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2009-04-16 第171回国会 参議院 農林水産委員会 第9号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成二十一年四月十六日(木曜日)    午前十時一分開会     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         平野 達男君     理 事                                郡司  彰君                 高橋 千秋君                 加治屋義人君                 佐藤 昭郎君     委 員                                岩本  司君                 小川 勝也君                 大河原雅子君                 金子 恵美君                 亀井亜紀子君                 主濱  了君                 姫井由美子君                 舟山 康江君                 岩永 浩美君                 野村 哲郎君                 牧野たかお君                 山田 俊男君                 風間  昶君                 草川 昭三君                 紙  智子君    衆議院議員        修正案提出者   宮腰 光寛君    国務大臣        農林水産大臣   石破  茂君    副大臣        農林水産大臣  近藤 基彦君    大臣政務官        農林水産大臣政        務官       野村 哲郎君    事務局側        常任委員会専門        員        鈴木 朝雄君    政府参考人        農林水産大臣官        房総括審議官   實重 重実君        農林水産省総合        食料局長     町田 勝弘君        農林水産省消費        ・安全局長    竹谷 廣之君        農林水産省生産        局長       本川 一善君        農林水産省経営        局長       高橋  博君        農林水産省農村        振興局長     吉村  馨君        農林水産技術会        議事務局長    佐々木昭博君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○政府参考人出席要求に関する件 ○米穀の新用途への利用促進に関する法律案(  内閣提出衆議院送付) ○米穀等取引等に係る情報記録及び産地情報  の伝達に関する法律案内閣提出衆議院送付  ) ○主要食糧需給及び価格の安定に関する法律の  一部を改正する法律案内閣提出衆議院送付  )     ─────────────
  2. 平野達男

    委員長平野達男君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。  政府参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  米穀の新用途への利用促進に関する法律案外二案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、農林水産大臣官房総括審議官實重実君外六名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 平野達男

    委員長平野達男君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  4. 平野達男

    委員長平野達男君) 米穀の新用途への利用促進に関する法律案米穀等取引等に係る情報記録及び産地情報伝達に関する法律案及び主要食糧需給及び価格の安定に関する法律の一部を改正する法律案、以上三案を一括して議題といたします。  この際、三案の審査のため、去る九日に行いました視察について、視察委員報告を聴取いたします。高橋千秋君。
  5. 高橋千秋

    高橋千秋君 委員会視察の御報告を申し上げます。  去る四月九日、千葉県において、米穀の新用途への利用促進に関する法律案外二案の審査に資するための視察を行いました。  視察委員は、平野委員長郡司理事加治屋理事佐藤理事岩本委員大河原委員金子委員亀井委員、主濱委員姫井委員舟山委員野村委員牧野委員山田委員風間委員紙委員、そして私、高橋の十七名でございます。  以下、その概要について申し上げます。  まず、旭市におきまして、有限会社ブライトピック養豚施設及び飼料工場視察いたしました。  同社代表取締役志澤勝氏は、食料自給率の低迷に大きな危機感を持ち、新たな飼料体系導入することが必要と考え、二十年産米から飼料用米の給餌を開始したとのことです。同社は、米生産者から玄米換算で約二百三十トンを購入し、食品残渣を活用して製造した液状飼料と混合、攪拌して、肥育豚三万七千頭に給餌しているそうです。液状飼料原料となる食品残渣はチーズ、菓子、弁当等様々なものがあり、大手流通チェーンから仕入れ、生産した豚肉は同流通チェーン等を通じて販売しているとのことです。  現在、ブライトピック社を含む畜産経営十団体、米生産者四十六戸から成る協議会を設立し、生産利用調整を図っており、二十年産米作付面積約五十ヘクタール、生産量玄米換算で約二百八十トンとのことです。  次に、旭市において、飼料用米生産利用に取り組む関係者意見交換を行いました。  伊藤旭市長からは、同市農業基幹産業となっており、農業産出額は県内一位であること、旭市の水田は、三百年以上前には湖であったところを干拓して造成したものであり、米以外の生産には適していないため、飼料用米等生産調整を達成するための作物として最も適している等との発言がありました。  飼料用米生産者からは、飼料用米主食用米と同じ機械、技術生産できるなどのメリットがあるなどの声がある一方で、畜産農家からは、トウモロコシ価格キロ当たり四十円を切っている現在、五十円の飼料用米では採算が合わないこと、一時保管の倉庫代輸送費用負担が大きいこと、米生産者に対して十アール当たり最低十万円の収入確保が必要であること等の発言がありました。  これに対して、視察委員から、トウモロコシに比べてコスト高となる飼料用米負担吸収方法米生産者への助成の在り方、消費者マインドを高めるためのブランド化必要性等について質疑が行われました。  次に、米粉生産利用現状につきまして、佐倉市を視察いたしました。  同市におきましては、まず、米粉販売するJAいんば農産物直売所視察した後、印旛地域米粉普及会佐倉市部会の事務局である印旛沼土地改良区で、米粉用米生産者米粉製品製造販売業者等関係者意見交換を行いました。  蕨佐倉市長からは、米粉取組について、地場産の米粉を用いて学校給食シチュー等を作るほか、パンやまんじゅうの商品化を行っていること、特に米粉パン商工会議所から「佐倉の逸品」のお墨付きをもらっていること、地域活性化起爆剤として取り組んでいること等の発言がありました。  同市においては、平成十七年から地域農業者、農協、米粉商品事業者等連携して地場産の米粉普及推進に取り組んでおり、二十年産米粉用米は、生産者五名、作付面積は約六十五アールですが、二十一年産から約一・五ヘクタールに拡大する予定とのことです。  生産者からは、当地が湿田地帯であり、麦、大豆の作付けが難しいため、従来から生産調整調整水田等で対応をしていたが、米粉用米であるならば生産調整対象となり、新たな設備投資も不要で、収入面での補助もあることから取組を始めたこと、JAいんばからは、大阪や新潟の業者に委託して製粉しているので、近隣で製粉できるようになれば、より取り組みやすくなること等の発言がありました。  また、米粉パン製造販売業者からは、米粉利用する際の苦労として、米粉小麦と性質が異なるため温度管理が難しいこと、米粉パン小麦パンを並べて同じ価格で売っているが、米粉価格小麦の約四倍であるため利益がほとんど出ないこと等の発言がありました。  なお、視察委員から、米粉パン学校給食への導入現状、後継者問題、米粉用米農家販売価格実需者購入価格等について質疑が行われました。  以上が視察概要であります。  最後に、我々が法案審査のため、有意義な現地調査実施できたことに関しまして、御多忙の中、伊藤旭市長蕨佐倉市長を始め、御協力をいただきました多くの関係者方々に対し、厚く御礼を申し上げまして、報告を終わらせていただきます。
  6. 平野達男

    委員長平野達男君) 以上で視察委員報告は終了いたしました。  これより質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  7. 舟山康江

    舟山康江君 おはようございます。民主党の舟山康江でございます。  まず、冒頭ですけれども、G8農業大臣会合へ向けての大臣の御決意をお伺いしたいと思います。  明日、G8農業大臣会合出席のためにイタリアへ出発されると伺っております。イタリアといいますと、先週、四月六日に中部で大地震が起こりました。被害者の方に哀悼の意を表しますとともに、一日も早い復興をまずはお祈り申し上げたいと思っております。  さて、この農業大臣会合議題として、「食料安全保障に関する次の危機に対応するための国際戦略探求」となっているんでしょうか、食料安全保障について議題になると聞いております。かねてから大臣は国際的な場におきまして多様な農業共存主張され、また、昨年末の当委員会におきましても、大臣は、自由貿易がすべて正しいのかといえばそうではない、農業とほかの分野とは違うんだということをよく認識しなければいけない、そんな発言をされておりまして、私も全く同感だと思っています。  そういう中で、ある意味WTOというのは自由貿易促進というのを目的としている中で、やはり自由貿易がすべて正しいんではない、多様な農業共存、そして今、世界的に非常にこの農業をめぐる環境が大きく変わってきた、食料過剰の時代から不足の時代に変わってきた、そういう中で、今回、非常にある意味大きな意味を持つのかなと思っています。そして、輸入国立場としてやはり主張すべきことはきちんと主張して、そのWTOの今の枠組みというんでしょうか、やはり関税を引き下げ、自由貿易促進するというその基本的な理念を少し見直していく必要があるんではないかと、私はそう思っておりまして、それに大臣の今までの御発言、お考え、非常に私は期待するところが大きいんですけれども、今回、この農業大臣会合に向けての大臣の御決意をお伺いしたいと思います。
  8. 石破茂

    国務大臣石破茂君) 国会のお許しがいただければ出席をいたしたいということで現在調整をいたしておるところであります。できればお許しをいただきたいと思っておるわけでございますが、四月の十八日から二十日まで、イタリア、チソン・ディ・バルマリーノにおきまして開催をされるG8農相会合お話でございます。  昨年の七月に北海道洞爺湖サミットがございまして、そこにおきまして世界食料安全保障に関してG8農業大臣会合を開催するということが決まっております。それに基づくものでございます。御指摘のように、テーマは「食料安全保障に関する次の危機に対応するための国際戦略探求」と、こういうことになっておるわけでございます。G8会合のほかに、十六か国によります拡大農相会合も行われるということになっております。  従来から、私どもとして多様な農業共存主張しておるわけでございますが、私は、多様な農業共存というのも大事で、それはそのまま主張しますが、各国における農業生産は本当に持続可能なものになっているんですか、持続可能な農業とは一体何なんですかというお話はきちんとしたいというふうに思っております。そして、世界食料安全保障に対して各国が何をするんだということについて、もちろん我が国もそうなのですが、きちんと主張していかねばなりません。  これはかつて委員から御発言をいただいたこともあるんですが、輸入国としての立場という話になっているんですけれども、自分の国の食料も十分に供給できない状態で外国に対してちゃんと輸出する義務を課せなぞと言っても、それはなかなか難しいお話なんだろうと思っております。  そこにおいて輸入国として何を主張すべきかということは、食料貿易構造工業製品とは全く違う構造を持っておりますので、そのことも踏まえた上で、日本としてやるべきこともちゃんとやらなければ、主張しても何をわがまま勝手言っているのということになりかねないのでありまして、我が国としてやるべきことはきちんとやる、我が国として世界に対して果たすべきことはきちんと果たす、その上で、農業貿易の、農産物貿易の特性というものもよく頭に入れた上で持続可能な農業をどの国もやらなきゃいかぬのじゃないですかという議論を展開をしたいというふうに思っておるわけでございます。  アメリカ合衆国の農務長官も替わりましたので、ある意味、初顔合わせみたいなところもございますので、我が国主張というものをかなりクリアな形で申し上げ、そこで議論が深まればいいなというふうに思っておる次第でございます。
  9. 舟山康江

    舟山康江君 是非日本立場というんでしょうか、本当に私は農業の持つ特殊性を踏まえて、やはり、繰り返しになりますけれども、本当に自由貿易、完全な自由貿易がいいのかということも含めて是非議論を深めて、またそういった主張なども含めてしっかりと会合に御参加いただきたいなと思っております。よろしくお願いします。  さて、食糧法改正法案のことについて質問させていただきたいと思いますけれども、今回、食糧法改正の中で出荷販売業者が遵守すべき事項というものを導入いたしまして、これはそれを決めるだけではどうしようもない、そして、その決まったことがきちんと守られているのかどうなのかということをやはり監視、ある意味規制をしていくということになると思いますけれども、この規制監視をする部局がどこになるのか。一昨日の委員会の中でも、販売を担当する部局とそういう規制をする部局監視をする部局というのはやはり分ける必要があるのではないかというお答えもいただきましたけれども、この部局がどこになるのか、そして具体的にどういう形でその監視をしていくのか、その辺、教えていただきたいと思います。
  10. 石破茂

