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山下芳生君(山下芳生)
○
山下芳生
君 私は、
子供
に対して保障すべき
発達
、
成長
の
水準
を
中央集権
か
地域主権
かという図式で見るのは間違いだと思っております。
原口大臣
もうなずいておられますのでそうだと思うんですが。やっぱりこれは私
たち大人
が、私
たち
の
社会
が、この国で生まれたすべての
子供たち
に、あなた
たち
の健やかな
発達
や
成長
のために少なくともこの
基準
は守るよと約束をしたものだと私は思うんですね。それを、
地域
が
上書き
する、
上書き
の名によって下がるということも、
厚労省
が今、回答された内容を見ますと、
面積基準
についてはこれは従わなければならない
基準
にしないということになっておりますので、これは
地方自治体
で決めることができるというふうにこのままいきますとなるんだと思います。そうすると、
現行
の
最低基準
よりも低くなる
可能性
が生まれるわけですね。私は、この問題を
地域主権
だから下げてもいいということは絶対にあってはならないと考えます。
保育関係者
からそういう声がいっぱい出ておりますね。
全国社会福祉協議会
、
全国保育協議会
、
全国保育士会
が、
子供
の育つ
環境
を壊さないでください、
認可保育所
の
最低基準
の
堅持
をとの
緊急アピール
を十月の九日に出されました。また、
全国私立保育園連盟
も、
子供
の
発達
を保障するいまだ
最低
限のものであり、現在の
最低基準
の
維持向上
は何より求められる
事項
ですとの
考え方
を十月二十八日に発表されました。
日本保育学会
も同趣旨の
緊急アピール声明
を十一月の二日に出されております。
保育関係者
がこぞって
最低基準
の
堅持
を訴えておられますね。 そもそも、
日本
の
保育所
の
最低基準
というのは
世界最低
の
最低基準
と言われております。例えば、ゼロ歳児一人
当たり
の
面積基準
で見ますと、
スウェーデン
が七・五平米、フランス五・五平米、アメリカ四・六四平米、ドイツ三・五平米に対して、
日本
は一・六五平米しかありません。これは
スウェーデン
と比べて四分の一以下の狭い
最低基準
になっているわけですね。 それだけではありません。
スウェーデン
は
子供
の遊ぶ
部屋
と寝る
部屋
と食べる
部屋
がそれぞれ別々に
用意
をされていると聞きます。
日本
は全部同じ
部屋
ですね。
保育室
で食事もするし遊戯もするし、それからお
昼寝
もするということになっておりまして、ですから、私も
保育関係者
の声を先日聞いてまいりましたけれども、
保育士
さんは
子供たち
にお昼御飯を食べさせるときに、もう早く食べさせようということで一生懸命
スプーン
を口に突っ込んで食べさせるようなこともせざるを得ないと、こぼさないように。こぼしちゃったら、そこを片付けして、そのテーブル片付けて、
布団
敷いてお
昼寝
するわけですから、こぼさせるわけにいかないと言うんですよ。しかし、
子供
というのは、手づかみだとか
スプーン
でこぼしながら、そういう体験をしながらだんだん少しずつこぼさないように
成長
していくものだと思いますが、そういうことが同じ
部屋
で、しかも狭い中でできなくなっていると。 そして、そうやって慌てて食べさせて、片付けて、
布団
を敷き詰めて、一斉にお休みです。これもよく考えたら、
子供
の寝る時間は
用意ドン
で寝なさいよというのも不自然な形で、寝る
部屋
が別にあればそういう
子供
さんから寝させていけばいいわけですけれども、一斉にお
昼寝
する。私も二年前まで
子供
を
保育所
に下の子を預けていましたから、そういうお
昼寝
のときにちょっと緊急に迎えに行かなあかんようになったときなんかは、もう
布団
びっちりですからね。足の踏み場はありません。もう
布団
と
布団
の間に足をどこに置くかという感じで荷物を取りに行ったりしております。そういう
世界最低
の
最低基準
に今なっているわけですよ。 ですから、
チルドレンファースト
、
子供
第一を標榜されてきた民主党の
政権
になったら、この
最低水準
というのは六十年前に決められたまま放置され、
世界最低
になっているわけですから、この
最低基準
を引き上げてほしいということが
保育関係者
の強い
期待
だったわけですが、これを
地域主権
の名の下に引き下げることを認めるということはもうとんでもないと。こういう
やり方
はやっぱり中止すべきだと思いますが、いかがでしょうか。
kokalog - 国会議事録検索
2009-11-17 第173回国会 参議院 総務委員会 第3号
公式Web版
行政制度、公務員制度、地方行財政、選挙、消 (会議録情報)
0
平成
二十一年十一月十七日(火曜日) 午後三時開会 ─────────────
委員
の
異動
十一月十三日 辞任
補欠選任
島田智哉子君
高嶋
良充君 ─────────────
出席者
は左のとおり。
委員長
佐藤
泰介
君 理 事 加賀谷 健君 武内 則男君 林 久美子君 礒崎
陽輔君
世耕
弘成君
委 員
高嶋
良充君 土田 博和君 外山 斎君 友近 聡朗君
那谷屋正義
君
内藤
正光君
長谷川憲正
君 吉川 沙織君 木村 仁君
小泉
昭男君 末松 信介君 関口 昌一君
二之湯
智君 溝手 顕正君
魚住裕一郎
君 澤 雄二君
山下
芳生
君 又市
征治
君
国務大臣
総務大臣
原口
一博
君
国務大臣
亀井
静香君 副
大臣
内閣
府副
大臣
大塚
耕平
君
総務
副
大臣
渡辺 周君
総務
副
大臣
内藤
正光君
大臣政務官
内閣
府
大臣政務
官
田村
謙治
君
総務大臣政務官
小川 淳也君
総務大臣政務官
階 猛君
総務大臣政務官
長谷川憲正
君
事務局側
常任委員会専門
員 塩見 政幸君 ───────────── 本日の会議に付した案件 ○
行政制度
、
公務員制度
、
地方行財政
、
選挙
、消 防、
情報通信
及び
郵政事業等
に関する
調査
(
行政制度
、
地方行財政
、
消防行政
、
情報通信
行政等
の諸
施策
に関する件) (
郵政改革
に関する件) ─────────────
委員長(佐藤泰介君)(佐藤泰介)
1
○
委員長
(
佐藤泰介
君) ただいまから
総務委員会
を開会いたします。
委員
の
異動
について御報告いたします。 去る十三日、
島田智哉子君
が
委員
を辞任され、その
補欠
として
高嶋良充
君が選任されました。 ─────────────
委員長(佐藤泰介君)(佐藤泰介)
2
○
委員長
(
佐藤泰介
