大事なカードを切るタイミングといった点について様々な問題があると思います。  時間が限られていますので可能な範囲でお伺いをしたいと思います。  まず、二五%の削減という国際公約ですけれども、私が調べた範囲では国内的な関係者の十分な理解があったとは全く見えません。現に、ある業界で、排出量が多い業界ですけれども、は一言も相談がなかったというふうに言っております。これは、今もう民主党政権党ですからね、野党ではないわけですから、自分が思ったからそれをやる、しかも国際社会でやるということでは問題があります。特に、この温暖化問題というのは国民全体が実行していけて初めて実効性のあるいい案になるわけですから、こういうやり方をしていたのでは禍根を残すと思います。  それから、将来の二〇五〇年の長期目標でございますけれども、民主党はこれは六〇%をできるだけ早いうちに達成をしたいというふうに言っていらっしゃるんですけれども、G8では二〇五〇年に先進国全体で八〇%若しくはそれ以上ということで、これは福田総理リーダーシップの下で洞爺湖で合意をされたわけでございます。今後、この点について民主党の二〇五〇年までの早い時期に六〇%超削減というのは十分ではないと言わざるを得ません。  ただ、ここで総理に御確約をいただきたいのは、今後その長期目標を決めていかれる、政府として決めていかれると思いますけれども、それに当たっては、具体的な関係者、まあ国民あるいは産業界あるいはNGOの人々、そういう人と十分にコンセンサスを図りながら、そしてそれを達成するに必要な政策、必要な予算、そういうことをきちんと整理をなさって決められるということを、決してトップダウンで単独で決めるということをなさらないということを御確約ください。総理
  343. 鳩山由紀夫

    内閣総理大臣鳩山由紀夫君) 地球環境問題に関するお尋ねでありますが、私は、この温暖化ガスの削減目標に関しては、これは日本人も果たすべき大きな責務がありますが、当然のことながら、地球上におりますすべての生命体の命が懸かっている大きな問題だと。その認識に立って、だからこそ日本ができるぎりぎりの範囲の中で高い目標をまず掲げる。その目標に、国民皆様方の英知、科学的あるいは技術の力というものによって、今日まで様々な苦労の中で皆さん、技術力を駆使して様々な問題の解決に努力をしてこられた、その日本人の英知というものに信頼を申し上げる。  まずは高い目標を掲げて、ある意味での国際的なモメンタムをつくることが大事で、そしてそのモメンタムに従って世界が動く。さらに、国内においても、その高い目標を果たすために、逆にある意味でのこの地球温暖化ガスの削減ということが一つの企業のチャンスだと、そのようにとらえて、もう既に様々な動きが起きている。そのようにも感じておりまして、ある意味で私は、政治というものは、政府が高い目標をあえて掲げる、そして国際的にも動かし、国内にも世論をつくり出していく、そういう先駆的な役割も求められているものだと、そのように思います。  言うまでもありません、その中で当然多くの方々の意見というものも尊重していかなければなりませんし、今日までたった一人で独断的に決めたものではありません。多くの皆様方の努力と知見に基づいてこの判断をなしたということも御理解を願いたいと思います。  以上です。
  344. 川口順子

    ○川口順子君 答えていません。  長期目標について確約をしてください。
  345. 鳩山由紀夫

    内閣総理大臣鳩山由紀夫君) ラクイラ・サミットにおいて二〇五〇年までに八〇%と、特に先進国はその目標を果たさなければならないということがうたわれたわけであります。私どもは六〇%以上というものを掲げて選挙を戦ってまいったわけでありますが、それに対してまだまだこれでは不十分だという声も強くあることもよく認識しております。したがいまして、高い目標を更に掲げる、でき得れば八〇%というような方向に向けて政府としても動いてまいりたいと。今……
  346. 川口順子

    ○川口順子君 決め方。
  347. 鳩山由紀夫

    内閣総理大臣鳩山由紀夫君) あっ、決め方ですか。  その状況、その状況をつくり出していくために、民主的な皆様方の声というものも、特に関係の企業の方々の意見などもしっかりと伺いながら、しかし決めるときにはある意味で大胆にセット、決めていかなければならないということも理解を願いたいと存じます。
  348. 川口順子

    ○川口順子君 予算、具体的な政策、そういうことをきちんと一緒になさるわけですね。
  349. 小沢鋭仁

    国務大臣(小沢鋭仁君) 当然でございまして、今チャレンジ25という名前を付けまして、あらゆる政策、あらゆる予算、あらゆる税制、そして来年度は排出量取引を含めていろんな議論を展開してまいりたい、そう思っております。
  350. 鳩山由紀夫

    内閣総理大臣鳩山由紀夫君) 小沢環境大臣が申したとおり、当然のことながら必要な予算というものを計上してやってまいります。
  351. 川口順子

    ○川口順子君 いかなる考え方で中期目標の基準年を九〇年になさいましたか。
  352. 小沢鋭仁

    国務大臣(小沢鋭仁君) これは民主党のまさに本部の中で決めたときに決めたものでございまして、委員御案内のように京都プロトコールが九〇年比でございますので、九〇年比で表させていただきました。  その後、先般も衆議院の方でもお答え申し上げたんですが、いわゆる九〇年比であろうと、あるいはアメリカ、中国が基準にしております二〇〇五年比であろうと削減する量は変わりはございません。こうした中で、量は変わらないわけでありますが、外交上の今後の交渉の中においては柔軟に対応してまいりたいと思っております。
  353. 川口順子

    ○川口順子君 今度の交渉では、アメリカ、中国を入れるということが非常に重要でございます。  中国の胡錦濤主席は、この間の国連気候変動首脳会議におきまして、中国GDP単位当たりの温室効果ガス排出量を二〇二〇年までに二〇〇五年比で顕著な割合で減少させるということを言っております。また、アメリカも二〇〇五年を基準に考えています。  日本が中国、それからアメリカを入れるということが非常に重要だと考えるんであれば、どうして二〇〇五年になさらなかったのか、お伺いをします。
  354. 小沢鋭仁

    国務大臣(小沢鋭仁君) 先ほどお答えしたと思うんですが、要は、京都プロトコールがまだ進行している状況の中で一九九〇年比で表した方が分かりやすかろうと、こういう判断で当時はやらせていただきましたが、今委員がおっしゃるように、これからアメリカ、中国をどのように取り込んでいくかということが外交上最大の課題であることは全く同感でございます。そういう国際交渉の中でそういったことが必要になればそういったことも柔軟に対応してまいりたいと、こう思っております。  ただ、これはもう聞いていらっしゃる国民皆さんにもう一度言うわけでありますが、削減する量そのものは九〇年を基準にしようと二〇〇五年を基準にしようと変わらないと。二〇二〇年、九〇年比二五%というのは変わらないと。これは一言申し添えておきたいと思います。
  355. 川口順子

    ○川口順子君 変わらないからこそ、アメリカ、中国を入れるという積極的な姿勢を日本政府に取ってほしかったというふうに私は思っております。  それから、カードを切るタイミング、適切ではなかったというのが私の評価でございます。日本の後どの国が、じゃこれぐらい積極的にやるよということを言ったか。言っていないわけでございます。EUは三〇%削減案を撤回するというふうに言いました。具体的にそのカードの評価、カードを切るタイミングについて評価をいかにしていらっしゃるか、お聞かせください。
  356. 鳩山由紀夫

    内閣総理大臣鳩山由紀夫君) 私は、お言葉ではございますが、まず私があのような気候変動の国連演説をいたしたときの国際的な状況はどうだったかと、大変厳しい状況でありました。ひょっとするとCOP15、もう無理だという懸念というものが相当強く感じられたところでありました。そこで、日本として、日本の代表があの大胆な発言をしたということで、明らかに私はモメンタムができたと、そのように考えております。あのままいっていたらどうなったかということを考えたときに、私はカードを切るタイミングは適切だったと、そのように感じているところでございます。
  357. 川口順子

    ○川口順子君 私、交渉にかかわったことございますが、今後、交渉はもっと厳しくなります。このカードはそういうときに切るべきであったというのが私の評価でございます。  これは国益が非常にかかわっていることでございます。地球環境問題は非常に大事ですが、今後削減率その他をめぐって、あるいは条件をめぐって日本の国益が守られるような、そういうときに切ってこそ日本は途上国と先進国のこの問題について架け橋となることができるというふうに私は考えております。ということで、何かコメントがあればお聞かせください。
  358. 小沢鋭仁

    国務大臣(小沢鋭仁君) 常に、いわゆる国際交渉の中で日本がバスに乗り遅れるかもしれないと、こういう話の中で行ってきたのが今までの政権であるとすれば、あの時点で見事にカードを切って世界を引っ張った、国際問題でこれだけ引っ張ったと、このカードの切り方は最適だったと私は思っております。
  359. 鳩山由紀夫

    内閣総理大臣鳩山由紀夫君) 私は、ただ無条件でカードを切ったわけではありません。すべての主要国がある意味での合意、目標というものを立ててそれに合意をするということを前提とした中で申し上げたわけでございまして、その意味でタイミングは間違いなかった、そのように思います。  更に申し上げれば、アメリカ・オバマ大統領とも来週この議論はいたします。温家宝首相などとも、中国でも盛んにいろいろと、私も表でやっておりますが、水面下でも様々な動きをしておりまして、これは厳しい状況になっておりますが、決してあきらめる状況ではありません。必ずCOP15を何らかの形で成功に終わらせるために最善を尽くしてまいりたいと存じます。
  360. 川口順子

    ○川口順子君 政治的な合意しかできないんではないかという見通しがございます。そういう状況は非常に残念ですけれども、総理及び環境大臣外務大臣については、引き続き頑張っていただきたいと思います。  それから、外務大臣、先ほどその前文、国連安保理決議のですね、にというふうにおっしゃいましたけれども、前文に書いてあっても日本の補給支援活動を評価しているという意味では全く意義が薄れるものではない、同じものでございますということを申し添えまして、私の質問は終わらせていただきます。
  361. 岡田克也

    国務大臣(岡田克也君) ちょっと誤解されたかもしれませんが、私は前文とは言っておりません。ただ、その行為そのものを国連決議に基づいてやっている今のISAFと、それから国連決議で評価をしているという今のOEFとは、それは違うということを申し上げただけであります。
  362. 簗瀬進

    委員長簗瀬進君) 関連質疑を許します。西田昌司君。
  363. 西田昌司

    ○西田昌司君 私は、鳩山総理政治資金管理団体であります友愛政経懇話会、それと小沢さんの陸山会、この両政治団体が非常に不明朗、また虚偽記載の疑いがあるということで、国民の前にこの事実を明らかにして、問題の本質を明らかにしていきたいと思います。  それで、まず、鳩山総理大臣にお尋ねします。  この問題は、度々この予算委員会なんかでも質問されております。その中で、いわゆる平成十六年から二十年までの間に、一億七千万円を上回る個人献金の大半が鳩山家の資産管理会社六幸商会からのものだったという質問に対して、六幸商会の資産ということは私の資産だと、つまり自分の資産が献金されたんだという意味の答弁されておりますが、間違いございませんか。
  364. 鳩山由紀夫

    内閣総理大臣鳩山由紀夫君) 西田議員にお答えをいたします。  また改めて、このような問題を起こしたことを国民皆さんに申し訳なく思っております。  今お尋ねがありましたように、六幸商会の中に、これは鳩山家の資産がそれぞれ管理されておりますが、その中の私の口座という部分がございます。その口座の中のお金が虚偽記載お金として使われていたということが、後になってというか、判明をしたということでございます。
  365. 西田昌司

    ○西田昌司君 六幸商会という名前は、なぜ六幸商会という名前なんでしょう。
  366. 鳩山由紀夫

    内閣総理大臣鳩山由紀夫君) 私もその理由まで尋ねたわけではありませんが、六つの幸せという字を書くわけでございまして、いわゆる鳩山というか石橋という、私の母方でありますが、そこの家族の六家族ということを意味しているのではないかと、そのように推察はいたします。
  367. 西田昌司

    ○西田昌司君 今、総理お話のありましたように、六幸というのは六人の家族、石橋家と鳩山家のその家族のことを指すというふうに我々も聞いたことがあるんです。そうしますと、その会社の管理している財産というのは必ずしも総理だけのものじゃないということですね。
  368. 鳩山由紀夫

    内閣総理大臣鳩山由紀夫君) そのようでございます。
  369. 西田昌司

    ○西田昌司君 じゃ、その六幸商会から寄附されているというのが、鳩山総理の財産から帰属するものであるというのはなぜ分かるわけですか。
  370. 鳩山由紀夫

    内閣総理大臣鳩山由紀夫君) 六幸商会からお金が出ているわけではありません。六幸商会はあくまでも管理会社であります。その中の私の口座に対して、そこに元の会計実務担当の秘書が伺って、そこから、資金をその口座から出していたということでございまして、その出すに当たっては、私が、例えば三百万円、五百万円、引き出すことに対して署名をしているという実態がありますから、そこは間違いありません。
  371. 西田昌司

    ○西田昌司君 今、鳩山総理は、出す場合には御自分の署名をして、そしてそれを会計担当者に渡して六幸商会から自分の管理資産のものを引き出しされたということですが、それでいいわけですね。
  372. 鳩山由紀夫

    内閣総理大臣鳩山由紀夫君) それは間違いありません。
  373. 西田昌司

    ○西田昌司君 では、ほかの家族の方が、ほかの家族の管理されている資産が鳩山総理友愛政経懇話会若しくは鳩山総理個人に寄附されているということはないですか。
  374. 鳩山由紀夫

    内閣総理大臣鳩山由紀夫君) それは、例えば私の母が限度内において寄附をしているという実態はあると理解をしておりますが、どのような経緯でそれがなされているかは私の知る話ではありません。
  375. 西田昌司

    ○西田昌司君 母の資産が自分のところにされているかもしれないけれども、限度額以内でとおっしゃいましたけれども、なぜ限度額以内だということが分かるわけですか。
  376. 鳩山由紀夫

    内閣総理大臣鳩山由紀夫君) それは、すべて事実を今地検の方で調べておりますから、いずれ判明できる話だと理解をしておりますが、私の方としてそのように聞いておりますし、それは間違いないと私としては一〇〇%信じているところであります。
  377. 西田昌司

    ○西田昌司君 私はなぜこの問題を言っているかといいますと、要するにこの問題、非常に大事な問題なんです。  つまり、鳩山総理のこの問題は、世間では、いわゆる鳩山総理は資産家ですから、資産家が自分お金を、また家族も含めて政治に使っていると。それは、限度額はあるけれども、限度額を超えたもしお金があっても、いわゆる自分お金を使っているんだから、よそからそういうお金をもらっているんじゃないんじゃないかと。だから、悪質性において、もしも限度額オーバーがあったとしてもまあ緩やかなものじゃないかなというような認識が世間にあろうかと思うんですが、しかし果たしてそうなのかと、そこが問題なんです。つまり、それは、それじゃ鳩山総理お金、資産のお金、そしてまたお母さんのお金、それが、またそのほかの人は絶対ないというんであるならば、確実に管理ができていないとそれはできないわけなんです。  ところが、あなたのその政治資金のこの報告というのは、全く管理がしていないということを証明しているんですよ。だから、だからですよ、今まで、突然に足りない分をお金を入れてもらったと、で、入れてもらった限度額を、自分の分で一千万超える分はこれは貸付金なんだというような言い方されているんですが、これは全く今私が言ったこととつじつまが合わないじゃないですか。
  378. 鳩山由紀夫

    内閣総理大臣鳩山由紀夫君) そうではありません。私は、まず今申し上げましたように、この元会計実務担当者から、私の個人的な部分も含めてでありますが、個人的なお金とか、あるいは個人議員としての政治活動のお金とか、あるいは友愛政経懇話会の中に入るお金とか、そういうものをある意味では一切含めて、ある意味で信頼を長年しておりましたものですから、その会計実務担当者にある意味、実際的には預けたような形になっておりました。その結果、しかしながら、当然のことながら会計実務担当者とすれば寄附の限度額は分かっておりますし、私としてもそれを超えた部分は当然貸付けになるという、今までもそのような措置がかつてにおいてされておったものですからそのようになっていると、そのように理解をして引き出すことを認めていたというわけでございます。
  379. 西田昌司

    ○西田昌司君 いや、総理、それでたらめですよ。なぜかといえば、あなたは、あなたの、あなたのこの説明によりますと、元々この自分個人献金ですよ、それが、個人献金というのは、いわゆる亡くなった方、それから名前使っているだけとかいうことも含めまして、それからまた小口の口座からのも、これはいわゆる自分の財産と言われる六幸商会などから入ったというふうに説明されているんですよ。つまり、全く管理をしていないということがここで明らかになっているんですよ。  ところが、今あなたの説明では管理をしていたとおっしゃっている。そうなると、管理をしているのであるならばですよ、その帳簿がしっかりあるということですね。なぜ管理をしているということが言えるのか、貸付けにしたり、個人個人の財産が別のものであるということがなぜあなたが言えるんですか。なぜ言えるんですか。
  380. 鳩山由紀夫

