○
参考人(
蟹江憲史君) ありがとうございます。東工大の
蟹江と申します。(
資料映写)
COP15とポスト
COP15へ向けた
日本の外交
政策のあり方というタイトルにさせていただいておりますけれ
ども、今、来月行われる
COP15へ向けていろいろな
議論がなされていますけれ
ども、いろいろな報道を見ていますと、余り
COP15で議定書、次の議定書ができるというところまではいかない方向になりそうだということは大分明らかになってきているかと思います。ということは、そろそろ
COP15の先、ポスト
COP15、恐らくこの問題はあと一年ぐらいは
議論されていくと思いますし、ヨーロッパなんかでは
COP15では決まらずに
COP15から始まるんだという
認識が強まっていると私は
認識しています。ですので、ポスト
COP15を含めて、今後
日本がどうあるべきかということについてお話をさせていただければと思っております。
国際・地球
温暖化問題に関する
調査会ということでお呼びいただきまして、本当にありがとうございます。
私自身の
認識ですと、先日、ちょっと新聞の方にも書かせていただきましたけれ
ども、
国際的な問題として
温暖化問題はもうとらえなければいけないというふうに考えております。特に、冷戦が終わってからいろいろな
国際秩序の模索というのがなされていますけれ
ども、
気候変動の問題というのは、この
国際秩序の今後の方向性を決定付けるような非常に重要な
課題であるというふうに考えております。そういう
認識の下で、今後の、これからのお話を始めさせていただきたいと思っています。
私は、バックグラウンドは東工大というところにおりますけれ
ども、私、専門は
国際政治、
政治学が専門でして、東工大の中ではマイノリティーなんですけれ
ども、
国際政治という側面から見て
気候変動がどうとらえられてきたのかということをちょっと歴史的に振り返ってみますと、
気候変動に限らず、環境問題あるいは地球環境問題というのはずっと余り、それほど重要な問題とは考えられていなかったと。九二年のリオの地球サミットのときにようやく、アジェンダ21という言葉にも表れているように、アジェンダとして、
課題として、
国際的な
課題として上がってきましたけれ
ども、その
程度の問題だったわけですね。それが大体今から二十年、十五年ぐらい前のことだと思います。
ということを見ていくと、安全保障上の重要な
課題がのしてきたときにはどうしても環境問題というのは重要視されていないというのが
政治的な現実だったかと思います。例えば二〇〇一年ですか、ヨハネスブルクで地球サミット、十年目のサミットが行われましたけれ
ども、そのときも当時のブッシュ大統領は来ませんでしたし、あのときは九・一一が起こった直後でしたので、どうしても安全保障の
課題に
世界は注目していて、環境で非常に重要な
会議、十年に一度の非常に重要な
会議でしたけれ
ども、ほとんど重要な決定はなされないということが過去の歴史だったかと思います。
ところが、この
状況が特に
温暖化問題に関して二〇〇五年ぐらいから変わってきたというふうに言っていいかと思います。例えばここに幾つか挙げましたけれ
ども、グレンイーグルス以来、
イギリスがやったグレンイーグルス以来、G8のサミットの中では非常に最重要
課題として
基本的に取り上げられてきておりますし、二〇〇七年には
国連の安全保障理事会で
気候変動の問題が
議論されています。それから今年も
鳩山首相が
演説した
国連の特別総会、それから二年前も
気候変動で
国連の特別総会が開かれると。それから、ASEANなんかを見ても、APECなんかを見ても、
気候変動が最重要
課題として取り上げられているという大きな違いがあります。テロとの戦い、相変わらず続いているわけですけれ
ども、それから北朝鮮の問題なんかもあるわけですけれ
ども、安全保障上の不安定な
要因がいろんな形で出てきているにもかかわらず、でも
気候変動がやっぱり重要だという位置付けに変わってきています。
それは、その理由はちょっとまた後ほど申し上げますけれ
ども、この問題、本当に地球の構造を変える、地球、
国際政治の構造を変える問題という
認識がいろんな国のリーダーで
認識されているということが大きな
要因かと思います。その違いを
一つ、
COP15を迎えるに当たって我々
認識しておく必要があるかと思います。
それからもう
一つは、科学と
政治が非常に緊密なインタラクションを持っていると。先ほど
浅岡先生の話からも、
