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2009-07-14 第171回国会 参議院 本会議 第39号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成二十一年七月十四日(火曜日)    午後三時三十一分開議     ━━━━━━━━━━━━━議事日程 第三十九号     ─────────────   平成二十一年七月十四日    午前十時 本会議     ─────────────  第一 内閣総理大臣麻生太郎問責決議案(輿   石東君外二十名発議)(委員会審査省略要求   事件)     ━━━━━━━━━━━━━ ○本日の会議に付した案件  議事日程のとおり      ─────・─────
  2. 江田五月

    議長江田五月君) これより会議を開きます。  日程第一 内閣総理大臣麻生太郎問責決議案輿石東君外二十名発議)(委員会審査省略要求事件)  本決議案は、発議者要求のとおり委員会審査を省略し、これを議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 江田五月

    議長江田五月君) 御異議ないと認めます。  よって、本決議案議題といたします。  まず、発議者趣旨説明を求めます。輿石東君。     ─────────────    〔議案は本号末尾に掲載〕     ─────────────    〔輿石東登壇拍手
  4. 輿石東

    輿石東君 私は、民主党新緑風会国民新日本日本共産党社会民主党護憲連合の三会派代表し、ただいま議題となりました内閣総理大臣麻生太郎君に対する問責決議案について、提案の趣旨を御説明申し上げます。  まず、決議案を朗読します。   本院は、内閣総理大臣麻生太郎君を問責する。    右決議する。  麻生総理、あなたは、東京都議会議員選挙の結果をどう受け止められておられますか。あなたは、地方選挙国政選挙とは別物だと言い続けてきましたが、今回の選挙は単なる地方選挙ではありません。その証拠に、あなたは自ら都議選のすべての自民党候補者の事務所に足を運ぶなど、歴代総理大臣としては異例応援を行ったところであります。  にもかかわらず、自民党都議選において歴史的な大敗を喫しました。この敗北の意味するところは何か、そしてその責任はだれにあるのか、あなたが一番よく分かっていると思います。幾らあなたが目を閉じ、耳をふさごうとも、政権交代を求める国民意思に逆らうことはできません。  私は決断した。国会の冒頭、堂々と私と我が自民党政策小沢代表にぶつけ、その賛否をただした上で国民に信を問おうと思う。  これは、去年の秋、就任早々のあなたが月刊誌に投稿した論文の書き出しであります。しかし、あなたは、この事実上の解散宣言をよそに、ずるずると現在まで衆議院解散を先延ばしにしてきたのであります。  解散しない理由として、あなたは、突然起こったアメリカ発世界的経済危機への取組を優先する、政局より政策だと言い訳をしてきましたが、本当のところは、メディアの世論調査の結果が思わしくなく、選挙に自信が持てなくなったからでしょう。もしあのとき、あなたがこの論文どおり解散していたならば、今ごろは国民に信任を受けた総理が真に国民のための大胆な政権運営を行っていたはずであります。  綸言汗のごとしという言葉があります。一度言ったことは必ずやる、やれないことは言わないというのが最高権力者として総理が取るべき当然の態度であります。しかし総理、あなたの場合、定額給付金厚生労働省の分割、そして最近の党役員人事をめぐるごたごたに至るまで、言動がぶれにぶれ続けた十か月であったと思います。特に、不透明なかんぽ宿売却をめぐる日本郵政の社長人事問題では指導力不足を天下にさらけ出しました。この点だけでも、遺憾ながら、麻生総理、私たちはあなたに対し、総理失格烙印を押さざるを得ないのであります。  こうして解散を延ばす間に、麻生総理、あなたは何をやってきたのでしょう。百年に一度の経済危機への対策と言いながら、不要不急政策オンパレードでありました。  例えば、採算が合わないと言っていったんは凍結された道路建設も復活しました。また、官営漫画喫茶とやゆされるアニメ殿堂に至っては、なぜそのお金で生活保護母子加算を復活させないのかなどと強い批判を受けました。極め付けは、さき補正予算総額四兆三千億円、四十六もの基金をつくり、今後数年にわたって使い続けようとしていることであります。  