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2009-03-04 第171回国会 参議院 本会議 第10号
公式Web版
会議録情報
0
平成
二十一年三月四日(水曜日) 午前十時一分
開議
━━━━━━━━━━━━━
○
議事日程
第十号
平成
二十一年三月四日 午前十時
開議
第一
平成
二十
年度
における
財政運営
のための
財政投融資特別会計
からの繰入れの
特例
に関 する
法律案
(
内閣提出
、
衆議院送付
) 第二
銀行等
の
株式等
の
保有
の
制限等
に関する
法律
の一部を改正する
法律案
(
衆議院提出
) 第三
平成
二十
年度
における
財政運営
のための
財政投融資特別会計
からの繰入れの
特例
及び 同
年度
における
生活
・
経済緊急対策
の
実施
に ついての
制限
に関する
法律案
(直
嶋正行
君外 十二名
発議
)
━━━━━━━━━━━━━
○本日の
会議
に付した案件
議事日程
のとおり ─────・─────
江田五月
1
○
議長
(
江田五月
君) これより
会議
を開きます。
日程
第一
平成
二十
年度
における
財政運営
のための
財政投融資特別会計
からの繰入れの
特例
に関する
法律案
(
内閣提出
、
衆議院送付
)
日程
第二
銀行等
の
株式等
の
保有
の
制限等
に関する
法律
の一部を改正する
法律案
(
衆議院提出
)
日程
第三
平成
二十
年度
における
財政運営
のための
財政投融資特別会計
からの繰入れの
特例
及び同
年度
における
生活
・
経済緊急対策
の
実施
についての
制限
に関する
法律案
(直
嶋正行
君外十二名
発議
) 以上三案を一括して
議題
といたします。 まず、
委員長
の
報告
を求めます。
財政金融委員長円より子
君。 ───────────── 〔
審査報告書
及び
議案
は
本号末尾
に
掲載
〕 ───────────── 〔
円より子
君
登壇
、
拍手
〕
円より子
2
○
円より子
君 ただいま
議題
となりました三
法律案
につきまして、
委員会
における
審査
の
経過
及び結果を御
報告
申し上げます。 まず、
政府提出
の
平成
二十
年度
における
財政運営
のための
財政投融資特別会計
からの繰入れの
特例
に関する
法律案
は、
平成
二十
年度
の
一般会計補正予算
(第2号)における
国民生活
の安定と
経済
の持続的な成長に資するため緊急に
実施
する
措置
に必要な
財源
を確保するための
臨時
の
措置
として、同
年度
において、
財政投融資特別会計財政融資資金勘定
から四兆一千五百八十億円を限り、
一般会計
に繰り入れる
特例措置
を定めようとするものであります。 次に、
銀行等
の
株式等
の
保有
の
制限等
に関する
法律
の一部を改正する
法律案
は、
銀行等
をめぐる
経済情勢
の変化を踏まえ、
銀行等
の
業務
の健全な
運営
を確保するため、
銀行等保有株式取得機構
による
株式
の買取り等の
業務
の期限の延長を行うとともに、
銀行等
以外の会社からの
株式
の買取りに関する
制度
の
新設等
の
措置
を講じようとするものであります。 次に、
民主党
・
新緑風会
・
国民新
・
日本
及び社会
民主党
・
護憲連合
の二
会派共同提出
の
平成
二十
年度
における
財政運営
のための
財政投融資特別会計
からの繰入れの
特例
及び同
年度
における
生活
・
経済緊急対策
の
実施
についての
制限
に関する
法律案
は、現下の厳しい
経済情勢
に対処するため、
生活
・
経済緊急対策
を確実かつ
効果
的に
実施
することが重要であることにかんがみ、
平成
二十
年度
の
一般会計補正予算
(第2号)における
中小規模
の
事業者
を支援するための
措置等
に必要な
財源
を確保するための
臨時
の
措置
として、同
年度
において、
財政投融資特別会計財政融資資金勘定
から二兆一千百八十五億円を限り、
一般会計
に繰り入れる
特例措置
を定めるとともに、同
年度
における
生活
・
経済緊急対策
の
実施
について必要な
制限
を定めようとするものであります。
委員会
におきましては、三
法律案
を一括して
議題
とし、
内閣総理大臣
、
関係大臣
及び
発議者
に対し、