中期目標の
議論、今
日本で行われている
中期目標の計算の
議論がありましたけれ
ども、ああいうところに表れていますように、科学的なデータというものと
政策的な決定、
政治的な決定というのが非常に強く関係していると。ということは、科学の側に
政治の
影響が及ぼされてきておりますし、逆に科学の
影響が
政治的な決定にも
影響を及ぼしているということが、いい悪いは別として、
一つ大きな特徴としてとらえておくべき事柄ではないかなと思います。
今し方申し上げました二〇〇五年ぐらいから
気候変動の問題というのが
世界的にとらえられ方が変わってきているのではないかという変化の理由ですけれ
ども、二つ大きな理由があるかと思います。
一つは、
気候変動の
影響、あるいは
気候変動の
影響とはっきり言えないまでも、これ
気候変動の
影響と言っていいんじゃないかと言われるような様々な現象が表面化してきているということです。具体的な事例は先ほど
浅岡さんの方からもう御紹介ありましたので、特に詳細は言いませんけれ
ども、そういう
一つの象徴的な話というのが、
IPCCがノーベル賞を取ったり、あるいはアル・ゴアさんの「不都合な真実」が
IPCCと一緒にノーベル賞を取ったりということが大きな象徴的な出来事だったと思います。いろいろな
影響があって、それがメディアによって
温暖化の
影響ではないかという形で我々に伝えられ、そしてそれが
人々の
認識になっているということですね。それが
一つの変化ですけれ
ども。
もう
一つ大きな変化、より大きな変化は、
政治の側で事の重大性というのを
認識を強くしているということが挙げられるかと思います。
実はこの
課題というのは、エネルギーの問題、
気候変動
対策をするということはエネルギーの問題に非常に強くかかわっていますし、それから
技術革新の問題に強くかかわっているということが言えるかと思います。
気候変動というのは、我々がエネルギーを使った結果として地球が
温暖化していって
気候変動が出ていくという結果の部分の現象ではありますけれ
ども、では
気候変動
対策をどうするかということを考えると、逆に何を使うかというところを考えなければいけないわけですね。
そうすると、今までは化石燃料を使うことに制約がなかったので、いかに化石燃料を得るかということでその
国際的な勢力争いというのも決まっていったということがありますけれ
ども、今度そのエネルギー、特に化石燃料ですね、今まで使っていた化石燃料に制約が掛かる、使えなくなっていくということになっていくと、新しいエネルギー源を使わなければいけないということになります。そうすると、その新しいエネルギー源をめぐって
国際的な戦略争いというのが今まさに起こっているということだと思います。
それから、新しいエネルギー源を使うためにはそれなりの
技術が必要だと。今
技術がない状態で使うと非常にコストも掛かるので、
技術も普及させていくことも必要だということで、エネルギーを、どういうエネルギー源を使うかということと
技術革新をするということが非常に密接にかかわってくると。その
技術ができれば、
途上国に非常に大きなマーケットがありますので、そこに売っていくこともできる、そうすると国が今後長期的に発展していく戦略にもつながっていくということで、
国際的な戦略の問題と非常に強くかかわっているということだと思います。エネルギーと
技術の問題がかかわっているというのが、この
温暖化が
国際課題として重要になってきているという非常に大きな理由かと思います。
したがって、その
制度的な
枠組みを決めるような
COP、まあそこで決まるとはまだ分からないですけれ
ども、
制度的な
枠組みを決める足掛かりとなりそうな今度のコペンハーゲンの
会議というのが非常に重視されていると。それがゆえに、各国の首脳も六十五か国ぐらい、既に首脳が行くというふうに言っていますけれ
ども、我々
COPをずっと見ていまして、これだけ首脳レベルが集まるのは初めてですし、非常にある
意味異様な、
温暖化の問題としての
国際会議としては異様な光景になるんだと思います。ただ、それだけ各国、首脳レベルの
課題と
認識しているということが言えるかと思います。
その
COPは、
COP15を足掛かりとして決められるであろう次期
枠組みですけれ
ども、大きく言って求められる要素はここに書きましたような五つ
程度、大きな要素があるのではないかと思います。
一つ目は、長期
目標ですね。先ほ
ども御紹介ありましたけれ
ども、
