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2009-11-19 第173回国会 参議院 外交防衛委員会 第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成二十一年十一月十九日(木曜日)    午前十時開会     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         田中 直紀君     理 事                 喜納 昌吉君                 佐藤 公治君                 山根 隆治君                 佐藤 正久君                 山本 一太君     委 員                 犬塚 直史君                 大石 尚子君                 北澤 俊美君                 榛葉賀津也君                 徳永 久志君                 岸  信夫君                 島尻安伊子君                 西田 昌司君                 舛添 要一君                 浜田 昌良君                 山口那津男君                 井上 哲士君                 山内 徳信君    国務大臣        外務大臣     岡田 克也君        防衛大臣     北澤 俊美君    副大臣        外務大臣    武正 公一君        国土交通大臣  辻元 清美君        防衛大臣    榛葉賀津也君    大臣政務官        防衛大臣政務官  楠田 大蔵君        防衛大臣政務官  長島 昭久君    事務局側        常任委員会専門        員        堀田 光明君    政府参考人        外務大臣官房審        議官       羽田 浩二君        外務大臣官房参        事官       石兼 公博君        外務省総合外交        政策局軍縮不拡        散・科学部長   佐野 利男君        外務省北米局長  梅本 和義君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○政府参考人出席要求に関する件 ○外交防衛等に関する調査  (普天間飛行場移設問題に関する件)  (アフガニスタン支援に関する件)  (北朝鮮政策に関する件)  (ソマリア沖アデン湾における海賊対策に関  する件)  (憲法解釈に関する件)  (核廃絶に関する件)     ─────────────
  2. 田中直紀

    委員長田中直紀君) ただいまから外交防衛委員会を開会いたします。  政府参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  外交防衛等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として外務大臣官房審議官羽田浩二君外三名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 田中直紀

    委員長田中直紀君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  4. 田中直紀

    委員長田中直紀君) 外交防衛等に関する調査を議題といたします。  質疑のある方は順次御発言願います。
  5. 山本一太

    山本一太君 今日は、野党議員として初めて質問に立たせていただきます。  岡田外務大臣のお顔を見ていると、七、八年前だったと思いますが、私が主宰している政治セミナー、正確に言うとラジオ番組も一緒だったんですが、その政治セミナーの企画でゲストとしてお迎えをしていろいろと話をさせていただいたことを今思い出しました。大臣のいろんな御議論、当時たしか民主党幹事長代理でいらっしゃったと思いますが、御議論を聞きながら、こんなに誠実でまじめな政治家には会ったことがないと思いました。その印象は私まだ変わっておりません。ですから、今日は岡田大臣らしい真摯な答弁をいただきたいと思います。  また、北澤防衛大臣外交防衛委員会で大変長い間お世話になりまして、筆頭理事のころはいろいろと委員長にも振り回されたりもしましたけれども、今日は大臣ということで、私が質問をする立場になりましたので、そこはまた北澤大臣らしい、分かりやすくてハートのある御答弁をいただきたいと、そのことを最初に求めておきたいと思います。  まず、質問をさせていただく前に、両大臣にお聞きをしたいことがあります。  今朝の朝刊、幾つかの新聞、朝日新聞は一面だったと思いますが、こういう記事が掲載されていました。先般の鳩山総理オバマ大統領との首脳会談の席で、鳩山総理オバマ大統領に対して、この普天間移設の問題を議論している際に、トラスト・ミーと、私を信頼してくださいと、こういうふうに話していたことが外交筋の話で明らかになったと、こういう記事が掲載をされておりました。  外務大臣首脳会談に同席をされていたわけですが、私は、共同記者会見の中でいろいろと両首脳お話も聞き、首脳会談の中で、鳩山総理は選挙の際に県外移設を訴えたということもオバマ大統領説明をし、沖縄県民の期待が高まっていることも説明をした上で、しかし、これまでの合意は非常に大事だと言い、さらには早く解決をしなければいけないと言い、さらにはこういう問題は引き延ばすと解決が難しくなるということを言い、最後トラスト・ミーと言ったと。なかなか報道では出てこないいろんなやり取りがあったのかもしれませんが、これ合わせて間違いなく一本だと思うんですね。  私がオバマ大統領だったら、この鳩山総理トラスト・ミーを聞いたときに、これまでの現行案自分がまとめるから任せてくださいと、こういうふうにしか取れないと思うんですけれども。その後の鳩山総理発言等々を聞いてみて、鳩山総理発言、ころころ変わります。非常に総理として軽い発言だと思いますが、この報道を受けて、オバマ大統領がこの現行の案を軸にこれから作業部会をつくっていくと発言をしたと、これは私は自然な流れだと思うんですが、このことについて、この報道を見て、外務大臣防衛大臣がどういうふうにお感じになるか、まずそれをお聞きしたいと思います。
  6. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) 幾つかの新聞が今委員が言われたトラスト・ミーということについて報じているやに聞いておりますが、会談中身について、それは外務省としてあるいは政府として表に発表している以上のものを、私がそういうことがあったかなかったかということも含めてコメントすることは適切ではないと考えております。
  7. 北澤俊美

    国務大臣北澤俊美君) 私は残念ながら今朝の新聞を十分見ておりませんのできちんとしたことはお答えはできませんけれども、今の新聞記事につきましては、今日、山本一太先生以下そうそうたるメンバーが御質問なさいますので、その準備に追われておりまして、その合間にいささか概要をお聞きしたと、こういうことでありますが、今外務大臣が申されましたように、首脳会談中身をつまびらかにすることは私の立場としても適切でないと、こういうふうに思っておりますが、今、山本委員がおっしゃった方向大づかみにしてどうだと言えば、ほぼ間違いないところかなというふうに感じております。
  8. 山本一太

    山本一太君 今、北澤防衛大臣らしい大変率直な御答弁でしたが、ちょっと確認をさせていただきたいと思います。  大づかみで言うと間違いないという意味は、もう一度お聞きしたいんですけど、どういう意味でしょうか。恐らく、トラスト・ミーと言ったんじゃないかと、その会談の中でオバマ大統領に、これは現行の案で合意をする、自分がまとめると、そういう印象を与えたに違いないと、そういう意味でしょうか。もう一度ちょっと御答弁をお願いします。
  9. 北澤俊美

    国務大臣北澤俊美君) 私の申し上げたのは、会談雰囲気の中でお互いがかなり信頼感の高い関係を構築しつつあると、そういうことで申し上げたわけです。
  10. 山本一太

    山本一太君 最初の御答弁とちょっと後退したんですけれども。  今、防衛大臣がおっしゃった、会談の中で信頼関係が構築しつつあったと、構築されたということですが、これはつまりオバマ大統領に、今、作業部会も始まったわけですが、この普天間移転については現行日米合意を基に行われるんだと、こういうことをオバマ大統領に感じさせる、確信させる、そういう雰囲気だったと、こういうことでいいんでしょうか。
  11. 北澤俊美

    国務大臣北澤俊美君) 私が申し上げているのは個別具体的なことを言っているんではなくて、何度目かのお二人の会談の中から信頼関係が醸成されているんだなということを私として感じたと、こういうことを申し上げておるわけです。
  12. 山本一太

    山本一太君 北澤大臣らしくなく、よく分からない、よく意味の分からない答弁だったんですけれども。  この件については、首脳会談中身について正式に外務大臣としてコメントできないということは分かりました。  それでは、ちょっとその件に関して別の質問をさせていただきたいと思います。  私は、この二か月、岡田外務大臣のいろんな御発言、テレビでの御発言あるいはいろんな記者会見での御発言、さらにはこの委員会答弁、こういうものを拝見し、またお聞きをする中で、一つどうしても論理的な岡田大臣とは思えない、納得のいかない、違和感を感じざるを得ない、そういう独特の理屈があるんですね。それは、今もお話がありました。今、日米間の最大懸案はこの普天間移設の問題です。これ、日米同盟の根幹にもかかわる重要な問題だと思います。これについて、これは鳩山総理が余りにも毎日のように発言ニュアンスを変えるということもありますけれども、これについて鳩山総理岡田外務大臣北澤防衛大臣見解が違うと、内閣の中で足並みの乱れがあると。  これについていろんな委員会岡田大臣指摘をされて、岡田大臣が展開されている持論は、いや、これはいいんだと、自民党政権の時代は官僚主導で下から積み上げてきたから大臣見解はみんな同じだったと、だけど、民主党政権になったら政治主導だから、決着するまではいろんな大臣にいろんな考えがあって別にばらばらでもいいんだと、これは今までのやり方に慣れているからそう思うんであって、十年、二十年やってきたからそう思うんであって、しばらくたてば、国民も別に大臣が違うこと言ったところでこれはこういうものなんだと思うと。つまり、これはむしろ望ましい姿なんだみたいな話をされているんですが、これについて大臣の真意を改めて伺いたいと思います。
  13. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) まず、前提として、私と北澤大臣、あるいは総理、その間に考え方が違うということは基本的にありません。意思疎通は不断にやっておりますので、基本的な考え方に違いはない。勝手にそれぞれが言っているわけではないということを申し上げた上で、しかし物事がきちんと一定の合意に達するまでの間は私は幅があっていいというふうに思っております。まだきちんと決まったわけではもちろんありません。決まれば……(発言する者あり)ちゃんと聞いてください。(発言する者あり)委員長答弁できません。
  14. 田中直紀

    委員長田中直紀君) ちょっと静かにしてください。不規則な発言は控えてください。  では、大臣、お願いします。
  15. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) 私、丁寧に答えようと思ったんですが、ちょっと紋切り型で答えます。  記者会見でも申し上げておりますが、記者の皆さんもいろいろ聞きます、いろいろなところでいろいろなことを聞かれますが、私はなるべく誠実にと思っております。その結果として、幅が若干ある段階ですから、そのニュアンスに違いが出ても私は構わないと。もしそれを避けようとしたら結局何も発言しないということになりかねない、そういう問題だと思います。国民に対してなるべく情報開示していく、説明していくということを考えれば、多少のリスクはあっても、私は違いがあってもそれはやむを得ないことだと思っています。
  16. 山本一太

    山本一太君 いや、今のは岡田大臣とは思えない私はお答えだと思うんですね。  まず、総理岡田外務大臣との間に違いはないと。違いがあるんです、違いがあるんです。まず、岡田外務大臣北澤防衛大臣年内決着をさせたいと何度もおっしゃっています。北澤大臣は、予算を計上するためにできるだけ早く決着したいというふうに言っています。この間始まった作業部会でも、日米の間で早期の決着について合意をしたという報道もなされています。  岡田大臣は、嘉手納統合案については提案をされていますけれども、県外については難しいとおっしゃっています。鳩山総理は、まだ県外可能性について否定されていません。これ、どこが同じなんでしょうか。年末までに決着するということもおっしゃっていません。  そして、岡田大臣は、嘉手納統合案は地元の反対もあってなかなか狭い道だと、なかなか難しいかもしれないと、しかも日米の過去の合意白紙にするということはなかなかできないと言っていると。鳩山総理は、記者との懇談、ぶら下がりのインタビュー等々で、日米合意前提にしないと言っている。日米合意前提にしてもしワーキンググループをつくるんであれば、作業部会は必要ないと言っているんですね。  どこが同じなのか、ちょっと是非お答えいただきたいと思います。
  17. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) それでは一つ一つお話ししたいと思います。  まず、私はできるだけ年内に、予算のことを考えればというふうにお答えをしています。ただ、ほとんどの場合、そのときにそれだけを言っているのではなくて、しかし最終的には総理が決めるとおっしゃっている、少なくとも内閣として決める問題だ、私自身一人で決める問題ではない、したがってはっきりとしたことは申し上げられないということは必ず言っております。報道はそのうちの一部を切り取って報道していることはあるかもしれませんが、いろんな会見録、議事録見ていただければ、私はそういう言い方をしているということはお分かりいただけることだと思います。したがって、総理と矛盾したことを、ニュアンスの違いはあると思います、それから受け取る側の問題もあると思いますけれども、私は年内に必ず決着させるということを言っているわけではありません。私の思いとして、なるべく年内にまとめたいと、しかし最終的に決めるのは総理であり、あるいは内閣であると、こういうことを言っているわけであります。  それから、嘉手納の問題は、私の現在の検証の対象に嘉手納をということで嘉手納の問題を言っているわけであります。そして、早く答えを出すという観点から見ると、県外というのは事実上難しいと私は思っているということでありますが、他の大臣がどういう提案をしているか、県外についてどういう考え方をしているかということについては、それはまた別の問題。私のそれは思いをまさしく述べたものであります。  日米合意白紙は難しいと。そこの日米合意というのは、これは要するに嘉手納移転、そして海兵隊の八千人のグアムへの移転、その結果としての基地の返還、そういうトータルとしての日米合意白紙にすることは難しい、完全に白紙にするということは難しいということを私は申し上げているわけですが、鳩山総理が言われた日米合意前提としないというのは、前提ということの意味にも、人によって受取方は違うと思うんですが、鳩山総理がおっしゃっているのは、今回のワーキンググループ議論で、もう最初からこの日米合意というものが変えられないという、そういうことで議論しているのではないと。それはそうだと思いますよ。変えられないという前提議論するなら議論する意味はないという総理言い方は、ある意味では私は論理的にはそういうことだと思います。  そもそもは、このワーキンググループ検証をやるとなっているんですね。日米合意のその検証をするということで、前提とするとかしないとか、ちょっと言い方は非常に難しいんですが、これを絶対変えないとか絶対変えるとかそういう次元の問題以前の問題として、どういうふうにして今の日米合意は成り立ったのかと、その経緯について検証をする。これはワーキンググループでありますので、前提とするとかしないとか、そういう余り議論に陥らない方がいいというふうに思います。
  18. 山本一太

    山本一太君 いや、もう一度申し上げますが、岡田大臣とは思えない答弁で、私よく論理性も理解できませんでした。  まず、大臣、いや、もう結構です、今の話は。今、大臣大臣ですから思ったことを正直におっしゃったのかもしれませんが、外務大臣としての自分気持ちを言っただけだと、自分外務大臣として十二月末までに、年内にやればいいと思っていると、しかし最後総理が決めると、しかし外務大臣としては自分気持ちを申し上げたと。大臣日本外交を担当する外務大臣なんですよ。大臣発言は重いんですよ。岡田大臣一言は電波に乗って世界を駆け巡るんですよ。大臣、そのことを是非しっかり胸に置いておいていただきたいと思います。  幅があってもいい。こんな日本にとって最も重要な同盟国であるアメリカとの最大懸案事項なんですよ。これについて日本がどういう発信をするかというところを内外の人たちが見ているんですから。私の思いを申し上げた、幅があってもいい、しかし最後総理が決める、十二月までにやれとは言っていないと、これは大臣、極めて無責任です。  それから、大臣、もう一つ申し上げますね。(発言する者あり)いや、無責任ですよ。大臣ね、いや、まだ、いや、まだ言わせてください。そうしたら、大臣ね、(発言する者あり)いや、いいんです、発言中ですから。それは委員長、待ってください、私が発言しているんですから。  大臣大臣一言で……(発言する者あり)
  19. 田中直紀

    委員長田中直紀君) ちょっと不規則発言は慎んでください。
  20. 山本一太

    山本一太君 大臣一言沖縄方々気持ちが揺れるんですよ。総理外務大臣防衛大臣の意見が違う。総理が今日言ったこととあした言ったこととニュアンスが違う。違う報道が出る。そのたびに沖縄方々は揺れるんですよ。困惑するんですよ。傷つくんですよ。  例えば、後で少し話題にしたいと思いますけれども、外務大臣がおっしゃっている嘉手納統合案、これ、大臣ワーキンググループを始めた、いよいよここで議論するということになりますけれども、これ、あいまいな姿勢を、態度を取って、外務大臣防衛大臣ですからね、日本外交と国防を預かる。あいまいな、総理と違う発言を繰り返して、そして、例えば、後でまたお聞きしますが、この間沖縄を訪問されて大臣が会われた例えば沖縄県知事とかあるいは名護市長とか、苦渋の選択で県内の移設を受け入れた方々は本当に何を信頼すればいいのかと思う。県外を言っている人たちは、岡田大臣がああいうふうに言っているんだから、北澤大臣もああ言っているんだから、いや、総理は違うことを言っているんだから、じゃ、県外移設が可能なのかと思うんです。これ非常に私、罪つくりだと思いますが、そういうことについては大臣、どう思われますか。
  21. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) まあ余り大声を上げて言うような中身の話じゃなかったと思いますが……(発言する者あり)
  22. 田中直紀

    委員長田中直紀君) 不規則発言は慎んでください。不規則発言はしないでください。不規則発言はしないでください。(発言する者あり)御静粛に願います。御静粛に願います。御静粛に願います。(発言する者あり)御静粛に願います。御静粛に願います。御静粛に願います。  答弁をいたします。(発言する者あり)御静粛に願います。御静粛に願います。
  23. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) 今の御質問ですが、私は、物事が決まるまでに各大臣が自らの信念に基づいて様々な発言すること、あっていけないという、そういうふうには思っておりません。(発言する者あり)
  24. 田中直紀

    委員長田中直紀君) 外務大臣岡田外務大臣、もう一言続けてください。
  25. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) ですから、委員の御指摘ですから、御質問ですから答えたわけですけれども、大臣発言総理と違う、あるいは大臣間で違うということは大変なことだとおっしゃいますが、私は、物事が決まるまでにいろいろな発言があるということは必ずしもそのことを、もしそれができないということになれば、大臣というのは発言できないということになるんじゃないでしょうか。(発言する者あり)
  26. 田中直紀