要するに、その内実は、税金を使っての選挙目当ての壮大なばらまき以外の何物でもありません。  すなわち、幾ら総理がその経済効果を強調したり政府景気底打ち宣言をしてみても、日銀はいまだ慎重姿勢を崩しておりません。わずか八か月の間に本予算補正予算合わせて四回も編成し、総事業規模が百三十兆円を超える過去最大経済対策効果で一時は一万円を超えるのも時間の問題と見られていました平均株価も、このところずるずると下落し九千円台の前半で低迷するなど、再び景気の先行きに不安が広がっております。  その一方で、小泉改革で大幅に増加した非正規労働者は去年の九月から今年三月までの半年間に十五万八千人も解雇され、またこの五月の有効求人倍率はついに〇・四四倍と過去最悪を更新するなど、福祉や失業者への対策効果も極めて限定的であるとうかがわれます。  しかも、かつて世界一の借金王を自称した小渕元総理のお株を奪うような国債の大増発で、結局、今年度一般会計予算の歳入は税収よりも借金の方が多いという異常事態となりそうであります。  こうした借金への批判をかわすために、景気回復を前提に政府与党は三年後の増税を打ち出しました。政府借金のツケを国民に回そうというわけであります。そこには無駄遣いを減らし国民負担を少しでも減らそうという考えなどみじんも見当たりません。  その一方で、麻生総理の耳には国民の苦しみの声が全く届いていないようであります。参議院選挙での与党大敗の原因となった年金問題を始め、医師不足介護労働者待遇改善など国民生活を守る政策は次々と後回しになり、地方分権も遅々として進んでおりません。  とりわけ、百年安心と胸を張った年金制度は、公約である将来にわたる現役世代の五〇%以上の給付が到底無理であることも明らかになりました。地方から鋭い批判が出た国の直轄事業地方負担金をどうするか、いまだにはっきりとした姿勢は示されておりません。  また、総理は、外交得意分野だといって、国内混乱をしり目に頻繁に海外に出かけ、麻生外交なるものを行ってまいりました。しかし、その結果はどうだったでしょう。  今最も緊迫している北朝鮮との関係で、拉致と核の二つの問題について何の成果も上がっておりません。  先日、あなたはイタリアで開かれたサミットに出席しました。しかし、ロシアとの間で期待された北方領土問題の進展もなく、オバマ大統領とは、会談とは名ばかりで、実態は打合せ程度であったと伝えられておるところであります。  また、サミットへの出発は、総理、あなたの念願であったとも聞いております。そして、あなたが抜てきしたお友達閣僚も、中川前財務大臣かんぽの宿問題の鳩山総務大臣と、次々に閣外へ去っていった今、麻生総理にとってなすべきことはただ一つ、それは、この十か月、あなたが迷い続け、言い続けてきた、御自分の手で衆議院解散するということであります。  報道によれば、あなたは、来週中に衆議院解散し、八月三十日を投票日とすることで与党と合意したとも伝えられております。しかし、これでは、任期満了での解散と余り変わらず、国民意思表明する機会を更に一か月半も待たされることになります。  また、自民党の中には、あなたでは選挙にはならないとし、またぞろ麻生降ろしの風が吹き荒れそうな気配もあります。そして、もしあなたがこれに屈し辞職した場合、国民はまた不毛な自民党の新しい総裁選びに付き合わされることになるのであります。  自公政権がこの四年間、総選挙国民の信を問わないまま、三代にわたって総理のいすをたらい回しにしてきたことに国民はあきれ果てております。ましてや、衆議院議員任期切れ直前となった今、四たび顔を替えて選挙に当たろうとするのは、国民への背信以外何物でもありません。  これに屈してはなりません。あなたは何のために総理大臣の座におられるのか、よく考えていただきたい。ここで総辞職し、自らの手で国民審判を仰ぐことをあきらめるのは、あなたがこれまでやってきたことを自らすべて否定するのに等しいのであります。堂々と自らの手で解散し、あなたがこの一年足らずの間にやってきたことの審判を受けるべきであります。その責任をだれか別の人間に押し付けて逃げるのは潔い態度とは言えません。  もう一度思い出していただきたいのであります。麻生はやり抜くと言われたことであります。衆議院解散すること、それが麻生総理、あなたに与えられた最後仕事なのであります。解散だけは自らやり抜いてほしいものであります。  重ねて、麻生総理に対し、直ちに衆議院解散されることを求め、問責決議案趣旨説明を終わります。(拍手)     ─────────────
  5. 江田五月

