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2009-11-17 第173回国会 参議院 総務委員会 第3号 公式Web版

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  1. 行政制度、公務員制度、地方行財政、選挙、消 (会議録情報)

    平成二十一年十一月十七日(火曜日)    午後三時開会     ─────────────    委員異動  十一月十三日     辞任         補欠選任      島田智哉子君     高嶋 良充君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         佐藤 泰介君     理 事                 加賀谷 健君                 武内 則男君                 林 久美子君                 礒崎 陽輔君                 世耕 弘成君     委 員                 高嶋 良充君                 土田 博和君                 外山  斎君                 友近 聡朗君                 那谷屋正義君                 内藤 正光君                 長谷川憲正君                 吉川 沙織君                 木村  仁君                 小泉 昭男君                 末松 信介君                 関口 昌一君                 二之湯 智君                 溝手 顕正君                 魚住裕一郎君                 澤  雄二君                 山下 芳生君                 又市 征治君    国務大臣        総務大臣     原口 一博君        国務大臣     亀井 静香君    副大臣        内閣府副大臣   大塚 耕平君        総務大臣    渡辺  周君        総務大臣    内藤 正光君    大臣政務官        内閣大臣政務        官        田村 謙治君        総務大臣政務官  小川 淳也君        総務大臣政務官  階   猛君        総務大臣政務官  長谷川憲正君    事務局側        常任委員会専門        員        塩見 政幸君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○行政制度公務員制度地方行財政選挙、消  防、情報通信及び郵政事業等に関する調査  (行政制度地方行財政消防行政情報通信  行政等の諸施策に関する件)  (郵政改革に関する件)     ─────────────
  2. 委員長(佐藤泰介君)(佐藤泰介)

    委員長佐藤泰介君) ただいまから総務委員会を開会いたします。  委員異動について御報告いたします。  去る十三日、島田智哉子君委員を辞任され、その補欠として高嶋良充君が選任されました。     ─────────────
  3. 委員長(佐藤泰介君)(佐藤泰介)

    委員長佐藤泰介君) この際、大塚内閣府副大臣及び田村内閣大臣政務官からそれぞれ発言を求められておりますので、順次これを許します。大塚内閣府副大臣
  4. 副大臣(大塚耕平君)(大塚耕平)

    ○副大臣大塚耕平君) 内閣府副大臣を拝命いたしました大塚耕平でございます。亀井大臣の下で郵政改革を担当させていただきます。  委員長、理事、委員各位先生方の御指導をいただきながら、亀井大臣をしっかりとお支えをして職責を全うさせていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。(拍手
  5. 委員長(佐藤泰介君)(佐藤泰介)

  6. 大臣政務官(田村謙治君)(田村謙治)

    大臣政務官田村謙治君) 内閣大臣政務官を拝命をいたしました衆議院の田村謙治でございます。  亀井大臣大塚大臣、そして長谷川政務官とともに郵政改革につきまして全力で頑張ってまいりますので、委員長を始めといたします委員先生方皆様に御指導を賜りますように、どうぞよろしくお願いいたします。(拍手)     ─────────────
  7. 委員長(佐藤泰介君)(佐藤泰介)

    委員長佐藤泰介君) 行政制度公務員制度地方行財政選挙消防情報通信及び郵政事業等に関する調査のうち、行政制度地方行財政消防行政情報通信行政等の諸施策に関する件及び郵政改革に関する件を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  8. 山下芳生君(山下芳生)

    山下芳生君 日本共産党山下芳生です。  鳩山首相原口総務大臣が新政権の一丁目一番地の改革とされている地域主権改革、これは地域のことは地域に住む住民が決めるための改革だとおっしゃられております。私も、一九九〇年代に国が景気対策として地方公共事業を押し付けた、にもかかわらず、小泉内閣以来、地方交付税が大幅に削減されたことが地方財政を深刻な事態にしたなど、国から地方に間違った政策を押し付ける、こういうやり方は大転換を図らなければならないと思っております。しかし、同時に、何でもかんでも地域が決めるということでいいのか疑問を感じる点もございます。  そこで、今日は少し具体的に質問をさせていただきますが、例えば現在国が決めております保育所最低基準というものがあります。保育施設面積基準ですとか保育士配置基準などがありますけれども、これは全国どの地域でも子供たちが健やかに発達成長できる環境を保障するために必要な最低限度基準だと私は思います。  地域主権の名の下に、この基準を緩めたり引き下げたりすることは絶対にあってはならないと思うんですが、原口大臣認識を伺いたいと思います。
  9. 国務大臣(原口一博君)(原口一博)