君) この際、
大塚内閣
府副
大臣
及び
田村内閣
府
大臣政務官
からそれぞれ発言を求められておりますので、順次これを許します。
大塚内閣
府副
大臣
。
副大臣(大塚耕平君)(大塚耕平)
3
○副
大臣
(
大塚耕平
君)
内閣
府副
大臣
を拝命いたしました
大塚耕平
でございます。
亀井大臣
の下で
郵政改革
を担当させていただきます。
委員長
、理事、
委員各位
の
先生方
の御
指導
をいただきながら、
亀井大臣
をしっかりとお
支え
をして職責を全うさせていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。(
拍手
)
委員長(佐藤泰介君)(佐藤泰介)
4
○
委員長
(
佐藤泰介
君)
田村内閣
府
大臣政務官
。
大臣政務官(田村謙治君)(田村謙治)
5
○
大臣政務官
(
田村謙治
君)
内閣
府
大臣政務官
を拝命をいたしました衆議院の
田村謙治
でございます。
亀井大臣
、
大塚
副
大臣
、そして
長谷川政務官
とともに
郵政改革
につきまして全力で頑張ってまいりますので、
委員長
を始めといたします
委員
の
先生方皆様
に御
指導
を賜りますように、どうぞよろしくお願いいたします。(
拍手
) ─────────────
委員長(佐藤泰介君)(佐藤泰介)
6
○
委員長
(
佐藤泰介
君)
行政制度
、
公務員制度
、
地方行財政
、
選挙
、
消防
、
情報通信
及び
郵政事業等
に関する
調査
のうち、
行政制度
、
地方行財政
、
消防行政
、
情報通信行政等
の諸
施策
に関する件及び
郵政改革
に関する件を議題とし、
質疑
を行います。
質疑
のある方は順次御発言願います。
山下芳生君(山下芳生)
7
○
山下芳生
君
日本共産党
の
山下芳生
です。
鳩山首相
や
原口総務大臣
が新
政権
の一丁目一番地の
改革
とされている
地域主権改革
、これは
地域
のことは
地域
に住む住民が決めるための
改革
だとおっしゃられております。私も、一九九〇年代に国が
景気対策
として
地方
に
公共事業
を押し付けた、にもかかわらず、
小泉内閣
以来、
地方交付税
が大幅に削減されたことが
地方財政
を深刻な
事態
にしたなど、国から
地方
に間違った
政策
を押し付ける、こういう
やり方
は大転換を図らなければならないと思っております。しかし、同時に、何でもかんでも
地域
が決めるということでいいのか疑問を感じる点もございます。 そこで、今日は少し具体的に
質問
をさせていただきますが、例えば現在国が決めております
保育所
の
最低基準
というものがあります。
保育施設
の
面積基準
ですとか
保育士
の
配置基準
などがありますけれども、これは
全国
どの
地域
でも
子供たち
が健やかに
発達
、
成長
できる
環境
を保障するために必要な
最低限度
の
基準
だと私は思います。
地域主権
の名の下に、この
基準
を緩めたり引き下げたりすることは絶対にあってはならないと思うんですが、
原口大臣
の
認識
を伺いたいと思います。
国務大臣(原口一博君)(原口一博)
8
○
国務大臣
(
原口一博
君)
山下委員
にお答えします。
お話し
のとおり、
公共事業
を押し付ける
中央政府
が、いわゆるこれは強制された乗客の悲劇と申します、
自分
がどこへ行くのかも分からない、そして
中央
に強制されて、その結果そのツケを
地方
が負うということはあってはならないと思います。 今御
質問
の
保育所
の
最低基準
、
山下委員
が
お話し
のように、小さい
人たち
をより強く守る、そしてそれを
中央政府
全体で保障していくと、この
考え方
はとても大事でございます。その上で、義務付け、
枠付け
の見直しとは
規制緩和
による
サービス水準
の切下げを意味しているんじゃありません。
地域
のことは
地域
で、国が
全国
一律に決定し
地方自治体
に義務付けていた
基準等
を
地方自治体
自らが決定し、
山下委員
も御
案内
のとおり、そこには
主権者
の意思が入ってくるわけです。 ただ、御
心配
になっているのは、
三位一体改革
で
大変地方
の
財政
が傷みましたから、じゃ、そんなことをやってしまえば現実的に
予算
や様々な
支え
があるのかという御
心配
もあると思います。私
たち
は、そういう御
心配
にしっかりとこたえるべく、
交付税
を一兆一千億、今回、
概算要求
では
増額措置
をさせていただいております。各
地域
においてその
地域
の
実情
に合った最適な
サービス
が提供され、
最善
の
施策
が講じられるよう国と
地方自治体
の
役割分担
を見直すものでございまして、まさに
上書き
をする
権利
、
全国
一律で全部同じだということではなくて、
中央政府
はしっかりと
保育
を
支え
る、その義務を負いながらも、その
サービス
の提供に当たっては様々な
上書き
をできる
権利
を
地域
にしっかりと持ってもらおうという
改革
でございますので、御
理解
をいただきたい。
委員
が御
心配
の向きは、私もある
意味共有
をしているというふうに考えていただいて結構だと思います。
山下芳生君(山下芳生)
9
○
山下芳生
君 私は、
子供
に対して保障すべき
発達
、
成長
の
水準
を
中央集権
か
地域主権
かという図式で見るのは間違いだと思っております。
原口大臣
もうなずいておられますのでそうだと思うんですが。やっぱりこれは私
たち大人
が、私
たち
の
社会
が、この国で生まれたすべての
子供たち
に、あなた
たち
の健やかな
発達
や
成長
のために少なくともこの
基準
は守るよと約束をしたものだと私は思うんですね。それを、
地域
が
上書き
する、
上書き
の名によって下がるということも、
厚労省
が今、回答された内容を見ますと、
面積基準
についてはこれは従わなければならない
基準
にしないということになっておりますので、これは
地方自治体
で決めることができるというふうにこのままいきますとなるんだと思います。そうすると、
現行
の
最低基準
よりも低くなる
可能性
が生まれるわけですね。私は、この問題を
地域主権
だから下げてもいいということは絶対にあってはならないと考えます。
保育関係者
からそういう声がいっぱい出ておりますね。
全国社会福祉協議会
、
全国保育協議会
、
全国保育士会
が、
子供
の育つ
環境
を壊さないでください、
認可保育所
の
最低基準
の
堅持
をとの
緊急アピール
を十月の九日に出されました。また、
全国私立保育園連盟
も、
子供
の
発達
を保障するいまだ
最低
限のものであり、現在の
