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2009-04-14 第171回国会 参議院 農林水産委員会 第8号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成二十一年四月十四日(火曜日)    午前十時開会     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         平野 達男君     理 事                                郡司  彰君                 高橋 千秋君                 加治屋義人君                 佐藤 昭郎君     委 員                                岩本  司君                 小川 勝也君                 大河原雅子君                 金子 恵美君                 亀井亜紀子君                 主濱  了君                 姫井由美子君                 舟山 康江君                 岩永 浩美君                 野村 哲郎君                 牧野たかお君                 山田 俊男君                 風間  昶君                 草川 昭三君                 紙  智子君    衆議院議員        修正案提出者   筒井 信隆君    国務大臣        農林水産大臣   石破  茂君    副大臣        農林水産大臣  近藤 基彦君    大臣政務官        農林水産大臣政        務官       野村 哲郎君    事務局側        常任委員会専門        員        鈴木 朝雄君    政府参考人        国税庁長官官房        審議官      西村 善嗣君        文部科学大臣官        房審議官     尾崎 春樹君        農林水産大臣官        房総括審議官   實重 重実君        農林水産省総合        食料局長     町田 勝弘君        農林水産省消費        ・安全局長    竹谷 廣之君        農林水産省生産        局長       本川 一善君        農林水産技術会        議事務局長    佐々木昭博君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○政府参考人出席要求に関する件 ○米穀の新用途への利用促進に関する法律案(  内閣提出衆議院送付) ○米穀等取引等に係る情報記録及び産地情報  の伝達に関する法律案内閣提出衆議院送付  ) ○主要食糧需給及び価格の安定に関する法律の  一部を改正する法律案内閣提出衆議院送付  )     ─────────────
  2. 平野達男

    委員長平野達男君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。  政府参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  米穀の新用途への利用促進に関する法律案外二案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、国税庁長官官房審議官西村善嗣君外六名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 平野達男

    委員長平野達男君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  4. 平野達男

    委員長平野達男君) 米穀の新用途への利用促進に関する法律案米穀等取引等に係る情報記録及び産地情報伝達に関する法律案及び主要食糧需給及び価格の安定に関する法律の一部を改正する法律案、以上三案を一括して議題といたします。  本案の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。
  5. 郡司彰

    郡司彰君 民主党・新緑風会・国民新日本郡司でございます。  今日は米三法について質問をさせていただきたいと思っております。  米三法でございますけれども、例えば、MA米がなかりせばとか、あるいはまたBSEの教訓が生かされていたらばとか、あるいはまた規制緩和のことに関しましては入口の緩やかさがあったのならば出口の方をもう少ししっかりしておけばよかったのではないかとか、いろいろとあるんだろうというふうに思っております。そういう観点から、WTOMA米について大臣の方からお考えをまずお聞かせをいただきたいなというふうに思っております。  昨年の七月、日本の方で四%、二%、プラス二%、計八%だというよう考え方を出されていたかというふうに思っております。十一月になりまして、年末忙しい時期でございましたけれども議長の方から改めて提案がなされました。やりようは七月のときと同じように、石破大臣の好きなお言葉で言えばタッチ・アンド・ゴーのよう感じで、直ちに離陸をしてしまって四%という数字だけぽこんと置いていったと、こういうよう感じがいたすわけでありますけれども、それについてはまだこれから、いつ交渉が始まるのか、どういう内容になるのか、あるいはまた日本側のいたしました七月の提案の八%、このものが現実可能な交渉材料たり得るのかどうかも含めて、大臣から考え方をお聞かせいただければと思っております。
  6. 石破茂

    国務大臣石破茂君) 見通しは全く確たることが申し上げられるよう状況にはございません。といいますのは、アメリカも新政権が発足をいたしましたが、この新政権方向性がどうなっていくのか、あるいはどの国もそうですが、まず大事なのは保護貿易の台頭を阻止することなのだということで一致はしておりますが、じゃ、農産物についてどうなるのかということについてこういうようなプロセスでこうなるということが見えておるわけではございません。  私どもとしては、もう従来から申し上げておりますとおり、多様な農業の共存というのを基本理念とするということでありますし、具体的には上限関税の不適用、十分な重要品目の数及びその柔軟な取扱い確保ということを最重要項目交渉に臨むということにも何ら変わりはございません。ただ、これは国内お話でございますが、国内生産構造が脆弱化しというのはもう何度も何度も申し上げておることでございますが、WTO交渉交渉として国内において思い切った改革は必要であると、それはWTOにおいて我が国が更に強い立場で臨むためにも必要なんだというふうに私は考えておるところでございます。  重要品目がどうなるか。今、八%、あるいは六、四というお話もございました。私どもとして、十分な重要品目の数、そして柔軟な取扱い確保ということで申し上げてきておるところでございます。これがどうなるかはまた譲許表段階でどうなるかという議論とも関係をするわけでございますが、いずれにいたしましても、我が国として農業持続可能性をきちんと守る、そして輸入国としての立場がきちんと反映されるということは、同じよう考えている国も実はたくさんあるのでございまして、そういうような国とも連携を取りながら、我が国の国益が反映をされるというために最大限の努力を行うということでありますし、この委員会における御議論というものも当然のことながら十分に踏まえて対応したいと思っておるところでございます。
  7. 郡司彰

    郡司彰君 これはもうここの委員会の方々は共通の認識だろうと思いますけれども日本全体、相当な量の、額の輸入品目を受け入れているわけでありまして、ならしてみれば一二%弱ぐらいの関税率、これは大変世界の中でも逆に低い総関税率の計算になるんだろうと思っております。その中で、重要品目の八%というものを日本の方でしっかりと訴えていただきたいというふうには思うわけでございますけれども交渉事でございますから、しかし、それだけで物事が進むのかというと、なかなかそういかない場合があって、苦しい決断ということもこれまでも何度もしてきたわけでございますね。  それで、七月からのことについてお尋ねをしたわけでありますけれども大臣によりましていろいろ都度のお答えがございました。ポケットはいっぱいあるんだとか、ポケットの中に何が入っているかというのはそれは交渉事なんだと、こういうよう考え方がありましたけれども、この七月以降のことについて、口外をする、口に出して言う言わないは別でございますけれども、いろいろな意味でのシミュレーションあるいは検討、そうしたものが重ねられているということで理解をしてもよろしいんでしょうか。
  8. 石破茂

    国務大臣石破茂君) それはそういう御理解でよろしいと思います。出たとこ勝負みたいな話は全然駄目なので、いろいろなシミュレーションは当然行います。  これはもちろん外へ向かって言える話と言えない話とございますが、こうするとどうなる、ああするとどうなるというものをきちんと持っていなければ、逆にこれは絶対に守らなきゃいかぬということが説得力を持ちませんので、そしてまた、どうも対外交渉というのは勇ましい話が受けるところがございますけれども、それで駄目だったら袋だたきに遭うわけでございまして、やはり外交交渉というのは、そこはよく国内に可能な範囲において御説明をし、こうすればどうなるのかということについてある程度の認識を共有しないと最大の成果を得ることは難しいんだろうと思っております。  そのためにも、いろいろな意味でのシミュレーションというのは行い、可能な範囲においてまた御議論材料に供したいと思っております。
  9. 郡司彰

    郡司彰君 まさに外交は内政だということのゆえんだろうというふうに思いまして、いろいろなシミュレーションをなさっているんだろうと思っております。  今日は資料を二枚ほど配らせていただきました。もしかすると、この真ん中の、一枚目の紙の、日本提案というものが若干でも変更があるなしということもお聞きをしたかったわけでありますし、今そのことについてはお答えをいただいたのではないかなというふうに思っております。  さらに、左、右の議長テキストのことでいいますと、全品目の四%、条件付き・代償ありで二%までは認めると、こういうような形の内容だったかというふうに思います。諸外国提案でいいますと、いろいろと取りざたをされておりますのは、G20の方の途上国追加数一%上積みごとに全重要品目対象に低関税輸入枠を一%追加拡大、こういうようなことも言われているわけであります。  それが、例えばの話、ればたらの話で恐縮でございますけれども、もう一枚付けさせていただきました。今回の三法にかかわりのあるMA米の枠というものがもしも議長案であるならば、あるいはG20の案であるならば、それが、G20の場合には八%でも何でも結構ですよということになれば、相当数MA米増加ということに基礎の数字から割り出すとなっていくのではないかというようなことの一応の数字試算をしてみました。この試算そのものはこのよう考え方になるんだということでは了解ということになるんでありましょうか。
  10. 町田勝弘

    政府参考人町田勝弘君) お答え申し上げます。  私ども、今まさにモダリティー議論をしている段階でございます。個別の品目は、今後、モダリティーの合意がなされた後に譲許表交渉段階検討されることになると考えているところでございます。  お示しいただきました試算でございますが、一番下にあります米の消費量、これを先生資料では平成十七年から十九年と、こういった数字でございます。今、昨年十二月の議長テキストでは、これは二〇〇三年から二〇〇五年といった数字になっております。そういった違いはございますが、計算しますればおおむねこういった数字になるのではないかというふうに理解しております。
  11. 郡司彰

    郡司彰君 これから先の話はしなくてもいいんだというふうに思っております。しかし、一部のマスコミ等には、あたかもこのぐらいの数字でまとまるのではないか、決着をするのではないか、受け入れざるを得ないのではないかというものが独り歩きをしている嫌いもございまして、そのことを私どもがどうのこうのということではなくて、しっかり交渉をしていただきたいというふうに思っております。  しかしながら、幾らかでも増加をする形で決着があるのかないのかということになると、その辺も何とも言えない。しかし、一定のことについて、これからの米三法のいろいろな、作付けあるいは生産調整その他のことも含めて、内部でもしかするといろいろな意味での検討はなされているのかどうか、そのことだけちょっとお伺いをしたいと思います。
  12. 町田勝弘

    政府参考人町田勝弘君) 先ほども申し上げましたが、まさにモダリティーについて議論をしている段階でございます。個別品目につきましていろんなシミュレーションをやっているということにつきまして大臣からも御答弁があったところでございます。  そういった意味で、いろんなケースを置いて、内部でございます、これは申し上げるというようなものではございませんが、当然のことながらいろいろな検討はしているところでございますし、今後も交渉にしっかり臨むということはもちろんでございますが、いろんなケース考えてやっていくということは当然あろうかと思っております。
  13. 郡司彰

    郡司彰君 これ以上この話をするつもりはございません。しかし、入ってきたものについてはなかなか厄介であるなということの感触は得ているんだろうというふうに思っております。  例えば、今回の三法に至ったカビ米、あるいは事故米汚染米といういろいろな言い方をする場合もございますけれども、なかりせばという議論だけではなくて、あったにしても、重量からいうと七十七万トン、玄米よりは精米にした方が、十万トンぐらい重さでは軽くなるというようなこともあって、精米にしているのかどうか定かではありませんが、いずれにしても、精米で運んでくる中でいろいろなことが起こる。玄米でやったらどうなんだとかという議論もこれまでもあったんだろうというふうに思っております。  私の方は、幾つか、このMA米が、よしんばということだけではなくて、現在の数量そのものも含めてでございますけれども、年度によってはかなり量が増えたり少なくなったり、増嵩しているわけであります。その中で、可能性として、これ再輸出ということは可能なんでありましょうかどうか、お答えをいただきたいと思います。
  14. 石破茂

    国務大臣石破茂君) それは可能です。別にできないわけでもございません。例えば、毎年十万トンから二十万トン食糧援助として使ってきておるわけで、その中にはミニマムアクセス米は含まれております。政府米を出しているわけであります。  これはもう先生御案内のとおり、ミニマムアクセス米援助でありますとか、あるいは、これやったことはないんですが輸出をするとか、そういう場合については、特に援助に使う場合ですね、外国又は国際機関からの要請を踏まえ、FAO等に連絡協議するなど、国際ルールとの整合性財政負担にも留意すると。もちろん、外務省始め関係省庁連携をしながらやるということになるわけでございます。  冒頭申し上げましたように、これMA米商業輸出につきましては買手があるわけで、商業輸出の話ですが、そうすると、買手価格で折り合いを付けなければいけませんので、先ほど申し上げたよう実績はございません。先ほど申し上げましたよう実績はないのですが、輸出ができないかといえば、それはWTO上駄目と言われているわけではございません。やろうと思えばできます。
  15. 郡司彰

    郡司彰君 ありがとうございました。  大臣お答えが私の思いとも同じでございます。ちょっとこれまでの事務方とのやり取りだと、援助はともかく、できないんではないかというよう感触の答えがずっとあったものですから、私はできるだろうと、しかし、今まで実績としてあるなしというものではなくてできるだろうというふうに思っております。  世界穀物状況が逼迫をするあるいは高騰をする、そのような場合に、そのような再輸出ということも選択肢としてはある。ただし、その場合には、余り高くするということよりも、余り安くするということで入ってきたときの値段よりも下げるということが障壁になるかどうか、こういうことは出てくるんだろうと思いますが、基本的にはできるという選択の中で、今後、昨年のような場合にはなぜそれが検討されなかったのか。私は、昨年のよう時代背景を見ると検討すべき材料であったのではないかな、これまで頭の中でできないという前提でもしかしたら見ていたのではないかなというふうに思っておりまして、そこのところは今日の大臣答弁を聞いて取りあえず安心をいたしました。  それからもう一つ国際備蓄ということについて、これ私ども随分前から同じよう考え方を申し上げてまいりました。ホームページから資料を取り出していろいろと考えを巡らしておったのでありますけれども、これも昨日その資料相当古いという話をされまして、相当古い資料しかホームページでは取れないということもまた一つ問題だったんでありますけれども、その相当古い資料の中では、備蓄場所について、どこのところでもいいんだというような初めの考え方というものが示されているわけなんですね。ところが、今現在のものを見ると、そのような文言は出てまいりません。ここのところは考え方として初めはあったのかどうか。その場所を読むと、「備蓄実施」、「備蓄場所は、食料援助機動性効率性を考慮し、実施国国内・国外のいずれの場合も可能。」だというのが当初の日本側考え方であったはずなんです。  今現在のいただく資料は、非常に二、三枚しかないもので、そこにはそのようなことが書いておりませんけれども考え方が変わったというよりは、国際的な取決めの中でそれは今のところ無理だという判断をしているということなんでありましょうか。
  16. 町田勝弘

    政府参考人町田勝弘君) まずホームページが大変古かったということはおわびを申し上げたいと思います。  今議員御指摘をいただきましたのは、WTO農業交渉日本提案、これを二〇〇〇年の十二月に行っておりまして、この中で開発途上国への配慮に関する提案ということで、食料安全保障上の要請への対応ということで、そういう二国間や多国間の食糧援助スキームを補完し、一時的な不足等状況に際して現物の融資を行い得る国際備蓄の枠組みを検討すると、これが日本提案でございました。  ここでは場所等の限定はなかったわけでございますが、その後、東アジア緊急米備蓄パイロットプロジェクトというのが平成十六年からスタートいたしております。この対象につきましては、ASEANプラス日中韓ということでございまして、ここにその備蓄等を行うということになっておりまして、地域が限定されたと、こういった経緯になっているところでございます。
  17. 郡司彰

    郡司彰君 WTOルールからいうと、やっぱりいったん受け入れてということに多分なるんだろうと思うんですね。それは今の取決めではないか、国際備蓄という考え方をもう少ししっかりしたものにして国内外で備蓄ができるということになれば、これは相当違うありようになるんではないかなというふうに思っております。  これから東南アジア、アジアの国々はまさに人口が増えるということもありましょうけれども、三食まさにお米が食べられる経済状況になってくる、相当お米の消費というものが拡大をするというような予測もされるわけでありまして、裏返ってみれば、高騰その他のことによる非常な逼迫した状況というものも考えられるわけでありますので、そこのところはもう少し意欲的にWTOの場でそのようなことが可能かどうかのお取組をしていただきたいと思いますが、これは大臣の方にちょっとお考えをお聞かせいただければと思います。
  18. 石破茂

    国務大臣石破茂君) 東アジア緊急米備蓄パイロットプロジェクトにつきましては局長から説明を申し上げたとおりでございます。  要は、MA米を通関一回させて出すということでないと当然輸入のカウントにならない。WTO議論しているのは、世界食料不足をどうしましょうかという話ではなくて、世界貿易をどのようにやっていくかというお話で、そこへ日本が、外—外なんていう言い方をしておりますが、入れずにどっかで備蓄をしちゃうねということは、それは委員おっしゃるように、飢餓を撲滅するとか三食ちゃんとお米が食べられるということにはいいことだと。しかしながら、貿易ルールという点からいったらどうなんだということになってきます。そこは問題を生ずるおそれなしとしません。しませんが、私どもとして、WTOWTOといたしまして、実効性のある国際的な米備蓄スキームとは一体何なんだという議論は、それはそれとしてしていかねばならぬのだろうと思っております。  同時に、その場合に、納税者負担というのは一体どういうことになるんだろうねということも数字を示してみなければいけないことでございまして、幾つもの数字を置きながら議論をしなければいけません。  基本的に入れないで出す、出すというか、入れない、どこかへ備蓄するということがWTOルール上どうなのかということは、ここはもうそのことが問題を生ずるおそれがあるなというふうには思っております。ただ、議論一つの素材にはなり得ることでございますが、各方面からよく検討してみなければいかぬことだと思っておるところでございます。
  19. 郡司彰

    郡司彰君 またこの続きは別な機会にしたいと思います。  次に、自給率自給力関係について、生産調整総括一定程度きちんとすべきではないか、そういう時期ではないかというよう認識がございます。卵と鶏の関係ではないですけれども生産調整を何度か質的に変えてきた。結果として食管法内容を変えるような形にもなった。計画流通制度という形になり、国は今のところ備蓄MA米運営と、こういうことにお米の関係ではなってきたんだろうというふうに思っております。  この生産調整総括という議論の前に、今回の米粉あるいは飼料用米というよう作付け生産調整をきちんと行っていこうということになりますと、これまでの国の立場、米については備蓄MA米運営だけなんだということから若干変更というようなことになり得るんでしょうか。それは基本的には同じだということの理解でよろしいんでしょうか。
  20. 町田勝弘

    政府参考人町田勝弘君) この点につきましては、米の需給及び価格の安定を図るということで生産調整実施しているわけでございます。その生産調整実施一つの方法として、これまで自給率の低い麦、大豆、飼料作物、そういったものへの作付け転換といいましょうか、誘導したわけでございますが、なかなか湿田等で作りにくいといったよう状況もあるということで、今回法案も提出させていただいておりますが、米粉用米飼料用米といったものについて取り組みまして、自給力自給率の向上も図っていこうということでございます。基本的に考え方は変えてございません。
  21. 郡司彰

    郡司彰君 生産調整総括をすべきだということについて、どういう観点ですべきかということだろうというふうに思っております。  今のよう一つ観点もありますけれども、前回は、土地改良圃場整備その他の関係一つはあったのではないかというお話をさせていただきました。今回、私はそれ以外のところの思い付くままで言いますと、例えば転作奨励金という制度がつくられました。これは、最初は転作をしていただければ、減反をすれば、そこのところは小麦を植えたらその対価と同じような形でもって所得を補償しましょうよと。しかし、その後、これは生産調整の面積はどんどん拡大をするというような形になれば、実質的に単価の水準というのは下がってくるような形になってきたということも生産調整どうなんだろうかということの気分を生み出したんでないか。  それから、この生産調整をやっぱりしっかりやるんだということが基本に据えられることによって、例えば担い手でありますとかというような形の前段の認定農業者というものもこの生産調整にきちんと貢献をしているかどうかということも大きなこの判断材料になってきているんではないかというような形で、いろいろな政策がこの生産調整を軸に考えられてきた。  それから、この生産調整がやっぱり需給のバランスというようなことに優先順位を置くような形になっておって、逆に、食管制度よりもある意味法律の枠がないだけに、統制経済的な色彩を強めるような形になった。私は、去年の七万ヘクタールとか二十一万トンとかと言われている過剰の分を買い上げたなんというのはまさにその感覚の裏返しではないかなというよう感じも実はしているんであります。一方で、参加をしない方が結果としてはもうかるんだというような人たちまで生み出してしまった。  こういうようなことがいろいろとふくそう、錯綜をして、結果として農家の方の意欲というものを少し弱めたんではないか。その間に規模拡大をしろというけれども、例えば北海道なんかの場合には、一番減反率が高かったわけでありますから、五ヘクタール増やせといえば、五ヘクタールの倍土地を取得しないと、実際には五ヘクタールの拡大ができないような形になった。  当然リスクも相当程度増えるような形になるわけでありまして、このリスクが増えるということが結果としては規模拡大その他にも進まなかった大きな要因ではないかというふうに思っておりますけれども、私の方からするとそのような感覚がございますが、大臣の方で、いや、もっとこういう観点ではないかというようなこと等があればお聞かせをいただければなというふうに思っております。
  22. 石破茂