    国務大臣原口一博君) 山下委員にお答えします。  お話しのとおり、公共事業を押し付ける中央政府が、いわゆるこれは強制された乗客の悲劇と申します、自分がどこへ行くのかも分からない、そして中央に強制されて、その結果そのツケを地方が負うということはあってはならないと思います。  今御質問保育所最低基準山下委員お話しのように、小さい人たちをより強く守る、そしてそれを中央政府全体で保障していくと、この考え方はとても大事でございます。その上で、義務付け、枠付けの見直しとは規制緩和によるサービス水準の切下げを意味しているんじゃありません。地域のことは地域で、国が全国一律に決定し地方自治体に義務付けていた基準等地方自治体自らが決定し、山下委員も御案内のとおり、そこには主権者の意思が入ってくるわけです。  ただ、御心配になっているのは、三位一体改革大変地方財政が傷みましたから、じゃ、そんなことをやってしまえば現実的に予算や様々な支えがあるのかという御心配もあると思います。私たちは、そういう御心配にしっかりとこたえるべく、交付税を一兆一千億、今回、概算要求では増額措置をさせていただいております。各地域においてその地域実情に合った最適なサービスが提供され、最善施策が講じられるよう国と地方自治体役割分担を見直すものでございまして、まさに上書きをする権利全国一律で全部同じだということではなくて、中央政府はしっかりと保育支える、その義務を負いながらも、そのサービスの提供に当たっては様々な上書きをできる権利地域にしっかりと持ってもらおうという改革でございますので、御理解をいただきたい。委員が御心配の向きは、私もある意味共有をしているというふうに考えていただいて結構だと思います。
  10. 山下芳生君(山下芳生)

    山下芳生君 私は、子供に対して保障すべき発達成長水準中央集権地域主権かという図式で見るのは間違いだと思っております。原口大臣もうなずいておられますのでそうだと思うんですが。やっぱりこれは私たち大人が、私たち社会が、この国で生まれたすべての子供たちに、あなたたちの健やかな発達成長のために少なくともこの基準は守るよと約束をしたものだと私は思うんですね。それを、地域上書きする、上書きの名によって下がるということも、厚労省が今、回答された内容を見ますと、面積基準についてはこれは従わなければならない基準にしないということになっておりますので、これは地方自治体で決めることができるというふうにこのままいきますとなるんだと思います。そうすると、現行最低基準よりも低くなる可能性が生まれるわけですね。私は、この問題を地域主権だから下げてもいいということは絶対にあってはならないと考えます。  保育関係者からそういう声がいっぱい出ておりますね。全国社会福祉協議会全国保育協議会全国保育士会が、子供の育つ環境を壊さないでください、認可保育所最低基準堅持をとの緊急アピールを十月の九日に出されました。また、全国私立保育園連盟も、子供発達を保障するいまだ最低限のものであり、現在の最低基準維持向上は何より求められる事項ですとの考え方を十月二十八日に発表されました。日本保育学会も同趣旨の緊急アピール声明を十一月の二日に出されております。保育関係者がこぞって最低基準堅持を訴えておられますね。  そもそも、日本保育所最低基準というのは世界最低最低基準と言われております。例えば、ゼロ歳児一人当たり面積基準で見ますと、スウェーデンが七・五平米、フランス五・五平米、アメリカ四・六四平米、ドイツ三・五平米に対して、日本は一・六五平米しかありません。これはスウェーデンと比べて四分の一以下の狭い最低基準になっているわけですね。  それだけではありません。スウェーデン子供の遊ぶ部屋と寝る部屋と食べる部屋がそれぞれ別々に用意をされていると聞きます。日本は全部同じ部屋ですね。保育室で食事もするし遊戯もするし、それからお昼寝もするということになっておりまして、ですから、私も保育関係者の声を先日聞いてまいりましたけれども、保育士さんは子供たちにお昼御飯を食べさせるときに、もう早く食べさせようということで一生懸命スプーンを口に突っ込んで食べさせるようなこともせざるを得ないと、こぼさないように。こぼしちゃったら、そこを片付けして、そのテーブル片付けて、布団敷いてお昼寝するわけですから、こぼさせるわけにいかないと言うんですよ。しかし、子供というのは、手づかみだとかスプーンでこぼしながら、そういう体験をしながらだんだん少しずつこぼさないように成長していくものだと思いますが、そういうことが同じ部屋で、しかも狭い中でできなくなっていると。  そして、そうやって慌てて食べさせて、片付けて、布団を敷き詰めて、一斉にお休みです。これもよく考えたら、子供の寝る時間は用意ドンで寝なさいよというのも不自然な形で、寝る部屋が別にあればそういう子供さんから寝させていけばいいわけですけれども、一斉にお昼寝する。私も二年前まで子供保育所に下の子を預けていましたから、そういうお昼寝のときにちょっと緊急に迎えに行かなあかんようになったときなんかは、もう布団びっちりですからね。足の踏み場はありません。もう布団布団の間に足をどこに置くかという感じで荷物を取りに行ったりしております。そういう世界最低最低基準に今なっているわけですよ。  ですから、チルドレンファースト子供第一を標榜されてきた民主党の政権になったら、この最低水準というのは六十年前に決められたまま放置され、世界最低になっているわけですから、この最低基準を引き上げてほしいということが保育関係者の強い期待だったわけですが、これを地域主権の名の下に引き下げることを認めるということはもうとんでもないと。こういうやり方はやっぱり中止すべきだと思いますが、いかがでしょうか。
  11. 国務大臣(原口一博君)(原口一博)