最低基準
の
維持向上
は何より求められる
事項
ですとの
考え方
を十月二十八日に発表されました。
日本保育学会
も同趣旨の
緊急アピール声明
を十一月の二日に出されております。
保育関係者
がこぞって
最低基準
の
堅持
を訴えておられますね。 そもそも、
日本
の
保育所
の
最低基準
というのは
世界最低
の
最低基準
と言われております。例えば、ゼロ歳児一人
当たり
の
面積基準
で見ますと、
スウェーデン
が七・五平米、フランス五・五平米、アメリカ四・六四平米、ドイツ三・五平米に対して、
日本
は一・六五平米しかありません。これは
スウェーデン
と比べて四分の一以下の狭い
最低基準
になっているわけですね。 それだけではありません。
スウェーデン
は
子供
の遊ぶ
部屋
と寝る
部屋
と食べる
部屋
がそれぞれ別々に
用意
をされていると聞きます。
日本
は全部同じ
部屋
ですね。
保育室
で食事もするし遊戯もするし、それからお
昼寝
もするということになっておりまして、ですから、私も
保育関係者
の声を先日聞いてまいりましたけれども、
保育士
さんは
子供たち
にお昼御飯を食べさせるときに、もう早く食べさせようということで一生懸命
スプーン
を口に突っ込んで食べさせるようなこともせざるを得ないと、こぼさないように。こぼしちゃったら、そこを片付けして、そのテーブル片付けて、
布団
敷いてお
昼寝
するわけですから、こぼさせるわけにいかないと言うんですよ。しかし、
子供
というのは、手づかみだとか
スプーン
でこぼしながら、そういう体験をしながらだんだん少しずつこぼさないように
成長
していくものだと思いますが、そういうことが同じ
部屋
で、しかも狭い中でできなくなっていると。 そして、そうやって慌てて食べさせて、片付けて、
布団
を敷き詰めて、一斉にお休みです。これもよく考えたら、
子供
の寝る時間は
用意ドン
で寝なさいよというのも不自然な形で、寝る
部屋
が別にあればそういう
子供
さんから寝させていけばいいわけですけれども、一斉にお
昼寝
する。私も二年前まで
子供
を
保育所
に下の子を預けていましたから、そういうお
昼寝
のときにちょっと緊急に迎えに行かなあかんようになったときなんかは、もう
布団
びっちりですからね。足の踏み場はありません。もう
布団
と
布団
の間に足をどこに置くかという感じで荷物を取りに行ったりしております。そういう
世界最低
の
最低基準
に今なっているわけですよ。 ですから、
チルドレンファースト
、
子供
第一を標榜されてきた民主党の
政権
になったら、この
最低水準
というのは六十年前に決められたまま放置され、
世界最低
になっているわけですから、この
最低基準
を引き上げてほしいということが
保育関係者
の強い
期待
だったわけですが、これを
地域主権
の名の下に引き下げることを認めるということはもうとんでもないと。こういう
やり方
はやっぱり中止すべきだと思いますが、いかがでしょうか。
国務大臣(原口一博君)(原口一博)
10
○
国務大臣
(
原口一博
君) 私も
スウェーデン
やフィンランドの、
専門
が
発達心理学
も学ばせていただきましたから、今、
山下委員
が
お話し
のところはよく分かります。なぜこの六十年間この
最低
の
基準
で来たかというところがやはり大きな
議論
になるところだと思います。私は、この
最低
の
基準
でいいなんてとても思いません。まさに、
中央
で決めて、
自分
のところで
責任
を持たない
システム
にするとこういうことが起こるんじゃないか。 例えば、
発達心理学
でこういう実験がございます。一〇%できている
パズル
、半分できている
パズル
、九割できている
パズル
、小学校一年に選ばせます。そうすると、伸びる
子供
はやっぱり一〇%の
パズル
を選んだ
子供
なんですね。 私
たち
は、
チルドレンファースト
、
山下委員
が
お話し
のとおり、
子供たち
により多くの資源を、コンクリートから人へ、より小さい
人たち
をより強く守ろうと思っています。そのためにも、様々な
地域
の
創意工夫
がしっかりと生かされる
制度
にしたいと。
基準
を
緩和
して、そして何でもかんでもやれるということをやろうとしているんじゃないんです。むしろ、様々な
地域
の
工夫
がそこに加わることによって
比較
ができる。
比較
をすることによってより小さな
人たち
に、より、今、
山下委員
が
お話し
のように、
子供たち
の
発達
に資するそういう
政策
にドライブが掛かることを
期待
をしておるわけでございまして、
財政面
や
税制面
でも様々な
施策
を講じてまいりたいと思っておりますので、是非そのところを御
理解
をよろしくお願いします。
地域
の人が選ぶんです。
地域
の人を選ぶのは
主権者
ですから、
主権者そのもの
に対する信頼というものがそこの基本になっていくということを是非御
理解
をいただきたいと思います。
山下芳生君(山下芳生)
11
○
山下芳生
君 現在の
児童福祉法
の下でも
地域
の
自主性
というのは保障されているんですね。
最低基準
というのは
最低
であって、それを超えてより高い
水準
を定めることは可能なんです。多くの
自治体
は、既にそういうより高い
基準
で
保育
に力を入れてこられております。ですから、
地域主権
にしなければより良いものができないんだというのは、これは現在の
状況
から見ても少しおかしいと思うんですね。 一番問題なのは、
最低基準
を守りながら
地域
の
自主性
にゆだねている
現行
を、
最低基準
を下げることを可能にする今
厚労省
からは案が出て、これが今から
原口大臣
との間で詰められることになっておりますね。下げることはないんだと言うんですけど、例えば
東京
都は今独自の
基準
を持ったりしていますけれども、そういうことが国が認める
基準
として、下がっていくということを認めていいということですか。私は、
東京
であれ、どんな大都市であれ、
最低基準
を保障しなくてもいいとは思わないんです。
地域
の
自主性
によって
最低基準
が守られない
子供
が生まれてはならないと思うんですが、そう思いませんか、
原口
さん。
国務大臣(原口一博君)(原口一博)
12
○
国務大臣
(
原口一博
君) やはり同じことを違った角度から申し上げていると思いますよ。各
地域
において、その
地域
の
実情
に合った最適な
サービス
が提供され、
最善
の
施策
が講じられるように国と
地方公共団体
の
役割
の
分担
をしていきましょうというのが私
たち
の
考え方
ですから。 この
基準