    内閣総理大臣鳩山由紀夫君) 私はまさにそのことを、元会計実務担当者信頼をしておりましたから、当然のことながら限度内までは寄附として許されると、それを超えたものは当然のことながら貸付けとして、私としても全部をこれは寄附するなんというつもりで金を引き出させているわけではないですから、その部分に関しては貸付けの処理がなされているものだと、そのように信じていたわけであります。
  381. 西田昌司

    ○西田昌司君 その信じている会計担当者が間違いをしたということについてはどういうように思っておられるんですか。
  382. 鳩山由紀夫

    内閣総理大臣鳩山由紀夫君) 私自身として、二十年以上一緒に努力をしてくれた人間がこのようなことをしてしまったということには本当に青天のへきれきでございましたし、残念でならない、その思いでございます。
  383. 西田昌司

    ○西田昌司君 残念という問題じゃないんですね。  あなたは、自分のは管理できていると言った。そして、管理していなかったわけですね、実際問題。管理していなかったその彼に対して、これは非常に大きな怒りを持って接しなければなりませんし、自らの政治生命がそのことによって脅かされるかもしれないじゃないかと、どういうことなんだと言って問いただすべきじゃないんですか。なぜあなたはその本人に対して連絡を取って問いたださないんですか。
  384. 鳩山由紀夫

    内閣総理大臣鳩山由紀夫君) 大変悔しい思いをしたことは事実です。怒りに震えた思いもございます。しかし、長年私のために働いてくれた男でもあります。そんなむげにできる話ではありません。そして、このことが事実になった瞬間から、私は彼とは接触をするなと、そのように強く厳命されましたから、一切連絡を絶たなければならなかった。そのことも理解をしていただければと思います。
  385. 西田昌司

    ○西田昌司君 接触をするなとはだれに言われたんですか。
  386. 鳩山由紀夫

    内閣総理大臣鳩山由紀夫君) この問題を、やはり私自身がこのようなことを起こしてしまったわけでありますから、私が解決をしようと思っても無理だと。だから、第三者にしっかりと見てもらった方がいい、調べてもらった方がいいということで、すべてを弁護士に調査を依頼をいたしました。その弁護士からその直後に、絶対に接触をしてはならない、むしろ接触をするとそこでいろんな工作があったと、あるということに疑われてしまってももったいない話だということで、一切、一切接触を絶つようにと言われたのも事実でございます。
  387. 西田昌司

    ○西田昌司君 国民皆さん、これ分かりますかね。今総理の答弁で納得された国民だれもいませんよ。  あなたは、あなたは、それじゃもう一度聞きますが、今この問題が検察捜査に付されているんですか。
  388. 鳩山由紀夫

    内閣総理大臣鳩山由紀夫君) 地検が捜査をしていると、そのように伺っています。
  389. 西田昌司

    ○西田昌司君 政府参考人にお聞きいたします。いわゆる一般論で結構なんです。いわゆる故意又は仮装、隠ぺいによって虚偽の記載をした場合どういう処罰がされるのか、だれにされるのか、そのことについてお答えいただきたいと思います。
  390. 田口尚文

    政府参考人(田口尚文君) 総務省としては、個別の事案については実質調査権を有しておりませんので、具体的な事実関係を承知する立場にないので、お答えは差し控えさせていただきたいと存じます。
  391. 西田昌司

    ○西田昌司君 私は個別の問題は聞いていないんです。一般論として、故意又は仮装、隠ぺいによって虚偽の記載をした場合にはどうなるかということを聞いているんです。ちゃんとやってください。(発言する者あり)
  392. 簗瀬進

    委員長簗瀬進君) 今、質問していますから。質問していますから。
  393. 田口尚文

    政府参考人(田口尚文君) 政治資金規正法の規定について御説明申し上げます。  政治資金規正法におきましては、故意又は重大な過失により収支報告書記載すべき事項を記載しなかった者又は虚偽の記入をした者については五年以下の禁錮又は百万円以下の罰金に処する旨の定めがございます。
  394. 西田昌司

    ○西田昌司君 それはだれに対して処罰がされるのか。政治家本人もその処罰の対象になるんですか。
  395. 田口尚文

    政府参考人(田口尚文君) 政治資金規正法の二十五条一項では、虚偽の記入につきましては、虚偽の記入をした者というふうに規定されております。
  396. 西田昌司

    ○西田昌司君 政治資金規正法上では監督上の責任政治家本人にはないんですか。
  397. 田口尚文

    政府参考人(田口尚文君) お答え申し上げます。  政治資金規正法のまず二十五条一項で、収支報告書記載すべき事項を記載しなかった者又は虚偽の記入をした者については五年以下の禁錮又は百万円以下の罰金に処する旨の定めがございまして、そして、このような場合につきまして、政治団体の代表者が会計責任者の選任及び監督について相当の注意を怠ったときは五十万円以下の罰金に処する旨の定めがございます。
  398. 西田昌司

    ○西田昌司君 そして、そのもし処罰を受けた場合、政治家本人は公民権停止になるんじゃないですか。
  399. 田口尚文

    政府参考人(田口尚文君) 政治資金規正法におきましては、今の罰則の適用を受けた場合につきましては選挙権及び被選挙権の停止するという規定がございます。ただし、情状により選挙権、被選挙権を停止しない場合もございます。仮に選挙権、被選挙権が停止された場合につきましては、国会法の規定によりまして被選の資格を失うという規定がございます。  以上でございます。
  400. 西田昌司

    ○西田昌司君 国民皆さん方も分かってもらえたと思うんですよ。つまり、これは微罪なんかではないんですよ。総理自身国会議員としての資格をなくしてしまうかもしれない、まさに鳩山内閣が吹っ飛ぶ問題ですよ。その問題だからあなたは自分たちの、もし違うんなら自分の立場を明らかにして国民に知らせるべきなんだ。それを知らせないというのはおかしいじゃないですか。
  401. 原口一博

    国務大臣(原口一博君) お答えいたします。  選任及び監督とは、選任と監督の両方について相当の注意を怠った場合をいい、いずれか一方について相当の注意を欠かなかった場合には政治資金規正法第二十五第二項の適用はないものと解されます。
  402. 西田昌司

    ○西田昌司君 要するに私は、鳩山総理がいわゆる今言われた罪になるとかいうことを断定しているわけではなくて、この法律の意味はそういうことが担保になっているんですよということを国民に知らせているんです。そのことを御理解いただいた上で、総理は自ら説明責任があるんじゃないですか。もう一度お伺いします。
  403. 鳩山由紀夫

    内閣総理大臣鳩山由紀夫君) 私自身は、したがいまして、でき得る限り自分の知り得る情報の下で説明を申し上げているところであります。そして、これ以上のことに関しては、地検にすべての情報を提示を申し上げておりますので、司法判断をまちたいと、そのように考えております。  なお、今お尋ねでございましたが、会計実務担当者会計責任者ではありません。私は会計責任者の選任も決して間違ってはなかったと、そのようにも今でも思っておりますが、このようなことに関しては司法判断にまちたいと、そのように考えております。(拍手)
  404. 西田昌司

    ○西田昌司君 何をあなた方は拍手しているんですか、おかしいです。国民皆さん方是非、皆見てください。なぜ民主党皆さん方、今は何の拍手ですか、一体何の拍手なんですか。  一番国民が知りたがっているのが、総理総理としての資格があるかないか、そのことを国民は聞きたがっているんですよ。そして、それがいわゆるああいう規定によって刑事罰を受けるとなると総理の確かに資格なくなりますから、これは検察、また裁判所ですよ、判断は。しかし、それ以前に、総理国民から選ばれたんですから、国民に自らの政治姿勢を示して、自分が潔白なら潔白と会計担当者、実務者も含めて国会に招致して説明すればいいじゃないですか。なぜそういうことをしないんですか。(発言する者あり)
  405. 簗瀬進

    委員長簗瀬進君) 御静粛に。
  406. 鳩山由紀夫

    内閣総理大臣鳩山由紀夫君) それは、私は先ほどからもできる限り自分の知り得る情報は申し上げておりますが、このだれを呼ぶかということは国会の中でお決めを願いたいと存じます。
  407. 西田昌司

    ○西田昌司君 今、総理自身国会にお呼びいただいたらという話しされていますから、是非、六幸商会のこの代表取締役小野寺さん、それから会計担当者勝場さん、それから責任者の芳賀さんでございましょうか、その方を含め是非参考人招致をしていただいて、そして政治と金についての集中審議をしていただきたい、そのことを要望いたします。
  408. 簗瀬進

    委員長簗瀬進君) 今の件については後刻理事会において協議をさせていただきます。
  409. 西田昌司

    ○西田昌司君 本当はもう少しこの問題、まだまだ問題あるんですが、時間がありませんので次に行きます。  次の問題といいますのは、いわゆる小沢さんの政治資金管理団体、陸山会をめぐる問題なんです。  この問題は、実は私が参議院の決算委員会でさきの国会で三回にわたって、一回はテレビ中継されました、質問しました。その趣旨はどういうことかといいますと、皆さん方にも資料を配付しております。一番目の資料を見てください。(資料提示)  ここに書いてありますように、この小沢さんの提出しております陸山会の政治資金報告書、そして並びに小沢さんの資産報告書によりましてこれは書いたものなんです。つまり、平成十六年、小沢代表は第三者から四億円を借り入れられて、それを陸山会に貸し付けられた、陸山会はそして平成十七年に約四億円の不動産を購入したと、こういう記載があったわけなんです。  そこで私は、資料を見てまいりますと、小沢さんが第三者から借りたというふうにおっしゃっているんだけれども、だれかが分からない。プラス、その借りた人が、普通は四億円ものお金を借りたら担保を取るわけです。ところが、そういう抵当権も不動産には付された形跡がない、一体だれから借りられたんでしょうねと、こういう話を実はこの前の参議院のときに言ったわけです。そうしましたら、これが雑誌にも取り上げられましたし、新聞社からも問い合わせがあって、私は公開質問状という形で雑誌に、「ウイル」という雑誌に書きましたが、それを持って実は読売新聞が取材に行ったわけです。取材に行きまして、私が今この疑問に思ったところを陸山会、そしてまた当時の会計担当者だった、今現在衆議院議員である石川さんから取材をして、その取材の結果、新たな事実が分かりました。  これが二番目であります。これが、新たに分かりましたのは、要するに、これは平成二十一年十月十五日付けの読売新聞なんです。これは陸山会の定期預金を担保に金融機関から借り入れたと。つまり、だれから小沢さんは借りられたんですかといえば、これは銀行から、金融機関から借りたんですよと。じゃ、その担保は何ですかといえば、いや、陸山会に定期預金があるでしょうと、この四億円を担保に金融機関から借りたんですよと、こう書かれたわけなんですね。  そして、もう一つ新たな事実が分かったのは、これは小沢さんが自らの事務所費で弁明されたときに出された資料、これは民主党のホームページに今まだアップされているようでありますが、そこにも不動産を買ったときの領収書が付いているんです。その領収書には、不動産購入の領収日は平成十六年十月二十九日であると書いてあります。このことについて記者が聞きましたところ、確かにそのとおりですと、平成十六年の十月二十九日に支払をしましたという回答があった。  そしてさらに、じゃ、なぜ平成十七年の支出として書いているんですかと聞きましたら、いや、これは登記をしたのが平成十七年の一月七日だったんだと、だから登記日に合わせてやればいいと思って会計処理をしたんですと、こういう答弁されたわけなんですね。ここで私はまた新たな疑問が出てきたわけなんですよ。  これは読売新聞、これも十月十五日の読売新聞の記事を拡大したものでありますが、もしもこうおっしゃったことが事実だとしますと、要するに平成十六年の、これ〇四年というのが要するに平成十六年の話でありますが、このときの収入金額が借入金を含めましても七億少々、ところが翌年の繰入金とかがありますから、実際にこのもし土地代を購入したということにここに入れてしまいますと、完全に二億円以上の赤字になるということなんです。  会計上、現金、預金がマイナスになるということはこれあり得ないわけでありまして、まさに何が言いたいかというと、この段階で既に小沢さんの陸山会が虚偽報告をされているということに私はなるんじゃないかと思うんです。しかも、その金額は要するに四億円に上るわけなんですね。  総理、この問題についてどのようにお感じになられますか。
  410. 鳩山由紀夫

    内閣総理大臣鳩山由紀夫君) 小沢氏の今の問題に関しては、事実を全く承知をしておりませんので、これは、必要であれば小沢事務所などにお聞きいただければと思っておりますが、私から今お答えをするすべはございません。
  411. 西田昌司

    ○西田昌司君 まあ、総理は御存じないのかもしれませんが、この問題は、まずこれは新聞記事にも書いてありますように、この時点でこれ虚偽記載の疑いがあるんですよ。ということは、今、そして小沢事務所に確認しろということを総理おっしゃいましたけれども、私は是非、小沢さん、小沢さんにもこれは……(発言する者あり)
  412. 簗瀬進

    委員長簗瀬進君) 御静粛にお願いします。
  413. 西田昌司

    ○西田昌司君 来ていただきたいと思います。  まず、私はここで言いたいのは、総理、あなたは、先ほど言いましたように、あなた自身政治資金の問題で自らの公民権が停止されることかもしれないという可能性も含めた大きなこの疑惑にあるわけですよ。その説明ができていないどころか、あなたの前の民主党の代表者である小沢さんがあなた以上に、もっと言えば悪質かもしれないようなこういう疑いがある。これについてあなた自身は任命責任があると思いませんか。(発言する者あり)
  414. 簗瀬進

    委員長簗瀬進君) 速記を止めてください。    〔速記中止〕
  415. 簗瀬進

    委員長簗瀬進君) 速記を起こしてください。
  416. 西田昌司

    ○西田昌司君 今、民主党皆さん方から欠席裁判になるじゃないかとおっしゃいました。私も、欠席裁判するつもり、毛頭ありません。ですから、是非とも委員長にお願いしたい。小沢衆議院議員、そして小沢衆議院議員のこの会計責任者であります大久保さん、この方は今起訴されているわけでありますが、大久保さん、そして石川衆議院議員、このお三名を先ほどに続きまして参考人招致をしていただき、集中審議をしていただきたいと、このことを要望いたします。
  417. 簗瀬進

    委員長簗瀬進君) ただいまのお申入れについては後刻理事会で協議をさせていただきます。
  418. 西田昌司

    ○西田昌司君 それで、今、皆さん方、これは皆さん方民主党の前の代表者、そして今の代表者、二代にわたる代表者が非常に大きな会計処理で問題があると、そのことを、あなた方、その醜いやじをしているのが全部これテレビで出ているんですよ、そのことをよく考えなさいよ。(発言する者あり)何をしているんですか。もう少しこの事実を、もう一言言いますと、私は実は、この新聞報道がありましたときにおかしいなと思ったんですね。まず、この問題が事実だとすると虚偽記載になってしまうと。ですから当然、当然、小沢さん側から、陸山会から訂正の、いわゆる訂正の報告があったのかなと思ったんです。まずここを確認したいんです。  まず、今、今日までの間に陸山会の訂正の報告が出ているのか、そのことを総務省選挙部長に、政府参考人にお聞かせいただきます。
  419. 田口尚文

    政府参考人(田口尚文君) お答えいたします。  総務省としては、個別の事案につきましては実質調査権を有しておりません。具体的な事実関係を承知する立場にございませんので、お答えは差し控えさせていただきたいと存じます。  その上で申し上げますと、陸山会からの訂正願は確認されておりません。
  420. 西田昌司

    ○西田昌司君 まだ出ていないということなんですね。  そこで、そうしますと、あくまで我々が考えなきゃならないのは、恐らく小沢さんも陸山会も、皆さん方もそうでしょう、おっしゃっていることが正しいんだと、正しいことを言っているんだということになるんでしょう。そうなってくると、そのときに私が一番疑問なのは、帳簿上赤字になってしまう。それを……
  421. 簗瀬進

    委員長簗瀬進君) 質問者、先ほどと同じやり取りになっておりますので、質問の趣旨を気を遣ってください。
  422. 西田昌司

    ○西田昌司君 私の質問を止めないでくださいよ。私の責任でやっているんですから止めないでください。駄目ですよ。(発言する者あり)
  423. 簗瀬進

    委員長簗瀬進君) 西田昌司君、どうぞ。
  424. 西田昌司

    ○西田昌司君 まず、やじを静めてください。
  425. 簗瀬進

    委員長簗瀬進君) 御静粛に。
  426. 西田昌司

    ○西田昌司君 そうしますと、私は実は税理士という職業も持っておりまして、この問題を聞きましたときに、実はそれぞれ、陸山会の申告、これが正しいと、そして石川さんが述べられている、また陸山会の責任者が、担当者が述べられていることも全部正しいと、そうすることによって事実が見えてくるんじゃないかと思って仕訳をしてみたんです。  そうすると、どういうことかといいますと、まず、定期預金を担保に借入金をしましたと言ったわけですね。ということは、まず、ここに出ていますように、預金対借入金という、こういう表ができてくるわけですよ。そして……(発言する者あり)
  427. 簗瀬進