    委員長田中直紀君) じゃ、山本一太君。(発言する者あり)御静粛に願います。  じゃ、速記を止めます。    〔速記中止
  27. 田中直紀

    委員長田中直紀君) 速記を起こしてください。  質問者答弁者やり取りはしっかりやっていただきたいと思います。  その他の方々委員については、不規則発言は厳に慎んでいただきます。
  28. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) なるべく冷静にしっかりと中身議論したいと思っております。(発言する者あり)
  29. 田中直紀

    委員長田中直紀君) 速記を止めてください。    〔速記中止
  30. 田中直紀

    委員長田中直紀君) 速記を起こしてください。
  31. 山本一太

    山本一太君 外務大臣、私は元々、昔から歌も歌っていますし声が大きいので。中身については大臣に対して失礼な言葉遣い等々はしておりません。  ただ、さっき何で声が大きくなったのか。大臣言い方が余りにも人ごとだったと。沖縄県民方々大臣一言で、防衛大臣一言で、総理一言で本当に苦しんで迷っていると、不安に思っていると、そのことを申し上げたいために少し声が大きくなりましたが、大臣に真剣に質問をぶつけたいということで多少声の声量が大きくなっているだけで、声を大きくして言う話ではないと、そういう失礼な答弁はやめていただきたいと思います。外交防衛委員会、今までずっとやってきましたが、こういう答弁をされた大臣初めてですから、そこは是非気を付けていただきたいと思います。  それから、大臣、続けて、じゃ冷静に大きな声で質問させていただきたいと思いますが、大臣はこの作業部会の件について、これは検証をやる場所なんだというふうにおっしゃいました。それでは、この作業部会では、この普天間移設問題について結論は出さないんでしょうか。この作業部会で、例えば嘉手納にどのくらいの可能性があるのか分かりませんが、例えば嘉手納に変えるとか、あるいはまた、以前、北澤大臣がプラスアルファみたいなお話をしていたこともありましたが、全く別の案になるのか、それとも日米合意のとおり辺野古になるのか、これをこの作業部会の検討の結果決めるということじゃないんでしょうか。だから、鳩山総理もこの作業部会の結果は重く受け止めると言ったんじゃないでしょうか。この検証委員会普天間移設の問題を決めると、こういうことだと思いますが、いかがでしょうか。
  32. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) このワーキンググループの役割は、検証する、なぜ今の案になったのかというその経緯検証するということが主たる任務であります。その検証していく中で、場合によってはどういう案がいいかということに話が及ぶことはあるかもしれません。話が及べば、外務大臣防衛大臣、両国のトップが集まっているわけですから、何らかの結論というものに至るということは、それは考えられないわけではないと思います。
  33. 山本一太

    山本一太君 今の外務大臣答弁も大変重要なことをおっしゃっていると思うんですが、私は、この作業部会はこの普天間移設問題に結論を出すためにつくられたものだというふうに思っています。今のお話だと、そこに話が及ぶかもしれないと。じゃ及ばないかもしれない。もし結論が出なかったら何のためにつくったんでしょうか。当然これは協議しているこの四人の方々の間で方向性を出すと、結論を出すということで間違いないんでしょうか。
  34. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) ワーキンググループ自身検証を行うということでありますので、何といいますか、このワーキンググループ前提白紙に戻して議論をしているわけじゃないんですね。今の日米合意があるということを白紙に戻しているわけではないんです。日米合意があることを、ある意味ではそのことについて根本的に疑義を挟んでいるわけではなくて、その至る経過を検証するという言い方になっているわけです。  ですから、日本側としてこの日米合意に対してもう一回議論をし直そうということを言っているわけではないんですね、元々。きちんと経過を検証するところから始めようということですから。そういう役割を持ったワーキンググループです。したがって、まず検証をしっかりやるということなんで、そこはもう日米で完全に合意しているわけです。  しかし、その検証の結果何らかの結論が出れば、その結論として、両国の責任者が集まっているわけですから、今の普天間移転の問題についてそれをどうするということが結論として出される、そういう可能性は十分にあるというふうに思っています。
  35. 山本一太

    山本一太君 簡単に答えていただければと思うんですが、そうすると、大臣、この作業部会つくって結論が出ないという可能性もあるんでしょうか。
  36. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) 結論が出ないというよりも、日米合意に至ったそのプロセスについて、それは納得するかしないかという、そういう結論になるんだと思います。
  37. 山本一太

    山本一太君 本当に聡明な岡田大臣の御答弁なんですけど、よく私理解できません、今の大臣答弁。いずれにせよ、何らかの結論が出る可能性は十分にあるということですから、それを踏まえて御質問させていただきたいと思いますが。  さっき、大臣の個人的な思い外務大臣発言に個人的な思いというのはあるのかどうか分かりませんが、大臣としては年内決着をしたいと。そして、防衛大臣としてもこれは年内決着を図りたいと。そういう姿勢はこれは変わらないということでございましょうか。簡単で結構ですから。
  38. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) 予算のこと、その他、あと余り時間を掛けるべき問題ではないというふうに考えれば、年内決着した方がいいと私は思っております。ただ、何度も言いますように、最終的にはこれは総理がお決めになると言っておられますし、少なくとも内閣として私は決めるべき話だと思いますから、私のそういった思いと、これは個人的な思いというよりは外務大臣としての思いと受け取っていただきたいと思いますが、それがそのまま結果になるかどうかというのは現時点では明言はできないと思います。
  39. 山本一太

    山本一太君 結論が、何らかの結論が出される可能性が十分にあると。つまり、このワーキンググループとして鳩山総理に対して、日米で話合いをしました、検証しました、こういう方向でいったらどうですかと、こういう恐らく結論を勧告をするというのか、総理に提示をするということになるんだと思いますが。  外務大臣にお聞きしたいと思います。いろんな議論がなされて、恐らく、その方向性が決まる場合は、決まらなかったらつくった意味ないと思いますけれども、現在の辺野古案になると、このワーキンググループ結論が今の日米合意のとおり辺野古の移設で落ち着くと、こういう可能性はあるということですね。
  40. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) まだいろいろ議論をスタートしたばかりですから、余り予断を持たせるような言い方は気を付けた方がいいと思うんですね。私はそういう質問をよく記者から受けるんです。そこで論理的にはあるなどと答えようものなら、もう辺野古に外務大臣は認めたと、こういうふうに書くメディアが出てくるというのは、これ残念ながら今の日本のメディアの現実ですから。したがって、私は、そのことについては現時点ではコメントしないというふうに答えております。
  41. 山本一太

    山本一太君 これも大臣、ちょっと無責任な御答弁だと思うんですね。ここは別に新聞記者との懇談の場じゃありません。議会ですから、委員会ですから。  だって、ワーキンググループつくると、日本側は両大臣が参加する、相手側も恐らく最終のその合意に至るプロセスでは国務長官と国防長官が参加するんだと思います。これで話合いをして、この普天間移設についてどういう方向にするかということを決めると。大臣の言葉を借りれば、何らかのオプションが出てくる可能性が高いと。だから、それ、どうなるか分かりません、今からはっきり分からないと言いましたが、しかし、この結果、現行案になることもあり得るんですねと聞いているんです。可能性としては、もちろんそのオプションの一つとしてそういうふうになることはあり得るんですねと、委員会大臣の御答弁を求めているんです。
  42. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) 委員会の質疑は大事だと思いますが、同時にメディアも注目しておりますから、非常に気を付けた言い方をしなければなりません。論理的にはあらゆる可能性はあります。
  43. 山本一太

    山本一太君 論理的にはあらゆる可能性があると。辺野古案で落ち着く可能性もあるということですね。
  44. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) 論理的にはあらゆる可能性があります。
  45. 山本一太

    山本一太君 どうも今日はよく、いつもは非常にクリアな岡田外務大臣の御答弁中身、理解できないところが多いんですが。  北澤大臣にも改めてお聞きしたいと思うんですけれども、大臣、繰り返し年内決着をさせたいと、予算にきちっと計上したいとおっしゃっていますけれども、そのお考えは今でも変わりませんか。簡単で結構です。
  46. 北澤俊美

    国務大臣北澤俊美君) そのとおりです。
  47. 山本一太

    山本一太君 県外移設、これについては岡田大臣は、大臣思いとして、これよく分かりませんけれども、総理は言っていませんけれども、大臣思いとしてなかなか難しいだろうというふうに発言をされているわけですね。  一つお聞きしたいんですが、鳩山総理県外移転という選択肢を捨てていないと。民主党としてあるいは政府として、県外移設先、これについて具体的な検討をしたという、そういう実績はあるんでしょうか。
  48. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) 党としてそういうことがあるかというと、私もずっと党にかかわっていたわけでは必ずしもないんですけれども、私の記憶にはありません。
  49. 山本一太

    山本一太君 つまり、このワーキンググループで、大臣がおっしゃった、結論が出る、方向性が出る可能性も十分にあるこのワーキンググループで、例えば年内結論を出すとすれば、県外移設ということは理論的にはもう考えられないということだと思うんですね。今の時点で、県外にどこに移すかということさえ、民主党の中で、政府の中で検証していない。これはもう正直言って、ワーキンググループの中で県外という結論が出ることは、これはないということだと思います。  加えて、嘉手納統合の話があります、大臣がおっしゃった。この嘉手納普天間の機能を移設をする、統合すると、これはどのくらいの可能性があるというふうにお思いでしょうか。
  50. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) 数量的に非常に言うのは難しいんですけれども、ただ、私は、嘉手納ということが今まで何度か上がってまいりました、この十三年間で、日本側からも、あるいは米側からも。ということは、それなりの理由があって上がってきているわけで、なぜそういったことが、嘉手納という案が上がってきたのか、どこに問題があったのかということを検証したいということを申し上げているわけであります。
  51. 山本一太

    山本一太君 お二人のお話を聞いていますと、外務大臣防衛大臣思いとしては年内決着をさせなければいけないと。そして、鳩山大臣はこのワーキンググループ結論が出たらこれは重く受け止めなければいけないと。  年内ってあと一か月ちょっとしかありません。予算に計上しようと思ったら、あと一か月ちょっとでこの普天間の問題に決着を付けなきゃいけません。一か月ちょっとでまず県外移設するということは、これは不可能だと思います。  嘉手納の話ですが、この間外務大臣沖縄に行かれた。那覇の記者会見も見せていただきましたが、これは、嘉手納町長反対、地元はこの機能の統合には反対。大臣は現地の方の声に真摯に耳を傾けられたのだと思いますし、また、騒音問題が解決するということが前提だとおっしゃいましたけれども、嘉手納町長は、それはとても信用できないと、これは反対と。  この一か月ちょっとの間にワーキンググループ結論を出すとするとして、県外不可能、嘉手納の統合、この一か月ちょっとで地元の反対を説得して、御存じのとおりアメリカはこの案を検討してもう断念をしています、いろんな意味で、もう一々申し上げませんが、海兵隊と空軍の文化の差とか、なかなか機能を統合するのが難しいとか、いろんな話がありますが、これはできないと言っていると。  これ、年内決着をさせたいということになったら、これは大臣、辺野古で決着をすると、現行案決着をするという可能性が極めて高いということでしょうか。これまで大臣がおっしゃったこと、今までの流れからすると、ワーキンググループではそういう決着になる可能性が高いということでしょうか。お答えください。
  52. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) ワーキンググループとしては、先日第一回をやりました。これから様々な議論大臣ベースあるいは高級事務ベースでやっていくことになると思いますが、まだ始まったばかりですから、結論を先取りして言うようなことは避けるべきだと私は思います。
  53. 山本一太

    山本一太君 このワーキンググループは始まったばかりだと。少なくとも年内には決着を付けるということで日米のある程度の合意ができていると。これで大臣、辺野古に決着をするということになったときにどうやって外務大臣、責任取られるのかなと。嘉手納の問題は、それは大臣なりに誠実に考えてこういう、本当に嘉手納に統合できればいいと思っておられたのかもしれませんが、この案に固執をされていると。そして、まあうまくいかないかもしれないけど、嘉手納嘉手納とおっしゃっている。  これ、大臣がこれをやっていることで、あるいは鳩山総理見解が違うことで、県外移設を支持している人たちの間には大きな期待が広がっているんです。同時に、この間大臣沖縄に行かれて、知事やあるいは名護市長と会って、早くちゃんと決着を付けてくれと。やっぱりいろんな思いがある中で、普天間をとにかく移設をすると、この危険性を除去するためには県内移設をこれは受け入れざるを得ないと苦渋の決断をした方々は一体どうするつもりなんだろうと思っているんですね。  これで大臣、これだけいろんなこと、何か知りませんけど、幅があるから、総理外務大臣防衛大臣は幅があってもいいと、そのたびに沖縄人たちは揺れ動いて、反対派と支持派の人たちはそれぞれ期待を持って、不安を持って、こういう中で辺野古に決まったときに、仮に辺野古案で決まったときに大臣はどうやって沖縄方々説明されるおつもりなのか、お聞きしたいと思います。
  54. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) 今の言われた中でちょっと理解に苦しむのは、私の発言県外移設の人々の期待を高めているというふうに委員おっしゃったと思うんですが、むしろ逆でありまして、私は県外は非常に難しいということを言っておりますので、沖縄の地元紙なども、私が記者会見したことに対して、県外について否定的な見解を述べたということで非常に批判的であります。  ですから、なぜ私が言っていることが県外移転の期待を高めているのかというのは、ちょっと私、論理的に理解できないので、もしお教えいただければと思います。
  55. 山本一太

    山本一太君 それは、鳩山総理岡田大臣見解が違うという、この全体を含めて申し上げたんです。岡田大臣嘉手納統合案ですから県内ですから、その県外に行くという人たちの期待を高めているというのは、こうやってあいまいなまま、総理外務大臣防衛大臣の、まあ外務大臣防衛大臣考え方は随分近づいてきたようですけれども、このままの状況であいまいになっていると、その全体のことがやっぱり県外移設を求める方々の期待を膨らませているという意味ですから、そこは誤解のないようにお願いをしたいというふうに思います。  私は、この問題もうこのぐらいにして次に行きたいと思いますが、鳩山総理が、岡田大臣は選挙のときにはそうおっしゃらなかったかもしれません、鳩山総理民主党の党首として選挙に当選すれば総理大臣になるというポジションでした。これは、選挙に当たって国民新党と社民党と三党合意を結んで、県外移設の方針出して、あちこちの選挙区で、これはもう県外移設だと、国外だし、最低でも県外だと言ったと。それで沖縄方々の支持を集めて選挙を戦ったわけで、これは私、辺野古になったときに、私はこれは鳩山政権として沖縄の皆さんを二重に背信した行為になるんじゃないかということを申し上げておきたいというふうに思います。  それについて外務大臣の御意見はもう結構です。次の問題に行きたいと思います。もう結構です。いや、質問者が決めます、もう結構です、その件は。  それでは、ちょっと時間もなくなってきましたんですが、アフガニスタンの支援のことについてお聞きをしたいと思います。  まず、オバマ大統領の来日に当たって、日本政府が発表したこのアフガニスタンへの支援パッケージ、五年間で五十億ドル、これは大臣、だれがどういう理屈でこの五十億ドルというものを決めたんでしょうか。
  56. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) 最終的には、この五十億ドルの支援ということは、各閣僚のいる閣僚懇談会の場でこれでいくということは確認をいたしましたが、元々は私が外務省の中を取りまとめて、そして最終的にはもちろん総理の了解を得て、そして財務省その他と折衝する中で決めたものであります。
  57. 山本一太

    山本一太君 これ、外務大臣、五十億ドルというのは大変な金額だと思いますが、どういう基準でお決めになったんでしょうか。これが政治主導で、大臣がお決めになって鳩山総理提案をしたということですが、何で四十億ドルじゃないのか、何で六十億ドルじゃないのか、そこはどういう根拠なんでしょうか。何か積み上げがあるんでしょうか。
  58. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) 同じような質問は財務省にされたような記憶がありますが、もちろん個々に積み上げて作ったものではありません。そういう意味じゃ、五十億ドルでなくて何で四十五億ドルでは駄目だったのかと言われると、それに対して非常に明快に答えることは難しいと思います。  しかし、私は、今まで二十億ドル支援をしてきたということを考えたときに、やはり今までの延長ではなくて、やはり世界全体でこの問題を取り組まなきゃいけない、その必要性がより増しているという中で、しかも五年間で五十億ドル程度は日本として最低限やるべきだと、そう考えて提案をさせていただきました。
  59. 山本一太

    山本一太君 今の答弁で、本当にその五十億ドル使うことを国民が納得するかというふうに思うんですね。  これ、我々、与党時代に政権を担当して、委員会、これは守る側だったんですけれども、やはり政府が支出するものについては、やはり野党の方から、特に民主党の方からは厳しい追及が来ました。これ当然のことだと思います。国民の血税を使って外交のリソースを打ち出すわけですから、もうこれはグアム移転の費用も含めて、民主党、野党の方にもぎりぎりやられました。これは野党の役目として当然だと思うんですね。  今の、大臣、回答で、五十億ドル五年間出す、いや、積み上げはありません、何となく相談して決めましたと、これで本当に国民の理解を得られるでしょうか。せめてどういう分野に使うのか、どのくらいの分野でどのくらいのお金を使えるという目算があるのか、そういうことをちょっと示していただきたいと思います。
  60. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) このアフガニスタン支援につきましては三つの分野ということを申し上げているわけです。一つはアフガニスタン自身の治安能力の向上、そして、いま一つは元タリバーンの末端兵士の再統合、三番目にアフガニスタンの持続的・自立的発展のための支援、この三つの分野で二〇〇九年からおおむね五年間で最大五十億ドル、最大ですね、ということを決めたわけであります。  もちろん、個々の予算につきましては、それは毎年度の予算の審議の中でその適否については御審議いただけるわけです。別に五十億ドル、最大五十億ドルと言ったからといって、五十億ドル必ずそれを出すということでは必ずしもありません。それは状況が変わればそうじゃない場合もあるかもしれません。少ない場合もありますし、多い場合もあると思います。具体的には個々の予算の中で、例えば来年度予算で我々八百億円程度を考えているわけですけれども、じゃその中身がいいか悪いかということは予算委員会の中で、通常国会の、御審議いただければいいということであります。  同じような例は、例えばイラクについてもやっぱり五十億ドルなんですね。あのときも、今の皆さんが御提案されたと思いますけれども、中身は別に詳しくはなかったんじゃないかというふうに思います。
  61. 山本一太