    議長江田五月君) 本決議案に対し、討論の通告がございます。順次発言を許します。谷川秀善君。    〔谷川秀善登壇拍手
  6. 谷川秀善

    谷川秀善君 私は、自由民主党公明党代表し、麻生内閣総理大臣問責決議案断固反対立場から討論を行うものであります。  問責理由の第一として、直ちに解散して国民に信を問うべきと主張されておられますが、総理は昨日、既に、来週解散することを表明をいたしました。また、今週は北朝鮮貨物検査法案参議院送付が予定されており、こうした重要法案審議民主党提出政治資金規正法など衆参に数多くの法案がある中において、何ゆえに国会審議の空白、停滞を生ずる問責決議を提出されたのか、誠に理解に苦しむところであります。このときに総理問責とは、まさに党利党略による、ためにする理不尽な暴挙と言わざるを得ないのであります。  昨年九月に発足した麻生内閣を振り返りますと、その業績政権与党としての責務を内外に十分果たしておるのであります。  昨年九月二十九日、麻生総理就任後初めて所信表明演説を行ったその日、ニューヨーク株が過去最大幅の下げを記録し、百年に一度とされる米国発経済金融危機世界各国が陥ったのであります。こうした中、麻生総理は、IMFに対し最大一千億ドルの拠出の表明などを行い、また、国内においては迅速かつ的確な経済対策を打ち出したのであります。  まず、十月に十一・五兆円の安心実現のための総合緊急対策、いち早く手当てをし、次に十二月、二十七兆円の生活対策、さらには三十七兆円の生活防衛のための緊急対策、そして、今年度に入って五十七兆の経済危機対策事業規模総額百三十二兆円のいわゆる景気対策四段ロケットを打ち上げたのであります。  景気回復に全力を傾注した麻生内閣一連施策によって、六月の月例経済報告では景気底入れ宣言が行われたところであり、着実に効果が出てきておるのであります。  具体的例を幾つか申し上げますと、高速道路料金の値下げにより観光地に多くの国民が行楽に出かけ、定額給付金買物客も増え、商店街に活気が戻ってまいりました。また、地域活性化のため、税収補てんに加えて地方交付税を一兆円増額をいたしました。雇用面では、雇用調整助成金の拡充などにより新たな失業者の発生を防いでおります。こうした中、株価も九千円台にまで回復してきており、主要国の中で我が国がこの不況からいち早く抜け出そうとしておるのであります。  また、国会において、麻生内閣は前内閣から引き継いだ消費者庁設置法案を成立させ、生活者重視の行政へと大きくかじを切る決断をいたしました。しかしながら、民主党は、二十年度第二次補正関連法案は引き延ばし、自らの提出法案は強引な成立を図るなど、党利党略のみの国会運営を行ったのであります。  外交面では、麻生内閣は、国際社会の一員として、その責務を果たすため、インド洋における給油活動を継続するためのテロ特措法案を敢然と成立させたのであります。また、中国と韓国首脳との会談を頻繁に行うなど、総理のリーダーシップによって両国首脳との関係は戦後最も緊密な状況となったところであります。発展目覚ましいインドとの間では、安全保障協力共同宣言などを署名し、協調関係を深めることになりました。  このように、世界経済が落ち込む中、先頭に立って回復に邁進され、数多くの業績を上げられた麻生総理を問責しなければならない理由など、全く見当たらないのであります。  民主党諸君にお伺いをいたしたい。参議院総理問責決議を出すからには、今後の審議を放棄する覚悟があっての上でお出しになったのでありましょうか。まさか、民主党鳩山代表政治資金不正疑惑を隠すための思惑あっての総理問責決議ではないですか。  焦眉の急である北朝鮮貨物検査法案はどうするおつもりなのでしょうか。我が国同胞拉致を始めとして、ミサイル発射核実験など、暴挙を繰り返す北朝鮮行為を見逃すのでありましょうか。国家役割は、国民の生命や財産、安全を守ることにあります。北朝鮮という我が国最大の脅威に対し何らの手段も講じないのは、国家役割、威信を放棄したに等しいのであります。  また、国際社会が一致して取り組んでいるソマリアの海賊行為対処法案、在沖縄米海兵隊グアム移転協定反対し、さらには、小沢代表は、日本の安全は米海軍第七艦隊で十分だと公言されました。  今国会日米特別協定参議院で否決され、衆議院優越規定により承認されましたが、この協定審議も遅らせ、日米同盟に大きく影を落とすことになりました。我が国外交と国防の基軸である日米同盟民主党諸君はどうお考えなのでしょうか。将来、政権を担おうと公言をしている政党日米間の重要な協定を否認したことにどう責任を持たれるのでありましょうか。無責任これに極まれりでありませんか。  世界が多極化、かじ取りがますます厳しくなる中、以上のような民主党外交姿勢鳩山友愛外交では我が国の国益を大きく損ねかねないのであります。  また、総選挙を前に様々な公約が聞こえてまいりますが、示される新規施策を裏付ける財源には、与謝野財務大臣も空想と幻想世界と断じているとおり、政権を目指す政党公約としては無責任と言わざるを得ません。  一般会計特別会計を合わせ、国の予算二百六兆円のうち、補助金人件費庁費などで七十兆円を削減対象と位置付けております。しかし、例えば、補助金四十五兆円のうち、社会保障地方交付税文教関係だけで四十兆円を超えるのであります。本当に言われるとおり二十兆円を削減できるかどうかは疑問であります。その上、消費税については議論の必要もないと鳩山代表発言されております。つまり、民主党国民生活重視と言っているものの、まず政権奪取ありきで、裏付けのない絵空事で国民を欺いているのであります。  麻生総理責任を持って、国民安心して暮らせる、そして活力のある社会をつくることを約束し、敢然と解散・総選挙に打って出て、国民の信を問う決意を表明したのであります。  我々参議院自民党公明党は、この総理決断を支持するものであり、問責決議に怒りを込めて反対し、打って一丸となって総選挙を戦い抜くことを表明して、私の反対討論を終わります。(拍手
  7. 江田五月