    委員長簗瀬進君) 速記を止めてください。    〔速記中止〕
  428. 簗瀬進

    委員長簗瀬進君) 速記を起こしてください。
  429. 西田昌司

    ○西田昌司君 委員長、これは今国民が、全国民が注目しているんですよ。ですから、皆さん方も真摯に聞いていただきたい。そして、自らどういう立場にあるのか判断してください。  まず言いますと、定期預金を借り入れたと、定期預金を担保に借り入れたんですから、預金対借入金という仕訳が起こってくるんです、四億円。そして、それからもう一つ出てきた事実は、平成十六年中に実は不動産支払をしているわけです。ですから、不動産対預金という仕訳が出てくるんです。  ところが、問題は、この不動産を買ったという事実が記載されていないと。つまり、赤字の部分記載されていないんです。そして、その後……
  430. 簗瀬進

    委員長簗瀬進君) 西田君、質問をしてください。
  431. 西田昌司

    ○西田昌司君 質問しますから。  そして、その後、四億円をだれか、元々の定期預金はどこから来たのかという記載が一切ないですから、恐らく定期預金対寄附金の収入なり、そういう仕訳が出てくる。そうすると、要は収支が小沢さんが出している報告書と完全に一致するんです。ですから、これは、そういう意味でいいますと、小沢さんが、陸山会が出したのが正しいということになるのかなとも思うんです。  ところが、問題は、不動産の支払、不動産の購入と寄附金の収入という、この取引が漏れてしまっているということなんですね。そして、さらに、十七年では不動産の購入をして不動産対預金という仕訳が出ると。これを実はもう少し分かりやすく表にかきました。ポンチ絵でかいてみると、こちらの六番目のやつなんですね。(資料提示)  つまり、陸山会は、何者からか定期預金を借り入れて、何者かから定期預金の提供を受けて、その定期預金を担保に借入れをして、借入金によってお金が入ってきたと、そのお金で不動産の支払をしたということなんです。  そして、その借入金の、借入金じゃない、だれ者から提供を受けた、そのだれかから、このミスターXと仮に書きましたが、ミスターXから提供を受けたという事実と不動産を購入したという支払の記述がないと。これがないと、これはつじつまが合わないということになってくるんです。そして……
  432. 簗瀬進

    委員長簗瀬進君) 西田君、質問をしてください。
  433. 西田昌司

    ○西田昌司君 もうしばらくでします。そして……
  434. 簗瀬進

    委員長簗瀬進君) 質問をしてください。
  435. 西田昌司

    ○西田昌司君 そして、十七年には陸山会がお金を払って不動産を買ったという報告になっているんですが、ところが、そのお金は平成十六年に実はしていますから、ここに払ったお金は実はだれに払ったか分からない。つまり、不動産の支払は先に済んでいて、ここでもう一度、二重支払になっているということです、二重支払になっている。  つまり、これはどういうことかというと、先ほどのを見せてください。つまり、平成十六年、何者かによって定期預金が提供され、それを担保にお金を借りて、そのお金で十六年中に不動産決済をしている。
  436. 簗瀬進

    委員長簗瀬進君) 西田君、質問をしてください。どなたに質問を求めるんですか。
  437. 西田昌司

    ○西田昌司君 そして、十七年にお金を払ったというのはまただれかに払っていると、この事実をまず皆さん方に私はこれは知っていただきたいと思うんです。これは、こういうふうに解釈されるんじゃないでしょうか。これは、政治家である、政治家である総務大臣にお聞きします。
  438. 原口一博

    国務大臣(原口一博君) 西田議員にお答えをいたしますが、今事実とおっしゃいましたね。これはすべて事実なんですか。私は、私は、それがあなたが事実だということを証明をされて、その上でお答えをする。公共の電波で、新聞に書いてあった、こうだったというのは、今西田議員の御質問の中で分かりました、しかし、それを裏付けるものについて、それを何もいただいていない段階でお答えするわけにはいきません。
  439. 西田昌司

    ○西田昌司君 いや、だから私が言いましたのは、新聞報道、そして、それと陸山会が出しているその報告、その事実をつなぎ合わせていくとこういう事実があるんじゃないかということが疑われると言っているわけですね。ですから、そこははっきりさせてください。  そして、私が申し上げたいのは、つまり、はっきり申しまして、今の時点で陸山会の政治資金報告書は破綻をしているということなんです。これだけは私は事実だと思いますが、原口大臣はそれじゃ事実じゃないと言うんですか。
  440. 原口一博

    国務大臣(原口一博君) 西田議員にお答えをいたします。  先ほど事実とおっしゃったのは、その借入れとそしてこの関係が非常に不正の疑いが強いということを断定的におっしゃったので、今の御質問は、陸山会の政治資金収支報告書が破綻をしているかどうかということでございますが、その個別のことについて総務大臣としてお答えできる立場にございません。
  441. 西田昌司

    ○西田昌司君 じゃ、質問を変えます。  こういうことがあるので、私は当然、恐らく陸山会側から何らかの修正報告がされると思うんですよ。今まだされていないということなんです。  そこで、政府参考人に聞きます。いわゆる先ほど言いました故意又は仮装、隠ぺいによって重大な事実隠ぺいがあった場合は、これは公民権の停止も含めた大きな重大な犯罪になるんですが、これは、一般論としてで結構なんですよ、要するに、訂正申告をしたら、その故意又は仮装、隠ぺいの事実が消えて罪に問われないものなんですか。お答えください。
  442. 簗瀬進

    委員長簗瀬進君) 国税庁でよろしいですね。
  443. 西田昌司

    ○西田昌司君 何で国税庁なの。何で国税庁なの。
  444. 簗瀬進

    委員長簗瀬進君) 失礼いたしました。総務省田口尚文選挙部長。
  445. 田口尚文

    政府参考人(田口尚文君) お答え申し上げます。  一般論として申し上げますと、罰則の適用につきましては、行為時の行為が法的に評価されるべきものでございます。したがいまして、仮に当初、収支報告書に未記載等があった場合におきまして、この時点で故意又は重大な過失があれば罰則の対象となりますが、一方、故意又は重大な過失がなければ罰則の対象とならないものでございます。  いずれにしても、総務省といたしましては、個別の事案につきまして具体の事実関係を承知する立場にございませんので、お答えは差し控えさせていただきたいと存じます。
  446. 西田昌司

    ○西田昌司君 私の質問に答えてもらいたいのは、要するに、修正申告をしたら罪が免れるかどうかということを聞いたんです。どうぞ。
  447. 田口尚文

    政府参考人(田口尚文君) 一般論として申し上げますと、罰則の適用につきましては、行為時の行為が法的に評価されるべきものでございまして、後日に新たな行為があっても過去の事実関係は変わらないものでございます。
  448. 西田昌司

    ○西田昌司君 つまり、これは事実と違う申告をしてしまうとその時点でアウトになってしまうということなんですよね、簡潔に言うと。ですから、そのときにこういう問題があるということなんです。  そこで、もう一度鳩山総理、あなたにお伺いします。といいますのは、あなたとそして小沢幹事長、この方お二人の力によって政権交代がされたわけです。もちろんここに座っておられる閣僚の方々もそうでしょう。ところが、私が申し上げておったのは、これを衆議院選挙前からこの問題の重要性、つまり小沢代表も、かつての、今の幹事長ですね、そして鳩山、今総理でありますが、この二人とも自らのこの問題をきちっと真っ白だということを証明しないと、この問題がずっと付き回ってくると政権自体ができないんですよと。  だから、民主党皆さん方、やじ飛ばしている場合じゃなくて、あなた方の党内でこういうことをきちっと捜査すべきじゃないかということを何度も再三言っていたんですが、あなたにはそういう声は届いていなかったんですか。
  449. 鳩山由紀夫

    内閣総理大臣鳩山由紀夫君) 二代にわたってというお話がございました。  私は、小沢前代表は政治資金規正法容疑違反に問われているという事態ではありません。元秘書に関してはこの司法判断にまたなければならないと思っております。また、私自身の身も同様に司法判断にまちたいと思っておりますが、一方で、このような事実というものを国民の多くの皆さんが十分に御理解をいただいた中で政権交代が果たされた以上、その責めを果たしていくのも私ども連立政権の大きな役割だと、そのように感じております。
  450. 西田昌司

    ○西田昌司君 もう一度言いますが、これは政権の根幹にかかわってくる問題だと思いますが、そういう認識はありませんか。
  451. 鳩山由紀夫

    内閣総理大臣鳩山由紀夫君) すべてこの問題が司法の手によって解決をされていくことがまず一番求められていることだと、そのように思っております。
  452. 西田昌司

    ○西田昌司君 刑法、刑事罰につきましては当然今おっしゃったとおりで僕はいいんです。そうじゃなくて、あなたの政治姿勢は一体何だったんでしょう。友愛だとおっしゃった。そして、清潔な政治だとおっしゃる。そして、今までの政権にはできなかった理想をおっしゃる。  じゃ、その姿勢であるならば、自ら、そして自らの盟友に降って掛かってきたこういったことに対しては自ら進んで説明する責任があるんじゃないでしょうか。
  453. 鳩山由紀夫

    内閣総理大臣鳩山由紀夫君) 私は、今日まで自分……(発言する者あり)
  454. 簗瀬進

    委員長簗瀬進君) 御静粛に。
  455. 鳩山由紀夫

    内閣総理大臣鳩山由紀夫君) 私の身の問題でもありますから、私に分かる部分に関しては正直にお答えをしているつもりでございます。それを国民皆様方是非理解を深めていただきたいと思いますが、今はすべてのデータ、情報を地検の方にゆだねておりますので、そこに提供を申し上げておりますので、だから公平、公明正大に正しい判断がそこでなされることを私としては望むばかりでございます。  以上です。
  456. 西田昌司

    ○西田昌司君 いや、あなたは同じ答弁に終始しているんですが、私が問うているのは刑法に問われるかどうかじゃないんです、あなたの政治姿勢と政治責任を問うているんですよ。そして、自ら知っていることをみんなお話ししたとおっしゃった。しかし、なぜあなたが自ら、じゃ勝場さんに事実確認をしないのか。なぜなんですか。すべきじゃないですか。
  457. 鳩山由紀夫

    内閣総理大臣鳩山由紀夫君) 私も、何度もそのような衝動に駆られたことはあります。しかし、それが、それはやるべきではないと。むしろ、当事者同士が何らかの口裏合わせみたいなことをやってはいかぬと、そのように疑われる可能性があることはやってはならないと。したがって、一切彼とは連絡を絶っておりますので、このような状況になっていることもどうか御理解を願いたい。
  458. 西田昌司

    ○西田昌司君 全く理解できませんよね。(発言する者あり)
  459. 簗瀬進

    委員長簗瀬進君) 御静粛に。
  460. 西田昌司

    ○西田昌司君 これ、国民皆さん方だれも理解できないと思いますよ。  今の話は、要は自分がですね、自分の立場の保身だけじゃないですか。そのために国民を欺いて、自ら進んでその事実を明らかにしないというのは全く国民を愚弄していますよ。  この問題は、先ほど言いましたように、集中審議も含め、我々がこれからも徹底的に追及していくことを国民の前でお約束申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。
  461. 簗瀬進

    委員長簗瀬進君) 関連質疑を許します。荒井広幸君。
  462. 荒井広幸

    ○荒井広幸君 自由民主党改革クラブの荒井広幸です。  リーマン・ショック以降、我々の生き方も、そしてまた同時に考え方、思想も大転換しなくちゃならないということになったことだけは間違いないと思います。そういう中で、今度の選挙は実はそうした生き方とか考え方とか、例えば地球温暖化問題を含めて我々のその経済社会をどうつくり直すといった基本的なことを議論すべきが今度の選挙であったと思いますが、残念ながら、例えば子ども手当の創設であるとか、そうしたお金の話が大部分になってしまったというところを私は反省を持って私自身もおります。  そこで、この子ども手当や高校の無償化を言う前には、実は子供たちにとって、子育ちという言葉がありますが、本当に子供たちのためになるんだろうかと、この学歴社会は。そういったことから問いを起こして、果たして子育て支援、経済支援をどうするべきかと、こういう起こし方だったと思いますが、早速厚労大臣にお尋ねしますが、公明党が発議し、政権与党が提起した子育て応援特別手当を廃止した理由をお願いします。
  463. 長妻昭

    国務大臣(長妻昭君) お答えを申し上げます。  今委員がおっしゃられたこの子育て応援特別手当、これにつきましては、私どもとしては補正予算執行を停止をいたしました。これにつきましては、地方議会でも議決をしている議会もある、広報を終えているところもございまして、大変期待している国民の皆様、そして地方自治体にも御迷惑をお掛けしたということで、まずもってこの場を借りておわびをいたします。  しかし、この財源、限られた財源、大変厳しい財源の中で、この財源を有効に私どもは使わせていただこうと。今回は一度限りの手当でございますけれども、これについては来年の四月からは恒久的に中学三年卒業までのお子様方にお支払いする子ども手当を創設すると、こういうことを私ども計画をしておりますので、それに資するような形で使わせていただきたい。決して子育てについて我々は不十分ではなく、むしろ前政権よりも子育てには手厚い政権であるというふうに自負をしておりますので、御理解をいただきますようお願い申し上げます。
  464. 荒井広幸

    ○荒井広幸君 いかがかなと思いますが、では、先ほどあった、地方に迷惑を掛けた、金銭ベースで大臣おっしゃってください。どの程度迷惑を掛けたのか、金銭的な事務経費、御存じですか。
  465. 長妻昭

    国務大臣(長妻昭君) お答えをいたします。  既に地方自治体では事務手続が進んでおりまして、これ予算措置として約六十億円予算措置をしております。その経費について、使われた経費については私どもとしてはもちろんその経費はお支払いすると、こういう計画をしております。
  466. 荒井広幸

    ○荒井広幸君 厚労省の調べによれば、更に六十五億円です。百三十億円ぐらいなんですよ、大臣。これ厚労省の調べですよ、大体。東京新聞に出ております。  無駄じゃないですか、仙谷大臣
  467. 仙谷由人

    国務大臣仙谷由人君) 無駄といえば無駄でありますけれども、使っているところに補てんをしないとこれは地方の方の損失になって計上されますので、それは補てんをしなければいけないと、こういう厚労省のお考えだと思います。
  468. 荒井広幸

    ○荒井広幸君 総理、公明、自民が発議して、舛添さんいらっしゃいますが、だからこの応援手当はやめたんですか。
  469. 仙谷由人

    国務大臣仙谷由人君) 公明、自民が発議したのは事実でありますけれども、私どもならば、この種のものを補正で、一回限りの投げ付けたような、選挙前にこういうことをすると、こういうことはやるはずがないということであります。
  470. 荒井広幸

    ○荒井広幸君 総理に同じ質問をいたします。  自公がやったからやめたんですか。
  471. 鳩山由紀夫

    内閣総理大臣鳩山由紀夫君) 仙谷大臣よりはやや優しめに申し上げたいと思いますが、私は、決して自民党、公明党さんが発議したものだから、それだからやめるなんという話ではなく、当然いいものは大いにやるべきだと、そのように考えておりますが、必ずしもその問題に関してはそのような結論を出したわけではないということでございます。
  472. 荒井広幸

    ○荒井広幸君 総理、では、私、提案します。いいものならやる。  この応援手当は、三分の一の金額にしますと一万三千円なんです。来年からやろうという金額と同等になります、皆さんが。三分の一にして、そして同時に、範囲の問題ありますが、三分の一にして、そしてこれを使うことによって自治体の負担が、まず先ほどの無駄がなくなる。そして、一番問題なのは仕事と子育ての両立で保育所支援などなんですよね。それにも振り向けられるし、予定していた人たちはもらえる。御提案をします。  この私の案に対して、総理はどのようにお考えになりますか。
  473. 長妻昭

    国務大臣(長妻昭君) お答えを申し上げます。  先ほども申し上げましたけれども、今回の子育て応援特別手当、一回限りの支給ということになっておりまして、やはり私どもとしては、お子さんを産みたいと思われておられる方に対して、あるいは少子化の問題、これはなかなか、これまで政府がいろいろな手段、手だてを打ってもなかなか劇的には回復をしてこないと、非常に日本国の大きな問題でもございます。  それについて、一回だけではなくて恒久的に毎月毎月お子様に手当をお支払いする、そして、それだけではなくて、ワーク・ライフ・バランスの問題やあるいは保育所の問題などなど現物支給的な手当てもきちっと考えていくということで、総合的に少子化対策ということに取り組んでおりますので、是非理解を賜りたいというふうにお願い申し上げます。
  474. 荒井広幸