    国務大臣石破茂君) 基本的に委員のおっしゃるようなことだと思います。  じゃ、それをどうするんだということについて、みんな七転八倒しながら何かいい答えはないかなと思っているわけで、おっしゃるように、参加しない方が得なんだということになると、まじめに参加した人はばからしくてやっていられないわけで、正直者がばかを見るというのは、これはやっぱりまずかろうと思っております。それではもっともっと減反を強化というか、参加に強制力を持たせて、極端な話、減反に参加しなければ懲役だとか、そういうことをやることが本当に正しいのかといえば、それもそうでもないだろうと。  では一体どうすればいいんだろうねということが私の問題意識の根本にはあるわけでございます。そして、担い手としてもっともっと規模を拡大して、コストダウンを図ってやりたいねという人にも生産調整は掛かってくるわけで、本当にこれで規模を拡大しコストを下げるということのインセンティブが効いているかというと、それもそうではないであろうということでございます。  さはさりながら、一、二の三でみんなやめということになると本当に大規模から倒れていくので、ここを一体どうするかという、問題点は分かっているんですが、それを全部整合性を取って解決する方法というのがなかなか見当たらぬ。かつ、どうすれば財政負担が一番少なくて済むか。そのとき、つまり財政負担はずっと将来まで同じわけではないのであって、何らかの方法を取るとこのように米生産の構造が変わって財政負担は今後どうなって消費者の利益はどうなってというような多くの試算をしてみないと、これはいいというものは出てこないのだと。すべての人がもう本当にうれしくてハッピーで、これで良かったねというのは、私は恐らく今の時点でこれだというのを見出すことは難しいんだろうと思っています。  ただ、将来的には、米生産の構造がどうなっていくのかということ、そして何が消費者の利益になるかということを念頭に置きながら、生産調整総括というものはしていかねばならないのではないかと思います。
  23. 郡司彰

    郡司彰君 是非、やっぱりどこかできちんと立ち止まってこれまでのことを総括をすべきであるというふうに思っておりますので、しっかりやっていただきたいなと。  そして、私の思いからすると、最初の減反が始まったころまでのそのお米を処理をするために一兆円近く使った、その後の緩やかな減反になったときにまたたまってしまった、在庫量が増えた、二兆円ぐらい使った、それから、またちょっと別な感覚だけれども、UR合意の後に六兆円を超えるような対策というものをやった、計十兆円ぐらいのことを実際には使ってきたわけですね。そういうものの予算的な総括も、やっぱり私あのURのときも何回も言ったんですよ。ところが、まとまった形でやっぱりなされてないということがいつまでも同じよう議論を繰り返さざるを得ないということになっていると思いますので、よろしくお願いをしたいなというふうに思っております。  一方で、農家の方々の生産額、農業所得全体のその生産額が下がりつつあります。これは相対的なものではなくて、相当大きな原因がやっぱり横たわっているのではないか。この生産額の減退というのは、どういうことの要素の組合せでこのようになっているというふうにお考えでしょうか。
  24. 石破茂

    国務大臣石破茂君) 所得ベースで言えば、これもいつも申し上げているんですが、平成二年から十七年までの十五年間に六兆一千億から三兆四千億、半減です、半減。十五年間で半減というのは、これ大変なことであるというふうな認識を持っております。人ごとみたいに言っているわけじゃなくて、本当にこれを深刻に受け止めて農政というものを組み立てていかねばならないと思います。  じゃ、何でこんなことになったのか。一つはやはり輸入の増であります、一つ輸入の増だと。自給率は、平成二年と十七年と比べれば四八から四〇に下がっている。これが一つあります。もう一つは、この間に、六十五歳以上の基幹的農業従事者が平成二年は三割であったのが、平成十七年には六割に増えましたと。やはりこれも所得が下がった一つの理由であろうというふうに考えております。ただ、これだけではなくて、そのほかにも、農産物価格が低下傾向で推移をした、すなわち、農産物価格指数(総合)でまいりますと、平成二年が一一八・〇であったものが平成十七年には九九・七に下がっているということがあります。  これはもう少し子細に分析をしてみなければいかぬと思っておりますが、いずれにしても、何でこのようにして所得ベースで半分になったのかということをきちんと分析しませんと、これからどうするんだというお話になってまいりません。そういうものをきちんと踏まえた上で、現在行っておりますところの基本計画の見直しの議論ということは行われねばならないというふうに思っております。  とにかく、原因があるから結果があるのであって、それを変えていかないと新しい成果は出ないわけで、そのことに対して、私いつも申し上げるように、自給率も確かに大切です。確かに大切ですが、農地であり、そして農業者であり、そしてまたインフラでありという一つ一つの要素を精密に分析して手を打っていかないと、それは自給力なんか上がるまいと、結果として自給率が向上することにもならぬだろうということでございまして、茫漠たる議論ではなくて、精緻な議論をきちんと積み重ねたいというふうに考えて今作業をしておるところでございます。
  25. 郡司彰

    郡司彰君 農産物の自由化という路線が、路線といいますか、UR合意も含めて、そういうものも非常に影響をしたんだろうというふうに思っております。  それから、プラザ合意のとき以降の、やっぱり円高という形で農産物が割安になった、輸入物がですね。そういうものがどんどん入ってきて、国産の農産物に代替をするような下地がやっぱりつくられたんだろうと思っています。  それから、大臣がおっしゃった中にも少し重なっている部分があると思うんですけれども、やはり政府の方の財政再建をとにかくやっていかなくちゃならないというような中で、実は、行政価格、政府が買い上げるような農産物の価格というものが年ごとにずっと下げられたときがございました。これはやはり相当程度大きかったんだろうと思っております。言わばはさみ状に、価格差のシェーレが開いたと、やはり政府が鋏状価格差を開いたんではないかというようなことをやっぱり考えていただかないと私はいけないんではないかなというふうに思っております。  それから、例えばバブルが終わった後、今のような雇用の形態になった。終身雇用とか年功序列とかというものがなくなって、直ちに能力に合う、年齢とは関係なしのような賃金だったけれども、派遣の方々も増えた、あるいはリストラで生活保護を受ける人の数も相当増えた。あるいはまた、若い人で東京に住むような人はもらっている賃金の過半はやっぱり住宅といいますか住居の費用とか、あるいは昔と違って携帯に使うとか、食べ物はもう値ごろ感なものだけ買ってきて、とにかくおなかに入ればいいんだというような食生活になってきたということもあるんだと思っています。  それともう一つは、先週、農水省の方からいただいた米穀需給及び価格の安定に関する基本方針というようなものの中で、参考統計資料をいただきました。これ、例年のものでありますけれども、お米の関係でいうと、二百八十万トンは外食・中食産業の方に行っているわけですね。もうまるっきり、三分の一がそちらの方に行っている。  ここのところの、例えば最大大手のコンビニが三、四年前に栃木県産米を秋田県産米に替えました。これはなぜかというと、やっぱりロットがそろわないとか、それから品質の問題もあろうかと思いますけれども、しかし、市場でいうと、栃木産米よりは、申し訳ないですね、秋田産米の方が少し値段がよかったんですね。しかし、切り替えるときにどうなったかというと、それまでの値段よりも下がる値段で契約をしているわけですよ。  こういうような形でもって、取引流通の形態が昔から日本は寡占の業者が少ないんだと、中小が多くて大変困っているというか、まあ困っているというかそういう形態なんだと。しかし、今現在はやはり川下の方が価格決定をきちんとしてしまう、されてしまう、低価格で大口ロットで均質なものだと。こういうような形の中にきちんとやってこなかった。  それからもう一つ、先ほど言ったような、食管制度がなくなって、米でいえば、やはりある意味でのセーフティーネットがなくなったんですよ。そういうような形のところに国があるいは政府がこれまでどのように関与してきたかというと、私はそこのところは非常に弱かった。特に、行政価格を毎年下げることに関して、政府が下げることによってどのような影響が及ぼすかということを本当に積年考えて行政価格を下げてきたんだろうか。この辺のところはしっかりと総括をしていただきたいと思っておりますけれども、どうでしょうか。
  26. 石破茂

    国務大臣石破茂君) それは、それぞれの品目ごとにきちんと見ていかないといかぬのだろうと思います。  どこへ行っても、例えて言うと、果物がやたらと安いという話を聞きますね。果物はなきゃ死んじゃうというものじゃありませんので、どうしても需要としては劣後するところはあるんですが、そこにおいて量販店が価格の決定力みたいなものを持っているのではないだろうか。それは優越的地位を濫用してというようお話ではなくて、そういう公取めいたお話ではなくて、実際に店頭で売られる価格と所得の間に物すごく乖離があって、そこは二割、三割しかないのだということだとするならば、どうやって所得を上げていくかという話も考えていかねばならぬでしょう。あるいはどうやってコストを下げるかという話もそうですし、どうやって付加価値を付けるかという話もそうでしょう。  財政再建、私は財政再建論者の側に立っているつもりなのですけれども、さはさりながら、本当に農業というものを強くしていく、持続可能性を回復するためにはやはりそれなりの予算は必要なのだというふうに考えております。それがどうやって農業者の所得を上げることになるか、付加価値を増し、コストを低減することになるかということを全部の品目についてよく精査をして、これから先、五年先どうなる、十年先どうなるというのを示さなきゃいかぬと思っています。  もう一つは、委員御指摘のように、何か食べられりゃいいんだと、もうどの国産の何であろうがとは言いませんが、とにかく安全であれば、食欲を満たせば、空腹を埋めればそれでよいのだみたいなところがあります。ここは、食べ物について政府があれやこれや申し上げるということには当然限界がございます。  そうすると、国内産のものを食べるということについて何らかのインセンティブということを考えることはできないものなのだろうか。  日本型食生活がいかに健康にいいかというお話もずっと以前からされておるところでございます。あるいは、フードマイレージという考え方も確立した考え方ではないというふうに承知をいたしておりますが、やはり日本がこれだけ輸入をしておれば、地球の温暖化ということにそれなりの影響を与えておるわけであって、そこにおいてどうするか。いろいろな組合せの方法によって、国産のものを食べることへのインセンティブということはまじめに考えていかねばならぬのではないかと私は思っておるところでございます。  いろんな方がいろんな議論をされますが、それはアイデアとしては面白いねで終わっちゃっているところがございますですよね。そこにおいてWTOとの整合性考えながら、どうしていけば若い方々に国産のものを食べていただけるか。特に、朝御飯の欠食率なんというのはもう二十代が物すごい高い。それも、学生さん時代に朝御飯食べないということにもう慣れちゃっていますんで、もう二十代の欠食率が物すごい高いわけですが、そこをどうやって埋めていくかとか、物すごく細かいことの積み上げによらないと、この状況は打開できないという認識を持っております。
  27. 郡司彰

    郡司彰君 そこで大臣にお尋ねをしたいと思いますけれども、いろいろちょっと実は細かく言うと違うんだろうと思いますけれども、大ざっぱに言えば、十九年度から始まった品目横断担い手の法案のときに、これは戦後農政の大転換なんだと、中身的には価格政策から経営体政策への転換なんだと、こういうよう言い方をされました。  そして、これから二年ほどが今たとうとしているわけでありますけれども、その間の政府の動きを見ておりますと、これは余り自信を持ってそのことだけにきちんと進んでいるというよりは、いろいろどうだったのかな、こうだったのかなというような形でもって動いているんではないか。  そもそも、今この時点で、この政策が成功だったのかどうだったのかをお聞きをしたいと思いますし、ちょっと時間の関係で、大臣考え基本農政をこれからまとめようとするわけでありますけれども農業所得と農家所得というものが相当やっぱり違うんだろうと思っています。専業と兼業での農業所得のダウン率というのも相当違ってきております。そういうようなことで、そこのところと農政とのかかわり、これをどういうふうに持っていこうとしているのかを、まとめてお聞かせをいただきたいと思います。
  28. 石破茂

    国務大臣石破茂君) 経営安定対策につきましては、もうなかなか試行錯誤的な面は否定をいたしません。いろいろと直していかなければいかぬところはあるんだろうと思っておりますが、ただ、一つ申し上げられますのは、土地利用型の農業については水田・畑作経営所得安定対策、これに移行をしておるところでございます。  一方、野菜、果樹、畜産などにつきましては個々の対策で行っているということでございまして、この経営の安定ということについてきめ細かい対策を今後も講じていきたいというふうに考えておるところでございます。野菜ですとか畜産ですとか、その部門を専業とする農家が生産のほとんどを担っているということでほかのものとは構造が違うわけでございますが、引き続きまして、個別品目ごとの事情に即しまして、価格が著しく下落した場合に一定の補てん対策を行うと、そのような支援を行っていきたいというふうに思っておるわけでございます。  兼業、専業については、これが問題の本質というところがございまして、もちろん規模拡大だけでは限界がございます。当然でございます。そうすると、農家所得全体が向上するようにどうしていくかということなのでございますが、先ほども少し申し上げましたが、これは御党がおっしゃいます六次産業化とも恐らく重なるところが多いんだろうと思いますけれども、加工、販売も含めていかにして付加価値を上げていくかということを考えていかねばならない。そして、どのようにコストを下げていくかという議論をするときに、やはり専業と兼業の議論はここできちんとしていかねばならぬのだろうと思っております。  そうすると、すぐ小農切捨てという、こういう何というんでしょうか、もう何十年も前からこの言葉が出てきて構造改革というのはうまくいかなかったところがございます。小農切捨てなぞということを私ども考えておるわけではございませんし、家族経営が重要であることもよくよく分かっております。しかしながら、高コスト構造を是正するために何ができるか、そのときに、その兼業と専業の構造の違いというものは当然認識すべきものであって、それが結果として、兼業であっても所得の向上、コストの削減、付加価値の上昇、それにつながるものであれば、それは小農切捨てという言葉でばさっとやられるものじゃないだろうというふうに考えております。  所得の向上のためには付加価値を上げる、コストを下げる、そのためにいろんな政策を動員をし、それを六次産業化と言おうが農商工連携と言おうが、そのことに政策は配意をすべきだと私は考えております。
  29. 郡司彰

    郡司彰君 少しまだ議論をしたいところでありますけれども、ちょっと時間が足りませんので次の方に移らせていただきます。  三法全体の像についてちょっとお尋ねをしたいと思いますが、前から私は言っておりますけれども、法案の条文に肝心なところを書いていないような気がするんですよ。政省令にゆだねるというところが余りにも多過ぎる。  今回の三法でいいますと、政省令にゆだねるというのはそれぞれどういう箇所がどの程度あるんでしょうか。
  30. 町田勝弘

    政府参考人町田勝弘君) 三法案ございますので、少しお時間をちょうだいして説明をさせていただきたいと思います。  まず、米粉・えさ米法案の政省令規定事項でございます。  農業改良資金の認定事業者に対する償還期間、これは政令事項でございますが、これを十二年以内とすることを基本検討しております。また、その普及によりまして米穀の新用途への利用に資するものとして、まさに米粉、飼料を定めると、これは省令で定めることといたしております。  また、次に、米トレーサビリティー法案でございますが、まず政令事項といたしまして、米穀以外に記録の作成、保存を行うことが必要な対象物資といたしまして、米粉、米飯類、もち、あられ、せんべい、米粉パンなどを基本検討しているところでございます。  産地情報伝達を義務付ける対象物資でございます、これも政令事項でございますが、米穀、御飯として提供をされるもの、社会通念上、米を主たる原材料とするもの、米を原材料としていることを商品の訴求ポイントにしているもの、米粉パンなど、を基本検討しているところでございます。  また、省令事項でございます、トレサ法の省令事項でございますが、取引等記録の作成方法の詳細につきましては、帳簿等への記載のほかに納品書、送り状など通常の商取引に用いられる伝票類の保存や電子データによる記録等、幅広く認める方向で検討しております。  次に、産地情報伝達方法の詳細でございますが、これにつきましては、容器や包装への表示、メニューへの記載、店舗内の見やすい場所への提示などの手法について検討しております。  三点目、食糧法改正法案でございます。  これにつきましては、米穀の出荷、販売の事業を行う者が守るべき遵守事項、省令事項でございますが、これといたしまして、一つとして、用途が限定された米穀については、その定められた用途以外に使用してはならないということ、二つ目として、他の用途の米が混入しないように区分保管すべきこと、三つ目として、定められた用途に使用されることとなるよう、販売に際して当該用途に使用をする相手方の確認などの適切な措置をとるべきこと、こういったことで検討をしているところでございます。
  31. 郡司彰

    郡司彰君 先ほど出しました担い手の法案のときも、あのときは十六条のうち十一か所ぐらいあったんですよ。それで、肝心のその議論をしている中身というのはほとんど条文に出てこないんですよね。  大臣、ちょっとお尋ねをしますけれども、肝心なところは政省令で定めて事務的なものを法案として審議をすると、こういうような形になりつつあるんじゃないかなと思っていますが、そもそも政省令で定めるというのはどの程度のものを定めるということ、あるいは法案として議論をするのはどういう中身にすべきだというふうにお考えでしょうか。
  32. 石破茂

    国務大臣石破茂君) これは、要は法律条文になじむかなじまないかというお話になるんだと私は思っております。そこまで法律に書くのかねということはもう条文にはなってこないんですが、ただ委員御指摘のように、じゃ政省令を見ないとどうなるのか実際に分からないねということも事実なんでございます。  ですから、その見込み事項ということで、これは法律案の提出時点で想定し得る基本的な内容については法案担当部局できちんと検討して、そしてまた準備をいたしておるわけでございます。ですので、そこで、私の答弁でもそうなんですが、この点は政令で、省令でこのようにしておりますということもやっぱり併せて御説明をしていかねばならぬのだろうというふうに思っております。  これは、国会で御質問があればきちんと御説明するように準備もしておるところでございますが、あらかじめ私ども答弁をします際にそのこともきちんと併せてお話をするということは今後必要ではないかなと思っております。
  33. 郡司彰

    郡司彰君 町田局長が衆議院の方では、内容はいつごろ決まるんだと言ったら、夏ごろだということなので、私、今日から夏服にしてまいりました。ですから、今日は全部これで検討が終わったかなと思ったんでありますけれども、まだのようでありますので、このことは次回の十六日にもっと細かくちょっと質問をさせていただきたいなと思っております。  この中で、例えば、先ほどちょっと触れましたけれども米粉あるいは飼料用米どれだけ作付けをするんだ、あるいは五十万トンと言っているけど、これは米粉の量なのかあるいはもみの量なのかよく分からないところもありますけれども、そういうものも含めて水田協議会で協議をするとか、あるいは先ほどの食糧法の五十三条でいうと自治体でやるとか、こういう法案、今回の場合だけではなくて、この法案の審議というのは、終わってから相手とやるんでしょうか、途中でもやっているんでしょうか、どういうタイミングでどの程度相手の方と話をするんでありましょうか。これは簡単にお答えいただきたい。
  34. 町田勝弘

    政府参考人町田勝弘君) 今回の米関連三法案で申し上げますと、この法律案の中身、一部地方でも権限行使できるように措置するといった内容もございます。こういった点を含めまして、私ども、この法案の策定の段階から、いわゆる地方六団体のすべてに説明を行いますとともに、特に、都道府県が事務を分担することとなるという点から、全国知事会に対しては、昨年の暮れ以降、複数回に渡りまして説明と意見交換を重ねてきているということでございます。今後法案が成立いたしますれば、具体的内容が固まってくるのに合わせまして、各都道府県にも丁寧に説明を行っていく考えでございます。
  35. 郡司彰

    郡司彰君 そこの現場の方の各都道府県の方がどういう認識でいるか、実際にこれができるのかどうかということについてはまたちょっと次回にさせていただきたいと思っております。  大臣の方にちょっとお考えをお聞きをしたいと思いますけれども、ほかの国がやっているから全部いいということではないんでありますけれども、例えば先ほどの政省令のようなものを、一定の時期の後に、これだけきちんと固まりましたと、この法案審議いただいたけれども、あのとき決まってなかったものがこのような形で政省令としてでき上がりました、このことを、一定期間後でよろしいんでありますけれども、国会の方に提出をするというようなことは可能でありましょうか。
  36. 石破茂

