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鈴木寛君
NICUを
整備し、という中身がちょっと違うんだと思うんですね。
局長は、ハードができれば
NICUが
整備されるかのごとく聞こえてしまう、そうでないというのは分かりますけれ
ども。しかし、財務省とやっぱり勝負してないですよ、申し訳ないですけど。今
NICUで一番大事なのは、繰り返しますけれ
ども、新生児科医、まさに
人件費、そして人を雇ってくること、これがまず第一ですよね。
例えば私も、人材養成の中身をちょっと教えてもらいました。そうしたら、
教育プログラムの
開発だとか実習用機器のシミュレーター、要するにこれも悪くはないけれ
ども、これでもってどれだけ直接的に明日からあるいは来月から
NICUの
診療・治療体制が
強化されるかというと、これは少し迂遠な話で、結局こういうことでもって現場を私はゆがめかねないなということをとっても心配しているわけでありますんで、ここはもう一回きちっと、動機においては良いことだと思いますけれ
ども、動機において良くてもやってることの順番を間違うことによって結果として
地域の周産
期医療の現場に対して悪
影響を与えていないかどうかということは、もう一回きちっと現場実態あるいはそうした新生児科医の
状況。
それから、
先ほどオープンシステムと、これもいいことなんですけれ
ども、オープンシステムをするためには、ちゃんと
大学病院側にオープンシステムで来てくれる
医師に対するきちっとした報酬を確保しないと、幾らオープンにしたってだれも来ないですよ、だれも来てくれないですよね。こういうところのやっぱりきちっとした、結局は
行政改革推進法があって
人件費の話になるので、結局
文科省も悩んでおられるのだと思いますが、そこはちゃんとやっぱり
指摘するは
指摘して
議論をしていただきたいというふうに思いますし、今、骨太の
議論もされていると聞きます。いまだに
医療費をカットするという報道もあります、これはどうなりますかよく分かりませんけれ
ども。
そこは
文部科学大臣も声を大にきちっと、まさに
診療報酬を引き上げていく、そして
大学病院に対しても、極めて重要な
医療を担っている
部分については
病院運営費交付金、あるいは
先ほどお話があったような周産
期医療をちゃんと実りあるものにしていくためのきちっとした加算、こうしたことの要求を私はきちっとしていくべきだというふうに思いますので、今からでも遅くありませんから、是非、直談判をしていただきたいと思います。
それでは次に、まさに
行革推進法によっていかに
国立大学病院で勤務されている
医師の皆さんの、
先ほど残業時間あるいは在院時間の
お話は少しさせていただきましたが、
議論をさせていただきたいと思います。
結局、例えば、これ伺ってみますと、
大学病院で働いておられる
医師の
方々と他の
病院、これは
国立病院も含めてですが、あるいは公的
病院も含めて、民間
病院との差じゃないですよ、民間
病院との差を求めてやっている
大学の方はそうはいないと思うわけでありますが、しかし、他の公的
医療機関とか
国立病院と比べても、例えば五年目の医員で申し上げると、例えば五年目の、要するに三十歳ぐらいですよね、ストレートで行って。三十歳ぐらいの
国立大学病院の
医師、年収三百万円ですよ。これではやはりやっていけない。
三十歳で、大変に研修もやって努力されて、給料をもらい始めるのは、二十四で取って、そして今度は卒後
臨床ですから二十六からしかもらえないわけですね。二十六歳からしかもらえない。それまでは逆に言うと払うばっかりと、そして奨学金も借りていると。そういう人たちが奨学金も返し、そしてというような、まさに将来の
日本の
医療の
中核を担っていただく人材に対して我々は三百万の給与しか出していないと。これでは燃え尽きてしまうのは私はやむを得ないかなと。
これを時給換算に直しますと千四百四十九円ですよ。これ
大学生のアルバイトでも二千円とか二千五百円とか今取りますから。だったら、これだけ大変な思いをして、そして命と毎日向き合って、そして少しのミスも許されないと、そういう過酷な
環境であって、しかも一時間単価千四百四十九円と。これは、これで立ち去るなと言う方が酷な話であって、この
状況でとどまっていただいている方には本当にもう頭が何度下げても足らないというふうに私は思います。
更に申し上げると、これは
国立大学の医学部教授ですよ。勤続年数二十五・六年、要するに五十六歳ぐらいです、
平均で、この方の時給が千六百九十円ですよ。
国立大学医学部教授の時給が千六百九十円。まさに
大学生が家庭教師したら二千五百円、それを教えている医学部の教授が、
医学生なんかだったらもっと取りますからね、それ千六百九十円で。
ですからこれ、まあ
局長な
どもよく御存じだと思いますけれ
ども、
大学に残った、講師で頑張って、助教授で、准教授で、教授でと。昔はそのことに本当に一生懸命自分の
研究と治療に邁進をできたと。しかし、やはりいろいろな、家庭も持ち、子供の
教育もということになると、本来は
大学にとどまって頑張って
研究を続けていただきたい、あるいは治療を続けていただきたい、あるいは
地域のそうした
医療者の
教育に従事していただきたいという方がどんどんどんどん立ち去る。さらには、訴訟だ、あるいは訴追だ、その管理責任だ、監督責任だということがまさに
医療崩壊立ち去り型の遠因というか直接的な原因になっているわけでありまして、やはりここは早急に何とかしないと私はいけないんだと、こういうふうに思います。
この前、聞いてきますと、救命蘇生のときの心臓マッサージありますよね、この心臓マッサージ三十分間やっていただいて、これがうまくいけばまさに生き返るわけです、蘇生するわけです。その
診療報酬が二千五百円ですよ。自己
負担は七百五十円。これが今の
診療報酬の実態でありますから、ここを私は改めて何とかきちっと手当てをすべきだと。
行政改革推進法というものはこういうことを助長してきたと、あるいはこういうことを加速してきたということを何とか正していただきたい。私
どもはまさにきちっとこの点を、こうした重要な
医療を担っていただいている
病院には入院
医療費をやっぱり
病院収入ベースで一・二倍ぐらいにしなきゃいけないと、これも緊急措置ですけれ
ども、しないともう止まらないというふうに思っておりますが、いかがでしょうか。