を
野方図
に下げていいというふうに考えているわけじゃなくて、
先ほどお話し
の今出ている
厚労省
の案では、今回の
改革
の本旨は
待機児童
の
解消
ではないんです。
地域主権
のための
改革
であって、一時
的措置
をそこに求めているというものではない。
東京等
にゆだねられるんだったら
全国
にも、
自治体
にもゆだねられるはずでございまして、是非その辺のところを御
理解
をいただきたい。 より
地域
を自らの
自主性
において、そして自らの決定において
責任
を持つ
システム
につくっていきたいということが私
たち
の
考え方
ですから、どうぞ御
理解
をいただきたいと思います。
山下芳生君(山下芳生)
13
○
山下芳生
君 では、確認しますけれども、現在の
最低基準
より下の
基準
を
地域
が、
自治体
が決めることは認めないと、それよりも上回ることしか認めないんだと、下回ることはないんだということですか。
国務大臣(原口一博君)(原口一博)
14
○
国務大臣
(
原口一博
君) それも
地域
で決めるということです。様々な
基準
を自らの
地域
に合わせて、そして
東京
も北海道も九州も同じ
基準
じゃなくて、自らの
責任
において決めますよと。そして、
先ほど
から何回も申し上げていますけれども、
最低
のところは私
たち
は
中央政府
がしっかりと保障できる仕組みや
財政面
の
支え
をしていきましょうと。
三位一体改革
で、
山下委員
も御
案内
のとおり、
財政力
が弱ければ弱いほど厳しくなりました。そういったところにしっかりと手当てをしていこうというのが私
たち
の基本的な
考え方
でございます。
山下芳生君(山下芳生)
15
○
山下芳生
君 何度聞いても、
最低基準
を下回ることはないという
保証
はないんですよ、
地域
が決めるということですからね。あり得るんですよ。私は、それを認めていいのかというのが、今、
子供
の
発達
と
成長
にかかわって、それはあってはならないというふうに思うんですが、具体的にちょっと聞きたいと思います。
面積基準
が
緩和
されたらどういうことが起こるのかと。いろいろ意見の中には、
保育所
の
新設
が進んで
待機児童
が
解消
されるというふうな主張も見受けられますけれども、私は、
面積基準
が
緩和
されたら
真っ先
に起こるのは、
保育所
の
新設
ではなくて既存の
保育所
に今以上に
子供たち
を詰め込むことがまず起こると思いますね。なぜなら、
子供
一人
当たり
の
必要面積
が引き下げられれば、同じ広さのままでも受入れ可能な
子供
の
人数
が増えることになるからであります。例えば、
東京
都の
待機児
は今年度、四月、七千九百三十九人でした。
認可保育所
は
東京
都で一千七百五か所ありますので、
面積基準
が
緩和
されて一
保育所
にあと四、五人
子供
の
詰め込み
を増やせば、それだけで
待機児
は
解消
する計算になるわけですね。
自治体財政
が大変な中で
面積基準
を引き下げれば、私は、
保育所
が増えるんじゃなくて
詰め込み
がひどくなる、まずこれが
真っ先
に起こると、そう思いますけれども、
大臣
、いかがですか。
国務大臣(原口一博君)(原口一博)
16
○
国務大臣
(
原口一博
君) やはり、その辺の基本的な
考え方
が
山下委員
と私の
認識
とでは、それを決定するのは
地域
ですと、それも
選挙
で選んだ、何も
中央政府
が選んだ
首長
がそこで
基準
を下げなさいということを言っているわけではなくて、その
保育
の質を確保しようという
首長
を選ぶのは
地域
の
主権者
だと、私はそのように考えます。 ですから、
基準
を引き下げたら、
先ほど
申し上げたように、なぜ私も
山下委員
の御
議論
を頭から否定しないかというと、この間ずっと下げられてきている、
財政
が苦しくなっていると。だから、
財政
が苦しくなっている中では今おっしゃったようなことも起こるかも分からない。いや、起こる
可能性
もあるから逆に
地域
を温める
政策
をやっていこうということを申し上げている。だけれども、それを前提にしても、
中央
で何でもかんでも決めて、そしてそれを
地方
が倣う
システム
は非常に非効率で、そして様々な
財政拡大要因
を持つからそこを変えましょうということを申し上げているんで、是非御
理解
をいただきたいと思います。
山下芳生君(山下芳生)
17
○
山下芳生
君 起こる
可能性
もあると
大臣
がおっしゃったのは非常に重大ですよ。起こっちゃならないことなんですよ、
最低基準
、
子供
の
発達
と
成長
にかかわる。 私が今
心配
しているのは、これは机上の話ではないということなんですね。自民・
公明政権
は、
保育需要
が増大するのに
保育所
を増やしませんでした。
資料
一にグラフをお配りしておりますけれども、これは一九九〇年を一〇〇とした
保育所数
と
入所児童数
の
推移
であります。九〇年代から
入所児童数
は急増したわけですね。これは
経済状況
の悪化、夫婦そろって働かなければならない
人たち
が増えていっているということが背景にあると思いますが、にもかかわらず
保育所数
はほとんど増えておりません。横ばいですね。 じゃ、どうしてこんなことが可能になったのか。
保育所
を増やさずに
入所児童
は増えている。それは、
定員
の
弾力化
という
やり方
で
保育所
への
子供
の
詰め込み
を認めてきたからであります。
資料
三枚目、ちょっと繰っていただいて、ここに
厚生労働省
の
定員
の
弾力化
の概要というペーパーを付けておきました。
平成
十年、一九九八年からは、年度当初からの
弾力化
を認めて、もう最初から
定員
を超えてもいいよと。それから、その
弾力化
の程度、
詰め込み
の度合いも、一〇%から一五%、二五%、そして無制限というふうに拡大されてきました。
資料
二、また戻っていただいて、
資料
二は
大阪
府における
定員
の
弾力化
によって
保育所
に入所している
子供
の数の
推移
であります。二〇〇〇年代になって急増しておりまして、最近は毎年一万人近い
子供たち
が
弾力化
によって
定員
を超えて
保育所
に詰め込まれております。
大阪
市では現在、
定員
の二〇〇%を超える
子供
が入所している
民間保育所
もあります。
最低基準
、
面積基準
が引き下げられましたら、更なる
詰め込み
が認められることになるわけですよ、そういうふうに
自治体
が判断すれば。そうなれば安全にも支障を来すおそれがあると言わなければなりません。 もう一つ、新聞のコピーを配っておりますけれども、これは昨日、毎日新聞が載せた記事ですけれども、