    国務大臣石破茂君) それは不可能だとは思っておりません。私自身そう思います。  ただ、これ議会と内閣の関係でございますので、私としては不可能ではないというお答えになりますが、今後どうするかはまさしく衆参両院と内閣との間でお話をいただくものだと思っております。
  37. 郡司彰

    郡司彰君 やはり、この前の担い手の関係などは、私どもよりは与党の皆さん方がそんなことまで決めてないじゃないかというような話をその後大分なさっておりました。私どもからしてもやはりそういう中身がございました。  事後審査というものが、やはりこの国の法案の仕組みからすると、一定程度大事なものについては必要ではないかというふうに思っておりまして、これは私どもとしても国会改革とかその他のところでも提案をしていかなければいけないのかもしれませんけれども大臣の方にも、これ多分農水省だけでやりますよということにも多分ならないんでありましょう、相当な抵抗もあるんだと思いますから、そのようなつもりで私どもこれからやっていきたいなというふうに思っております。  それから、もう一つでございますけれども、一番最初にやりましたWTO関係というものは、これはどこの国でもそうでありましょうし、私どもの国でもこの農政にかかわればすべての項目がやっぱりそことの照らし合わせてどうなんだろうかというふうになってくるということだろうというふうに思います。  しかし、私どもが不勉強なところもあります。この法案は緑ですよとか、この法案は青ですよとか、それから予算上この予算は色分けするとこうなるんですよと、こういうものがありますと、日常ふだんにWTOというものも感覚として理解をしながら、やはり農政というものをきちんとやっていくということになるんではないか。私は、できますれば法案、予算等についてWTOの色分けをして示していただければと思っておりますが、どうでしょう。
  38. 石破茂

    国務大臣石破茂君) 私は省内の議論において、できるだけそういうふうに示してくれということは申し上げておるところでございます。  ただ、例えば黄色の政策が物すごく削減されていくとかということがございますですよね。あるいは、実際にはこれどっちなんだというのが判然としない、これが条文上すべてクリアになっているというものでもございませんので、そういう技術的な困難を伴うところはございます。また、将来的に、そこで申し上げたことが後で違うじゃないかみたいなこともないとは申し上げません。私どもとして、それが赤、青、黄でしたか、緑、そこにおいてどの色になるのかということは常に意識をしながらお話をしておるつもりでございます。法案の御説明あるいは予算の御説明のときにそういうこともきちんと意識をしながらお話をしてまいりたいと思います。
  39. 郡司彰

    郡司彰君 できるだけそれをやっていただければなというふうに思います。といいますのは、今大臣まさにおっしゃったように、判然としないものもありますですよね。それから、明らかに今現在という形では出せないものも多分あるんだろうと思います。私は、例えば黄色のものであれば、しかし私たちの国は黄色であってもやるんですよという議論もやっぱりしなければいけないんだろうというふうに思っているんです。そういう意味で出していただければなというふうに思っております。  それぞれの三法についての細かい部分につきましては次回にさせていただきたいと思いまして、今日のところは終わらせていただきます。
  40. 大河原雅子

    大河原雅子君 民主党の大河原雅子でございます。郡司委員に続きまして、米三法について質問をさせていただきます。  米トレーサビリティー法、また食糧関連法の方を先に質問させていただきます。  三笠フーズに端を発した非食用の事故米流通、大変な事件だったと思うんです。東京でいいますと、三鷹市の学校給食で手巻きずしに使われていたでん粉がその事故米からできたでん粉だという疑いが出て、もうブラックボックス、米の形じゃなくて別の形に変わっていたものが子供たちの食べていたものに入っていたと。そういう意味では、本当にここでこんな不名誉なことをきちんと挽回するために国がどれほどのことができるのかというのがまさしく国民全体から問われているというふうに思っております。  そこでまず、大臣に、この事故米のことについて、事故米穀の不正流通、総括としてどういう問題だったのか、お聞きしたいと思います。
  41. 石破茂

    国務大臣石破茂君) それは三笠フーズが一番悪いに決まっておるわけですが、ただ私どもとして、行政としての対応が十分なりせば、そういういかに悪らつな者がおったとしてもそういうことはなかったということで、第一次的な責任は私どもにあるということは従来から申し上げておるとおりでございます。  そこで、いろんなことをやってきました。一つは、輸入検疫で食品衛生法上問題があるというお米は返すか廃棄するかにいたします。そして、輸入米の販売直前にカビ、カビ毒のチェックは行います。そして、立入検査のマニュアルがなかったわけで、一体、九十六回行って何をしておったかということでございまして、このマニュアルの整備も行いました。再発防止の対策はそういうことでございます。  一方で、事故米問題の際にはどうなるのかというと、私どもの反省として、記録の保存とか整備が不十分で、一体どういうふうな流通ルートをたどったのだということが分かるのに物すごい時間が掛かりました。もう一つは、国産米を使っていると思われていた商品にまで輸入品の事故米の使用があったということで消費者の皆様方の御不安が高じました。ということで、不正規流通のチェックが十分でなかったというふうな認識も持っておるわけでございます。  昨年の十月から米流通システム検討会において検討いたしまして、消費者の皆様方の視点に立たねばならぬということから、米穀の適正な流通が確保される仕組み、必要なときに流通経路を迅速に解明できるトレーサビリティーの仕組み、あるいは米製品の原料米の原産地に関する情報消費者の皆様方に提供できる仕組み、こういうものを一体的に整備をする必要があると思ったわけでございまして、本法案、トレーサビリティー法案ですね、及び食糧法案は、この考え方を踏まえました上で、トレーサビリティー法案におきまして、米穀等の販売を行う事業者に対し、その取引に係る情報記録をきちんとやってください、そして産地情報伝達をきちんとやってくださいということを義務付けるわけでございます。あるいは、米の出荷、販売を行う事業者が守るべきルール、これは食糧法案においてこういうことを守ってくださいということを明確化する、明確化しただけじゃ駄目なので、罰則を強化するということをやっておるわけでございます。  したがいまして、米トレサ法案そして食糧法の改正によりまして、早くやらなきゃいけない、そして的確に対応しなきゃいけないということが流通過程において担保されるというふうに私ども考えておるわけでございます。
  42. 大河原雅子

    大河原雅子君 法案の先の細かい部分を伺っていきたいと思うんですが、私、今大臣おっしゃった中で、今回の事件を解決していくときに余りにもやっぱり時間が掛かったと思うんですよ。  それから、今度の食糧法の改正で、業者の立入検査をする場合に、拒否に遭ったときには懲役も科すことができるなどという、こういう規定を置くというような、いきなり、わっと、そのペナルティーを強くしているという印象も持ちますけれども。  そもそもどうして業者は立入りを積極的に協力できなかったのかというようなことから、申し訳ないけれども、やはりこれまでの緩んだ農政の中で、国、政府の、農水省のお役人と事業者の不適切な関係とか、そういうことまできちんと、綱紀粛正するということはきちんとされているんでしょうか。
  43. 石破茂

    国務大臣石破茂君) その点については、何が不適切な関係であるのかということについて徹底的な聞き取り調査を行いました。  ただ、私どもとして、強制捜査権を持っているわけではございませんので、限界はございます。ですから、三笠フーズの経営者が逮捕され、そこにおいていろいろな取調べがなされということだと思っておりますが、私どもとして、強制捜査権があるわけではございませんが、おっしゃるような不適切な関係、あるいは、私はそれはなかなか、動かぬ証拠を見付けるというのは私どもとして難しいことだと思うんですけれども、委員のお言葉を借りれば、緊張感のない緩んだ関係というのは、これはもう一体だれのために仕事をしているのということなのでございます。  私は、大臣になりまして早々に福岡農政事務所にも参っていろんなことを聞いてまいりました。現場も見てみました。実際にこれが食の安全に責任を持つ省庁として自覚を持ってやっていたとは、農政事務所だけが悪いなんて私は申しません、本省だってそうです。そのことによって処分も行いました。処分を行えばそれでいいというものではございませんので、本当にそういう意識にきちんとなっているかということはこれから先も徹底をしていかねばならぬことだというふうに思っております。  今回、もし仮に万が一こういうことが起こったとすれば、この省庁はもう存在意義がないんだということですよということも私は折に触れて申し上げているところでございます。
  44. 大河原雅子

    大河原雅子君 是非とも、農水省OBの皆さんの天下り団体のチェックも私ども進めてまいりますので、そこのところはもう毎日毎日びしっと、消費者の方を向いて農政を進めていただきたいと思います。  それで、またしても消費者目線に立った行政ということで質問を続けさせていただくわけなんですが、こうした不名誉な事件を二度と繰り返さないためには、今回の法案で、トレーサビリティー法では、米穀及び飲食料品の原料である米穀産地情報伝達等の重要な事項を新たに定めるということになっております。しかし、消費者を保護する観点からの法律として既にJAS法がありまして、本法案では産地情報伝達は決めているんですけれども、片方で品質表示のJAS法がある、基準が決まっているわけです。  そういう意味では、JAS法は製造事業者に対して対象としているわけですけれども、今度の法律は米を消費者に供する場合は基本的にすべての業者が対象となるということですよね。そうすると、重複している部分も実際出てきますし、重複しているところがかなりではないかと、制度自体が複雑になって混乱を招くんじゃないかというふうにも思うんですけれども。米の産地情報を、その部分をJAS法にきちんと入れ込む、消費者、国民から見て分かりやすい法体系になぜしないのかというふうに素朴な疑問を持つわけです。  そこでお尋ねをいたしますが、どうして今回JAS法と本法とで異なる体系を組まざるを得ないんでしょうか。理由はどうでしょうか。
  45. 町田勝弘

    政府参考人町田勝弘君) 米トレーサビリティー法案におけます産地情報伝達でございますが、事故米問題の際に、ふだんから食べている米加工品や外食、弁当などの原料米の産地が分からないといったことから消費者の方の不安が増幅したことを踏まえまして、御指摘をいただきましたように、外食における御飯の提供を含めて、各種の米関連製品につきまして原料米の産地情報伝達するというものでございます。また、外食店などにおきましては、インターネットでの掲示、店内への掲示などの伝達方法も幅広く認めていきたいというふうに考えているところでございます。  一方、JAS法でございますが、米の原産地表示は、米関連製品では米ともちに限定をされております。また、消費者が購入する際に的確な商品選択ができるようにということで、表示方法も商品の包装及び容器などに直接表示をするということになっております。インターネットでの掲示や店内への掲示のような形態は認められていないということでございます。  こうした事情を踏まえまして、JAS法とは別途の仕組みとして、米トレーサビリティー法案におきまして新たに産地情報伝達を措置することとしたものでございます。  なお、JAS法との関係でございますが、米トレーサビリティー法案の産地情報伝達は、消費者が産地を識別できるようにするという点ではJAS法に基づく表示と同様の趣旨を持つものでございます。JAS法により原料米の原産地表示が義務付けられておりますもの、現在、米、もちでございますが、これにつきましては米トレーサビリティー法案におけます産地情報の一般消費者への伝達の義務を除外することとして整理をしたところでございます。
  46. 大河原雅子

    大河原雅子君 それでは、具体的に産地情報伝達という意味では、どういうことを指すのかをもう少し詳しく教えていただきたいんですね。  外国産と国内産とを分ける程度なのか。それとも、国名をきちんと表示して、例えば中国産、ベトナム産であるとか。それ以上に、中国産だったらば、これは広東省なのか四川省なのかと、そういう産地名までもきちんとできるようなことを示すのかどうか。そのことで、やはりこの産地情報伝達というのが食の安全についてどういう意味を持つとお考えなのか、お聞きしたいと思います。
  47. 町田勝弘

    政府参考人町田勝弘君) 産地情報伝達でございますが、国につきましては、国産であれば国産、外国産につきましては国名を表示、情報として伝達をしていただくということにしているところでございます。冒頭申し上げましたが、知らないうちに外国産のものを食べていたということでございますので、外国産ということだけではなく、その国名も表示をしていただくということでございます。  なお、それ以上の産地と、例えば広東省とか御事例がありましたが、そういったところまでの伝達は求めるという考えはございません。
  48. 大河原雅子

    大河原雅子君 昨日、私、帰りにスーパーに寄ったんです。高級スーパーじゃなくて、もう本当にごく普通のスーパーでございますけれども、そこの棚に並んでいるものは本当に今回国産のものが多くなっていて、小麦粉も、また米粉って言うから何か新しく聞こえますが、上新粉、だんごの粉です。ですから、そこももう既にウルチ米、国産とか、モチ米、国産とか、これは新潟県のどこの米一〇〇%ですとか、表示はどんどん進んで事業者がやっております。でも、問題になるのは、やはりそういうことが積極的に出せないものについてなんじゃないかなと。  だから、そういうところのことを含めれば、やはり今回トレーサビリティー法を使って産地情報を出していこうという国の姿勢は一定評価はいたしますけれども余り、効果があるのかなというのがちょっと私にとっては疑問が残っております。  それで、そもそもトレーサビリティーというのは、どこから来てどこに行ったかということをきちんと把握をするということで、伝票の管理がしっかり行われるということだけで実は可能なんですよね。それで、今回の法律では米ということがあるんですが、実は消費者側からすれば、野菜だって果物だって、取引が行われているものなら何でもこのトレーサビリティーがきちんと確立されなきゃいけないというふうに思うんですけれども、これはお米でうまくいけばほかの品目にも広げようというようなお考えなんでしょうか。およそ市場流通している農産品であれば、この伝票の管理というのは既に行われているとも思うんですけれども、そういう意味では、この事故米の問題があって、米について特段取り出して産地情報伝達ということで慌ててこの法案を作ったという印象を免れません。  それで、これはすべての農産品を対象にして私は拡大すべきであるというふうに思っているわけなんですが、その点についてはどうでしょうか。
  49. 石破茂

    国務大臣石破茂君) 別に、慌ててやったと、こう言われると、何かこう、いや、そうではございませんと、こう言いたくなるんですが、ただ、御指摘のように、事故が起こりました。やっぱりそういうような反省、真摯な反省に基づいてこの法案を作ったということはございます。かねてから答弁申し上げておることと重なるかもしれませんが、やはり米が主食ですよということ、そして消費者の方々の御関心も強いですよということ、で米トレサ法案ということになっておるものでございます。  全部に広げるのが望ましいことは言うまでもございません。ただ、そうしましたときに、郡司委員の先ほどの御質問の中にもございましたが、我が国のいろんなスーパーですとかあるいはいろんな業者というのは、まだ寡占化が進んでいない。それがいいことか悪いことかは別にして、中小零細の方々が怒られるわけでございます。そこの事務的な負担がどうなるかとか、あるいは仕入れる場所が、常に安定的に供給しなきゃいかぬということになると、仕入れる場所が変動し得るということになる。その都度その都度表示を変えるのかとか、そういうような中小零細の方々の負担を減らす方策と、消費者の方々の安心、安全というものを確保すると、この両立を図っていかねばならぬことだというふうに思っております。  私どもとして、農業者、中小事業者の方々も実施可能となるような環境づくりは進めていかねばならない。そして、トレーサビリティーの導入を推進してまいりたいと考えております。  ですから、これでうまくいったらということも、それはないわけじゃございませんが、そのほかのものについても、あるいは加工の度合いによりましても形態に差はございますので、消費者の方々への適切な情報提供ということを最優先としながら、実行可能性というものを更に上げていきたい、その方途について議論を進め、実行に移していきたいと思っております。
  50. 大河原雅子

    大河原雅子君 確かに、中小の事業者の方たちの御負担が増えるということは私も望みませんけれども、片方では地産地消といい、フードマイレージといい、これまで輸入大国だということから少し脱していこうという機運が出てきているということでいえば、やはりこういうことに憶病であってはいけないというふうに思うんです。顔が見える生産者、製造者ということがどれだけこれからの消費を上向けるかということにも是非気を配っていただきたいというふうに思っております。  それで、いま一度伺いたいんですが、この法案の対象品目というのはどういうふうになっているんでしょうか。  今回のあの事故米の事件では、しょうちゅうメーカーとか和菓子屋さんが大変な目に遭ったわけなんですけれども、特にさっき冒頭でも三鷹市の学校給食のことも申し上げましたけれども、本当にブラックボックスになってしまうようなことから是非脱したイメージをきちんと出していくには、対象品目米穀及び米穀を原料とする飲食料品であって、政令で先ほど定めるということなんですけれども、もっときちんと言えないものなんでしょうか。
  51. 町田勝弘

    政府参考人町田勝弘君) お答えを申し上げます。  政令で定めるものということでございまして、今政令に規定をしたいというふうに考えているものでございますが、米の加工品でありまして食糧法に規定する主要食糧に該当するものということでございます。具体的には、米粉、米飯類、御飯類、もち、米菓生地などでございます。  二つ目といたしまして、その他の加工品であって、社会通念上米を主たる原材料とするもの、あられ、せんべいなどでございます。また、米を原材料としていることを訴求ポイントにしているものということで米粉パンなど、こういったものを基本といたしまして、現在トレーサビリティーの対象品目検討を進めているところでございます。
  52. 大河原雅子

    大河原雅子君 やっぱり肝心なところが抜けていると私は思うんですよ。これ、やっぱり事故発生から半年ということで有識者の会議も開かれて検討されているわけですよね。  でも、問題になっていたものの中に酒類が入っていて、これはやっぱり典型例でしょう。それが入ってないというのはとても私は信じられない。専門委員会の中でもこの酒をきちんと入れるべきだと、もう対象とすべきだというふうに言っているわけなんですけれども大臣、どうですか、ここで、是非、この酒がなぜここにこの時点で入れられなかったのか、国税庁の方に来ていただいているんで、そのお二人から伺いたいと思うんですが、先に国税庁から伺います。
  53. 西村善嗣

    政府参考人西村善嗣君) お答え申し上げます。  酒類につきましては、法律上、政令で指定することによりまして対象品目に加えることができるよう措置をしているところでございます。  有識者会議取りまとめにおきます指摘は承知をしているところでございまして、酒類を対象品目とするかどうかにつきましては、今後、社会通念上米を主たる原材料とする他の米加工品を所管する農林水産省とも相談をしながら検討をしてまいりたいと考えております。
  54. 石破茂

    国務大臣石破茂君) 今の国税庁から答弁があったとおりですが、これ、酒は当省の所管ではございませんのでそういうことになっているというだけの話であって、私どもとしては、今国税庁からもお話がありましたように、これは入れるべきだというふうに思っております。ただ、それを言い切るだけの権能を持っておりませんのでこういう話になっておりますが、委員御指摘のように、今回その酒でいろんなことが起こりました。そのことはよく認識をいたしておりますので、この法律もそういう仕組みになっております。  ですから、国税庁と御相談をし、御相談といっても、どうしましょうねという話じゃなくて、やはりそれは入れるべきだという方向を持って議論をし、消費者の方々にきちんとした情報を提供することになるというふうに私は大臣として考えております。
  55. 大河原雅子

    大河原雅子君 だから、国税庁の方が税金を取る立場から所管がずっと酒は国税庁の所管だったんですけど、今伺ったら、これを先々この法律対象にするということもしていきたいと。大臣は元々そういうふうなお考えだということが今分かりましたから、それを入れた上でこの法案を出せばよかったんじゃないんですか。どうぞ、もう一回お返事ください。
  56. 町田勝弘

    政府参考人町田勝弘君) そういう御指摘はあろうかと思いますが、私どもは、この骨格をつくるときには米穀及び米穀の加工品ということでいろいろ制度を仕組む検討を流通システム検討会でやっていただきました。JAS法との関係についてもそこで整理をしていただいたものでございます。  繰り返しになりますが、先ほど言いましたような政令規定する事項につきましては、この夏を目途にできるだけ早く詰めていきたいというふうに考えているところでございます。
  57. 大河原雅子

    大河原雅子君 先ほど郡司委員が、政令で、政省令で決めていくということのおかしさについて、もう農家の担い手法案のときも指摘されて、今回も指摘をされているんですけれど、やっぱり、この法案の審議をするときに、例えば政省令の案でもいいから出すべきじゃないですか。農水委員会議論に、たたき台になるように、案でもいいから出すべきだと思うんですが、どうでしょうか。
  58. 町田勝弘