    国務大臣原口一博君) 私もスウェーデンやフィンランドの、専門発達心理学も学ばせていただきましたから、今、山下委員お話しのところはよく分かります。なぜこの六十年間この最低基準で来たかというところがやはり大きな議論になるところだと思います。私は、この最低基準でいいなんてとても思いません。まさに、中央で決めて、自分のところで責任を持たないシステムにするとこういうことが起こるんじゃないか。  例えば、発達心理学でこういう実験がございます。一〇%できているパズル、半分できているパズル、九割できているパズル、小学校一年に選ばせます。そうすると、伸びる子供はやっぱり一〇%のパズルを選んだ子供なんですね。  私たちは、チルドレンファースト山下委員お話しのとおり、子供たちにより多くの資源を、コンクリートから人へ、より小さい人たちをより強く守ろうと思っています。そのためにも、様々な地域創意工夫がしっかりと生かされる制度にしたいと。基準緩和して、そして何でもかんでもやれるということをやろうとしているんじゃないんです。むしろ、様々な地域工夫がそこに加わることによって比較ができる。比較をすることによってより小さな人たちに、より、今、山下委員お話しのように、子供たち発達に資するそういう政策にドライブが掛かることを期待をしておるわけでございまして、財政面税制面でも様々な施策を講じてまいりたいと思っておりますので、是非そのところを御理解をよろしくお願いします。  地域の人が選ぶんです。地域の人を選ぶのは主権者ですから、主権者そのものに対する信頼というものがそこの基本になっていくということを是非御理解をいただきたいと思います。
  12. 山下芳生君(山下芳生)

    山下芳生君 現在の児童福祉法の下でも地域自主性というのは保障されているんですね。最低基準というのは最低であって、それを超えてより高い水準を定めることは可能なんです。多くの自治体は、既にそういうより高い基準保育に力を入れてこられております。ですから、地域主権にしなければより良いものができないんだというのは、これは現在の状況から見ても少しおかしいと思うんですね。  一番問題なのは、最低基準を守りながら地域自主性にゆだねている現行を、最低基準を下げることを可能にする今厚労省からは案が出て、これが今から原口大臣との間で詰められることになっておりますね。下げることはないんだと言うんですけど、例えば東京都は今独自の基準を持ったりしていますけれども、そういうことが国が認める基準として、下がっていくということを認めていいということですか。私は、東京であれ、どんな大都市であれ、最低基準を保障しなくてもいいとは思わないんです。地域自主性によって最低基準が守られない子供が生まれてはならないと思うんですが、そう思いませんか、原口さん。
  13. 国務大臣(原口一博君)(原口一博)

    国務大臣原口一博君) やはり同じことを違った角度から申し上げていると思いますよ。各地域において、その地域実情に合った最適なサービスが提供され、最善施策が講じられるように国と地方公共団体役割分担をしていきましょうというのが私たち考え方ですから。  この基準野方図に下げていいというふうに考えているわけじゃなくて、先ほどお話しの今出ている厚労省の案では、今回の改革の本旨は待機児童解消ではないんです。地域主権のための改革であって、一時的措置をそこに求めているというものではない。東京等にゆだねられるんだったら全国にも、自治体にもゆだねられるはずでございまして、是非その辺のところを御理解をいただきたい。  より地域を自らの自主性において、そして自らの決定において責任を持つシステムにつくっていきたいということが私たち考え方ですから、どうぞ御理解をいただきたいと思います。
  14. 山下芳生君(山下芳生)

    山下芳生君 では、確認しますけれども、現在の最低基準より下の基準地域が、自治体が決めることは認めないと、それよりも上回ることしか認めないんだと、下回ることはないんだということですか。
  15. 国務大臣(原口一博君)(原口一博)

    国務大臣原口一博君) それも地域で決めるということです。様々な基準を自らの地域に合わせて、そして東京も北海道も九州も同じ基準じゃなくて、自らの責任において決めますよと。そして、先ほどから何回も申し上げていますけれども、最低のところは私たち中央政府がしっかりと保障できる仕組みや財政面支えをしていきましょうと。三位一体改革で、山下委員も御案内のとおり、財政力が弱ければ弱いほど厳しくなりました。そういったところにしっかりと手当てをしていこうというのが私たちの基本的な考え方でございます。
  16. 山下芳生君(山下芳生)

    山下芳生君 何度聞いても、最低基準を下回ることはないという保証はないんですよ、地域が決めるということですからね。あり得るんですよ。私は、それを認めていいのかというのが、今、子供発達成長にかかわって、それはあってはならないというふうに思うんですが、具体的にちょっと聞きたいと思います。  面積基準緩和されたらどういうことが起こるのかと。いろいろ意見の中には、保育所新設が進んで待機児童解消されるというふうな主張も見受けられますけれども、私は、面積基準緩和されたら真っ先に起こるのは、保育所新設ではなくて既存の保育所に今以上に子供たちを詰め込むことがまず起こると思いますね。なぜなら、子供一人当たり必要面積が引き下げられれば、同じ広さのままでも受入れ可能な子供人数が増えることになるからであります。例えば、東京都の待機児は今年度、四月、七千九百三十九人でした。認可保育所東京都で一千七百五か所ありますので、面積基準緩和されて一保育所にあと四、五人子供詰め込みを増やせば、それだけで待機児解消する計算になるわけですね。  自治体財政が大変な中で面積基準を引き下げれば、私は、保育所が増えるんじゃなくて詰め込みがひどくなる、まずこれが真っ先に起こると、そう思いますけれども、大臣、いかがですか。
  17. 国務大臣(原口一博君)(原口一博)

