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国務大臣(
石破茂君)
委員の
選挙区とは違うのかもしれませんが、私の
選挙区、
沿岸漁業が多いです。あるいは、
沖合漁業もございます。
委員がおっしゃるようなことの実感は私も浜を回るたびに思っておりますし、
漁業者の
方々と夜を徹して酒飲みながらいろんな話をすることも私は時々ございますが、そういう
お話をよく承ります。
農業と
漁業、
農業で起こっている
高齢化みたいなことが数年早く
漁業の
世界では起こっているのだという
認識があります。そして、
漁業と
農業の違いというのは、これも
釈迦に
説法みたいなことかもしれませんが、
一つは
兼業漁家って余りないですね。専業が多い、あるいは半農半漁という
形態もございますが、それが
一つ。もう
一つは、
農耕民族と
狩猟民族なんて言ったらしかられるのかもしれませんが、結局、お魚はどんどん減ったとしてもその分価格が上がりますので、それでトータルの収入というのは余り減らないんだみたいなことが一時期言われたことがありました。今から二十年ぐらい前の
お話でございます。
農業とそこが違うところがございまして、その辺の特質に着目しながらどう考えるか。
そして、
農村と
漁村、
一つの町でも
農村と
漁村と抱えているところがございますが、
漁村の方がどう見たって住環境というのはよろしくないわけですね。
自動車通行不能道なんて不思議な言葉がございましたが、消防車が入らないとか、そういうところもたくさんございます。断崖みたいなところに家がいっぱい建っておりまして、住環境もなかなか厳しい、あるいは集落排水もまだ
農村に比べて行き届き率が低いというようなこともあります。
そういうことを全部考えながら、これから先
漁業というものをどう考えるかということだと私は思っております。
日本の場合に、やはり資源管理というのをきちんとしていかなければ、それこそ再
生産が不可能になる。その間どうしますかということを考えねばならないでしょう。そしてまた、
保険というものを充実さしていかねばならないでしょう。
さらに、
委員おっしゃいますように、魚の値段が今でも下がっています。
所得というものが少ない。もちろんコストの削減みたいなことも行いますが、この魚価でやっていけるのかということがございます。そうすると、ここにはいろんな
議論がございますが、魚捕ったらそれでおしまいということじゃなくて、その魚を
漁業者自ら売る。私
どもが子供のころは、魚の行商のおばさんというお仕事がありました。今朝捕れた魚だよということで氷箱に詰めて、自転車、リヤカーでいろんなものを、私の母親なんか買っておったのをよく覚えております、トレーサビリティーの見本みたいな話なのでございますが。
どうやって手取りを上げるかということも、私は、消費者の
ニーズにも合致するところが多い。それは、今の流通
形態を否定するわけではありませんが、多様な流通、
漁業者が自らの才覚によって高く売るということもあってしかるべきだというふうに思っております。あるいは農商工連携の
漁業版、つまり、おいしい魚は捕れるんだけど、どうやって売ったらいいんだと、売り方は分かっているけど、どこにどんな魚があるんだと、どういうふうに手を加えたらもっともっと
付加価値が付けて売れるんだということを私
ども農林水産省、
水産庁として、本当に浜の声を聴きながら、どうすればコストが下がる、どうすれば
付加価値が上がる。燃油対策なんかもそうでありまして、本当に使いやすいものにしなければ金を積んだって
意味がないわけです。そういうきめ細かい政策をやっていくことによって、
国民みんなが
漁業を支えるというような形にしていきたい。
何だか抽象的なお答えで恐縮ですが、そういうものをいっぱい組み合わせていきながら、本当に漁師の後をやろうねという人をどうやってつくれるか。実例が挙がっていかなければ御託を並べても
意味がございませんので、そういうものが実際に出てくるように私
どもとして
努力をいたしたいと考えております。