    山本一太君 この五十億ドルの件については更にいろいろ御質問させていただきたいんですが、ちょっと時間がなくなってまいりましたので、外務省の方に、大臣の方に、少なくともこの五十億ドル、きちっとプレッジしたわけですから、今言った、三分野というふうにおっしゃいましたけれども、もうちょっとちゃんと具体的にどういう形でこれを使っていくのか。もうアフガニスタンの治安もどんどん悪くなって、大統領選挙の際には三十人だったJICAのスタッフも今十二人になっています。カブールと多分ジャララバードに分かれているんだと思いますが、こういう状況の中でどうやってこの五年間で五十億ドルというものを使っていくのか。もうちょっと具体的なプランをきちっとこの委員会に出していただくように委員長にお願いしたいと思います。
  62. 田中直紀

    委員長田中直紀君) 後刻理事会で相談いたします。
  63. 山本一太

    山本一太君 ほかにもいろいろお聞きしたいことがあったんですけれども、ちょっと時間がなくなってきたんで、北朝鮮問題について一つ大臣にお伺いしたいと思います。  十一月の初めにNHKスペシャルで、秘録北朝鮮交渉という番組が放送されました。この中で小泉総理と金正日総書記の二回の首脳会談の内幕がかなり鮮明に描かれたということで、私にとっては衝撃のドキュメントだったわけですが、この首脳会談、二回の首脳会談で、金正日総書記がどういうマインドセットを持っているのか、どういう戦略の持ち主なのか、どういう考え方なのかということを知るかなり重要なヒントになった気がします。  そして、この番組を見て思ったのは、この日朝首脳会談をセットするまでに外務省がかなり事務的にも総理の指示を受けて綿密に準備をしていたということを改めてこの番組を見て分かったんですけれども、鳩山政権できて二か月たちましたが、今外務省として北朝鮮と非公式、公式でもいいんですけれども、何らかの接触をしているんでしょうか。
  64. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) 今の御質問に対してお答えする前に、ちょっと一言だけ。先ほど委員は三党合意県外ということを言われたと思いますが、三党合意は選挙の前も後も含めて県外ということを決めた事実はございませんので、申し上げさせていただきたいと思います。よく誤解をされているケースが多いです。  そして、今の御質問ですけれども、まずNHKテレビ、私も興味深く見ましたが、あそこに出てくるその資料なるものは外務省は関知しておりません。どこで入手をしたのか、そしてそれが本物なのかあるいは偽物なのかということも含めて、我々は関知をしていないということを申し上げたいと思います。  そして、今どうしているのかと、接触しているのかしていないのかと、そういうことにつきましては、基本的に申し上げるべきではないというふうに思っております。
  65. 山本一太

    山本一太君 いや、大臣、それは、少なくとも政権発足して二か月たっているわけですから、北朝鮮問題は、例えば来月の初めに米国のボスワース大使が訪朝すると、こういう正念場のときですから、当然、外交当局で何らかの接触があってしかるべきだと思うんですが、接触があるかどうかだけはこれはきちっと答えていただきたいと思います。
  66. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) 現時点で特に申し上げることはありません。
  67. 山本一太

    山本一太君 いや、それは、接触があるかどうかだけはきちっと答えてください。  これは外交防衛委員会で、以前の、この日朝協議の件について民主党側から、外務省は非公式にもあるいは公式にも北朝鮮側ときちっと連絡を取り合っているというか、交渉している、コンタクトがあるのかということについて、結局、野党側の要望があってこれはきちっと政府側は答えていますから、ここだけはちゃんと、大臣、答えていただきたいと思います。何らかの接触はあるんでしょうか、公式、非公式に。
  68. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) これは、私も野党のときによく思いましたけれども、例えば外務委員会の理事間で秘密会を設けて、罰則も担保して、そして外交上のお話しできないことをその間で情報を共有するというふうなことは私は考えられていいんじゃないかと野党のときに思っておりましたけれども、なかなかこういうメディアも入った公の場で今いろんなことを申し上げるわけにはいかないということは御理解いただきたいと思います。
  69. 山本一太

    山本一太君 いや、これは、大臣、ですから、委員会なんですよ。メディアにオープンにされていようがどうだろうが、これは委員会なんですよ。国民に開かれた言論の府なんですよ。ここで大臣がしゃべれないということはおかしいんですよ。  今、北朝鮮と何らかの交渉があるかどうかということを聞いているんです。そして、以前、民主党質問に対して、それは我々は議論した結果、きちっと答えたんです、交渉はありますと、コンタクトはありますと。ですから、二か月たったこの現在、何らかの交渉があるかどうか、接点が、コンタクトがあるかどうかだけは、その有無だけは是非お答えいただきたいと思います。
  70. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) 以前どういう経緯委員のおっしゃるようなことがあったのかどうか、そのことはよく検証してみたいと思いますが、私の判断で申し上げますが、この場で申し上げることはありません。
  71. 山本一太

    山本一太君 大臣質問するときは二時間ぐらい必要だなと今思っているんですけれども、時間がなかなかなくなってきてしまいましたが、一つだけ大臣の是非頭に入れておいていただきたいと思うんですが、自民党政権時代にもいろんな北朝鮮外交がありました。私は、北朝鮮外交はしっかりと外務大臣が、これ拉致担当大臣もおられますけれども、外交の責任者は岡田大臣ですから、大臣がしっかりグリップを握って、これはきちっとした正式ルートで、これは極秘でも何でもいいです、これは外交にかかわることですから、きちっと大臣がグリップを握って公式のチャンネルでやっていただきたいと思うんですね。これ、自民党時代に、何かえたいの知れない団体とか、よく分からないんですけど、北朝鮮に人脈のあるうさんくさい人物とか、こういうことを使って北朝鮮とコンタクトをしようとした政治家が随分いて、一回もいい成果を上げませんでした。  ですから、何か今うわさで、一部週刊誌で何か鳩山総理の電撃訪朝とか、これ全く事実確認できていないので一々ここで取り上げませんけれども、電撃訪朝の話とか、あくまでも憶測ですが、自民党の何か北朝鮮人脈のある元議員の大物を鳩山総理が特使で送るとか、これも全くうわさの範囲ですけれども、こんないろんな話が出ておりますけれども、私は直感として、あくまで直感として、もしかしたら何か動いているんじゃないかという気がいたします。  是非、大臣、北朝鮮交渉についてはきちっと外務大臣がグリップを握って正式ルートでやっていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
  72. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) これは北朝鮮ということではなくて、もう少し一般論として申し上げたいと思いますが、まず議員外交というのは当然あっていいし、あるべきだと思うわけですね。非常に大事なことだと思います。  ただ、非常に国益の懸かった重要な問題に関して言えば、私はそれは外交を統括する外務大臣総理意思疎通をよくしながら進めるべきであって、他のいかなるルートというものも存在すべきでないというふうに強く思っています。
  73. 山本一太

    山本一太君 今の大臣のお言葉、しっかり胸に置いておきたいと思います。  北朝鮮外交について言うと、余りルートが拡散していろんな思惑が入ってくると国としてきちっとした対話と圧力の姿勢が保てないということなので、そこは今の大臣のお言葉、しっかり受け止めさせていただきたいと思います。  最後に、あと二分あるので、民主党のあるいは政府の北朝鮮外交の基本姿勢は何でしょうか。対話と圧力のうちどちらを重視するのでしょうか。そのことを是非お聞きしたいと思います。
  74. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) 対話と圧力というのはこれは手段ですから、目的ではありませんので、状況に応じて使い分けていくということだと思います。  現時点で見れば、北朝鮮は国連決議に対してもこれを守っていないという状況ですから、圧力ということに傾斜したそういうやり方をすることが正しい選択だというふうに思っております。  いずれにしても、北朝鮮外交の基本方針というのは前政権のときから大きく変わっているわけではございません。拉致、核、ミサイル、そういった問題を包括的に解決していく中で、その上で国交の正常化ということを行うと、こういう基本的考え方でおります。
  75. 山本一太

    山本一太君 まだまだ、嘉手納の問題もそうですし、日米首脳会談の話、北朝鮮の話、次回機会があれば、核の先制不使用の話、いろいろと議論をさせていただきたいことがあったんですけれども、あと二分ぐらいになってしまったんですが。  今日は少し大きな声も出しましたが、大臣に失礼な言葉遣いを私はしておりませんので。沖縄方々気持ちはしっかりと受け止めていただきたいと思いますし、大臣、非常に慎重に言葉を選んでおられましたが、日米作業部会をつくった、外務大臣防衛大臣が入って日米作業部会をつくったと。これは当然この普天間移設の問題についてきちっとした解決の見通しを付けるためにつくったと。これはちゃんと結論をここで出していただくということで、これは年内にということであるならば、それは外務大臣防衛大臣鳩山総理を説得しても、きちっとそこで決着を付けていただくと。そのことがやはり日本の国益にかなう、日米同盟の利益になる。そして、右に行ったり左に行ったり、もう一言一言大臣発言で迷って傷ついている沖縄方々にきちっとした政策を示すということになるということだけ是非大臣きちっと胸に置いていただいて、必ずこの日米作業部会結論を出していただくようにお願いして、この答弁で私の最後にしたいと思いますが、外務大臣防衛大臣、必ずこの日米作業部会結論を出していただくということだけ確認をさせていただきたいと思います。簡単で結構です、お一人ずつ。
  76. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) 先ほどかなり具体的に答弁したとおりであります。
  77. 北澤俊美

    国務大臣北澤俊美君) 努力いたします。
  78. 山本一太

    山本一太君 終わります。ありがとうございました。
  79. 佐藤正久

    佐藤正久君 自由民主党佐藤正久です。  私は元自衛官ですので、恐らく山本委員よりも声が大きいかもしれませんけれども、それは御容赦いただきたいと思います。  十一月十日の予算委員会におきまして野党として初めて外交防衛について質問をさせていただきました。結構肩に力が入っていた部分もあったかと思いますけれども、ただ、テレビ放映をされていなかったにもかかわらず、委員会が終わった後、私のブログの方に六万件を超えるアクセスが来たと。結構関心が高いんだなと。ニコニコ動画にもそれが掲載されて非常に人気があるということですので、今日ももう少し力を入れるところと抜くところ、分けながら質問をさせていただきたいと思います。    〔委員長退席、理事山根隆治君着席〕  特に、この前は普天間移設の部分まで行きませんでしたので、そこからまず防衛大臣の方にお伺いしたいと思います。  民主党沖縄ビジョンにおきましては、普天間基地移設等に関しまして、「ひとまず県外移転」、「戦略環境の変化を踏まえて、国外移転を目指す。」と書いてありますけれども、これについて、防衛大臣、承知しておられますか。
  80. 北澤俊美

    国務大臣北澤俊美君) これ、かねてから、沖縄の皆さん方の気持ちをしんしゃくすれば、沖縄の基地をこれ以上大きくすることは道に外れているということで、十分承知しています。
  81. 佐藤正久

    佐藤正久君 今度の、さきの衆議院選挙の民主党のマニフェストにおきましては、在日米軍の再編等については見直しの方向というふうに書いてあります、見直しの方向と。この見直しの意味はどういう意味ですか。防衛大臣、お願いします。
  82. 北澤俊美

    国務大臣北澤俊美君) 極力県外、できれば国外、そういう可能性を追求すると、こういうことです。
  83. 佐藤正久

    佐藤正久君 ということは、選挙においては、今までの前政権の合意事項である普天間基地を辺野古の沖に移設ということではない方向で見直すという意味だったというふうに理解してよろしいですか。
  84. 北澤俊美

    国務大臣北澤俊美君) 選挙のときは野党でありますから、与党の日米合意、これには妥当性ももちろんありますが、選挙のときはどちらかというと欠点の方へ軸足を置いて選挙を戦うのは野党の当然のことであります。
  85. 佐藤正久

    佐藤正久君 ちょっと今驚いた発言答弁だったんですけれども。今の答弁を聞いてもう沖縄県民は、ええっと。ここに島尻先生とか喜納委員もおられますけれども。選挙のときだからいいと。  もう一回確認します。選挙のときの公約は、見直しの方向と書いています。その見直しは前政権がやったものを変えるという方向だというふうに取ります。そういう見直しの部分の定義があいまいだから、見直しの部分、マニフェストですよ、これは、マニフェストの見直しの意味があいまいだから非常に今混乱している部分もあるんではないかと私は思います。  総理がその見直しの部分についてどういうことだと説明もしていない。今回の普天間移設について方向性も決断の時期も示さないまま閣僚の方々がいろんな発言をされている。いや、辺野古沖の現行案、あるいは嘉手納だ、いや、駄目なものは駄目、県外だ、国外だ、アメリカに行く行かない、沖縄に行く行かない、これはかなり、アメリカの方もそうですけれども、沖縄県民、相当混乱を来しているというふうに思います。  こういうばらばら感が抑止力を弱めているという指摘もあります。防衛大臣、このばらばら感が抑止力を弱めているという点について御答弁をお願いします。外務大臣に聞いていませんから。防衛大臣お願いします。
  86. 北澤俊美

    国務大臣北澤俊美君) ばらばら感というのを盛んに強調されるようでありますが、私も政治生活長いんですけど、これほど岡田外務大臣と頻繁に会ったこともありませんし、官房長官との三者会談も頻繁に開いております。そのことは総理にも直結しておりまして、ばらばらということそのものが私にはなかなか理解できません。
  87. 佐藤正久

    佐藤正久君 質問に答えてください。このばらばら感、これが抑止力を弱めているという指摘がありますけれども、これについてどういうふうにお考えになりますかという質問なんです。
  88. 北澤俊美

    国務大臣北澤俊美君) そういうふうに言われますけど、その抑止力というところへ話が行く前の、前提のばらばらということを私は理解できていない、こういうことです。
  89. 佐藤正久

    佐藤正久君 民主党で当選されて今衆議院議長の横路議長の講演の中で、閣内の閣僚の発言がこの問題でばらばらだと懸念を示されたという報道があります。また、インド洋の給油の継続問題につきましては、防衛省の中で、長島政務官が講演の方で質問に答えて、事前承認というもの、あったらそれはそれで単純ではないということを発言されたと。そのことを受けて防衛大臣は、大臣と政務官の間で意思疎通が図れないというのは報道になると影響大ということで、事前調整するように申し渡したと。これは十月六日の大臣記者会見です。防衛省の中は一致しないといけない、閣内の方はいろんな意見があってもいいと。これは見方によるとダブルスタンダードというふうに取られる可能性もありますけれども、これを防衛省内の話と閣内、抑止力という観点でばらばらだというふうに思いませんか。
  90. 北澤俊美

    国務大臣北澤俊美君) まず、まあ佐藤委員は議会に来た経験もまだ浅いこともあるんだろうと思いますが、政権交代して日本の政治の在り方が大きく変わったということをまずよく理解していただきたい。今までですと、例えば議会の中で閣法が通ると、まあそうはいったって与野党で協議しましょうと、こう言うけど、私も何回か経験しましたが、与党の皆さん方は閣法の中身は全く変えないという前提で協議に入ってくるわけですよ。そんなことは協議になっていないと。これ、長い間私はそういう体験をしてきた。    〔理事山根隆治君退席、委員長着席〕  我々は今、新しい道を探ろうと、こうしたときに、大臣がまず自分で考えていることを官僚との間で十分ディスカッションをして、そしてそれを発信すると。その中で、例えば外務大臣が今嘉手納統合案を追求していますけれども、私も沖縄へ行って、十分視察もし、意見も聞いてきました。私の力量の中で嘉手納統合案に再チャレンジするのは、私にとってはなかなか荷が重いかなという思いを持っておりました。しかし、誠実で信念の強い外務大臣は、私はもう一度これを追求してみたいと。これは政治家として、あるいは大臣として当然のことであります。そういうことをばらばらだと言うのはおかしいんであって、最終的にいろんな意見を積み重ねる中で合意点を得て、それが内閣の方針になると、こういう新しい政治を理解していただきたいと思います。
  91. 佐藤正久

    佐藤正久君 聞いていることと全然違う。ただ言い訳をされているようにしか聞こえないんですけれども。であれば、長島政務官が発言したことについて注意する必要なんか全くないわけで、みんなそれぞれの思いを新しいスタイルでやるんだと言ったら、それぞれが自分思いでどんどん発言してどんどん意見集約すれば、それでいいと私は思いますよ。  今回、一つのこういう意思疎通が図られないふうに見られがちな一つの理由に、自分の所掌事務以外のことをしゃべったり行動しているという部分があるんではないかなと思います。  この在日米軍再編に関しまして、防衛大臣外務大臣の役割、これについて、防衛大臣、どういう役割分担を持って今普天間についてやっているか、これについてお答えください。
  92. 北澤俊美

    国務大臣北澤俊美君) 沖縄問題についての私の所掌ですか。それを問われたわけですか。
  93. 佐藤正久

    佐藤正久君 じゃ、普天間基地移設について言います。普天間基地移設問題についての防衛大臣外務大臣の役割分担、これについてお伺いいたします。
  94. 北澤俊美

    国務大臣北澤俊美君) これは一義的には外務大臣の所掌事務でありまして、外務大臣が米国と交渉をすると。ただ、従来もそうでありますけれども、軍事的ないろいろな配慮というものはありますから、その部分については防衛省として十分に米軍側と協議をして、それを外務省の判断の中に有効に活用していただくということであります。
  95. 佐藤正久

