○馳
委員 いやいや、それでいいんですよ、実は。
つまり、家裁、裁判に係るので、親権を喪失するにはお互いの言い分を裁判所で判定しなきゃいけないので、物すごい時間と膨大な労力がかかるというのは、これは
皆さんおわかりいただけたと思います。
したがって、私がなぜこのことを言うかというと、実は、
児童虐待防止法を改正するに当たっての
議論の中で出てきたのは、医療ネグレクトの問題なんですよ。親の宗教的な
考え方とか、あるいは親としてのいろいろな思い込みもあるんでしょう。お医者さんが必要な手術あるいは輸血、診療を行おうと思っても、なかなかそれを認めてもらえないということで、ではどうしたらよいのだろうかという、医療ネグレクトのこういった観点からも、親権についての一部のあるいは一時的な、はっきり言えば監護教育権、こういったところですかね、やはり制限をすることによって
子どもを救い上げなければいけないんじゃないんだろうかという
議論があったんですよ。
実際に私
たちも法改正を担当して、実質上、
児童養護施設に入ったお子さんの面会の制限、通信の制限、つきまといや徘回をして
子どもをおどかしたり不安な思いにさせちゃいけませんよというふうな規定を盛り込みましたし、そういう対応を今現場でもとっていると思いますが、そうなると、
児童相談所の所長や職員さんに過大な負担をまたかけてしまうんですね。
ひどい親は、どんどん押しかけてきて、何で会わせないんだ、おれの
子どもだろう、おまえに何の
権利があるんだと、こういうことが全国で起きているんですよ。そうしたときに、
児童相談所の所長さんが、いや、一応法律にこうありますから面会は制限します、通信の制限はします、つきまといしないでください、徘回もしないでください、
子どもが
児童養護施設から
学校に通ってまた戻ってくる間に姿を見せないでくださいと言うことは、知事の判断で、
児童相談所の所長の権限ですることは一応できるようにはしたんですよ。
しかしながら、この医療ネグレクトの問題などを
考えると、余りにも現場の職員さん方に負担をかけ過ぎるんですよ。したがって、親権というものについて
議論をより深めていかなければいけないんじゃないんですかという提言を、これは実は
平成十六年の改正のときにも我々しましたけれども、法務省はてこでも動かなかった。
私は歴史を話しているのであって、この実情は高井
政務官もよく御存じだと思います。
したがって、
平成二十年の法改正のときにも随分と法務省とぎりぎり詰めた、最高裁判所と詰めたんだけれども、
最初に申し上げた立入
調査の実効性を高めるための臨検制度、これはつくることがようやくできたんだけれども、親権の制限についてはなかなかハードルを越えることが私
たちもできなくて、では、これはまた持ち越して三年後の見直し条項にしましょうねと言って今現在。したがって、
平成二十三年にはこの問題について一定の
方向性を出しておかなければならない、こういう経緯があるんですよ。
親権の問題が出ましたので、
大臣、この
委員会が始まる前に立ち話で申しわけありませんでしたが、ハーグ
条約の問題であります。共同親権の問題であります。
私が先ほど申し上げたように、
我が国も、
子どもの
権利利益を最優先に
考えるということを
考えれば、離婚した後も共同親権を持つということについて、やはり一定の
議論をした上での
方向性を出すべきではないのかな。先進国の中においても、
我が国の民法の親権の制度というのはちょっと
議論が煮詰まっていない。
また、私はあえて言いますよ。法務省は、実態
調査もしないで、共同親権について必要ない、こういうふうな
議論があると、私はそういう判断を持っているんですよ。これは、その根拠を申し上げれば、
民主党の藤末議員が
政府に対する
質問主意書を出した中での法務省の答弁でも明確でありました。
したがって、ここは一応
議論の場でありますので、共同親権の問題、ハーグ
条約を批准すべきかどうかの問題、また、離婚をした後の面接交渉権の問題等について、やはり、
青少年の問題を所管する
大臣という
立場からも、別に越権行為という
意味じゃなくて、
大臣という
立場からも、どういう
議論の
方向性をすることが望ましいのかということについての
大臣の見解をお伺いしたいと思います。