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山口那津男君 公明党の
山口那津男でございます。
まず初めに、今、
石井一議員から様々な質問がありましたが、前にも私はこの
委員会で申し上げたことがあります。この
予算委員会は
予算について、特に今百年に一度の未曾有の危機の中にあって、一日も早くこの
補正予算を成立を図るべきであると、そういう視点で与野党共に活発な
議論をしているところであります。それなのに、まるで
予算と関係のないことを長々と質問されるというのはいかがなものかと見識を疑います。
それともう一つ、
前回申し上げたことでありますが、これは
政府に対して質問をする。ですから、
政府が答えるべきこと、これに対して質問をするというのが本義であります。
以前の
予算委員会でも、私は理事をやっておった当時に、そういう
趣旨で
政府に
答弁を求める質問をしていただきたい、
石井議員の質問はいかがなものかと、こういうことを申し上げました。当時の
民主党の理事も、それは山口さんのおっしゃるとおりです、
石井議員によく指導しますと、こうおっしゃっていたわけであります。にもかかわらず何度も何度もそういう質問を繰り返す、この見識が問われなければならないと思います。厳にこれから慎んでいただきたいと思います。
質問主意書についてのやり取りもありましたが、私は
前回の当
委員会の質問で
質疑のやり取りをし切れなかった部分について質問主意書という形で出させていただきました。的確な御
答弁をいただいたと、こう思っております。
さて、今日の本題に入りますが、
定額給付金、これについてまずパネルを示してお訴えしたいと思います。(
資料提示)衆議院の
予算委員会でも、我が党の北側幹
事長からこの
定額給付金の意義や効果について様々なやり取りがありました。これを
確認をしながらもう一度お訴えをしたいと思っております。
この
定額給付金は昨年の八月末に、当初は定額減税という形でこれを決めたものであります。もうその当時から、物価高に対応するための中低所得者支援のための
生活支援という意味と二兆円規模で行うことによる
景気の下支え、消費の刺激効果と、こういう二つの
目的を当初から持っていたものと
考えております。そして、その後、
金融危機、それに伴う実体
経済の落ち込み等々、様々な現象が出てまいりました。そこで、それらに対応する意味も含めて定額給付という形に変えたものであります。そして、この給付で行うことによって所得再分配という効果がいろいろと広がり、高まったと我々は思っているわけであります。
一つ一つについて、なお論証しながらお訴えしたいと思います。
まず、この次のパネルをお示しいただきたいと思います。
国民の
生活実感がどう変化しているか、これを物価と意識調査を基にしてグラフに示したものであります。
この青い棒グラフの線は、消費者物価指数の中で年間にどなたでも九回以上買うものの物価指数という指標があります。これは、年九回以上ということはほぼ毎月一回買う、つまり
生活必需品に対応する物価指数であります。これが折からの原油高に伴って、昨年の春先から、三月、四月ごろから急激に上がり出しました。これは四半期ごとにポイントを取ってありますから、
ピークが五・五%、これは前年と比較して五・五%上がったと、こうなっています。これは昨年の六月に発表されたデータでありますが、本当の
ピークはその翌月、七月に発表された六・〇%上がったというところが
ピークであります。そして、最近でこそ原油の価格下落に伴って下がりつつありますけれ
ども、しかしなお高い水準にあるということであります。
そして、緑と赤のグラフの線は、これは最近の日銀の
生活意識調査アンケート、これに基づく
国民の実感であります。最近の、現在の景況感、
景気が良くなったと思う人から悪くなったと思う人を差し引いたものでありますが、これが大きくマイナスに落ち込んできております。マイナスが更に落ち込んできているということは、
景気が悪くなった、悪くなっていると、こう受け止める方が多いということでもあります。
そして、赤い線、暮らし向き。これも去年と比べて良くなった、悪くなったと、こう
考える人の割合でありますが、良くなったと
考える人から悪くなったと
考える人を差し引いたものでありますが、これも大きく落ち込んできている。ということは、やはり先行きに不安を持っていらっしゃるということの証左であります。
そして、この日銀の調査では、個別にいろんな質問を発しております。
ゆとりがなくなってきたという方々、そう答えた方々に対して
理由は何ですかと、こう聞いたんですね。そうしますと、物価が上がったからと、こう答えている人が一番多くて六九・六%です。給与や事業などの収入が減ったからと、こう答えた方が二番目で五三・二%あります。これは複数回答ができるという調べ方であります。