定額給付金
の意義と
妥当性
、
定額給付金
の
経済効果
、
自治体
が行った
定額給付金事業
の
準備行為
を
補助金
の対象とすることの是非、
銀行等保有株式取得機構
による
株式買取り
を再開する理由、
持ち合い株
以外の
資産買取り
を検討する
必要性等
について
質疑
を行いましたが、その詳細は
会議録
に譲ります。
質疑
を終了し、
討論
に入りましたところ、
民主党
・
新緑風会
・
国民新
・
日本
を代表して
大久保勉理事
より、
政府提出
の
平成
二十
年度
財政運営特例法案
に
反対
、
銀行等株式保有制限法改正案
及び二
会派共同提出
の
平成
二十
年度
財政運営特例
及び
対策実施制限法案
に
賛成
、自由
民主党
及び公明党を代表して
荒木清寛委員
より、
政府提出
の
平成
二十
年度
財政運営特例法案
及び
銀行等株式保有制限法改正案
に
賛成
、二
会派共同提出
の
平成
二十
年度
財政運営特例
及び
対策実施制限法案
に
反対
、
日本共産党
を代表して
大門実紀史委員
より、
政府提出
の
平成
二十
年度
財政運営特例法案
及び
銀行等株式保有制限法改正案
に
反対
、二
会派共同提出
の
平成
二十
年度
財政運営特例
及び
対策実施制限法案
に
賛成
する旨の
意見
がそれぞれ述べられました。
討論
を終了し、順次
採決
の結果、
政府提出
の
平成
二十
年度
財政運営特例法案
は
賛成少数
により否決すべきものとし、
銀行等株式保有制限法改正案
及び二
会派共同提出
の
平成
二十
年度
財政運営特例
及び
対策実施制限法案
はいずれも多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、
銀行等株式保有制限法改正案
に対し
附帯決議
が付されております。 以上、御
報告
申し上げます。(
拍手
) ─────────────
江田五月
3
○
議長
(
江田五月
君) ただいま
委員長報告
がありました
議案
のうち、
平成
二十
年度
における
財政運営
のための
財政投融資特別会計
からの繰入れの
特例
に関する
法律案
に対し、
討論
の通告がございます。発言を許します。
水戸将史
君。 〔
水戸将史
君
登壇
、
拍手
〕
水戸将史
4
○
水戸将史
君
民主党
・
新緑風会
・
国民新
・
日本
の
水戸将史
です。 ただいま
議題
になりました
平成
二十
年度
第二次
補正予算関連法案
の
政府
・
与党案
に
反対
の立場から
会派
を代表して
討論
を行います。
国民
の七割から八割が
反対
している
定額給付金
が天下の大愚策であることは今更申し上げるまでもないことですが、ここで改めてその
問題点
を指摘します。 そもそも
国民
の血税を使うならば、当然、知恵を絞って、今の
日本
にとって最も必要なところに
効果
的に使うというのが
政府
の役割です。今回の
定額給付金
は、それを何の工夫もなく、ただ
選挙
の票欲しさにばらまこうと言われても仕方ないものでありました。まさしく
政府
の怠慢以外の何物でもありません。 何よりこの
定額給付金
の
政策
として最も大きな欠点は、その目的が
景気刺激策
なのか、それとも
生活
が苦しい
人たち
への
支援策
なのかが極めてあいまいで、なおかつ、なぜこの時期にこれを導入しなければならないのか、今もってはっきりしないということであります。 さきの
財政金融委員会
でも、
与謝野大臣
自らが、受け取った人が使うか使わないかは個人の領域の問題であると発言されました。つまり、
定額給付金
は使っても使わなくてもよいという公式的な見解でありまして、一体何のために、だれのために施策を遂行するのかということを
大臣
自らが認識していないという印象でした。
定額給付金
の
議論
をする際には、しばしばその前例として
地域振興券
が挙げられます。この
地域振興券
による
経済効果
は、当時の三月から六月までの四か月間の
消費
を三二%分新たに喚起し、全体で
GDP
を〇・一%程度押し上げたとあります。そして、今回、
政府
の言う
定額給付金
の
数量的効果
は、この
地域振興券
の経験を基に試算した場合、
GDP
を〇・一二ないしは〇・一五ポイント押し上げる
効果
が期待されるとのことです。 ところが、その基本となるデータは、当時の
経済
企画庁が行った一回きりの