    ○荒井広幸君 答弁になっていないんです。  総理、そういう私どもの提案、受け入れられますか。
  475. 鳩山由紀夫

    内閣総理大臣鳩山由紀夫君) 荒井委員の御提案、魅力的な部分もあろうかと思います。  ただ、先ほど長妻大臣からお話がありましたように、私どもは、一度、しかも年齢が三歳から五歳まで限られていると、こういうものでは必ずしも多くの方が喜ぶ話ではない、中途半端になるだろうという発想の下でこの結論を出したわけでございますので、お尋ねの荒井委員の提案に関して現在乗るという発想になれないことを御容赦願いたいと存じます。
  476. 荒井広幸

    ○荒井広幸君 さて、国民皆さんはどう聞きましたでしょう。今年も続くんです。一回限りが今年続いて、皆さんの案で来年から半分スタートするんです。それは、皆さんがマニフェスト至上主義になっているのでそのようなことになっているんですよ。マニフェストの呪縛に縛られて、自公政権のときよりはるかに知恵がない、工夫がない。これがいわゆる、総理、マンデートという問題点なんです。菅さんがイギリスに行かれたと思いますが、このマンデートというのはそういうところから批判が出ているんですよ。  そして、その知恵や融通性がないというところを私は批判しますが、貧困率が一七、八%になりました。どうして本当に貧困の子供たちに対して手厚くするという意味で所得制限を掛けませんか、総理
  477. 長妻昭

    国務大臣(長妻昭君) お答えをいたします。  今貧困率のお話をいただきました。これは、今政権、この政権で初めて自ら政府が貧困率ということで発表させていただきました。全体では一五・七%ということで、先進国、OECDの中でも大変高い数字でございます。今おっしゃられたように、特に一人親のお子様の貧困率も非常に高いわけでございまして、そういう方々に対する手当てということで母子加算というものも復活をさせていただきました。  そして、もう一つ重要なのは、やはり少子化対策ということが非常に重要でございまして、これは、恒久的措置として、やはり哲学に裏打ちされた形で、これ二〇五五年になりますと現役の方一人がお年召した方一人を支えるということで、ある意味では肩車の形だと。今は三人の現役の方が一人のお年寄りを支える、まあ騎馬戦形と言われております、この今三人が一人を支える現状でも社会保障の担い手が少なくなったということで、非常に社会保障、苦しい状況でございます。  そういう意味では待ったなしでありますので、この少子化対策ということでパッケージで我々はやりたい。ただ、そのときに財源が限られているということも是非理解をいただきたいということでございます。
  478. 荒井広幸

    ○荒井広幸君 福島大臣、どうお聞きになりましたか。
  479. 福島みずほ

    国務大臣福島みずほ君) 荒井委員、御質問ありがとうございます。  コンクリートから人へということであれば、子供たちに、人、とりわけ子供たちに対して予算を使うということだと思います。  今までの政治は、GDPの御存じ一%以下しか子供たちのために予算を使ってきませんでした。ですから、現政権は、まず子供を大事にしよう、子供に対してお金を使おうということで、子ども手当の創設と、それから保育所それから学童クラブや一時保育、専業主婦の皆さんも保育所が利用できるように様々な保育の応援をしていきたいと思っています。  貴重な税金です。皆さんたちの貴重な税金をそういうふうに両方応援していく形で今厚労省と少子化担当の間でも話しておりますし、税金を……(発言する者あり)ですから、もしこれは、私は、所得制限に固執するというよりも、きちっと保育所や学童クラブの予算も確保してパッケージとして子供たちを応援する。そして、確かに所得制限というふうに荒井先生がおっしゃるのは、貴重な税金をどう使おうかということだと思います。だからこそ、税金を大事に使って、またあるいは子供の貧困をなくすための政策をこの内閣でやっていきたいと考えています。
  480. 荒井広幸

    ○荒井広幸君 図らずも、民主鳩山内閣の話が今、体質が出るんです。自立というのがキーワードなんです。自立してやっていける方には、やはり困っている人に応分のサービスが行くようにするというのが我々改革する保守の本流の考え方なんですね。だれにでもばらまくという発想ではないんです。財源だけの話ではありません。それは、総理、結局この選挙の呪縛なんです。  お手元の資料を御覧ください。(資料提示)私は国民の皆様にも若干苦言を申し上げたいんです、マスコミの皆さんにも。  ちょうど四年前、亀井大臣いらっしゃいますけれども、郵政で、我々は郵政民営化は反対だと、格差を生む。そのとおりになり、今この方向転換に入っていますが、勝った勝った、郵政民営化だ、官から民だ、官から民だ、どうぞこの数字御覧ください。そのとき、自民党は半分得票していないのに議席が七三%です。今回は、交代交代、政権交代、同じようにぱんぱんぱんぱんやって、その結果、民主党の得票は、得票ですよ、国民皆さんの、四七%なんです。逆転してるだけです。そして、議席は何と七四%です。あの郵政のときと同じく、マスコミも踊り、議会も踊り、騒いでいるんです。議席は確かにそうでしょう。しかし、得票から見たら、もう一つの民意がここにあるんです。同時に、総理、三千万人は自民でも民主でもなく、投票に来ないという、この声なき批判の声に我々は耳を傾けるべきではないでしょうか。  その意味でも、マニフェスト至上主義であれば、大勢の皆さんの声を吸収できないんです、総理は吸収すると言いましたけれども。国民皆さんにも、立ち止まって、もう一回、ムードに流されることのないようにやっていただきたいと我々改革クラブは訴えて選挙をやってきました。どうぞ民主党皆さん、過半数の支持は得ていない、おごることなかれ、そして自民党皆さんも落胆し過ぎることなかれ、私はそのように申し上げたい、こういうことでございます。  どうでしょうか、国民皆さん理解していただけるこの数字なんです。ですから、突き進めば、あの四年前と同じように投票しなかった半分以上の人が民主党から離れていきますよ。私は、いいことをするためにそれでは困るんでしょう。我々も、政権交代があった以上、まあ私はずっと野党でおりますけれども、建設的な提案をさきのようにしているんです。そういうものを皆さんが受け入れられる度量がないというのは、ああ、小泉改革の二の舞を起こすんじゃないかと私は蛇足ながら御忠告申し上げますが、総理はどうお考えになりますか。
  481. 鳩山由紀夫

    内閣総理大臣鳩山由紀夫君) 蛇足ではないと思っておりまして、今大変大事なお尋ねをいただいたと思っております。  私どもは数におごるつもりはありません。自公政権の下で先ほどつくったものだから駄目だと、そんな発想を持っている思いでもありません。私はあえて所信のときにも申し上げました、少数者の声に耳を傾ける政治を行わなければならないということを。これは、自民党さんは決して少数ではありませんが、改革クラブを始めとして皆さん方の声にもじっくりと耳を傾けながらより良いものをつくるための努力をする、そういう政権でありたいと思っております。
  482. 荒井広幸

    ○荒井広幸君 是非そのようにお願いするものでありますが。  では、議員立法は認められました。議員立法をする手順として議員連盟をつくるということもあります。議員連盟を超党派でつくることを鳩山民主党はお認めになりますか。様々な課題に対しての議員連盟です。
  483. 鳩山由紀夫

    内閣総理大臣鳩山由紀夫君) それは当然あるべきだと思っております。これは特に内閣の中で余り議員連盟の話を申し上げるというべきではないかもしれません。党の方で必要なものを超党派でおつくりになることは大いに私は結構だと、そのように思っております。
  484. 荒井広幸

    ○荒井広幸君 過疎法についてお尋ねいたします。  十年ごとです。議員立法でした。来年三月満期、さあどうするか。過疎地帯、大変心配しております。──原口さん、早いです。マニフェストに、過疎法というものを作るというマニフェスト、約束しましたか。総理にお尋ねしますか、それとも原口さん。
  485. 原口一博

    国務大臣(原口一博君) 荒井議員にお答えいたします。  マニフェストの中に明示をしてはいません。  私たちは、しかし、これは今おっしゃったように昭和四十五年から超党派の議員立法でやってきたものです。それを四回やってきた。その意義についてはしっかりと踏まえて、そして、私はその責任者でしたけれども、前の、当時の山口俊一先生、自民党さんの過疎法対策の責任者ですね、その方と一緒に超党派で切れ目ない過疎対策ができるように議論を続けてきているところでございます。
  486. 荒井広幸

    ○荒井広幸君 原口担当大臣、エリア指定はこのままにしてソフト分野での活用、過疎はもう、箱物も必要ですけれども、例えばコミュニティーバス、そういったもの必要ですね、そのための基金、こういったことが重要です。どうぞ超党派で検討していただきたいと思います。ありますか。
  487. 原口一博

    国務大臣(原口一博君) 荒井委員にお答えいたします。  まさにおっしゃるとおりで、切れ目なくやる、それからソフト事業にもやる、それからもう一つは、国調をこの間やっています。今のエリアはそのままにして、また新たに加わるところも加えて、そしてバージョンアップした過疎法の改正、これはできますれば議員立法、これ全会一致でこれまでやってくださっていますから、私の口から国会でということをあえて言うことはしませんけれども、全党派の議員立法が望ましいんではないかと、こう思っております。
  488. 荒井広幸

    ○荒井広幸君 菅副総裁が眠そうですからお尋ねします。  どうしてマニフェストにこんな重要な過疎法入れなかったんですか。何で過疎法を入れなかったんですか、マニフェストに、あれだけ金科玉条のマニフェストに。
  489. 菅直人

    国務大臣(菅直人君) 私、このマニフェストを作る中心は直嶋当時の政調会長中心でして、私自身がそのレベルまでかかわっておりませんでしたので、経緯を私にお聞きになってもよく分かりません。
  490. 荒井広幸

    ○荒井広幸君 国民皆さんは、ああ、その程度のマニフェストかと思っているんですが、では、直嶋さん、どうぞ、どうぞ。その程度のマニフェストですね。どうぞ、直嶋さん。
  491. 直嶋正行

    国務大臣(直嶋正行君) 当時の政調会長という立場でマニフェストを作成しましたものですから、お答えをさせていただきたいと思います。  私どもは、地方のしっかり活性化していこうという考え方は基本的に持っています。したがいまして、その延長上でそれを基本的な考え方としてマニフェストを取りまとめたわけですが、今お話しの過疎法については、さっき原口さんからお答えがありましたように、これまでも既に超党派で動いておられると、こういう背景もございました。それからまた、過疎地の首長さんたちからもそういう御要請もございまして、それを私どもしっかり受け止めさせていただくということを申し上げてまいりました。
  492. 荒井広幸

    ○荒井広幸君 総理、マニフェストにないんですからやめますか、そのとおりにやりますか。ちょっと意地悪ですけど、どうぞ。
  493. 鳩山由紀夫

    内閣総理大臣鳩山由紀夫君) 私は、マニフェストを金科玉条だと申し上げてはおりません。マニフェストに記述がないものでも当然大事なものはやらせていただくと、その決意でございます。
  494. 荒井広幸

    ○荒井広幸君 この過疎法の必要性を皆さんがお認めになったように、前原大臣、答弁はいいですが、選択と集中でやるならば過疎法なんというのは要らないんです、選択と集中なら、例えば地域指定なら。国土の均衡ある発展のために空港も港湾も整備していったんです。その中で遅ればせながらどのようにハブ化をしていくかということをやっているということもこれまでの政権にはあったと、私は自民党員ではありませんけれども、そういったことも客観的にお伝えしておきます。  では、次のお話です。  資料を御覧ください。年金通帳について申し上げます。お手元に、この年金通帳、やるということ、我々同じ思想ですから賛同いたします。いいはいいで賛同します。どうぞ、いいはいいで何か拍手か何かが沸くかと思ったら、沸かないですね。  じゃ、そこで仙谷大臣、よろしいですか、仙谷大臣。平成十七年の四月に国会決議がありました、平成十七年四月。それによって、仙谷さんはそのチームの中心なんです。これ、衆参の社会保障の合同会議なんです。これは国会決議なんです。社会保障は国民の一番の不安である、だから超党派で国会が決議をいたしました。閣僚皆さん思い起こしてください、議員の諸兄も。それに基づいて、平成十七年四月八日から八回、年金制度をはじめとする社会保障制度改革に関する両院合同会議を開いたんです。やったんですよ。  年金問題こじれていますが、接点あります。今すぐに、総理、年金合同会議、復活していただけませんか。
  495. 長妻昭

    国務大臣(長妻昭君) お答えをいたします。  今のお話は、年金の新しい制度のお話だというふうに理解をしております。私どもといたしましては、新しい年金制度、所得比例年金ということですべての方が一つの年金に入っていただく、そして老後の年金額が少ない方には最低保障年金というのを上乗せをする、こういう年金制度を考えております。この制度に関しては、まずは国会でいろいろ御議論をいただくなどなど、皆様方の御意見を拝聴をしていきたいというふうに考えております。私どもの計画では、一期四年の中で法案を提出をしていこうという計画にしておりますので、御指導をいただきますようお願い申し上げます。
  496. 荒井広幸

    ○荒井広幸君 総理、これがおごりでなくて何ですか。どうしたんですか、この数字を。皆さんが言っている基礎年金の全額税金方式、比例、いろんな提案をしたでしょう。しかし、こういう数字なんですよ。しかも、すべてマニフェストに十分目を通していないという、NHK調査は一〇%です。各社似てますよ。自民党が駄目だから投票したというのが一番多いんです、民主党に。おごっていませんか。  そして、仙谷大臣国会決議は今も生きているんですか生きていないんですか。
  497. 仙谷由人

    国務大臣仙谷由人君) さっきこの資料二、これを見てくれという話から始まったですよね。じゃなかったですか。
  498. 荒井広幸

    ○荒井広幸君 またそういう詭弁、擦れ違いはやめて。
  499. 仙谷由人

    国務大臣仙谷由人君) いやいや、詭弁じゃなくて、私は、例の二〇〇四年の参議院選挙後にできた年金合同会議、与謝野先生が会長で私が会長代理だったと思います。二〇〇五年の例の郵政民営化選挙まで、これは日本国会の歴史の上でも極めて珍しいことだったわけでありますが、合同会議の中で年金問題、これからの年金問題について、どうすれば与野党の合意形成ができるのかということを考えながら、相当突っ込んだ議論が始まった緒戦といいましょうか、最初の段階であったと思っておりました。  ところが、二〇〇五年、自民党が、小泉さんが大勝ちをしたために、その後これは鳴かず飛ばずになったというか、機能停止になったといいましょうか、ほとんど開かれなくなったといいましょうか、全く開かれなくなったということで、私はこれ自民党さんのためにも大変残念なことをしているなと。これで毎年毎年年金問題が政治課題に上がってこざるを得なくなるとすると、これはまあ自民党さんも大変大きなリスク取っているなと、こういうふうに思っていました。  といいますのは、それまで、スウェーデンやフィンランドの例を見ても、やっぱり年金問題だけは与野党なく超党派で合意形成を図らなければならない、何らかの政治的なポジションで図らなければならない、そうしないと、これが毎回の選挙政治争点化されると、これは国民にとってもまずいことになると、こういうふうに私自身考えておりますから。  だから、あの年金合同会議という、あれそのものがいいのかどうかは別にして、やっぱり超党派できちっとした議論を詰める、負担の問題も含めて詰めるということなくしてこの解決はあり得ないと、そういうふうに思っております。
  500. 荒井広幸

    ○荒井広幸君 合同会議をやる方向だということなんですが、これ政権交代しましたから、国会決議は今も鳩山内閣でも生きているわけですね、この決議の意味、趣旨というのは。総理
  501. 鳩山由紀夫

    内閣総理大臣鳩山由紀夫君) 国会決議の話でありますから、国会でお決めになったということであります。  したがって、国会皆さんでお決めをいただければと思っておりますが、私はまずは、先ほど長妻大臣が申したように、この国会の中での真摯な議論をスタートをさせていくと。決しておごりではありません。私どもは私どもの考え方を持っています。また、百年安心とおっしゃる方もおられます。様々な意見の中で、それを議論を通じて収れんをするための努力をしていくことがまず求められているのではないかと。その中で合同の協議会というものを開く必要がある、設置する必要があるというふうに考えれば、是非それは国会の中でお決めを願いたい、そのように思います。
  502. 荒井広幸

    ○荒井広幸君 総理、ゆゆしきことなんです。議院内閣制であります。同時に、国会決議は場合によっては行政府を、これを方向付けることになるんです。そのときに、仙谷大臣は協議会は必要だと、自民党がいかに駄目だったかみたいな宣伝、アピールをされましたけど、民主党にも問題があった。それは、政権を取るための、維持するための材料になったからなんです。ここで虚心坦懐に、過半数、マニフェストでさえ過半数取ってないんですから、民主は。国会全党派、超党派で国民の不安に、解決するような協議会をこの国会決議において設置するということをするべきだと申し上げているんですが、総理、いかがですか、もう一度。ゼロからそこで議論する。
  503. 鳩山由紀夫

    内閣総理大臣鳩山由紀夫君) ですから、今、荒井委員が御主張されているようなお考えも大変強くあろうかと思います。したがいまして、これは国会の中でお決めいただいて、もう一度つくろうじゃないかと、そしてつくるようにされたらよろしいかと思いますが、このことに関して内閣総理大臣からつくりなさいということを申し上げる立場ではない、まずは国会の中での議論を大いにしていただきたい、そのように考えております。
  504. 荒井広幸

