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石井一君 発言をお許しいただきまして、本
協定、いわゆるこの
グアム協定の問題ではございませんが、
両院協議会にとって非常に重要な問題を提起させていただきたいと思うのであります。
実は、私、今
国会で過去二度にわたりまして
両院協議会に出席をいたしまして、この議論はそのときに行われてまいったわけでありますが、そのときに、
衆議院側の
議長衛藤征士郎君、鈴木副
議長、よく
理解をされておるところでございますが、実はこの
両院協議会というのは
憲法六十条で設置されておりまして、両院の
議決が違った場合には
衆議院の優越性が、三十日の期日が終わりますと、いわゆる予算案において、あるいは
条約において、それが決定するということに相なっております。
しかしながら、それ以外のすべての法案に関しましては、今現在は三分の二という条項がございまして、六十日経過しました後に三分の二条項で
議決をすることによって法案が成立をするということになっておるわけでありますけれども、今のねじれ
国会の構成が次の総
選挙を経ましたときに恐らく変わるであろうと。その場合に、どういう形であれ、今の与党側がそのままそちらへお座りになる、あるいは
参議院側がこちらへ座ると。まあ
参議院側がこちらへ座ると思うんですけど。
そのときに、三分の二の条項がなくなってまいりますと、要するに法案が成立しないという問題が起こるわけですけれども、恐らく、全部廃案になるということになりますと、立法府が機能をしないという深刻な問題が起こってくるわけでございます。たまたま五五年体制で、常に衆参両方が与党が多数を持っておりましたために、そういう問題はこれまで起こっておりませんけれども、現実に深刻な問題が
憲法上から起こってくる、この
両院協議会というものにのしかかってくるということは間違いございません。
そこで、
憲法六十条を改正するということは無理であって、
憲法六十条は、お読みになったら分かるように、いわゆる予算と
条約の
衆議院の優越性ということを決めておるわけでありますけれども、そのほかの問題は、
国会法あるいは
参議院規則、それから
両院協議会規程と、ここで規定をされておるわけであります。この規定が、もう実にいろんな面において機能不全になるという
可能性があります。それはもう前の
協議で十分御
指摘をしておるわけであります。一回目の一月何日かに行いましたときには、その議論を延々とここでやったわけでございます。
例えば、今日、一つの例として申し上げるんですけれども、たまたまくじ引をやって
衆議院側がくじが外れたと言われて、そして与党側から声が出たということでありますけれども、くじが外れたからかえって有利という面もございまして、最終的には多数決で
議決を決めるというふうに
国会法の規定に書いてあります。そうなりますと、くじを引いてあたふた
議長を取った方がマイノリティーになると、そして最終的に与党側はくじを引かなかったためにその
議決が生きてくると、こういうようなことが起こりますと、一体どうなるのかという深刻な問題があるわけです。それ以外にもいろいろたくさんありますけれどもね。
両院協議会を実は私も長いことやってまいりまして、過去機能したことが二つありました。
一つは、政治改革のときに
両院協議会でどうしても
意見を合わさなければいけない、そのときは
参議院側が自民党が優位であったために、時の
河野総裁とそれから細川総理とが
協議をして、いわゆる比例
部分の数の妥協点を見出したということがあるんです。それから、もう一つありましたのは、金融
国会のときに、いわゆる新人類族というのがその法案をいろいろ議論しました後に、小渕総理が丸のみしたと、その法案を、そうして
国会で
議決を通したと、そういうときには
協議が与野党で調ったんですよ。
それ以外のときには必ず与党側はAという
衆議院の
議決、野党側はBという
参議院の
議決をお互いに
議長に報告をするという、こういう形骸的なことばかりやっておるんですけれども、ここにおりますメンバーが、それじゃ、その妥協点を見出して両院の違う
議決を決定する権限を持っておるかということになりますと、必ずしもそうじゃないと思うんです。というのは、やっぱり充て職で来ておられるわけですから。そうなりますと、これはもう深刻な問題が提起されます。
そこで、要約して申し上げますけれども、この機にこの
国会法以外の両院協に関する規程を再
整備しなければ、この次から
国会は機能しない、こういう問題が起こってまいりますので、私はこの問題を前
議長にも問題提起をしまして、よく
理解をされた。しかし、その後、十分な
審議が行われておりません。
どうか
河野議長なり
三原副
議長におかれましては、この問題を
衆議院に持ち帰りいただいて
議長に重ねて御報告をいただくとともに、この
国会中に結論を出す必要があると思うんです。
参議院の方は前回そのようにやっておりますし、江田
議長はたしか議運の方へ下ろして相談をしておると思うんですが、相談をするというままで解散になだれ込んで次の
国会で出てきたら、
国会では法案ができないという深刻な問題が出てまいりますので、両院協を活性化するというよりも機能できるようにするために、
衆議院、
参議院、与党、野党で知恵を出して結論を出すと、そういうことを是非ともやってもらいたい。立法府の重大な
責任を果たすためにそれをやっておかなければどうにもならないということを申し上げておきたいと思います。
恐らくこの
国会にもう一回両院協がございます、補正予算に関連をして。これは予算案ですから、またそのときにはそのときの三分の二なりそういうふうなことで結論は出るんですが、それから先は結論に対する展望が持てないという深刻な事態をしっかり受け止めていただいて、補正予算の結論が出るまでに一応の方向性なり結論を今日の
議長、副
議長の
責任においてひとつやっていただきたいということを、
国会に籍を置く一人として、あえて申し上げさせていただきたいと思います。
以上です。