    佐藤正久君 じゃ、その今の役割分担、それは何に基づいてそういうような役割分担になっているか、その根拠法規を教えてください。
  96. 北澤俊美

    国務大臣北澤俊美君) このたぐいの話は何々法に基づいてどうのということではありませんが、強いて答弁すれば防衛省の設置法です。
  97. 佐藤正久

    佐藤正久君 外務省設置法と防衛省設置法、それぞれに役割分担が書いてあるんですよ。外務大臣の役割というのは、日本を代表して外国政府との交渉、協力に関する政務処理なんです。防衛大臣の所掌は、条約に基づいて、日本国にある外国軍隊の使用に供する施設・区域の決定や取得・提供、これは防衛大臣の仕事なんですよ。普天間基地の移設に関しては、それは防衛大臣の仕事なんですよ。アメリカとの交渉、これは外務大臣の方が主だと思いますよ。  にもかかわらず、岡田外務大臣嘉手納統合案ということを、中で言うのはいいですよ、外に声出して、しかも沖縄の方まで行って、で、嘉手納町長あるいは名護、聞くということは、これは防衛大臣の所掌事務を侵していると。私が防衛大臣だったら、何でそんな余計なことをするんだと私は思いますけれども、防衛大臣、これについてどう思います。所掌事務を侵されているというふうに思いませんか。
  98. 北澤俊美

    国務大臣北澤俊美君) 岡田大臣のやっていることは、日米合意が今度は我々の新しい政権へ移ってきたと、これについて一生懸命に今検証をしていると。そういうことで、もう一つは、政治というのは、鳩山総理を中心にして、政治家が誠実に外交あるいは内政の中で、特に内政の中では、沖縄の皆さん方の気持ちを体して、沖縄の皆さん方が満足できるような道は更にないのかということを真剣にやるのであって、一々、それは大切なことですよ、法律は、それは踏まえた上で、お互い国会議員でありますから、踏まえた上でやるんですけれども、政治家がのりを越えて余計なことを言ったとか、おまえこんなことおれの分野だとか、そういうことではなくて、内閣全体で力を合わせてやると、こういうことであります。
  99. 佐藤正久

    佐藤正久君 それは一政治家ではなくて、今、北澤参議院議員は防衛大臣なんですよ。閣内、行政のトップでもあるんですよ。  それで、やっぱり方向性を、内閣でやるなら方向性、ベクトルを示すと。そこにみんな力を合わせる、そういうときにやっぱり基本の所掌事務というのはあるわけですよ。一人で全部できるわけじゃないんですから。やっぱり、普天間基地の移設をどこにすると、この決定については、ちゃんと法律で、法律で防衛大臣の所掌事務と書いてあるわけですよ。そういう部分をしっかり踏まえた上でやらないと、なかなか、外から見ると何かいろんな人が言っているねというふうにやっぱり見えてしまう。ここはまず一つ御理解いただきたいと思います。そうすることによって……
  100. 田中直紀

  101. 佐藤正久

    佐藤正久君 私が質問しているんですよ、発言中ですよ、委員長
  102. 田中直紀

    委員長田中直紀君) 失礼しました。
  103. 佐藤正久

    佐藤正久君 そういう中で発言されたことによって、先ほど山本委員からもありましたように、やっぱりどうしても沖縄の県民の方から見ると非常に混乱を来す、そういう部分がどうしてもあると思いますよ。  この前、私も沖縄の方に行きまして、やっぱり知事から、政府がまだ考え方を整理していないと、自分の庭石をあっちこっち動かす話じゃないと、基本的な考え方を変えるのか変えないのか全然明確になっていないと不満を表されていました。やっぱり沖縄県民は混乱している。  とりわけ鳩山総理は、県民の意見を聞いてみたいと、これは国の安全保障に関する国の基本的な事項を県民の方に聞いてみたいと言われています。そういう発言について、防衛大臣、どういうふうに、基地問題を担当する、管する大臣としての、鳩山総理沖縄県民の方に聞いてみたいということについて、お考えをお聞かせください。
  104. 北澤俊美

    国務大臣北澤俊美君) そういう声を体して、御意思を体して、沖縄に就任早々に行って、沖縄の皆さん方の気持ちやお声を受け止めてきたと、こういうことであります。
  105. 佐藤正久

    佐藤正久君 質問に答えてください。  国の、国政にかかわる、あるいは安全保障の重要な事項を、例えば、鳩山総理が言われたように、名護市長の選挙後などに先送りすると、こういうことを沖縄県民の方に聞いてみたいということについて防衛大臣のお考えを聞きたいという話です。
  106. 北澤俊美

    国務大臣北澤俊美君) 鳩山総理が名護市の市長選のことに言及したと、こういうことは新聞報道等で承知しておりますが、いろいろ総理周辺からもお聞きをしますと、記者質問に対して全体の流れの中で言ったその一部分を取り上げられたという気持ちは強いようです。
  107. 佐藤正久

    佐藤正久君 名護市民に申し訳ないと思いませんか、防衛大臣
  108. 北澤俊美

    国務大臣北澤俊美君) ディベートといいますか、こういう質疑というのはとかく、佐藤委員が言われるように、自分の思う方へ答弁がないとなかなか面白くないだろうと思いますが、そういうことではないと。
  109. 佐藤正久

    佐藤正久君 防衛大臣岡田外務大臣はやっぱりストレートな方ですよ。岡田外務大臣は名護の方に行かれて、名護市長に対して、国政上の問題を市民の皆さんの判断にゆだねるような格好になっていることは申し訳ありませんと岡田外務大臣は言われているんですよ。私は、それは非常に政治家としても、外務大臣としても立派だと思いますよ。やっぱり普通に考えて、こういう安全保障の問題を市民に聞くということについて、直接、申し訳ない、だからできるだけ年内結論を出したいと言われているんですよ。  私は、沖縄の基地問題を、基地を抱える防衛大臣としてはそういう気持ちをやっぱり言っていただきたい。だから、できるだけ年内決着をさせたいと、こういうことじゃないんですか。非常に今の発言に対して失望しました。  さらに、この問題について今回作業グループというものを設けるということになりました。十三日の日米首脳会談で、鳩山総理からも、普天間問題についてワーキンググループを通じてできるだけ早く解決したいという発言があったと外務省の方からも説明を受けました。  できるだけ早くという認識、これは防衛大臣、できるだけ早くと、どういうふうに防衛大臣はこのできるだけ早くを解釈されていますか。
  110. 北澤俊美

    国務大臣北澤俊美君) できるだけ早くというのはどういうことかと言われても、できるだけ早くでありまして、そのために私は防衛大臣としての提案を今まとめて、提示をしようと、こうしておるわけであります。
  111. 佐藤正久

    佐藤正久君 じゃ、具体的に聞きます。できるだけ早くというのは年内をまたぐということではないというふうな認識でよろしいですか、防衛大臣
  112. 北澤俊美

    国務大臣北澤俊美君) 私は、予算を抱えておりますし、環境影響評価の評価書も提出しなきゃいけないという任務を持っておるわけでありますから、このワーキンググループに臨む気持ちとすれば、それに適合するような時期に結論を得たいと、そういう強い思いを持ってこのワーキンググループに臨んでいると、こういうことであります。
  113. 佐藤正久

    佐藤正久君 岡田外務大臣はちょっとまた違った発言をされているんですよね。もしかしたら年内をまたいでしまうかもしれないという質問に対して、私が勝手に決める話ではありません、相手もある話ですから、それは明確にと、もう答えていないと。思いはあるんでしょうけれども、そこは答えていない。できるだけ早くって非常に重たい話ですから。  そこで、できるだけ早くということを鳩山総理の方から申されたというふうに説明を受けました。そのときに、英語で何と言ったんですかと聞いたところ、担当官によると、アズ・クイック・アズ・ポッシブルと。アズ・クイック・アズ・ポッシブル、この表現からすると、普通、私的な感覚では年を越してまで延ばすという議論にはならないと感じますけれども。  防衛大臣、アズ・クイック・アズ・ポッシブル、これについての解釈をお願いいたします。
  114. 北澤俊美

    国務大臣北澤俊美君) 残念ながら私は英語に疎いものですから、その解釈は、英語で問われているのでは、この日本国の国会の中における議論としては私は正確なことはお答えできません。
  115. 佐藤正久

    佐藤正久君 これは物すごい大事な話なんですよ。総理発言外務省の方が通訳をされて伝えている。それを受けて、じゃ今度、今、年内なのか年をまたぐのか、物すごい大きな議論になっているわけじゃないですか、今。  アズ・クイック・アズ・ポッシブル、このクイックという部分を普通に考えると、私的な感覚だと、それは、オバマ大統領は年をまたぐというふうには取らないと思います。この辺り、今後また裏を取りたいと思います。  また、この普天間基地移設問題について今後いろんなことが、動きがあると思います。  そこで、仮に、先ほど岡田外務大臣も辺野古沖移設というのはまだ論理的には否定はされていないという答弁をされました。辺野古沖、このまま行った場合、いろんなこれから反対運動も起きると。これは我々の前政権のときもある程度予測はしていました。  辻元国交副大臣も今回来ていただいておりますけれども、海上保安庁を担当する副大臣というふうに聞いています。ただ、辻元大臣自身のブログで、沖縄の海軍基地撤去、辺野古の新基地建設中止を訴えています。  防衛大臣、承知されていましたか。
  116. 北澤俊美

    国務大臣北澤俊美君) 辻元大臣のそういう発言については、私はつまびらかではありません。
  117. 佐藤正久

    佐藤正久君 承知していなかったということですけれども、今沖縄の方では、この前の衆議院選挙におけるいろいろ民主党方々発言あるいは候補者の発言県外移設、国外移設ということから、結構県外移設に対する要望が高まっています。行かれて分かったと思いますけれども、高まっています。しかも、民主党沖縄県連の方々も社民党の沖縄県連の方々県外移設言われています、承知のとおりです。自由民主党沖縄県連の中にも、じゃ県外移設という声ももう出始めています。非常に沖縄としては県外移設、盛り上がっています。  十一月八日の県外移設の県民大会においても、当初、福島大臣が参加されると表明されました。途中でやめましたけれども、代わりの人間は行かれた。非常に盛り上がった。二万一千人ほど来たと主催者が発表されています。非常に盛り上がっている。こういう中で辺野古沖の工事を始める。今まで以上の反対運動が起きる可能性は私はあると思います。私も実際に辺野古沖で建設を反対するためのピケを張っているテント村、座込みのところにも行きました。いろいろ話を聞きました。やっぱりかなりの覚悟ですよ。  そういう状況の中で、仮に辺野古沖で工事を始める、そういうときは海上からの妨害行動、これも今まであったようにいろいろ多分予想されます。そういう場合、海上保安庁がこの警備に当たるということになります。  辻元大臣、その際、海上保安庁の警備行動を認めますか。
  118. 辻元清美

    ○副大臣辻元清美君) 仮定のお話お答えする立場にはございません。海上保安庁として、必要であれば出る、必要でなければ出ないということです。これは佐藤委員が所属であった自衛隊も、仮定の話には自衛隊の出動について一切答えられないのと同じだと思います。
  119. 佐藤正久

    佐藤正久君 でも、検討はしないと対応できないんですよ。部隊というのは、海上保安庁もそうですけど、いろんなことを想定しながら準備しないといけないわけですよ。当然、担当の副大臣としてそういう検討を今後命ずるというお考えはありますか。
  120. 辻元清美

    ○副大臣辻元清美君) その点についてもお答えいたしません。
  121. 佐藤正久

    佐藤正久君 辻元大臣は、普天間基地の辺野古移設については賛成ですか、反対ですか。
  122. 辻元清美

    ○副大臣辻元清美君) 先ほど佐藤委員が所掌事務以外のことをしゃべる点が問題だというような強い御指摘がございましたので、私は国土交通大臣として以外のことにはお答えいたしません。
  123. 佐藤正久

    佐藤正久君 じゃ、今後この問題というのは多分大きな問題になると私は考えています。そういうことも考えながら、今度の作業グループ、反対派の動きというのはかなり盛り上がっていると。現場に行ったら分かりますよ。相当な動きがあるということも多分あろうかと思います。そういうことを指摘しておきたいと思います。  それでは次に、グアムの移転協定についてお伺いします。  北澤防衛大臣、いわゆるこの前この委員会でも審議をされ、あるいは本会議でも採決されましたグアム移転協定、これについて、本会議では賛成されましたか、反対されましたか。
  124. 北澤俊美

    国務大臣北澤俊美君) 今確認しましたら、民主党は反対しております。
  125. 佐藤正久

    佐藤正久君 私は防衛大臣が反対されたかどうかと聞いたんです。防衛大臣は反対票を投じましたか、どうですか。
  126. 北澤俊美

    国務大臣北澤俊美君) 私は極めて党議に忠実であります。
  127. 佐藤正久

    佐藤正久君 北澤防衛大臣はグアム協定に反対の票を投じられたということを確認しました。  それでは、今はグアムの移転協定について賛成ですか、反対ですか。
  128. 北澤俊美

    国務大臣北澤俊美君) 大変失礼しました。ちょっと隣と話をしていまして、よく聞き取れませんでした。もう一度お願いいたします。
  129. 佐藤正久

    佐藤正久君 できればしっかり、横との話、榛葉副大臣、そこ、やめてください、邪魔は。  もう一度聞きます。今、北澤防衛大臣、現在、グアム移転協定について反対ですか、賛成ですか、お考えをお聞かせください。
  130. 北澤俊美

    国務大臣北澤俊美君) 今、私の立場でそれをこういう場で申し上げる状況にないんでありまして、我々は今米国との間でワーキンググループをつくって協議をいたしております。  そこで、先ほど来、佐藤委員も今回沖縄へ行っていい勉強をなさったんだと思いますが、反対運動、そして県外、国外という声が沖縄の中でどれほど大きいかと。これは、日米合意をするときに賢明なる自民党がやがて来るであろうそういう沖縄の大きなマグマのようなものを察知できなかったのかなと今思っておるわけでありまして、私どもとすれば……(発言する者あり)うるさいな。
  131. 田中直紀

    委員長田中直紀君) 御静粛にお願いいたします。(発言する者あり)御静粛にお願いいたします。
  132. 北澤俊美

    国務大臣北澤俊美君) 委員長、お願いいたしますが、委員長委員長、申し上げますが、私も委員長を一年半やりましたが、極めて理性的で真剣な論議が行われた外交防衛委員会を経験しておりますが、随分様変わりしたなとしみじみ思いますので、よろしくお願いいたします。(発言する者あり)
  133. 田中直紀

    委員長田中直紀君) 佐藤君。(発言する者あり)御静粛にお願いします。  進めます。継続。(発言する者あり)  じゃ、速記を止めます。    〔速記中止
  134. 田中直紀

    委員長田中直紀君) 速記を起こしてください。(発言する者あり)  速記を止めてください。    〔速記中止
  135. 田中直紀

    委員長田中直紀君) 速記を起こしてください。
  136. 北澤俊美

    国務大臣北澤俊美君) 政府として合意したことについては、それは誠実に守るという立場でありますが、しかし、それについての妥当性について我々がもう一度検証するという義務は当然あるし、権利もあると、こういうふうに思っております。
  137. 佐藤正久

    佐藤正久君 ということは、グアムの移転協定まで踏まえた今ワーキンググループ議論をしているという認識でよろしいですね、防衛大臣
  138. 北澤俊美

    国務大臣北澤俊美君) それも含めて今検証をし、そしてさらにワーキンググループで協議をすると、こういうことであります。
  139. 佐藤正久

    佐藤正久君 やはり今、政府大臣で非常に大事な安全保障ということを所掌する大臣ですから、やはり自分の主義主張はあっても、そこはしっかりと日米というものを考えながら対応していただきたいというふうに私も思います。  ただ、今の米議会の方の動きを見ますと、このグアムの移転協定に関する予算関係で、非常に我々にとっては望ましくない動きがあるというふうに承知しています。十七日、アメリカの上院本会議で、軍事施設に関する二〇一〇年会計年度の予算法案を全会一致で可決したと。全会一致の中身として、グアムの移転経費約三億八千万ドルというところを、そこを半分ぐらいの削減されたもので全会一致で可決されたと。  この全会一致で可決された、しかも削減、これについて、防衛大臣、今回のいろいろ日本での今協議がいろいろ遅れているというふうに見られていることが影響していると、そういうふうに思いませんか。
  140. 北澤俊美

    国務大臣北澤俊美君) これは、正確に見ていただければ分かるわけでありますが、下院の委員会で可決したのは七月七日でありまして、まだ我々は政権に入っていないと、こういうことであります。
  141. 佐藤正久

    佐藤正久君 それは違いますよ、下院の方の話で。今上院の話をしたんです。もう一度お願いします。
  142. 北澤俊美

    国務大臣北澤俊美君) 失礼しました。上院であります。
  143. 佐藤正久

    佐藤正久君 七月じゃないでしょう。
  144. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) 委員言われた御指摘のとおり、十一月十七日の本会議において、全会一致でグアム移転関連予算三億五千万ドルのうち二億一千百万ドルが削減されて可決されたということであります。  どうしてそうかとかいう御質問でしたけれども、議会の中の話について私がコメントするのは適切でないというふうに考えております。  いずれにしろ、今後、この本移転予算については、上院と下院で異なるわけですから、両院協議会において引き続き審議されるというふうに考えておりまして、その様子について注視をしていきたいというふうに考えております。
  145. 佐藤正久