    国務大臣原口一博君) やはり、その辺の基本的な考え方山下委員と私の認識とでは、それを決定するのは地域ですと、それも選挙で選んだ、何も中央政府が選んだ首長がそこで基準を下げなさいということを言っているわけではなくて、その保育の質を確保しようという首長を選ぶのは地域主権者だと、私はそのように考えます。  ですから、基準を引き下げたら、先ほど申し上げたように、なぜ私も山下委員の御議論を頭から否定しないかというと、この間ずっと下げられてきている、財政が苦しくなっていると。だから、財政が苦しくなっている中では今おっしゃったようなことも起こるかも分からない。いや、起こる可能性もあるから逆に地域を温める政策をやっていこうということを申し上げている。だけれども、それを前提にしても、中央で何でもかんでも決めて、そしてそれを地方が倣うシステムは非常に非効率で、そして様々な財政拡大要因を持つからそこを変えましょうということを申し上げているんで、是非御理解をいただきたいと思います。
  18. 山下芳生君(山下芳生)

    山下芳生君 起こる可能性もあると大臣がおっしゃったのは非常に重大ですよ。起こっちゃならないことなんですよ、最低基準子供発達成長にかかわる。  私が今心配しているのは、これは机上の話ではないということなんですね。自民・公明政権は、保育需要が増大するのに保育所を増やしませんでした。資料一にグラフをお配りしておりますけれども、これは一九九〇年を一〇〇とした保育所数入所児童数推移であります。九〇年代から入所児童数は急増したわけですね。これは経済状況の悪化、夫婦そろって働かなければならない人たちが増えていっているということが背景にあると思いますが、にもかかわらず保育所数はほとんど増えておりません。横ばいですね。  じゃ、どうしてこんなことが可能になったのか。保育所を増やさずに入所児童は増えている。それは、定員弾力化というやり方保育所への子供詰め込みを認めてきたからであります。  資料三枚目、ちょっと繰っていただいて、ここに厚生労働省定員弾力化の概要というペーパーを付けておきました。平成十年、一九九八年からは、年度当初からの弾力化を認めて、もう最初から定員を超えてもいいよと。それから、その弾力化の程度、詰め込みの度合いも、一〇%から一五%、二五%、そして無制限というふうに拡大されてきました。  資料二、また戻っていただいて、資料二は大阪府における定員弾力化によって保育所に入所している子供の数の推移であります。二〇〇〇年代になって急増しておりまして、最近は毎年一万人近い子供たち弾力化によって定員を超えて保育所に詰め込まれております。大阪市では現在、定員の二〇〇%を超える子供が入所している民間保育所もあります。最低基準面積基準が引き下げられましたら、更なる詰め込みが認められることになるわけですよ、そういうふうに自治体が判断すれば。そうなれば安全にも支障を来すおそれがあると言わなければなりません。  もう一つ、新聞のコピーを配っておりますけれども、これは昨日、毎日新聞が載せた記事ですけれども、東京都江東区の神愛保育園の例が冒頭紹介されております。これまで待機児童解消のために繰り返し定員を増やして子供を受け入れてきた。その結果、一歳児が狭くて身動きができない状態で昼食を取っている様子が紹介されております。伊藤美代子園長は、二段目に、子供たちの生活を守るため、これ以上一人も増やせない、もし基準が引き下げられ人数が多くなれば、ひっかきやかみつきなど、確実に子供同士のトラブルが増え、発達にも影響を及ぼしかねない、毎日十時間も過ごす保育園環境がそれでいいのかと訴えておられます。  原口大臣に、面積基準の引下げはこういう事態を招くと、私はこんなことは絶対に許してはならないと思いますけれども、これ絶対許してはならないことだと思いますが、地域が決めてもこれは許してはならない。地域にこんなことを、これを下げることを認めるようなことを国がやっちゃならないと私は思いますが、いかがですか。
  19. 国務大臣(原口一博君)(原口一博)

    国務大臣原口一博君) 私も保育の質を下げるなんということは一言も言っていません。保育の質を下げちゃいけないし、子供たち自身発達環境を保障するということがとても大事だと思います。  そこで、なぜ国が決めればそれは正しくて、地域が決めればそれは間違いなのか、それも含めて地域主権者の選択がしっかりそこに入るわけです。私たち民主主義国家にいます。お任せ民主主義ではなくて、地域で自らの決断をし、そして自らの、今委員がおっしゃったのは、保育に向かう予算がどんどんどんどん下がる中でのこういう基準の撤廃ですから、私は今の状況がいいなんて一言も言っていませんし、思っていません。だからこそ、子供たちに向かう、今日も我が党の委員がたくさんおりますけれども、子供たちに向かう予算を増やして、なおかつ地域自由度を増やそうというのが私たち考え方ですから、同じことを申し上げているんじゃないでしょうか。
  20. 山下芳生君(山下芳生)

    山下芳生君 いや、同じとは思いませんね。  最低基準を下げることを認めたら──いや下げることも可能になるんですよ。今の厚労省の案では、面積基準は従わなければならない基準にしないということですからね。ですから、保育所待機児童が多いところ、東京都などでは、その面積基準を絶対に守らなければならない、従わなければならない基準にはしないということを厚労省の案では書かれてありますから。ということは、最低基準よりも下がった基準東京都などでは定めてもいいということにこのままだったらなりかねないんですね。それを私は、多くの保育者は危惧しているわけですよ。  もちろん、予算を付けて、そうならないようになるでしょうとおっしゃるのは分かるけれども、実際に、交付税だって一兆円増額とおっしゃったけれども、事項要求ですからね、その保証が今あるわけでもない。しかし、これが認められちゃうと、いや、緩和がされちゃうと、保育予算がずっと絞られて、交付税も絞られてきた中で、やっぱり保育所を増やすんじゃなくて今ある保育所に更なる詰め込みをすると、それで待機児をなくすということに安易に流れるんじゃないかということを私は危惧しているわけです。そうならないという保証が今聞いていてもないわけですよ。
  21. 国務大臣(原口一博君)(原口一博)

