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政府参考人(磯田文雄君) まず、事故の点でございますが、これは
J—PARC内におきます茨城県が専有している
施設で発生したものでございますが、その後適切に
対応され、放射能漏れもなく
対応が終了したという具合に伺っております。
それから、安全性の
確保についての御
質問の何点か、論点についてお答えをしたいと思いますが、まず、
中性子線は放射線の一種でございますので、その利用に当たっては放射性同位元素等による放射線
障害の防止に関する
法律等の法令や内部の規定に基づきまして、十分な安全対策を講じるということで進めております。
施設の安全につきましては、中性子が発生し、
中性子線が通るような場所では、周りに重コンクリート等の遮へい体を置くことにより中性子が外部に漏えいすることを防いでおります。また、
施設の内外で絶えず環境中の放射性物質や放射線の強さを測定し、法で定めた
年間の値を十分下回っているかどうか、これを確認をしております。仮に事故につながるおそれのある異常な事象が起こった場合も、異常を探知し次第
施設の運転を速やかに停止するシステムを採用するなど、適切な
対応が図られることとなっております。
また、
J—PARCの運転に伴い発生する放射性廃棄物の処理についてでございますが、これは先ほど申し上げました我々は略称で放射線
障害防止法と呼んでおりますが、これらの関係法令の規定に従い適切に取り扱うこととしております。具体的には、原子力機構が建設した
施設の運転に伴い発生する放射性廃棄物、これにつきましては、原子力機構自らがこの法令等に基づき処理、処分いたします。高エネルギー加速器
研究機構が建設した建設の運転、主に学術
研究で行っている部分でございますが、これに伴い発生する放射性廃棄物につきましては、高エネルギー加速器
研究機構が費用を負担した上で日本アイソトープ協会が関係法令に基づき処理し、原子力機構が処分をするということとしております。
それから、
施設利用者に対する安全の
確保につきましては、
中性子線を用いて試料の計測等を行う実験
施設内には、
中性子線が出ている間は人が立ち入ることができないようにすること等の
措置を講じておりまして、
施設利用者に健康上の問題が生じないよう対策が施されていると
考えております。また、火災等の事故等の
対応訓練を行っておりますし、非常時
対応マニュアルというものも
整備しているところでございます。
また、実験試料、これが変化をしたりとか、危険なものを持ち込まないかというような
状況についての
対応でございますが、試料の種類を申請書で提出させるとともに、実験補助者が実物を、これを確認することにより安全性を担保することとしております。また、先ほど申し上げました二十四時間交代で実験
状況を把握しておりますので、利用者が申請書と異なる試料を使用すること、あるいは試料が変容して危険化すること等については十分
対応できると
考えているところでございます。
なお、地震等への対策でございますが、これは建築基準法に基づいた耐震基準にのっとり
J—PARCを設計しておりまして、必要な耐震設計が行われているものでございます。また、加速器
施設や中性子実験
施設等の精度の観点から、硬い岩盤に多数のくいを打っておりますので、地震の際には
通常の建設物よりもかなり揺れが軽減されるものということで、地震対策にも十分の配慮で
対応しているところでございます。