    国務大臣石破茂君) おっしゃるとおりで、いろんなことを決めましても、それがきちんと運用されなければこれは意味がないということでございます。特に、対象となる事業者方々がこれをきちんと遵守するように的確な監視を行うためにはどういう体制がいいかというお話に相なります。  で、法律によります流通監視を適切に実施をしなければなりませんので、消費安全部門における表示規制などほかの分野における立入検査ノウハウ、これも生かしつつ、これと一体的に流通監視を行う体制というものを整備をしなければなりません。その際に、報告徴収を広く掛けました上で、疑義のある怪しげなところ、あるいは内部告発などの情報提供があったところなどについて、これは悉皆的にやるわけにもいきませんので、迅速に抜き打ち検査実施するということも含めて、何が最も実効ある監視体制なのか、何が最も効率的な実行体制なのかという仕組みを今議論をいたしておるところでございます。  で、対象事業者の数は相当多数に上りますので、また、活動範囲県域内、何々県何々県という県域内に限定される地域密着型の事業者、これも少なくございません。よって、都道府県も政令の定めにより権限行使ができるよう食糧法第五十三条第一項、米トレーサビリティー法案第十一条第十一項におきまして措置をしておるところでございます。  こういうことも併せまして体制構築をしていくことになりますが、まず国の体制としては、時期的には夏の概算要求までにということになります。夏の概算要求までに必要な体制を整備するということで今議論を詰めておるところでございます。  もう一つ地方との関係でございますが、都道府県と御相談をしながら役割分担を検討しなければいかぬ。中央でどうするか、地方でどうするかという議論、これは法案がもし仮に成立をさせていただきましたとするならば、その後加速度的に地方お話も詰めていきたい、内部議論もしていきたいと思っております。その際に、やはりそれぞれの県で体制がばらばらのところもございますし、周知徹底が行き届かないこともございますので、各県とも綿密に連携を取りながら実効性を上げる体制というものを構築をしてまいりたいと思っております。
  11. 舟山康江

    舟山康江君 今の御答弁の中で、地方との役割分担という話もありました。地方にこういった、何というんですか、検査監視業務を任せているという事例として、まあ先日もJAS法でも既に行っているというお話がありました。  ただ、私は、今回の法律、これ米に関して、まさに主食であり、国がいろんな意味で、何というんでしょうか、管理をしている主食である米に関してどこまで地方に任せるのか、どの部分はしっかりと国が責任を持たなければいけないのか、やはりその生産調整も含めて国が責任を持っている部分って非常に大きいわけであって、JAS法地方権限を移譲しているからといって、この食糧法業務も移譲するのが適切なのかどうかというのは私は慎重に考えなければいけないんじゃないかと思っています。特に、米の安全性確保というんでしょうか、そこは非常に連携を密に取りながらこれから詰めていくと言うんですけれども、やっぱり何かどうも米に関して地方にお任せするというのが果たしていいのかどうなのか。国としてしっかりと安全性確保については責任を持たなきゃいけないんじゃないか、そう思っているところでありますけれども、ここだけは国が絶対にやりますというところがあればお聞かせいただきたいんですけれども。
  12. 町田勝弘

    政府参考人町田勝弘君) 現在、農林水産省の抜本的な機構改革を進めているところでございますが、先般三月三十一日でございますが、公表いたしました農林水産省機構改革基本方針でお示しをしておりますが、食の安全や消費者の信頼の確保に関する業務等は、これは国が担うべき事務権限として、国が責任を持ってこれらの事務権限を的確かつ確実に実施できる体制を整備していくと、こういう方針を示させていただいております。  この基本方針を踏まえまして、大臣からも御答弁ありましたが、現在、食料安全部門におけます表示規制など他の分野における立入検査ノウハウも生かしながら、これと一体的に流通監視を行うことができる体制を整備したいと思っておりますし、国と地方役割分担、これについても都道府県等と御相談を重ねながら検討を進めてまいりたいということでございます。国が責任を持ってやるべき部分はきちっと責任を持って臨んでいきたいと思っております。
  13. 舟山康江

    舟山康江君 いずれにしても、この出荷販売業者が遵守すべき事項導入、そしてこれを守らない場合には罰則を入れますよということになりましたけれども、この目的というのは、やはり先般の事故米穀不正規流通横流しですよね、そういったものを受けて、横流し等が行われないようにしていきましょう、しっかり見ていきましょうということだと思います。  そういう中で、今回この法律で、さっき実効性あるようにとおっしゃいましたけれども、実効性があるのかどうか、そして、例えばその不正規流通事案三笠フーズ等不正規流通事案は今回の規定がもしあったとしたら防げたのか、どう変わったのか、その辺、お聞かせください。
  14. 町田勝弘

    政府参考人町田勝弘君) 今般の事故米不正規流通事案におきましては、契約により他用途への横流れ防止を担保していたにもかかわらず、事故米主食用に転用されていたわけでございます。契約に頼って横流れ防止措置をやるということですが、その限界が明らかになったところでございます。  このことを踏まえまして、食糧法におきまして、米穀横流れ防止するため、米の用途別管理等につきまして出荷販売事業者が遵守すべきルールを明確化することとしたところでございます。用途限定された米を他用途に転用するなど仮にこのルールに違反する事業者がある場合には、勧告命令などの行政措置を講じた上で、最終的には一年以下の懲役を含む刑罰が科せられるという仕組みになっているところでございます。また、今回懲役刑導入いたしまして罰則を強化いたしました立入検査報告徴収権限を行使して抜き打ち検査を行うなど、的確な監視に努めていく考えでございます。さらに、違反に対する勧告命令に際しましては原則としてその業者名を公表するなど、事業者に対して社会的制裁を科せられるように厳格に運用していく方針でございます。  このように今回の法律案に盛り込まれました制度を適切に運用することによりまして、事故米問題のような事案が再び生ずることがないよう最善を尽くしてまいりたいというふうに考えているところでございます。
  15. 舟山康江

    舟山康江君 もう一つ、そういった不正規流通を防ぐために、今回同時に提出されております米トレサ法案ですか、そちらの方でもこの譲受け、譲渡しの記録作成保存をすることになりました。これがきちんと行われれば、ある意味こっちのトレサ法の方でもしっかりと、何というんでしょう、不正規流通を防ぐことができるのかなと思っていますけれども、このトレサ法による記録保存管理で担保できる部分、そして今回食糧法の中できちんと遵守すべき事項を作り監視していくということ、その役割分担というんでしょうか目的、その意味するところの違い、どうお考えでしょうか。
  16. 町田勝弘

    政府参考人町田勝弘君) 米トレーサビリティー法案におけますトレーサビリティー制度でございますが、御指摘をいただきましたように、取引記録作成保存を義務付けるということでございます。これによりまして、売買事業者が仕入先、販売先などを強く意識する結果として横流れ防止する効果も有するというふうに考えているところでございます。  食糧法改正法案につきましては、遵守事項等導入して、これも横流し防止を図るという効果を有するというふうに考えております。  この二つ法制度でございますが、食糧法用途別管理実効性トレーサビリティー取引記録のチェックによって確保ができます。また、今回罰則を強化いたします食糧法に基づきます報告徴求立入検査によりましてトレーサビリティー適正実施を担保することができる。こういう意味におきまして強い相関関係にあるというふうに考えております。両制度が相まって効果的な横流れ防止が図られるというふうに考えているところでございます。
  17. 舟山康江

    舟山康江君 ありがとうございます。  そうしますと、今回、この食糧法改正、そしてトレサ法導入によって不正規流通はしっかりと防げるんだ、しっかり運用によって防いでいくんだということだと思います。  そうなると、事故米穀、例えばきちんと指定用途に使われるようになりますということになるわけなんですけれども、そうすると事故米穀もしっかりと今までのように横流しをされるということは防げて、前回も、去年の審議の中でも事故米穀横流しされて主食用になった、それが問題だったわけであって、ちゃんと目的に従って、例えばのりの原料用とかそういった工業用とか、使われていれば問題なかったわけであります。で、今回、この二つ法律相乗効果によってそういったことは防げるんだというお答えでした。となると、事故米穀、今回、あの事件を受けて、すべてやはり安全のために廃棄という決定がされたわけでありますけれども、私は廃棄する必要はなくなったんじゃないのかなという気がいたします。  昨年の十二月の大臣の御答弁でも、不正規に流通するようなことが絶対にないという方法があるのか、それを検討したい。その結果が今回の法律だったと思います。そういったことが、検討した上で全部廃棄という方向が修正できるかどうか、それは当然検討したいという御答弁もありました。それを受けますと、今回、しっかりと、まさに横流しができないように措置をした。であれば、私は、その横流し防止目的とした今回の法の導入によって廃棄する必要はなくなったのではないかと思いますけれども、大臣、いかがでしょうか。
  18. 石破茂

    国務大臣石破茂君) 理屈はそういうことになるんだろうと思いますですよ。  より万全を期すがために法施行後も廃棄処分としたいというふうに考えております。つまり、実際にそういうことはなくなるんだから何も廃棄なんかしなくたっていいじゃない、もったいないじゃありませんか、国の負担だってあるんでしょうというのは、それはそのとおりなんでありまして、より万全を期すために廃棄処分をしたいということとそれは、こう、何というんでしょうね、なかなかうまく整合しない話になるんじゃないかということなんだろうと思っております。  私どもとして、繰り返しの答弁になりますが、より万全を期すという判断の下に法施行後も廃棄処分ということにしたいというふうに思っておるわけでございますが、国の負担軽減あるいは資源の有効利用、こういう観点からこれを見直すべきだという御意見、それはもう委員からも何度もいただいておるところでございます。そして、昨年そのような答弁もいたしました。  したがいまして、この改正食糧法あるいはトレサ法、この遵守状況も見ながら、この事故米穀を有効活用する方法というものも今後検討していきたいと思っております。  バイオエタノールにしましたと、そうすると残渣が出ますと、じゃ、その残渣をどうしますかというようなことについては結構科学的な知見というものを持ってやっていかなければなりません。そういうことも含めまして、私どもとして、これからそういうことも検討していかねばならぬだろうというふうに思っておるところでございます。  なお、先ほどちょっと不十分な答弁をいたしたかもしれませんが、体制をどうするんだというお尋ねに対しまして夏までに整備をするというふうに申し上げました。それで、夏までに必要な整備方法等その体制につきまして成案を得、施行に向けて体制を整備するという方がより確実かと思っておりますので、もし不十分でしたらここで訂正をさせていただきたいと存じます。
  19. 舟山康江

    舟山康江君 私は何もすべてのそういった事故米穀、やはり食品衛生法十一条違反のような有害なカビが発生した、有害物質を含むものなどはやはりきちんとしていかなきゃいけないと思っています。ただ、一般カビですとかそういったものについてもすべて廃棄というのは、繰り返し水掛け論になりますけれども、やはり有効利用をする方が本当にその資源の有効利用にもつながりますし、環境問題、いろんな問題が発生している中で、やはりそこは早急に、まさに夏までにいろんな細かい施行令なんかを決めていくんでしょうけれども、併せてそちらの方も御検討、具体的に御検討をするということをお答えいただきたいなと思うんですけれども。
  20. 石破茂

    国務大臣石破茂君) 趣旨はそのとおりでございます。それは、国民の健康、食の安全ということを最優先にしながら、当然それはきちんと守っていかねばならぬのでありますが、おっしゃるとおり、一般カビとかそういうものはこれは有効利用するということは当然のお考えでございますので、そのことに向けてどのようなやり方でやっていけばいいのかということについては、きちんと議論をし、やり方を詰めて、また折あらば委員会において、こういう形だよということを申し上げたいと思っております。
  21. 舟山康江

    舟山康江君 まさに、需要側の需要の動向もあると思いますけれども、しっかりと御検討いただきたいと思います。  ちょっとそれに関連してなんですけれども、カドミ米、カドミウム汚染米について、ちょっと私びっくりしたんですけれども、今まで着色して破砕して、それこそ非食用米として需要に応じた供給をしていたということだったんですけれども、今回の汚染米の事案を受けまして、今年の三月ですね、三月三十日付けの通知によってなんでしょうか、今まで非食用に処理するとなっていたものが廃棄すると、こちらの方も廃棄となりました。  私いろいろ事前に事務方の方からお伺いしたところ、カドミ米について、それこそ指定用途以外に流用されていたという事案はないということだったんですけれども、きちんと利用されていた、需要もあった、それにもかかわらず今回カドミ米まで廃棄することになった理由は何でしょうか。
  22. 町田勝弘

    政府参考人町田勝弘君) 今御指摘をいただきましたカドミウム含有米でございますが、これはカドミウムの濃度が〇・四ppm以上一・〇ppm未満の米でございます。食品衛生法上の基準は満たしているわけでございますが、農林水産省消費者感情に配慮するということで、昭和四十五年以降、着色、粉砕の上、非食用として処理してきたところでございます。  昨年の十月に事故米穀の全国一斉点検と併せましてカドミウム含有米の非食用処理につきまして調査を行いましたが、御指摘いただいたとおり、カドミウム含有米は非食用として適正に処理されていたことは確認されているわけでございます。  しかしながら、事故米穀不正規流通問題を踏まえまして、このカドミウム含有米につきましても、食用への横流れの可能性を断ち、消費者の不安を払拭していくことが基本であるというふうに考えて、昨年の十月に廃棄するという考え方を表明させていただいたところでございます。  大臣から御答弁もございましたが、この事故米穀利用の在り方といったことにつきまして、今後科学的な研究も加えていくわけでございますが、そういった中でこのカドミウム含有米についても検討していくということになろうかと思います。
  23. 舟山康江