    国務大臣原口一博君) 権限を自ら行使するということには、山下委員、そこには責任というのが必ず出てくるわけです。  私は、それを片方だけ御議論をされるおつもりはないと思うけれども、各自治体には子供たちを健全に発達させていくまた重い責任と覚悟がそこに発生するわけです。そして、より身近でより地域に即したところで子供たちサービスをやってくださいと。規制緩和によるサービス水準の切下げをここで言っているんじゃないんです。そうではなくて、国が全国一律に地方自治体に義務付けていた基準を、それをやめて、そして様々な決定権を自ら地方自治体が持つことによって、その権限と責任を行使するということを申し上げています。だから、より重い、より身近な行政に対して主権者は厳しいチェックができるわけです。  その厳しいチェックの中で、私は、今みたいな財政がどんどんどんどん下がればその質が下がる可能性もあると申しましたけれども、それをしないようにするのが私たち民主主義社会の中での議論であるし、そして地域主権で国民が、主権者が自らのリーダーを選び、自らの保育の質を選べるようにしようというのが私たちの基本的な考え方なんです。その責務あるいは責任といったことを抜きにこの議論は私は成り立たないと思います。
  22. 山下芳生君(山下芳生)

    山下芳生君 どうもかみ合わないんですよね。何でかみ合わないのかなと。  私は地域責任とか地域の主権ということを全否定しているわけじゃないんです。私も冒頭申しましたように、間違った政策を国が地方に押し付けた、そういうのはもうやめるべきだと、これは一致するんですよ。だけれども、子供発達成長にかかわる最低限守るべき基準として、私たち子供たちに約束した基準まで地域主権の名によって下げるようなことを認めていいのかと。残念ながら、原口大臣はそれは地域責任を持って決めることだとおっしゃっているので、下がることも地域責任持って決めればいいんだというふうに私には聞こえるんですよ。それで子供責任を果たすことになるんですかと申し上げているんですけど、どうですか、それは。
  23. 国務大臣(原口一博君)(原口一博)

    国務大臣原口一博君) いや、そこが私にとっては理解できなくて、なぜ下がると決め付けられるんですか。自らが決定して、自らのより合った基準を、だってルールというのは自分で決めた方が余計守られるんです。山下委員もおっしゃった、なぜ六十年間この世界に、私どもの目から見るとあってはならないような基準がずっと基準として来たのか。それは、先ほど山下委員はもう本質分かっておっしゃっていると思います。強制された乗客の悲劇が起きていて、自らのサービスについて自らが権利を有さない、自らが決定権を持たないと、こういう六十年間このサービスでということになるんじゃないでしょうか。  だから、私は基準を下げていいなんて一言も言っていません。それを地域で決めることによってより保育の質を高めていきましょうということを申し上げているだけなんで、厚労省が出してきた一次案をもって私の考え方というふうにはされないようによろしくお願いいたします。
  24. 山下芳生君(山下芳生)

    山下芳生君 地域がより良い基準を定めるというのであれば、保育最低基準を担保した上で、最低基準をきちっと維持した上で地域に更により良い保育の実施を、今実施主体は地域自治体なんですから、今でもそういう基準を、より高い基準でやっている自治体たくさんあるわけですよね。それを、最低基準をなくすというのは、下がることもあり得ると、原口大臣も認めたとおりなんですよ。それを許しちゃならないと、どんなことがあっても許しちゃならないと。それは子供に対する私たち大人社会責任だと私は思うんですね。それは地域主権かどうかということとは別の、絶対にこれを下げてはならないというものとして、私は地域に対してもしっかり国が財政的にも支援をしながらしっかり担保していくことが今こそ大事ではないかと思っております。今やるべきことは最低基準を下げることじゃなくて、やっぱり保育予算を増やすことですよ。それは原口大臣も否定はされないと思いますけれども。  例えば、六十人定員保育所を一千か所つくれば年間六万人の待機児解消できます。それに必要な国の予算は、二分の一負担ですから大体四百四十億円なんですね。それを五年間続ければ三十万人の待機児を、認可保育所を増やしてちゃんと、詰め込みではなくて解消できる道はありますよ。年間四百四十億円ですよ。土地がないところが大都市ではあるというけれども、UR住宅の空き家などを活用するとか国有地を無償で提供するなど、国と自治体が本当に真剣に力を合わせば、その道はできると思うんですね。  そういう方向を今やるべきなのに、面積基準を下げて、更なる詰め込み待機児解消することを許すようなことを私は国会が絶対に認めるべきではないというふうに再度申し上げておきたいと思います。  親たちの思いも同じであります。保育園を考える親の会が緊急アピールを出されました。都市部の待機児童問題は一刻も早く解消しなければなりません。とはいえ、国基準以下の保育条件となり、働くために子供たちにとって望ましくない環境を選択せざるを得ないことは保護者の本意ではありません。子供にとって最低限である国基準を満たした保育施設を緊急に増やしていただくことが必要です。自治体財政優先により、詰め込みによる待機児童対策に流れることは、子供たち、すなわち日本の将来に禍根を残すことになります。これ、親の思いでもあると思うんですね。  だから、是非、原口大臣から長妻大臣に対して、この基準緩和心配があるよ、安易にやるべきじゃないよということを強く申していただきたいと、おっしゃっていただきたいということを申し上げて、質問を終わりたいと思います。
  25. 又市征治君(又市征治)