    ○荒井広幸君 党首であり、総理がそういうことを言えないなら、やっぱりオーナーは小沢さんですから、小沢さんに聞くということですか。  総理、党首が決められなくて、方向付けができなくて、どうやって各党間で議論ができますか。もう一度、総理、お願いします。
  505. 鳩山由紀夫

    内閣総理大臣鳩山由紀夫君) 私が独断的に一人で決める話でもありません。当然、民主党の代表でありますから、その立場も当然必要なときに、つくるときに申し上げるべきだと思っておりますし、したがって、超党派でその議論を始められたらよろしいのではないか、そのように思います。
  506. 荒井広幸

    ○荒井広幸君 それでは、容認して、国会がやるということであれば国会議論して結構と、こういうことでよろしいですか。
  507. 鳩山由紀夫

    内閣総理大臣鳩山由紀夫君) そう申し上げているつもりでありますが、そのとおりでございます。
  508. 荒井広幸

    ○荒井広幸君 郵政の株売却法案について私どもは賛成をいたします。しかし、斎藤次官起用はいただけません。  この研究情報基金、国際金融情報センター、東京金融先物取引所、ここをずっと渡っていらっしゃいますが、その給与総額と退職金をお示しいただきたいと思います。財務大臣、金融副大臣、どうぞ。
  509. 峰崎直樹

    ○副大臣峰崎直樹君) 荒井委員にお答えいたしますが、今おっしゃられたのは、ちょっと私も今突然に質問があったものですからあれですが、研究情報基金と、それから国際金融情報センターの時代における……
  510. 荒井広幸

    ○荒井広幸君 大臣のところはそこしかないですね、所管は。
  511. 峰崎直樹

    ○副大臣峰崎直樹君) ええ、そうです、そうです。
  512. 荒井広幸

    ○荒井広幸君 そこですよ。
  513. 峰崎直樹

    ○副大臣峰崎直樹君) そこにおける所得ということですか、給与ですか。
  514. 荒井広幸

    ○荒井広幸君 所得と退職金。
  515. 峰崎直樹

    ○副大臣峰崎直樹君) はい。これは、私も質問を受けまして調べましたけれども、残念ながら、いわゆる退職金規程とか国の支出に関する書類の保存期間が五年間でありまして、私もこれ本当にそうなのかということで調べたんですけれども、九五年から九六年当時の法人への支出その他が情報がないということでございまして、率直に申し上げて今ここで答えられないということと、それからもう一つは、やはり個人情報について、率直に申し上げてこれプライバシーにかかわるということで、この間ずっと進んでまいりました。  それで、私も実はその報告……(発言する者あり)
  516. 簗瀬進

    委員長簗瀬進君) 御静粛に。
  517. 峰崎直樹

    ○副大臣峰崎直樹君) ちょっと聞いてください。その報告を受けて、本当にこれはやはり個人のプライバシーというよりも、我々国会議員もそうですが、やはりそういう法人のいわゆる理事長さんとかそういう方々の情報というのは、やはりもう少し整理すべきじゃないかなと。だから、それはやはり今の認可規定とか様々な規定を見ると、それを明らかにしなくてもいいという規定になっていますので、ここはやはりこれから直していかなきゃいけないんじゃないかなというふうに思っておりますので、私は率直にそういう感じを持ったということだけ申し上げて、今申し上げたような観点で過去の資料の問題、あるいはいわゆる情報が、個人のプライバシーの問題もなかなかこれ開示しにくいと、こういった点があるということだけ、荒井議員理解をいただければと思います。
  518. 大塚耕平

    ○副大臣(大塚耕平君) 荒井委員にお答え申し上げます。  金融庁所管の組織といたしましては東京金融取引所でございまして、斎藤新社長はこの取引所の社長であられたわけであります。この取引所は金融商品取引法上の組織でありまして、この法律上の届出事項としては給与とか退職金等については義務化をされておりませんので、詳細は承知はしておりません。  もっとも、可能な限りお答えを申し上げたいという思いで東京金融取引所が公開をしている資料からお答えを申し上げますと、取締役七人の給与総額は一億三千万円、七人ででございますが、こういう数字は公開をされております。
  519. 荒井広幸

    ○荒井広幸君 少なくとも二千万、しかも国民の財産の郵政の社長になるんですから、御本人の承諾を得てお出しいただくように、委員長、お取り計らいをお願いいたします。給与と退職金。
  520. 簗瀬進

    委員長簗瀬進君) 後刻理事会において協議をさせていただきます。
  521. 荒井広幸

    ○荒井広幸君 ノーベル賞をもらったユヌス博士、グラミン銀行、バングラデシュです。困っている人に困っているお金を渡す、ノーベル平和賞です。郵政も亀井大臣がおっしゃっています、あのときには戻さない。時代が変わりました。様々なそうした弱者配慮、金融弱者を生まない形で制度設計をお願いいたします。  しかし、私は、郵政とそして財務、これは百年戦争と言われました、五十年戦争。完全に脱官僚と言っている鳩山内閣は、脱官僚と見せながら完全に財務省の軍門に下ったと思います。金を出す方と預かる方、これを一緒にしたんです。こういったことは次回にまた私が指摘をさしていただきます。  そこで、総理、ピッツバーグ・サミット、九月二十五日、このときにG20に行きました。BIS規制強化、これが議題だったんです。大変な大きな議題です、我が国の教訓としても。ここで総理は何か発信をされたんでしょうか。BIS規制強化、質と量が決まって、来年三月には方向付けが決まるんです。ここに出席していた総理は、この世界の金融不安を解消し、安定させるためのBIS規制強化について何か発言をされましたか。
  522. 鳩山由紀夫

    内閣総理大臣鳩山由紀夫君) 私は、ピッツバーグのG20に出席をいたしまして、銀行資本の量と質の強化などの首脳声明が出される前に発言をいたしました。すなわち、このことは積極的に取り組まなければならないけれども、銀行の自己資本の強化は金融情勢が改善をして景気回復が確実になった時点で段階的に実施すべきだということを我が国の代表として申し上げたところでございまして、そのことがピッツバーグ・サミットの首脳宣言の中にも反映されていると、そのように理解をしております。
  523. 荒井広幸

    ○荒井広幸君 総理、弱いんですよ。  外務省経済局長政権替わるときにどんな具申をされ、どのような状況外務省、財務省、そして金融庁、まとめた立場であなたは具申、総理にされましたか。
  524. 鈴木庸一

    政府参考人鈴木庸一君) お答えいたします。  ピッツバーグ・サミットにつきましては、その開催に先立ち、外務省としましては関係各省庁と事前に数度にわたって総理に御説明をし、指示を仰いで準備をしてまいりました。また、サミットそのものにおきましても、同行しました各省庁関係者と総理を補佐いたしました。  御指摘のBIS規制につきましては、外務省の職分ではございませんので、同行の関係各省庁から総理に必要な意見具申をした次第でございます。
  525. 簗瀬進

    委員長簗瀬進君) 亀井静香金融担当大臣
  526. 荒井広幸

    ○荒井広幸君 いや、私、求めていません。
  527. 簗瀬進

    委員長簗瀬進君) いいですか。
  528. 荒井広幸

    ○荒井広幸君 はい。大臣、済みません、時間がありませんので。  総理、オバマ大統領が来日するときに、我が国だけなんですよ、八%プラスとそれから中核資本の四%を普通株にするというようなことががっと突き進みますと、せっかくの返済猶予法案でお金が流れようとするのに、銀行がもうできなくなる可能性が、あのバブルで我々は嫌というほどしみているんです。そのときの郵政民営化なんですよ。ですから、総理、オバマ大統領に明確に、日本の教訓は世界に生きますから、力強く、下手な決め方は駄目だよと警鐘を鳴らしてください。総理、いかがですか。
  529. 亀井静香

    国務大臣(亀井静香君) 荒井議員とは郵政民営化反対で共に戦った仲でありますが、今その衝とまた金融庁の衝に当たっておりますけれども、総理が御出発される前に、我が国の金融行政の今後の在り方について基本的なことを含めて総理にいろいろと御意見は申し上げました。  それを踏まえて、総理が我が国の今後の金融の在り方、世界の趨勢に、日本自体がこれに合わせていくことは、長期的にはこれは当然の話だけれども、我が国には我が国の事情があるという中で総理判断をされまして、世界の中できっちりとした御発言をされたということと考えております。
  530. 鳩山由紀夫

    内閣総理大臣鳩山由紀夫君) ピッツバーグ・サミットのときには、これは日本が特にまだ経済が大変厳しいという状況の中で、出口戦略を模索しろという状況でもありましたが、出口戦略はまだ早いということも盛んに申し上げて、そのことも中に記述されているところでございます。  このような状況の中で、来週オバマ大統領が来日をされます。そのときに日本の経済状況あるいは金融の状況などもオバマ大統領とも議論を申し上げたいと思いますし、その中で、今大変強い口調で荒井委員からお話がありましたその思いを体して頑張ってまいりたいと、そのように思います。
  531. 荒井広幸

    ○荒井広幸君 そこまでおっしゃる総理に、私は都合の良い情報しか総理自身国民に発信していないんじゃないかという疑念を持ちます。  代表質問に答える答弁です。アフガニスタン、テロとの戦いです。総理は、岡田外相からの話を受けて、カルザイ大統領からは何の話もなかったのでテロとの戦いの給油を継続する必要はないという趣旨の答弁を何度もされているんです。  そこで、外務省中東アフリカ局長鈴木さんですか、国連総会のあったニューヨークでのアフガニスタンの、岡田外相との会談、そしてアフガニスタンでの岡田外相、大統領との会談、性格、内容、名目、そしてどういうことが言える雰囲気だったのか、こういったことをお示しください。
  532. 鈴木敏郎

    政府参考人鈴木敏郎君) お答えいたします。  先般、岡田外務大臣がカブールに訪問いたしまして、アフガニスタンのカルザイ大統領、スパンタ外相と会談していただきました。  事務方としましては、会談に先立ちましてアフガン側と一定の連絡を取り合ったわけでございます。基本的には、その中身はロジ的といいますか、どういう日取りで、どこで関係者に会ってもらうかということについてアフガン側と調整をいたしました。したがいまして、その過程で、例えばどういう会談の内容になるかということは、今回の場合は特にアフガン側との間でも調整はしておりません。  他方、当然こういった会談をしていただくに当たりましては、私どもの部内では、大臣との間で二国間の問題、あるいは日本のアフガニスタンの支援の絡み方について必要な情報考え方についてはきちんと議論をさせていただいた、御説明させていただいたということでございまして、そういった背景の下で会談が実施されたということでございます。
  533. 荒井広幸

    ○荒井広幸君 全く何言っているか分かりません。  カルザイ大統領には表敬で会いに行ったんですか、項目を決めて給油のことということで行ったんですか。
  534. 鈴木敏郎

    政府参考人鈴木敏郎君) カルザイ大統領との会談は表敬訪問ということで設定されております。  先ほど申し上げましたように、議題につきましては特に先方との間で調整した上で会談を行ったということはございません。
  535. 荒井広幸

    ○荒井広幸君 岡田外相にお尋ねします。  儀礼として、カルザイ大統領は民生支援だけの話をしたんじゃないですか。
  536. 岡田克也

    国務大臣(岡田克也君) 私の記憶では、カルザイ大統領とは約三十分、それからスパンタ外相とは、これはニューヨークで三十分ほどやった上でですが、カブールでも一時間ほど議論をいたしました。  私の方からは、もちろんアフガニスタンの状況についてまず聞いた上で、今までの日本の支援について様々意見交換をしたところであります。カルザイ大統領からは、日本の支援というのは、何といいますか、アフガニスタンにとっては、アメリカやイギリスに次ぐという表現は使いませんでしたが、しかし極めて大きな支援をもらっていると。確かに、東京で復興支援会議をやったのも日本でありますし、そういう中で今までの援助に対して様々感謝の念が述べられ、そしてその上で、これからはエネルギーとか水とか食料とか、そういったことに対する支援を更にしてもらいたい、こういうお話がありました。  特に、大統領からはダムを造ってもらいたいという話がありまして、私からは、今の治安状況を見るとダム建設というのはやや時期尚早ではないかと、こういう話をしたことを覚えております。
  537. 荒井広幸

    ○荒井広幸君 それでは、こうして、他方は表敬訪問と言う。他方はそういう話だったと言う。だったら、この間、再選が確定したんです、カルザイ大統領が。改めてテロとの戦いとしての給油活動の継続の総理は意思を伝え、そしてどう反応されるか含めてその意見を聞かれるという丁寧な外交をされてはいかがでしょうか。総理、改めて確認されたらどうでしょうか。
  538. 鳩山由紀夫

    内閣総理大臣鳩山由紀夫君) 私は、先ほども川口委員のお尋ねにお答えを申し上げましたけれども、この大きなアフガニスタン、これからはどのような形で日本の得意な支援の在り方があるかということをいろいろ考えていきたいと思っておりますし、その中で給油支援というものに対して単純な延長はしないという思いをこれからも持ち続けてまいりたいと、そのように思っております。  したがいまして、私どもがまずは政府としての考え方をまとめるのが大事なことでありますし、その中で当然のことながらアフガニスタンの希望なども伺う必要はあろうかと思っておりますが、まずは政府としての考え方をまとめてまいりたい、そのように思っております。
  539. 荒井広幸

    ○荒井広幸君 バイの関係だけじゃなくて、パキスタンはやってくださいと言っている。そして、アフガン外務大臣はやってくださいと言っているんですよ。世界中が、日本の外交のそのプロセスと、そしてその中でどのように誠意を尽くすかというところを見ているんです。  どうぞ、もう一回確認するという意思はありませんか。総理
  540. 鳩山由紀夫

    内閣総理大臣鳩山由紀夫君) 何らかの手段でアフガニスタンと連絡を取ることは必要だと思っておりますが、まずは私どもとして、先ほどから申し上げましたように、大きなパッケージをつくってまいりたいと、そのことを今決めている段階でありまして、その思いの中で、先ほどお尋ねがありましたように、アフガニスタンやパキスタン、あるいはパキスタンが中心だと思います、一番給油支援を期待しているのはパキスタンではないかと思っておりまして、そのように評価をされていることは事実だと思っておりますが、それ以上に評価をされるべきアフガニスタンへの支援の在り方というものを今つくりつつある、ほぼできつつあるという状況だと御理解を願いたい。
  541. 荒井広幸

    ○荒井広幸君 総理はそういう話を、外務大臣からは要請があったということをあの代表質問で言っていないんです。大統領からはなかったと言っているんです。  このように、民主鳩山内閣一つの姿というのは、何か官僚を排除するということを名目にして、国民もそれやれそれやれと言うから、政治主導という意味で、自分たち内閣政治国民情報操作をして提供しているように私には思えるんです。情報、非常に操作していますよ。  そこで、時間もなくなりましたが、どうぞ。
  542. 鳩山由紀夫

    内閣総理大臣鳩山由紀夫君) 情報操作をしているという意図はありません。これは岡田外務大臣の例を出しましたけれども、私もカブールに二度ほど参りまして、アフガニスタンに参って、カルザイ大統領といろんな議論をいたしました。そのときにもなかったという実態があったものですから、そして、つい先般、岡田外務大臣が伺ったときにもそういう話はなかったと聞いたものですから、それも一つの参考だと、それがすべてだとは申し上げておりません、情報操作をするつもりもありませんが、そういう事実を申し上げたというだけであります。
  543. 荒井広幸

    ○荒井広幸君 そのたった二週間前に岡田外相はスパンタ外務大臣から継続してもらえたら有り難いと言われているということを国民皆さんにお伝えして、国民皆さん判断をまちたいと思います。私は非常にその情報操作ということを感じますよ。脱官僚ということを言いながら政治が自由にする、私は危惧を持ちます。  さて、最後にお話を申し上げますが、朝日新聞の今日付けで、民主党で札幌で当選した議員が、その選挙対策委員長代行が選挙違反をしたと、その方は札幌地区連合の元会長だと、こういうことでございました。自民党が業界依存だと、こういうことであるならば、マスコミ等含めて、労組依存ではないかと、こういうことを言っています。国民皆さんも知りたいと思っています。  まず、組織内議員というのがあるんだそうですが、組織内議員とは何でしょうか。これについて、直嶋先生、いかがですか。
  544. 直嶋正行

    国務大臣(直嶋正行君) 組織内議員というのは、どういう人を組織内議員と呼ぶかはそれぞれ労働組合によって違います。  連合の場合は、連合の出身の議員及び連合の各加盟の組合が組織内議員として推薦をした方を組織内議員というふうに呼んでおります。
  545. 荒井広幸