    政府参考人町田勝弘君) 現在まさにこの三法案を審議していただいているわけでございまして、政省令規定見込み事項につきまして御審議をされるという場合で、今まさにその場合でございますが、現時点で想定される検討内容を御説明させていただいております。また、審議でのいろいろな御指摘をいただき、また国民の皆様の声もいただくことになります。パブリックコメント等やるわけでございます。その施行に向けて、そういったものを含めて成案を得るよう検討するということでございます。  直ちに私が今この場でその案としてお示しできるかどうかというのは、先ほど郡司委員と大臣とのやり取り、これはできた後の議論でございましたが、といったこともありますので、私どもはとくにかく丁寧に御説明をさせていただいているということで御理解をいただきたいと思います。
  59. 大河原雅子

    大河原雅子君 なかなか理解はできないんですね。それで、対応は後ほど相談をさせていただきたいと思いますけれども、やはり国会の専門の委員会で審議をするわけですから、消費者の方々もしっかり注目して見ています。もちろん事業者の方たちは注目度は大でしょうけれども、そういう意味ではやはり丁寧な資料の提供と、議論のプロセスもきちんと示していただきたいというふうに思います。  それでは、次の米粉飼料用米法案の方に移りたいと思います。  新用途法案の質問なんですが、確かに米の消費量というのはどんどん減ってきて、米以外のものを食べる、肉を食べるようになったというようなこともあるんですけれども、主食という考え方が私はこの国ではずれてしまったんじゃないかなと、余りきちんと持ってこなかったんじゃないか。諸外国の例を見ても、パンを食べている国、パスタを食べている国、小麦粉を使って主食を担っている国は、主食の位置付けというものについて余り変わっていないんですね。日本人ほど和洋中華、食べるようになった国民いないと思うんですよ。家庭でも食卓に和食だけ毎日続くというような御家庭はなかなかなくなってしまったというふうに思いますけれども、ありとあらゆる食材を世界中から集めてきていた我が国ですけれども、そういう意味では、お金を幾ら出しても買えない、食べ物が余る時代から足りなくなる時代に来ているというのがもう地球規模であるということを是非認識をしていただかなきゃならないというふうに思います。  それについては、やはり日本のこの小さい島国ですけれども、北から南まで多様な気候があります、土地柄があります。ですから、やはり適材適所、その土地に合ったものをきちんと作っていくということが必要だというふうに思っております。先日、視察に行かせていただいた佐倉市では、印旛沼の土地改良地でしたけれども、湿地が多くて麦や大豆への転換がなかなか難しかったということは、現地へ行ってみればやはりよく分かったところです。  石破大臣は、生産調整についてはしっかりと議論して、そして来春、春にも基本方針を策定するというふうにおっしゃっているわけなんですけれども、そういうふうに考えると、またこの法案を成立させても、今後の議論次第では米政策が大きく変わる可能性があるというふうに受け取られてしまいます。この法案を改正しなければならない可能性が出てくるということなんですけれども、今回この法律を是非とも成立させたいというふうに思われるんでしたらば、この中身ですね、私、なかなか薄いなと。例えば、交付金の措置が盛られているわけでもなくて、この新用途米の計画を作れば、その利用にかかわる施設整備に融資の償還期限を二年延長するぐらい、そのぐらいしか見受けられないんですよ、メリットは。来春の国のグランドデザインである基本計画の策定を待っても遅くはないんじゃないでしょうか。今出す必要がどういうふうにあるのか。特に農家の方々に何がメリットなのかということを明快に御答弁いただきたい、これは大臣にお願いしたいと思います。
  60. 石破茂

    国務大臣石破茂君) 委員が先ほど御指摘のような主食の話は実はなかなかとても難しくて、日本は米だというんですが、それに該当するようなそのほかの国にあるかねというと、なかなかそこは難しいと。例えばケニアの主食はウガリというんだそうです。また、エチオピアの主食はインジェラというんだそうでありまして、イランの主食はチェロウというんだそうでありまして、何かいっぱいあるなというふうに思っておりますが、それが議論の本質ではなくて、要するに畜産物、そういうものにシフトしていったというところをどう考えるんだということが極めて難しいんだろうなというふうに思っております。  それで、どなたが何をお食べになるか、そこはまた議論の根底にあるわけですが、そういうこともいろいろ考えていきながら基本計画を作っていくわけでございます。基本計画ができなきゃ新しい政策に取り組めないというお話では決してございませんが、ございませんが、しかしながらこのトレサ法案、あるいは食糧法の改正というのは、私はある種急ぐんだろうと思っておりますですね。主食であるがゆえに急ぐのだと、善は急げみたいなお話でございまして、これを先行させるということは私はむしろ必要なことなのだというふうに考えておるわけでございます。そして、米粉米、そしてえさ米の利用促進にも取り組むのだということになるわけですが、もちろんのこと、基本計画の中にも米粉米、えさ米というものを適切に位置付けて、振興の目標も示していきたいというふうに思っております。  農家に何のメリットがあるんだって話ですが、やはりお米以外は非常に作りにくいってところがございますですね。あるいは、新たな投資というものも基本的に、お米に違いはないわけで、新たな投資というものも必要ないということになるわけでございます。そうすると、生産調整の中にこれが明確に位置付けられるということは、それは農家にとっても大きなメリットであるというふうに私は考えております。  ですので、農家の方々にメリットを与え、そしてまた自給率の向上、自給力の向上にも資するということでございますので、委員がおっしゃいますよう基本計画ができてからやりゃいいじゃないかということには、大変恐縮ですが、なかなか賛成し得ないところでございます。
  61. 大河原雅子

    大河原雅子君 私が主食と言ったのは、やっぱり唯一日本が自給一〇〇%できているものが私たちの主食である米でございます。その米の自給率を、一〇〇%で余っているから減反をして価格が下がらないようにしてきたということがあるんですけれども、今ある水田をフル活用して、粒で食べる主食の米、それから粉にして食べる米粉、それから行く行くはお肉に変わっていく飼料米ということでフル活用しようというのがこの大きな転換点ということですよね。  ですから、私は今回、やはり基本法の中に主食である米という位置付け、米に対する理念といいますか、そういったものもきちんと反映されるような施策であるべきだと思っています。ですから、米粉で使う、それから飼料米で使うといったときには、その活用を推進していくためにきちんとした、施設整備を生産をする人、製造をする人にきちんと保障する、そういう安心感を与えない限り、目標を設定してそれを示していかない限り、これはまたもや猫の目行政じゃないかと言われると思うんですよ。  それで、特に今回、そういう意味では、カントリーエレベーターとか保管庫とか種子センターとか、素人の私が考えただけでも幾つか挙げられるわけですけれども、そういったところの施策も十分とは言えないんじゃないかと思うんですが、その点はいかがでしょうか。
  62. 町田勝弘

    政府参考人町田勝弘君) 本格的な米粉利用増進に当たりましては、生産されたものが確実に流通、消費されることが重要でありますことから、米粉用米の生産者に対する支援のほか、御指摘いただきましたとおり、カントリーエレベーター等の整備に対する支援も重要であると考えているところでございます。このため、生産者と製造事業者等が連携して取り組むことを前提といたしまして、カントリーエレベーターや保管施設に対する助成、補助率二分の一でございます、また融資措置を平成二十一年度予算において措置しているところでございます。  法律に基づく措置、また税制、こういった予算措置、こういったものを総合的に活用して米粉の本格的な利用増進を図ってまいりたいというふうに考えております。
  63. 大河原雅子

    大河原雅子君 今回の措置は、生産をする人と実質的に実需側を計画で結び付けるということによって、需要に応じた米粉用、また飼料用の米の生産を行うということで、それが全体としては米の過剰生産に一定の抑制的な効果を掛けるということだと思うんですけれども、過剰を未然に防ぐという観点だけではなくて、米の需要を喚起するという適切な施策が講じられる必要があるというふうに思っています。  米粉の方について伺っていきたいと思いますが、農水省もこれまでいろんなPR活動をして、お米を食べる、もう一ぜん食べてくださいというようなことを言ってこられたんですよね。そしてまた、米飯給食も実際増えてきているといういい知らせもあるわけです。  ただ、やはり私がこの間から引っかかっているのは、大臣が、食料自給率というのは結果であって消費者に国産を食べろと言えないとおっしゃっていることなんですよ。私は、やはり農水省の、日本の農水省の大臣だからこそ、国民の皆さん、国産品を食べてくださいってやっぱり言うのが自然だと思うんです。そして、そのことが、(発言する者あり)横からスイスの卵ということが出てきましたけれども、それは石破大臣の米というふうに、スイスの卵じゃなくて日本のお米というのが世界に認知されるといいなというふうに思っています。  それで、是非とも米粉飼料用米の需要喚起に向けたPR活動をしていただきたいんですけれども、その点で、これまでの麦に代わる代替品というイメージがやっぱり強くて、米そのものの戦略になっていないんじゃないかというふうに感じております。麦の代替品と言い続けると、たまたま今小麦が上がっていて米との価格差が少しなくなってきているんですけど、じゃ、また麦が元に戻ったら、また代替品から小麦の方に戻ってしまうような、そういうこともありますから、お米が本当に代替品ではなくて、米は米として、健康にいいとか、機能性が優れているとか、日本の伝統食に資する文化もつくってきたというようなことも積極的に出していただいて、アピールしていただいて施策を講じるべきだと思います。だから、米粉のパンもパンの形で米を食べるというふうに言っていただきたいなというふうに思う次第でございます。  このPR施策についてはいかがでしょうか。
  64. 石破茂

    国務大臣石破茂君) 私、お願いしないと言っているんじゃなくて強制はできないと、こう申し上げているんですね。国産品を食べなさいとか、そうは言えないと。また、国産品愛用という、何というんでしょうかね、余り精神主義的なものもいかがなものかと思いますが。  例えば、こんなバッジも私付けているんですけど、委員御案内かもしれません、笑味ちゃんバッジというんですが、お米をもっと食べましょうねという、かわいい女の子が御飯もう一ぜんみたいな、そういうようなバッジですね。こういうものも着用し、そしてまた、ありとあらゆる機会に、お米を食べるとダイエットにいいと、おまえが言っても説得力ないんだと、こう言われるところでありますが、とか、お米を食べると成績が良くなる、朝御飯を食べると成績が良くなるとか、ありとあらゆる機会にお願いをし勧めておる。あるいは、米飯給食がもっと進まないか、それは文科省ともいろんな議論はございますが、当省としてできる限りのことをやる。もう考え付く限りのことを言っております。  委員がおっしゃった中で最も肝要だなと思っておりますのは、代替品ではないんだということをきちんと言っていきませんと、何だ、麦の価格がまた下がったら米粉の価値がなくなるじゃないかとか、えさの価格によってそこがまた振れるようなことはいかぬじゃないかというお話でございます。  当省として、本当に米粉パンというのが、例えて言いますとホットドッグとか、ああいうものには実は米粉の方が向いているんじゃないか、あるいは米粉で育った豚というものは消費者の方々の評価が非常に高いんじゃないか、あるいは米粉で育てた鶏が産んだ卵というのはこれまた非常に栄養価というか健康バランスいいんじゃないか、ここはもうやはり消費者の評価というのが極めて大事だと思っておりまして、それを消費者の方々がどう評価していただけるか、それをどうやってまた伝播をしていくかということが私たち大切なんだろうと思っております。  委員は消費者の代表としての立場をもってこの議会に籍を置いておられますが、どういう形でやれば本当に、代替品ということのみならず、というか、より、むしろ米粉あるいはえさ米、それの価値が高くなり多くの方々に御認識いただけるかということについてまた御教導賜りたいと思うところでございます。
  65. 大河原雅子

    大河原雅子君 先日の視察で、飼料米に取り組んでおられる旭市と米粉に取り組んでおられる佐倉市に伺ったわけですけれども、その中で、佐倉市のパン屋さんの興味深いお話がありました。米粉と小麦はコストを比べると四倍違うと、米粉パンだけではやっていけないので、四倍のコストをパンの値段に転嫁するわけにもいかない、だからもう利益出ないでやっているというお話でした。ただ、驚いたことに、やはり佐倉で取れた米を使っているんだけれども、パン向けに製粉するには新潟とか大阪に製粉工場に製粉してもらわなきゃいけない。だから、一回送って製粉してもらって、送り返してもらっているということなんですね。  ですから、まだまだこの米粉の活用については、生産、もちろんコストもそうですけれども、麦との価格差もそうですけれども、製粉のコストとか輸送のコストとか、商業的にどんどん回していくためには周辺で掛かるコストが結構あるということなんですよ。だから、その周辺コストをどれだけ軽減する策を持っているかということが問われると思うんですけれども、どんな周辺コストの軽減策をお持ちなのか。  ちょっと時間がなくなりましたので、もう一つ、その製粉の機械ですね、これは私、やはり県内に一か所製粉する場所があるという安心をやっぱり与えていくべきじゃないか、この米粉の取組をオールジャパンでやるためには、県内産のものはその県内で製粉ができるというシステムをきちんとつくっていくべきじゃないかというふうに思うんです。  全国でコストを下げて米粉に取り組むために、機械を導入するのも国が主導して措置するべきじゃないかというふうには思うんですが、効果的な周辺コストの軽減策とこの製粉機械への補助について伺いたいと思います。
  66. 町田勝弘

    政府参考人町田勝弘君) 御指摘をいただいたとおりでございまして、この米粉の普及に当たりましては、できるだけ製粉コストを削減するといったことは大変重要であるというふうに考えております。そのためにはこの製粉施設の整備、有効な手法でございます。できれば、近くにあればそれだけコストは掛からない、御指摘のとおりでございます。こうした施設の整備に当たりましては、効率的に稼働いたしまして、製造コストの低減が図れるようにという観点から、生産者、実需者の間で連携を密にしていただいて、今後の事業展開といったことも見極めた上で導入時期、施設の立地、処理能力、そういったことをお決めいただくことになるというふうに思います。  そういった点で、お決めをいただきましたらば、私どもこの米粉の製造施設、これにつきまして、先ほども若干申し上げましたが、低利融資ですとか予算措置もございます。また、米粉製造施設等を取得した場合の税制上の特例措置も今回創設することといたしております。こういった措置を活用いたしまして、米粉の製造施設の整備、また製造コストの削減といったことに努めてまいりたいというふうに考えております。
  67. 大河原雅子

    大河原雅子君 是非このことは十分な手当てをしていかなきゃいけないというふうに思うんです。  それで、先ほど大臣はお米の消費の喚起、需要喚起といっても国民の自由な選択によるから無理やりはできないというふうにおっしゃっていますよね、国産品、米もそうです。だけれども、私はやはり少なくとも公立の学校で米粉パンの導入するというのは効果的だと、既に取組進んでおります。そういうことについては、米飯給食をしてくれというのはもちろんありますけれども米粉のパン、パンの形をした米を食べるということもあると思うんですが、米粉パンを導入しやすくするための補助制度、導入するというお考えはないんでしょうか。  それで、国が率先して公共で範を示すということがあると思うんですが、これは学校給食にかかわることなので農水省からはお答えが出ないんですね。今日は文科省からもお越しいただいておりますので、いかがでしょうか。
  68. 尾崎春樹

    政府参考人(尾崎春樹君) お答えを申し上げます。  御指摘ございましたとおり米粉パン、学校給食の中で急速に普及をしておりまして、平成十九年度で全国の小中学校で八千校余りで使用の実績がございます。三年前と比べますとおよそ倍増というよう状況でございます。  この米粉パン等を使用することは、基本的に学校給食の実施主体であります市町村、その教育委員会が判断する事柄でございますので、すべてにわたって強制というわけにはまいりませんけれども、文部科学省といたしましては、県内産の米粉パン等を学校給食に使用することは地場産物の使用割合を向上させるという意義があるのではないかというふうにも考えているところでございます。  こういうことでございますので、私ども実施をしております調査研究事業、昨年度からやっております、例えば学校給食における地場産物の活用方策の調査研究事業というようなものも各県に委託してやってございますけれども、その中で、学校給食用の米粉パンの開発ですとか、例えばいろんな種類、多様な米粉パンを用意をするとか、あるいは、パンに限らず米粉を使った新しいメニューの開発をして、それを保護者に調理講習を行うといったような取組を通じまして、いろんな形での米粉の使用の支援をしているところでございます。  今後とも、米粉パン等を含めまして学校給食における地場産物の活用の推進を促してまいりたいと考えております。
  69. 大河原雅子

    大河原雅子君 学校給食で米粉のパンが食べれるようになるというのは本当に、小麦のアレルギーの方もおられるんで非常に大きなことだと思います。  輸入の小麦というのは必ずポストハーベストが掛かっていて、もちろん検出、高い値では出ませんけれども、必ず出るものです。こういった実態についても民間で調査を行っていますけれども、やはりポストハーベスト農薬が何度も掛けられている小麦よりは、国内産の小麦粉を使ったものからは出ないわけですし、さらに、米粉のパンを使うということでアレルギーの対応もできていくというふうに思っております。  現在、学校給食で使われている米、それからパン、調理用の小麦の量というのはどれぐらいでしょうか。
  70. 尾崎春樹

    政府参考人(尾崎春樹君) 私どもの直接の調査はございませんけれども農林水産省の調査を拝借しておりますけれども、学校給食での年間の米の使用量は、十九年度で九万八千トン余りということでございます。  それから、小麦のお尋ねもございましたですが、現在、その使用量は正確に把握はしてございません。ただ昔、平成十三年度までは、現在のスポーツ振興センターの前身でございます特殊法人日本体育・学校健康センターが各県の給食会を経由いたしまして小麦粉を供給しておった時代がございます。その当時のデータを見ますと、平成十三年当時で小麦粉の学校給食での使用量は、三万七千トン余りというよう状況でございました。
  71. 大河原雅子

    大河原雅子君 今日お配りした資料、これは東京都教育委員会が学校給食の実態というのを毎年出しておりまして、その中からの抜粋です。  文科省の方の今おっしゃった文部科学省スポーツ・青少年局学校健康教育課からいただいた資料と、各教育委員会が作っている学校給食の実態調査の中身は非常に違います。それは、申し訳ないんですが、文科省が出されている資料は、施設がどうなっているか、完全給食なのかどうなのか、栄養職員がどういうふうに配置されているのかしか書いていないんです。子供たちが何を食べているかについては書いてありません。  自治体がまとめている学校給食の実態調査というのは、地場の野菜がどれぐらい使われているかとか、あるいは学校給食センターで洗浄する洗剤が合成洗剤なのか石けんなのかというようなことまできちんと調べて書いてある。アレルギー対応もどういうふうになっているかも書いてございます。  ですから、これから、そういう意味では子供たちが食べているものをきちんとだれが責任を持って把握をしていくのかということがあるんですが、今文科省の方からは、量についても把握をしていないので、農水省から伺ったということなんですよ。  だけれども、私は今日ここに示させていただいたのは、子供たちが米も食べているけれどもパンとして小麦も食べていて、これ一回の平均しているものなのですが、学校給食の中には調理用の小麦も使っておりますから、これも千葉で習ってきましたけれども、千葉の例でいえば、コメ粉食品普及会の皆さんが大学との提携もあってメニューも開発されてきた。本当に今、米粉を小麦粉として使える、小麦粉を使っていたところに、グラタンも作れるし、カスタードクリームも使えると。このことは普通の御家庭でできることです。私も昨日、実はカスタードクリームを朝の五分という時間で電子レンジで作れました。ですから、粒で食べる、粉で食べるということを国家プロジェクトとしてどんどん進めていくために、こういうことも学校給食という子供たちの口、それからそこにかかわっている御家庭の皆さんというふうに、普及の先はたくさんあるということを是非自覚をしていただきたい。  特に文科省はこの学校給食のことについて、これから例えばこれを代替していく、農水省としてはそういう場所で使われている、公的なところで使われているところは入れやすいわけですから、小麦粉からこの米粉に転換をしていくという戦略を持っていてもおかしくないと思うんですけれども、その点は、文科省はこの学校給食の中身についてはどういうふうに農水省と共同するおつもりでしょうか。
  72. 尾崎春樹