    ○又市征治君 社民党の又市です。  選挙によって歴史的な政権交代が起こって二か月が経過をいたしました。鳩山内閣誕生以来、原口大臣亀井大臣始め政務三役の方々には、政治転換に向けて、連日、早朝から夜遅くまで御奮闘いただいている、心から敬意を表したいと思います。我が党も三党政策合意を基に連立政権の一翼を担って積極的に提言を行いつつ支えていく、そういう決意をまず表明をいたしながら、今日は総務大臣の所信表明について質問をいたしたいと思います。  委員長総務省に絞りますので、亀井大臣ら、お忙しかったとすれば御退席いただいても結構でございますので。聞いていただいてもいいんですけど。  そこで、まず……
  26. 委員長(佐藤泰介君)(佐藤泰介)

    委員長佐藤泰介君) 速記止めてください。    〔速記中止〕
  27. 委員長(佐藤泰介君)(佐藤泰介)

    委員長佐藤泰介君) では、速記を起こしてください。
  28. 又市征治君(又市征治)

    ○又市征治君 大臣、失礼しました。そういうことだそうでございまして。  それじゃ、原口大臣先ほども出ましたけれども、地域主権改革は鳩山内閣の一丁目一番地の改革だ、こういうふうに決意表明をなさった。これはもう全く大賛成であります。  そこで、この地域主権の内容ですけれども、小泉政権以後、地方交付税の年額五兆円も削減をされる、こういうことが現在の地方の疲弊をもたらしたということはもう今更言うまでもないわけですが、そうした反省を踏まえるならば、地方交付税制度の復権を軸とした自治財政権の回復あるいは自治体財政の再建こそが当面の緊急課題だ、こう言って差し支えないと思います。  大臣が来年度概算要求交付税率の引上げと一兆円増額の要求を挙げられたのはまさに正鵠を射ている、こう思うんですが、そこで交付税一兆円の回復というのは引き続き増やしていただかなきゃならぬと、こう思いますけれども、旧政権の五兆円削減が、地方財政計画の主に市町村の需要額算定に当たってこれを削るということを通じて、数字の上で財源不足は解消したというフィクションで行われてきたということは何度もこれは指摘してきた、原口さんもこのことは御指摘なさっていたわけですけれども。だから、私たち交付税の復元に際して、地方の医療人材確保や公的病院の支援であるとか、あるいは小規模な学校や保育所の存続、拡充、あるいはNPOを含めた地域の小規模介護などの基礎的サービスを必須の公共サービスとして認定をして、きめ細かく基準財政需要額に算入すべきだということを主張してきたわけです。  公的サービスによって住民の暮らしを支え、あるいは過疎を食い止め地域の再生を実現するために、新たなタイプの需要を含めて自治体の基礎的な需要額算定を拡充をすべきだ、こう思うんですが、この増やす一兆円をどのような需要額として算入をする、そういうお考えか、これはまず一つお伺いしたい。  二つ目に、同じ理由から、復元するこの一兆円は市町村を重視をして、とりわけ財政困難な小規模自治体に傾斜配分すべきではないか、このように考えますが、この点についても見解を伺っておきたいと思います。
  29. 国務大臣(原口一博君)(原口一博)

    国務大臣原口一博君) 又市委員におかれましては、さきの公共サービス基本法のときも大変な御指導をいただきましてありがとうございます。  今委員お話しのとおり、小さければ小さいほど、財政力が弱ければ弱いほど厳しくなっている、その三位一体改革の弊害を一刻も早く取り除くということが私たちの使命である、このように考えております。  そこで、今回の交付税の一兆一千億の増額要求でございますが、今起債も限られています。その地方債の発行要件は何かといえば、やはりその担保になるもの、ですから貧しくなればなるほど余計コンクリートが、箱物が増えるという構造にあります。  私たちは今回、そのことをまさに財政力が弱ければ弱いところほど余計配慮をして、傾斜配分を今委員お話しのようにして、そして生活のために必要な公共サービス、公立病院等の都市部と格差が開いた医療、先ほど保育、あるいは地域の自由と自給力を高める、今回、緑の分権改革ということを申し上げています。  江戸時代、一番人口の多いのは新潟県でございます。つまり、食料をしっかりと生産をする、地域に根差したところがたくさん人が集まる、そういうための経費、あるいはコンクリートから人へという基本的な方向性の下、地方が行う地域活性化のための事業や、何といっても、又市委員、雇用創出です。そこの部分に多くの施策を集中してまいりたいというふうに思っています。その配分の仕方が先ほど申し上げたように傾斜配分、財務大臣もそのようにお話をしていて、より小さいところにより配慮をした予算措置をしたいということを財務大臣と話しているところでございます。
  30. 又市征治君(又市征治)