    ○荒井広幸君 そういう場合は報酬というのはございますんでしょうか。
  546. 直嶋正行

    国務大臣(直嶋正行君) 私の場合は一切もらっておりません。
  547. 荒井広幸

    ○荒井広幸君 時間がなくなりましたので、総理に対してお願いしたいことは、労働組合が活性化しなければ非正規という方々も活性化しないんです。その期待を込めてです。ユニオンシップ、そしてチェックオフ、こういったことについて、この制度に対する、総理、見解をおまとめいただけませんか。これは国民皆さん、ちょっと分かりづらいかもしれませんけれども、これはまた別な予算委員会でやります。  それから、労働組合の会計というのがあります。労働組合の会計というのはどのように公表されたり款項目があるのか、こういったことをその分かる範囲で御調査いただけませんでしょうか。  そして、労働組合から民主党に対する献金、また内閣皆さんに対しての献金、それから衆参の民主党の役員の皆さんに対する献金について、後刻調査をしていただいて、透明性を言われている鳩山内閣ですから、その関係において、何が問題だとか問題じゃないということではなくて、その関係をお示しいただきたいと思いますが、総理、いかがでしょうか。
  548. 鳩山由紀夫

    内閣総理大臣鳩山由紀夫君) 私ども、確かに連合を始めとして、労働組合の皆様方には大変力をいただいたと思っております。そのことは有り難いことだと思います。  そのことと、しかし、政治というものは、当たり前の話でありますけれども、国民皆さんお一人お一人すべての方々のためにある、公平、公正、無私の対応をしていかなければならない、その思いでございます。  今お尋ねの様々な資料につきましては、是非国会の中で判断をしていただければと思いますし、出せる部分があれば当然協力を申し上げなければならないと思っております。国会でお決めください。
  549. 簗瀬進

    委員長簗瀬進君) 荒井君、時間が来ております。
  550. 荒井広幸

    ○荒井広幸君 今総理もそうおっしゃっていますが、先ほどの資料について御協議をいただきたいと思いますし、労使の新たな協調関係によってこそ企業が活性化し、地域社会が活性化すると、このように思いますので、今後もまた質問をさせていただきたい、このように思います。  ありがとうございました。
  551. 簗瀬進

    委員長簗瀬進君) ただいまの資料要求については、後刻理事会で協議をさせていただきます。  これにて荒井広幸君の関連質疑は終了いたしました。  以上で舛添要一君の質疑は終了いたしました。     ─────────────
  552. 簗瀬進

    委員長簗瀬進君) 次に、平野達男君の質疑を行います。平野達男君。
  553. 平野達男

    平野達男君 民主党平野達男でございます。皆さん方、どうもお疲れさまでございます。  久しぶりにこの質問席に立ちました。本当は私は与党なんですけれども、立った瞬間にどうも体の中でまだ野党という慣性力がちょっと働いているような気がいたしまして、これから何点か質問するときに、ひょっとしたらその慣性力がぴょこっと出たりするかもしれません。そのときはちょっと御容赦を願いたいと思います。  それで、午前中の野党さんの議論を聞いておりまして、国会重視とか手続重視とか、自民党さんってそんなに国会重視してたんだっけと、手続重視していましたっけと、ちょっとびっくりいたしました。若干の未知との遭遇だったんではないかというふうにも思っています。  ちなみに、その割には、強行何がしかとか職権何がしとか、随分あったような気がいたします。少なくとも私ども、委員会の運営においてはそういった旧与党の実績を踏まえて適切に対応していきたいというふうに思いますので、そのことを冒頭申し上げて、質問に入らせていただきたいと思います。  今日、前原大臣の答弁の中にもありました人口減少ということからちょっと入らせていただきたいと思います。  日本は御承知のように二〇〇四年から人口減少社会に入っておりまして、その前の五十年間で四割強、世界でもちょっと例がないぐらいのスピードで人口が増えました。今、特殊出生率がたしか一・三七ということでございまして、ここ二、三十年ほど二・〇を割っております。特殊出生率が二・一を割りますと、いずれ二・一を割りますと人口減少が始まるというのが通説でございまして、ですから少子化対策が必要、子ども手当も必要、そのとおりだと思います。  しかし、直視しなくちゃならないのは、この国は間違いなく人口減少社会に入っているということでございまして、この人口減少のスピードも、いろんな見方がございますけれども、非常にペシミスティックというか、かなり低位の見通しによれば、過去五十年間で増えた人口が今後五十年間で減るという見通しもございまして、これまた人口減少のスピード、もしそうだとすれば、世界で類のないぐらいのスピードで進むということでございます。  それで、私が言いたいのは、この人口減少社会に入ったことによってこれは様々な影響が出てきます。社会生活あるいはマクロ経済政策、労働政策、様々な政策に私は影響が出てくるんではないかと思います。しかも、その影響というのは、これまでに経験したことのない、あるいはひょっとしたら人類が初めて経験するような影響かもしれません。鳩山総理大臣、どのようにお考えでしょうか。
  554. 鳩山由紀夫

    内閣総理大臣鳩山由紀夫君) 平野委員にお答えを申し上げます。  まさに私どもにとりまして、この人口減少問題、少子化問題、最大の日本が抱えているテーマだと思っております。今お話がありましたように、あと十年で四百万人でしょうか、人口が減ると、そしてその中でも若い、当然のことながら若い世代が圧倒的に減ってしまうと、逆に言えば六十五歳以上の御高齢の方はむしろ増えるという、こういう非常に今までかつて経験したことがない人口形態の日本になってまいります。  その中で、私たちは、やはり社会保障問題も考えていかなければなりませんし、経済の成長に関しても、今までのようにどんなときにも公共事業というもので、ある意味で国債まで発行してどんどんどんどん景気を刺激するというようなやり方も難しくなってきていると、これも実態としてあろうかと思います。  私は、そういうときに一番大事なことは、人間のための経済という新しい発想をつくり出していかなけりゃならないと思っております。今までのような形ではなくて、むしろ官が出しゃばるということではなくて、官と民が、あるいは民同士が支え合っていくような新しい公共の役割というものを強めていくことが必要ではないか、そういう新しい発想を導入しなければこの日本の非常に厳しい環境を乗り越えることができない、その大本になる大変厳しい状況は人口減少社会によってもたらされると、そのように考えております。
  555. 平野達男

    平野達男君 おっしゃるとおりだと思います。  先ほど私、マクロ経済政策というふうに言いましたけれども、その政策一つ取ってみても、例えばマクロ経済政策というのは、失業率とかインフレ率とか成長率、これにどういうふうな影響を与えるか、これが政策だと思いますけれども、成長率というのがこれから大変大きなファクターになってきます。  しかし、その成長率を例えば二%、三%で毎年毎年伸ばしていきますと、GDPは十年後には一・四倍ぐらいになります。ところが、御承知のように、GDPの六割は個人消費です。個人消費だということは、その割合をキープして人口が減っていくということは、一人当たりの個人消費がどんどんどんどん伸びていくということです。これがどういう社会になるのか、私には想像も付きません。  一台車あるやつを二台にすれば、それだけ消費が二倍になります。御飯一杯食べていたのを無理して二杯食べれば、それでも消費は二倍になります。しかし、そんなものは私どもは想定していない。しかし、こういうところに対して私が何人かの経済学者にこんな話を問いかけますと、答えてくれないんです。  こういった問題一つ取っても、人口減少社会というのは今までの発想を変えていかなければならない問題ではないかというふうに思います。  そこで、私は、鳩山内閣はこれから無血の平成維新ということで様々な改革に取り組んでまいりますけれども、その大きな改革をするときの視点として、この人口減少社会、これに基づいて様々な検討をすることが必要だと思いますし、そのためにも国家戦略局、これは菅副総理が担当されておりますけれども、国家戦略局はきちっとした体制にして、これは今までのどの内閣も検討してこなかった課題です。これから日本が世界に先駆けて恐らく検討しなければならない課題だと思います。  その検討を国家戦略局で検討するためにも、この国家戦略局の体制、しっかりとすべきではないかというふうに思いますが、菅副総理、よろしくお願いいたします。
  556. 菅直人

    国務大臣(菅直人君) 大変国家戦略局に対する期待を込めての御質問、ありがとうございます。  今、もう総理からもお話がありましたが、人口減少というまさに内政における最大のこの問題、私は率直に申し上げて、やはり二十年ぐらい前から本格的に取り組んでおかなければならなかった問題が、やはり財政の配分が余りにも公共事業に偏り過ぎたために極めて遅れたと思っております。  そういった意味で、この問題をどのような形で打開していくのか。長期的な数字を見てみますと、本当に今言われるように、今世紀末には場合によっては人口が五千万を切るというような数字も単純延長上では出るわけでありますので、そうした形にならないためには、やはり思い切った少子化対策を含む成長戦略を立てなければならないと思っております。  そういった中で、国家戦略室、現在は民間人五名と、霞が関から若手、中堅五名のメンバーを採用いたしまして、あらゆる問題に対応できる体制のまず第一段階の準備を進めております。これからもう少し充実したメンバーと、できれば国会議員皆さんにも参加していただける形を取って、あらゆる問題と言うとちょっと言い過ぎですが、この少子化問題に対しても対応できるよう、これは私からも、鳩山総理にもお願いも含めて、そういう覚悟で臨んでいきたいと思っております。
  557. 平野達男

    平野達男君 その当面の課題として、先ほどの議論の中にもあった過疎法をどうするかという議論は、これは私も非常に重要な関心を持っています。人口減少社会に入ったときに、その様々なひずみ、影響が最も出てくるのはいわゆる過疎地域でありまして、ここにどういう政策を取っていくかということについては、これは鳩山内閣としても大きなやっぱり関心を持って臨むべき課題だと思います。  改めて原口大臣にお伺いしますけれども、当面は過疎債、これ存続させにゃいかぬですね。これを今どのように、これは議員立法ですから、議員立法として対応すべきものだというお話なんですけれども、大臣としてはどのような方向で考えておられますか。
  558. 原口一博

    国務大臣(原口一博君) 平野先生にお答えいたします。  平野先生の、誇りの持てる農林水産業の推進に取り組まれた御尽力にまず敬意を表したいと思います。  まさに、総合的な農山村振興の政策の実施は過疎対策の中心です。先ほど荒井委員にお答えをしましたが、私たちは、マニフェストと一体のインデックスにおいて、約六か所にこの過疎対策というのを入れています。その中でもやはり一番必要なのは、よく財務大臣がおっしゃいますが、三位一体改革で、財政力が弱けりゃ弱いところほど余計ひどい財政の切り込みをされてしまっているということでございます。  そして、この過疎債についてはソフト化に使いたい。特に過疎地域で一番問題となっていますのは医療ですね。お医者さんがいらっしゃらない。医療に使いたいんだけど、今の、現行ではなかなか使えない。ですから、これを基金にして、そしてそれを後で七割の交付税で元利を償還するとか、そういう柔軟な更に拡大の方向でこの過疎債を考えていけたらと、このように考えております。
  559. 平野達男

    平野達男君 いずれ、過疎法が今年度いっぱいで切れますので、この過疎債が適用できるような条件だけは、これは是非つくらなければならないということだけ申し上げておきたいと思います。  それから、テーマが変わりますけれども、もう一つ鳩山総理、どうも景気が本当に今まだまだ思わしくないというふうに私は感じておりますけれども、足下の景気を今どのように見ておられるでしょうか。
  560. 鳩山由紀夫

    内閣総理大臣鳩山由紀夫君) 平野委員御案内のとおり、現下の経済状況、決して楽観はまるで許されないと、そう思っております。やや持ち直しだという見方も一部ではなされております。失業率も若干好転をしていると、有効求人倍率も若干好転をしていると。しかし、これはこれから年末年始になると、必ずしもそのように楽観は許されない状況だと思います。  したがいまして、経済はこれから更に厳しさを増す可能性がある、世界の経済も下手をするとという思いもあるものですから、その影響をもろにまた受けてはならない、そのように感じているところでございまして、経済の見通しは楽観が許されない。それだけに、しかし今までと同じような対策でよいかというと、必ずしもそう思っておりませんで、今お話がありましたように、人口減少社会の中でのどのような経済を持続的に成長させるかという視点が極めて必要ではないか、そのように思っております。
  561. 平野達男

    平野達男君 お手元に資料を用意させていただきまして、ちょっと二ページ目を見ていただきたいと思いますが、これは日銀政策委員のGDP等の大勢見通しでございまして、十月時点の数字でございます。実質GDPというのがございまして、二〇〇八年度、このときはたしか自民党さんが政権を握っていたと思いますが、マイナス三・二%という大勢見通しです。二〇〇九年度、これはこれから、今、変わる余地はございますけれども、日銀政策委員の大勢見通しとしてはマイナス三・二%ということでございまして、藤井大臣、戦後において実質GDPがマイナス三%で二年間連続して下落したという例というのはあるんでしょうか。
  562. 藤井裕久

    国務大臣(藤井裕久君) 絶無です、絶無です。  それで、何かというと、やっぱり世界同時不況の話が非常に大きく響いているんですね。ですから、こういうことになっているということは否定できないんです。  ですから、この間の本会議でも言いましたように、今一番大事なことは国際協調なんです。午前の話の中で、国際協調は大規模投資をやれというのは、これは間違いです。そうじゃなくて、何をやって国際協調をやるかという話は、これは各国の主権に任されているわけですね。よくアメリカのことを言いますが、アメリカの経済、協調的な経済政策は減税が第一です。第二番目に公共投資といいますが、あれは五十年前にアイゼンハワーが物すごく高速道路をやったでしょう、その補修が主要なんですよね。  ですから、各国でみんな違っていいわけでして、むしろ大規模公共投資と、過度のですよ、過度の輸出ということが日本の今までの高度成長的残滓を残しているから、これが間違いなんですね。それは、さっきから総理も言っておられますように、私は輸出は大事だと思います。輸出は大事ですが、それが過度に偏重するのはやっぱり格差社会をつくっちゃうんですね。これが高度成長の残滓だと思うんですよ。そして、その分を資源配分としてやはり福祉の部門あるいは環境の部門、そういうものに回していかなきゃならぬと思います。  私は輸出を否定していませんよ。輸出は否定しませんよ。輸出は、特に日本は物すごく知能指数が高いわけですよ。この知能の高い方向で世界に輸出を役立たせると、こういうことが大事なことだと思っております。
  563. 平野達男

    平野達男君 様々なお話もしていただきまして、ありがとうございます。  冒頭の私の質問に対してのお答えは、まずなかったんです。過去にないですね。
  564. 藤井裕久

    国務大臣(藤井裕久君) 絶無、絶無です。
  565. 平野達男

    平野達男君 絶無ですね。しかも、過去において実質GDPがマイナスになった最高はマイナス一・五なんです。しかも、マイナス三%台で二年続くというのは空前絶後です。これがマイナス三%で二年続くというのは約三十兆円GDPが名目で消えるということになりますから、これは大変な影響だということなんです。  ここに来て若干景気が持ち直しているという話もございますが、一方で二番底の懸念も出ているというふうに言われますが、今日は日銀副総裁、お忙しい中ありがとうございます。この二番底の懸念というのは日本にはありますか。どうでしょうか。
  566. 山口廣秀

    参考人山口廣秀君) お答え申し上げます。  まず結論から申し上げると、私ども、我が国の経済については、緩やかではあるとはいっても持ち直しを続けていくというように予想しております。したがいまして、景気について二番底を付ける可能性は小さいというふうに私ども思っております。  その上で、少し若干敷衍させて説明させていただきたいと思いますが、先行きの日本の景気でありますけれども、来年度の半ばごろまで、これにつきましては回復ペースが緩やかになる、そういう可能性が高いというように思っております。背景は二つです。一つは、世界経済の持ち直しのペースが緩やかなものにとどまるというのが一つです。それからもう一点は、雇用とか賃金の面での調整圧力が続くということであります。この二つのことを理由にして、来年度半ばごろまで回復ペースが緩やかになる、その可能性が高いと、かように思っているということであります。  ただ、その後の展開、あるいはその最中と言ってもいいんですが、その状況でありますけれども、一つは、米欧の当局が景気回復について本腰を入れているということがあります。それから、新興国の内需、これが強いということもありますので、世界経済の回復基調については途切れることは多分ないだろうというふうに私ども思っております。  したがって、そういう中で、日本の輸出と生産につきましても、勢いは鈍るかもしれませんが、増加基調を続けるだろうというように思っております。また、そういう中で、設備投資につきましても、生産の増加とか企業収益の増加を背景にして徐々に回復していくと、かように見ているということであります。  以上、申し上げるとやや楽観的という感じが若干ありますが、私ども、こうした見通しをめぐる不確実性というのはかなり高いというように思っております。様々なリスク要因を含めて経済情勢を丹念に点検していく方針であります。  以上であります。
  567. 平野達男

