○千葉景子君 私は、ただいま可決されました
出入国管理及び
難民認定法及び
日本国との
平和条約に基づき
日本の
国籍を離脱した
者等の
出入国管理に関する
特例法の一部を
改正する等の
法律案に対し、民主党・新緑風会・
国民新・
日本、自由民主党、公明党及び
社会民主党・護憲連合の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
案文を朗読いたします。
出入国管理及び
難民認定法及び
日本国との
平和条約に基づき
日本の
国籍を離脱した
者等の
出入国管理に関する
特例法の一部を
改正する等の
法律案に対する附帯決議(案)
政府は、本法の施行に当たり、次の事項について格段の配慮をすべきである。
一 永住者のうち特に
我が国への定着性の高い者についての
在留管理の在り方の検討に当たっては、その歴史的
背景をも踏まえ、
在留カードの常時携帯義務及びその義務違反に対する刑事罰の在り方、
在留カードの更新等の手続、再
入国許可制度等を含め、
在留管理全般について広範な検討を行うこと。
二 みなし再
入国許可制度については、特別永住者の歴史的経緯及び
我が国における定着性を考慮し、今後も引き続き検討すること。
三
在留カード又は特別永住者
証明書の有無にかかわらず、すべての
外国人が予防接種や就学の案内等の行政上の便益を引き続き享受できるよう、体制の整備に万全を期すこと。
四
在留カード及び特別永住者
証明書の番号については、これらの番号をマスターキーとして名寄せがなされることにより、
外国人のプライバシーが不当に侵害されるという疑念が生じないよう、
外国人の個人情報の保護について万全の配慮を行うこと。
五 所属機関の届出に係る努力義務については、的確な
在留管理の実現に留意しつつ、その履行が所属機関の過重な負担となることのないよう、また、届出の
内容が
出入国管理及び
難民認定法の
目的の範囲から逸脱することがなく必要最小限のものとなるよう、その運用には慎重を期すること。
六
法務大臣が一元的かつ継続的に
把握することとなる
在留外国人に係る情報が、いやしくも出
入国の公正な
管理を図るという
出入国管理及び
難民認定法の
目的以外の
目的のために不当に利用又は提供されることがないよう、当該情報の取扱いに当たっては個人の
権利利益の保護に十分に配慮すること。
七 配偶者の身分を有する者としての
活動を継続して六月以上行わないで
在留していることにより
在留資格を取り消すことができる制度については、その弾力的な運用を行うとともに、配偶者からの暴力等により当該
活動を行わないことに正当な理由がある場合には、
在留資格の取消しの対象とならない旨の周知徹底を図ること。
八 新たに中長期
在留者となった者が、上陸許可の証印等を受けた日から九十日以内に
住居地の届出をしないこと及び中長期
在留者が、届け出た
住居地から退去した場合において、当該退去の日から九十日以内に新
住居地の届出をしないことにより
在留資格を取り消すことができる制度については、その弾力的な運用を行うとともに、正当な理由がある場合には、
在留資格の取消しの対象とならない旨の周知徹底を図ること。
九 本法の施行による
不法滞在者の潜行を防止する必要性があることにかんがみ、
在留特別許可の許否の判断における
透明性を更に
向上させるための
公表事案の大幅な追加、ガイドラインの
内容の見直し等を行い、
不法滞在者の実情に配慮して、
不法滞在者が自ら
不法滞在の事実を申告して入
国管理官署に出頭しやすくなる環境を整備すること。
十 本法により、退去強制を受ける者を送還する場合の送還先に、拷問及び他の残虐な、非人道的な又は品位を傷つける取扱い又は刑罰に関する
条約第三条第一項等に規定する国を含まないことが明確に規定されることとなったことを踏まえ、退去強制を受ける者をその者の
国籍等の属する国等に送還することの可否について、退去強制手続及び難民認定手続において、多方面から慎重な調査を行うこと。
十一
外国人研修生・技能実習生の受入れについては、本
法律案が提出された趣旨にかんがみ、専ら低賃金
労働力としての扱いが横行することや、
外国人研修生・技能実習生が劣悪な居住環境・就労環境に置かれることのないよう、入
国管理官署、労働基準監督機関等の連携の下、人的体制を充実・強化し、法令違反、不正行為等について厳格な取締りを行うこと。
十二
外国の送出し機関が
外国人研修生・技能実習生から徴収する保証金等については、
外国人研修生・技能実習生を不当に拘束する面があることにかんがみ、その徴収を行う
外国の送出し機関からの
外国人研修生・技能実習生の受入れを認めないことを含め、必要な措置を講ずること。
十三 本法による
外国人研修・技能実習制度の見直しに係る措置は、
外国人研修生・技能実習生の保護の強化等のために早急に対処すべき事項についての必要な措置にとどまるものであることにかんがみ、同制度の在り方の抜本的な見直しについて、できるだけ速やかに結論を得るよう、
外国人研修生・技能実習生の保護、
我が国の産業構造等の
観点から、総合的な検討を行うこと。
十四
入国者収容所等視察
委員会については、専門性にも配慮しつつ幅広く各界各層から
委員を
選任するとともに、
委員会が十全な
活動を行えるよう、その
活動に係る人的・物的体制を整備し、
委員会に対する情報の提供を最大限行う等の特段の配慮を行うこと。
十五 新たな
在留管理制度の構築や
在留外国人に係る住民基本台帳制度の整備がなされることを踏まえ、
我が国において真に多
文化共生社会の実現がなされるよう、労働、
教育、福祉等様々な
分野における諸施策の一層の拡充を図るとともに、
外国人が
生活しやすい環境の整備に努めること。
右決議する。
以上でございます。
何とぞ
委員各位の御賛同をお願いいたします。