    佐藤正久君 やはり両方の国がグアムの移転協定で合意をして、お金を出して米軍再編を行うということですから、やはりお互いにお金を出し合うという以上は、同じ歩調を取っていくというところが私は大事だと思っています。これについてはまた次の機会にまた議論をしたいと思います。  次に、ソマリア沖海賊対策について御質問いたします。  今、アデン湾海賊対策に、海上自衛隊が中心となって、海上保安庁とともに対処に当たっております。でも、このソマリア沖海賊対策、これは海上保安庁が行うべきだという意見がこの委員会の中で民主党議員の方や社民党議員の方からもありました。共産党の議員からもあったというふうに承知しています。  ソマリア沖アデン湾海賊対策に海上自衛隊が派遣されていることに対する辻元国土交通大臣のお考えを聞きたいと思います。
  146. 辻元清美

    ○副大臣辻元清美君) まず最初に、現行法にのっとりましてアデン湾沖で活動されております自衛隊員の皆様、そして私が所管いたします海上保安庁の職員の皆さん、厳しい緊張を強いられる中での活動を現在続けていることについては敬意を表したいと思います。  今は現行法にのっとって、海上保安庁としては、この法律が変えられておりませんので、活動をするということを続けております。
  147. 佐藤正久

    佐藤正久君 もう一度聞きます。  今、海上自衛隊が現行法にのっとってアデン湾の方に派遣されている、その船の上に海上保安庁の方が乗っていると。海上自衛隊が今派遣されているということについて辻元国土交通大臣のお考えを聞きたいと思います。
  148. 辻元清美

    ○副大臣辻元清美君) 私は、先ほど佐藤さん御指摘のとおり、海上保安庁を所管する国土交通大臣として呼ばれております。現行法が変えられていない限り、海上保安庁としての任務をしっかり果たしていくというのが私の役割でございます。
  149. 佐藤正久

    佐藤正久君 今は海賊対処法の方の派遣ですけれども、当初は自衛隊法第八十二条における海上警備行動の適用、すなわち公海上における人命、財産の保護又は治安維持のための海上警備行動でした。このような海上警備行動という枠組みで自衛隊の船がアデン湾の方に派遣されるということについてのお考えはいかがですか。
  150. 辻元清美

    ○副大臣辻元清美君) 先ほどから申し上げていますように、先ほど佐藤委員は、一政治家ではなく、閣内に入っている者は自分の所管についての発言をしないと内外に影響を及ぼすという御指摘もございました。  ですから、私は今現在、海上保安庁としての任務を問われるならばお答えをいたします。それが佐藤委員の先ほどからの御姿勢だと私は理解しておりますので、それに沿って答弁をしております。
  151. 佐藤正久

    佐藤正久君 自衛隊法の第八十二条の海上警備行動で行きました。その船には海上保安庁の海上保安官の方も乗っておられます。そういう公海上における海上警備行動ということはこれからも考えられます。考えられます、法的には。法的に考えられます。そういうことに、海上自衛隊の海上警備行動、公海で行われる船に海上保安官が乗る、それで海賊対処を行うと、こういう質問についてはどういうお考えを持っていますか。
  152. 辻元清美

    ○副大臣辻元清美君) 現行はそういう形で派遣されているとは理解しておりません。そういう形で派遣されるのが問題であるから旧政権で法律を急いで作られたと理解しております。  海上保安庁の職員が乗っておりますのは、海賊対処につきましては海上保安庁が行かないとできないんです。ですから、そういう意味で第一義的に海上保安庁の任務であるということは私は申し上げることができます。  以上です。
  153. 佐藤正久

    佐藤正久君 やはりこの部分というのは、これから北朝鮮の貨物検査法をいろいろ議論する上においても、やっぱり海上保安庁と海上自衛隊、特に公海上における海上警備行動という部分についての議論については、これは避けて通れない分野だと思います。  公海上における海上警備行動、これは海上自衛隊が行う、これと海上保安庁が連携をしながらやる、これについてはどういうお考えを持っていますか。
  154. 辻元清美

    ○副大臣辻元清美君) 海上保安庁とそれから海上自衛隊の行動は、それぞれの法律で規定されて任務を果たすということになっております。ですから、それぞれの法律に応じて、自衛隊が海上警備行動を発動されるときは防衛大臣内閣総理大臣、閣議を経てという手続がございますので、これは防衛省の所管でございます。私は、海上保安庁を所管する者として、海上保安庁法等に基づいて行動をしっかりとしていきたいと考えております。
  155. 佐藤正久

    佐藤正久君 その点については後ほど質問します。  ちょっと観点を変えます。  自衛隊法第八十条によって、防衛出動や命令による治安出動発動時に、必要があれば海上保安庁の全部又は一部を防衛大臣の統制下に入れる、防衛大臣の指揮を受けるということになっておりますが、当然、担当の副大臣としてもこれを受け入れるというふうに認識してよろしいですか。
  156. 辻元清美

    ○副大臣辻元清美君) 現行法のとおりです。
  157. 佐藤正久

    佐藤正久君 また、今度違った観点の質問をさせていただきます。  こういう共同声明があります。ソマリア沖に海上自衛艦を出すな。海賊問題に名を借りた海外派兵新法に反対する。  辻元大臣、この共同声明を聞いたことがありますか。
  158. 辻元清美

    ○副大臣辻元清美君) 何の共同声明か言っていただければ聞いたことがあるかどうかお答えいたしますけど、先ほどから何回も申し上げておりますように、私は海上保安庁を所管する業務について御質問をいただけるのならば答弁をいたします。
  159. 佐藤正久

    佐藤正久君 これはある市民団体が自衛隊の海賊対策派遣に反対した際に出した共同声明で、これにはNGOのピースボート、これも賛同者になっております。  ピースボートというのは、辻元大臣が創設者の一人というふうに聞いています。そういう関係もあって、その所管の方が今海上保安庁を担当されている。そういう面では、しっかりと法案を守るのか守らないのか、そういう部分は確認したいと思って今の質問をさせていただきました。  先ほどからの答弁によりますと、法には従うという答弁がありましたので、これについては、今後とも自分立場をしっかりわきまえながらいろんな形で行動をしっかりとしていただきたいというふうに思います。  次に、時間の関係で、アフガニスタン支援というものについてお伺いいたします。  十一月四日の記者会見で、防衛大臣は、自衛隊のアフガン支援でどんなことができるか検討を指示したというふうに述べられております。結果としては、アフガニスタンの支援におきまして、自衛隊の活用ということは現時点では採用されなかったという認識をしておりますけれども、日ごろから検討しておくということは、いざというときに対応する上では非常に大事だと思います。  十一月十日の予算委員会防衛大臣は、アフガニスタンにはほとんど非戦闘地域がないと答弁をされました。ということは、ほとんどが戦闘地域というふうな認識になります。  それでは、いわゆる戦闘地域の定義をお聞かせください。
  160. 北澤俊美

    国務大臣北澤俊美君) 非戦闘地域ということでありますけれども、これはイラク特措法などの法律において、我が国が憲法九条の禁ずる武力の行使をしたとの評価を受けることがないよう、他国による武力の行使との一体化の問題を生じないことを制度的に担保する仕組みの一環として設けられておるわけでありまして、これら法律は憲法との関係で実際に自衛隊の活動する地域がいわゆる非戦闘地域であることを求めていると、まずこういうことであります。さらに、アフガニスタンのことについて申し上げますと、自衛隊は実際に活動に従事しているわけではなくて、また政府として具体的に自衛隊の派遣を検討したことはないために、アフガニスタンに非戦闘地域があるか否かについては今のところ判断することはできません。
  161. 佐藤正久

    佐藤正久君 この前の答弁と変わったような感じがいたします。この前はほとんど非戦闘地域はないと答弁されておりました。  まだ政府として検討したことがないと。防衛省も政府の一つの組織ですよ。明確に記者会見で、これ防衛省の発表の記者発表ですよ、検討を指示したと。これは政府が検討したんじゃないんですか。防衛省は政府の一員ですよ。当然検討するときに非戦闘地域あるいは戦闘地域、ここから入らなかったらおかしいと思いませんか。防衛大臣、いかがですか。
  162. 北澤俊美

    国務大臣北澤俊美君) 検討したことは当然でありまして、佐藤委員も度々言われるように、実際行動に移る前に事前の検討というのは極めて重要だということは、これは認識を共有しておりますが、私どもが検討したことが即これが行動に移るということは全くないわけでありまして、総理の判断、内閣の判断によるわけであります。  私どもは、そういう意味ではあらゆる可能性前提にして検討をしておったわけであります。
  163. 佐藤正久

    佐藤正久君 であれば、政府として検討していないという先ほどの答弁は取り消していただきたいというふうに思います。
  164. 北澤俊美

    国務大臣北澤俊美君) 戦闘地域について厳格に検討したということはないわけでありまして、さきの予算委員会で私が申し上げたのは、アフガニスタンにおける現状を私なりにいろいろ精査をしている中で、私の考え方として申し上げたと、こういうことであります。
  165. 佐藤正久

    佐藤正久君 でも、この前の答弁におきまして、大臣は明確にタリバンやアルカイダは国又は国に準ずる組織ではないと明言されました。これはまさに戦闘地域、非戦闘地域の検討の前提要件と、この今の発言と矛盾されませんか。
  166. 北澤俊美

    国務大臣北澤俊美君) 佐藤委員は後段のところをきっとお忘れになっていると思いますが、私は二度の答弁の中で、断定することはできないと、こういうふうに申し上げております。
  167. 佐藤正久

    佐藤正久君 じゃ、もう一度聞きます。  タリバンやアルカイダ、これは国に準ずる組織ですか、違いますか。
  168. 北澤俊美

    国務大臣北澤俊美君) 実質的に支配をしているとかしてないとか、そういう定義はあるわけでありますけれども、今の状況でそれを断定することはできないということであります。
  169. 佐藤正久

    佐藤正久君 ということは、戦闘地域要件に、これは国準でなければ、国準組織でなければ戦闘地域要件に該当しないというふうに認識していいですか。
  170. 北澤俊美

    国務大臣北澤俊美君) 事は、我が国の自衛隊員を派遣するわけでありますから、危険地域に我々が行動を展開するというのは判断ができる状況ではないと、こういうことを言っておるわけであります。
  171. 佐藤正久

    佐藤正久君 そういう話を聞いているのではなくて、タリバンあるいはアルカイダが国に準ずる組織ではないというんであれば、戦闘地域、非戦闘地域ということの議論とかみ合わないんじゃないんですかと言っているんです。私だってそんな野方図に自衛隊員をアフガニスタンに行かせたいなどと思っていませんよ。そんな質問全然していませんから。今、大事な法律の、まさにこれは国会ですから、そのテロ特措法、今海上自衛隊が活動されています。これにおいても、戦闘地域、非戦闘地域の議論はなされて、その法律の枠組みで今出ているわけですから。  タリバンやアルカイダは国準ではないというんであれば、戦闘地域という概念も起きないということになりませんかと聞いているんです。
  172. 北澤俊美

    国務大臣北澤俊美君) その判断ができていないということを先ほど来申し上げておるわけであります。
  173. 佐藤正久

    佐藤正久君 全然答えになっていないと思う。  判断ができなくては、検討も何もできないじゃないですか。どうしてそれを派遣が、初めからそれは検討しようがないじゃないですか。おかしいと思いませんか。
  174. 北澤俊美

    国務大臣北澤俊美君) かつて小泉さんは、自衛隊のいるところが安全な場所だと、こう言われましたが、私はそんな乱暴なことは申し上げませんが、我が国の自衛隊員を危険な地域に派遣する思いは全くないという前提で現在のアフガンの状況を考えておると、こういうことであります。
  175. 佐藤正久

    佐藤正久君 全然答えになっていない、その辺の解釈が十分できていないんじゃないかと思います。  防衛大臣は御自身のブログの中で、自衛隊はイラクに憲法をねじ曲げて派遣されたと書かれています。自衛隊はイラクに憲法をねじ曲げて派遣されたと書かれています。この憲法をねじ曲げてというのはどういう認識ですか。多分、これが今の議論関係していると思います。憲法九条のどこの部分がねじ曲げられて自衛隊員はイラクに派遣されたんでしょうか。お聞かせください。
  176. 北澤俊美

    国務大臣北澤俊美君) 今改めて見ましたら、そのとおり書いてありますね。  当時の状況とすれば、私はこういう印象を持っていたと、こういうことであります。
  177. 佐藤正久

    佐藤正久君 これは防衛大臣、今海上自衛隊の方も今インド洋に行っているんですよ、補給支援特措法に基づいて。戦闘地域、非戦闘地域を議論の上で、法律上で行っているんですよ。  それで今、十分、そういう、当時はねじ曲げたと思ったと。どこの部分がねじ曲げられたのか、これを明確にしてくださいよ。大臣の命令で今隊員はインド洋に行っているんですよ、テロとの戦いで。
  178. 北澤俊美

    国務大臣北澤俊美君) イラクの問題とこれは法律が違っておりまして、今インド洋へ行っているのはまた別でありますから。
  179. 佐藤正久

    佐藤正久君 でも、テロ特措法も、戦闘地域、非戦闘地域、概念の議論をしたわけですよ。補給支援特措法も同じですよ。そこで、戦闘地域、非戦闘地域、これは同じ特措法の中で、特措法、当然もう法律は違いますけれども、議論の中では同じテロとの戦いの中でやったわけですよ。  そういう観点で、イラクの方に私も行きました。どこの部分がねじ曲げられて私が派遣されたんですか。憲法九条の武力による威嚇又は武力の行使は国際紛争を解決する手段としては永久に放棄すると書かれています。このどこの部分がねじ曲げられて我々は派遣されたんですか、教えてください。
  180. 北澤俊美

    国務大臣北澤俊美君) それは時の政府が法律を通して自衛隊は派遣されたわけでありますが、当時の私の野党の立場での思いを述べているということであります。
  181. 佐藤正久

    佐藤正久君 当時の野党であろうがなかろうが、ここは、どこの部分がねじ曲げられたんですかと聞いているんですよ。思ったんじゃなきゃ、どこの部分がねじ曲げられたんですかと。これは非常に、防衛大臣は指揮官ですから、指揮官なんですよ、二十七万人の。どこの部分がねじ曲げられたか、そこを聞いているんですよ。防衛大臣、お願いします。
  182. 北澤俊美

    国務大臣北澤俊美君) 私のこのブログを今一生懸命になって思い出しておるんですが、そもそもイラクの戦争というものについて、私は動機が間違っていたという思いを強くいたしておりますんで、そういう論理の中から申し上げればねじ曲げられたと、こういう発言になったということであります。(発言する者あり)
  183. 田中直紀

    委員長田中直紀君) 進めてください。ちょっと、進めてください。
  184. 佐藤正久

    佐藤正久君 答えてないんです。どこがねじ曲げているんですか。
  185. 田中直紀

    委員長田中直紀君) 速記を止めてください。    〔速記中止
  186. 田中直紀

    委員長田中直紀君) 速記を起こしてください。
  187. 北澤俊美

    国務大臣北澤俊美君) 当時、イラクが戦闘地域か非戦闘地域かということが議論になっておりまして、その結論も出ないときに強行されたということからすれば、私のねじ曲げられたという発言論理性があると、こういうふうに思っております。  法律関係については今外務大臣の方からも発言をしたいと、こういうことでありますので、委員長、お取り計らいをお願いします。
  188. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) 当時、イラクへの自衛隊の派遣について様々な議論があったことは、国会でもですね、事実であります。もちろん、法律が成立した後、それに基づいて行かれた自衛隊の皆さん、そのことに対して我々は敬意を持つわけですけれども、しかし事前の国会での議論が行われたことは当然で、例えば、当時の小泉総理は、私の質問に対して非戦闘地域の定義をきちんと答えませんでした。  現に戦闘が行われておらず、今後とも行われる可能性がない地域、正確な表現は忘れましたが、それが非戦闘地域の定義だと思いますが、今後とも行われないということは何をもってそう判断するんですかということに対する明確な答えは、私はいまだにいただかなかったというふうに思っております。それからもう一つは、陸自ではなくて空自の話ではありますけれども、バグダッドが非戦闘地域なのかどうかと。現にロケット弾などが発射されている中で、なぜそれが非戦闘地域なのかということについても明確な答えはなかった。  そういう中で、憲法論議というのは、私は今でもまだあのときの議論というのは十分に明確な解決には至っていないというふうに思っております。
  189. 佐藤正久

    佐藤正久君 もう時間がなくなりました。この議論については後ほどまたやりたいと思います。  アフガニスタンの方だけちょっと聞きたいと思います。  アフガニスタン、この民生支援を強化されると。私の立場は、インド洋での給油支援をやりながら民生支援を更に強化していくのがいいというのが私の立場です。  五十億ドル、読みました。この五十億ドルの開始年度はいつですか。これから五年間で、開始年度はいつですか。
  190. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) 二〇〇九年から五年間で、最大限五十億ドル。
  191. 佐藤正久

    佐藤正久君 今年の一月一日からなんですよ。今何月ですか、十一月でしょう。そういう中において一千億付き、で、中身の積み上げもない。これは、これから先のことについては先ほどの外務大臣説明はいいかもしれません。今、後ろの官僚の方に聞いて今年からと分かる。そもそも詰めが甘い、その証拠だと私は思いますよ。本当に、じゃ、今年の一年間でどうやって一千億使うか、この具体的なことを教えてください。今年で一千億円なんでしょう。
  192. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) 一千億円ではないと思いますが。
  193. 佐藤正久