東京
都江東区の
神愛保育園
の例が冒頭紹介されております。これまで
待機児童解消
のために繰り返し
定員
を増やして
子供
を受け入れてきた。その結果、一歳児が狭くて身動きができない状態で昼食を取っている様子が紹介されております。
伊藤美代子園長
は、二段目に、
子供たち
の生活を守るため、これ以上一人も増やせない、もし
基準
が引き下げられ
人数
が多くなれば、ひっかきやかみつきなど、確実に
子供同士
のトラブルが増え、
発達
にも影響を及ぼしかねない、毎日十時間も過ごす
保育園
の
環境
がそれでいいのかと訴えておられます。
原口大臣
に、
面積基準
の引下げはこういう
事態
を招くと、私はこんなことは絶対に許してはならないと思いますけれども、これ絶対許してはならないことだと思いますが、
地域
が決めてもこれは許してはならない。
地域
にこんなことを、これを下げることを認めるようなことを国がやっちゃならないと私は思いますが、いかがですか。
国務大臣(原口一博君)(原口一博)
18
○
国務大臣
(
原口一博
君) 私も
保育
の質を下げるなんということは
一言
も言っていません。
保育
の質を下げちゃいけないし、
子供たち自身
の
発達
の
環境
を保障するということがとても大事だと思います。 そこで、なぜ国が決めればそれは正しくて、
地域
が決めればそれは間違いなのか、それも含めて
地域
の
主権者
の選択がしっかりそこに入るわけです。私
たち
は
民主主義国家
にいます。お任せ
民主主義
ではなくて、
地域
で自らの決断をし、そして自らの、今
委員
がおっしゃったのは、
保育
に向かう
予算
がどんどんどんどん下がる中でのこういう
基準
の撤廃ですから、私は今の
状況
がいいなんて
一言
も言っていませんし、思っていません。だからこそ、
子供たち
に向かう、今日も我が党の
委員
がたくさんおりますけれども、
子供たち
に向かう
予算
を増やして、なおかつ
地域
の
自由度
を増やそうというのが私
たち
の
考え方
ですから、同じことを申し上げているんじゃないでしょうか。
山下芳生君(山下芳生)
19
○
山下芳生
君 いや、同じとは思いませんね。
最低基準
を下げることを認めたら──いや下げることも可能になるんですよ。今の
厚労省
の案では、
面積基準
は従わなければならない
基準
にしないということですからね。ですから、
保育所
の
待機児童
が多いところ、
東京
都などでは、その
面積基準
を絶対に守らなければならない、従わなければならない
基準
にはしないということを
厚労省
の案では書かれてありますから。ということは、
最低基準
よりも下がった
基準
を
東京
都などでは定めてもいいということにこのままだったらなりかねないんですね。それを私は、多くの
保育者
は危惧しているわけですよ。 もちろん、
予算
を付けて、そうならないようになるでしょうとおっしゃるのは分かるけれども、実際に、
交付税
だって一兆円
増額
とおっしゃったけれども、
事項要求
ですからね、その
保証
が今あるわけでもない。しかし、これが認められちゃうと、いや、
緩和
がされちゃうと、
保育予算
がずっと絞られて、
交付税
も絞られてきた中で、やっぱり
保育所
を増やすんじゃなくて今ある
保育所
に更なる
詰め込み
をすると、それで
待機児
をなくすということに安易に流れるんじゃないかということを私は危惧しているわけです。そうならないという
保証
が今聞いていてもないわけですよ。
国務大臣(原口一博君)(原口一博)
20
○
国務大臣
(
原口一博
君) 権限を自ら行使するということには、
山下委員
、そこには
責任
というのが必ず出てくるわけです。 私は、それを片方だけ御
議論
をされるおつもりはないと思うけれども、各
自治体
には
子供たち
を健全に
発達
させていくまた重い
責任
と覚悟がそこに発生するわけです。そして、より身近でより
地域
に即したところで
子供たち
の
サービス
をやってくださいと。
規制緩和
による
サービス水準
の切下げをここで言っているんじゃないんです。そうではなくて、国が
全国
一律に
地方自治体
に義務付けていた
基準
を、それをやめて、そして様々な決定権を自ら
地方自治体
が持つことによって、その権限と
責任
を行使するということを申し上げています。だから、より重い、より身近な行政に対して
主権者
は厳しいチェックができるわけです。 その厳しいチェックの中で、私は、今みたいな
財政
がどんどんどんどん下がればその質が下がる
可能性
もあると申しましたけれども、それをしないようにするのが私
たち
の
民主主義
社会
の中での
議論
であるし、そして
地域主権
で国民が、
主権者
が自らのリーダーを選び、自らの
保育
の質を選べるようにしようというのが私
たち
の基本的な
考え方
なんです。その責務あるいは
責任
といったことを抜きにこの
議論
は私は成り立たないと思います。
山下芳生君(山下芳生)
21
○
山下芳生
君 どうもかみ合わないんですよね。何でかみ合わないのかなと。 私は
地域
の
責任
とか
地域
の主権ということを全否定しているわけじゃないんです。私も冒頭申しましたように、間違った
政策
を国が
地方
に押し付けた、そういうのはもうやめるべきだと、これは一致するんですよ。だけれども、
子供
の
発達
や
成長
にかかわる
最低
限守るべき
基準
として、私
たち
が
子供たち
に約束した
基準
まで
地域主権
の名によって下げるようなことを認めていいのかと。残念ながら、
原口大臣
はそれは
地域
が
責任
を持って決めることだとおっしゃっているので、下がることも
地域
が
責任
持って決めればいいんだというふうに私には聞こえるんですよ。それで
子供
に
責任
を果たすことになるんですかと申し上げているんですけど、どうですか、それは。
国務大臣(原口一博君)(原口一博)
22
○
国務大臣
(
原口一博
君) いや、そこが私にとっては
理解
できなくて、なぜ下がると決め付けられるんですか。自らが決定して、自らのより合った
基準
を、だってルールというのは
自分
で決めた方が余計守られるんです。
山下委員
もおっしゃった、なぜ六十年間この世界に、私どもの目から見るとあってはならないような
基準
がずっと
基準
として来たのか。それは、
先ほど
、
山下委員
はもう本質分かっておっしゃっていると思います。強制された乗客の悲劇が起きていて、自らの
サービス
について自らが
権利
を有さない、自らが決定権を持たないと、こういう六十年間この
サービス