世界レベルでは、例えば二〇五〇年
半減ということを既に
日本も二年前ですか、から言っております。それから、
先進国としてはその中で、二〇五〇年八〇%
削減、あるいはそれ以上の
削減が必要だというようなことですね。
これは、例えば今ある
京都議定書の
目標なんかと違って、
政治的な
拘束力というのは特に考えなくてもいいものだと思います。というのは、幾ら
拘束力を掛けても、我々、二〇五〇年まであと四十年もありますので、そのときにどうかということは、当然今の
政治家の皆さん方も責任を取れないでしょうし、逆に時間のギャップというのがあるので、
拘束力を持たせるということが難しいと思います。ただ、その長期的な
目標というのは、我々が進んでいく方向付けをするという
意味で非常に重要だと思います。企業なんかもそれに向けて努力をしますし、我々
人々の意識もそれによって変わってくる。そういう
意味で、長期
目標を定めておくというのが
一つ目の重要な要素かと思います。
それから二点目ですけれ
ども、それに対して、それに対してというか、そこに導く道筋としての二〇二〇年の
中期目標と言われているものですね、それから、その
中期目標をどう配分するのかという問題を検討しておく必要があるかと思います。
どう配分するかというのは、
先進国と
途上国の間でどう配分するかという問題もありますし、
先進国の間でどう配分するかという問題もあるかと思います。
先進国の間でどう配分するかという問題は、意外にも
日本ではそれほど余りまだ
議論されていないことだと思います。ただ、ヨーロッパなんかでは、この話、既に四、五年前から科学的な検討もどんどん進んでいますし、恐らくそういうものを素材として
国際交渉の俎上にものってくるものだと考えています。それに対する
対策を
国内で余りしていないというのは非常に不安を持つところではあります。
それから、この問題、もう
一つは、
先進国といったときにどこを
先進国に入れるかという問題ですね。既に韓国であるとかメキシコはOECDの国に入っていますけれ
ども、今の
国連のカテゴリーの中では発展
途上国のカテゴリーに入っていると。そういう国を、じゃ、どう入れるのか。それから、もっと長期的に考えて、どういうレベルに発展が達したら
先進国になっていくのか、そういう問題も併せて考えておくべき
課題ではないかと思います。
それから三点目ですけれ
ども、
途上国の
削減努力とインセンティブとしての
資金メカニズム。先ほど
浅岡さんの方からも
資金メカニズムは非常に重要だということをおっしゃっていましたけれ
ども、その
資金の問題ですね。
資金の量もそうですけれ
ども、どうやって
資金を
移転していくのか、こういうことも
課題に入ってくるかと思います。
それから、
途上国の義務ということを考えて、義務あるいは
途上国の
削減努力ということを考えていったときには、どうやって長期的に、最初にこの一番で挙げた二〇五〇年
半減ですか、
世界で
半減するという道筋にどう
途上国を導いていくのか、あるいは
途上国がどうそこに到達するのか、そういう長期的視野を持って考えていく
課題ではないかと思います。
ですので、今
COP15に目指してという話をしていますけれ
ども、最初にポスト
COP15もというふうに申し上げたのは、その次ですね、二〇二〇年で
温暖化の問題終わるわけではないので、二〇三〇年あるいは二〇四〇年にどうつなげていくか、そういうことを考えた上で
途上国の約束ということを考えておく必要があるのではないかと思います。
基本的には、
先進国もそうですけれ
ども、いきなり義務を負えという形を取ってきてはいません。
気候変動枠組条約の中では、
先進国はまず
拘束力のない
目標を設定して、それができなかったときに、じゃ
京都議定書を作りましょうという流れになっています。同じことが恐らく
途上国にも当てはまるのではないかなと思います。まず、何らかの努力をしてもらいましょうと。
ただ、そこで重要になってくるのは計測、報告、検証ですね。我々MRVというような言葉で短縮して呼んでいますけれ
ども、
途上国における、計測して報告して検証できるようにしておくと。もしできなかったとき、
目標を、
途上国が努力をしているけれ
どもさほど
削減できないというときには、じゃ次のステップを考えましょう、そういうステップ・バイ・ステップでアプローチしていくことが大事ではないかなと思います。
それから四点目は、
途上国への
資金ですね。先ほど具体的な数値出ていましたけれ