    政府参考人(尾崎春樹君) 御指摘ございましたように、その米粉の活用も、パンという形だけではなくて多様な食材という形での活用があるということで、先ほど申し上げました私どもの調査研究事業で委託しているその実績を見ましても、例えばグラタン、まさに委員御指摘ありましたそのヘルシーグラタンとか、それから鳥の空揚げの衣で使うとか、そういったいろんな多様な使い道の工夫をその委託調査研究の中で出てきておりまして、それを保護者に普及啓発をするというようなこともございます。  こういった形を通じまして米粉の多様な活用方策といったようなものを広げるように、農水省とも連携をいたしまして支援をしてまいりたいというふうに考えているところでございます。
  73. 大河原雅子

    大河原雅子君 米粉、それから飼料米、そして主食用の米、きちんとした計画、目標を持たなければ生産者から消費者まで安心ができない。特に生産者の皆さんにとっては、それぞれの施策に協力をしていくことによってきちんと手取りの収入があるということが大事です。飼料米の二十一年度産については、非常に継続をして飼料米を作ってきた農家に大変な不安を与えました。ですから、来年度以降のことをきちんと農水大臣の責任をもって発信していただきたいということを最後にお願いいたしまして、終わります。  ありがとうございました。
  74. 高橋千秋

    ○高橋千秋君 民主党の高橋千秋でございます。  米三法について質問をさせていただきますが、私の方は米トレーサビリティーの方とそれから食糧法の方を中心にさせていただきますが、先ほど大河原さんの質問の中にも幾つかダブっているところが、質問通告がダブっているところがありましたので、なるべくダブらないように質問をさせていただきたいと思います。  米という問題は、本当に日本の基礎というか、米の国と言ってもいいよう日本でありますから、大変重要な問題であると私たちも認識をしております。事故米汚染米の問題があったときも、私も質問に立たせていただきましたし、実際に大阪の方へ行かせていただいて関係者からいろいろお話も聞かせていただいてまいりました。  あれから随分たつわけでありますけれども、先ほどの大臣の御発言、それから前回の、まあ所信表明のときもそうだったんですが、今回のこの問題をとらえて、二度と起こらないようにしたいと、解体的なというお話がございましたけれども、私、そのお話を聞かせていただいたときに、米とは全然関係ないんですが、実は三重県で数年前にごみ固形化燃料の施設が爆発したことがございます。RDF発電所という、今もう再開をしておりますが、ここで消防士が二人亡くなるという痛ましい事故があって、その一人は私の知り合いのお兄さんだったんですが。  これの爆発が起きたときに、これは県の事業としてやったものですから、県会議員の方々と、この原因究明も含めて、実はこのRDF発電という技術はアメリカの技術なものですから私どもでアメリカへ行きまして、向こうの実情を調べに行きました。そのときに向こうの担当者がふっと言ったことが非常に気になったのは、三重県でRDF発電所が爆発したときに、知事は当然、このようなことは二度と起こさない、このようなことがあってはならないと。それは当然です。そういう意気込みは当然で、私たちもそのよう思います。  そのときに、アメリカへ行ってRDF発電所の現場の方々の話を聞いたら、いやいや、まあ火事は起こるものだと言われたんですね。起きたときにどうしたらいいのか、最低限どこまででその災害を抑えられるのかということをきっちりと体制をしておくべき問題ではないかというそういうお話がありました。  これはどっちが正しいか、それぞれ考えはあると思うんですけれども、今回のこの事故米のことを見ていても、やっぱりこれは人がやることでありますから、どこかで抜け道もあったり良からぬことを考える人もいたりして、これは大臣、絶対に二度と起こさないと、この意気込みが僕は大事だと思うんですね。我々もそうあるべきだろうと思います。しかし、絶対ということはやはり言えない。やっぱりどこかに何らかの間違いや、故意の間違いじゃなくても、善意で間違える場合もあったりして、そういうことが起こり得る可能性があると。そういうときにどうしたらいいのかということを考えるのはやっぱり政府の責任であり、政治の責任だろうと思うんですね。  その中で、今いろいろ質疑を聞かせていただいていたときに、二度と起こさないという意気込みは、確かにこれはもう大臣お話はそれはそれで尊重させていただきたいと思いますけれども、まだまだ本当にこれで大丈夫なのと、大河原さんから本当に効果がこれで上がるんですかという話もありましたけれども、前よりは確かに私は一歩前進でいいことだと思うんですが、一方で、本当にこれで何でもかんでも全部一〇〇%大丈夫かというと、非常に私も疑問があるんですが、あの事故米以降、大臣がそのときは大臣じゃなかったわけですよね、大臣に就任されて意気込み強くいろいろお話をされて、二度と起こさないと。これは大変重要なことなんですけれども、それ以降、どういう反省をしてきて、どういうふうに今後も絶対起こさないと言われる部分の裏付けになっているのか、その辺を大臣の方からまず冒頭お聞かせをしていただきたいなと思います。
  75. 石破茂

    国務大臣石破茂君) それは、委員のおっしゃることは基本的にそのとおりです。危機管理というのは全部そうなんですけれども、ありとあらゆるケースを想定して、その場合にはどうする、その場合にはどうするということをどこまでやれるかというお話なんだろうと思っています。それで、完璧に一歩でも近づけるべく努力をするというのが一番正しい行き方ではないかと思っております。  今回、例えて申し上げますと、輸入米の販売後にカビが発見されるということを極力なくさなきゃいかぬ、そのためにはどうすりゃいいんだというと、従来は輸入したときに袋のままの状態で販売をしておったわけですが、すべての袋を販売前に開け、詰め替え、カビの目視確認を徹底し、さらに、今年の二月十九日からはアフラトキシンB1の分析も行った上で、問題のないもののみを販売するということがございます。カビの目視、全量解袋ということでございます。  そしてまた、私どもとして販売事業者であるという自覚がなかったということでございますから、そういう姿勢を持たねばならないということでございます。組織体制も見直してまいります。精神論を言ってもしようもないお話なのでございますが、会議、研修で食品安全の確保を最優先ということを徹底をする、そしてまた、業務のやり方について見直し、改善を行う、そして政府米のカビに関する科学委員会をつくり、科学者のアドバイス、これを受けられる体制を整えたということでございます。  考えられる限りのことをやっておりますが、危機管理についてのやり方というものが当省として徹底しておったとは思っておりませんので、常にこれでいいんだという気持ちを持たず、改善すべき点はないか、ヒヤリ・ハット体験というものがきちんと生かされているか、そういうもののインフォメーションをみんなが共有するというのは大事なことなんだろうと思っておりまして、常に最善、無謬を目指してやっていかねばならぬことだなと思っておるところでございます。
  76. 高橋千秋

    ○高橋千秋君 性善説に立つのか性悪説に立つのかというよう感じもありますが、やはり制度とすれば性悪説をある程度はやっぱり入れていかないといけないんだろうと。  その中で、今回このトレサ法等を審議させていただいているわけですが、先ほど大河原さんの方からもJAS法との関連がありました。去年逮捕された三笠フーズの関係者の逮捕の案件というのは不正競争防止法違反なんですね。それで、先ほど大河原さんから話があったJAS法、それから今回改正の審議をしております食糧法、トレサ法、そのほかにもいろいろいろいろあります。さっき大河原さんからもあったかと思うんですが、非常に複雑なんですよね。一体どれを見たらいいのか。  それから、この中で、後で質問しようと思っているんですが、罰則規定についても、同じことをやって、JAS法にも違反する、今回のトレサ法にも違反する、食糧法にも違反する。そうすると、その罰則は上乗せ上乗せ上乗せになっていくと。上乗せになるから、もっとやりづらくなるからいいんじゃないかという話もあるけれども、例えば五年の懲役のところを、もう一年増えようがもう二年増えようがやることは一緒だから、それじゃもうついでにやってしまえという話になるのかも分からない。  これだけ複雑にせずに、やはりどこかで、さっき文科省とか財務省の方来ていただいて御答弁あって、酒は財務省、給食は文科省、確かにそれはそうなのかもしれないけれども、同じ食料という範疇の中でこれだけ複雑にされてしまうと、それを扱う業者の方や消費者にとっては一体どこを見たらいいんだろうと。これはかなりプロの方でも、今回の改正含めて、いろいろな部分勉強をしないと、当然勉強するのは当たり前のことかもしれないけれども、非常に複雑になっているように私は思うんですね。  野村務官も御存じだと思うんですが、私も米の業界にいたんで分かるんですが、米を集荷、出荷するときに、今は随分良くなってきたと思うんですが、農水省に出す資料を作るのに、袋とじをするときに、こよりでやるんですね。袋とじをして、判こを何か所も押して、その書類を作るために何人もの人間が、例えば今でいう全農、経済連の辺りにはその資料を作る、こよりをよるためだけにいるわけじゃありませんが、今どきそんな書類を出しているのかと思うようなそういう書類を大量に、それも物すごく手間を掛けて、何のためにそれをやっているかのよう分からぬようなそういう手続が相変わらずあるんですよ。  もうとにかく複雑に手間を掛けて、時間を掛けてやるということが何かいいかのようなところがやっぱりいまだにあって、私は、今回のこの改正は一歩前進ではあると思うけれども、〇・三歩ぐらい下がっている部分はあるんじゃないかと。つまり、より複雑にして、より農水省の権限を強くするためにやっているんじゃないか。  先ほど政省令の話がありました。今検討中というお話でありましたが、私の質問通告にも書いてありますけれども、非常に政省令とかそういうものが多いんですよね。今検討中、後で細かい部分を出しますというのが非常に多くて、なかなかこの法律が決まった後で、まだ農水省の方々の意向もかなり入れながらやれるんではないかという疑念もあります。この法改正によって、農水省の方々の権限を強くするための法律じゃないかみたいな感じもあるんですよね。その辺をどういうふうにお考えになるのか。私は、業界全体の問題でもあるのかも分かりませんが、大臣、何かお考えあればお聞かせいただけますか。
  77. 石破茂

    国務大臣石破茂君) 本委員会には当省のOBも三人いらっしゃるわけでありまして、農水省がどういうような役所かそれぞれの方がそれぞれの御見識をお持ちなんだろうと思います。  委員も農業団体でいろんなことを御覧になって、今こよりのお話を承りましたが、私見ておって、本当にそういう権限拡大に走るということになっているかというと、そうでもないんではないかという気もします。ただ、やっぱり行政機構というのはほっとくと自己増殖機能を持ちますので、そこは、こんなことがなぜ必要なんだということの観点は、行政機構というよりも我々政治の側がきちんと見ていかなければいかぬことなんだろうというふうに総論的には考えております。  この問題は、農水省の話あり、経産省の話あり、公正取引委員会の話あり、いろいろと省庁も違う。法律も違う。おっしゃいましたように罰則がダブる場合には、これ法律用語で多分観念的競合として処理をされることになるんだろうと私は思っておりますが、その辺りはもう膨大、複雑で、何が何だか分からないという面は確かにあります。一つ一つそれぞれの省庁から説明を受けると、ああ、なるほど、そうなんですかと、そのとき分かったような気分になるんですが、もう一度自分の言葉でしゃべってごらんと言われると、なかなか難しいところがあります。  これは、消費者庁というものの審議を今衆議院でいただいておりまして、やがて参議院でも御審議いただくことになるかと思っておりますが、何が消費者にとって分かりやすいのかということ、そしてどうすればそういう情報がきちんと伝わるかということ、どうすればそういう偽装のようなことが抑止されるかということ、その三つの実現というものを目指してその法体系というものはまた議論されることになるんだろうと思っております。後追い、後追いで、牛であれば牛トレサ、米であれば米トレサ、今度何とか何とかができれば、麦トレサだ、やれトウモロコシトレサだ、もう食物の数だけトレサができるのかみたいなことになっちゃうんで、そんなことはだれがどう考えたって現実的なお話ではございません。  そこにおいて、いかなるものが保護法益なのか、何のためにやらねばならないのか、そのときに消費者庁というものがどういう役割を果たすか、そこはまた消費者庁の議論の中において、将来あるべき法体系というものは、委員の皆様方からいろんな御示唆をいただきながら構築をしていくことになるのかなと思っております。
  78. 高橋千秋

    ○高橋千秋君 大臣からも今、麦トレサという話がありましたが、事故米のときに紙さんの方から麦の話も出ておりましたけれども、我々が衆議院の方で今回、修正含めて御提案をさせていただいたのは、もう少しほかの部分にも影響をトレサ考えていくべきではないかという話をさせていただいていますけれども、先ほどの大河原さんの答弁のときにも、慌てて出したわけじゃないというお話がありました。でも、何か、今回、米の話だけ出てきたら、やっぱり慌てて出しているんじゃないか、だれが見てもそう見えますよね。  我々は、この米については、米の流通については何度も何度も過去に事件が起きています、御存じだと思いますが。特定はしませんけれども、いろんなところで、表示の問題であったり流通でやみ金をもらっていたりとか、いろんな問題があって、ここ一年、二年の話じゃないんですね。特に去年は事故米ということで大きな騒ぎになってマスコミも注目をしましたけれども、過去に幾つもいろんな事件が起きています。  その中で、このトレーサビリティーについては食品全体の中でトレーサビリティーというのはやっぱり考えていかなきゃいけないじゃないかということで、例えば大手のスーパーなんかは独自にいろんな、ICチップ付けたりいろんな形でトレーサビリティーを、まあそれは自分ところの付加価値を付けるという意味でやっておられるわけですけれども、やっぱり昨年の事故が起きて、米の問題が起きたからやっぱり慌ててやったんだという感は、それは大臣は否定されるかも分からないけれども、やっぱり否めないんですね。  やはり、これは今回は、米をまずやって、主食だからまずやって、次は、今後時間が掛かるかも分からないけれども次のステップに行くんですよというある程度意思表示もやっぱりしておくべきじゃないかなというふうに思うんですよ。でないと、やっぱり去年のこの事故が起きて農水省があれだけ怒られたから急遽やることになったと思われるのは、これはだれが見てもやっぱりそう思いますから、ああ、そうじゃないんだよという、やっぱり全体のことを考えて次のステップも考えているんだよというある程度意思表示をしておくべきではないかと思うんですが、これは質問通告はしておりませんけれども大臣、何かお考えありますか。
  79. 石破茂

    国務大臣石破茂君) それは、あるべき姿、望ましい姿としてはすべてのものにトレーサビリティーをきちんと確保できると、それが一番いいに決まっています。そこへ向けて技術的などういう問題をクリアするか。  そしてまた、もう一つは、繰り返して何度も申し上げますが、我が国の食品流通における零細性というものをどう考えるか。私は、零細性というのは決して否定するものではございません。それだけ多様な流通のパターンがあるというのはいいことですし、小さなところがそれぞれの特別なといいますか、それぞれのカラーを生かしていろんな流通があるというのもいいことなんだと思っております。ただ、そうした場合に、経営の負担にどれだけ重荷が掛かるかと、変な言い方ですね、経営にどれだけの重荷が掛かるかということも考えていかなければなりません。  ですから、私どもとして、本当にそこに向けて、最終的には全部のものにトレーサビリティーが確保されるのが一番いいと、そこに向けて何をやっていかねばならぬのかということについて、やはり議会と我々行政とは認識を共有していかねばいかぬのだろうというふうに思っております。全部のものについてそうあることが望ましいということは言うまでもありません。私どもとして、何が問題点か、それを克服するにはどうすればいいかというお話をし、また議会において認識を共有していただいて議論をすべきだというふうに思っておりまして、方向性はそうあるべきだと思います。
  80. 高橋千秋

    ○高橋千秋君 米のことに関して今日はやっているわけですが、食品業界が零細性というお話は私も理解はできます。  私も例えばタケノコの缶詰だとか、そういうのを作る仕事もしたことがあるんですが、本当に中小の町工場で缶詰やっているんですよね。その当時は、私の地元でタケノコを取って、それは岐阜に工場があるんですが、岐阜に持っていって缶詰に入れる。小さな会社です。今はもうほとんど中国産に変わってしまいまして、産地がもう崩壊をしてしまっておりまして、先ほど、大河原さんがスーパーへ行ったら国産品が増えたという話がありますが、是非、もう少しするとタケノコの水煮というのがいっぱい出てきますので、見ていただくと、裏をひっくり返していただくと、ほとんどはもう中国産です、今。私がやっていたころは八割日本産で二割が中国産だった。今はもう完璧に、逆転するどころか、ほとんど日本産はない中で、結局、中小の食品会社というのは大変苦境に陥っている、それはもう私も認めるところなんです。  今回、米の話が出ているんですが、食品の関係、特に米の関係というのは、零細性とともに、もう一つ、体質が非常に古い、それともう一つ、非常に複雑、ここに大きな問題があるんですね。これは業界の問題でもあるし、それを指導する側の農水省の問題も当然あるんだろうと。やはり、ここで業界もそれから農水省側も全体であの事故米をきっかけに体質を変えていくということを考えていかなきゃいけないんだろうと思うんです。  さっきのこよりの問題はこれは典型的な話でありますが、やはりどこかで古い、伝統と言ったらきれいなんですが、古い体質をどこかでまだまだ持ちながら仕事をしている業界ですので、やはりこれは業界全体が体質改善をしていく指導もしていただきたいと思いますし、一方で、農水省側もやっぱり体質改善をしないと相変わらず同じことが続いていくということになると思うんですね。  今回、それとは直接関係ありませんけれども、例の美少年酒造、私はあそこは被害者だと思って、一生懸命あれを飲もうと思っていたんですけれども、結果的には何か被害者が加害者みたいな、よく分からない結果になってしまって非常に残念です。一等米を三笠フーズに預けておいて、それで実際は三等米をもらって差額をぽっぽへ入れていたという、そういう話ですよね、それも二十年間もやっていたと。これはどう考えても古い体質がそのまま出ているし、それが当たり前だと思っているところに大きな問題が多分あったんだろうと思うんです。  これについては真相はまだはっきりはしていないようでありますけれども、質問通告の中で経過をということを言いましたが、時間がありませんので、私の方から説明をさせていただきましたけれども、多分これに近い話はいっぱいあると思います。米の業界ではたくさん多分あるんだろうと。私が知っている限りでもあります。これはどこと言いませんが、同じような話はあります。これは酒に限らず、せんべい業界だとかそういうところでもたくさんあるんですね。だから、こういうところが、今回の法律ができて果たして本当に全部明らかになるのかなと、ちょっと私は難しいんじゃないかなと。悪いことしようと思ったら何とでもできますから。  だから私が冒頭に言いましたように、二度と起こさないという、この意気込みは大切だけれども、起きたときにどうするんですかという、そういう性悪説を考えたシステム、制度というのをやっぱりつくっていくべきだろうと。今回の法律では多分まだまだ抜けているところがあると思いますので、これで終わりということではないでしょうから改善をしていってほしいと思いますけれども幾つかやっぱり疑問なところもまだまだありますので、是非今後も改善をしていってほしいなというふうに思います。  今回の中で、先ほど大臣が少し触れられたかなと思うんですが、取引記録の問題でも、もう保管期間は過ぎているから捨ててしまって分からないということが結構ありました、今回の事故米のことで。それをずっと農水省がちゃんとチェックしていればよかったじゃないかという、そういうマスコミの論調もあったり、我々の話もあったんですけれども、この保管記録について、私はもう少し延ばしてもいいんじゃないか。  それともう一つは、加工米だとかお酒だとか、そういう使い方によって賞味期限が全然変わってきますよね。せんべいとほかのものとは違うし。だから、その辺は保管期間というのをもう少し延ばすということと、物によってある程度変えていくということも必要なんではないかなというふうに思うんですが、この点についてお願いしたいと思います。
  81. 町田勝弘

    政府参考人町田勝弘君) トレーサビリティー法案に基づく記録の保存期間の御指摘でございます。  この保存期間につきましては、他法の例、食品衛生法、これはガイドラインでございますが、一年から三年とされております。また、諸外国の例、EUでは原則五年とされているところでございます。こういったことも参考にしながら、関係方面の意見も伺いつつ、原則としては必要かつ十分な一定の期間とするという方向で検討をすることといたしております。  なお、今御指摘をいただきました弁当類など消費・賞味期限が極端に短い商品、また反対に賞味期限が極端に長い商品といったものもございます。こういったものにつきましては、例外としてその期間に応じた保存期間とすることも併せて検討していきたいというふうに考えております。
  82. 高橋千秋

    ○高橋千秋君 さっき大河原さんの方からJAS法の関係で国産それから何々国産の表示の問題がありまして、その国名を書くという話ありましたが、例えば、これだけ流通がグローバルになっている中で、ベトナム産の米を使って中国でせんべいにして日本に来るという場合ありますよね。これはどこの国になるんですか。
  83. 竹谷廣之