    舟山康江君 いや、カドミ米を横流しして用途以外への利用という事例があったならともかく、なかったにもかかわらず今回廃棄というのはやはりちょっと納得できないなという思いがありますので、本当にまた併せてしっかりと見直しなり、その方向で御検討いただきたいと思っています。  次に進みます。  次に、米穀の新用途への利用促進に関する法律案に関しまして、一昨日もこれ山田委員から随分議題の提供がありましたけれども、ふるい下米の管理について再度お聞きしたいと思います。  このふるい下米というのは、農家が選別してふるいから落ちたものを業者に売り渡して、その業者が更に再選別して飯米だったり酒米だったりお菓子用だったり、まあいろんなものに分かれていくということになっていますけれども、そのふるい下米の、再度確認します、ふるい下米の発生量なり流通実態は把握されていますでしょうか。
  24. 町田勝弘

    政府参考人町田勝弘君) 米の出荷販売に当たりまして、各産地におきましては、品質管理等の観点からそれぞれ一・八ミリから二・〇ミリ程度のふるいで選別を行いまして、ふるいの上のものを主食用といたします一方で、ふるい下のものにつきましてはふるい下米として販売している、そういう実情にございます。  販売されたふるい下米につきましては、再度調製が行われまして、その品質などに応じまして、みそ、米菓、しょうちゅう、米穀粉用等の加工用に主として販売され、比較的粒の大きいものは主食用にも販売されていると承知しているところでございます。  その発生量でございますが、作柄等により変動はあるものの、毎年五十から六十万トン程度のものが発生しているものと推計しているところでございます。
  25. 舟山康江

    舟山康江君 今まさに主食用にも回っていますというお話がありましたけれども、私は実際に農家の方、それから流通業者の方にもちょっと聞いてみました。そうすると、大体おおむね五%程度はふるい下米になると、目の大きさにもよるんでしょうけれども。私、山形ですので、東北、聞いた農家はほとんど皆さん一・九ミリでして、そうすると大体五%前後発生するということで、その業者に売って、その業者がどういう用途で売っているのか、その先は分からないということでした。その業者に聞いてみますと、もちろん受渡し伝票でその数量は管理しているけれども、その売った先の更にその業者がどういう用途で使っているのかまではやはり把握していないということでありまして、そのうち、その発生したうちどのぐらいが主食用に回っているのか、どのぐらいが加工用に回っているのか、そこは私はある意味大きなポイントではないかと思っています。  結局、主食用米の需要見込みからいろんな米の政策がつくられているわけですけれども、そこに生産数量以外のところから主食用米が入っていくとなると、やはり供給量は予想よりも当然ですけれども大きくなるわけであって、そこはまさに価格体系にも影響を及ぼすんではないかと思っています。  それで、結局、今の米の政策体系というのは用途別にいろいろありますけれども、用途別価格が違う。まさに用途別価格が違うというのは政策のある意味基本というんでしょうか、基本であるという中で、ふるい下米、だからそこで管理されている以外の、今回新規、新しい米粉用米とかえさ米とかが入ってきましたけれども、それもまさにその価格体系で分かれていくわけなんですけれども、そこにどの用途に使われるか分からないふるい下米というものの存在があって、それが需給とか価格とかに多大なる影響を及ぼしているというところというのは、私は非常にこれ、もう一度整理をしていかないと、特にまた今回いろいろ米の種類、いわゆる種類ですよね、用途の種類が増える中で本当にうまく調整ができるのかなという非常に疑問があります。そこを是非もう一度整理をいただいた上で、しっかりとこの米政策全体を再構築する必要があるんじゃないかと、そんなふうに思っています。  そしてもう一つ、このふるい下米もトレーサビリティーをしっかりと確立していきますよということなんですけれども、これ、今こういう分からない状態でトレーサビリティーとか分別管理はどう担保するのか、どう実効性を持たせていくのか、今のお考えをお聞かせください。
  26. 町田勝弘

    政府参考人町田勝弘君) 先ほどの御答弁、まず最初に一点補足をさせていただきたいと思うんですが、米生産量の統計データは一・七ミリのふるいに掛けたときにふるいの上に残ったものでございます。先ほど、産地はやはりそのブランド維持とかそういった観点から一・八とか二・〇というふうにやっておりますので、それによって一・七ミリ以下のものが主食用に回れば数字上の需給バランスは崩れるわけでございますが、それ以上のものではこれは主食用需給に直接、何といいましょうか、影響はないということを一つ補足をさせていただきたいと思います。  また、ふるい下米につきますトレーサビリティー法上の取扱いでございます。  これまで、ふるい下米につきましては規制はなかったものでございますが、米の適正流通を確保する観点から、今回の法律案におきましては、ふるい上のお米と同様に規制を掛けるということにしております。  具体的には、米トレーサビリティー法においては、ふるい下米についてもその取引等記録をしていただくこととしております。また、食糧法改正におきましては、ふるい下米につきましても仮にその用途が限定されている場合には当該用途以外の用途横流しをすることを禁止するといった必要な措置を講ずることといたしております。  なお、この点につきましては、一昨日の山田議員のときの御議論もあったわけですが、実態を見ますと、ふるい下米につきましては用途主食用とか加工用とか、そういったことを限定されずに販売されている場合も多いこと、また、流通業者の方は複数の産地からふるい下米を集荷いたしまして一括して調製等を行った上で販売しているものもあるといったことで、ふるい下の流通とこのふるい上の流通、異なっている側面もあるわけでございます。こうしたケースの取扱いにつきましては、関係者等の意見交換、また実態調査を重ねまして、本年夏ごろを目途に成案を得られるように検討してまいりたいと考えているところでございます。
  27. 舟山康江

    舟山康江君 今、主食用米需給に余り影響していないというお話でしたけれども、この一・七ミリより小さいものも主食用に流れている可能性も私は排除できないと思いますし、やはり価格体系に本当に大きな影響を及ぼしていると思うんです。まさにふるい下米というのは、主食用米と加工用米といろんな用途の境界線上にあって、需給にも価格にも、そして流通の信頼性の確保にも大きな影響を及ぼしていると思います。場合によっては、今回推進しようとしている新規需要米との競合も生じるおそれがあると思います。  そこは本当にきちんと整理をしていかないと、非常に、せっかく新しく推進しようとしているその方向に大きな、何というんでしょうか、足を引っ張るような形にもなりかねないと思いますので、是非本当に流通管理、場合によってはもう用途を限定するなりのそういった思い切った措置も必要なのではないかと思っておりますので、是非、本当に米の流通体系をしっかりと確保していくためにもしっかりと検討いただきたいということをお願い申し上げまして、まだちょっと質問が残ってしまったんですけれども、質問を終わらさせていただきたいと思います。  ありがとうございます。
  28. 郡司彰

    郡司彰君 民主党の郡司でございます。  前回に引き続きまして、三法について質問をさせていただきます。  まず最初に、今回の発端になりました、これはおかしいぞと認定をした四社に対しまして違約金の請求を行いましたが、三月十七日までに納入のあった島田化学工業以外の三社については、現在どうなっておりますか。
  29. 町田勝弘

    政府参考人町田勝弘君) 島田化学工業以外の未納付の三社に対しましては、三笠フーズと浅井につきましては破産手続中のため破産手続の中で回収を進める、また太田産業につきましては、現在、国の債権の管理等に関する法律に基づく督促を行っているところでございます。引き続き回収に努めてまいりたいと考えているところでございます。
  30. 郡司彰

    郡司彰君 今回の法の提出の内容は、罰則を強化をしようという形になっております。結果として倒産その他のことがあったらば、これは罰則を強くすれば事件が起こらないんだと、こういうような意味合いもあろうかと思いますけれども、現実問題として起こった場合に、何らそれが果たされていないという実態を放置をしたままで新法に入るというのは、これは大変問題だというふうに思いますから、しっかりやっていただきたいなということを申し上げたいと思います。  次に、この法案トレサ法関係でありますけれども、昨日のホームページから取ったものがこれでございます。こういう趣旨で法案を作っております、出しておりますよと。それから、前回大臣から趣旨説明を受けた内容は御存じだと思います。  法律の第一条には、「もって国民の健康の保護、消費者の利益の増進並びに農業及びその関連産業の健全な発展を図る」、こんなことが書いてあるわけでありますけれども、これまでの私どものこの衆議院、参議院の議論も、産地の伝達をどうするとか、業者の遵守すべき事項、いろんなことをやりましたけれども、私はトレサの本質というのはまるっきり違うんではないかなというふうに思っているんですよ。つまり、消費者から見て安全ではないものが流通をしたときに、分かったらば直ちに遮断をする、回収をする、二度とその流通のルートに乗せないと、こちらの方が本来のやるべきことだろうというふうに思うんですね。  ところが、なかなかこの法律議論の中でそういう視点からのものが余りなかったのではないか。それを伝達をするとかそういうことは、大事なことはもちろん当たり前のことなんでありますけれども、本来は消費者の安全を守るためにこの法律がどう機能をするか。つまり、起こった以降、それが直ちにどういうふうな形で消費者の安全につながるんだということがなければいけない。これは法律の体系からいうと別な法律の体系に入るのかもしれませんけれども、まさにそこのところが今回の法律できちんとなされるのかどうかをお聞かせをいただきたい。
  31. 石破茂

    国務大臣石破茂君) 本質の御質問でございます。  ですから、委員も御指摘になりましたように、そもそも何でこういう法律を作らなきゃいかぬのかということは、去年の事故米、汚染米問題が発端、契機でございました。  つまり、あのときには事業者における記録保存や整備が不十分でした、そのため流通ルートの解明に物すごく時間が掛かっちゃいました、消費者の不安が増大し、善意の事業者にも御迷惑を掛けたということでございます。  このため、食品事故などの問題事案が発生した場合に、とにかく迅速に流通ルートが解明されなければいかぬということでございまして、米及び加工品についてのトレーサビリティー仕組み導入したということがこの法律でございます。  また、米加工品あるいは弁当などを選択するときにどこが産地なのですかということが分からない、よって米製品全般にわたって消費者方々の不信が増大をしたということでございまして、米製品の原料米の産地に関する情報、これも消費者方々に提供したいという仕組みを整えました。  具体的なものは、いろいろ議論があるところでございますが、取引又は移動を行った際に、名称、数量、年月日、相手方、この記録を義務付けます。指定米穀などをほかの米穀事業者に譲渡、譲渡ししたときや、一般消費者販売又は提供を行ったときに原料米の産地に関する情報伝達を義務付けるということにしたわけでございます。  消費者の利益、消費者の安全、これにどういうようなことになるんだということでございますが、こういう措置をとることによりまして、食品事故、産地偽装への的確な対応が可能になる、食品としての安全性を欠くものの流通が防止される、表示の適正化が図られる、もって消費者の健康の保護や利益の増進につながる、こういう仕組みでございます。また、消費者方々が安心をするためにそういうような情報というものをきちんとお知らせする。  ですから、安心と安全は違うのだということをよく認識をしながらこの法律を作ったつもりでございますが、安全の確保というもの、そして安心を得ていただくために足る情報の提供、この両面からこの法律を組んできたというふうに、作ってきたというふうに私は思っておるところでございます。
  32. 郡司彰

    郡司彰君 厚生労働省との兼ね合いも出てくるんだろうというふうに思います。たまたま今回の事例からいうと、口にした段階で直ちに人体に影響を及ぼすようなものではなかったということでございますから。しかし、今回のことだけで、あるいはこの法律の、この後、議論もしたいと思いますけれども、修正をされた部分も含めて、一度口にして消費者が健康に害を及ぼしたようなときにどのようにするか。これまでいつも農水省、厚労省とのそのちょうど溝のところでいろんなところが起こってきたんだと。今回のことについては、その事前の伝達やその他も重要でありますけれども、そのときにきちんと機能するかどうかということを十分に考えてやっていただきたいというふうに思っております。  次に、衆議院で法案の修正がなされました。その思いについてはこれまでの中で大臣からも答弁をいただいております。この修正というのは、具体的にどのような担保がされるのでありましょうか。  もう少し詳しく申し上げます。例えば、この検討をしていくということでございますけれども、だれがやるんでしょうか、どこが責任を持ってこの修正というものをしていくというお考えなのでしょうか。
  33. 竹谷廣之