    議長江田五月君) 北澤俊美君。    〔北澤俊美登壇拍手
  8. 北澤俊美

    北澤俊美君 民主党新緑風会国民新日本北澤俊美であります。会派代表して、ただいま議題になりました麻生総理大臣に対する問責決議案賛成立場から討論を行います。  麻生総理、あなたは昨日、衆議院を七月二十一日の週に解散し、八月三十日に総選挙を行う旨を予告表明されました。遅きに失したとはいえ、あなたの決断に対して我々は参議院意志表明しなければなりません。それがただいま提案されました問責決議案であります。過去十か月の麻生政治に対し、我々は断固としてノーを表明するものであります。  麻生総理、あなたが昨年九月に総理大臣になられたとき、祖父である吉田茂総理の孫であることへの誇りを語られていたのを思い出します。  しかし、あなたが目指した総理のあるべき姿に果たしてどれだけ近づけましたか。残念ながら、私には総理としてのあなたには失格烙印を押すしかありません。すなわち、総理大臣に不可欠な指導力決断力実行力のいずれも欠落し、国民失望感のみを残したのが実情だからであります。  吉田総理は在任中、政界、学界、マスコミからあらしのような非難を浴びながら、しかしGHQとのたぐいまれな交渉術経済発展に重点を置いた強固な意志力をもって日本の再生に成果を上げました。時に、東大南原総長を曲学阿世とまで断じて頑固を通しました。後世、歴史吉田政治を高く評価し、歴史に名を刻んだのであります。残念ながら、あなたにはその片りんすら見ることができないのであります。  そもそも、あなたがあこがれた吉田政治と現実の麻生政治は、政治以前の血のつながりと少年のあこがれがない交ぜになった、誠にもって非なるものであります。単なるあなた個人の高望み幻想にすぎなかったと断じざるを得ないのであります。あなたにとって総理大臣の座は高望みだったのではないかと思うのであります。  しかし、麻生総理、あなたには総理大臣にしかできない最後仕事一つだけ残っております。すなわち、伝家の宝刀である衆議院解散権を行使して、国民に信を問うことであります。あなたの前任者福田康夫安倍晋三の両総理がやりたくてもできなかった解散権の行使と総選挙断固としてやり抜くことこそ、あなたが土壇場で総理大臣としての面目を施す唯一無二機会であります。  さて、麻生総理、今更の感なきにしもあらずですが、あなたの総理失格理由を以下のように列挙し、国民の皆様に理解をいただきたいと思うのであります。  もちろん、漢字が読めないなどは政治家としてのあなた自身の欠点ではありますが、私が特に強調しておきたいのは、あなたのような政治家総理大臣総裁として選んだ自由民主党が、もはや賞味期限が切れている事実であります。一国のリーダーとしての識見や実行力に欠けるあなたのような人物しか選べないほど政党としての活力が失われており、もはや政権政党としての資格はなくなっているのであります。  先ほど衆議院細田幹事長の断末魔の叫びが聞こえてきました。ただ、御心配には及びません。私たち民主党は、自民党に取って代わり政権を担当する準備を着々と積んできております。最近の各地首長選挙都議選の結果は、国民の目がどちらに向いているか明らかであります。安心して政権の座から降りていただきたいと思うのであります。  第一に指摘したいのは、総理に求められる決断力のなさであります。何事にもぶれにぶれました。解散・総選挙については、就任直前までは自民党の顔として早期の解散・総選挙をにおわせながら、次々に時期を遅らせていきました。政局より政策景気対策を優先と言い訳を口にしましたが、何のことはない、選挙情勢調査の結果が敗北濃厚となったからにすぎないのであります。