    政府参考人(竹谷廣之君) お答えを申し上げます。  委員今御指摘のケースで申し上げますと、ベトナムのお米を使って中国でせんべいという形で加工しているわけでございますので、おせんべいといたしましては中国のせんべいという形になります。ですから、日本に流通する場合には中国産のおせんべいという形で流通いたします。
  84. 町田勝弘

    政府参考人町田勝弘君) 私の方は今のトレーサビリティー法案における考え方お話をさせていただきたいと思います。  輸入米につきましては、先ほど申し上げましたが、外国の名前ということで、中国産、アメリカ産など国名での表記を基本として検討しているということでございます。一方、海外では一般的に加工食品の原材料の原産地を伝達する制度がございません。こういったことから、我が国輸入される加工食品すべてについて原料米の原産地が確認できるとは限らないというふうに考えております。このよう輸入品の事情にも配慮いたしまして、加工食品として輸入されるものについては、その原料米の原産地が分からない場合の特例ということを設けることといたしております。法第二条第四項でございます。  具体的には、今の例で、ベトナムということが分かればいいわけでございますが、輸入されたせんべいであってその原材料に用いたウルチ米の産地が分からない場合、そのウルチ米の産地に代えましてせんべいそのものが加工、製造された国名を一般消費者に伝達してもらうという方向で今検討しているところでございます。これがトレサ法の今の検討状況でございます。
  85. 高橋千秋

    ○高橋千秋君 ということは、ベトナムのものだと分かって中国で作っている場合は、これはベトナムになるんですか。
  86. 町田勝弘

    政府参考人町田勝弘君) 原料米の原産地としてベトナム産と書いていただくということでございます。
  87. 高橋千秋

    ○高橋千秋君 そうすると、さっきの話とはちょっと違ってきますよね。お隣の方がお話しされたのと。確認を。
  88. 竹谷廣之

    政府参考人(竹谷廣之君) 補足いたしますと、先ほど申し上げましたのはJAS法上の整理でございまして、おせんべいはどこで作られたかという、おせんべいのその原産国ということで中国という表示になりますということを申し上げました。  そして今、町田局長の方で申し上げた点は、そのおせんべいの原材料のお米の産地の扱いについての御答弁をさせていただいたというふうに認識しております。
  89. 高橋千秋

    ○高橋千秋君 そうすると、せんべい屋さんはどこ書けばいいんですか。これJAS法で書くのかトレサ法で書くのか、両方書くんですかね。
  90. 竹谷廣之

    政府参考人(竹谷廣之君) JAS法におきましてはおせんべいは一つの加工食品でございますので、その容器包装にどこで作られたものであるかということを表示するわけでございます。したがいまして、中国で作られたおせんべいが普通もう容器包装をされて入ってまいりますので、それにつきましては輸入業者の方が中国産ということで表示をして日本国内での流通ルートに乗せていくという形になるわけでございます。  これに加えまして、現在この御審議いただいているトレサ法で原材料のその表示をどうするか、その原材料情報伝達をどうするかという点について、今この新しいトレサ法の方で御審議をいただいているという次第でございます。
  91. 高橋千秋

    ○高橋千秋君 細かい話で申し訳ないんですが、はっきり言って今よく分かんないですよね。だから、そうすると加工するおせんべい屋さんは、まだ決まっていないのかも分かりませんが、ベトナム産の米を使って中国で焼いて日本に持ってきて、それ売るときには、そうするとJAS法上は中国のせんべい、トレサ法上はベトナムのせんべいになるということですか。両方書くということですか。
  92. 町田勝弘

    政府参考人町田勝弘君) トレーサビリティー法案におけますことで今義務付けしようとしておりますのは、原料原産地の情報伝達していくことでございます。その品目につきましては、米穀及び米穀の加工品ということで、政令で今指定するということで検討しております。その中で指定米穀ということになりますれば、その原料米の産地を書いていただくということになるわけでございます。  私ども、先ほど申しましたように米菓、まあおせんべい等については指定米穀対象にして、原料米の原産地、今の例であればベトナムのお米で作ったおせんべいで中国から輸入されましたということが分かるように書いていただきたいというか、そういった方向で検討しているということでございます。
  93. 高橋千秋

    ○高橋千秋君 さっき局長が言われたその伝達という話ですね。表示と伝達と、それがちょっとややこしいんですが、伝達をするというのはどういうイメージを持てばいいんですかね。表示をするということとは違うわけですね。
  94. 町田勝弘

    政府参考人町田勝弘君) 情報伝達ということは基本的に容器包装等に表示をしていただくというのがまさに原則になるわけでございます。  ただ、例えば、私ども今回幅広くお弁当ですとかそういうもの、御飯類、そういった外食で提供されるもの、そういったものにも情報伝達していただきたいということになるわけでございます。そういった場合、外食におきましては例えば店内のメニューに掲示するとか、お店の外に掲示するとか、そういったいろんな手法も認めるということで対応していきたいというふうに考えております。基本は表示という形で包装に、容器に書いていただくということが基本になると思いますが、もう少し広く情報伝達の方法を認めていきたいということを今検討しているところでございます。
  95. 平野達男

    委員長平野達男君) 今の質問は、要するに表示のところにだれがどういう責任で、例えばJAS法なのかトレーサビリティー法なのか、その法律に基づいて、先ほどの高橋委員の質問によれば、ベトナム産の米でもって中国で作りましたという状況の中で、ベトナム産の米だというのが分かったときに最終的にどういう表示がされるのか、その表示が何法と何法に基づいてやるかという、この質問をずっと聞いていますので、当方答えるんではなくて、どっちか責任のある方でちょっと答えてやらないと、もう私はトレーサビリティー法でございます、私はJAS法でございますったって、私も聞いていてもよく分かんないですから、だから、そこをどこか統一して見解を出してください。非常に具体的な話なので、ぴしっと答えるようにしてください、これは。どうぞ。
  96. 竹谷廣之

    政府参考人(竹谷廣之君) それでは、まとめてお答えさせていただきます。  まず、現在の法律ではJAS法しかございませんので、中国の作られたおせんべいという表示しかないわけでございます。中国産という表示、おせんべいは中国産という表示しかございません。  今度トレサ法ができまして、そして今ベトナム産のウルチ米を使って作ったということが分かっているケースでは、現在の表示にプラスアルファで今度は原材料のお米がベトナム産であるということの情報も加わるという形になります。  そういう意味では、現状よりも、そのものの原産国とそれから原材料の原産国の両方が分かるシステムに変わるというふうに認識いたしております。
  97. 高橋千秋

    ○高橋千秋君 最初からそうやって言っていただくと分かりやすいんですが。そうすると、横でブレンド米だったらどうなるんだという話もありまして、例えばベトナム産とタイ産と中国産を台湾で作るとかになると、これは非常にややこしいですが。  さっきの話で、表示をやっぱりもう一つ加えるという形に多分なるんだろうと考えていいんですよね。そうなった場合に、やっぱり、さっき私が申しましたように非常に複雑でまた手間も掛かる。確かに、投資をする必要はないかも分かりません。新たな投資をする必要はないかも分からない。だけど、手間は掛かりますよね。それだけに手間は掛かる。それと、今回の改正で、農水省なり農政事務所に出さなきゃいけない資料も多分増えるんじゃないかなというふうに思います。その意味で、先ほど大臣から零細なというお話がありましたけれども、そういう部分の負担にならないように是非考えていただきたい。  何か仕事のための仕事をまたつくっているというような状態にどうしても役所はなりがちですので、大臣もその辺はよくお分かりだと思いますので、そうならないようにしていかないと、何のために改正しているのか、何か目的と全然違う方向に行ってしまう可能性がありますので、そこを是非気を付けていただきたいなと思います。これはもう要望です。  それで、実質、今回のこのトレサ法ができた場合に本当に効果があるのかという疑問の部分の一つとして、私の家も農家なものですから、家で米を収穫して、もみ米から精米していくわけですけれども、ちょうど収穫期になると、トラックに乗って大体御夫婦で庭先へお見えになるんですよ。もう何回も何回もいろんな人が来ます。大体来るのは、三重県の場合ですと岐阜の業者の方が多いんですが、東北からとか北陸から来られる方もお見えになります。  それは何しに来るかというと、庭先で買いに来るんですよね、米を。いわゆる系統利用じゃなくて、農協に出荷するんではなくて、もうそこで、庭先でお金をもらう。金額的には最終、農協に出すよりも多少安くても、目の前に現金をぽおんと置かれて、自分で農協の出荷場まで持っていかなくていい、庭先でそこの二トントラックぐらいにぽんぽんぽんと乗せて行ってしまう。  そうすると、これは懸念で確証があるわけではありませんが、それが例えば北陸の米になったり新潟の米になったりする可能性があるわけですよ。なぜかというと、そこで出荷する場合は袋、今、大臣、米というのは、昔は俵一俵担いで、あれは俵一俵は六十キロですね、私たちが農協に入ったときは、最初、新人研修であれを担がされるんですが、もうあれを六十キロ担ごうと思うと大変です、これ。昔の人は力が強かったのか、俵一俵二つ担いでいくというのがありますが、今は三十キロになっています。三十キロの紙袋なんですね、緑色の。大臣も見たことがあると思いますが、緑色の印刷物で品種を書くところがあって、生産者がだれでという、住所を書いたりするようなところがあります。  先日、千葉の佐倉のJA、JAいんばでしたかね、あそこの経済センターというところへ寄ったときに、見た方もおられると思いますが、その紙袋、無地の紙袋が売っています。何も書いていない。普通、農家が買う場合は、例えば何々農協、三重県だったら三重県のコシヒカリとか印刷してあるんですが、そのいんば農協に置いてあったやつは無地で、品種名も書かずに、名前も後で書けるようにしてあるものが、それは新品で売っていました。一袋二百円ぐらい多分するんじゃないかなと思いますけれども、それが売っていて、例えばそこの場合、そこに品種を書いて生産者名も判こを押して出す場合はそれはそれでいいんですけれども、問題は、例えば系統出荷の場合でもその三十キロの袋に出して検印を押して、検査をして検印を押すわけですが、それを出荷して、その空いた袋です。  結局、空いた、この一空きというんですが、一空きの袋がまた流通するんですよ。ほとんどは鶏卵の関係の方々のえさを入れたりする袋に回ったりとか、ほかの業界に回ることが多いんですが、しかし、その中の多くはまた農家に還元されるんですね。そうすると、庭先で買いに来るそういう業者の方々は別に新品の袋じゃなくていいわけですよ。その一空き、二空き、三空きと、いろいろあるんですが、何度も使うと。その袋を使って、そこに出した方が農家もお金は要りませんし、業者側も後で全部混ぜちゃえばそんな袋なんてどうでもよくなって、結果的にはこの米はどこか分からないということになっているんです。これは現状です。そういう部分まで今回のトレーサビリティー法なんかではカバーは多分し切れないだろうと思うんですね。これは、それぞれの地域の農政事務所の担当者の方はもう非常によく知っている話だし、農協の方もよく知っております。これはもう知らない方がおかしいような現状でありまして、これもかなりの量、流通しています。  例えば、隣の郡司さんのところの県なんかは非常に系統出荷率が低くて農水省にお目玉を食らっている。先日行った千葉も系統出荷率が非常に低くて、全国の会議があるといつも、チバラギがいつもやり玉に上げられるところでありますが、しかし、そういうところではほとんどが、ほとんどでもありません、まあかなりの量、そういう袋で流通をしてしまうことになっているんですね。  こういうことをどこまで農水省が把握、多分現場は分かっていると思いますが、把握をされていて、今回の法律でそういう部分はどうやってカバーをしていくのか。これはなかなか難しい話だと思うんですが、この辺、どうなんですか。
  98. 町田勝弘

    政府参考人町田勝弘君) まず、その紙袋の流通実態から少しお話をさせていただきたいと思います。  仕組みでございますが、農産物検査法におきましては、一度検査証明がされた紙袋を再び使用する場合には表示の付してある包装はその表示を除去しろと、バツを付けるとか、又は抹消した後でなければ再び農産物の包装として使用してはならないということになっております。違反した場合には懲役又は罰金に処せられるという規定もございます。  御指摘のとおり、これまでもホームセンターなどでこの使用済みの紙袋も販売されているということは見受けられましたので、平成十九年にこうした農産物検査証明の表示が付されている使用済みの空袋、空きの袋でございますが、の適切な取扱いにつきまして生産者団体、卸、小売団体、ホームセンターなどこの紙袋を取り扱っている関係団体に対しまして、使用済みの検査証明空袋を販売する場合にはそうした表示を除去又は抹消していただくといったこと、空袋に近接した場所に上記関係法令を掲示するなど、こういった罰則がありますというようなことでございますが、購入者に対して取扱い方法を周知していただくこととしているところでございます。  通知をしただけではいけないということでございまして、このことは農林水産省のホームページにも掲載しております。また、そういった情報があった場合は情報提供してくださいということを求めているところでございます。  私どもといたしましては、この情報提供によります調査はもとよりでございますが、農産物検査法に基づく監査、巡回点検調査をやっております。監査につきましては十九年で二千八百五十三件、巡回点検一万九百六十七件やっております。このほか、食糧法に基づく巡回調査といったものもやっております。こういったもので不適正な検査証明が確認された場合は、農産物検査法に基づきまして除去、抹消等、必要な措置を講ずることとしております。  この結果でございますが、平成十九年、二十年とも、二件のこういった事例が見受けられましたので関係業者に改善を指導したところでございます。この証明書の、この農産物検査証明の表示がきちっとされるように、この使用済みの空き袋の取扱いについても適正に指導していきたいと思っております。  また、トレーサビリティー法との関係の御質問がありました。なかなか実態から見て難しい点もあろうかと思うんでございますが、このトレーサビリティーにつきましては、生産者、農家の方が出荷する段階から消費者の方に提供するまでこの記録がきちっと記録され保存され、また産地情報伝達されるということがもう制度の骨格でございますので、今言ったような点も、今後具体的な設計をする際に、配慮といいましょうか、検討材料にさせていただいて、より実効性のある仕組みにしてまいりたいと思います。
  99. 高橋千秋

    ○高橋千秋君 今、二件というのはびっくりしましたけど、そういう注意事項のポスターが張ってある横で堂々と古い袋に入れて売るというのが現状ですし、ホームセンターで売ってはいけないという通達を出したということでありますが、実際にそういう農家がその古い袋をどうやって手に入れるかというと、いわゆるトラックで買いにこられる方がどさっと置いていくんですよ。それで、それに入れてまた翌年買いに来て、またどさっと置いていくわけですよ。これはそんな簡単に取り締まれるものではないんですね。  大体ホームページに載っていますって、まあホームページをはっきり言って見るかどうかはよく分かりませんが、実態はもっともっとそういう皆さんの御意向とは違うところで動いてまして、今回のトレーサビリティー法ができることは、それはそれで評価をしたいと思いますが、しかし現場はこんな、まあ絵にかいたもちとは言いませんけれども、はっきり言ってこれで効果があるのかなという大変心配をしています。  それで、今回のこの法改正の中にも、いわゆる地方への移管、かなり県等に移管をしていくということで出ておりますし、地方分権という意味では、地方へいろいろ権限、財源を移行していただけるんならそれはそれでいいんですけれども、現状は、これ全国である程度統一しなければいけないところもあったりして、一方で地方の方も財政が厳しくて、そんなことに、仕事をぼんともらったって、財源をもらえなくて仕事だけもらっても難しいとか、それからそれぞれの農政事務所についても、これはいろいろ再編をしていくというお話で、減らしていくという方向にあるのであれば、一体、先ほど局長が言われたようにチェックをする、巡回をしてというような話がありましたけれども、じゃ、だれがどういう権限でどうやってやっていくのかという、そういうところも見えないんですね。地方に移管しますよという話があったとしても、地方はそんな大変なことを、余分な仕事をもらったって、余分にお金もらえるんならいいでしょうが、何かその辺があいまいで、一体本当にこれだれがチェックしていくのという、そこはいかがなんでしょうか。  もう時間が来ましたので、それを最後に質問をさせていただいて、私の質問としたいと思います。
  100. 町田勝弘

    政府参考人町田勝弘君) 今回、このトレーサビリティー法、また食糧法案におきまして都道府県に一定の権限行使ができるという規定を設けるということでございます。この都道府県との役割分担、これにつきましては、現在、同様に米を含めて流通規制を行っておりますJAS法におきまして、県内業者は県、県を越える業者は国が担当するといった分担が定着していることも参考にしながら、これまでも全国知事会と相談を重ねてきているところでございます。  こういった仕組みを設けることにつきましては理解もいただけているのではないかと思いますが、じゃ具体的なその役割分担ということにつきましては、今後、知事会だけでなく各都道府県にも丁寧に説明を行っていく考えでございますし、その上で国と地方の適切な役割分担を検討いたしまして、農林水産省の組織と併せまして本年夏ごろまでに成案を得たいというふうに考えております。
  101. 高橋千秋

    ○高橋千秋君 あと一分ですので終わりたいと思いますが、先ほど、そんなものではできないというお話がありましたが、私もそのよう思います。現場はそんなに甘くありませんし、商売しているわけですから、そんな簡単に役所が思っているよう感じできっちりきっちり情報を上げてくれるわけでもありませんし、チェックはやっぱりするに当たっては、幾ら仕事もらったって、これはもうそんな簡単にできないよというのはどこも同じ悩みだと思うんですね。  そういうこともきっちりとした上で今回の法律というのはやっぱり出すべきだろうし、そういう部分も、完成形はなくても、ある程度こういう形でやっていきますよというのはきっちりとやっぱり示すべきではないかと。それがあった上で本当に実行していくんだろうと思いますので、そういうことを要望させていただいて、私の質問を終わります。
  102. 平野達男

    委員長平野達男君) 午後一時三十分まで休憩いたします。    午後零時三十五分休憩      ─────・─────    午後一時三十分開会
  103. 平野達男

    委員長平野達男君) ただいまから農林水産委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、米穀の新用途への利用促進に関する法律案米穀等取引等に係る情報記録及び産地情報伝達に関する法律案及び主要食糧需給及び価格の安定に関する法律の一部を改正する法律案、以上三案を一括して議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  104. 山田俊男

    ○山田俊男君 自由民主党の山田俊男であります。  石破大臣は、就任以来、MA米の不正流通問題の処理に大変な御苦労を重ねられてきたというふうに思います。そしてまた、飼料穀物の高騰であったり、その中で小麦の確保等であったり、大狂乱の中での政策運営をやってこられたというふうに思います。  この中で水田フル活用、すなわち米粉やそれから飼料米の国内での生産対策ができないかという動きがほうはいとして出てきたわけであります。これまでも水田の中に米粉や飼料米を作れないのかという議論はもうずっとあったわけでありますけれども価格差の問題があったり、さらには横流れ防止の問題があったりして、結局は実現しないままで来たわけですが、今回まさにその時期が到来したという好機であります。  ところが、ここへ来て、小麦や飼料穀物の国際的な価格がまた落ち着いてきているということがあるわけですが、こうした状況の中で、一体大臣は水田フル活用対策の取組をどんなふうに位置付けられておられるのか、大臣考え、決意をお聞きしたいと、こんなふうに思います。
  105. 石破茂