    佐藤正久君 一年間に一千億をめどと発表しているんじゃないんですか。
  194. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) 正確に申し上げたいと思います。  早急に必要とされる八百億円の支援、これが二〇〇九年です。全体では、二〇〇九年からおおむね五年間で最大限五十億ドル。したがって、二〇〇九年については八百億円ということであります。
  195. 佐藤正久

    佐藤正久君 それでは、八百億円、今年の内訳をこの委員会の方に提出することを望みます。委員長、お願いします。
  196. 田中直紀

    委員長田中直紀君) 後刻理事会で協議いたします。
  197. 佐藤正久

    佐藤正久君 今後、民生支援を強化されるということなんですけれども、今までOEF、ISAFの兵士は約千五百名亡くなられています。〇八年のアフガニスタンの文民の犠牲者は二千百名を超えています。昨年、〇八年の援助関係者の犠牲者は、殺害が三十八名、誘拐百四十七名と聞いています。これほどやっぱり犠牲が出ている。  岡田大臣、これが、日本のODAの事業で現地のアフガニスタンの方が約何名亡くなられているか、承知しておられますか。
  198. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) 委員にも外務省から御説明したと思いますが、その際にはこれは非公式にということでお伝えをしたはずであります。
  199. 佐藤正久

    佐藤正久君 これは国会の場で追及すると、明らかにしてください、これは私もその場で言いました。そういうふうに、あえて今人数は言いませんけれども、日本のODAの事業で現地の雇った方がテロの攻撃で亡くなっているんですよ。実際に文民が、日本の文民は行けない、代わりに現地の人間を契約してやったと。でも亡くなっているんですよ。私もそういう現地で復興支援に当たった人間として非常にこれは痛いですよ。ずしんときますよ。民生支援、甘くないですよ。  じゃ、今文民を派遣をする、そのときは絶対に警備が必要になります。今外務省の大使館の方の警備、JICAの方の警備、これは元特殊部隊などの元軍人の方の民間警備会社の方に頼っています。でも、実際的に外務省の方が契約している警備会社のレベルとJICAの方が契約している民間警備会社の方と、レベルが違いますよ。なぜか。お金がないからです。こういう差があって本当にいいのか。でも、この警備代というのは五十億ドルに入っていないんですよ、それは支援の金ですから。防弾車一台、幾らすると思いますか。千五百万もするんですよ、平均で。さらに、修理代も月幾ら掛かるか分かりますか。地方の方でやる、その警備代、またべらぼうな、何千万という額ですよ。  いろんな面でやっぱりこの五十億ドル、それ以外に見えない部分の警備代、いろんなことがある。ただ遠隔操作をすればいい、そういう問題ではなくて、やっぱり私は、しっかりと現地の状況を見ながらこの項目に書いてもらうように、治安状況を見ながらしっかりと、国民の血税ですから、しっかりやっていただきたい。この件については後の委員会でまた議論をしたいと思います。  以上で私の質問を終わります。
  200. 浜田昌良

    ○浜田昌良君 公明党の浜田昌良でございます。  政権交代後初めての国会答弁でありますので、鳩山内閣外交・安全保障政策の基本姿勢について本日は質問したいと思っております。  お手元に資料を配らせていただきましたが、国民がこの鳩山内閣につきまして幾つかの不安を感じています。その一つは何かというと、憲法の解釈についてどうなんだろうという、これを今日ははっきりしていただきたいと思っています。  お手元に配りましたのは私の質問主意書なんですね。これは今まで、小沢幹事長が雑誌「世界」でこのように言われているんですね。国連の平和活動は、たとえそれが武力の行使を含むものであっても、日本国憲法に抵触しないというのが私の憲法解釈ですと。これはただ小沢幹事長だけの個人解釈ではなくて、実は民主党の政権政策の基本方針、いわゆるマグナカルタと言われているものですけれども、これにはこう書いてあるんですね。国連の平和活動は、主権国家の自衛権の行使とは性格を異にしていることから、国連憲章四十二条、四十二条というのは軍事的措置ですよ、によるものを含めて積極的に参加すると。つまり、これは、鳩山内閣は国連の平和活動への参画であれば我が国の自衛隊は憲法九条の武力の不行使の制約を受けないのかと、こういうことを私は疑問に思いまして質問主意書を出させていただきました。  これに対する回答が下にございます。お尋ねの点を含む憲法九条の解釈について、現時点で従来の解釈を変えてはいないという非常に微妙な答弁なんですよ。従来の解釈を変えていかないでなくて、今は変えていませんよというだけなんですよ。それで、鳩山内閣においては、政治家たる閣僚が責任を持って政府による憲法解釈についても行うこととしているという。まさにこれは政治主導で従来の憲法解釈、つまり集団的自衛権の行使などを変更する可能性があるということなんでしょうか。  これは、外務大臣、重要なことなので防衛大臣、またあわせて、これは憲法の遵守の問題ですから、これは閣僚には特別公務員ですから憲法遵守の義務があります、所掌内でありますから辻元大臣、三人にお答えいただきたいと思います。
  201. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) まず、質問主意書に対するお答え、憲法九条の解釈については現時点で従来の解釈を変えていないという事実をきちんと述べたものであります。  今後についてここで述べております趣旨は、憲法解釈というのは、これは内閣法制局、内閣法制局というのは内閣の一部ですから、基本的に鳩山政権というのは政治主導物事を決定していく、そのことを、当然のことを述べたものであります。
  202. 北澤俊美

    国務大臣北澤俊美君) 外務大臣答弁と重なるわけでありますが、私も同様の見解を持っておりまして、憲法九条の解釈を変えるつもりはありません。
  203. 辻元清美

    ○副大臣辻元清美君) 御質問いただきまして、憲法はすべての閣僚を含めてかかわることでございますので、お答えをさせていただきます。  連立政権をつくるときに連立合意の中に憲法の確認事項を入れました。それは、ちょっと読みますと、唯一の被爆国として、日本国憲法の平和主義を始め国民主権、基本的人権の尊重の三原則の遵守を確認するとともに、憲法の保障する諸権利の実現を第一とし、国民の生活再建に全力を挙げる。ですから、鳩山政権下での憲法、三党ではこれを遵守して頑張ってまいりたいと思っております。
  204. 浜田昌良

    ○浜田昌良君 今の答弁、微妙に違うんですよね。北澤大臣は変えるつもりございませんとおっしゃった。辻元大臣は、三党連立合意合意しましたと、精神守っていきますと。外務大臣はちょっと違う、違う答弁だったですね。政治主導ですからと、法制局長官は内閣の一部分ですからと、政治家主導でやりますよと。  しかも、この次のページ、資料をめくっていただきますと、衣の下のよろいが見えているんですよ、もう。憲法解釈政治主導、平野官房長官は、内閣法制局長官の過去の答弁に縛られないとの見解を示した、憲法九条などの解釈は今後内閣が政治判断で行う考えも表明と。鳩山由紀夫首相も、法制局長官の考え方を金科玉条にするのはおかしいと述べたと書いてあるんですよ。  これは政治主導でどんどん変えていくことじゃないですか。外務大臣、もう一遍答弁
  205. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) 内閣法制局長官が憲法解釈を最終的に決定しているというのは、私は明らかにおかしいと思うんですね、これは内閣の一員ですから。ただ、私は、憲法解釈というのは、これは国の基本となる憲法をどう解釈するかという問題ですから、やはり論理的にきちんと整合性のある、そういう解釈でなければならない、何でもかんでも幅広く拡大解釈していい問題ではないと、そういうふうに考えております。  ですから、もし、当面日程にはありませんが、将来、これは九条に限らず、今の憲法について、解釈について議論が出たときには、それが、国会においても国民においてもきちんと納得できるような論理的な解釈、法律的に言ってきちんと正当性のある解釈、それがなされなければいけないことは当然だと思います。
  206. 浜田昌良

    ○浜田昌良君 外務大臣答弁、特色があるんですよ。何かというと、論理的にという言葉なんですね。よく多用されます。でも、論理的だったら、過去の長官の答弁というのはしっかり踏まえられるはずなんですよ。論理なんだから、今までの、積み重ねがあるんだから。それを、過去の答弁に縛られないと。これはいかがなんですか。縛られないんですか。
  207. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) 縛られないというのは、どういう状況の中で官房長官が言われたかによりますが、もちろん憲法解釈を変えるときには当然今私が申し上げたような要件を満たさなければならないということであります。今までの法制局長官の解釈とはいえ、しかしそれは内閣としての解釈でもあったはずなので、それが白紙に戻るとか、そういうことはあり得ないわけであります。変えるときにはきちんと変えるだけの理由と論理が必要だというふうに思います。
  208. 浜田昌良

    ○浜田昌良君 外務大臣、ちょっと、もうちょっとはっきり言われたらどうですか。いや、法制局長官といっても内閣の判断だったんだからと。今度替わればまた変わるんだと。そういうことでいいんでしょうか。これは、歴代内閣は本当に苦労をしながら憲法九条の精神というのを守ってきたんですよ。それをないがしろにするのかということなんですよ。  私は、政権交代というのはあってもいいと思っているんですよ。ところが、政権交代で変えていいものと変えて悪いものがあるんじゃないですか。政権交代で変えて悪いものの一つは憲法解釈ですよ。これは変えていいんですか、政権交代で。いかがでしょうか。
  209. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) 一般論として言えば、憲法解釈を絶対変えてはいけないというのは私は成り立たないというふうに思います。もちろん、変えるときには、先ほどから繰り返しておりますように、きちんと論理的にそれが成り立つような解釈でなければならない。委員もいろいろ御質問されていますけれども、多分隣の山口さんに聞いていただければ分かりますが、私は憲法の今の解釈について非常に厳しく、それを変えることに対しては厳しく考えている一人であります。
  210. 浜田昌良

    ○浜田昌良君 そうであれば、もう少ししっかりとしたこの質問主意書に対する答弁は何でいただかなかったんでしょうかね。内閣としては現時点では変えてはいないですよ。現状でしか言っていない。しかも、今後の話については、政治家たる閣僚が責任持って行うというのは、これは政治主導で変えると言っているのと同じじゃないですか。  岡田大臣答弁している、それは確かに私も絶対変えちゃいけないとは思っていませんよ。それはいろんな解釈があるかもしれない。しかし、今まで営々と積み重ねてきた憲法解釈があって、しかもいろんな学者の意見もあって、その中でできているんだから、それを最大尊重するというのが閣僚の責任じゃないんですか。もう一度答弁お願いしますよ。
  211. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) この委員質問主意書ですけれども、問いは、小沢幹事長のその憲法解釈について問うているものですね。鳩山内閣もこの小沢幹事長の憲法解釈と同様の解釈をしているのかという問いですから、いや、現時点では従来の解釈を変えていないというふうに否定をしたわけであります。
  212. 浜田昌良

    ○浜田昌良君 そこが衣の下のよろいと言っているんですよ。それで終わっていないと、後段がひっついているというところがあると。しかも、後段だけじゃなくて、同じ日のこれ平野官房長官の記者会見なんですよ、同じ閣議決定した日の。その日にこんな記者レクをしておいて何だと、まさに衣の下のよろいじゃないかと。  これについては、内閣としてしっかりと今までの憲法解釈最大限尊重していくということをなぜ明言できないんですか。その上で、御自身がそれだけ厳しい憲法解釈立場を取っておられるならば、それを、私としても内閣として責任を果たしていきたいと、もう一遍言ってくださいよ。
  213. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) まず、私は、内閣の一員でありますが、内閣そのものではありません。それは、ですから、私の意見がそのまま内閣の決定になるわけではありませんから、委員のおっしゃったようなことはちょっとお答えできないというふうに思います。  官房長官も、議事録を見てみないとよく分かりませんけれども、会見録を。要するに、今後のことについて聞かれてこういうふうにお答えになったんじゃないかというふうに思うんですね。ですから、それはある意味当然、憲法解釈について政治主導内閣で決めていくというのは、私にはそれがなぜ駄目なのかよく分かりません。
  214. 浜田昌良

    ○浜田昌良君 今、会見録を見てみないと分からないとおっしゃいましたが、この会見録は公表されていないんですよ。一方的に言ったところだけが公開されていて、質疑のところがどこを見ても公表されていません。こういうことをやるんですか鳩山内閣は、という感じを指摘したいと思います。  それで、辻元議員にもう一度お聞きしたいんですが、今言ったように、岡田大臣答弁と御自身の憲法の解釈の考え方と、違和感感じないですか、いかがですか。
  215. 辻元清美

    ○副大臣辻元清美君) 私は、先ほど申し上げましたように、現行憲法について、その解釈も含めて、今の連立政権で変えるという意見が出ているとは思っておりません。ですから、今の政権は現行憲法をしっかり遵守していくと思っておりますので、それに基づいて仕事をしていきたいと思います。  ちょっと一言付け加えさせていただきますと、旧政権の折に私は非常に心配することがございました。安倍政権のときに、集団的自衛権の行使について解釈を変えたらどうかというようなことを官邸で、私的諮問機関でしたけれども、検討されたことがあります。そのときは自公政権下でございました。私はああいうやり方はおかしいと思っておりました。それは一言付け加えさせていただきたいと思います。
  216. 浜田昌良

    ○浜田昌良君 何か付け加えされたようですけれども、我々は自公政権であったがゆえにそういう動きに対してはしっかり声を出しました。同じようにあなたも内閣の中で声出さないと引っ張られますよ。  今の、私が聞いているのは、岡田さんの今までの答弁政治主導でやるんですよとおっしゃっている。あなたは、今言われたのは、この鳩山政権では憲法解釈は変更はされないと。違うじゃないですか。違和感は感じないのかと聞いているんですよ。
  217. 辻元清美

    ○副大臣辻元清美君) 公明党の皆様が頑張られたように、私も頑張ってまいりたいと思っております。
  218. 浜田昌良

    ○浜田昌良君 是非頑張ってほしいと思います。  頑張ってほしいがゆえに質問したいんですが、基本政策閣僚委員会というのが置かれているんですよね、この鳩山内閣においては。これは三党党首が、党首級が入っておられまして、今言ったように若干はニュアンスが違うと思っているんですよ。この憲法の解釈の問題、この基本政策閣僚委員会でしっかりピン留めをする、これ辻元大臣、やられませんか。
  219. 辻元清美

    ○副大臣辻元清美君) 基本政策閣僚委員会は、私、国土交通大臣の所管外でございます。
  220. 浜田昌良

    ○浜田昌良君 辻元大臣もおとなしくなられたようですね。もうちょっと発言されたらどうですか。しかも、これは確かに、担当外と言っちゃうと、福島党首は消費者問題とかそういう問題しか発言できなくなっちゃいますよ。基本政策閣僚委員会ということに入っていかれるんですから、党として、またその党の閣僚としてこういう問題を扱っていくという、党の立場は表明されないんですか。
  221. 辻元清美

    ○副大臣辻元清美君) 福島大臣は基本政策閣僚委員会の一員を成しておりますので、十分、福島大臣を通して党の発言はしていっているということです。
  222. 浜田昌良

    ○浜田昌良君 しっかりとエールを送っていただかないと、国民ははっきり言って不安を感じています。そういう意味では、この憲法九条の改正の問題については営々たる積み重ねをしっかり踏まえていただいて、こういう新聞記事で「憲法解釈も「政治主導」」、「法制局答弁と一線」というような記事が載ること自体が国民にあらぬ不安を呼び起こすのだと思っておりますので、その点を再度お願いしておきたいと思っています。  次に、重要な問題、核廃絶の問題に移りたいと思っております。  これについては、私は先ほど政権交代で変えてはいけないものと変えるべきものがあると言いましたが、これこそ変えるべきものと私は思っているんですよ。核廃絶についてはなかなか前政権では、私はこの場で相当強くやったんですけれども、思い切ったことは起こらなかった。これは期待が高まっているんですよ、岡田外務大臣に。  資料に配っておきましたが、この三枚目を見ていただくと、これも質問主意書なんですけれども、岡田外務大臣は、雑誌「世界」で、今年の七月号ですが、「核保有国、とりわけアメリカが先制不使用を宣言すること、そして核を持たない国に対しての核使用は違法であるという合意の形成を日本として主張していくべきだ」と、こう書かれています。しかし、鳩山総理は、国連での安保理での首脳会合でも、また所信表明でも一切こういう先制不使用論、またいわゆる消極的安全保障論は言われていないんですよ。  それで、私は主意書で、鳩山内閣としてはこの先制不使用の問題、消極的安全保障についてはどう取り組むんだと聞いた答えが下にあります。何と「核兵器の先制不使用宣言は、すべての核兵器国が検証可能な形で同時に行わなければ有意義ではなく、これを達成するには、まだ時間を要するものと考えている。」と、こういう答弁なんですね。  これで、岡田外務大臣がこれだけ威勢よく言われた内容は相当これトーンダウンしちゃったなと。何でこれだけ威勢がよかったのに、この主意書の答弁はこんなにトーンダウンしてしまったんでしょうか。外務大臣から答弁いただきます。
  223. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) 先ほどから外務大臣のというふうに言われますが、この雑誌「世界」に書いたのは平成二十一年七月号でありまして、外務大臣になる前の私の見解です。私個人の見解と、そして内閣を構成する外務大臣の意見というところにそれは一致しないところが出てくるのはこれはやむを得ないことだというふうに思っています。  しかし、私としては、この「世界」で述べたことについて基本的に私自身気持ちが変わったということではありませんので、今後、政府の核政策について、もちろん現実を見なきゃいけません。この雑誌「世界」に述べたものは時間軸というものは余り述べておりませんから、どういうふうにステップを踏みながら実現していくか、こういうことはこれからよく省内でも議論をし、既にやっていますけれども、そして政府としての核戦略について、核の不拡散とそして核の軍縮についてしっかりとした政策を構築していきたいと、そういうふうに考えているところであります。
  224. 浜田昌良