    ○又市征治君 ありがとうございました。是非そういう立場で頑張っていただきたいと思います。  そこで次に、大臣はより基本的な問題として交付税法第六条の三の第二項による交付税の法定率の引上げを提起をなさっております。  事項要求となっていますけれども、その額は二〇一〇年度交付税財源不足額のうち、いわゆる折半ルールによる国負担分四兆三千億円だろうと、こう思うんですが、この折半ルールなどの暫定措置で糊塗してきた長い歴史を思えば、この交付税法の原則に立ち返るという提起は、まさにそういう意味で政権交代の意義があるわけであって、是非とも実現を図らなきゃならぬ、してほしいと、こういうふうに思います。  同時にもう一つ、この財源不足額のあと半分、いわゆる地方負担分も国税を原資として解決をすべき課題であることは言うまでもありません。それは、これまでは臨時財政対策債がその場しのぎのびほう策として取られてきて、結局これは将来の交付税財源の先食いにすぎなかったからということはもう言うまでもありません。折半ルールが期限切れとなる今回ですから、あえてこの点について大臣の御確認をいただきたいと、こう思います。
  31. 国務大臣(原口一博君)(原口一博)

    国務大臣原口一博君) 御指摘のとおり、財源不足、全額を交付税率の引上げで対応するということが私たちの理想だと思います。  御案内のとおり、その一方、厳しい経済状況の下、前政権では国、地方とも法人関係税が大幅に減少している事態も踏まえる必要があってのことだと思いますが、財源不足の二分の一相当額を三年間引き上げて地方の予見性を向上させる要求としたものでございますが、これが何がやはり問題かというと、一生懸命財政を圧縮して頑張っているところも臨財債の先食いの部分は増えていくんですね。全体からすると何をやっているか分からないというところが大きな問題だというふうに、昨日も顧問の皆さんとテレビ電話会議をしていますが、そういう声を多く聞きます。  ですから、ここは抜本的に改正をして、また三党でお話をして、また委員の皆様にお知恵をいただいて、交付税のそもそもの機能を回復する、そういうことが必要だと考えております。
  32. 又市征治君(又市征治)

    ○又市征治君 四点目に、今年度の交付税原資についてお伺いしたいと思うんですが、今年度も国税の歳入不足、それに伴う交付税原資の不足が予想されるわけですが、その対処について、地方にしわ寄せさせないように我が党は毎年求めてまいりました。現時点で今年の原資不足の見込みはどの程度なのか、これをどのように手当てをしていこうというお考えか、その点をお伺いしたいと思います。
  33. 国務大臣(原口一博君)(原口一博)

    国務大臣原口一博君) 平成二十年度における国税五税の減額補正に伴う地方交付税総額の減少、マイナス二兆二千七百三十億円については、当初と同様、国と地方が折半して補てんすることを基本に国の一般会計からの加算により全額を補てんする、そのうち地方が折半して補てんすべき部分については後年度に精算するという先ほどシステムがまだ動いているわけです。  本年度は、昨年同様、当初予算において、三年間の折半ルールに基づいて国と地方が折半して補てんしており、これを踏まえると、国税五税の減額補正についても、昨年の措置を踏まえて対応せざるを得ないのかなという危惧を持っています。しかし、その上でも、改革の道筋を示していくということが今委員お話しのように大事なことであるというふうに思います。  今どれぐらい減るのかということは、まだにわかには言えない状況でございます。
  34. 又市征治君(又市征治)

    ○又市征治君 かなり去年度と同じぐらいの、あるいはそれを上回るかもしれないというちょっと深刻な状況だと思います。まだ今の段階で出ないということですからしようがありませんが、そこらのところは今おっしゃった意味で改革方向を示しながら是非努力をいただきたいと、こう思います。  次に、限界集落問題についてお伺いしたいと思うんですが、過疎対策法が三月で期限が切れると、こういう状況にありまして、その件に関連して原口大臣はこの見直しを提案をされて、暫定三年とするにしても定義の拡大をするとの意見を表明をなさっていることは歓迎をしたいと思います。  今日、地域によっては更に深刻で、いわゆる限界集落どころか、むしろ集落の消滅という現象も出てきている、こういう状況にあります。過疎法は、部分的には合併前の旧市町村区域を対象にしておりますから、例えば私の地元の富山市であるとか、あるいは京都市だとか浜松市だとかという、こんなところも過疎地域に当てはまるわけですね。奇異な感じがいたしますけれども、しかし、大合併後も旧町村部は過疎に悩んでいる、そういう地域があるわけですからそういうことになるわけですが、よりそういう意味で精密に地域分析をしていただきながらこの対策を打っていただく、そして市町村を通じて支援を行うということが大事だろうと思うんです。  当初、この限界集落というものの概念は、むしろそういう集落をつぶすとの意図もあったやにお聞きをするわけですが、今は逆で、耕作地の放棄であるとか山林の荒廃、そこから起こる崩落やあるいは土砂災害であるとか、あるいは分校や保育所の閉鎖、公的サービスの撤退などの悪循環を食い止めて、集落の維持、復元を図っていかなきゃ、長年続いてきたそんなところが経済効率で消されていく、こんなことがあってはならないということだろうと思うんですね。  総務省の定住自立圏というこういう切り口も、周辺部を切り捨てて中心部に移動、集中させようというんであったとすれば、これは全く集落消滅対策になってしまうわけでありますから、そうあってはならない。集落を単位に維持して支援をする仕組み、これをどのように今の段階でお考えか、お伺いしたいと思います。
  35. 国務大臣(原口一博君)(原口一博)