目玉政策に仕立てた定額給付金についても、最初は格好を付けてさもしいと言いながら自分は受け取らないと発言したのに、周囲からいろいろ注文を付けられ撤回しました。最近の党人事をめぐっても、いったんは断行を示唆しながら、党側圧力に耐えられず、結局腰砕けになりました。  第二に、指導力に欠けていることであります。典型的だったのは、かんぽ宿事件で、一連事態を究明し、日本郵政株式会社西川社長責任を問おうとした鳩山総務大臣を更迭したことです。本来なら西川社長を交代させたかったはずなのに、あえて盟友の鳩山大臣を切る形で辞任に追い込んだのは、小泉総理らの圧力に屈したためではありませんか。  第三に挙げたいのは、大口をたたく割には実行力がないことであります。あなたは、外交麻生を売り物にし、ロシアとの北方領土問題の解決に糸口を付ける意欲を再三強調していました。しかし、さきサミットでは何の突破口も開けず、逆に後退した印象を残しました。用意周到な根回しに欠けていたからであります。外務官僚をうまく使いこなしていません。経済対策についても、かつてない財政規模補正予算を組みましたが、役人任せにしたため、その中身たるや、アニメ殿堂に象徴されるように不要不急のお粗末なものが目立ち、まさに無駄遣いオンパレードで、官僚たち勝手放題だけが目に余りました。景気回復につながらず、国民にとっては、いずれ消費税引上げという負担増を押し付けられるだけに終わっています。  第四に、超少子高齢化社会が進む中で、年金、医療、介護の将来に対する国民不安感増大に対し何ら手を打たず、確かな制度設計を示すことがなかったことは、麻生政権の致命傷であります。  麻生総理、あなたの政権はもはや国民の信頼を失っております。そのことを雄弁に物語るのがマスコミ各社世論調査に表れた内閣支持率の低迷であります。また、昨日行われたNHK世論調査においても、麻生内閣を支持しないは七〇%に上がっております。NHK調査は、とかく時の内閣に甘く出ると言われておりますが、それでもこの数字であります。その七〇%の中身は、政策に期待できないが三六%、実行力がないが三〇%であります。また、あなた自身異例応援に駆け回った東京都議選大敗も、人心があなたと自民党から離れていることの証左にほかなりません。  いみじくも、石原東京都知事は、都政与党自民大敗に対し、人心離反だと怒気を込めて発言をいたしました。まさに正鵠を得た発言ですが、人心離反は、麻生内閣だけではなく、それを言った石原都知事自身にもあることを忘れた悲劇の中のまさにコメディーであります。  一方、麻生総理は一地方選挙と逃げを打っています。この混乱こそが、自民党麻生内閣弱体化であり、我々が都議選勝利政権交代の一里塚と言い続けたことを証明しております。  冒頭申し上げたとおり、麻生総理解散・総選挙日程表明されました。よもやとは思いますが、また迷走は願い下げにしてほしいのであります。あなたの大切にしている容姿のダンディズム決断という心のダンディズムに置き換えて、解散・総選挙を断行されることを切に望むものであります。  最後になりますが、あなたの人生最大の失敗は総理になったこと、いや、総理になりたいという野望に取りつかれたことではありませんか。塩野七生さんは、虚栄心とは他者から良く思われたい心情であり、野心とは何かをやり遂げたい意志であると言っております。  麻生総理は、総理になった途端に野心を捨てて虚栄心だけの人になってしまったのではないでしょうか。他者に良く思われたい、与党にとって危険でない人が総理の座に居座ることほど、国民にとって危険なことはありません。  あなたが総理にふさわしくないことを重ねて表明し、心ある本院議員諸君の御賛同を……
  9. 江田五月