そして次に、一年前と比べてあなたの世帯の支出はどう変わりましたかと、こう聞いているんですが、増えたという人と減ったという人と半々であります。増えたという方はなぜ増えたんですかと、こう聞いたんですね。そうしましたら、一番多い
理由は、
生活関連の物やサービスの値段が上がったからと、こう答えている方が七五・六%いらっしゃるわけですね。これは一〇〇%の中の
数字であります。非常に高い
数字であります。失礼しました、これは複数回答可で答えたもので一番多い答えでありました。じゃ、支出が減ったという方になぜ減ったのですかと、こう聞きましたら、収入が減ったからと、こう答えた人が七〇・九%いらっしゃいました。
そして、物価が上がったということをどのように思いますかと、こう聞きましたら、どちらかといえば困ったことだと、こう答えた人が九一・八%。それだけ深刻に受け止めているということだろうと思います。
そして、この一年間で一年前と比べて物価は何%ぐらい上がったと実感されていますかと、こういう問いかけに、平均値で一〇・二%ぐらい上がったと、こうお答えになっていらっしゃるんですね。
それでは、あそこで実際の
生活必需品の物価は少し下がりつつあるんですが、しかし中身は、原油が価格が下がったことが
影響しておりまして、実際の食料品、日常
生活で使う食料品等の物価はなお高い水準にあるんですね。
この日銀の調査で、一年後の物価は現在と比べるとどうなると思いますかと、こういう問いに対して、かなり上がる、一一・五%、少し上がる、五四・四%、合わせて六五・九%の方がこれからもなお上がると、こう心配をされていらっしゃるわけであります。
こうした物価の急激な上昇、そして
国民の
皆さんの不安、こういうことに政治が敏感にこたえて対応することなくして私は政治の役割はないと思います。そういう動きの中で、当初、定額減税というのを決めさせていただいたということであります。
次のパネルをお示しいたします。
この数年間、
景気は
回復基調にある、
経済成長が続いている、企業の中には過去最高の利益を得た、こういう報道が相次ぎました。確かに、
平成十四年度から十九年度途中ぐらいまではあらゆる指標が
経済成長を示し、業績の好調ぶりを示しました。企業の利益、これもどんどん急激に上がっていったわけですね。それが反映されているのが法人税の税収であります。これは順調に伸びてまいりました。昨年の後半ぐらいから下がってまいりました。そして、所得税や
消費税もあるんですが、こちらの方は本当の微増にとどまっております。余り伸びておりません。国の税収は結果としては伸びているわけですね。
ところが、
国民の
皆さんの家計の可処分所得、これは
内閣府の調査、
国民経済計算による調査でありますが、これは好
景気にもかかわらずほとんど伸びていないわけですね。ですから、
国民の皆様は、これに裏付けられるように、
景気回復あるいは
経済成長、その恩恵を実感することができていないまま今日に至っているということであります。
しかし、そうこうするうちに、先ほどの前のグラフのように急激な物価高、そして
金融不安に伴う先行きの、実体
経済の落ち込み、そしてここへ来て雇用の不安、様々な
段階を経て危機感が募っていらっしゃるわけですね。それがさっきの日銀の調査によりましても、今現在の心境としてそれが裏付けられているということであります。ですから、この対応する
政策として定額減税を提案したというのはそういうしっかりした根拠があったと、私
どもも
総理も思いを共有しているだろうと思うんですね。
さてそこで、この定額減税を途中で
定額給付金という形に変えました。それは、定額減税という形でやった場合には、税を納めている人には効果が及びますが、しかし税を納めていない人にはその効果は及びません。(
資料提示)しかし、この図でも分かるように、課税最低限に届かない人、こういう方々が約二千八百万人もいらっしゃるわけですね。こういう
皆さんこそその物価高そして
景気悪化の
影響をもろに受けていらっしゃる方でありまして、そういう方にも効果を及ぼす必要があるということで、これを給付という形でやろうということに決めたわけです。これが第一。
それともう一つは、減税で行った場合には所得税そして住民税、効果が年内にばらばらに出てまいります。(
発言する者あり)今質問するから黙っていてください。それで、これを集中的に効果を現すために給付という形で一括して短期間にこれを実施しましょう、その方が
景気刺激、消費刺激の効果が高いと、そういうことで定額給付に変えたはずですね。
この点の経過の御理解、これについて
麻生総理の御認識を
お願いしたいと思います。(
発言する者あり)