アンケート調査
を引用したにすぎず、当時のマスコミの
世論調査
やその後の
内閣
府
調査
などを含めて総合的に勘案をすれば、前回にも増して、今回の
定額給付金
はとても胸を張って
効果
が見込めるとは言えません。それをいとも簡単に、たった一度の
調査
結果だけですべてを
結論付け
、耳触りの良い
言葉遊び
をする
政府
の
態度
、方針に大いなる危惧を覚えるのは私だけでありましょうか。
麻生総理
は
定額給付金
を
年度
内に
支給
すると何度も明言してきましたが、
総務省
は、先週の
段階
で、
支給
が始められる
自治体
はわずか二二%程度ということを明らかにしました。 御案内のとおり、我が党は、昨年十一月の時点で、早急に第二次
補正予算案
を
臨時国会
に提示し、速やかに雇用や
不況対策
のため
審議
を始めるよう求めてまいりました。しかし、
日本経済
に対する
危機意識
のなさから、
政府
の方で年内の
提出
を見送った
経過
があります。 しかも、
定額給付金
を
支給
するか否か、またその
支給方法
についても
自治体
へ丸投げする形で
制度設計
を行ったため、ただでさえ
年度
末の
繁忙期
に過重な負担を押し付けられた
自治体
の
困惑ぶり
は察するに余りあります。 前述したとおり、
効果
に甚だ疑問が持たれている
政策
を、
自治体
をこんな大変な目に遭わせ、なおそれに要する経費八百二十五億円の税金を上乗せしてまで
実施
しなければならないものなのでしょうか。 その上、本
法律案
の
主務大臣
は
財務大臣
でありますが、去る二月十四日のG7後に
中川大臣
が
もうろう会見
を行い、全世界に醜態をさらし、辞任、交代するといった不祥事がございました。私
自身
、
国会議員
というより
日本国民
として、
大臣
のこの
一連
の振る舞いに対しては、憤慨をはるかに通り越し、非常に物悲しい思いに浸らざるを得ませんでした。 すなわち、昨年十一月以降、この
大臣交代
に至るまで、今回の
審議停滞
の元凶は
政府そのもの
であり、
政策
を主導し、かつ
財務大臣
の
任命権者
である
総理
の責任は免れることはできません。 さらに、来
年度
税制改正関連法案
では、
消費税増税
への道筋を二
段階
に分けて附則に書き入れました。この過程でも相変わらず
麻生総理
の
迷走ぶり
が目立ちましたが、それはさておき、
総理
御
自身
、
消費税増税
への姿勢が明らかになりました。
定額給付金
で二兆円を
国民
に大盤振る舞いをした後、
消費税
でかすめ取ることが透けて見えるようでは、
国民
全体、どうして
定額給付金
を気持ちよく
消費
に回すことができるんでありましょうか。こんなちぐはぐな
政策
で
国民
をごまかすのはいいかげんにしてもらいたいことを強く指摘しておきます。 今回の
一連
の
議論
の中で私が最も腑に落ちなかったことは、当初より
麻生総理
始め何人かの閣僚が、この
定額給付金
を受け取るか否かについて
態度
を明らかにしなかったことでした。
自分
が受け取るかどうか言えないものを他人には勧めるという不誠実な
態度
は、
総理
に対する
不信感
を一層増幅させる要因となったのです。 それが、一昨日、
麻生総理
は、
自民党幹事長名
で
党所属国会議員
に受取を指示すると聞くや否や、やむなくもらうと言明されました。矜持の問題としたのもどこへやら、もらうことがさもしいという気持ちもかなたに吹き飛び、素知らぬ顔で受け取ることになるでしょう。 しかし、
総理
御
自身
、
所得制限
を設けるか否かでぶれ、
国会議員
が受け取るかどうかで右往左往し、さらに
自分
が受け取るかどうかでもこう迷走することからすれば、
総理
の本心の片隅にこの
給付金
をもらうことについて後ろめたさを感じていらっしゃるのではないでしょうか。 改めて、
総理
及び
与謝野大臣
の良心に問いたい。今ならまだ間に合います。かの
小泉
元
総理
でさえも三分の二まで使って再可決するほどのテーマかと指摘しておりますが、まさしくそのとおりであります。私
たち
の
反対意見
を謙虚に受け止め、英断をもって今回の
定額給付金
を取り下げてもらいたい。どうせ二転三転をするならば、そこまでダイナミックに方向転換することを
国民
の大多数が望んでいるはずです。 先週、来
年度
予算案
の今
年度
内成立
が確定しました。私
たち
はあくまでもこの第二次
補正
の