    国務大臣石破茂君) 委員御指摘のとおりで、随分長い議論がございました。やはり小麦を作りなさい、大豆を作りなさいと、こうお願いしても、なかなか小麦、大豆というのは高度な技術が必要であると、また汎用水田でないとうまくいかぬということもございまして、やはり日本に一番向いたのは米なんでしょうねと、そして装備なぞを新しくする必要もないですよねということで、水田フル活用というもので生産調整の一環として位置付けてやるわけでございます。ところが、小麦の代替という色彩がどうしても米粉にはある、飼料用米はトウモロコシの代替という側面があると。そうすると、お値段はそれに近いものでなければいかぬのだということがございます。  そこで、私どもとして、二十一年度当初予算におきまして、米粉用米飼料用米の生産者に対しまして十アール当たり五万五千円を助成すると。米粉や米を使った飼料、えさの製造施設等の整備に関する助成、補助率二分の一等を措置をいたしたところでございますし、さらに二十一年度補正予算編成に向けた追加経済対策の中で、米粉用米飼料用米について、地域が一体となった加工業者などの実需者との連携、流通の効率化等の取組、これに対しまして十アール当たり二万五千円と、このような支援を盛り込んだところでございます。また、産地と実需者、これのマッチングを図っていかねばなりませんので、双方の意向を把握をする、その結果を提供するという取組もやっておるわけでございます。  この水田フル活用というものが軌道に乗らなければいかぬということで、考えられるあらゆる施策を講じておるところでございますが、もう一つ私として配意をしたいなというふうに思っておりますのは、あくまで代替品なんですかと、米粉は小麦の代替品、飼料用米はトウモロコシの代替品ということだけではなくて、米粉を使ったパンというもの、これはもう独自の需要があるのではないか、それを更にきちんと強調し、消費者の方々の選択に資するようにしていかねばならぬのではないか。また、えさ米にしましても、トウモロコシの代替というだけではなくて、豚でも鳥肉、あるいは卵でもそうなんですが、これで育った豚は、あるいは鳥は、結構今実際に調査をやってみると消費者の方々の評価も高いようでございますので、独自の需要喚起ということにも努めていきたいと思っておるところでございます。  水田フル活用というのは、何にいたしましても日本農政において非常に大きな意味を持つというふうに考えておりますので、委員も長く取り組んでこられましたが、いろんな御教導を賜りながらきちんと取り組みたい、成果を出したいと思っております。
  106. 山田俊男

    ○山田俊男君 大臣、ありがとうございます。  要は、大臣おっしゃるとおり、これは決意を持って、日本の新しい食の文化、さらには水田というこのすばらしい資源を生かしていく対策として必要なんだと思うんです。  我々、当委員会で千葉県佐倉市に現地調査をやったわけでありますが、その際も生産者の皆さんから、実は価格差だけのことを言うと、さらに手取りの話だけするとなかなかうまくいかないと。しかし、これを子供たちの学校給食へ米粉パンをどう供給するかということの中で、これはむしろ地域の食を考えてもらう運動としてもこのことの意味があるとまでおっしゃっていたわけでありますので、是非そういう視点でこれを進めていくということだと思います。  ところで、本川局長にお聞きしますが、今大臣が率直におっしゃってもらいました。五万五千円のところへ二万五千円の補正措置も検討しているんだよということをおっしゃってもらったわけです。合計八万円の助成というのは、そういう面では大変大きなものだというふうに思います。しかし、八万円であっても、主食用の米の手取りと比べますとまだ落ちるんですよ。ないしはコストを償うぎりぎりのところの水準が八万円の助成であるかというふうに思うわけであります。  この米粉並びに飼料米については、これが要はほかのものに横流れしてしまうということになったら何にもならないわけでありまして、そういう面ではこの八万円という水準をどんなふうに評価されるか、お聞きしたいというふうに思います。
  107. 本川一善

    政府参考人(本川一善君) この委員会でも助成水準については何回か御論議をいただいております。私どもとして、この米粉飼料用米の助成水準につきましては、まずは主食用米と同じ栽培体系で栽培できるというような農家にとってのメリット、あるいは新たな農業投資も要らないというメリット、こういうものを踏まえまして、今取り組んでいただいています原料用米である加工用米並みの収入が得られる水準ということで五万五千円を設定したわけでございます。  ただ、いろいろ御論議をいただく過程で、水田フル活用元年におきまして、本格的に今全国で千六百ヘクタールと言われている米粉飼料用米拡大していくためには、その継続的あるいは安定的な供給体制、こういうものを整備する必要があるというふうな御意見は非常に強うございました。  そういうことを受けまして、この経済対策におきまして、先ほど大臣が御答弁いただきましたが、地域が一体となって行う加工業者などとの、実需者との連携なり流通の効率化、こういう取組に対しまして十アール当たり二万五千円を措置をしたところでございます。これを合わせますればトータルで八万円の助成、さらには品代を含めれば十万円の手取りといったようなことになるわけでございまして、先ほど申し上げましたような農家にとっての米粉飼料用米転作作物としてのメリット、それから、先ほど委員もおっしゃいましたような地域におけるいろいろな米粉なり飼料用米の位置付け、そういうことを併せますれば、農家の方々に取り組んでいただける、そういう支援水準になっているんではないかなと考えているところでございます。
  108. 山田俊男

    ○山田俊男君 MA米の不正流通問題にもう本当に懲りまして、その反省の上に立って、今回の米三法は、表示を消費者に向けて適切に行うということと同時に横流れ防止をきちっとやるという趣旨を持ったものであるかというふうに思います。しかしこれ、各段階記録の作成それから保管、さらには具体的な表示と、これを行っていくことになるわけですが、大変な負担になると思われるわけです。  近藤副大臣は、農地・水・環境保全対策での対策、さらには原油・資材高騰対策で、ややもすると大変な事務負担になっていると。そのことが、いい対策なんだけれど、これを推進するのには手間が掛かってしようがないという声にこたえるべく、この負担の軽減について、農水省として、検討するチームの責任者として対策を講じていただいたというふうに思うわけでありますが、この記録、保存、そして表示という、この米三法の中においても事務負担の軽減が大変大事だというふうに思いますが、何らかの形で検討されているのかどうか、お聞きしたいというふうに思います。
  109. 近藤基彦

    ○副大臣(近藤基彦君) トレーサビリティーには記録、保存、そして情報伝達ということが命でありますので、これがこければ、この法案そのものが成立しなくなるということでありますので、そういった面では、制度設計に当たって、事業者あるいは生産者等の負担に十分にこれは配慮していかなきゃいかぬことだろうと思っております。  今、検討の途中でありますが、具体的には、記録事項とすれば、取引をした米穀等の名称あるいは数量、年月日、相手方、あるいは搬出搬入場所、そういったものが基本となると思います。もちろん、帳簿をお付けいただいているところはそれは帳簿を見れば明らかになることでありますが、そうでなくても、そういった記録が記してある伝票あるいはコンピューターの中に入っているもの、例えば農家が農協に出荷した際の伝票についても、そういった必要な事項が記載されている伝票であれば、わざわざ帳簿に写さなくてもその伝票そのものを保存をしておいていただければ結構でありますし、また農協さんが別な方々に販売した場合、例えば荷渡し指図書などにそういった必要事項が記載されていれば、それを保存していただくと。改めて何かに書き写して保存をしていなくても記録義務を果たしたということにしようという検討を今しているところでありますが、いずれにしても、対象の事業者あるいは生産者の方々と十分にお話合いをした上で、我々としても丁寧に御説明をして、施行までに十分な準備期間を設けるなどをして周知徹底をして、制度が円滑に進むようにしていきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
  110. 山田俊男

    ○山田俊男君 MA米の不正流通問題の経緯があるものですから、あつものに懲りてなますを吹くみたいなようなことになっては絶対駄目なんだと思うんです。基本的に、生産者も流通業者もそれから販売業者も共に善意なんです。善意を前提にして、そして仕組みをちゃんとつくるということがやはり大事だというふうに思いますので、その点よろしくお願いします。  ところで、どうもよく分からないことがあるので、これを率直に教えてもらいたいということで町田局長にお聞きするわけです。  食糧法は、流通を基本的に平成十六年の改正の中で自由にしてきたわけであります。業者も登録制からそれこそ届出制にしてしまっております。現行の届出業者に帳簿を付けておけと、保存しておけという義務はありますよね。届出と当時に帳簿の記録の義務があるわけです。一方、現行の食糧法の中におきます報告、立入検査、これは届出の業者だけを対象にしたものなのか、それとも、そうじゃなくて、米の業務を行う者全体について対象にしたものなのかどうか、それをお聞きしたいというふうに思います。
  111. 町田勝弘

    政府参考人町田勝弘君) 食糧法におけます立入検査でございますが、これにつきましては従来から届出義務の対象者か否かにかかわらず適用されております。すべての米穀販売業者に対して課せられているということでございます。
  112. 山田俊男

    ○山田俊男君 それでは、今度新たに出します米のトレーサビリティー法の記録、保存、表示は、これは届出制と連動しているのか、食糧法の届出制と連動しているのかどうか。それとも、そうじゃなくて、これも米を扱っている人だれでも適用するという内容のものなんですか、どうですか。
  113. 町田勝弘

    政府参考人町田勝弘君) 米トレサ法の対象事業者でございますが、米穀事業者ということでございます。具体的には、米穀等の販売、輸入、加工、製造、提供の事業を行う者。また、米穀等の運送業者、倉庫業者、こういった方が対象でございます。取引等記録の作成、保存をしていただきますのはこのうち米穀事業者でございまして、これは取引をされるすべての方が対象になるということでございます。
  114. 山田俊男

    ○山田俊男君 それでは、現行の食糧法の中で何で届出制ということがあるんですか。ほとんど役果たしていないんじゃないですか。だって、報告、立入検査はすべての取扱業者、さらに、今度の米トレーサビリティー法案もすべての米を扱っておる者を対象にしますと、こうなっているわけですから、一体そこに連動性がないというのはどんなふうに理解したらいいんですか。
  115. 町田勝弘

    政府参考人町田勝弘君) 食糧法における届出制の趣旨でございますが、これは緊急時、例えば米の供給に不足が生ずる事態等でございますが、そういった緊急時における命令を適切に発動できるようにするという観点から農林水産大臣一定規模以上の米穀の出荷・販売業者の主たる事務所の所在地等を把握するというものでございます。食糧法四十七条第一項に基づいてやっているものでございます。こういった趣旨でございます。
  116. 山田俊男

    ○山田俊男君 それでは、食糧法にこれは規定してありますかなり大きい項目かというふうに思いますけれども、通常のときはともかく自由にしますと。ところが、いざ緊急の事態があったときには届け出た業者に対しましてしっかり緊急の命令その他の措置を掛けますよということでいいんですか。
  117. 町田勝弘

    政府参考人町田勝弘君) そのとおりでございます。
  118. 山田俊男

    ○山田俊男君 そうしますと、今度の食糧法の規定は、ないしは米トレーサビリティーの法律の規定は相当な規制を米について掛けますよということであると理解していいんですか。
  119. 町田勝弘

    政府参考人町田勝弘君) 事故米等の問題を踏まえまして、今般、米トレーサビリティー法、食糧法を出させていただいているわけでございます。そういった意味で、米トレーサビリティーにつきましては、初めて米穀とまた米穀加工品に対してトレーサビリティーを義務付けるというものでございますので、全く新たな制度でございます。その際、事業者の方、現在行っている事業等に過度な負担が生じないように、また制度が円滑に動き出せるようにそういった配慮をするということは、副大臣からも御答弁いたしましたとおり、当然のことだというふうに思っております。
  120. 山田俊男

    ○山田俊男君 大臣、どうもこれも判断物すごく難しいんです。判断物すごく難しいんですけれども、このことも結局はあつものに懲りてなますを吹くことになってはいないのかということの議論をちゃんとしておかなきゃいかぬのじゃないかというふうに私は思っているんです。  基本的には、国民の主食である米については国が責任を持って管理すると、私は従来、今も、その主張でおります。ですから、生産した米の、主食である米、それから米だけじゃなくて牛乳も私はそれに入るんじゃないかと。あえて言うと、もう一つは砂糖もそれに入るんじゃないかと。米、牛乳、砂糖は国民の食に本当に欠かせない大事な作物、品目でありまして、それについてやはり国が一定の仕組みを持ってその流通管理について役割を果たすべきという思いでいるわけでありますが、今この米の管理にかかわる点について、どうも、圧倒的に流通を自由化してきた、しかし、いろいろ起こって今度は一歩踏み込んで規制強化をやらざるを得ないということに来たとすれば、どうですか、この食糧法をもう一回きちっと仕組み直すということがあっていいんではないんでしょうか。そこの矛盾が私はどこかで必ず出てくるんじゃないかというふうに心配しています。大臣の見解をお聞きしたいと思います。
  121. 石破茂

    国務大臣石破茂君) 食管法の時代を知っている人もだんだん少なくなってきましたですけど、じゃ食管法のときにすべてきちんとできていたかというと、それは必ずしもそうではなかったのではないだろうか。食管法時代もいろんな問題が起こりました。やみ米なんというのもそうなのかもしれません。  ですから、国が全部責任を負うということですべての問題が解決をするのだろうか。確かに、規制の強化、強化、強化ということになったらば考え方を元へ戻したらいいじゃないかという御議論も、それは議論としてはあるんだろうと思います。  しかしながら、私どもとして、本当に食の安全というものに対してそれぞれが意識を喚起をし、私どもとしていろいろな規制を設け、罰則を設ける、それで実際動かしてみて、やはり多様な流通というのは確保をすべきものだと思っているのですね。食管法の時代は、やはりみんなが多様な流通というのを享受することができませんでした。消費者もいろんな選択肢というものはなかったのだと思っております。消費者にいろんな選択肢を持っていただいた上でなおかつ安全を確保するという、この二つの両立ということを考えながら今回の法案をお願いしておるところでございまして、委員の問題意識は問題意識として私共有するものでございますが、今回はこの法案でお願いをし、きちんとした実効を上げたいと思っているところでございます。
  122. 山田俊男

    ○山田俊男君 今回の食糧法の改正の中で、第七条の二に、「遵守事項」ということで、農林水産省令で、米穀用途別の管理の方法その他の米穀の出荷又は販売の事業を行う者がその業務の方法に関し遵守すべき事項を定めることができるというふうに言っておられて、その上で、第七条の三に、その業務の方法を勧告すると。さらには、正当な理由がなくてその勧告に従わないときは命令を掛けますよと。命令を掛けた上でこれを遵守しなかったら、それこそ罰則がかくのごとくありますよというふうに定めているわけですね。  この遵守すべき事項というふうに言っている内容はどんなものなんですか。法律に書いていないんですけれども、一体どんな内容ですか。
  123. 町田勝弘

    政府参考人町田勝弘君) 米穀の出荷、販売の事業を行う者が守るべき遵守事項でございますが、一つといたしまして、用途が限定された米穀についてはその定められた用途以外に使用してはならないこと、二つ目といたしまして、他用途の米が混入しないよう区分保管すべきこと、三つ目として、定められた用途に使用されることとなるよう販売に際して当該用途に使用する相手方の確認などの適切な措置をとるべきことなどを省令で定めるという方向で検討しているところでございます。
  124. 山田俊男

    ○山田俊男君 今の内容を、これ法律になぜ入れないんですか。お聞きしたいと思います。
  125. 町田勝弘

    政府参考人町田勝弘君) 法律におきましては、今回、この遵守事項を設けるということで、適正かつ円滑な流通を確保するため、農林水産省令とあるんですが、米穀用途別の管理の方法その他の米穀の出荷又は販売事業を行う者がその業務の方法に関し遵守すべき事項を定める、こうなっております。確かに、今申しましたことは省令に委任をされているわけでございます。  私ども、この法律を組み立てるときに、当然法制局等の審査も受けたわけでございますが、これまでの例等を踏まえまして、基本的な考え方、骨格はきちっと法律で書く。そういった中で、あと遵守事項の具体的中身、いろいろなお米を取り扱うことについての取引ですとか保管ですとか、さっきちょっと申し上げましたが、そういった実施方法をきめ細かく定める必要がある、技術的かつ細部にわたるものとならざるを得ないということで農林水産省令で規定することとしているものでございます。  同様の例といたしましては、いわゆるJAS法におけます表示基準の遵守事項、家畜伝染病予防法の飼養衛生管理基準等がございます。こういったものを参考にさせていただいております。
  126. 山田俊男

    ○山田俊男君 御案内のとおり、米については主食用に向けるもの、それから加工用に向ける仕組みがあります。更に今度、新規需要米ということでもって米粉、えさ米が入ってきました。  ところで、主食用と加工米については数量管理しているわけですね。飼料用と米粉用はどういう管理になるんですか。
  127. 町田勝弘

    政府参考人町田勝弘君) 加工用米につきましては、もう委員十分御案内のとおりでございますが、平成八年産米から実施されておりますが、全国生産出荷団体と需要者団体等の取組計画数量、これ数量でございます、に基づきまして農家は出荷契約を行いまして、当該契約に即して出来秋に加工用米として出荷した数量分を生産調整カウントとする、こういう仕組みになっておりまして、これは定着をしております。  お尋ねの平成二十年産米から新たに取り組まれています、二十年産米から取り組まれております新規需要米につきましては、更なる低価格帯需要に対応できるように多収性品種の導入や直まき栽培などの低コスト生産を図ることが重要であること。また、米粉用米飼料用米につきましては面積助成を行っております。先ほど生産局長から御答弁ありましたが、その対象となる水田を特定する必要があること。さらに、その作付け圃場から生産される米穀の全量が確実に当該用途に仕向けられることを担保することが生産調整の達成といったことからもより適切であるということで、新規需要米につきましては圃場を特定して生産段階から区分管理を行う、こういう仕組みを取っているところでございます。
  128. 山田俊男

    ○山田俊男君 主食用の米には主食用に充てるもの、それともう一つは、主食用にも充てるんですが一方で加工用に仕向けるものとしてふるい下米と、御案内のとおりあるわけです。一方、加工用米にも場合によったらふるい下米というのが出てくる可能性ありますね。ないしは主食用のふるい下米を加工用に充てるということも出てきます。それから、米粉、それからさらには飼料米について圃場特定をする。それは、管理の上でそういう管理があり得るというのを私も納得しないわけではありません。  ところが、現行、飼料米を栽培しようといったときに、特定の圃場にこれは飼料米だといったときに、じゃ乾燥はどうする、それから場合によったら作物を植えたときの交雑といいますか、受粉が混乱しないかと、隣の主食用の田んぼの米に対して、というようなことごとからして、どうも必ずしも飼料米の専用種を植えるんじゃなくて、乾燥調製その他のことからしても、主食用の銘柄米と同じように植え付けて、そして管理するという流れがまだ強いんじゃないかというふうに思うんです。  そうなったときに、飼料米からそれこそ魚沼産コシヒカリが出てくるわけですよ。飼料米からさらに場合によったらこれはふるい下米が出てくるわけでもあります。この管理を厳密にやるんですか。ふるい下米の管理を厳密にできるということでこの法律が作られているんですか。そこをお聞きします。
  129. 町田勝弘

    政府参考人町田勝弘君) ふるい下米のお尋ねでございます。  ふるい下米の取扱いでございますが、ふるい下米も米穀でございますので、トレーサビリティーの対象品目には当然含まれることとなりますので、取引等記録の作成、保存が義務付けられるということでございます。どなたからお買いになって、どなたに売られたといったことの記録でございます。  この場合、その用途が仮に限定をされていますれば、その用途についても記録をしていただきますし、改正食糧法による遵守事項に基づく用途別管理、先ほど申し上げたものですが、これが求められるということになるわけでございますが、一方、今委員御指摘のとおり、ふるい下米につきましては一般的に用途を例えば主食用とか加工用とか、そういったことを限定せずに米穀の流通業者に対して販売されているといったこと、さらには流通業者の方は複数の産地からふるい下米を集荷して、一括して調製を行った上で主食用あるいは加工用として販売するということでございまして、御指摘のようにふるい下米の流通というのはふるい上の流通とはかなり異なっている側面もあるわけでございます。  こうしたケースにおける取扱いにつきましては、これまでも順次関係者との意見交換等も行ってきたところでございますが、更に意見交換又は実態調査を重ねまして、本年夏を目途に成案が得られるよう検討してまいりたいと考えているところでございます。
  130. 山田俊男

    ○山田俊男君 そうしますと、数量管理をやっている主食用のふるい下米、それから圃場管理を行う米粉用ないしは飼料用米のふるい下米、場合によったらそこまで行かなくても圃場管理をやっている米粉用の米と、それと飼料用の米の本体部分、それと主食用のふるい下と同じ数量交換したら、これは管理不行き届きということになるんですか。
  131. 町田勝弘

    政府参考人町田勝弘君) 今のお尋ねの件については、更に流通実態よく把握したいと思うのでございますが、新規需要米であります飼料用米また米粉米といったものにふるい下といったものが現に流通しているのかどうか、そういったことも十分把握してまいりたいと思います。  私どもは、圃場でできたものはすべて飼料用米また米粉用米ということできちっとした実需先に販売してもらうと、これが原則だということは申し上げておきたいというふうに思っております。  また、一般的な横流れ防止ということでありますれば、今回のトレーサビリティー法あるいは食糧法、また米粉用、飼料用米のこの新しい法律でもきちっと連携計画を取って報告徴求等も規定をしておりますので、これら三法を有機的に連携してきちっとした横流れ防止を図っていきたい、これは一般論でございますが、ということでございます。
  132. 山田俊男