でということになるんじゃないでしょうか。 だから、私は
基準
を下げていいなんて
一言
も言っていません。それを
地域
で決めることによってより
保育
の質を高めていきましょうということを申し上げているだけなんで、
厚労省
が出してきた一次案をもって私の
考え方
というふうにはされないようによろしくお願いいたします。
山下芳生君(山下芳生)
23
○
山下芳生
君
地域
がより良い
基準
を定めるというのであれば、
保育
の
最低基準
を担保した上で、
最低基準
をきちっと維持した上で
地域
に更により良い
保育
の実施を、今実施主体は
地域
自治体
なんですから、今でもそういう
基準
を、より高い
基準
でやっている
自治体
たくさんあるわけですよね。それを、
最低基準
をなくすというのは、下がることもあり得ると、
原口大臣
も認めたとおりなんですよ。それを許しちゃならないと、どんなことがあっても許しちゃならないと。それは
子供
に対する私
たち大人
の
社会
の
責任
だと私は思うんですね。それは
地域主権
かどうかということとは別の、絶対にこれを下げてはならないというものとして、私は
地域
に対してもしっかり国が
財政
的にも支援をしながらしっかり担保していくことが今こそ大事ではないかと思っております。今やるべきことは
最低基準
を下げることじゃなくて、やっぱり
保育予算
を増やすことですよ。それは
原口大臣
も否定はされないと思いますけれども。 例えば、六十人
定員
の
保育所
を一千か所つくれば年間六万人の
待機児
を
解消
できます。それに必要な国の
予算
は、二分の一負担ですから大体四百四十億円なんですね。それを五年間続ければ三十万人の
待機児
を、
認可保育所
を増やしてちゃんと、
詰め込み
ではなくて
解消
できる道はありますよ。年間四百四十億円ですよ。土地がないところが大都市ではあるというけれども、UR住宅の空き家などを活用するとか国有地を無償で提供するなど、国と
自治体
が本当に真剣に力を合わせば、その道はできると思うんですね。 そういう方向を今やるべきなのに、
面積基準
を下げて、更なる
詰め込み
で
待機児
を
解消
することを許すようなことを私は国会が絶対に認めるべきではないというふうに再度申し上げておきたいと思います。 親
たち
の思いも同じであります。
保育園
を考える親の会が
緊急アピール
を出されました。都市部の
待機児童
問題は一刻も早く
解消
しなければなりません。とはいえ、国
基準
以下の
保育
条件となり、働くために
子供たち
にとって望ましくない
環境
を選択せざるを得ないことは保護者の本意ではありません。
子供
にとって
最低
限である国
基準
を満たした
保育施設
を緊急に増やしていただくことが必要です。
自治体
が
財政
優先により、
詰め込み
による
待機児童
対策に流れることは、
子供たち
、すなわち
日本
の将来に禍根を残すことになります。これ、親の思いでもあると思うんですね。 だから、是非、
原口大臣
から長妻
大臣
に対して、この
基準
の
緩和
は
心配
があるよ、安易にやるべきじゃないよということを強く申していただきたいと、おっしゃっていただきたいということを申し上げて、
質問
を終わりたいと思います。
又市征治君(又市征治)
24
○又市
征治
君 社民党の又市です。
選挙
によって歴史的な
政権
交代が起こって二か月が経過をいたしました。鳩山
内閣
誕生以来、
原口大臣
、
亀井大臣
始め政務三役の方々には、政治転換に向けて、連日、早朝から夜遅くまで御奮闘いただいている、心から敬意を表したいと思います。我が党も三党
政策
合意を基に連立
政権
の一翼を担って積極的に提言を行いつつ
支え
ていく、そういう決意をまず表明をいたしながら、今日は
総務大臣
の所信表明について
質問
をいたしたいと思います。
委員長
、
総務
省に絞りますので、
亀井大臣
ら、お忙しかったとすれば御退席いただいても結構でございますので。聞いていただいてもいいんですけど。 そこで、まず……
委員長(佐藤泰介君)(佐藤泰介)
25
○
委員長
(
佐藤泰介
君) 速記止めてください。 〔速記中止〕
委員長(佐藤泰介君)(佐藤泰介)
26
○
委員長
(
佐藤泰介
君) では、速記を起こしてください。
又市征治君(又市征治)
27
○又市
征治
君
大臣
、失礼しました。そういうことだそうでございまして。 それじゃ、
原口大臣
、
先ほど
も出ましたけれども、
地域主権
の
改革
は鳩山
内閣
の一丁目一番地の
改革
だ、こういうふうに決意表明をなさった。これはもう全く大賛成であります。 そこで、この
地域主権
の内容ですけれども、
小泉
政権
以後、
地方交付税
の年額五兆円も削減をされる、こういうことが現在の
地方
の疲弊をもたらしたということはもう今更言うまでもないわけですが、そうした反省を踏まえるならば、
地方交付税
制度
の復権を軸とした自治
財政
権の回復あるいは
自治体財政
の再建こそが当面の緊急課題だ、こう言って差し
支え
ないと思います。
大臣
が来年度
概算要求
で
交付税
率の引上げと一兆円
増額
の要求を挙げられたのはまさに正鵠を射ている、こう思うんですが、そこで
交付税
一兆円の回復というのは引き続き増やしていただかなきゃならぬと、こう思いますけれども、旧
政権
の五兆円削減が、
地方財政
計画の主に市町村の需要額算定に当たってこれを削るということを通じて、数字の上で財源不足は
解消
したというフィクションで行われてきたということは何度もこれは指摘してきた、
原口
さんもこのことは御指摘なさっていたわけですけれども。だから、私
たち
は
交付税
の復元に際して、
地方
の医療人材確保や公的病院の支援であるとか、あるいは小規模な学校や
保育所
の存続、拡充、あるいはNPOを含めた
地域
の小規模介護などの基礎的
サービス
を必須の公共
サービス
として認定をして、きめ細かく
基準
財政
需要額に算入すべきだということを主張してきたわけです。 公的
サービス
によって住民の暮らしを
支え
、あるいは過疎を食い止め
地域
の再生を実現するために、新たなタイプの需要を含めて
自治体
の基礎的な需要額算定を拡充をすべきだ、こう思うんですが、この増やす一兆円をどのような需要額として算入をする、そういうお考えか、これはまず一つお伺いしたい。 二つ目に、同じ理由から、復元するこの一兆円は市町村を重視をして、とりわけ
財政
困難な小規模
自治体
に傾斜配分すべきではないか、このように考えますが、この点についても見解を伺っておきたいと思います。
国務大臣(原口一博君)(原口一博)
28
○
国務大臣
(