ども、
資金をどうするかというのは非常に重要な
課題かと思います。これは、
途上国にとっては参加するインセンティブにもなりますし、
資金を提供することによって
途上国から妥協を導き出すという外交上の
一つの、何というか、持ちごまということにもなるかと思います。
資金の問題だと、えてして
目標であるとか、二〇二〇年の
目標、二〇五〇年の
目標といった
先進国の
目標削減量とは離れて考えられる傾向があるかと思いますけれ
ども、もう少しその辺は結び付ける必要があるのではないかと私自身は考えております。というのも、
先進国で
排出削減をするときに、より費用対効果が高い
削減をする場合どうするかということを考えたときに、じゃ
途上国にやってもらった方が安い、安くてたくさんの量が
削減できる、だから
途上国にお金を出しましょう、こういう論理が成り立つかと思います。ですので、自国でやるよりも安いから
途上国に
資金を流そう、こういう発想で、
目標とこの
資金の問題、結び付けて考えることが大事ではないかなと思います。
それから、最近は余り語られなくなっていますけれ
ども、セクターですね、産業界とかセクターとの連携を取るということが非常にもう
一つ重要ではないかと思います。
国際政治の動向を見ていますと、グローバル化に伴って企業の
役割であるとかNGOの
役割、期せずして両サイドにお二方いらっしゃいますけれ
ども、の
国際的な
役割というのが非常に重要になってきているということは明らかだと思います。であるとしたら、国ですべてをやろうとするのではなくて、そういうNGOであるとか産業界であるとか、そういう力を借りながらパートナーシップという形で新たな
枠組みをつくっていく、そういう発想が大事ではないかなというふうに考えております。
これだけの内容を次期
枠組み、もっと細かく言えば
技術的にはいろいろ更に分かれていく点がありますけれ
ども、それを多国間で
合意するのは難しいんじゃないかというふうにお感じになる方もいらっしゃるかもしれませんけれ
ども、実は多国間
交渉というのは、これだけの多様な
争点、多様な利害関係があるがゆえにいろんな
役割があって、逆に
合意がつくりやすいというふうにも言われています。ですので、その辺をいかに組み合わせるかというところで外交力が問われてくるのではないかなと思います。
先ほどの
途上国の努力ということに関連しまして、既に発展
途上国も、自主的にほかの国に先んじて
目標を設定している国な
どもあります。中国も恐らくコペンハーゲンでは数値を具体的に出してくるのではないかなと私は考えています。インドネシア、ブラジル、韓国な
どもそれぞれ
目標の数値を出してきています。そういうことで、それぞれの国が何かほかの国と違うことをやろうということで、この問題、イニシアチブを取ろうという中に我々いるということかと思います。
一方、
日本の評価ですけれ
ども、ここでは三点に絞って述べさせていただきます。
一点目は
目標の検討ですけれ
ども、やはりこれまではほかの国の動向を見てから対応していたと。非常にリアクティブな対応であったと。それを考えると、今回の二五%
削減というのをどんと打ち出したというのは非常に
国際的にも好意的に受け取られていますし、ある
意味、
日本のBAU、ビジネス・アズ・ユージュアル、成り行きシナリオと我々呼んでいますけれ
ども、その
政治の成り行きシナリオを超えた
政治的なイニシアチブとして非常に評価してよいんじゃないかなというふうに考えております。
ただ、その
目標検討へのアプローチ、どうやって
目標を考えるか、それからどうやって国の間の
目標を変えていくか、
日本と
アメリカ、
日本と中国、
日本とヨーロッパ、それぞれがどういう
負担をするのが公平かという
考え方に関しては、余りにも
削減のコストということを強調し過ぎていると。今回の再計算もそうですけれ
ども、
日本の中にいると、コストがすべてなのかというような誤った印象を持ってしまいがちだと思います。
一方、
国際交渉の場に行くと、例えば責任ですね、
先進国は責任ある、
途上国はどういう責任を負えばいいのかであるとか、あるいは
削減能力ということがむしろ重要視されて
議論されていると。そういうことへ対応しておかないと、今後
日本は、
国際交渉に行っても結局対応できずに戻ってきてしまうというので、
京都のときと同じような最後
交渉にもつれ込まれてしまうのではないかという懸念を抱いております。
それから、
資金の問題ですけれ
ども、