    平野達男君 是非その見通しが当たることを御期待したいと思いますし、要するに二番底の可能性は低いと。あるとすれば来年の参議院選挙での自民党の二番底ということなのかもしれませんが、これについては、まずこれは質問になりませんので、私の予想ということで申し上げておきたいと思います。  それから、もう一つ山口総裁にお尋ねいたしますけれども、日銀政策委員の見通しによりますと、三年連続CPI、消費者物価指数マイナスというふうに見ております。これもまた、ちょっと景気に若干どころじゃない、私は大きな影響があると感じていたんですけれども、先ほどのお話では二番底がないというお話ですから、そこのところはどういうことなんでしょうか。
  568. 山口廣秀

    参考人山口廣秀君) 平野先生も御承知のとおりでありますが、物価の下落と経済活動との関係というのは非常に複雑であります。過去を振り返ってみますと、これは一九三〇年代のように各国で物価と経済活動がスパイラル的に悪化した時期がありました。一方で、近いところでは二〇〇〇年代半ばということになりますが、これは我が国が経験したことでありますけれども、緩やかな物価の低下と景気の回復が両立すると、こういったこともありました。したがって、この辺りを考えると、大事な点というのは、物価の下落が起点となって景気が下押しされる事態が生ずるかどうか、この点が一番大事だというように思っております。    〔委員長退席、理事辻泰弘君着席〕  その際に、我々として気を付けておかなければならないのは二つあると思っております。一つは金融システムが大丈夫かどうか、それからもう一つは、家計とか企業が抱くであろう物価についての見方、これが安定しているかどうか、ここのところだと思っております。現在のところ、日本の金融システムについては安定が維持されておるというように私ども思っておりますし、それから家計とか企業が抱くであろう物価の予想値につきましても安定しているというように思っております。  こうした状況でありますので、物価下落が起点となって景気が下押しすると、そういった可能性は小さいのではないかというように思っております。
  569. 平野達男

    平野達男君 是非、その見通しも当たることを期待したいというふうに思います。  しかし、一方で、緩やかな回復でありますから、緩やかな回復ということは、別な見方からいいますと、いったん落ちた三十兆というGDPというのはなかなか回復しないということです。これはどういうことを意味するかというと、やはり雇用情勢においても景気においても、回復感がなかなか出てこないんではないかということなんだろうと思います。特に、GDPが低い、この低空飛行のままやりますと産業活動もそのまま停滞するということでございますから、これはやっぱり雇用情勢には大変大きな引き続き厳しい状況だというふうに見ることが必要ではないかというふうに思います。  お手元の資料の一ページ目を見ていただきたいんですが、これは内閣府が作成した資料でございます。御承知のように、今、若干完全失業率五・三%ということで改善しているかと思いますが、過去にない高い失業率を今示しているということでございます。アメリカ辺りでは一〇%ぐらいの失業率だということなんですが、まあアメリカとの比較をやってもしようがないんで、我が国としては非常に高い失業率だということでございます。  有効求人倍率については、下がりに下がって今〇・四二と、この落差がすさまじいですね。これが急激にどうも回復する見通しもなかなかここ少なくとも半年あるいはそれぐらいはないのかなというふうに想定する必要があるのではないかと見ますと、失業者対策、あるいは今雇用調整助成金等支払っていますけれども、こういったものをどうするかは大きな課題になってくると思いますが、その前に菅副総理にお伺いしますが、今のこのこれからの雇用情勢、やっぱり相当厳しく見ていく必要があるんじゃないかと思いますが、どのように思われますか。
  570. 菅直人

    国務大臣(菅直人君) 平野議員おっしゃるように、今、足下は五・七がピークで、前回五・五、現在五・三というところまで失業率が下がっております。また、求人倍率も〇・四二が〇・四三に上がるといったところもありますが、今おっしゃるとおり、これはかなり雇用調整金で支えていると。つまり、企業の中には相当の過剰感があるものを何とか企業にそのままとどまっていただくような支援の効果があってこの水準でとどまっていると、このように見ております。  そういった点では、この政策を継続することも必要ですし、さらには新規の雇用を生み出すことが大変重要だということで、鳩山総理の下に緊急雇用対策本部をつくりまして、十月二十三日にその対策を発表したことは御承知のとおりであります。余り細かいこと申し上げませんが、介護の分野はまだ求人倍率が一を超えておりますし、若干時間は掛かりますが、農業、特に林業といった新しい分野に雇用を生み出す、十万人の新たな雇用を生み出すという方向性で今この計画を推進しているところであります。  そういった意味で、雇用情勢は極めて厳しい中で、何とかそうした新しい雇用も生み出すことによって景気に対するプラス効果も生まれてくるような、そういう形で努力をしていきたいと思っております。
  571. 平野達男

    平野達男君 是非、この間出された緊急雇用対策はその成果を期待したいと思います。  ただ、この緊急雇用対策、政府も言っていますように、現下の情勢に対応して急がれる取組をできる限り早期に実現するため、新たな予算措置を要しない既存の施策・予算の活用により緊急に取りまとめるものであるということで、当然のことながら、今まだ補正予算組んでいませんから、新しい予算措置組んだわけじゃないですね。  先ほど言いましたように、こういう悪い、厳しい雇用状況が続く、失業者も高止まる可能性もある。それから、今、中小企業は雇用調整助成金どうなるかというのをうんと心配しているんです。何とかこれ延長してくれないかという声がいっぱいありまして、これは二次補正是非しっかり対応していただきたいと思いますが、藤井大臣
  572. 藤井裕久

    国務大臣(藤井裕久君) 今三兆円ばかり執行停止しておりますが、これから秋深いころにかけて今おっしゃったような経済状況というのをしっかり見極めて、それで必ずその補正で最後締めくくらなきゃいけないんです。その中で今のような問題にも対処してまいりたいと、このように思っております。    〔理事辻泰弘君退席、委員長着席〕
  573. 平野達男

    平野達男君 その中で、これ厚生労働大臣にお伺いしますけれども、失業手当の給付期間の延長を一回法律改正でやっていますけれども、多分今の期間でも足りなくなるんじゃないかなという感じがしますし、それから雇用調整助成金については、やろうと思ったら、今たしか積立金でしたか剰余金でしたか、この一年間ですとんと落ちて三千億ぐらいしかなくなっていますね。これじゃもうもたないということもありますので、厚生労働大臣是非、藤井財務大臣には積極的に働きかけていただきたいと思いますが、何か決意のほどをちょっと。
  574. 長妻昭

    国務大臣(長妻昭君) お答えをいたします。  藤井大臣には厳しい御指導をいただいているところでございますけれども、この雇用問題に関しましては、やはり今おっしゃられた二点でございますが、雇用保険の延長ということでは、これは御存じのように、民主党自民党あるいはほかの与野党が一致をして、この個別延長給付ということで今年の三月三十一日から九十日の場合はプラス六十日を加えた延長措置をとっているところでございます。更に延長というお声もいただいておりますけれども、これはかなりの財源の問題もございます。  そしてもう一つは、雇用調整助成金の緩和ということもお声を各方面からいただいているところでございますけれども、今回の緊急雇用対策では、まずは、この例えば出向に対する方々への雇用調整助成金の緩和あるいは手続の簡略化等々をしております。  今現実問題としては雇用調整助成金で二百万人の方が支えられているということで、大変重要な政策であるということはよく理解しているつもりでございますので、今後とも御指導を賜ればと思います。
  575. 平野達男

    平野達男君 私は、この席で是非二次補正やると宣言した方がいいと思います。本当に現場大変ですから、そういう政策をやるということを宣言して、これは鳩山内閣のまずメッセージとしてやられたらどうでしょうか。これは御意見としてちょっと申し上げると同時に、鳩山総理、どうでしょうか。これは、そのメッセージをもらうだけで、ああ、やってくれるなというだけで安心しますから、ということだと思うんですが、どうですか、鳩山総理
  576. 鳩山由紀夫

    内閣総理大臣鳩山由紀夫君) 今の雇用情勢、経済状況考えたときに、最終的に三兆円の凍結をした部分に対して、それをできる限り雇用問題、経済問題の、経済状況の回転のために使いたいという思いを私ども一致して持っているわけでございます。したがいまして、今、平野委員お尋ねの思いを十分に体しながら頑張っていきたいと、そのように思います。
  577. 平野達男

    平野達男君 三兆円を投資するという話は分かりますが、それを合わせて、既に執行予定の十二兆と合わせて十五兆になるわけですね。さらにこれは、これから質問ということになるんですが、本当に今のこの現下の状況の中で十五兆でいいのかどうか。さらにもう一つ、景気刺激策みたいなものが本当に必要でないのかどうか。これだけの三十兆というGDPが落ちたということに対しては、今もう設備投資も落ちている、個人消費もそのまま落ちている、となればもう政府支出でそれをふさぐしかないというのが一般理論でありますね。  そこをどうするか。これは大変な、一方で、もう藤井財務大臣に怒られるかもしれませんが、これは国債も本当に大量発行という巨額の赤字があるということも十分分かっております。しかし、本当に今のこの状況をどうするかということを考えたときに、更なる二次経済対策みたいなものを藤井財務大臣、どのように考えられるでしょうか。
  578. 菅直人

    国務大臣(菅直人君) 税と財政の骨格を国家戦略室の方でということになっておりまして、今、平野議員の言われること、十分に頭に入っております。  特に今年度の税収見通し、これは麻生内閣四十六兆円としたわけですが、これそのものが四十兆を場合によっては切りかねないという更に厳しい条件があります。しかし足下の景気が、まあ先ほど日銀の方からは二番底の危険性は少なくなったとは言われますが、私たちはその危険性をやはり強く感じる中で、少なくとも来年度の予算は相対的には景気刺激的な姿勢を継続する必要があるだろうと、このように思っております。ただ、中期的には二十三年度からは中期財政フレームというものをつくって財政再建をやっていきたいと思っています。(発言する者あり)  いろいろやじが飛んでいますが、結局のところ、私は長期的に見て、これは平野委員よくお分かりだと思いますが、この間は財政の中身がひどかったんだと思うんです。長年投資効果のない財政投資をやってきた。つまり、よく前原大臣が言われるように、私も改めて、九十幾つも空港があって、釣堀にしか使えないような港湾がたくさんあると。結局は、投資効果のない投資を二十年、三十年続けてきたために、景気も上がらないし、そして借金もここまで積み上がってきたわけですから、私たちは、間違った財政の出動はしないけれども、効果のある財政の出動はぎりぎりそれを進めていく必要があるだろう。  このような観点で、第二次補正、さらに来年度の本予算について、そういう方向性をこれから各閣僚と相談しながら固めていきたいと思っております。
  579. 平野達男

    平野達男君 よく分かりました。いずれ今年の税収見込み、まだきちんとしたものが出ていませんけれども、いろんなファクターを勘案すれば、ひょっとしたら五十兆、相当落ち込んで、結局最終的な国債は五十兆前後になるんじゃないかという、まあ五十兆ということは、五十兆ということはGDPの一〇%、大変なものです。大変な、大変な、大変な……(発言する者あり)
  580. 簗瀬進

    委員長簗瀬進君) 御静粛にお願いします。
  581. 平野達男

    平野達男君 麻生内閣自民党時代のレガシーを、負の遺産をしょっちゃったんです、私どもは。そういう中で安易な財政出動はできないという趣旨はよく分かりました。(発言する者あり)
  582. 簗瀬進

    委員長簗瀬進君) 御静粛に。
  583. 平野達男

    平野達男君 次の質問に移ります。  内需拡大、内需中心の政策、内需中心の政策というふうに鳩山総理あるいは各閣僚皆さん方もおっしゃいます。確かに今日本に求められているのは内需拡大で、御承知のように、リーマン・ショックが起こったそもそもの原因は、アメリカに赤字が集中した、それから中国、日本、アジアが黒字国になっていて、経常収支が黒字というのは、もう御承知のように、資本収支、これは準備金の変動も含みますけれども、含めた資本収支でいきますと、黒字ということはマイナスです。マイナスということはお金が流れていくということですね。それが結局アメリカのところに集中してしまって、アメリカがもう過剰マネーの中でああいう状況になってしまったということになっていまして、これからリバランシングというんでしょうか、それが求められると思うんですが、その一環として内需拡大だろうと思います。  ところが、この内需拡大、一九八〇年代の日米構造協議でも、私は余り詳しくないんですけれども、日本とアメリカで同じ議論をやっていましたね。あのときの構図は全く同じで、何が違うかというと、あのときは日本とアメリカはバイの交渉、言わばFTA、いや、FTAじゃないですけれども、二国間のやり取りです。しかし、今度は世界中のマルチ。ただし、アメリカとイギリスが若干赤字だったんですけれども、まずアメリカ一国が突出してきましたね。その違いはございます。  これはもう藤井財務大臣是非御見解を伺いたいんですけれども、結局、あのときに議論した内需拡大政策、前川リポートとか何か出ました。何も変わっていなかった。これは一体どこに原因があるんでしょうか。
  584. 藤井裕久

    国務大臣(藤井裕久君) この間、G7のとき、もちろんG7の皆様ともゆっくり話しましたが、ガイトナー財務長官と個別に非常に話してきたんです。ガイトナーが言っていることは今のお話なんですよね。要するに、アメリカは貯蓄経済に戻りたいんだということを非常に言っているんです。貯蓄経済に戻ればドルが強くなりますね。現実には弱いですよ。だけれどもドルを強くしたいんだと、こういうことを言ったんです。そして、ガイトナーは同時に、日本の内需転換は非常に有り難いと。要するに、世界経済の全体構造を日本も協力してくれていると、こう言うわけですね。それが一体前川レポートとどういう関係があるんだということを今おっしゃっていると思います。  これは、本気になって内需の転換をするか、できるかどうかが、これが勝負なんですよ。そして、言いにくいかもしれないけれども、政権交代がその非常に大きな要因になり得るということです。
  585. 平野達男

    平野達男君 いずれ、これから内閣を挙げて、国民を挙げてこの内需拡大に取り組んでいくということでありますね。(発言する者あり)
  586. 簗瀬進

    委員長簗瀬進君) 御静粛に。
  587. 平野達男

    平野達男君 多少理屈っぽく言えば、日本人は美徳として貯蓄を一生懸命やってきました。この貯蓄をどう扱うかという、私らの意識の変換がやっぱり求められると思います。他方、アメリカは貯蓄をしてこなかったから貯蓄をしろということで、その中でバランスを取れると思うんですが、この辺りですね、これ政策としてはなかなか情報を発信しづらいんですけれども、なぜこういう状況になったか。これは、我々の要するに生活行動が遠因ですよというようなことは何かの形でやっぱり情報をきちっと出しておくことが必要ではないかなというふうに思います。  これはちょっと、非常にマクロ経済というか、に関する話ですから理屈が伴って難しいんですけれども、そうしないと、なぜ本当に内需拡大が図るにはどうすればいいかという姿がなかなか見えてこないんではないかと思いますが、財務大臣、もう一つお願いします。
  588. 藤井裕久

    国務大臣(藤井裕久君) いろいろ数字の問題あるんですよ。だけど、そう長々と話しません。  大事なことは、平野さんの地元の高橋是清ですよ。高橋是清がどういうことを言ったかというと、政治信頼さえあれば金は出てくると言っているんですよ。このことは非常に大事なことなんです。だから、要するに政治信頼のない今までのやり方がまずかった、だから本当に信頼を置けるような政治をやっていかなきゃいけない、それだけで金が出てくる、こういうことだと思います。
  589. 平野達男

    平野達男君 政治信頼ですね、それが大事だという、そういう御趣旨だったと思います。  いずれ、本当にこの内需拡大というのは、私は二つの面で非常に難しいなと思っているのは、私たちの生活のパターンを変えなくちゃならない、それから、繰り返しになりますけれども、これから人口減少社会に入っていくときに一人当たりの個人消費をどうやって上げていくかという、これまた大変高いハードルがあります。そういった問題をこれをきちっと整理してできるかどうか、これがやっぱり我々の、この大きな時代の変化を迎えているときに政権を取った我々の政権一つの使命ではないかというふうに思います。  戦後に下村治さんという、私、この人の本、非常に分かりやすくて、難解な文章は読まないんですけど、何回も何回も読んでいるんですけれども、あの方は、高度経済成長するんだということをきちっと理論的に説明して、その後、だけど低成長になりますよということもきちっと説明していました。  ああいったものをちゃんと説明できる、今度は人口減少下において日本の経済はどうなるんだというようなことを説明できるようなだれかというんでしょうか、体制というんでしょうか、それを是非鳩山総理の手で実現していただきたいと思いますが、ちょっと御答弁お願いします。
  590. 鳩山由紀夫

    内閣総理大臣鳩山由紀夫君) 今お尋ねの大変大きなテーマを解決をさせていきたいと、そのように思っておりますので、今の御提案をしっかりと受けたいと思います。  先ほど藤井大臣からお話がありましたが、一言私から付け加えさせていただくと、なぜ内需がなかなか拡大していかないのかと、あるいは貯蓄というものをやはり大事にする風土は何なのかといえば、やっぱり私は社会保障と。医療、介護、年金、こういったものに対して将来の不安というものが相当募ってきていると。その将来に対する不安というものが払拭されれば、内需に対して、すなわち消費行動というものに国民が大きく動くと思っております。  その意味でも、ぼろぼろになってしまっているような年金制度、あるいは地域が崩壊の憂き目になっている医療の問題、こういった問題をしっかりと受け止めて解決をさせていくということによって内需主導の日本の社会を築くということが一つ見通せると、そのように私は思っております。
  591. 平野達男