原口一博
君) 又市
委員
におかれましては、さきの公共
サービス
基本法のときも大変な御
指導
をいただきましてありがとうございます。 今
委員
が
お話し
のとおり、小さければ小さいほど、
財政力
が弱ければ弱いほど厳しくなっている、その
三位一体改革
の弊害を一刻も早く取り除くということが私
たち
の使命である、このように考えております。 そこで、今回の
交付税
の一兆一千億の
増額
要求でございますが、今起債も限られています。その
地方
債の発行要件は何かといえば、やはりその担保になるもの、ですから貧しくなればなるほど余計コンクリートが、箱物が増えるという構造にあります。 私
たち
は今回、そのことをまさに
財政力
が弱ければ弱いところほど余計配慮をして、傾斜配分を今
委員
が
お話し
のようにして、そして生活のために必要な公共
サービス
、公立病院等の都市部と格差が開いた医療、
先ほど
の
保育
、あるいは
地域
の自由と自給力を高める、今回、緑の分権
改革
ということを申し上げています。 江戸時代、一番人口の多いのは新潟県でございます。つまり、食料をしっかりと生産をする、
地域
に根差したところがたくさん人が集まる、そういうための経費、あるいはコンクリートから人へという基本的な方向性の下、
地方
が行う
地域
活性化のための事業や、何といっても、又市
委員
、雇用創出です。そこの部分に多くの
施策
を集中してまいりたいというふうに思っています。その配分の仕方が
先ほど
申し上げたように傾斜配分、財務
大臣
もそのようにお話をしていて、より小さいところにより配慮をした
予算
措置をしたいということを財務
大臣
と話しているところでございます。
又市征治君(又市征治)
29
○又市
征治
君 ありがとうございました。是非そういう立場で頑張っていただきたいと思います。 そこで次に、
大臣
はより基本的な問題として
交付税
法第六条の三の第二項による
交付税
の法定率の引上げを提起をなさっております。
事項要求
となっていますけれども、その額は二〇一〇年度
交付税
財源不足額のうち、いわゆる折半ルールによる国負担分四兆三千億円だろうと、こう思うんですが、この折半ルールなどの暫定措置で糊塗してきた長い歴史を思えば、この
交付税
法の原則に立ち返るという提起は、まさにそういう意味で
政権
交代の意義があるわけであって、是非とも実現を図らなきゃならぬ、してほしいと、こういうふうに思います。 同時にもう一つ、この財源不足額のあと半分、いわゆる
地方
負担分も国税を原資として解決をすべき課題であることは言うまでもありません。それは、これまでは臨時
財政
対策債がその場しのぎのびほう策として取られてきて、結局これは将来の
交付税
財源の先食いにすぎなかったからということはもう言うまでもありません。折半ルールが期限切れとなる今回ですから、あえてこの点について
大臣
の御確認をいただきたいと、こう思います。
国務大臣(原口一博君)(原口一博)
30
○
国務大臣
(
原口一博
君) 御指摘のとおり、財源不足、全額を
交付税
率の引上げで対応するということが私
たち
の理想だと思います。 御
案内
のとおり、その一方、厳しい
経済状況
の下、前
政権
では国、
地方
とも法人関係税が大幅に減少している
事態
も踏まえる必要があってのことだと思いますが、財源不足の二分の一相当額を三年間引き上げて
地方
の予見性を向上させる要求としたものでございますが、これが何がやはり問題かというと、一生懸命
財政
を圧縮して頑張っているところも臨財債の先食いの部分は増えていくんですね。全体からすると何をやっているか分からないというところが大きな問題だというふうに、昨日も顧問の皆さんとテレビ電話会議をしていますが、そういう声を多く聞きます。 ですから、ここは抜本的に改正をして、また三党でお話をして、また
委員
の皆様にお知恵をいただいて、
交付税
のそもそもの機能を回復する、そういうことが必要だと考えております。
又市征治君(又市征治)
31
○又市
征治
君 四点目に、今年度の
交付税
原資についてお伺いしたいと思うんですが、今年度も国税の歳入不足、それに伴う
交付税
原資の不足が予想されるわけですが、その対処について、
地方
にしわ寄せさせないように我が党は毎年求めてまいりました。現時点で今年の原資不足の見込みはどの程度なのか、これをどのように手当てをしていこうというお考えか、その点をお伺いしたいと思います。
国務大臣(原口一博君)(原口一博)
32
○
国務大臣
(
原口一博
君)
平成
二十年度における国税五税の減額補正に伴う
地方交付税
総額の減少、マイナス二兆二千七百三十億円については、当初と同様、国と
地方
が折半して補てんすることを基本に国の一般会計からの加算により全額を補てんする、そのうち
地方
が折半して補てんすべき部分については後年度に精算するという
先ほど
の
システム
がまだ動いているわけです。 本年度は、昨年同様、当初
予算
において、三年間の折半ルールに基づいて国と
地方
が折半して補てんしており、これを踏まえると、国税五税の減額補正についても、昨年の措置を踏まえて対応せざるを得ないのかなという危惧を持っています。しかし、その上でも、
改革
の道筋を示していくということが今
委員
が
お話し
のように大事なことであるというふうに思います。 今どれぐらい減るのかということは、まだにわかには言えない
状況
でございます。
又市征治君(又市征治)
33
○又市
征治
君 かなり去年度と同じぐらいの、あるいはそれを上回るかもしれないというちょっと深刻な
状況
だと思います。まだ今の段階で出ないということですからしようがありませんが、そこらのところは今おっしゃった意味で
改革
方向を示しながら是非努力をいただきたいと、こう思います。 次に、限界集落問題についてお伺いしたいと思うんですが、過疎対策法が三月で期限が切れると、こういう
状況
にありまして、その件に関連して
原口大臣
はこの見直しを提案をされて、暫定三年とするにしても定義の拡大をするとの意見を表明をなさっていることは歓迎をしたいと思います。 今日、
地域
によっては更に深刻で、いわゆる限界集落どころか、むしろ集落の消滅という現象も出てきている、こういう
状況
にあります。過疎法は、部分的には合併前の旧市町村区域を対象にしておりますから、例えば私の地元の富山市であるとか、あるいは京都市だとか浜松市だとかという、こんなところも過疎
地域
に当てはまるわけですね。奇異な感じがいたしますけれども、しかし、大合併後も旧町村部は過疎に悩んでいる、そういう
地域