    国務大臣原口一博君) 委員はまさに集落の問題としてこの間過疎もとらえてこられて、この考え方はとても大事だと思います。  昨日、私、総務省の中で指示をしたんですが、私たちは基礎自治体中心主義と言っています。しかし、その基礎自治体の中でも各歴史的なつながりの深い共同体、もうヨーロッパではその共同体の意思をどのように基礎自治体につなげるかという制度ができています。そういったことが検討の中で行われるべきだというのが一つ。  もう一つは、今委員お話しのように、やはり切れ目ない過疎対策ですね。これは議員立法でやってくださっていますが、来年の三月にそれが切れます。これを切ることが絶対あってはならない。そして、もっとソフトや平成十七年国調を反映した、そういうものにしなければならないというふうに思います。  特に、市町村の集落支援員による集落点検の実施や集落の在り方についての話合い、あるいは過疎債や辺地債等による道路や上下水等の生活環境の整備、こういったことをやっていますが、いずれにせよ、地域から豊かさや地域から富を奪うシステム、それそのものを変えていかなきゃいけない。  社民党さんは固定価格の買取り制度を前面に出しておられます。まさにエネルギーの在り方そのものを変えることによってお金の動きを変えていきたいと、このように考えておりますので、御指導をよろしくお願いいたします。
  36. 又市征治君(又市征治)

    ○又市征治君 今おっしゃったように、過疎法、まあソフト事業への起債対象の拡大をどうするかという問題、これが今後出てくると思うんです。今もお話ございましたが、我が党は、過疎集落のやっぱり公共交通への支援であるとか、巡回医療や介護、あるいは公益サービスの存続の人的な保障であるとか、山林の荒廃による災害を予防する雇用政策だとか、こういうソフト面での集落保全策というものを提案をいたしております。是非ともこういうものを取り入れていただくようにお願いしたいと思いますが、ただ、過疎法だと地方債なわけですから、後年度のやっぱり交付税の先食いという意味では、これは臨財債と同じ欠陥を持つということが出てまいります。  ソフト事業の本筋は、これは前にも述べたように、交付税制度においては基礎的需要、それによって小規模市町村の存立を保障すべきだ、こんなふうに思うわけですが、この点はいかがお考えでしょうか。
  37. 国務大臣(原口一博君)(原口一博)

    国務大臣原口一博君) おっしゃるとおりだと思います。  今、過疎地域においては、生活扶助機能の低下、身近な足の不足、放置された空き家の増加、そういったことを考えますと、医師の確保や集落対策、生活の足の確保、山林の荒廃を予防する雇用対策などソフト面に使えるように、そして、そのために過疎債などを財源に、それを基金にして、まあ過疎対策基金といった名前なんでしょうか、そういうものを中心に、ソフト事業に使えるように、それを今党派を超えて御議論をくださるように、基礎的な材料を総務省としても今作成をさせていただいているところでございます。御指導をよろしくお願いいたします。
  38. 又市征治君(又市征治)

    ○又市征治君 それじゃ最後の質問ですが、原口大臣は、権力による番組規制に反対をする立場から、放送・通信法案作成作業の再検討に言及をされておりました。独立行政機関についても、規制色の強いアメリカのFCCモデルに固執をせず、今あるNHKと民放合同の自主性の高い審査機関であるBPOの仕事ぶりを評価をし、それを生かしていこうという方向性については、私はこれまでもこの委員会でも指摘をしてまいりましたし、歓迎をしたいと思うんです。  放送を、大企業の代表者だけではなくて、下請などの劣悪な制作現場、そして何よりも視聴者の権利、そして中立的な研究者などの意見を踏まえて、私はこの法案についてはじっくりと検討をすべきだろうと、こう思います。  この点についての御見解と、なお、これは言うまでもないことですけれども、改めて、前政権が行った番組への行政指導の乱発、こんなことは当然おやめになるんだろうと思いますが、その点についてもお伺いをしておきたいと思います。
  39. 国務大臣(原口一博君)(原口一博)

    国務大臣原口一博君) 又市委員がおっしゃったとおり、私、検証戦争責任というシンポジウム、三年前にこれ、超党派でさせていただきました。そのとき、戦争に向かうときの一番怖さは言論が封じられるということでありました。権力がその言論を左右しない、あるいは言論に対して介入しないということは何よりも大事だということで、今回、言論の自由を守るとりでとなる組織の在り方について、幅広い人材、憲法学者、あるいは今おっしゃるような番組の制作の前線におられる方々、市民の代表、そういう方々に入っていただいて、一年間程度じっくり時間を掛けてやっていきたいと思います。  当然、番組への行政指導、この中で放送法の改正というのも私たち、修正の上、全会一致でやらせていただきました。まさに政治の一番必要な民主主義の基本である報道の自由を守るということを念頭に頑張ってまいりたいと思います。  ありがとうございます。
  40. 又市征治君(又市征治)

    ○又市征治君 ありがとうございました。  終わります。
  41. 委員長(佐藤泰介君)(佐藤泰介)

    委員長佐藤泰介君) 両件に対する本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。    午後三時五十分散会