    政府参考人(竹谷廣之君) お答え申し上げます。  この度、衆議院の方で御修正をいただいて附則に入っている検討条項についてでございますけれども、まずトレーサビリティーといいましょうか、入出荷記録作成保存関係でございますけれども、これにつきましては、本来すべての食品につきまして、食品一般につきましてあるべき姿として義務付けていくということが望ましいわけでございますけれども、このことにつきましてはなかなか、中小の事業者方々あるいは生産者方々の対応というのの環境づくりの問題がございますので、そうした問題につきまして、政府全体ということではございますけれども、特に私ども農林水産省が中心になりまして検討を進めてまいりたいというふうに考えているわけでございます。  具体的には、それぞれの事業者の方が取り組めるように、日常の活動の中から記録作成できるように、作成のためのマニュアル作りというものも進めていきたいと思っておりますし、またその普及徹底も図っていきたいと思っておりますし、それからもう一つは、品目とか業態に合った取組方策というものも検討してまいりたいと。それらによって先ほど申し上げました零細な生産者の方あるいは中小の事業者方々が取り組める環境づくりを進める、一方にそういうものを進めながら、附則において方向付けをいただきました検討を深めてまいりたいというふうに考えておるところでございます。  それからもう一つ、原産地の方のことについてでございますけれども、これにつきましては、現在私どもJAS法を所管しておりますので、農林水産省が中心になって検討を深めてまいりますけれども、今後、消費者庁の成立もございまして、そういった事態になりますと、表示の関係は横断的に消費者庁の方で所管するという、一つ今御検討をいただいているところでございますので、そういった面で関係省庁とも連携をして検討を深めていくということで考えております。  具体的には、さきに食品の表示に関する……
  34. 平野達男

    委員長平野達男君) 答弁は簡潔にお願いいたします。
  35. 竹谷廣之

    政府参考人(竹谷廣之君) はい。共同会議で方向性を示されておりますので、それらを踏まえながら検討を深めてまいりたいと考えております。
  36. 郡司彰

    郡司彰君 私どもの感覚では、そういうふうなつもりで修正をしたとは思っておりません。私どもは、与野党で修正をする、検討をしていくというようなことだろうというふうに思っています。すべて農水省や役所の方にお任せをするという意味で修正をしたとは思っておりません。これは政党同士が、あるいは政治家同士が、どこまでの食品はいつまでにやるんだということを、やるんだという意味で与野党の修正ができたんだろうと思っています。  大臣、どうでしょうか。
  37. 石破茂

    国務大臣石破茂君) これは、そういう形で与野党で修正をいただきました。  私どもとして、本当にそれを実行に移す体制というものは、それはそれで私どもがつくっていかなきゃいかぬものだと思っております。修正が議会でなされた、それを、立法府のその意思を十分に尊重という言い方はいかぬですね、もう真摯に踏まえて、いついつまでに何をやるのだ、できないとすれば一体どんな理由があるのだということを常に議会の側に対して我々は明らかにしていかねばならぬだろうというふうに思っております。  このことについては私もかなり強い問題意識を持っておりまして、いついつまでに何をやったのか、できないとすればどういう理由なのか、それを克服しようと思えばどういうようなやり方があるのかということを常に常に議論をしながら、議会に対して御報告もし、また御指導もいただくということで臨みたいと思っております。
  38. 郡司彰

    郡司彰君 結局、この法案が通ったら、やはり具体的に与野党それぞれのところで検討をするような場をつくっていくべきだということを申し上げたいなというふうに思っております。  時間の関係で次の方に移りますが、本年度、この法案ができ上がった後の需給の見通しが当然あるんだろうというふうに思っております。本年度あるいは十年後についての需給の見通しをお聞かせをいただきたい、簡単で結構でございます。  それからもう一つ、これまでの議論を聞いております中で、時によって、例えば米粉関係五十万トンという数字が出てまいりますけれども、これは、もみあるいは玄米なのか、あるいは米、粉の方なのか。ちょっといろいろ人によって使い方、感触が違っているようでありますから、それはどちらなのかをまずお答えください。
  39. 町田勝弘

    政府参考人町田勝弘君) 米粉用の生産の五十万トンでございますが、これは玄米ベースでございます。
  40. 郡司彰

    郡司彰君 需給の見通し。
  41. 町田勝弘

    政府参考人町田勝弘君) 失礼いたしました。  まず現状でございますが、平成二十年産米粉用米飼料用米作付面積でございます。米粉用米が百八ヘクタール、約五百七十トン、飼料用米で千六百十一ヘクタール、約八千五百トンということでございます。また、米粉用米につきましては、平成二十年度で、これまた玄米ベースでございますが、九千五百トン使用されております。この中には平成十七年の集荷円滑化対策によります現物弁済米等が含まれているところでございます。  今後の需給見通しでございますが、現在、産地と実需者の意向調査を行いまして、その結果を双方に情報提供するといったことによりまして実需者生産者とのマッチングを進めているところでございます。話合いがまとまってきたところというのも順次出てきているところでございます。  しかしながら、取組はまだ始まったばかりでございます。また、一時期高騰していた国際穀物相場も最近鎮静化しているといったことで、やや様子見といったところもございます。現段階におきまして、定量的な需給見通しを示すというのはなかなか難しいと思っております。  以上でございます。
  42. 郡司彰

    郡司彰君 需給の見通しが立たない中で始めるわけでございますけれども、十年後には、おおよそこれ、国の方で出している自給力強化のための取組の中で、「今後の水田農業の展開方向」という図が出されております。これを見ると、新たな用途の作付けは十二万ヘクタールになる。今がほとんどゼロが十二万ヘクタールになる。それから、大豆は十二万ヘクタールが十九万ヘクタールになる。麦が十一万ヘクタールが、表といいますか四万ヘクタールになる。これ、かなり減るわけですね。しかし、これ裏作で三十六万ヘクタール作るんだとか、こういうような話がされておりまして、おおよそこのような形で進むんだろうというふうに思いますが、この全体、十年後ぐらいのイメージについても水田協議会その他で話合いがされているんですか。簡単にお願いします。
  43. 本川一善

    政府参考人(本川一善君) 御指摘のように、今、水田における作物生産については水田協議会で、その圃場条件でありますとか、あるいはどういうような実需者がおられてどのようなニーズがあるか、あるいは農家方々が、いろんな支援水準も含めてどのような意向をお持ちになるのか、そういうことを踏まえて、地域の実情を踏まえて決定をされているところでございます。  今先生御指摘になった需給の見通しにつきましては、私ども、昨年暮れにあくまでイメージとしてお出しをしたものでありまして、そのような果たして姿になるのかどうかということをまさに今基本計画の議論の中で積み上げて議論をしているところでございます。  そういう中で、例えば麦とか大豆につきましては、今御指摘のあった面積、そういうものを果たして必要とするかどうかということも含めて、ニーズがあるかどうか、実需がですね、そういうことも含めて議論をしてまいるということになります。  もし仮にそういうことがすべて終わりまして一定の方向性を示せるということになった段階では、そういうものを当然地域協議会にもお示しをして御論議をいただいて、実需者方々のニーズはこうなる、そういう情報を全部お出しをした上で、地域水田協議会におきまして、例えば畑作物についていえばそういう汎用水田が整っているようなところ、そういうところでお取り組みいただくような話合いを進めていただく、そのような指導を申し上げていきたいと思っております。
  44. 郡司彰

    郡司彰君 簡単にお聞きをします。  イメージのものは基本的な方針、計画ができ上がってからやりますよと。今年度の需給について、作付けについては具体的に水田協議会と話をされていますか。
  45. 本川一善

    政府参考人(本川一善君) 今まさに、今年度、私どもは、新しい水田フル活用のための交付金なり水田確立交付金というものを予算を通していただいて、通る以前からそういう推進活動を行っているところでございます。私どもとしても、県の協議会あるいは地域協議会にそういうものをお示しをしてお話合いを進めていただいているところでございます。
  46. 郡司彰

    郡司彰君 十四日の委員会の中で同僚議員が助成について質問をいたしました。それに対して大臣は、五万五千円を助成をする、さらに二十一年度補正予算編成に向けた追加経済対策の中で、米粉用米飼料用米について、地域が一体となった加工業などの実需者との関係ですね、流通の効率化等の取組、これに対しましては十アール当たり二万五千円、このような支援を盛り込んだところでございますというふうに大臣答弁をしております。その一問後に、今度は局長の方が、地域が一体となって行う加工業者などとの、実需者との連携なり流通の効率化、こういう取組に対しましては十アール当たり二万五千円を措置したところでございますというふうな答弁をしております。私は、この答弁は納得できません。  衆議院から法案を提出をしてきて、これまで私たちは五万五千円で話をしてきたんですよ。何で急に二万五千円、そんな話が出てくるんですか。いつ、どこで出てきたんですか。補正も出ていないですよ。審議もしていない、通ってもいない、なぜ八万円という数字が出てくるんですか。なぜ今までの五万五千円の議論と違うものが突然出てきたんですか。これ、大臣は分かりますよ。大臣は分かりますよ、補正の中で検討してきたと。しかし、局長の方で、こういう措置をした、これじゃ私どもはもう議論できませんよ、これ。答弁してください。
  47. 本川一善

    政府参考人(本川一善君) 私どもは、五万五千円について御説明を申し上げてまいりました。ただ、そのときも申し上げましたが、水田フル活用元年において、やはり本格的に米粉用なり飼料米に取り組んでいただくためには一定の体制整備が必要だというような御論議がございました。そういうことを踏まえて、追加経済対策の中でそのような方向を盛り込んだところでございます。  私、措置をしたと申し上げましたのは、予算を通してそれを実行できるように措置をしたという意味ではなくて、追加経済対策の中に書き込んだということで措置をしたと申し上げたわけでございます。誤解を生じたのでございますれば、申し訳ございません、ここで修正をさせていただきたいと思います。
  48. 郡司彰

    郡司彰君 私どもは、今回の法案をずっとするときに五万五千円でやってきたんですよ。急に二万五千円という話が出てきたら、これは今までの議論もう一回やり直しますか、衆議院から。地元の方と話合いをしたのは、先ほどしていると言いましたけれども、何を基にしていたんですか、じゃ。みんなそれでできるかどうかを苦労してやってきたんじゃないですか。これは私は本来だったらば席を立とうかという気持ちもあるんでありますけれども、それはしません、しません。  大臣に今度はお尋ねをします。大臣にお尋ねをします。  これは、取りようによってはやはりやらなければいけない問題だというふうにお考えになったんでしょう。これまでの転作奨励金と同じように、時間がたった、面積が増えた、予算の問題が出てきた、単価水準がどんどん落ちてくるということで、これまでは生産調整そのものに対しても意欲をなくしてきたんだということをこの前私申し上げました。  今回のこの二万五千円、通るかどうかよく分かりませんけれども、考え方としては、今年だけではない、十年後のイメージ、十年後も八万円でいいんですね。
  49. 石破茂

    国務大臣石破茂君) 十年後のことは分かりません。それは分からない。水田フル活用というものと主食用米どうあるべきかというのは密接に関連しますが、そこはまた分けて考えなきゃいかぬ部分もたくさんあるんだろうと思っております。  追加経済対策は、私どもとして盛り込んだわけであって、まだまだ国会の御審議もいただかねばなりません。とにかく水田フル活用というものに向けて、元年でございますから、いろんな措置を盛り込んでおりますが、これから国会の御審議を賜るところでございます。  十年後もこれでいいかどうかは、そのときにどういうふうに状況が変わっているか、そして米粉米は小麦の代替ということではなくて、それとしての商品価値を持ちたい。えさ米もそうでございます。そのときにどのようにして構造が変わっていくかということも分かりませんので、十年後もそうなのかと言われて、私もそうですということをお答えするだけの自信を持ちません。ただ今年、本当にその方向に向けて、何というんでしょう、一つの軌道に乗せられるかどうかのいろんな措置はお願いをしたいと思っておるところでございます。
  50. 郡司彰

    郡司彰君 とかくこの補正の関係については、どういう性格のものなんだ、それは財源は、借金は最後はだれが負担するんだとかいろんな議論これからまた出てくるんだと思います。少なくても、十年後は分からぬけれども、これが軌道に乗る数年間はこの補償の、助成の水準だということはどうですか。
  51. 石破茂