があるわけですからそういうことになるわけですが、よりそういう意味で精密に
地域
分析をしていただきながらこの対策を打っていただく、そして市町村を通じて支援を行うということが大事だろうと思うんです。 当初、この限界集落というものの概念は、むしろそういう集落をつぶすとの意図もあったやにお聞きをするわけですが、今は逆で、耕作地の放棄であるとか山林の荒廃、そこから起こる崩落やあるいは土砂災害であるとか、あるいは分校や
保育所
の閉鎖、公的
サービス
の撤退などの悪循環を食い止めて、集落の維持、復元を図っていかなきゃ、長年続いてきたそんなところが経済効率で消されていく、こんなことがあってはならないということだろうと思うんですね。
総務
省の定住自立圏というこういう切り口も、周辺部を切り捨てて中心部に移動、集中させようというんであったとすれば、これは全く集落消滅対策になってしまうわけでありますから、そうあってはならない。集落を単位に維持して支援をする仕組み、これをどのように今の段階でお考えか、お伺いしたいと思います。
国務大臣(原口一博君)(原口一博)
34
○
国務大臣
(
原口一博
君)
委員
はまさに集落の問題としてこの間過疎もとらえてこられて、この
考え方
はとても大事だと思います。 昨日、私、
総務
省の中で指示をしたんですが、私
たち
は基礎
自治体
中心主義と言っています。しかし、その基礎
自治体
の中でも各歴史的なつながりの深い共同体、もうヨーロッパではその共同体の意思をどのように基礎
自治体
につなげるかという
制度
ができています。そういったことが検討の中で行われるべきだというのが一つ。 もう一つは、今
委員
が
お話し
のように、やはり切れ目ない過疎対策ですね。これは議員立法でやってくださっていますが、来年の三月にそれが切れます。これを切ることが絶対あってはならない。そして、もっとソフトや
平成
十七年国調を反映した、そういうものにしなければならないというふうに思います。 特に、市町村の集落支援員による集落点検の実施や集落の在り方についての話合い、あるいは過疎債や辺地債等による道路や上下水等の生活
環境
の整備、こういったことをやっていますが、いずれにせよ、
地域
から豊かさや
地域
から富を奪う
システム
、それそのものを変えていかなきゃいけない。 社民党さんは固定価格の買取り
制度
を前面に出しておられます。まさにエネルギーの在り方そのものを変えることによってお金の動きを変えていきたいと、このように考えておりますので、御
指導
をよろしくお願いいたします。
又市征治君(又市征治)
35
○又市
征治
君 今おっしゃったように、過疎法、まあソフト事業への起債対象の拡大をどうするかという問題、これが今後出てくると思うんです。今もお話ございましたが、我が党は、過疎集落のやっぱり公共交通への支援であるとか、巡回医療や介護、あるいは公益
サービス
の存続の人的な保障であるとか、山林の荒廃による災害を予防する雇用
政策
だとか、こういうソフト面での集落保全策というものを提案をいたしております。是非ともこういうものを取り入れていただくようにお願いしたいと思いますが、ただ、過疎法だと
地方
債なわけですから、後年度のやっぱり
交付税
の先食いという意味では、これは臨財債と同じ欠陥を持つということが出てまいります。 ソフト事業の本筋は、これは前にも述べたように、
交付税
制度
においては基礎的需要、それによって小規模市町村の存立を保障すべきだ、こんなふうに思うわけですが、この点はいかがお考えでしょうか。
国務大臣(原口一博君)(原口一博)
36
○
国務大臣
(
原口一博
君) おっしゃるとおりだと思います。 今、過疎
地域
においては、生活扶助機能の低下、身近な足の不足、放置された空き家の増加、そういったことを考えますと、医師の確保や集落対策、生活の足の確保、山林の荒廃を予防する雇用対策などソフト面に使えるように、そして、そのために過疎債などを財源に、それを基金にして、まあ過疎対策基金といった名前なんでしょうか、そういうものを中心に、ソフト事業に使えるように、それを今党派を超えて御
議論
をくださるように、基礎的な材料を
総務
省としても今作成をさせていただいているところでございます。御
指導
をよろしくお願いいたします。
又市征治君(又市征治)
37
○又市
征治
君 それじゃ最後の
質問
ですが、
原口大臣
は、権力による番組規制に反対をする立場から、放送・通信法案作成作業の再検討に言及をされておりました。独立行政機関についても、規制色の強いアメリカのFCCモデルに固執をせず、今あるNHKと民放合同の
自主性
の高い審査機関であるBPOの仕事ぶりを評価をし、それを生かしていこうという方向性については、私はこれまでもこの
委員
会でも指摘をしてまいりましたし、歓迎をしたいと思うんです。 放送を、大企業の代表者だけではなくて、下請などの劣悪な制作現場、そして何よりも視聴者の
権利
、そして中立的な研究者などの意見を踏まえて、私はこの法案についてはじっくりと検討をすべきだろうと、こう思います。 この点についての御見解と、なお、これは言うまでもないことですけれども、改めて、前
政権
が行った番組への行政
指導
の乱発、こんなことは当然おやめになるんだろうと思いますが、その点についてもお伺いをしておきたいと思います。
国務大臣(原口一博君)(原口一博)
38
○
国務大臣
(
原口一博
君) 又市
委員
がおっしゃったとおり、私、検証戦争
責任
というシンポジウム、三年前にこれ、超党派でさせていただきました。そのとき、戦争に向かうときの一番怖さは言論が封じられるということでありました。権力がその言論を左右しない、あるいは言論に対して介入しないということは何よりも大事だということで、今回、言論の自由を守るとりでとなる組織の在り方について、幅広い人材、憲法学者、あるいは今おっしゃるような番組の制作の前線におられる方々、市民の代表、そういう方々に入っていただいて、一年間程度じっくり時間を掛けてやっていきたいと思います。 当然、番組への行政
指導
、この中で放送法の改正というのも私
たち
、修正の上、全会一致でやらせていただきました。まさに政治の一番必要な
民主主義
の基本である報道の自由を守るということを念頭に頑張ってまいりたいと思います。 ありがとうございます。
又市征治君(又市征治)
39
○又市
征治
君 ありがとうございました。 終わります。
委員長(佐藤泰介君)(佐藤泰介)
40
○
委員長
(
佐藤泰介
君) 両件に対する本日の
質疑
はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。 午後三時五十分散会