    議長江田五月君) 北澤君、時間が超過しております。簡単に願います。
  10. 北澤俊美

    北澤俊美君(続) お願いして、私の賛成討論を終わります。(拍手
  11. 江田五月

    議長江田五月君) これにて討論は終局いたしました。     ─────────────
  12. 江田五月

    議長江田五月君) これより採決をいたします。  足立信也君外百一名より、表決記名投票をもって行われたいとの要求が提出されております。  現在の出席議員の五分の一以上に達しているものと認めます。  よって、表決記名投票をもって行います。本決議案賛成諸君白色票を、反対諸君青色票を、御登壇の上、御投票を願います。  議場閉鎖を命じます。氏名点呼を行います。    〔議場閉鎖〕    〔参事氏名点呼〕    〔投票執行
  13. 江田五月

    議長江田五月君) 投票漏れはございませんか。──投票漏れはないと認めます。投票箱閉鎖。    〔投票箱閉鎖
  14. 江田五月

    議長江田五月君) これより開票いたします。投票参事に計算させます。議場開鎖を命じます。    〔議場開鎖〕    〔参事投票を計算〕
  15. 江田五月

    議長江田五月君) 投票の結果を報告いたします。   投票総数        二百三十八票     白色票          百三十二票     青色票            百六票    よって、本決議案は可決されました。(拍手)     ─────────────    〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕     ─────────────
  16. 江田五月

    議長江田五月君) 本日はこれにて散会いたします。    午後四時二十二分散会