    国務大臣石破茂君) それは、その時々の国会の御審議ということもあろうかと思っております。政府として、これが単年度限りのものです、これでおしまいですというようなことを申し上げるということもまたいかがかと思っておりまして、要は、これが軌道に乗るためにいろいろな政策は打っていきたいというふうに思っております。ただ、それ予算措置を伴うものでございますので、政府として、とにかく軌道に乗せたい。まだ乗らないようであるならばいろいろな手は打たねばならないであろう。ただ、ここで私どもとしてこうしますということを明確に申し上げるということは、それは国会と内閣との関係からいいましても、かなり適切を欠くところがあるのではないかというふうに思っております。  この助成水準が十分かどうかは、これは取組をやってみなければ分かりません。ただ、私どもとして、本当に軌道に乗せるために、それが、生産者方々がこれに取り組もうと思っていただくために十分なものは今年は確保をしなければいけないと思っております。そして、それが軌道に乗りました後、いろいろな助成をやっていかなければいつまでも続かないということは政策として私は余り妥当なものだと思っておりませんので、そのことはやはり助成水準、国民の負担というものを下げるという観点も考えていかねばなりませんが、生産者方々が意欲を持って取り組んでいただけるということとのバランスをどう取るかという御議論は、その都度その都度賜っていくものだというふうに思います。
  52. 郡司彰

    郡司彰君 何といいましょうか、言っていることは分かります、言っていることは分かりますが、もう少し長期的な展望がないと農業を実際にやる人にとっては大変だろう。つまるところ、俗っぽく言うと、選挙があるときだけこんなものやるぞというような形にはならないように、そのことだけは申し上げておきたいなというふうに思いますが、時間の関係で飛ばしてやりたいと思いますけれども。  MA米の事故米がございました。そのときに、先ほど舟山委員の方からも廃棄ということはどうなんだといういろんな質問がありましたけれども、そのときに、廃棄又は返送という、シップバックというようなことが言われておりました。これはこれまでは行われたことはあるんでしょうか。
  53. 町田勝弘

    政府参考人町田勝弘君) 輸入検疫で食品衛生上問題があるとされたミニマムアクセス米につきましては、輸入業者が輸出国等へ返送又はシップバックという、御指摘のとおりでございます。  契約を見直しましてこういう形にしたわけでございますが、その後、シップバックをした事例、一例ございます。
  54. 郡司彰

    郡司彰君 それはどこの港ですか。
  55. 町田勝弘

    政府参考人町田勝弘君) これは、食品衛生法違反でございますので、厚生労働省のホームページ等にも掲載されておりますが、鹿島の輸入港に輸入されたものでございます。指定外の添加物が付着していたということで積み戻しております。
  56. 郡司彰

    郡司彰君 時間がありませんので、要するに、それは多分船に乗ったままの状態で調べてそのままお戻しになったということになるんだと思いますね。今回の場合は、倉庫にあったやつからの問題ですから、そういう場合でも本当に返送、シップバックということができるのかどうか、そういうことが可能なのかどうかですね。現実の商取引も含めて実際にどういうことなのか、廃棄と返送という形になっているけれども、その返送というのは具体的にどういうふうに行われるんだということをきちんとしておいてください。次の委員会でまた時間があればしたいと思います。  終わりにします。
  57. 山田俊男

    山田俊男君 一昨日の審議に続きまして、もう一度立たせていただきました。どうぞよろしくお願いします。  一昨日の審議におきまして、ふるい下米の扱いについて質問いたしまして、私は参考人の質疑又は関係事業者の意見を聴いていただきたいと、こんなふうに申し上げたところでありました。参考人の質疑は取り下げますが、関係事業者の意見については聴取いただけたでしょうか。農水省としての対応状況をお聞きしたいと、こんなふうに思います。
  58. 町田勝弘

    政府参考人町田勝弘君) 今回の法律改正につきましては、これまでも関係事業者団体と意見交換を重ねてきているところでございますが、一昨日の御質問をいただきましたので、これを受けまして、昨日、私ども、関係事業者団体、具体的には全国米穀工業協同組合と意見交換を行ったところでございます。  意見交換におきまして、組合の方からはふるい下米につきましては、実需者の品質等の要望に合わせて様々な原料を用いまして、何度も選別やブレンドを繰り返す場合があるということで、入荷したものと出荷したものとの対応関係記録しておくことが困難な面があるということ、また多くの方から仕入れているため、米の仕入れの際に、例えば加工用など用途限定されていた米穀が混ざっていることを知らずに購入してしまう可能性もあるといったこと、このため実行可能な制度をよく工夫していく必要があるのではないかと、そういった問題意識をお持ちになっているということを改めて確認をさせていただいたところでございます。  こうした御意見も十分踏まえまして、また今後も関係事業者団体との意見交換を重ねながら、政省令の内容を詰めてまいりたいと考えております。
  59. 山田俊男

    山田俊男君 石破大臣にお願いしたいというふうに思います。  この制度実効性を高めていく、これはもう大事なことでありますが、しかし、そのためにはどうしても弾力的に対応せざるを得ない部分が実態に合わせて出てくるんじゃないかというふうに思います。  しかし、一方で、このトレーサビリティーをきちっとやっぱりやって消費者に安全、安心、表示を受け入れてもらうと、このためにはやはり共に生産者のメリット、消費者のメリットというのを実現していくということがどうしても必要になるわけです。  そのためには、やはり米を取り扱う多くの関係者がいるわけでありまして、そうした関係者の意見をきちっと聴いた上で対処していくということが大変大事だと、こんなふうに思うところでありまして、今後、具体的な政省令を遵守すべき事項として定めていくということでありますので、丁寧な意見交換を行っていただいた上で詳細部分については政省令で定めていってもらうということだと思いますが、大臣考えをお聞きします。
  60. 石破茂

    国務大臣石破茂君) 委員のおっしゃるところ、全面的にそのとおりだと思っております。  私ども、政省令を定めるに当たりましてパブリックコメントの手続も取らせていただきます。また、必要に応じまして関係者方々の御意見も丁寧に承らなければなりません。そうでなければこの法律実効性を持ちませんので、今御審議をいただいております、仮に御可決いただきましたとして、その法律実効性を持ちますように関係各位とよく意見交換をしたいというふうに思っております。  今後とも、御指摘を賜りますようお願い申し上げます。
  61. 山田俊男

    山田俊男君 是非大臣、そのことをお願いしたいというふうに思います。  と同時に、局長、お聞きしたいわけでありますが、先般の議論の中でもお聞きしました。国産米の様々な用途、そして新たにえさ米や米粉の限定された用途という米の流通、消費があるわけであります。その中に、MA米も同様の形で、国産の需給に影響を与えない形でありますけれども、同じような形で需要に流れていっているわけであります。しかし、今言いましたふるい下米につきましても様々な実態があるということは承知いたしますが、しかし、それにしても、国産のふるい下米ないしは国産の特定米穀米であるというような表示は、これはもう当然のこと必要だというふうに思うわけでありますが、農水省の見解をお聞きしたいと思います。
  62. 町田勝弘

    政府参考人町田勝弘君) 今回、一般消費者また米穀事業者産地情報伝達をしていただく指定米穀等でございますが、これにつきましては、トレーサビリティー対象品目でございます米穀等の中からまた政令で、重要と思われるもの、産地情報伝達が重要だと思われるものを政令で指定するということになっております。  ふるい下米も米穀でございます。米穀情報伝達対象となる指定米穀等として指定されることはほぼ間違いないというふうに私ども考えております。したがいまして、今御指摘の国産のふるい下米につきましては、国産である旨を一般消費者米穀事業者伝達するものになるというふうに考えております。  こうしたことも念頭に置いて、関係事業者団体との意見交換もしながら政省令を詰めてまいりたいと考えております。
  63. 山田俊男

    山田俊男君 ところで、次のテーマに入りますが、主要食糧法の改正におきまして、第五十三条におきまして、「この法律に規定する農林水産大臣権限に属する事務の一部は、政令で定めるところにより、都道府県知事が行うこととすることができる。」という新たな条文が加わったわけでありますが、これは先ほど舟山委員の質問に大臣は、この夏までに国と地方の分担について明らかにするというふうにされているわけでありますが、局長、農政局や農政事務所を役割はないということでまさか廃止することをこの条文で明らかにしたということじゃないんでしょうね、お聞きします。
  64. 町田勝弘

    政府参考人町田勝弘君) 農林水産省の抜本的な機構改革を今まさに検討をしているところでございます。  繰り返しになるかもしれませんが、食の安全とか消費者の信頼の確保に関する業務は引き続き国が担うべき事務権限として、国が責任を持ってこれらの事務権限を的確かつ確実に実施できる体制を整備していきたいというふうに考えているところでございます。  以上でございます。
  65. 山田俊男

    山田俊男君 国が責任を持って主食たる米の管理はちゃんとやっていくんだぞということのためには、きちっとした国の役割を果たすということをちゃんとやっていただきたい、こんなふうにお願いするところであります。  さて、米のトレーサビリティー法案の第八条におきまして、「一般消費者に対する産地情報伝達」ということで新たに規定されているわけでありますが、「主務省令で定めるところにより、その包装又は容器への表示その他の方法により、当該指定米穀等の産地を、当該一般消費者伝達しなければならない。」と、こうあるわけですね。その上で、「主務省令で定めるところにより、当該情報を知ることができる方法を当該一般消費者伝達したときは、当該米穀事業者は、同項の規定による伝達をしたものとみなす。」と、こうあるわけです。  要は、お尋ねしたいのは、店頭やレストラン等での情報伝達におきまして、インターネット上のホームページで知らせますよということでやっておれば、そのことを事前にしておればそれでいいということなんですか。とすると、心配なのは、店頭で消費者が選択するとき、レストランで選択するときに、その具体的な、インターネットをすぐ見るわけじゃないわけでありますから、商品を選択するときに産地情報を知ることができないんじゃないかという心配なんです。やはり、きちっと商品への表示や店頭表示ということをちゃんとやらないと役割を果たしたことにならないんじゃないかというふうに思うんですが、いかがですか。
  66. 町田勝弘

    政府参考人町田勝弘君) 消費者の方が飲食料品を購入する際に、その場で品質を識別し的確な商品選択ができるようにという観点から、御指摘のとおり、商品に直接表示することがこれは基本であるというふうに考えているところでございます。  ただ、御指摘をいただきましたように、外食ですとか、そういったものにつきましては、商品に直接表示がなかなか難しいといったことがございます。できるだけ、私ども、幅広い米関連製品に産地情報伝達してもらいたいというふうに考えているところでございます。そういったことで、言っていただきましたインターネットなどの掲示、また店内での見やすい場所への掲示、そういった伝達手法につきましても柔軟に幅広く認めていけたらというふうに思っているところでございます。商品に直接表示していくということが基本であるということは変わりはございません。
  67. 山田俊男

    山田俊男君 外食の場合も、少なくとも消費者が、今もありました店頭の表示で知ることができる、その上でインターネットで確かめれば、ああ、そうだったわねということで確認できる、こうした多様な方策でもって確認できるということが、選択できるということがどうしても必要だというふうに思いますので、今後具体的に政省令でお定めになるということだと思いますのでしっかりやっていただきたい、こんなふうに思うところであります。  さて、宮腰先生にお見えいただいているわけでありまして、大変お忙しいところ恐縮です。  衆議院での修正につきまして、米トレーサビリティー法の対象品目を多くの品目へ拡大するということのその意義や必要性については私も賛成であります。ところが、このことがますます生産者やそれから各事業者負担になるということであれば、これまた大変難しいことなんですが、これらのことについてどのようにお考えであるかお聞きしたいと思います。
  68. 宮腰光寛

    衆議院議員(宮腰光寛君) 事故米穀不正規流通事案を始め様々な食品をめぐる偽装表示事件などの発生によりまして、消費者の食に対する不信が高まっているとともに、国内生産に対する悪影響も無視し得ない状況にあります。こうした状況を踏まえ、衆議院における修正案は、米穀以外の飲食料品についてトレーサビリティー導入や加工食品の主要な原材料の原産地表示の義務付けについて検討することを政府に求めるものであります。  政府における具体的な検討に当たりましては、消費者を始め生産者、流通業者、製造加工業者等、利害関係者の意見を十分聴取した上で、過度の負担とならないよう、事業者の業態、規模等を勘案した除外措置情報伝達方法などを含め、その義務付けの在り方について検討することが適当であるものと考えております。  同時に、トレーサビリティーや加工食品の原料原産地表示につきましては、食品の安全、安心を強く求めている消費者の声はもちろん、国産農産物の利用拡大を求めている国内の生産者の声にこたえるためにも義務付けを拡大する方向で検討を進めることが重要であると考えております。  筋論で申しますと、まず生産者生産者団体、出荷団体がトレーサビリティー原料原産地表示の基となる基礎的な情報記録伝達できるようにすることが基本でありまして、流通業者、製造加工業者等はその情報を活用してトレーサビリティー原料原産地表示を行うこととなるわけでありますから、何よりも生産出荷段階での情報記録伝達がかぎとなるというふうに考えております。  先ほど申しましたように、生産者や中小零細事業者への配慮が必要なことは、これは言うまでもありませんけれども、その上で実効性のある仕組み構築していくことが国産農産物の自給率向上のためにも重要であるということを申し上げておきたいと思います。
  69. 山田俊男