    平野達男君 大変失礼しました。山口総裁、お忙しいみたいですので、委員長がよければ退席していただいて結構ですので。よろしいでしょうか。
  592. 簗瀬進

    委員長簗瀬進君) どうぞ、退席ください。
  593. 平野達男

    平野達男君 それから、先ほど藤井財務大臣が、貿易は、貿易というか輸出も大事だよということで、私もこれからもうどんどんどんどんやっぱり輸出をして、同時に輸入をするということはこの国の経済にとっては本当に重要なことだと思います。  そこで、外務大臣にお伺いいたしますけれども、民主党の方針として、WTO、FTAあるいはEPA、これは促進するという方針をマニフェストにも入れてございます。私は、EPAもFTAもいいと思いますけれども、しかし、やっぱり日本の中心はマルチ、WTOの交渉促進にやっぱり軸足を置くべきだというふうに思っております。  外務大臣、これについてはどのような御見解を持っておられるでしょうか。
  594. 岡田克也

    国務大臣(岡田克也君) まず、委員非常にタイミングよく御質問いただきました。実は、今朝、政府の中にEPA、WTO交渉を推進するための関係閣僚委員会を設置をしたところでございます。今までWTO、EPAいずれも、どうしても時間が掛かってしまっている。EPAなどは韓国と比べてもはるかにその締結の度合いが遅いということで、これは政治主導で進めていこうと、そういう考え方に基づいて関係閣僚委員会を今日第一回を開いたところであります。  さて、御質問でありますが、これはいろんな議論が今まであったところだと思います。当初は、委員御指摘のように、まずWTOを、つまりバイとか、つまりEPA、FTAではなくてマルチで進めていくべきだと、これは正論だと思います。そういう形で今まで日本政府は一時期マルチを、そしてEPA、FTA的なものは余り良くないのではないかという、そういう議論をしたときもありました。  しかし、現実はなかなか、現在のドーハ・ラウンドの状況を見ても、マルチの話合いというのは、これ非常に重要だし、我々やらなければいけないわけですが、しかし時間が掛かってしまうというのも現実で、そういう中で、それを補完するものとして、EPAあるいはFTAをそのWTO協定と整合的な形で補完的に進めると、言わば二本立てでやるというのが、まあ私は今までの、最近の政府考え方であり、それは私は現実的な考え方ではないかと、そういうふうに思っているところであります。
  595. 平野達男

    平野達男君 ケネディ・ラウンド、東京ラウンド、あるいはガット・ウルグアイ・ラウンド、いろいろラウンドがありまして、いずれのラウンドも土壇場では交渉が妥結しておりました。  今、ドーハ・ラウンドがどのようになるかというのは、私も実は心配しております。これが決裂をしますと、世界は一気にFTAやEPAに走ってしまう。それはもう経済のブロック化という可能性もあるんですよね。だから、基本はやっぱりマルチ、これは日本のやっぱり立場にすべきだと私は思います。  私はもう農政、農業をずっとやってきましたから、農業はこれ絶対守らにゃいかぬという片っ方でそういう思いは持っておるんですけれども、しかし同時にWTO、これは絶対進捗させなくちゃならない。そうでなければ、後に来てEPA、FTA、先ほど外務大臣が言われましたように、他の国では進みつつありますし、もっと加速するんですね。そうしますと、日本にとっては決していい状況では私はないんではないかというふうに思います。  これは意見として申し上げておきますが、直嶋大臣
  596. 直嶋正行

    国務大臣(直嶋正行君) 今、私、平野さんの御意見に賛成です。したがいまして、WTOのドーハ・ラウンドについては、是非来年締結したいというふうに思っています。  今、御心配の声もありましたが、各国とも少しまた雰囲気が盛り上がってきていまして、例えば今年の夏にアメリカとインドの間でいろんな対立があって難しいかなという話もあったんですが、双方での話合いも進んでおるようでございますので、基本的に来年に向けて、我々としては締結に向けた努力をしたいというふうに思っております。  それから、EPA、FTAについては御指摘のとおりなんですが、総理がおっしゃっている例えば東アジア共同体構想とか、そういうことを念頭に置きましても、これはこれでやはりしっかり進めていかなければいけないというふうに思っております。
  597. 平野達男

    平野達男君 WTOを是非進めるべきだと思います。  ただ、一つだけ申し上げておきますけれども、日本の農産物、まだまだ開放されていないというふうに言われておりますけれども、これほど開放された国はないというふうに私は思っています。米とかコンニャクとか、何でコンニャクはあんなに高いか分かりませんが、相当高い関税が設定されておりますけれども……(発言する者あり)
  598. 簗瀬進

    委員長簗瀬進君) 御静粛に。
  599. 平野達男

    平野達男君 平均的な関税率で見ますと、EUの方がまだまだ高いです。そういう中で、日本の自給率も下がっているということの中で、やっぱり守るべきものは守るというスタンスは同時に堅持すべきだと思います。ただ、交渉事でありますから、それがネックになってWTOが例えば決裂するとか、そういったものがあってはならない。その場合においてはきちんとした直接支払をして支えるということも大事だと思います。しかし、基本の方針はそうだということで、赤松大臣、突然申し訳ございませんけれども、御決意のほどを。
  600. 赤松広隆

    国務大臣(赤松広隆君) 御指名をいただきましたので、私の方から決意だけ述べさせていただきたいと思います。  もう農業、日本の農業農村、あるいは林業も含めてもいいと思いますが、実態については平野委員御承知のとおりでございます。そういう中で、私どもマニフェストの中で、守るべきものは守るというようなことも国民皆さん方にお約束をしておるわけでございまして、ただ一方、先日のG20の中では、鳩山総理自身が来年のドーハ・ラウンドを成功させるということを世界に約束をしてきたということもあるわけでありますから、大変難しい交渉になると思いますけれども、先ほど外務大臣が申し上げましたように、外務財務、経産そして農水と、この四大臣を中心にしながら、しっかり打合せもしながら、当面、十二月の初めにジュネーブでのWTOの公式閣僚会議がありますから、それに向けて頑張ってやっていきたい、このように思っております。
  601. 平野達男

    平野達男君 総理から是非、じゃ、そのWTOの推進に向けてのお考えと御決意のほどをお願い申し上げます。
  602. 鳩山由紀夫

    内閣総理大臣鳩山由紀夫君) 今、赤松大臣からもお話ありましたけれども、私も国際的な様々な会合の中で、ドーハ・ラウンドは何としても成功させていこうではないかと。当然のことながら、農業の国内の様々な問題はあります。その問題は十分に理解をしながら、しかしながら国際環境の中で日本の果たすべき役割を考えたときに、ドーハ・ラウンドは何としても失敗させてはならない。成功に導けるように最善の努力をしてまいります。
  603. 平野達男

    平野達男君 またちょっとテーマを変えますけれども、先ほど社会保障制度をしっかりしなければならないというお話がございました。そして、そのことが後から来る世代にも安心感を与えるし、高齢者の方々にも安心を与える、そしてそれがその結果としてお金の支出も増えるだろうと。そのとおりだろうと思います。  ただ、同時に、今度は財政という観点からこの社会保障費という問題をちょっと見てみたいと思います。  日本財政、社会保障費と国債償還費と地方交付税交付金で約七割です。この三つのファクターのうち、国債の償還費は絶対これは減りません。地方交付税交付金は法定五税と特例加算等々がありますが、これに手を付けるというのはなかなか難しくて、私なんかは法定五税もっと上げるべきだという論陣をずっと張ってまいりました、これはなかなか厳しい措置でございますけれども。一方で、社会保障費もこれはずっと増え続けておりまして、一般行政費の、さっきは一般会計予算全体で見ましたけれども、いわゆる一般行政経費で見ますと社会保障費は約半分であります。  これをこれからの財政運営等見たときに、どのような規模が必要なのか、あるいは抑えるところはないのか。これをミクロの問題ではなくてマクロ的な観点からも、マクロ的な観点というのは、ちょっと言葉が不足して申し訳ございませんけれども、やっぱりきっちり議論していくことが実は財政再建、財政規律を守るという上での一つの大きなテーマに私はならなければならないんじゃないかというふうに思いますが、その点に関しての総理の御所見をまずお伺いしたいと思います。
  604. 鳩山由紀夫

    内閣総理大臣鳩山由紀夫君) 人の命を大切にする政治、それを追求してまいりたい。その意味では、今までの社会保障どうだったかという思いの中で、先ほど申し上げましたように、年金はどうだったかとか、医療、介護はどうだった、やはり改善すべきところ多々あるのではないか。そのために、財源の厳しさはあるけれども、そこのところは、伸ばすべきところはやはり伸ばさなければならない。そのことによって先ほど申し上げたような内需を拡大をして経済を持続的に安定的に成長に導いていくということの一端の役割を果たせるのではないかと思います。  一方では、言うまでもありませんが、やはり財源が大変厳しいというところもあります。医療費などを取ってみても、本当にすべてじゃ必要だからといって増やせばいいという話でもないと思います。今までの治療のやり方、予防医療に変えていくとか、いろんな見方があったと思っておりますが、トータルにおいて必要なところは、本当に大事なところは伸ばしながら、しかし方向性というものを新たに見定めていきながら削るところもきちっと探していくと、いや、トータルとしての医療費をどう考えていくかという議論をまた行わなきゃならないと思います。  同時に、このいわゆる年金の制度の問題に関しては、これは新たな制度を導入してまいりたいと思っておりますし、その中では我々として、いわゆる最低保障年金の部分に関しては、これは税で賄う、全部を税で賄うということがやはり人口減少社会においては必要ではないか。  そのような様々な苦労をしながら、財源の手当ても見出していきながら、社会保障費というものをしっかりとつくり上げていきたいと思っております。  以上です。
  605. 平野達男

    平野達男君 ある学者の言葉ですけれども、福祉は天からは降ってこないと。これは何を意味するかといいますと、結局、福祉にしても、それは結局だれが支えるかといったらやっぱり国民です。これはもう言わずもがなの話であります。じゃ、国民はどうやって支えているか。それはもう税金か保険料という形になると思います。  そういう中で、本当にその社会保障、大事なんです。大事なんですけれども、これをしっかり確保するんだったらやっぱり負担も求めますよということはどこかできっちり言っていかにゃいかぬだろうと思うんです。このことを示していかないと、社会保障料というのが野方図に増える。今までのどちらかというと、野方図とは言いませんけれども、かなりの勢いでやっぱり増えてきていまして、この勢いだったらもう財政そのものがもたないということもありまして、これは本当に言わずもがなで、僣越な言い方で申し訳ないんですけれども、長妻大臣は、立場としてはそういった社会保障料きっちり確保、社会保障関係費きっちり確保する立場でございますけれども、今日、前原大臣も言われましたように、同時に国全体の財政も見る立場であると思います。  そういう観点から、この社会保障費、これからどういう形で取り組んでいくのか、どういう方向で取り組んでいくのか、お考えをちょっとお聞かせいただければ。
  606. 長妻昭

    国務大臣(長妻昭君) お答えを申し上げます。  今おっしゃられましたように、この負担という問題も社会保障では避けて通れない問題でございます。しかし、今までの政府を見ておりますと、例えば厚生労働行政一つ取っても、国民の皆様から見てかなり浪費が多いな、あるいは保険料を使って福祉という美名の名の下いろんなリゾート施設を造ってしまった、あるいは労働行政という美名の名の下おかしな行政あるいはおかしな建物がたくさんできてしまった、これらを我々は整理をいたしますし、そしてもう一つは、天下り団体等々、システム経費等々に、厚生労働省、政権交代後メスを入れまして、一千億円以上のお金が出てまいりました。何しろ国民の皆様に、お金が掛かる役所ではありますけれども、まず浪費や無駄、そういうものがないという姿を見せていく。  そしてもう一つ、給付の面でも見直すべきところはある。例えば医療費につきましても、三十三兆円、大きなものでございますけれども、その中で例えば薬価とかあるいは検査の材料とか、そういうふうにもうちょっと価格が下がるべきものがあるんではないのかということもきちっと点検をしていく。  しかし、その一方で、自動的に毎年二千二百億円削減する、社会保障費の伸びを削減するというかなり乱暴な手法が全国の国民皆さんに疲弊をもたらし、社会保障にほころびを生んだことも事実でございますので、それらも勘案をして、今おっしゃられたように、一般歳出に占める社会保障費の割合は四八%ということでございますけれども、国民の皆様に一つ一つ説明をしながら、負担と給付の関係も透明性を高めて説明しながら取り組んでいくべき問題だというふうにも考えております。
  607. 平野達男

    平野達男君 いずれ、今回、子ども手当の創設、それから高校教育の無償化、これを実現してまいるわけですけれども、そちらの方の予算が入りますと、日本財政構造も、歳出構造、支出構造も随分変わってまいります。  そういう中で、一方でそれをどのようにファイナンスしていくか、国債管理という問題も非常に重要でございまして、繰り返しになって恐縮ですけれども、やっぱりその中でのキーステーションは社会保障関係費、本当に伸ばすなら国民としてどういう覚悟をしなくちゃならないか、そういったことは鳩山内閣ならできます。鳩山内閣でなければ多分できないと思います。是非そのことをやっていただくことをお願いを申し上げたいと思います。  そこで、今日、福島大臣、突然でございますが、人口減少社会、人口減少社会と人が減ることばっかりの前提でちょっとお話をして、今まで話を進めてまいりましたけれども、この少子化対策、これ本当に重要でございますので、これに対してどのような方針で臨まれるのか、ちょっとお考えを、突然で申し訳ございませんが、お願いします。
  608. 福島みずほ

    国務大臣福島みずほ君) どうも御質問ありがとうございます。  緊急雇用対策本部が緊急雇用対策の提言をいたしました。私は、雇用を安定させること、雇用をつくっていくことがまず社会の中で少子化対策としては重要だと実は思っております。  そして、やはり地方に行きますと経済的負担が大きいという声、全国的にも聞きます。ですから、子ども手当の創設の成功は何としてもこの内閣でやってまいります。それから、大都市、東京、よく保育園、保育所なども今視察に行っているんですが、待機児童が大変多いです。預けたい、でもないという若いお父さん、お母さんの声を大変聞きます。ですから保育所、学童クラブ。それから、不妊治療をされている人たちから私たちのことを忘れないでというメールや手紙もいただきます。こういう方たちへの助成の強化も必要ですし、妊婦健診の無料化は三年だけではなくて将来的にもやれるような、子供を産み育てることに夢を持てる社会を全力でやります。  先ほども言いましたが、子供に対して今までGDPの一%以下しか実はお金使ってこなかったんですね。でも、子供にやっぱりお金を使おう、子供に予算を使おう、この内閣は子供、子育て支援をまず本格的にやる内閣として頑張ってまいります。
  609. 平野達男

    平野達男君 是非頑張っていただきたいと思います。  それから、今日は雇用問題でちょっと議論しましたけど、今この景気の悪化の状況の中で、やっぱり中小企業対策が本当に大事でございます。中小企業金融円滑化法案、これは亀井大臣の馬力で作ったような法案じゃないかというふうに思いますけれども、これに懸ける思い是非、三分か四分でも使ってもいいですからお話をしていただければ有り難いです。(発言する者あり)
  610. 亀井静香

    国務大臣(亀井静香君) 大臣席から短くという声がございましたので。  今、やはり中小零細企業、商店、サラリーマンの置かれている状況というのは数字に表れていない深刻な問題があると思います。今の状況を放置すると失業率が一挙に年末から年明けに上がっていくと。中小企業、零細企業の経営者、特に零細企業の経営者というのは自分の給料も取らないで必死になって従業員を抱えているという状況があるわけでありますが、この貸し渋り・貸しはがし防止法案、これだけでやれる、解決することじゃありません。私は総理にもお願いしているわけでありますが、同時にやはり仕事を出していくということをしなければ、返済を猶予しただけで決着するわけじゃありません。この対策を是非私はこの内閣として、スクラップをやると同時にやはりビルド、やはりそれをやっていかなければ国民生活は、日銀の非常に楽観的な見方がありますけれども、私はなかなかそうはいかないんじゃないかと。  それともう一つは、この間私、公取の委員長等を呼んだわけでありますけれども、出ていく仕事が中小零細企業にとってもうかっていくような状況にしなければならない、そうしたトータルの政策をやはり今後実施をしていかなければならないと、このように考えておりますので、是非ひとつ今後ともよろしく御協力、また御指導のほどよろしくお願いいたします。
  611. 平野達男

    平野達男君 まだ時間がございますけれども、よろしければここで残余の質問はあしたに回したいと思います。
  612. 簗瀬進

    委員長簗瀬進君) 残余の質疑は来る九日に譲ることといたします。  来る九日は午前九時から開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後四時五十七分散会