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国務大臣(
石破茂君) 私、
生産調整をやめると言ったことは一回もございません。そこは
委員の御発言に恐縮ですが異を唱えさせていただきたいと存じます。選択制にすると言ったことはございませんというのも、これも言っておりますが、その前に、
石破が
生産調整やめると言ったことが混乱を起こしているとおっしゃいましたが、
生産調整をやめると私は一言も申したことはございません。そこは申し上げておきたいと存じます。
平成二十一年は、それは水田フル活用元年ということを申し上げておりますので、
米粉米あるいは飼料米、
日本に一番向いた
生産装置であります水田のフル活用、これに向けて全力を尽くしてまいるということでございます。
生産調整の在り方について、二十一年度、まさしく今、春を迎えようとしておるわけでありますから、
生産者の方々に御不安を与えるようなことがないように、そこは何度も申し上げておるところでございます。
これは、新聞はいろんなことをお書きになりますでしょう。しかし、私は何度も何度も申し上げておりますとおり、二十一年は水田フル活用元年ですと、二十一年産について
生産調整のやり方を変更することはございませんということを何度も申し上げておるとおりでございます。機会をいただきましたので、もう一回お答えをさせていただきます。
問題は、これはもう
委員もずっと長い間一緒に
議論をしてまいりました。二十数年になります。人、金、物と三つの側面から見たときに、農業の所得というものが
平成二年から
平成十七年で半減している、所得が半分になっているということ。そして、基幹的農業従事者の六割が六十五歳以上になっている。十年前は六割が五十五歳以上であったと。二十年前は六割が四十五歳以上であったと。同じ層がそのままスライドしているわけで、グラフをかけばみんな分かるわけで、これ十年たったら、このまま行けば、
日本の基幹的農業従事者の六割が七十五歳以上になりますということはこのまま行けば必ず起こるわけで、本当にそれでいいですかといえば、だれもいいとは思わないわけですよね。
そして、農地転用というのはどんどんどんどん行われて、一年間で違反転用が八千件あるという話です。耕作放棄地は埼玉県の全面積を上回りましたということになっておって、人、金、物のこの全部の低落傾向にどこかで歯止めを掛けないと
日本の農業そのものが駄目になりますという危機意識は、私は山田
委員と共有していると思っているのです。これは野党の方々も全く同じ意識でお持ちだと思います。
じゃ、診断はそうなんだが、処方せんをどうやって書くかということが問題だと思っております。
そのときに、
生産調整、これをどうするかという
議論はやはりしなければならないでしょう。そして、私は市場原理主義者というのは何を指すかは存じませんが、一、二の三で全部やめ、みんなやめて好きなように作りなさい、どこかで均衡するでしょうという
議論は、私はそれは正しいとは思っておりませんのです。
しかしながら、
生産調整というものに不公平感が伴うのは、それはずっとある
お話でございます。
生産調整しなきゃ値段が維持できない、みんなが迷惑する、だから、本当は作りたいんだけれども減反しようね、
生産調整しようねということでやっているんですが、しかしながら、おれは
関係ないと、おれは好きなだけ作るという人たちは、
生産調整の負担をしている人たちの犠牲の上に乗って利益を得ているわけで、この不公平感を払拭しなければそれは制度として永続し得ないだろうということも、それは多くの方が認めることだと思います。
じゃ、
生産調整に参加をしなければ懲役十年とか、そんな話になるのかと。それはそうはならぬでしょう。だとすれば、何が一番よろしいのかという
議論は、本当にあらゆる方々とやっていかねばならぬのだと思います。世に売られている書物、世に売られているいろんな雑誌、そういうものを見たときに、いろんな
議論が行われています。だとすれば、国権の最高機関である国会の場においてもそういう
議論が行われて、何が一番正しいのかという点はやはりコンセンサスに基づいて決めていくべきものではないでしょうか。