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木庭健太郎君 そこで、
裁判官だけでなく、
法曹に携わる方々の人格、識見も含めて一番のポイントになってきているのが何かというと、
司法制度改革をやった結果、一番の中枢になったのが法科大学院ということになっているわけです。ここでどれだけのことが事前にできるか、ここにどれだけいろんな人たちを集めることができるかというのがまさにポイントになっていくんであって、
司法制度改革の一番、
法曹養成
制度の中核を成すのは今、法科大学院になっていることは間違いないわけです。
ところが、その法科大学院、どういう形でつくろうかというその理念はありましたが、現実に始めてみればもう様々な問題点が起きていることも事実でございまして、
一つは、法科大学院、かなりの数ができてしまった、結果的に。その結果何が起きたかというと、合格率が、法科大学院に行けば、次、
弁護士なり
裁判官なり検事の道が開けると、こう思っていたものが、当初目標ではたしか七割から八割という声もありました、法科大学院出れば。現実はどうか。とてもとても、昨年の合格率は三三%になっている。
その結果、逆に何が起きるかというと、法科大学院が新しい形の
法曹の養成
制度というよりは、どっちかというと、合格率を上げるために必死になっていろんなことをやらなくちゃいけないという、法科大学院自体の変質みたいな問題点も
指摘をされているんであって、一方、私たちがきっちり見ていかなくちゃいけないなと思ったのは、最初、法科大学院をつくれば、そこに例えば他学部の出身の人であったり
社会人の人であってみたり、そんな人たちも法科大学院に来て、言わば単に
弁護士になりたい、何とかなりたいと必死になってやっているほかに、様々な分野の人たちが法科大学院をつくることによって吸収できるんではないかという声もありましたが、ここも大きく懸け離れてきているという感じがあるのは事実でございます。
こういったことを受けていろんな声も起こってきておりまして、
法曹人口増やしていこうということで私たちはこの
委員会でもいろんな論議をしました。しかし、こういう現状を踏まえて、
法曹人口の在り方、増やすことがどうなのか、そんな根本
議論も起きているような現状もございます。
そういった
意味では、やはりこの法科大学院というのをもう一度きちんと今見据えて見直すことが本当に必要になっていると、こんなふうに私どもも感じておりまして、(発言する者あり)まずほかのことから始めようかなと。
こういった問題を踏まえて、文部科学省の方は全法科大学院を対象にヒアリング調査を行って、各大学院大学における改善計画書の提出を求めて、この改善状況を継続
審議する組織も設置する方針を固めたというようなこともちょっと
報道でお聞きしましたし、また、このヒアリング調査には
法務省も同席されて、ある
意味じゃ
関係各省がようやく連携してその動きを始めたというふうに感じておるわけでございまして。
ここでまず聞いておきたいのは、これまで規制改革の
観点から、ややもすると、どっちかというと静観していた文部科学省、法科大学院に対して初めていろんなことをやり始めたわけですから、文部科学省としてどういう理念や思想を持ってこの問題に
対応していこうとしているのか、具体的な方針、内容、具体的なスケジュールについても文部科学省から御
説明をいただきたいし、あわせて、今回のヒアリング調査に同席した
法務省には、これまでこの問題について遠慮していたところもちょっとあったみたいですけれども、今後、この
制度改革において、これも
法務省としてどのような理念に基づき、具体的な役割を果たすつもりか、伺っておきたいと思います。