    山田俊男君 大変よく分かりました。大変ありがとうございました。先生、もう質問終わりましたので、ありがとうございました。恐縮です。  ところで、先ほどの国産のふるい下米の扱いについて、きっちり少なくとも国産米の表示をやっていただきたいという旨申し上げたところでありますが、同時に、先ほども申し上げましたように、MA米も同様な形でそれらの層との間で流通しているということがあるわけであります。そうしますと、このMA米を使った、ないしはMA米を混入した商品の表示をやはりちゃんと行うべきであると、こんなふうに考えるわけでありますが、この点、どうしっかりそれを行うかどうかというのはこの米三法の扱いの極めて大事な部分だというふうに考えますが、どう扱われるのですか。
  70. 町田勝弘

    政府参考人町田勝弘君) まず、現在の状況でございますが、現在はJAS法だけでございます。精米、玄米の産地表示ということで、ミニマムアクセス米については原産国、これは義務付けられているわけでございます。このほか、米加工品につきましては、もちに限定をして原料原産地表示の義務付けを行っているということでございます。このほか、当然のことながら、MA米を使用した加工品としては米菓等いろいろあるわけでございますが、その原料米の原産国名、ミニマムアクセス米であるという旨の表示が積極的に行われている状況ではないというふうに私ども認識しております。  今般、この米トレーサビリティー法におきまして、原産地の情報伝達、そういうことがありますれば、その対象となります指定米穀となれば、米菓等も含めまして、MA米ということについて輸出国、これをきちっと表示をしていただくということになろうかと思います。
  71. 山田俊男

    山田俊男君 大変その点、大事なことであります。外食で御飯を食べましたと、どうも味がもう少しかなというふうに思ったときに、しかし何の表示もないで帰ってきて、そして大事な米の消費に影響を与えるようなことがあってはいかぬと思うんですね。やはりここは、いや、実はMA米なんですよと、この国の、原産国の米ですよということはちゃんとやっぱりその店頭で表示される。もしも使っておられれば店頭で表示される、表示されていなければ、ましてや国産と表示されていなきゃ、逆に言うとそれは、ああ、MA米なんだということが分かる、このことは物すごい大事だというふうに思いますので、この点の今後の徹底、政省令を定める場合におきましてもこの点をきちっと念頭に置いた処理をお願いしたいと、こんなふうに考えます。  さて、大臣にお願いしたいんですが、国産の米粉や飼料米、新規需要米でありますが、これはあくまで事業者実需者との間で契約で進めるということが基本になっているわけですが、事業者との間で契約していなかったり、それから、例えば契約していても事業者の段階で売れ残ったり、それから行き場を失ったりしたような場合、これらの米の保管なり在庫保有ないしは備蓄の取組が必要になるんじゃないかと、こんなふうに思うんですよ。この点、お考えをお聞かせ願いたいというふうに思います。
  72. 石破茂

    国務大臣石破茂君) ここはよくまた委員のお考えを承らなければいけないのですが、私は、これが生産過剰になりましたということがないようにすることがまず肝要なのだろうと思っております。確かにそういう場合が全くないとは申しませんが、政府米の備蓄というものは、基本的に主食用米の供給不足に備えるものでございまして、今回の新規需要米については、とにかく過剰生産が起こらない、行き場を失ったような米が出ないということにまず全力を尽くすべきではないのだろうかというふうに思っております。  今の時点から、そうなった場合に備えて備蓄をしましょうという考え方を今の時点において取るということは、私自身、そうですねというふうに言いにくいところがございまして、まず、そういうような適切な需給のバランスが取れる、そのために全力を尽くすということでありまして、これはもう備蓄をするということの意義というものを私は全面的に否定するものではございませんが、まず主食用だ、そしてまた過剰生産や行き場を失うということが起こらないように全力を尽くすということを今は申し上げたいと存じます。
  73. 山田俊男

    山田俊男君 心配なのは、大臣、御案内のとおり、この水田フル活用を含めて新規需要米の生産をきちっとやっていこうじゃないかという動きの中に国際的な穀物の高騰があったわけです。その中で、価格的にも競争力が持てるから国産でも対応しようということだったと思います。  ところが、今後の推移、なかなか分からないところでありますが、もしも小麦が大幅に下がったりそれから飼料穀物が大幅に下がったりしたときに、いや、契約していたけれども国産の米粉や飼料米が使い勝手が悪いみたいな話になったときに大変心配なわけであります。大臣、今からそんなことを想定して確約できないよということでありますが、今後そうしたことのないように努力すべきでありますけれども、今後の対策としてあるということをきちっと念頭に置いて、しかし、ちゃんとこれは国産の大事なものを需要に充てていこうじゃないか、国内の資源を大事に活用しようじゃないかという側面でやるところもあるわけですから、そういう観点で一緒になりまして進めていければ大変いいと、こんなふうに考える次第であります。  ところで、次に、これらの新規需要米についてはそれぞれ区分した管理が求められるわけであります。今も、新たに米粉をやろう、さらにまた飼料米を対応しようというときに、この前の我々の委員会によります現地調査におきましても、この保管場所に大変苦労するんだということをおっしゃっておられました。それからさらに、これは乾燥調製がどうしても米の場合必要になるわけでありますが、乾燥調製やったときに主食米に混入するといいますか、したときに、これはもう大変な事態に主食用世界ではなってしまうわけでありますから、乾燥調製のカントリーエレベーターをいかにきれいに掃除するかということもあります。とすると、なかなかそれは難しいものだから、それじゃ、乾燥調製施設、これまで使ってきたのは相当の期間でもあるし、よし、それじゃ新しいのを造って、一方で現在のやつを飼料米に充ててみようじゃないかということを計画しているところも多々あります。  是非、二十一年度の予算におきましても、さらには今後のいろいろな補正も含めた対策の中で、必要であれば、これらの対策の中でこうした保管、調製の施設対策を是非きちっとやっていただきたい。  それから、施設の改修なんかも大事なんですね。古くなった施設をすぐ新しいのに建て替えるという前に、おい、この際、この施設を今度は改修して、これを飼料米のために活用することをやってみようじゃないかという取組に対しましてもきめの細かい対策をお願いしたいと思いますが、局長の御意見を聞きます。
  74. 町田勝弘

    政府参考人町田勝弘君) 米粉用米、また飼料用米生産に当たりまして、御指摘のとおり、乾燥調製や流通保管の施設、これが必要となります。  この場合、低コストの流通を図るという観点からは、地域で既存の施設があればそれを活用していただくということがいいのだとは思うのでございますが、そういったものを最大限活用しても地域のニーズになかなか対応できないといった場合につきましては、新しい施設の整備、また御指摘のありました既存施設の能力の増強、そういったことが行われるというふうに考えております。このため、生産者と製造事業者連携して取り組むことを前提といたしまして、新たな施設の整備や施設の機能向上を伴う増改築に対しまして助成また低利融資を平成二十一年度予算において措置をしております。  これらを活用いたしまして現地のニーズに適合した施設の整備、こういったものを図っていきたいというふうに考えております。
  75. 山田俊男

    山田俊男君 引き続いて局長にお尋ねします。  米穀の新用途への利用促進法ですね、この中で、食糧法に定める法律の特例だということで、米穀出荷販売の届出手続が不要というのがあったんです。私、届出手続が不要というのは、これはどういう意味かというのが一生懸命に法律を読んでもよく分からなかったんですが、ようやく先般の質疑で分かりました。何かといったら、要は、この届出制はあくまで緊急時の対応だけの措置として届出制があるということなんですね。これは確認します。
  76. 町田勝弘

    政府参考人町田勝弘君) そのとおりでございます。  この食糧法におけます届出制につきましては、緊急時における命令を適切に発出をできるようにするという観点から行っていただいているものでございます。
  77. 山田俊男

    山田俊男君 これからは若干意見を申し上げたいんですが、これは先般の当委員会質疑紙委員がおっしゃったこととも関係するんですが、新食糧法といいますか、平成十六年の現行食糧法は、流通は自由化することを基本にした食糧法になっているんですよね。その中で緊急時だけ、いざというときには届出制を活用しますよ、だから届けてくださいと、こうなっているわけです。ところが、現行の食糧法の中でも、一方におきまして、すべての米の取扱業者に対して、すべての米の取扱業者に対してですよ、これは報告立入検査を行うことができる仕組みにするとなっているわけです。一体、届出制の下で届け出る業者は、先般の質疑の中でも八万ないし九万という数字の業者がいますよということだったんですが、一方で、この報告立入検査を行うすべての米の取扱業者、これはどのぐらいになるものなんですか。重なるものなんですか、重ならないんですか。
  78. 町田勝弘

    政府参考人町田勝弘君) 今、私ども、食糧法で届出をしていただいております規模要件でございますが、旧食糧法におけます登録出荷業者の数量要件、二十トン以上であったといったこと等を踏まえまして、引き続き二十トン以上としているところでございます。御指摘のとおり、十九年度におきまして八万四千の業者というふうに把握しているところでございます。すべての業者ということになりまするとこの規模要件が外れるわけでございますので、当然この数よりは多い数字だというふうに理解しているところでございます。
  79. 山田俊男

    山田俊男君 これは事前に通告していなかった部分ですので分かる範囲でお尋ねしたいんですが、MA米の不正流通で大問題があったわけじゃないですか。そこで、大なり小なりこの不正流通に関係した業者のうち、届出業者と届出されていない業者は大体どのぐらいあったんですか。
  80. 町田勝弘

    政府参考人町田勝弘君) 申し訳ございません、ちょっと手元にデータがないのでございますが、四業者が、今回、私ども違約金も請求しているわけでございますが、その中に届出をしていた業者とそうでない業者、両方いたということでございまして、ちょっと実数は今、分かりましたらお答え申し上げます。
  81. 山田俊男

    山田俊男君 ここは大臣に最後お尋ねした方がいいかなというふうに思うんですが、大臣、国民の主食たる米の安定供給を、それなりにという言い方のそれなりにというのは付けた方がいいか、付けない方がいいかという気がするんですが、私はやはり国がちゃんと責任を持って事に当たるということの意味は大変大きいというふうに思うんです。程度の問題はあります。それがそれなりにの意味であります。  ところで、この際、食糧法をちゃんと見直して、といいますのは、だって今度新たにトレーサビリティー法を作って、そしてこれもすべての米の取扱業者に対して用途別の米の行き先管理をやって、それができなかったら、勧告やって、命令やって、罰則をやるわけでしょう。そういうことになるわけですから、食糧法で言う緊急時の米の届出業者、いつ緊急時がどんなふうに生ずるかというのは、これはちょっと考えにくい事態なんだろうというふうに思いますが、その仕組みと、しかしその一方で、すべてちゃんとこれ報告立入検査やりますよと。一方で、今言いましたように、トレーサビリティー法で罰則も含めた取組をやりますという法律を重ねるわけです。ということになりますと、現行食糧法の届出制の仕組みと、それとこのトレーサビリティー法におきますすべての業者に対する対策とは、これもうやっぱり制度を一緒にして国が責任を持つという仕組みにされてはいかがかというふうに思うんですが、大臣の見解をこの際お聞きしたいと思います。
  82. 石破茂

    国務大臣石破茂君) 国がどこまで責任を持つべきか。委員も、みんな届出制なんかやめて許可制にすべきだということをおっしゃっておられるわけでもないだろうと思いますが、法体系全体、今度新しくトレサ法も作ります、食糧法改正もお願いをしておるわけで、全体的な法体系としてどうなんだという視点は要るんだろうねというふうには思っております。  この後、農水省の機構改革とかいろんなことを行いますが、全体として本当に国がどこまで責任を持つべきなのかということは、もう一度考えてみる必要があるだろうと思っております。  さはさりながら、今回この法律を何とかお願いをいたしまして消費者の安全を確保したいということは当然なんでございますが、国が持つべき責任ということは、農水省の機構改革の中でもよく認識をしながら議論をしたいと思いますし、常に法体系全体は見渡す必要があるとは思っております。
  83. 山田俊男

    山田俊男君 どうぞ農林水産大臣を始め農林水産省の皆さんの奮闘をお願いします。大変大事な法律でありますので、この実施に当たって頑張っていただきたい、こんなふうに思います。  終わります。ありがとうございました。
  84. 風間昶