    ○浜田昌良君 今外務大臣は雑誌「世界」で書いたことは時間軸を述べていないとおっしゃいましたね。じゃ、どういう時間軸でこういうことをやるべきと考えておられたんですか。
  225. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) ですから、そのことについても私がここで意見を述べることは、先ほど来、山本先生始め皆さんから言われているわけですけれども、内閣というのは一致しなきゃいけないと、決めたことをきちんと発信する、個人の、個人というか、外務大臣としての意見を述べる、余り述べ過ぎないようにという御意見もいただいているわけですから、ここで私の個人、個人といいますか、私の意見を述べてしまうと、また閣内でということになるんじゃないかと思います。  ただ、一言だけ申し上げておきますと、この核政策について、川口順子さんとそれからエバンズ元オーストラリアの外相の二人が共同議長を務める委員会で報告書がほぼまとまりました。間もなく正式に公表されるということになると思います。  その中で三段階に分けて進むべき手順というのを示しております。この核の先制不使用というのは第二段階でのテーマになっておりまして、第一段階としては、核を持たない国に対する核使用についてそれを禁止をすると、そのための具体的手段なども述べられているところであります。たしか、安全保障委員会においてそういった決議をして法的拘束力を持たせるというような提案だったと思います。  一足飛びにそこまで政府としては行けませんけれども、ああいった政府を超えた委員会ですから、二歩三歩政府の先を行くというふうに私は認識しておりますが、しかし将来的にはそういうことを目指して、そして今何ができるかということを考えてみればいいと思います。  私は、ゲーツ国防長官が来られたときにも、核の先制不使用という大きな流れ、世界的な流れというのは、これは否定し得ないと、そういう中で日米が今何ができるかということをよく議論しましょうというふうに申し上げたところであります。
  226. 浜田昌良

    ○浜田昌良君 岡田大臣が余り閣内で意見が食い違ってはいけないということをおっしゃったんですけど、その割には先ほど普天間関係ではいろいろ食い違っていたようで、しかもそれは政治主導だからそれでそういうものはいいんだとおっしゃったんですから、もうちょっとこれについては強く言われたらどうなんですかという気はしますけれども、そう言ってもしようがないんで。  辻元議員に。これはお答えできるんですかね。私は、同じような実は質問主意書を辻元さんも出しておられて、私、尊敬していたんですよ。そういう意味では、私はこの件について答弁いただきたいんですよ。私のこの質問主意書の答えに対して満足されていますか、内閣として。いかがですか。内閣の一員として、これは国土交通大臣もサインした閣議決定の文書ですからね。
  227. 辻元清美

    ○副大臣辻元清美君) 今、内閣の決定と言われたんですけれども、すべて閣議で大臣がサインするわけですね。私も外交安全保障については衆議院の方の委員会でもかなり議論をしてまいりましたので、多々意見はございます。しかし、先ほどからこの委員会でも言われておりますように、今は国土交通大臣としての任務をしっかりと現行憲法下で果たしていくということに邁進したいと思っているんです。ですから、今、核政策についてここでお答えすることは控えたいと思います。
  228. 浜田昌良

    ○浜田昌良君 若干がっかりしましたですけどね。  核廃絶の問題について、こういう質問主意書の答弁とは思わなかったんです。もう少し踏み込んでもらえるというところが、本当にこれで民主、社民、国民新党の連立としてこういうトーンでいいのかということは私はよく御議論いただきたいと思っていますよ。ここまで皆さん主張されてこられたんだから、急に何で現実に戻っているんだと。これこそ政治主導で変わる問題でしょう、憲法の改正とは違って。これを是非答弁を含めてしっかりしてもらいたいと思っています。  この中で、あと具体的に聞きたいと思っているんですが、先制不使用については検証可能な形で同時にという、こういう具体的な内容が書いてあるんですよ。でも、先制不使用についてどういう検証措置が必要なんでしょうか。先制不使用、先制使用をしたかしてないのかというのは一目瞭然じゃないですか。どういう検証措置が必要だと考えておられるんですか。
  229. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) ここで書いた趣旨は、先制不使用をある国が宣言したとしても、あるいはお互い約束したとしても、それがどこまで守られるかということが何らかの形で担保されないと、結局それは口だけの約束に終わってしまう、その可能性があるということです。  ですから、そういうことがないようにするためには、私は、やはり全体としての、世界、まず世界全体で核保有国がこれ参加しないと駄目だと思いますし、それから、その前提としてやっぱり核の数がある程度減らないと私は非常に難しいんじゃないかというふうに思います。  そういう意味でも、まず米ロ間で、そしてその後、中国やフランス、あるいはイギリスも含めて、あるいはそのほかの核保有国も含めて、全体で例えば千発とか千五百発ということになってくれば、一つ一つについてマークを付けてある程度検証ということは可能になってくるんじゃないかと、そういうふうに思いますが、なかなか今の時点ですべてというのは難しい、そういう趣旨を述べたものであります。  ただ、委員、もう一言だけ言わせていただくと、核政策について私はしっかり今の政府の中でも議論したいという思いは持っております。ただ、いろいろ外務大臣もやることたくさんあるものですから、一遍に手は付けられませんので、順次やっていく中で、今までの自公政権の下での核政策、核不拡散、核軍縮政策、オバマ大統領のプラハ演説以降、世界の流れも大きく変わってまいりました。そういう中で、やはり日本らしいしっかりとした核政策を構築していきたいと、外務大臣としてそう思っております。
  230. 浜田昌良

    ○浜田昌良君 今、岡田大臣答弁であれっと思ったのは、核兵器がある程度削減されてこないと先制不使用ができないという論理は、私は通説ではないと思いますね。そうではないと思いますね。それは別の問題ですね。  あと、使用しないということの検証というのは非常に難しいと思いますね。どうやって使用しないというのを検証するのかと。そういう意味で、これは全く外務省の従来の答弁踏み出してないんですよ。その最たるものが、この政府回答の後段に線引いておきましたが、いわゆる先制不使用と日米安全保障の問題、これまさにがっかりした答弁なんですね。「米国が保有する核戦力と通常戦力の総和としての軍事力が、我が国に対する核兵器によるものを含む攻撃を抑止するものと考えている。」。これは実は、横に書いていますが、辻元議員の質問主意書の回答と全く同じ文なんですよ、これ。これこそ官僚答弁じゃないかと、何が政治主導答弁だと。これは全く同じ答弁岡田さんは書けと言ったんですか。
  231. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) なぜこれが官僚答弁なのかというのはよく分かりませんが、現時点であればこういうことだと私は思います。
  232. 浜田昌良

    ○浜田昌良君 現時点であればこれだということは、つまり、日本が核以外でも攻められてもアメリカの核を期待するということが書いてあるんです、これ。つまり、アメリカの先制使用を日本は支持すると、そういうことですね。
  233. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) ここで書いてありますのは、抑止というのは核戦力と通常戦力、これを合わせたものとして考えるべきだということを述べているだけであって、それ以上でもそれ以下でもありません。
  234. 浜田昌良

    ○浜田昌良君 まさしく官僚答弁ですね、それは。  はっきり分けて、通常兵器による攻撃を受けたときに、それでもアメリカの核の抑止を期待するのかと聞いているんですよ。
  235. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) ここはいろんな議論があり得るんだと思います。通常兵器といっても、例えば大量破壊兵器ですね、そこによる攻撃を受けたときに、核による報復というのを認めるかどうかと。そこは議論があると思いますが、いずれにしてもこれは相手もある話ですから、勝手に日本が今までの考え方変えたと宣言して済む話ではありません。そういう意味で、質問主意書というのは一週間でお答えをしなければいけないわけですが、その間にもう一回きちんとした、一から議論をして、相手国とも協議をして、そして答えを書くというのは事実上難しい。もう少し時間を掛けて慎重に検討しなければいけない問題だと私は思います。  それから、もし委員がそこまで強い思いを持っておられるなら、どうしてそれは自ら与党のときに実現されなかったのか、そこはちょっとよく分からないわけです。
  236. 浜田昌良

    ○浜田昌良君 それぞれまだ野党の気分でおられるようで余計な答弁が付くんですけれども、それはこの外交防衛委員会の議事録読んでください。北澤委員長も、また榛葉委員長も御存じですが、相当私はこの場でやっていました。それを読んでから言っていただきたいと思いますね。  その上で、確かに時間がないんだったら、答弁延ばしてくれって言いに来ればいいじゃないですか。私よくやりましたよ。それも言いに来なかったじゃないか。その上で、一週間だからこんなのはできないんですよという論理はおかしいと思いますよ、ルール知っているはずだと思いますけれども。  その上で更に聞きますが、アメリカは踏み出していますよ、はっきり言って。今回のオバマ大統領の東京演説、どう言ったか覚えていますか。ここではっきりさせたい、これらの兵器、つまり核兵器が存在する限り米国は韓国と日本を含む同盟国防衛を保障するために強力で効果的な核抑止力を維持すると、こう言ったんですよ。同じ表現を、実は前の日の十三日の共同記者会見でも、核兵器が存在する限り我々は核抑止力を提供すると、核には核と明確に言っているんですよ。それが、何とこの日米の共同ステートメントでは後退しているんですよ。何と言っているかというと、日本国、アメリカその他の同盟国の安全保障をいかなる形においても損なわないことを確保しつつと、核軍縮やりますという、全く、日米共同声明では通常兵器にも核を期待すると、こう言っていると。オバマさん自身は核には核だと、こう言っているじゃないですか。アメリカもこう言っているんだから日本もそう言うべきじゃなかったんですか。もう一度、外務大臣答弁
  237. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) オバマ演説の読み方ですけれども、核兵器が存在する限り効果的な核抑止力を維持するということを言っているわけですけれども、これは核兵器がある限りはきちんと核で抑止しますよということを言っているわけですが、核兵器がなくなった場合にどうするかということについては、核兵器による抑止を維持するとも維持しないとも述べていないと、普通に読めばそういうことだと思います。
  238. 浜田昌良

    ○浜田昌良君 全然読み方違いますよ、それ。よく読んだ方がいいですよ、大臣。  これは、核兵器が存在する限りということを書いている。つまり、通常兵器があるから核を使うと、抑止力を期待するとは全く書いてないんですよ。核があるから核なんだと書いてあるだけでしょう。核が終わってからの話なんて聞いているわけじゃないんですよ。  じゃ、これは通常兵器に対してのこれは核抑止力を提供すると読めるんですか、これは。
  239. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) ここに書いてあるのは、核が存在する限り効果的な核抑止力を維持するということであって、それ以上でもそれ以下でもないと思います。
  240. 浜田昌良

    ○浜田昌良君 がっかりしましたので、次行きます。  次に、東アジアの非核地帯構想、これは資料の最後のページにあるんですが、これは外務大臣個人の思いじゃなくて、民主党の政権政策二〇〇九、いわゆるマニフェストですよ。マニフェストで、「北東アジア地域の非核化をめざす。」と立派に書いてあるじゃないですか。マニフェストは、民主党政権は四年間でやるんでしょう。四年間でやるのに、出てきた答弁が、下にありますように、「北東アジアにおいては、非核地帯実現のための現実的環境はいまだ整っていないと考えている。 我が国としては、北東アジアの安全保障環境改善のため、まずは北朝鮮の核問題の解決の実現に向け努力する考え」だと。すごいトーンダウンじゃないですか。なぜ、この四年間でやると言っているんだから、もう少し、こういう厳しい状況があるんだけれどもやるんだという答弁はできなかったんですか。
  241. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) いや、ちょっと私、理解に苦しむんですが、マニフェストに書いた「北東アジア地域の非核化をめざす。」というのは、もちろん北朝鮮が非核化するということを含めて言っているわけですね。非核地帯条約もそうです。北朝鮮が核を持っている状況の中で、そういうことはあり得ないわけであります。  ですから、今の現時点で北朝鮮がこれだけ核実験も繰り返し、核の保有を既成事実化しようとしている、そういう状況においては北東アジアの非核化などあり得ないと、当然のことを述べただけです。
  242. 浜田昌良

    ○浜田昌良君 その発想が外務省的なんですよね。北朝鮮が非核化をして次のステップで北東アジアの非核化をすると、こういう発想をもうしていないですよ、北朝鮮も。  十月の二十六、二十七日に、アメリカのカリフォルニアで北東アジア協力対話というのが、トラック2ってあるんですね、いわゆる官民対話ですよ。これには北朝鮮の外務省米州局長李根さんが出席されて、六人ぐらい出席されています。日本からは拓殖大学の森本教授も出席されていまして、この前の十五日の朝のNHKの日曜討論でこう言われたんですよ。北朝鮮からの強いメッセージは、半島の非核化は単に北朝鮮の核問題だけにとどまらず、南北、日朝等の関係国との関係が同時に進まなければならない、これが強力なメッセージだと、こう発言されたんですよ、NHKでね。詳細の議事録はできませんけど、こういうメッセージでしたと。  ここにあるように、なぜ北朝鮮が核開発に走るのか。それは、朝鮮戦争も国際法的には終わっていないんですよ、休戦ですから。アメリカが、核の攻撃があるかもしれない、日本日米同盟関係がありますから、日本に対してミサイルを発射をすると、先制使用で日本を守るためにアメリカの核攻撃があるかもしれない、よって核開発しなきゃいけないと思うのが北朝鮮の一つの、本当かどうか、論理になっているじゃないですか。それを改善していくためには、少しは日米関係、また南北の関係、こういうものを並行してやっていくことが北朝鮮の核開発の根本解決になると思いませんか。いかがですか。
  243. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) 森本教授がどういう趣旨で言われたのか、私は承知をいたしません。  委員おっしゃることをこういう意味だとすれば私は理解できます。つまり、非核地帯条約というものが、北朝鮮が非核化した後にそういうものが控えているということを言うことがもし北朝鮮の非核化につながるということが確信できれば、そういったカードもあり得ると私は思います。しかし、現時点で北朝鮮がやっていることを見たときに、そこまで私は楽観的になりません。  したがって、現時点で言われれば、北東アジアの非核化というのは、これは現実の問題ではないと。やはり北朝鮮がきちんと非核化することが前提であると。これは、私、この非核化条約、自ら作った一人でありますけれども、そういう前提で今までも議論してまいりました。
  244. 浜田昌良

    ○浜田昌良君 別に北朝鮮の非核化を進めないと言ったわけじゃない、進めるべきなんですけど、スコープとして、対話と圧力なんですが、圧力もあったけど対話のカードの中にはそういうスコープを含めるべきじゃないかという私の主張なんです。そのことを是非今後の北朝鮮外交の中で考えていただきたいんですね。  六か国協議の中の作業グループの中にも、北東アジアの安全保障を議論する作業チーム、作業グループがあるんですよ。この中で、実は私、高村大臣にも昔、質問したんですよ。この作業グループにおいて非核地帯というのを議論すべきじゃないかと、二年前ですね。そういうことも、並行することもあるかもしれないと、彼はその場で議論することも認めたんですよ、彼は。自公政権において外務大臣は、その場も使えるかもしれないと答弁までしているんですよ。それを岡田大臣は門前払いですか。少しは六か国協議の中でそういう非核地帯のことも含めて議論するとおっしゃいませんか。
  245. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) どういう状況下において外務大臣としてどういう発言をすべきかということは常に考えておかなければならないと思います。今の状況は、北朝鮮が国連安保理の決議に違反して核実験を行ったりあるいはミサイルを飛ばしたり、そういう状況でこちらがそういったカードを切るというのは、ちょっと私には想像できないことであります。  高村大臣がどういうシチュエーションで、状況の中でおっしゃったことか私は承知いたしませんが、六か国協議がきちんと再開されるかどうかも明らかでない中で六か国協議の中で云々というのは、私は、やり方としてはいいやり方ではないと思います。
  246. 浜田昌良

    ○浜田昌良君 もうやめますが、政権交代によって変えるべきものと変えてはいけないものがある、それをしっかりわきまえていただきたい。憲法解釈については、今までの積み重ねをしっかり踏まえていただいて、私は安易に変えるべきじゃないと思っていますね。  かつ、この核廃絶の問題、これだけ岡田さんも今まで言ってこられたんだし、鳩山総理も言われたんだから、これは外務省のいろんな当事者に任せずに、これこそ政治主導でやっていただきたい、このことにエールを送らせていただきまして、私の質問を終わります。
  247. 井上哲士

    ○井上哲士君 日本共産党の井上哲士です。  質問に入ります前に、先ほど海賊問題で我が党の名前が出たので正確にしておきますが、私どもは、海賊の温床である貧困をなくすための民生支援や周辺国の海上警備活動の能力を強めるための支援に徹するべきだという主張でありまして、海上保安庁を派遣しようと、こういう立場ではなかったということで、正確にしておきたいと思います。  その上で、核兵器の問題で私からもお聞きをいたします。  前政権は、日米安保体制下で核の傘に依存をしてきました。ですから、あのオバマ氏のプラハ演説の後も、唯一の被爆国でありながら、この核の傘の確認に走ったということが様々批判の声も上がったわけですね。  そこで、まず岡田大臣にお聞きしますが、鳩山政権の核兵器に対する政策というのは前政権とどこがどう違うのか、またどこを変えようとしているのか、答弁いただきたいと思います。
  248. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) 鳩山総理は、オバマ大統領のプラハ演説に非常に共鳴をし、そして首脳会談においても、核のない世界を目指して日米が協力していこうということを力強くメッセージとして述べられております。  基本的に外務省としては、その総理の基本的な方針に沿って、今後、日米協力しながら核の軍縮、核の不拡散に努力していきたいというふうに考えております。
  249. 井上哲士