資金はかなり額としては出すという国が
日本ですけれ
ども、かなり二国間の
資金援助が主体になっていたりして、
国際的な
制度構築に結び付いていないと思います。あれだけのお金を出すのであれば、もっと
制度をつくるために労力を投じてもいいのではないかなと思います。我々の
資金が有効に活用されるような多国間の
仕組みをつくる、そういう
動きがどうも余り見られないというのが、残念ながら今までの
日本の
取組の評価ということかと思います。
目標に関しては、
国際的には残念ながら、例えばバリの
COPでは全然
目標、ポジション持っていかずに、このポスターはいろんなところで見られましたけれ
ども、
日本が沈むタイタニックの主役の一人になっているというような皮肉を
国際的なNGOから浴びせられたりしています。こういうとらえ方が残念ながら
日本の現実だったというふうに言わざるを得ないかと思います。それがあったから福田首相は、その後
日本も
目標を設定するということを言ったということですね。非常にリアクティブな対応の象徴だったというふうに言えるかと思います。
こういうことを考えて、今後の
COP15あるいはビヨンド
COP15、
COP15のその先へ向けた
課題ということを考えますと、時間が大分なくなってきましたので要点だけ申し上げますと、
一つは、その
気候変動を外交
政策の軸として位置付けることが重要ではないかなというふうに考えます。エネルギーの問題に関連している、それから
気候変動の
影響も大きいということを考えると、この問題がかなり長期にわたって
国際政治の重要な柱となっていく、
国際的な勢力争いの非常に重要なかぎとなっていくということが考えられます。そういう
認識を持って外交、
気候変動の問題を位置付けるべきだというふうに思います。
それから、二点目ですけれ
ども、今までのBAU、成り行きですね、を超えるような
削減をしなければいけないというのが
気候変動の問題であるとしたら、
政策の側、あるいは
政策形成も今までの成り行きを超えなければいけないということだと思います。そういう
意味では、もう少し、今ちょうど
政権交代でいろいろと言われていますけれ
ども、
政治主導で外交
政策、外交
交渉というのをイニシアチブを取っていっていいのではないかなというふうに考えます。
例えば、
アメリカなんかでも、
交渉の
リーダーシップを取っている方は
政治的にアポイントされた新たな
交渉担当官なわけですね。彼らは非常に
気候変動に関して精通していて、前のクリントン
政権のときに
交渉をしていて、
ブッシュ政権のときにはNGOで
活動していて、その人
たちがまた
気候変動
交渉に出てきていると、非常に
国際的にも認知された方々であると。そういう方々が
交渉していると、やっぱり
アメリカであれ
発言の重みが出てくるわけですね。そういうことも
日本もそろそろやってもいいのかなという感じがします。
それから、新たな問題へのリンクですね。今までの
交渉の流れを見てみますと、
交渉がどうも行き詰まり状態にあると。これを打開するには、例えば
数値目標と
資金援助をリンクする、あるいは大気汚染と
気候変動の問題をリンクする、あるいは
資金援助と多国間の
制度設計のリンクをする。新たなリンクを見出すことによって、問題間のリンクを見出すことによってイノベーションをしていくということが考えられるのではないかと思います。
それから四点目、これは先ほ
ども申し上げましたけれ
ども、
国内の論理にこだわらない外交というのが重要ではないかと。これまでは環境省、具体的には環境省それから経産省のパワーゲームでこの
気候変動の
国際的なポジションも決まっていったと言って過言ではないかと思います。ただ、そうしていると、この公平性論議、
中期目標の論議にも表れているように、非常に
国際的には不自然な
議論がなされるという結果になってしまうかと思います。
国際的な公平性の論議も三つ大きな
考え方があるにもかかわらず、
日本は実効性、実効性、実効性、
削減ポテンシャルだというところでごり押しをしているわけですね。ただ、そのごり押しは
国際的には通じない。
国際的に通じないとなると、またそれを
国内に持ち帰ってどうしようということになっていくわけですね。そういうリアクティブな外交ではなくてプロアクティブ、率先してほかの可能性も見ながら
国際交渉に備えるという態度が必要なのではないかなと思います。
時間が過ぎましたので、以上で終わりにしたいと思います。
どうもありがとうございます。