    風間昶君 公明党の風間ですけれども、大臣、三月十二日の所信の中で水田フル活用への転換元年と、総理もおっしゃっていましたけれども、決意を示して、ただ現実的には米の消費は減少していって、生産者の方も高齢化が進んでいるという中で需要を図っていかなければならないということでありますから、もう一つの視点は、やはり消費者方々への需要喚起をどうやってするのかということが物すごい大事で、これ今ちょっと思い付いたんですけれども、付けているバッジですね、これ全部小学生に配る、当たりくじ付きで。当たれば二キロか三キロ何かやるといったことも、冗談は抜きにして考えてもいいのかなというふうに思います。  そこで、済みません、法案の方ですが、生産者と製造業者との間での生産製造連携事業計画ということを定めて、特に過剰生産を避けようとしておりますが、この計画を認定して、生産から販売までのルートが明確になるために、主食用米の混入がないということでありますが、先ほどの話もありますが、生産者の段階で、集荷のときに故意ではないんだけれども間違って混入してしまうということがたくさんぼこぼこ出てくると、これまた問題になってくる話なので、生産者段階での混入防止という措置を対策上どのように考えているのか、お伺いしたいと思います。
  85. 本川一善

    政府参考人(本川一善君) 御指摘のとおり、生産段階におきましても、例えば多収穫米を使うというような形で、品種が異なるものを使ったりする、そのようなことございます。そういう意味で、やはり御指摘のとおり、混入しないような措置を講じていくことが必要だろうというふうに考えております。  例えば、多収品種を団地化をして主食用の圃場と混在をしないように、まず圃場段階で行うということでありますとか、あるいは収穫作業のときが問題でありますので、収穫作業の時期が重ならないように品種構成でありますとか作業体系を工夫するとか、あるいは多収性品種の収穫なり乾燥調製をした後にコンバインあるいは乾燥機等の清掃を徹底する、このようなことが考えられるわけでございまして、こういう防止策を現場にきちんと周知をしながら推進を図ってまいりたいと考えております。  また、混入防止をするという観点から、新たに必要とする機械あるいは乾燥調製施設、こういうものがありますれば、そういう整備に対しましても一定の所要の事業により支援を行っていきたいと考えているところでございます。
  86. 風間昶

    風間昶君 分かりました。  これは細かいことかもしれないけれども、結果的に主食用と新規需要米と、本格的に作付けして米の大増産を図るということが目的だから、混ざっちゃえばその意味がなくなるわけでありますので、徹底できればしてやっていただきたいというふうに思います。  それから、米の需要拡大については、やっぱりありとあらゆる知恵を出して、あれもこれもやらなきゃならないなというふうに思っておりますが、新しい需要を開拓していくという意味で、米の輸出について、近年輸出量が少しずつ増えてきているようでありますが、恐らく今後もすしを含めて日本食ブームは当然広く定着して、アジアだけじゃなくてロシアの富裕層なども非常に注目しているようですから、需要は広がると思うんです。  そういう意味では、私は個人的には、中長期的に見れば、総収穫量八百五十万トンなら八百五十万トンの少なくとも一%ぐらいの八万トンぐらいに持っていきたいなと、気持ちの上でですよ、やれるかやれないかは別にして、思っているわけでありまして、そういう観点でいくと、まず、何年でしたか、二年も三年も前になりましょうか、安倍総理のときだったと思いますけれども、農産物・食品の輸出における総合戦略、何品目か挙げて立てられましたけれども、その中で、米について需要を拡大していく、あるいは販路を開拓していくという取組、なされつつあると思いますけれども、具体的にどうなっているのか、ちょっと教えていただきたいと思います。
  87. 町田勝弘

    政府参考人町田勝弘君) まず、日本産米の輸出の数量なり輸出先をちょっと簡単に御報告させていただきたいと思います。  輸出数量でございますが、二〇〇八年には千二百九十四トンでございます。二〇〇七年の実績が九百四十トンでございました。これを四割上回っております。この三年間でほぼ二倍となっているところでございます。  輸出をしている国でございますが、輸出数量では、台湾が四百五十三トンと最大の輸出先となっております。以下、香港三百四十一トン、シンガポール百七十三トン、中国九十トン、ロシア六十三トン、米国二十六トンと続いております。御指摘をいただきましたが、特に最近、ロシアが急激に増加をしているところでございます。  近年、世界的な日本食ブームでございます。高品質な我が国農林水産物、お米、特にお米でございます、私ども所管させていただいています、海外におけるニーズが一段と高まっていくのではないかというふうに考えております。こうした機会を最大限に活用いたしまして、諸外国の高所得者層をターゲットとした販売を基本戦略として、日本産のお米が持つ食味や品質の良さといった強みを生かしながら、日本食の普及促進等を通じた日本産米の輸出に取り組んでいるところでございます。  申し訳ございません。具体的に若干触れさせていただきたいと思うんですが、輸出に関心のある者に対しましては、主要輸出国先の検疫制度、また通関手続、その国の市場動向、こういった情報を提供しております。また、海外の百貨店等に設置をいたしましたアンテナショップ、こういったものを活用して、日本食の普及等、日本産米のPR活動を一体的に実施しているところでございます。  今後とも、こうした輸出拡大に向けての輸出者への後押し、こういったことをやりまして、輸出拡大に向けて着実な支援を継続していきたいと思っております。
  88. 風間昶

    風間昶君 リンゴの八十億円だとかチョコレートの五十億円ぐらいにはまだまだ全然達していないレベルでありますけれども、是非取り組んでいかなきゃならないというふうに思います。それがまた一つの新しい米需要の拡大につながっていく話だと私は思います。  そういう意味で、WTO関係から直接的な輸出はできないにしても、商業輸出みたいな形で、現実に生産者も自分のブランド米として今ビジネスチャンスをつかもうということで果敢に取り組んでいらっしゃる方おいでになります、数は少ないですけれども。したがって、この米の需要拡大という観点からすれば、米粉とえさ米、飼料米、強調されていますけれども、同じ柱ではないにしても、生産者に対して、輸出も新しい新用途米と、輸出米も私は新用途米と考えれば、大きなこれは生産者の意欲を向上させていく支援をしていく必要があるのかなというふうに思います。  そういう意味で、例えば多収穫米の開発支援などもやってあげるとより生産者が更に意欲を持つんではないかというふうに思うんですが、この辺については、大臣、もし御発言があれば伺いたいと思いますが。
  89. 石破茂

    国務大臣石破茂君) 委員おっしゃるとおり、余り輸出米というのは最近まで脚光を浴びませんでした。ただ、これ生産調整にもなるわけで、幾ら作ってもいいわけでございますよね。そうすると、本当に意欲のある方がいろんなものを作る。ただ、今のところ富裕層相手の輸出ということになっておりますので、本当に幾らでも金出すぜというところに対してどうやって売っていくかということを考えていくべきなんだろうなというふうに思っております。  ターゲットをどこに置くか。多収穫米なぞを作って、じゃ、言い方は良くないんですが、富裕じゃない層に売っていくということを考えたときに、何せ所得の格差なんというのは日本どころの騒ぎではございませんので、貧しい人は本当にお米そのものなんかが食べられない人たちがいっぱいおりますから、どういうものをどういう層に向けて売っていくかという戦略を立てていかねばならぬのだろうと思っております。  また、炊き方、御飯の炊き方も全く違いますので、そこに向けてどういうふうに炊き、どういう層に向け、どういうものをどれだけという戦略は、やはり私どもとして支援できるところは支援をしていきたいというふうに考えております。  我が国がこれから先、米の輸出ということを世界のために本当に真剣に考えていくときではないかなという問題意識は、私は委員と全く共有するものでございます。
  90. 風間昶

    風間昶君 分かりました。  話変わりますが、四月七日の農水省の調査で、現状のままでは耕作に使えない土地が東京都の面積の一・三倍になっていると。そのうちの言わば半分近いのがもう森林化、原野化しているという実態が分かりました。とにかく森林化、原野化して農地に戻すことがもうほぼ不可能だという農地が東京都の面積の六割にもわたっているという、物すごいこれ厳しい話だなというふうに思っています。狭いこの国土の中で農地が利用されていないということは深刻な事態だというふうに思っておりますので、このことの認識は当然大臣はお持ちだと思うんですけど、じゃどうするのという話だと思いますが。  そこで、札幌のある授産施設が、自分の持っている土地に庭先で作物を作って、それをまた炉辺で何ちゃんのお店という名前で販売して事業にしているんですけれども、拡大したいんだけれども土地がないという現状があります。したがいまして、平場や中山間地などのこの耕作放棄地について、福祉と農業という観点から、社会福祉法人などもきちっと借りやすくできるような措置が必要じゃないかというふうに思うんです。このことを恐らく農水省としては実態は調べていないと思うんです、農水省は直接絡んでいないから、申請が来たものに対してどうするこうするという話だと思うので。これ、新しいことかどうかちょっと分かりませんが、もしこういう例があったのなら、いや、あるのかどうかもまだ分かりませんけれども、昨日ちょっと通告でいろいろお話ししたときに担当の方はちょっと私と波長が合わなかったので、教えてもらいたいと思うんですけど。
  91. 高橋博

    政府参考人高橋博君) 御承知のとおり、農地につきまして耕作目的で売買あるいは借入れを行う場合には、農地法三条の規定によりまして農業委員会の許可が必要になっております。法人の場合については原則として農業生産法人あるいは特定法人でなければ許可が出ないということになっております。  ただ、しかしながら、これは私どものPRが悪いのかもしれませんが、リハビリテーション農場など社会福祉法人がその事業運営に必要な施設の用に供するためにこのような農地の権利を取得する場合については、例外的にこれは許可が下りるということになっております。許可が下りることになっているんですが、ただし、ちょっとここについては通常の場合と異なっておりまして、農業委員会ではなく都道府県知事の許可が必要だということで、ちょっと加重的な要件が付加されているところとなっております。  現実に、今社会福祉法人がどのような農業を行っているかについて一般的に調べたものはないのでございますけれども、特定法人貸付事業によりまして貸付けを受けて、これは市町村を経由しておるんですが、貸付けを受けて農業経営をやっているということについては、全国でこのような法人全部で三百二十ほどあるんですが、これは株式会社等も含んでおりますけれども、このうち社会福祉法人が六例ほどございます。六例で三・七ヘクタール。一例を申し上げますと、例えば社会福祉法人が障害者の人たちの雇用ということを通じて農業栽培をやりまして、そこでできた産品を今委員指摘のような形で販売をしていくというようなこともございます。  このようなことにつきまして、先ほども申し上げましたけれども、基本的に非常に重要な、社会福祉通じまして、雇用なども通じて、そういう形で提供する、あるいは耕作放棄地の解消にも通じるということでございます。この点については広く私どもとしても周知をしていくというふうに今後してまいりたいと思っております。  なお、先ほど来の委員お話ございましたように、今回、耕作放棄地等がこれだけある中でどのように農地をきちんと使うかという観点から、農地制度の見直しに関します法案を今国会に提出していることとしております。この中で、先ほど社会福祉法人の権利取得については知事の許可が要るということにしておりますけれども、今後、所有する場合はちょっとまた別でございますが、借りて、通常は借りてでございますので、農地を借りて農業を行う場合にはこのような知事の許可ということではなくて、通常のとおり農業委員会でもできるというようにすることとしております。
  92. 風間昶

    風間昶君 いや、それは知りませんでした。むしろ、だから周知をきちっとしていただきたいと思いますし、農地法のまた審議がこれから始まるわけでありますから、そのときに改めてまた深掘りしたいと思いますので、よろしくお願いします。  あともう一点、先ほど舟山委員の方からも大臣に質問がありました、私は、気持ちの上では、洞爺湖サミット去年終わって、何で農業だけが関連大臣会合ないのかなというふうに思っていたんです。あちこち、横浜とか京都とかで経済に関するあるいは金融に関する会合があって、だったら大臣としてはやっぱり去年の秋になったら日本で何か呼びかけをすべきではなかったのかなと、行く前に言うのは問題かもしれませんけれども、思います。  それで、今度行くに当たって、世界食料安保の中で幅広い議論の中で、きっとツーウエーというか、ならないかもしれないけれども、バイも難しいかもしれないけれども、日本として何を売り込むのということが一番私としては知りたいんですけれども。
  93. 石破茂