    ○井上哲士君 どこが違うのかちょっと鮮明でないんですが、明らかに変わっているのは、核密約に対する調査をするという対応であります。前政権は、ないという一点張りでありましたが、岡田大臣調査命令を出されました。  昨日の答弁では、この中間報告を受けて、今月中にも結果が出るけれども、第三者委員会での分析の上、最終発表したいと、それは年明けになるんじゃないかというような答弁もありました。私は、むしろ国民にオープンにした上で、検証するならば、それは並行してするというやり方でいいと思うんです。  是非結果が出た時点で公表していただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
  250. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) この密約、これは核だけでは実はないわけですけれども、四つの密約については現在外務省の中で調査をしているところであります。  私は、最初にこの密約の調査を命じたときに、そのときから一貫して申し上げておりますが、外務省の内部調査は十一月いっぱいと、そして第三者委員会を立ち上げて、その外務省調査結果についての検証も行い、時代背景もきちんと押さえた上で、その上で結果をまとめたいと、そういうことは以前から申し上げてきたとおりであります。
  251. 井上哲士

    ○井上哲士君 私は、繰り返しになりますが、是非結果が出た時点でオープンにしていただきたいと思います。  鳩山総理は、今年の七月の時点でこう述べられました。非核三原則が堅持される中で、北朝鮮の問題も含め、必要性があったからこそ現実的な対応がなされてきた、今後もその方向で考えるべきだということであります。当時、これは寄港や通過を容認をして、事実上非核二原則に見直すんじゃないかと、こういうふうに報道もされたわけですね。その後、総理就任後の国連安保理の演説では、非核三原則を堅持すると誓われました。  しかし、この間の所信表明を聞いておりますと、非核三原則を我が国は堅持してきたと、こういうふうに述べられたんですね。今、この核密約によって実際には非核三原則が空洞化されていたというにもかかわらず、堅持されてきたというふうに評価をされるとなりますと、総理の言う堅持という言葉の中身がまた問われてくると思うんですね。  そこで聞くわけでありますが、核搭載艦の寄港や通過については事前協議の対象としないと、こういう日米間の密約については、調査の上、これは破棄をすると、こういうことでよろしいですね。
  252. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) まず、非核三原則に対する政府の方針は変わっておりません。それから、調査中身、あるいはその調査前提とした仮定の質問には現時点ではお答えできません。まずしっかりと事実を出すということが重要だということで現在調査を行っているところであります。
  253. 井上哲士

    ○井上哲士君 密約が存在する蓋然性が極めて高いという発言もこれまでされてきたわけですね。私もこの場にそのアメリカの公文書にある現物も出してまいりました。アメリカは認めているのに日本政府だけが頑として認めないということがあったわけですから、私は、これはきちっと調査の上やっぱり破棄をするんだということは明らかにしなければ、出てきたけれどもそれをじゃ認めていくのかということになるわけですから、それは明言をしていただきたいと思います。
  254. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) 現在調査中であり、調査の結果どうなるであろうという仮定に基づく御質問にはお答えすべきではないと思います。
  255. 井上哲士

    ○井上哲士君 いや、存在するかしないかなんですよ。そして、存在が改めて調査によって確認をされれば破棄をする、これは当然のことじゃないんですか。
  256. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) 今調査をしているところであって、存在すればという、そういう仮定の質問にはお答えしない方がいいと思います。
  257. 井上哲士

    ○井上哲士君 これは、私ども、先ほど言いましたように、現物も再三出してまいりました。仮定じゃなくて、言わば確認をしていただくべき問題だと思いますが。  この非核三原則についての政府立場は変わっていないという答弁意味がちょっとはっきりしなかったんですが、今後、名実ともに、この寄港や通過も含めて核兵器については認めない、これが政府立場だと、鳩山政権の立場だと、こういうことでよろしいですか。
  258. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) 非核三原則の中身委員おっしゃるとおりであります。
  259. 井上哲士

    ○井上哲士君 それは官僚答弁ですよ。それを堅持していくということを鳩山大臣は国連でも演説されたわけでありますから、つまり、そういうことは認めない、寄港や通過も含めて認めないと、こういうことが政府立場だということですね。
  260. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) 鳩山総理は非核三原則は堅持すると言われました。非核三原則の内容は委員が言われたものも含まれております。
  261. 井上哲士

    ○井上哲士君 それでは、そのように確認をしておきます。  そこで私は、この前政権の核の傘の依存の最悪の表れが、この五月に発表されたアメリカの戦略体制に関する議会諮問委員会の最終報告書、アメリカで出されておりますけれども、これで明らかになったと思うんです。  この最終報告書の附属文書にはこの委員会が協議した人物の一覧表も付いておりまして、外国政府関係者二十六人のトップには在米の日本大使館の二人の公使ら四人の氏名が載っておりますが、まず、これは前政権のことでありますから北米局長にお聞きしますが、この四人がこのアメリカの諮問委員会と協議をしたと、このことは事実ですね。
  262. 梅本和義

    政府参考人(梅本和義君) これは、以前の外交防衛委員会でも御説明をしているところでございますが、この米国議会に設置をされました戦略体制委員会、この報告書を発表しております。そして、そういう記述がその報告書にあることも承知をしております。  この日米両国間では日ごろから、本件も含め、日米安保、防衛協力に関する様々な事項について緊密かつ幅広く意見交換を行っております。こうした日常的な接触の一つとして、米側からの要望に応じまして、日本側の考え方外交ルートを通じて適宜委員会に御説明をしたということはございます。
  263. 井上哲士

    ○井上哲士君 それは、当然、局長は事前に承知をされていたということでよろしいですか。
  264. 梅本和義

    政府参考人(梅本和義君) この委員会に対して外交ルートでこれを説明をするということについてはもちろん私も承知をしておりましたし、当時の大臣にもたしか御了承を得ていたというふうに記憶をしております。
  265. 井上哲士

    ○井上哲士君 この最終報告書の中でこういう記述があるんですね。ある特別に重要な同盟国が当委員会に内密に、米国の拡大抑止の信頼性は、広範な種類の目標を危険にさらし、状況が要求すれば、見える方法かあるいはこっそりと配備する特別の能力に依拠していると主張してきたと。そして、我々の委員会の作業の中で、アジアの若干の同盟諸国は核巡航ミサイル、トマホークの退役を非常に懸念するであろうことが明らかになったというふうに明記をされております。この同盟国日本であるということは一連の関係者の発言でもその後明らかになっておりまして、今月六日の朝日新聞には、この諮問委員会の副座長をしたシュレジンジャー元国防長官のインタビューが掲載されておりますが、この中でシュレジンジャー氏は、諮問委員会が意見を聞いた日本政府当局者から、日本を守るための核の傘を米国が維持していくのかと懸念を表明されたと証言をされております。  トマホークの核弾頭は二〇一三年以降順次退役をする計画になっているわけでありますが、日本政府当局者がその削減、廃棄に反対するという働きかけを行っていたと。驚くべきことでありますが、局長に聞きますけれども、当時こういう働きかけ、意見表明をしたと、これは事実ですか。
  266. 梅本和義

    政府参考人(梅本和義君) まず、詳細なやり取りについては、これは先方との関係もございますし、お答えを差し控えさせていただきたいんですが、我が国の基本的な考え方として次のような点を説明しております。  一つは、我が国は、日米安保条約を堅持し、それがもたらす核抑止を含む抑止力を重要な柱として自国の安全を確保しているということ。これとともに、核兵器を含む軍備削減等の努力を重ね、核兵器を必要としない平和な国際社会をつくっていくことが重要であるという考えも説明をしております。  これは、私ども、アメリカの特定の装備体系について十分な情報を持っているわけでもございませんので、そのように特定の装備体系をどうしろこうしろというようなことを申し上げるということはしてきておりません。  ただ、昨年から今年にかけて、北朝鮮の核実験であるとかいろいろなことがございました。したがって、我が国の国民の中にもいろんな不安があるんだと、いろんな議論もあるということももちろんその中で説明をしております。  したがって、アメリカが今後、核の体制というものを考えていくに当たっては、やはり日米安保条約の下の抑止力というものに、これを信頼性を下げるというようなことは、やはり日本国民の安全という観点からはよく慎重に検討していただきたいというような趣旨の説明はしていたというふうに思います。
  267. 井上哲士

    ○井上哲士君 つまり、核減らすなということを言っているんですね。しかも、具体的に言っているんですよ、これは。今の答弁違うと思うんですね。  五月の七日にアメリカの上院軍事委員会の公聴会で、この諮問委員会のジョン・フォスター委員が証言しておりますが、こういうふうに言っています。特に日本の代表は、米国の核の傘としてどんな能力を保有すべきだと自分たちが考えているかについてある程度まで詳細に説明したと。彼らが語った能力とは、ステルス性があり、透明で迅速であること、また堅固な標的を貫通できるが、副次的被害を最小化し、爆発力の小さな能力を望んでいたと、こう言っているんですね。これは地中貫通型の小型核兵器が想定されますが、具体的装備も含めてこういう要望をしている。  しかも、朝日新聞の先ほどの報道では、日本政府当局者は、米国に維持してほしい核戦力を信頼性や柔軟性など六項目に分類し、近代化された核弾頭、原子力潜水艦、B52爆撃機などを具体例として列挙した書面を提示したと、こういう報道もされているわけですが。  まず、上院の諮問委員会で言われているようなこういうことについて日本が意見表明しているんじゃないですか。
  268. 梅本和義

    政府参考人(梅本和義君) 先ほど申し上げましたように、私ども、特定の装備体系等について十分な知識を持っているわけではございません。もちろん、公表資料とかそういうものは勉強しております。したがって、そういうような、このシステムをどうしてほしいとかいうようなことを申し上げる立場にはないわけでございます。  ただ、先ほども申し上げましたように、核抑止力というものが信頼性があるということ、また核抑止力の信頼性があるということがよく分かるということ、これは抑止を提供される私どもから見てもそういう抑止力というものが十分に働いているなというふうに安心できるということ、それから潜在的な日本に対して攻撃を考えるような国から見ると、これは日本に手を出したらやはり大変なことになるなという意味で、相手国から見た抑止力の信頼性というものもあると、そういうようなことをいろいろと議論をしていたということでございます。
  269. 井上哲士

    ○井上哲士君 そのためにトマホークは退役をするなと、そしてこういう地中貫通型の小型核兵器などを望んだと、こういうことが向こうの上院委員会や報告書で書かれているんですから、そこまで言ったんじゃないんですかと、そしてこういう文書も出したんじゃないですかということを聞いているんです。
  270. 梅本和義

    政府参考人(梅本和義君) もちろん詳細なやり取りについては、先方との関係もございましてお答えを差し控えさせていただきますが、私ども、特定の装備システムについて、これを継続してほしいとかやめてほしいとか、そういうようなことは言う立場にはないわけでございます。  ただ、抑止の提供を受けている同盟国として自分らの安全というものがきちんと確保される、また、それを日本国民の多くの人が、ああ安全が確保されているというふうに安心して感じられるということが大事であるということで、そういうことを、これは主としてアメリカの方でいろいろな兵器の体系というものを考えるときに、それぞれが抑止力に対する安心感というものについてどういう影響があるのかということをよく考えてほしいという趣旨のことは説明をしているわけでございます。
  271. 井上哲士

    ○井上哲士君 岡田大臣にお聞きしますが、今もやり取りを聞いていただいたと思うんです。私は、今の局長答弁からは事の重大性の認識を全く感じられないんです。  こういう前政権の下での日本の懸念や要請というものが、核軍縮や廃絶の流れに抵抗するアメリカ国内の勢力により、核兵器の維持や強化の口実にされているということがあるんですね。先ほど紹介しましたフォスター氏は、同盟国の懸念にこたえるためにも、現在凍結されている核実験を新型核の開発のために実施できるかどうかが問題だと、こういうことも証言をされておりますし、それからシュレジンジャー氏もアメリカ上院の公聴会での証言で、同盟国への核の傘の提供ということを核戦力保持の、言わば核の削減に反対する理由に挙げてきているわけですね。  総理は、先日の安保理では唯一の被爆国としての道義的責任ということを言われ、核軍縮のことを言われました。そういう下で私がお聞きしたいのは、こういうトマホークの退役に反対をするであるとか、小型核兵器についての要望をするであるとか、こういうことを日本が行うということが、この唯一の被爆国としての道義的責任を果たしているということが果たして言えるのかと思うわけですが、大臣のお考えをいただきたいと思います。
  272. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) まず、今委員指摘の具体的な話は私は承知しておりませんし、外務省としても、そういったことについて、今委員が御指摘のことを我々が認めたわけではないということを申し上げておきたいと思います。詳細についてここで述べる立場にはございません。  そして、核の傘の問題は非常に難しい問題ですが、しかし現実に今核を保有している国が世界にある中で、特にすぐ身近に核実験を繰り返し、核保有を既成事実化しようとしている国がある中で、やっぱり核の傘というのは、非常に重要な日本の安全保障上の、何といいますか、一つの手段であるというふうに思います。  そのほかのことについては、何といいますか、それは前政権の下で、具体的に言えば当時の外務大臣の下で行われたことでありまして、私の下で同様なことが起きた場合にどう対応するかというのは、そのときに私自身が判断させていただきたいと思います。
  273. 井上哲士

    ○井上哲士君 私が紹介しているのはアメリカの正式の報告書であり、そして上院での正式の証言なんですね。ですから、核密約と一緒なんですよ。アメリカでは密約文書が明らかにされているのに、日本政府は、ないない、知らぬ存ぜぬと言っていたと。そして、国民の知らないところでアメリカに対して、トマホークは退役させるなと、小型核兵器も必要だと、核軍縮どころか、強化、軍拡を求めるような話をしているということなんですね。  これは前政権の問題では済まないんです。シュレジンジャー氏はこう言っているんですね。こうした見解は高官だけのものではなくて、日本人の一般的な見方であろうと受け止めたと。つまり、時の政権と日本人の一般的見方だと思って、二枚舌を使う国は日本だけではないともいうふうに述べているわけですね。ですから、私は、これに基づいて今アメリカの核戦略の見直しが進められているわけですから、これは前政権の問題であっても違うんだということをはっきりさせる必要があると思います。  まずは、現実にアメリカの議会でも出され、報告書も出されているんですから、どういうふうな要請を日本が具体的にしてきたのかということをまず調べていただきたい、密約と同じように調査もしていただきたい、そして明らかにしていただきたいと思いますが、大臣、いかがでしょうか。
  274. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) 私は、委員が御指摘の方がどういう意図を持って言われているのかというのは知り得る立場に今ございません。そして、密約と同じだというふうにおっしゃいましたが、密約というのは一九五〇年代、六〇年代の話であります。外交に一定の機密というものが伴うことは当然のことであって、すべて出せるわけでは必ずしもないということは申し上げておかなければいけないと思います。
  275. 井上哲士

    ○井上哲士君 そういう問題じゃないんですよ。現に、日本政府が核兵器廃絶とか核軍縮ということをいいながら、政府の在米大使館の公使がアメリカに対してトマホークは退役させるなと、小型核兵器は必要だということを述べていたとしたら全く国民を欺いていた、逆のことが行われていたと。そしてそれが、今も言わば日本国民の声だという認識でアメリカの核戦略の見直しの中で参考にされているということがあるだろうから、これはやっぱりちゃんと検証するべきだと私は言っているんですね。いかがですか。
  276. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) アメリカのそういった記録があったとしても、それはどういう意図でそういう証言になったのかということもよく分かりませんし、私はやはり外交上守るべき秘密というのはあると思いますので、すべて明らかにできるものではないというふうに思います。  特に、それが前政権の下で行われたことだとすれば、私の一存で決めるわけにはいかない。当時の政権がどういう考え方でなされたか、私、承知をいたしておりません。
  277. 井上哲士

    ○井上哲士君 いや、だからこそ、前政権下で行われたかきっちり大臣の下で調べていただく必要があると思うんですよ。私は、本当にちょっと残念な答弁なんですね。  これは、単にもうアメリカだけの話じゃないんです。今年の九月に国連NGOの年次会議、第六十二回行われましたけれども、そこの基調演説で、日本でも、政府高官の一部は、核抑止力である先制核使用政策の維持を主張することを含め、アメリカの核の傘を維持すると決意していると。彼らは核の拡大抑止の目的で、大規模な核兵器を維持をするようアメリカに大きな圧力を掛けていると。これ九月にNGOの国連総会で基調演説でやられているんですよ。  私は、こういう状態で日本はこの核兵器維持、大規模な核兵器維持をアメリカに圧力を掛けているということが世界のNGOの会議でも言われるような状況で総理が幾ら核廃絶を訴えても、何言っているんだということで、説得力は私はないと思うんですよ。だからこそ、この間の事実をしっかり検証して、明らかにして、これは違うんだということをしっかりアメリカにも世界にも発信をしていくということなしには、私はまさに唯一の被爆国としての道義的責任を果たせないと思いますけれども、調査し、そういう対応を取る気はありませんか。
  278. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) 九月の国連総会であったとしても、日本で政権交代があったということは今や広く世界の中で周知徹底されているところであって、そして鳩山総理がどういう演説を国連総会で行ったかということも明らかになっているわけですから、今までの問題とこれからの問題というのは区別して考えるべきだということは、これは私、そのNGOの関係者をも含めて世界の人々も認識しておられることだと思います。
  279. 井上哲士

    ○井上哲士君 時間ですから終わりますが、区別をするためにこそ前政権でどういう要請が行われていたかということを検証し明らかにし、そして核廃絶の先頭に立つというんであれば、やっぱりこの核の傘にしがみつくというところから抜け出すことが求められているということを申し上げまして、質問を終わります。
  280. 田中直紀

    委員長田中直紀君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。    午後一時五分散会