関連法案
に
反対
ですが、
与党
は
衆議院
で三分の二の多数をもって再可決をして、これを成立させる構えだと聞いております。もしそうだとすれば、本日中にも今
国会
での
政府
が言う
懸案事項
はすべて終了することになり、そうなると
総理
のすべきことはたった
一つ
、一刻も早く
衆議院
を解散することしか残っていません。
小泉政権
の後、安倍、福田、
麻生
と、総
選挙
の洗礼を受けていない三人の
総理大臣
によって
政権
が
たらい回し
にされてきました。とりわけ、
麻生政権
になって以降、世界的な
経済危機
が起こり、
日本
でも
失業者
が急増し、国内総生産も
年率換算
で一二・七%も落ちるなど、
国民生活
は日に日に深刻さを増しています。 こうした中で、
麻生総理
は一体何をされてきたのでしょう。有効な
対策
を何
一つ
実施
できないまま、数々の失言を繰り返し、
むやみいたずら
に
総理
のいすにしがみついて、ついに各
世論調査
の
内閣支持率
は一〇%前後に落ち込んでしまいました。
国民
に信頼されていないこのような状況で今後
総理
に何ができるのでありましょうか。 総辞職も
一つ
の選択肢ですが、その後、またもや
自民党
内で
総裁選
を行い、
政権
を
たらい回し
するのは到底
国民
が許すところではありません。ここは、
総理
自らが直接
国民
に信を問うか、さもなくば憲政の常道に従って野党に
政権
を渡し、その
政権
の下で一刻も早く総
選挙
を
実施
するしかないのであります。 以上、強く申し上げ、私の
反対討論
を終わります。 御清聴、誠にありがとうございました。(
拍手
)
江田五月
5
○
議長
(
江田五月
君) これにて
討論
は終局いたしました。 ─────────────
江田五月
6
○
議長
(
江田五月
君) これより
採決
をいたします。 まず、
平成
二十
年度
における
財政運営
のための
財政投融資特別会計
からの繰入れの
特例
に関する
法律案
の
採決
をいたします。
本案
の
賛否
について、
投票ボタン
をお押し願います。 〔
投票開始
〕
江田五月
7
○
議長
(
江田五月
君) 間もなく
投票
を終了いたします。──これにて
投票
を終了いたします。 〔
投票終了
〕
江田五月
8
○
議長
(
江田五月
君)
投票
の結果を
報告
いたします。
投票総数
二百四十
賛成
百七
反対
百三十三 よって、
本案
は否決されました。(
拍手
) ───────────── 〔
投票者氏名
は
本号末尾
に
掲載
〕 ─────────────
江田五月
9
○
議長
(
江田五月
君) 次に、
銀行等
の
株式等
の
保有
の
制限等
に関する
法律
の一部を改正する
法律案
の
採決
をいたします。
本案
の
賛否
について、
投票ボタン
をお押し願います。 〔
投票開始
〕
江田五月
10
○
議長
(
江田五月
君) 間もなく
投票
を終了いたします。──これにて
投票
を終了いたします。 〔
投票終了
〕
江田五月
11
○
議長
(
江田五月
君)
投票
の結果を
報告
いたします。
投票総数
二百三十四
賛成
二百二十
反対
十四 よって、
本案
は可決されました。(
拍手
) ───────────── 〔
投票者氏名
は
本号末尾
に
掲載
〕 ─────────────
江田五月
12
○
議長
(
江田五月
君) 次に、
平成
二十
年度
における
財政運営
のための
財政投融資特別会計
からの繰入れの
特例
及び同
年度
における
生活
・
経済緊急対策
の
実施
についての
制限
に関する
法律案
の
採決
をいたします。
本案
の
賛否
について、
投票ボタン
をお押し願います。 〔
投票開始
〕
江田五月
13
○
議長
(
江田五月
君) 間もなく
投票
を終了いたします。──これにて
投票
を終了いたします。 〔
投票終了
〕
江田五月
14
○
議長
(
江田五月
君)
投票
の結果を
報告
いたします。
投票総数
二百四十
賛成
百三十三
反対
百七 よって、
本案
は可決されました。(
拍手
) ───────────── 〔
投票者氏名
は
本号末尾
に
掲載
〕 ─────────────
江田五月
15
○
議長
(
江田五月
君) これにて
休憩
いたします。 午前十時二十二分
休憩
〔
休憩
後
開議
に至らなかった〕