○佐々木(憲)
委員 金融というのは、各
企業の営業を、あるいは
経営の将来を支えていくものですから、
金融だけで解決するわけじゃありませんので、確かに言われるように、各
中小企業が
経営が成り立つ、その成り立つ前提としては
需要がしっかり伸びていく、特に家計を
中心とする民需が伸びていくというのが基本だと思うんですね。そういう
政策を国がやるかどうか。これはなかなか一朝一夕にはいかないかもしれないけれども、しかし大きな展望として、私は、そういう
意味では
国民生活優先の、あるいは福祉型の成長路線というものに切りかえていくということが、
中小企業にとっては一番成長の近道ではないかというふうに思っております。そういう点では共通の
認識があるというふうに思います。
もう
一つ、
銀行に対しては、やはり
中小企業向け融資の目標ですとか計画とか、そういうものをある程度持っていくようにしていかないと、
銀行に丸投げではだめだと私は思います。その点は
改善の余地があるというふうに私は思っております。
それからもう
一つは、
政府系
金融機関、特にこれまで
国民生活金融公庫ですとか
中小企業金融公庫等が
役割を果たしてきたんですが、今
政策金融公庫というふうに変わりましたけれども、本来、
国民生活金融公庫などは、民間の
銀行が相手にしない
中小企業が駆け込む駆け込み寺と言われていたわけですね。その駆け込み寺が駆け込まれても拒否するようなことであっては、これはもう全然話になりませんから、そこを
改善するのがもう
一つの点だというふうに私は思っております。
その点で、
亀井大臣の地元、広島県の
中小企業の方がこういう訴えをされているんです。
これは
政策金融公庫の
対応がまずいという例なんですけれども、福山市で解体業をしているAさんですが、兄に保証人になってもらいセーフティーネット融資で五百万円の運転資金を要請した。九月八日に
経営改善計画書を持って面談したが、その場で公庫の課長に、この
経営改善計画はAさんの希望であって、実現する
可能性はない、半年か一年先、
経営改善が実現すれば融資の道を考えないものではないと言われた。
本来なら、
経営改善計画の何が不十分で、どうすれば融資の対象になるか、
亀井大臣が言っているコンサルティングのような、そういうことを援助していくというのが
金融機関もやはり必要だと思うんです。
Aさんは、従業員五人の生活がかかっているから助けてほしい、こういうふうに頼んだけれども、貸せないという一点張りで、その後、新しく開拓した受注先の注文書、これも添付して面接したけれども、公庫としては今後よくならないと判断した、これだけの回答で、融資してくれない。
それからもう
一つ、福山市ですけれども、四十年間建築設計事務所を
経営してきたBさんの例です。
政策金融公庫に三百万円の融資を申し込んで、七つの
改善点、理由を言われて断られた。
一つ一つそれを
改善するということで説明をしたが、聞き入れてもらえなかった。十月八日に決算書、受注工事明細を提出して申し入れた。
Bさんは、この大
不況で資金繰りが困難になった、そのため、家族や従業員の協力のもと、役員報酬の減額、従業員を独立させ、
銀行の借り入れ条件も変更するなど
努力してきた。現在大手の建設会社や病院などの設計を受注しているけれども、
政策金融公庫はこれを
評価してくれない、こういうふうに訴えて、
銀行は
条件変更に応じているのに、
政策金融公庫は新規融資を認めないと。この方は、この法案で
銀行への義務規定が盛り込まれているが、公庫が協力しないという
実態が現にあるんだ、こういう話ですね。
それから、もう一点だけ。三点目は、愛知県津島市の例ですけれども、鉄工所を
経営しているCさんです。
売り上げ減少のため、融資を受けて、リース料を一括払い、既存融資の借りかえを行って、十年で返済したいと愛知県信用保証協会に申し出たが、税金の分納や
条件変更中であることを理由に拒否された。事業計画について、保証協会は、その内容をよい方向に向いていると
評価し、事業主の誠実性も認めているようだけれども、税金の分納、
条件変更を理由に
政策金融公庫は融資を断り続けている。
こういう事例がたくさんあるんです、もう時間がありませんから言いませんけれども。こういうことは、やはり
政策金融公庫の姿勢に問題があるんじゃないか。私は、公庫の
総裁にもここへ来ていただいて、この点、
改善の質問をしたことがあります。一般論としてはいいことを言うんですけれども、どうも現場がそうなっていないというのが私の実感でありまして、この点、
大臣、どのように
改善されるか、最後にお考えを聞きたいと思っております。