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内閣総理大臣(
麻生太郎君) 今言われましたように、農業というか農村
地域から都市部に多くの若い労働力が昭和二十年代、三十年代、四十年代、大量に出ていった結果、
日本の経済成長に非常に大きな影響を与えたというのは事実だと思っております。
今問題は、その農業が、限界集落という言葉を使われましたけれ
ども、私の
選挙区にも似たような
地域がありますので、滝沢村ほど大きくはありませんけれ
ども、
日本で一番大きな村ですからね、滝沢村というのは。そういった意味では、
状況としては少し私の方の町の方が村より小さいと思いますけれ
ども、そういったかなりの山間部におきまして同じような
状況というのが私のところにもございますので、そういうところにどういった形で、そこに農業なり林業という一次産業というものがある程度健全な形で維持されない限りは集落がなくなると、私はそう思っております。
岩手で使われるか、我々だと山が下りてくると言うんですが、だんだんだんだん下の方にということになってまいりますので、今イノシシやらシカやらいろいろ、害虫駆除とか害獣とかいろんな表現で陳情がよく来る
地域に、昔じゃ考えられなかったようなことになっておる
地域すらありますので、そういった
状況を考えますと、我々としては、そういった
地域に少なくとも何らかの形で人が行くような形、また、先ほど、
石破大臣の言葉を借りれば、そこで就業機会があるような形にしないとそこに人は定着しないという点も、私も全く正しい指摘だと思っております。
したがいまして、今、
石破大臣の方が詳しいと思いますけれ
ども、農業経営の法人化というのをいろいろやらせていただいておりますが、今までは、所有より借地といっても、なかなか農地というものを貸すというのはこれは難しい。もう
御存じのとおりです。なぜ難しいかはもうよく
御存じのとおりですので、そういった意味では、一回第三者機関である市なり町なりが借り上げてまた貸す、そういった形にして、ある程度農業の相続なりそういったものがきちんとできるようなことを含めて考えていかないと、効率的なものがやっていきにくくなりつつある。
私はそれがひしひしと、そういった
状況がもうそこに迫ってきていると思っておりますので、いろんな意味で、今いろんな事業が随分出てまいりましたのは、幸いなことに、例えば農産物の付加価値というものがえらい高いものになってきた。
イチゴ、私
どものところでは、自分の地元の農産物を自慢するのもいかがかと思いますが、あまおうというイチゴがあります。私のところの農協で考え出したものでありますけれ
ども、これが少なくとも海外に行くと一粒ウン百円、一粒ですよ、一箱じゃなくて一粒ウン百円。私はこれは付加価値だと思っております。こういったようなものを輸出する。
また、苫小牧からナガイモが大量に中国に輸出されておる。また、大分県産のシイタケが高い値段でタイで販売をされておる。そういったものを見るにつけ、付加価値の高いものはそれなりにまた輸出できる機会はある。そういった発想はなかなか、農業を御自分でやっておられる方々はそういった発想はなかなか出てきておられない。我々はもう長いこと言っておるんですけれ
ども、なかなか、あんたは農業は分からぬとか言われて、全然私は農協から評がいただけなかったんで、何となく、全然その種の話は聞いていただけませんでしたから、しかし最近は随分聞いていただけるようになったと思っております。
それは間違いなく商売がそういった形で、付加価値を認めてくれるようなところが海外で出てきたというのはすごく大きいので、これは攻めの農業とかいろんな表現がありますけれ
ども、そういった形でいろいろな方法を今後考えていかなきゃならぬ、そういう時期に来ている。ちょうど今、
日本食ブームであってみたり、いろんな意味で今時期としてはいいのかなという感じは率直なところです。細目、ちょっと農林
大臣の方に聞いていただいた方がよろしいと存じます。