    国務大臣石破茂君) 先ほどお許しをいただきましたので、この会合出席をいたしたいと思っております。  また、何を言うのか、バイの会合も幾つか予定をいたしておりますが、FAOのディウフ局長が、とにかく世界の飢餓というものを撲滅するために何をすべきなのかということについて強いメッセージを発しておられます。  食料安全保障という言葉は気を付けて使わなければいけないのですけれども、非常に飽食な今の食料の状況というものをそのまま続けるということが何も食料安全保障ではないのであって、本当に飢餓に苦しむ人たちにどうやって食料を提供するかということが食料安全保障一つの本質でございまして、我が国はそのために何ができるか、世界とともに何をすべきなのかということを私は強調したいと思っているんです。  我が国食料が安定的に供給されるということはもちろんです。輸入国立場というものも理解してくれということももちろんでございます。ただ、WTOとFAOとまた少し役割も違いますし、その辺りも踏まえて、何が持続可能な農業なのか、そして我が国が、先ほど来委員が輸出のお話をなさっておられますけれども、我が国として世界に対して何をすべきなのかということをきちんと申し上げたいというふうに思っております。  各国とも国益をしょっておりますからいろいろなことを申しますが、日本として余り自分勝手なこと、自分勝手なことといいますか、日本だけが都合がいいような話をしているねということがないように、その辺りよく考えながら、我が国責任、そして世界が果たすべき責任ということ、大変抽象的なお答えで恐縮ではございますけれども、そういうことをきちんと申し述べていきたいと私は思っております。
  94. 風間昶

    風間昶君 終わります。
  95. 紙智子

    ○紙智子君 日本共産党の紙智子でございます。  米穀の新用途への利用促進ということで、米粉、飼料米ということについて今日は聞きたいと思います。  それで、食料自給率を引き上げていくためにも、国産飼料の増産ということや輸入麦の依存度を下げていくということ、これ不可欠ですし、水田の全面利用を行うことで国産飼料の増産を図っていくと。輸入麦に代わり得る米粉の増産を行うというのは極めて重要だというふうに思うわけです。  私も、二〇〇六年のときに質問して、当時は大臣は松岡農水大臣だったんですけれども、このときに飼料米の問題を質問して、それ以来ずっと一貫して追及してまいりましたし、我が党の農業再生プランの中にも位置付けているわけです。  ですから、本格的にこの飼料米ということで推進していくことには異論はないんですけれども、お聞きしたいのは、飼料自給率ですね、これをどう引き上げていくのかということで、まず、引上げの目標について、どのような目標なのかということをお聞きしたいと思います。大臣、お願いします。
  96. 石破茂

    国務大臣石破茂君) 現行の基本計画におきましては、平成十五年度、二四%から平成二十七年度までに飼料自給率を三五%まで引き上げるということにしております。  内訳ですが、粗飼料につきましては、国内生産が可能でございますので、十五年度の七六%から一〇〇%まで引き上げる。濃厚飼料につきましては、食品残渣の飼料化を推進することなどによりまして、平成十五年度の一〇%から一四%まで引き上げるということにしておるところでございます。
  97. 紙智子

    ○紙智子君 飼料自給率の目標を達成していくために、増産の具体的な計画ですね、それによって食料自給率がどんなふうに上がっていくのか、つながっていくのかと、その手順についてやっぱりはっきりしていないとお題目に終わってしまいかねないと思うんです。そこのところがどうなのかということについて御説明願います。
  98. 本川一善

    政府参考人(本川一善君) 今大臣に御答弁いただきました今の、現行の基本計画、これは残念ながら飼料米の本格生産を想定はしておりません。したがいまして、今後、基本計画を見直していく過程の中で、飼料米をどの程度見込むかということについても議論をしていきたいというふうに考えております。  そのときにやはりポイントになりますのは、水田フル活用元年である今年の飼料用米の作付けの動向でありますとか、あるいは流通体制の整備、確保の状況、このようなものを一つ踏まえる必要があると思っております。  それからもう一つは、飼料米と競合すると言うとおかしゅうございますが、転作作物としての先輩であります麦とか大豆、こういったものを国民がどの程度消費をしていただき、実際のニーズがどれぐらいあり、それをどの程度作付けるかということも一つ大きな判断になろうかと思います。そういうことを踏まえながら、十分精査をして、飼料自給率の目標を設定してまいりたいというふうに考えているところでございます。
  99. 紙智子

    ○紙智子君 米のフル活用ということが言われているわけですけれども、今まで、例えば生産調整をするということで水田の中で植えない部分をつくったりということをやっていて、そこを今はそうじゃなくてフルに使っていこうということですよね。それは当然のことだと思うんですけれども、農地の利用率をやっぱり引き上げていくということでは、例えば二期作ですね、昔やっていた二期作ですとか、あとは裏作、こういうことも推進していく必要があるんじゃないかというふうに思うわけですよ。  それで、水田、今一年に一回転するということになるわけだけれども、もしこれが一回転から二回転というふうになると農家の手取りの方も二倍になっていくわけで、非常に効果的だというふうに思うんですけれども、この点についてはどのようにお考えでしょうか、大臣に。
  100. 石破茂

    国務大臣石破茂君) 我々が子供のころは二期作なんて習ったものでございますが、今はほとんどやっていないと。昭和三十年代前半には一三〇%の利用率があったんですが、今、耕地利用率は九三ということになっておるわけでございます。  私どもとして、やはりこの利用率の向上はやっていかねばならぬだろうと。そのために、麦、大豆、米粉、飼料米等の需要に応じた生産拡大を図っていく、そのために水田を有効活用するのだということは極めて重要でございます。  二十一年度予算におきましては、新規転作田あるいは調整水田などの不作付け地への作付け拡大だけではなくて、裏作への作付け拡大も支援する水田等有効活用促進交付金、これを措置をいたしました。助成単価は、水田裏作への作付け拡大は十アール当たり一万五千円ということになっておるわけでございます。このような交付金によりまして、二毛作も含めました水田等の有効活用を促進したい、耕地利用率を上げたいというふうに考えておりますが、これが二倍使われれば所得が倍になるかというと、そういうわけでもございませんで、どのように需要喚起を図っていくかということを併せて考えていかねばなりません。低コスト化というのも図っていかねばなりません。  ただ、どんどんどんどん耕作放棄地は増えるわ、どんどんどんどん利用率は下がるわということであってはなりませんので、この利用率を上げるために、そして生産者の手取りに結び付くように私どもとして配意をいたしたいと思っております。
  101. 紙智子

    ○紙智子君 先ほど、飼料米でもって増やすということで今計画立てられている農水省の計画でいうと、大体十万ヘクタールですか、それで計算されるところで自給率が〇・一%というふうな程度ということで、これではやっぱりまだまだ少ないということで、もっともっとそこを増やしていくということを考えなきゃいけないと思いますし、そういう点で、今大臣答弁された方向というのは積極的に推進していくという方向ではあると思うんですね。ただ、やっぱりそれを進めていくということになると、現実的には予算を伴っていくということで、そこがすごく現実問題として問われてきているわけですよね。  先日、千葉県に委員会視察に行った中でも共通して出されていたのが、十アール当たり十万円は最低生産者から見ると必要だ、なかったらできないという話がされていたわけで、そうすると、今十アール当たり五万五千円という話がされていて、さらに補正で二万五千円の上乗せという話も、通るかどうかという話があるわけですけれども、そういう話になってきているわけですけれども、やっぱり実際生産する側は主食用と余り遜色がない形にしたいというのは当然あるわけですよね。  そういう水準が求められていくという中で、十アール当たりやっている今五万五千円も、結局法律上は三年という期限が切ってありますし、補正が通るかどうかということはあるけれども、二万五千円それに上乗せするとなっても、どうせこれ一年ぽっきりじゃないのかというのも現場からは声が出されているわけですけど、そこをやっぱり長期にきちっと安定させていくという点では、私たちの主張からいうと、ちゃんと継続させて、長期の展望に立って遜色のない方向にしていくということがやっぱり筋じゃないかと思っているわけですけれども、その点、いかがですか。
  102. 石破茂

    国務大臣石破茂君) おっしゃるとおりだと思います。  先ほど郡司委員からも御質問をいただきました。選挙目当てのというような、そういうようなやましいことを考えているつもりは私どもございませんで、どうすれば本当に安定的に新規需要米が拡大をしていくかということに配意をしておるものでございます。  ただ、ここで単年度限りだとか何年も継続しますとかいうことを断定するだけの権能を持ちませんのでそういうことを申し上げることはなかなか難しいのでございますが、やはりそれが安定的に継続的に生産をされるために、なかなか主食用米と同じということになりますと、それは政策体系として不整合を起こしますのでそういうわけにもなかなかいかぬところでございますが、そこはコストの減ということも考えていかねばなりません。安定的に継続的にこれが国家目標に沿って軌道に乗りますために、私どもとしてあらゆる政策を打っていきたいというふうに思っておるところでございます。  どうか、議会におきましてもよく御議論をいただき、そのことが達成されるためにお力添えを賜りますようお願いを申し上げたいと存じます。
  103. 紙智子

    ○紙智子君 今日の冒頭で視察報告の中にも触れてありますけれども、現場でお話になったときに、畜産農家からは、トウモロコシ価格キロ当たり四十円を切っているという中でキロ五十円だというんですよね。これでは採算が合わないと。飼料の方を作る方は採算が合わないと言うし、出す方はそれではちょっと足りないと言うし、そこのところをやっぱりどう解決するのかということは是非今後も考えて対策を出していただきたいということを最後に申し上げまして、質問を終わります。
  104. 平野達男

    委員長平野達男君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。  これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。  まず、米穀の新用途への利用促進に関する法律案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  105. 平野達男

    委員長平野達男君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  次に、米穀等取引等に係る情報記録及び産地情報伝達に関する法律案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  106. 平野達男

    委員長平野達男君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  次に、主要食糧需給及び価格の安定に関する法律の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  107. 平野達男

    委員長平野達男君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  高橋君から発言を求められておりますので、これを許します。高橋千秋君。
  108. 高橋千秋

    高橋千秋君 民主党の高橋千秋でございます。  私は、ただいま可決されました米穀の新用途への利用促進に関する法律案米穀等取引等に係る情報記録及び産地情報伝達に関する法律案及び主要食糧需給及び価格の安定に関する法律の一部を改正する法律案の各案に対し、民主党・新緑風会・国民新・日本、自由民主党、公明党及び日本共産党の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。  案文を朗読いたします。     米穀の新用途への利用促進に関する法律案米穀等取引等に係る情報記録及び産地情報伝達に関する法律案及び主要食糧需給及び価格の安定に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)   政府は、これらの法律の施行に当たり、水田の有効活用を促進するとともに、米を含めた食品に対する消費者の信頼の確保等が図られるよう、次の事項の実現に万全を期すべきである。  一 米粉飼料用米等価格主食用米と比べ極めて低水準にあることを踏まえ、米粉飼料用米等について十分な支援水準を確保すること。    また、多収品種の開発や直播栽培の導入等の低コスト化生産技術の確立及びその普及に向けた支援を充実・強化すること。  二 新たな食料農業・農村基本計画の策定に当たっては、食料自給力の強化と食料自給率の向上を図るため、水田の有効活用方策や米の生産調整の在り方等について、関係者の意見を十分踏まえつつ、長期的視点に立った施策の構築を図ること。  三 米穀等取引等に係る情報記録及び産地情報伝達に関する法律案附則第五条第二項の検討に当たっては、飲食料品について、この法律実施状況を踏まえつつ、速やかに、仕入先、仕入日、販売先販売日等の取引等に係る基礎的な情報についての記録作成及び保存並びに緊急時における国等への情報提供を義務付けることについて検討を加えるとともに、加工食品について、速やかに、その主要な原材料の原産地表示を義務付けることについて検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づき所要の措置を講ずるものとすること。  四 米については、主食用米粉用及び飼料用等用途別に大幅な価格差が存在し、これを利用して不当な利得を得ようと考え事業者が存在することを前提とした上で、横流し等による不正規流通防止するため、米の流通に対する行政による監視体制を強化すること。  五 米粉用米飼料用米等の新用途米穀生産拡大を図るには、確実な需要先の確保が重要であることにかんがみ、食品加工業者畜産農家等の実需者が、新用途米穀利用に意欲を持って取り組める需要喚起策を講ずること。    右決議する。  以上でございます。  何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
  109. 平野達男

    委員長平野達男君) ただいま高橋君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。  本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  110. 平野達男

    委員長平野達男君) 全会一致と認めます。よって、高橋君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。  ただいまの決議に対し、石破農林水産大臣から発言を求められておりますので、これを許します。石破農林水産大臣
  111. 石破茂

    国務大臣石破茂君) ただいま法案を御可決いただき、ありがとうございました。  附帯決議につきましては、その趣旨を尊重し、今後、最善の努力をいたしてまいります。
  112. 平野達男

    委員長平野達男君) なお、三案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  113. 平野達男

    委員長平野達男君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後零時十二分散会