    ○山田俊男君 ところで、MA米があります。MA米についても、主食用それから加工用、場合によったら米粉用それから飼料用というふうに仕向けられているんですか。これは確認したいと思います。
  133. 町田勝弘

    政府参考人町田勝弘君) ミニマムアクセス米につきまして、その輸入が開始されたのが平成七年四月でございます。昨年十月までの累計を申し上げたいと思います。主食用九十四万トン、加工食品の原材料用三百三十七万トン、援助用二百三十二万トン、飼料用百三十九万トン販売しております。このように、飼料用、加工用に販売をされているということでございます。
  134. 山田俊男

    ○山田俊男君 そうしますと、米粉用の米それから飼料用の米、さらには主食用のふるい下米、これら加工用のふるい下米、これらのものとMA米は多くのところでこれは競合しているということでいいんですか。
  135. 町田勝弘

    政府参考人町田勝弘君) 用途という点では競合しているというか、同じ用途に用いられているということでございます。国産を使いました米粉用米というのはまさにこれから取り組むところでございますし、飼料用米についても今千六百ヘクタールでしょうか、ということで順次増えてきているところでございますが、用途としては同じ用途ということでございます。
  136. 山田俊男

    ○山田俊男君 米粉でパンを作って、それで皆さんに本当にこれはこの地元の資源を活用したまさに米粉パンでありますということはあり得ると思うんですね。場合によったら米粉パンにもMA米が入っている可能性はあるんですか。
  137. 町田勝弘

    政府参考人町田勝弘君) これは、ちょっと済みません、今お答えようと思ったことは、米粉用、米粉パンということでありますれば、先ほど申しましたように指定米穀等ということで原料米産地情報伝達をしていただくということでございます。流通実態としてMA米を使った米粉パンがあれば、それは表示をしていただくということになります。ちょっと流通実態、直ちに今申し上げられません、申し訳ありません。
  138. 山田俊男

    ○山田俊男君 大臣、ここでちょっとお尋ねしたいんですけれども、私は基本的には国がしっかり国内産の米を管理するという仕組みの必要性についてはさっき申し上げたとおりです。残念ながら、これはもう本当に厄介なんですが、MA米という仕組みがあって、MA米を入れざるを得なくて入れております。この処理が何としても必要になるものですから、このようなことに相なってしまっているわけです。さらには、国産米の仕組みの中には今言いましたいろいろな種類の米の流通管理のことがあり得るわけですね。ここについてもう少し整理して掛からないと、どうも大変混乱が生ずるのではないのかと。  何度も言うようですが、私の今日のテーマは、あつものに懲りてなますを吹くなんですが、この管理だけでやったときに流通の実態との間で多くの乖離が生ずるということになっては、この大事な米三法の役割ということが信頼されないようになってもいかぬというふうに思うし、それからこの仕組みが物すごいきつい仕組みで実は適用の間に問題ばかり生じているということでもいかぬと思うんですね。大臣の見解をお聞きしたいと思います。
  139. 石破茂

    国務大臣石破茂君) 今日のお話はそのとおりで、あつものに懲りてなますを吹かないようにしなければいけませんです。  事故米問題があつものであったことはもう間違いないんでありまして、これはもうどうすればああいうことが起こらないかなということなのでありますが、やはり繰り返しの答弁になって恐縮なのですけれども、さればこそ消費者の方々にいろんな情報を提供しましょうと。そして、米が非常に、一物何価といいますかね、米の形を取っているんだけれども、実はいろんな性格のものがあって、そこに悪徳な業者が利得を得るということになってしまうので、やはりそこは規制を強化しましょう、そして消費者にきちんとした情報を提供しましょうということしかないんだろうと私は思っております。  午前中にも議論がありましたが、私はこのお話をやる上においては残念ながらもう徹底した性悪説に立たざるを得ないのでございまして、性悪説に立った上でいろんなものを構築をしておるところでございます。これをどういう形にしたらもっと良いのかということは、また御提案をいただければ私どもとして十分検討はさせていただきますが、昨年来のいろんな経緯を踏まえましてこのような立法になっておるということだと私は考えております。もし何かこういう提案があるぞということがあれば是非御教示いただいて、私ども検討させていただきたく存じます。
  140. 山田俊男

    ○山田俊男君 委員長にお願いがあるわけでありますけれど、今、必ずしも十分説明できなかった部分もあるんですけれど、MA米があります。主食用のふるい下米があります。それからさらに、それぞれの米の管理ごとの、管理された米ごとのふるい下米なんかも出てきますということです。そのふるい下米の用途がどんなふうに定まっているか、定められるかということについては、町田局長に言わせると、これは実態をよく詰めた上で、この夏までにどんな管理の仕方ができるか、用途が定まっておればこの米三法によってきちっと罰則も含めて管理しますと。  しかし、用途が定まっていないんならそれじゃどうするんだという事情もあるわけで、是非、これは米の流通に関するシステム研究会で多様な議論がなされてきたということは否定しませんし、一生懸命やっていただいたというふうに思いますが、その際、ふるい下米全体でおよそ、どうですか、百万トンになりますか、それとも五、六十万トンですか。それでもそれは大変な影響を与えかねない量でもあるわけでありますので、この米の扱いの実態はどうなっているか、どういう考え方でこれを整理するかということについて、是非私は参考人の意見を聞きたいというふうに思います。もしも参考人が駄目であるということであれば、是非この次の委員会に、それら業者との間で、業者といいますか、取り扱っておられる皆さんとの間での議論内容を正確に教えていただきたい、こんなふうにお願いしたいんですが。
  141. 平野達男

    委員長平野達男君) ただいまの申出につきましては、理事会で協議したいと思います。
  142. 山田俊男

    ○山田俊男君 以下、まだ質問幾つか置いておったわけでありますけれど、この事柄について私としてはどうしても状況を把握しておきたいという思いもこれありますので、次の委員会まで理事の皆さんの検討にゆだねたいというふうに思いますので、よろしくお願いします。  以上で終わります。
  143. 牧野たかお

    牧野たかお君 自民党の牧野たかおでございます。  午前中からそれぞれの委員の皆さんがかなり詳しく質問されたものですから、私も質問しようとしていたことの項目の三割、四割はやめようかと今思っておりますので、通告をしましたけれども、飛ばすやつもございます。  まず、食糧法の一部改正から質問をさせていただきますけれども、重複をちょっと許していただきたいんですが。確認の意味で質問させていただきますけれども、この食糧法の一部改正の中の法案に書かれている、出荷又は販売の事業を行う者が遵守すべき規定を整備するということになっておりますが、この出荷と販売の事業者という範囲なんですが、先ほども説明ありましたけれども、これ加工する前の一歩手前までの業者ということで理解すればよろしいんですか。
  144. 町田勝弘

    政府参考人町田勝弘君) 遵守事項の対象となります出荷・販売事業者につきましては、米穀の出荷、繰り返しになって恐縮です、販売を業とするすべての者が対象となるわけでございます。そういった意味では、酒造業者さんとか加工業者さん、そういった方は直ちにはこの出荷・販売業者というのには該当しないということでございます。
  145. 牧野たかお

    牧野たかお君 後ほど米のトレーサビリティーの法案について質問しますけれども、要は、この食糧法の改正の方の業者とトレーサビリティー法の対象業者というのは違うわけですよね。そういうふうに理解すればいいわけですね。
  146. 町田勝弘

    政府参考人町田勝弘君) そのとおりでございます。  米トレサ法につきましては、米穀事業者ということで、米穀等の販売、輸入、加工、製造、提供まで入れた事業を行う者ということでございます。一方、食糧法におきましては、主要食糧の出荷、販売、輸入、加工、製造を行う者ということでございます。その違いでございますが、米穀等の提供事業者、外食事業者さん等でございますが、こういった方は対象から除外されているということでございます。
  147. 牧野たかお

    牧野たかお君 分かりました。  それで、食糧法の改正案では、事業者の遵守すべき事項として、主食用以外に用途を限定された米穀については、用途以外に使用、販売してはならないとしております。加工原材料なら加工原材料、飼料用なら飼料用にしか使ったり販売をしてはいけないということを意味していると思いますが、それで、その基準を遵守しない場合に農林水産大臣が業務の改善を勧告することになっていると書いてあります。  それでは、その基準の遵守がなされているかどうかというのはどのようにして知るんでしょうか。
  148. 町田勝弘

    政府参考人町田勝弘君) 御指摘いただきました、遵守事項が守られているかどうかをチェックするということが最も重要であるというふうに考えております。この点につきましては、米の出荷・販売業者に対しまして報告徴求等を広く掛けた上で、疑義のあるところ、また内部告発や疑義情報の提供があったところ等につきまして迅速に抜き打ち検査を実施するといったようなことで、効率的かつ実効ある監視を行ってまいりたいというふうに考えているところでございます。
  149. 牧野たかお

    牧野たかお君 先ほど山田委員がいろいろお米の流通の複雑さについて御指摘されましたけれども、昨年の事故米の不正流通の問題という事案は、端緒が要するに投書というか内部告発だったわけですよね。  ちょっとうがった言い方をしますと、昨年の事故米の不正流通も内部告発がなかったら多分恐らく分からなかったんじゃないかと私は感じているんですけれども、要はそういう内部告発がなければチェックできないようなシステムだったら、これはなかなか法律を変えても余り効果がないような気がするんですけれども、そこら辺は、今度の食糧法の一部改正というのは、先ほどあつものに懲りてなますを吹くというお話がありましたけれども、どういう点で、要するに具体的実効性の部分で、以前と、何というんでしょう、違って、これからああいう不正流通を内部告発以外でももうとにかく防げるんだというところの違いはどこにあるのか、教えていただきたいと思います。
  150. 町田勝弘

    政府参考人町田勝弘君) 先ほど遵守事項のチェックの仕方を申し上げましたが、これは同様に米穀を含めて流通規制を行っているJAS法、これも同様のやり方でやっているわけでございます。JAS法のいろいろと今、原産地表示等の、偽装表示等の問題ありますが、その端緒となりましたのは食品表示一一〇番、こういったものに寄せられているそういういわゆる情報でございます。私ども、やっぱりこうした情報は確度も高いということもありますので、先ほど申しましたように、迅速に抜き打ちで検査をするといったことをやっているわけでございます。  このほかの方法といたしましては、出荷・販売業者につきましてでございますが、私ども巡回調査というのをやっております。農協、農業生産法人、卸売業者、小売店、スーパー、こういったところの巡回調査をやりまして、そういった情報、ラベル等もあります、そういった情報はどうなんだろうかといったようなこと。また、特にJAS法等でもそうですが、他機関との今連携情報提供をやっております。地域の保健所、警察、自治体、こういったところから、また協議会もつくりまして、情報を密にしたいということでございます。  米トレーサビリティー法におけます取引記録もこれを義務付けられますので、こういった情報も使って把握に努めてまいりたい、監視に努めてまいりたいというふうに思っているところでございます。
  151. 牧野たかお

    牧野たかお君 大臣に伺いたいんですが、ちょっと就任以来、本当にいろんな不祥事が相次いで、いろんな場面で謝罪する会見等を開かれていらっしゃって、私も見ていて切ないなと思っておりますけれども、結局、この今回の食糧法の一部改正についても、後ほど申し上げますトレーサビリティー法についても、昨年の事故米の不正流通が大きなきっかけになったと思いますけれども、それで、昨年のときには農政事務所のチェック機能が働いていないというのが事実上発覚したわけでありますけれども、そしてまた今、それとは直接関係はないといえば関係がないですけれども、体質の問題でいえば、やみ専従の疑惑が今挙がっておりますよね。それで、大臣が設置されました改革チームでは農政事務所の原則廃止の緊急提言を行っていらっしゃいます。  そういう状態の中で、この食糧法の改正だったり、トレーサビリティーの法案出されて、今これ審議しているわけですけれども、ちょっと心配なのは、どこがというか、どこがだれがでもいいんですが、どのような方法でそのチェックをしていくのかというのが、特に農政事務所の原則廃止を打ち出しているものだから、一体どうなるのかなというのは、恐らく私も含めて、また農業関係、またお米を扱っている業者の関係も多分いろいろ心配をされているんじゃないかと思いますけれども、その細部についてはこれから詰めていかれるわけでありますけれども、どのようなことを今お考えになっていらっしゃいますか。
  152. 石破茂

    国務大臣石破茂君) これは委員おっしゃいましたように、どうするかというのは、八月末に組織の定員要求を行いますので、それまでに議論して決めたいと、時間的に言えばそういうお話になります。  私は、とにかく流通監視の業務と売買の業務が一つになっておったらどうにもならないねということなので、これは切り離すということについてはどなたも御異論がないのだろうと。売買の部分と流通監視の部分は切り離しますということははっきりいたしております。  先ほど来ずっと局長答弁をいたしておりますが、表示規制とかそういう場合に、立入検査、そういうもののノウハウを食品Gメンなぞが持っておるわけでございまして、これと一体的に流通監視を行うことができる体制、これを整備をいたしたいと思っております。  ですから、どういう名前になるか、どういうような人を置くかということは別といたしまして、地方に流通を監視をする、そういうような部門というものは、どういう組織でどういう人員でということは分かりませんが、そのノウハウというものはきちんと伝承し生かしていきたいと、それは極めて大事なことだというふうに思っております。  ですから、世の中によく御懸念がありますように、農政事務所のチェック機能が働かない、働かなかったじゃないのと、ましてやこれを廃止したらどうにもならないでしょうということについては、そうではございませんというお答えに相なります。  もうとにかく去年の問題は、その売買と流通監視みたいなものが一緒になっているということもありましたし、本省と出先の関係が全く連携が取れていないということもありました。それより何より以前に意識がないということもありましたので、去年の反省を踏まえながら、私どもとして、この新しい法律、もし御可決をいただく、成立させていただくとするならば、その実行にふさわしい体制を整えたいと思っておるわけでございます。
  153. 牧野たかお

    牧野たかお君 これからそういった体制を考えていかれるわけでしょうけれども、十分、今大臣おっしゃったみたいに、法律の目的の実現のために本当に現実的にどう対応されていくかということが一番大事だと思いますので、そこは慎重な御検討をまたよろしくお願いしたいと思います。  それで、罰則についてお伺いしたいと思いますけれども、まずここに、食糧法の今度一部改正の法案の中には二つの罰則がありますけれども一つは、調査、立入りを拒否した場合の罰則を今度強化すると。以前三十万円以下の罰金だったと思いますけれども、それが今度は六か月以下の懲役又は五十万円以下の罰金に変えたわけですけれども、これは強化したというのはJAS法とか、そういう類似した法律の罰則に合わせてこういう措置をとったわけでしょうか。
  154. 町田勝弘

    政府参考人町田勝弘君) 先般の事故米問題の際には、御指摘いただきましたとおり、立入検査等を拒否する業者が相次いだということで、事故米の流通ルートの解明に支障を来したところでございます。現在の現行の罰則改正案前でございますが、三十万円以下の罰金では十分な抑止力にはなっていないということが明らかになったところでございます。  このため、本法律案では、違反行為の社会的影響が大きいと思われます他の立法例、具体的には金融商取引法、国民年金法、検疫法、農薬取締法といったものも参考にしながら、立入検査等の実効性を高める観点から、これらを拒否した者に対しましては、お話しいただきましたとおり、六月以下の懲役刑を導入するとともに罰金額についても五十万円以下に引き上げたところでございます。
  155. 牧野たかお

    牧野たかお君 それで、昨年の委員会で私質問したんですが、不正流通のときに立入り拒否をしたまま、まあ拒否をされていた業者の件数とか出ておったときに質問をしたんですが、まずちょっと、通告するのを忘れましたけれども、あの時点で、要は立入り拒否を、ほかの業者に迷惑が掛かるからという理由で拒否されたそういう業者がいたんですが、あれは結局、この前の法律の三十万円以下の罰金の対象になったんですか、要はそのまま不問にしちゃったんですか。
  156. 町田勝弘

    政府参考人町田勝弘君) 立入検査、この事故米流通ルートの解明ということについては、どこで終わりということではなく、十月末の中間的な総括報告後も何度もやっているわけでございますが、この立入検査について、例えば告発等をし刑罰等を科せられたかといったことにつきましては、そういったことはないということで、事実関係は、秋のままといいましょうか、そういう状況でございます。
  157. 牧野たかお

    牧野たかお君 そうすると、実態的に昨年の不正流通でも三十万円以下の罰金の規定であっても告発等はしないというと、そのとき私がこういう場合どうするんだと言ったのが、要はほかの業者に迷惑が掛かるからというんで拒否しているという業者がちゃんといただいた資料に載っていたんですが、そういう理由でみんな拒否して、要は告発しないというと、みんな告発できなくなっちゃうという気がするのと、今回こういうふうに強化した理由は、要はそういうのを防ぐという目的で強化したんでしょうから、この法律が改正されたら、これは厳正に対応されるんでしょうか。
  158. 町田勝弘

    政府参考人町田勝弘君) 今後、仮に米穀につきまして消費者の健康保護等を図るために流通ルートの解明が必要となった場合に、単に取引先に迷惑は掛けたくないといったような理由で立入検査等への協力を拒否するような行為は認められるものではないというふうに考えております。  今般、罰則も強化するところでございますので、こうしたケースにつきましては、国としては告発をするなど厳正に対処するといったことを検討していく考えでございます。  付言いたしますと、実際に処罰がされるかどうかといったことにつきましては、最終的には立入検査を拒否したこと等による影響の大きさなどを考慮して、司法において判断されることになると思いますが、私どもとしては厳正な対応をしてまいりたいというふうに考えております。
  159. 牧野たかお

    牧野たかお君 ここは難しいところだと思いますけれども、抑止法といえば抑止法なものですから、とにかく、次から次へ告発するのが目的じゃないんでしょうけれども、ただ全然だれも告発しなくて終わっちゃうと、そうすると、罰則というのをつくっても、どうせこれは形上だけのものでだれも一回も立件されたことがないやという話になれば、多分だれも守らなくなってしまうと思いますので、そこは厳正な対処をしていただきたいというふうに思います。  じゃ、トレーサビリティーの方にちょっと移りますけど、さっきもお話いろいろ出ていましたけど、これも、食糧法の一部改正とともに、米穀の安全性の確保や適正な流通を維持するための法案であるというふうに理解しております。昨年の事故米の不正流通のときには、その記録がなくてそのルートをたどるのは本当に苦労されたというのが私たちにも分かりました。そういう意味で、いろんな御意見もあるでしょうが、作ること自体は意義は私は非常にあると思っております。それで、ただ、先ほどからいろんな御意見や質問が出たように、かなりトレーサビリティーの記録を実際に業者段階でやってもらうというのはかなり大変だなというのは、さっきからのいろんな皆さんの御意見や質問を聞いていて思いました。  それで、産地情報、最終的な産地情報なんですけれども、小売段階で、お米屋さんで一般の人が買う場合、先ほど高橋委員もブレンドの話が出ていましたけれども、関西なんかだとブレンド米が何か多いらしいですが、そういった場合の産地情報というのはどういう扱いになるんでしょうか。
  160. 町田勝弘

    政府参考人町田勝弘君) 複数の産地の米穀がブレンドされている場合につきましてでございますが、重量の割合が多い順に表示することを基本といたしまして、関係者の意見も踏まえながら実行可能な表記方法について検討していくこととしているところでございます。
  161. 牧野たかお

    牧野たかお君 それで、譲受けと譲渡しの各段階記録が残されるわけですけれども、これは各段階によって、私は、何というんだろう、お米が流通していくときに、貯蔵しているような業者の段階もあれば、すぐさま使っちゃう業者の段階もあるかと思うんですけれども、これは全部一律的に同じ保存期間を義務付けるわけですか。
  162. 町田勝弘

    政府参考人町田勝弘君) 記録の保存期間でございますが、物によっていろんなものがございますので、一律に何年と何か月といったことではなく、実態に合わせて検討していきたいというふうに思っております。  この点につきましても、消費・賞味期限というものがございますので、その実態、関係者の意見なども伺いつつ、原則としてはしかし必要かつ十分な一定の期間ということについては確保したいという方向で検討しているところでございます。
  163. 牧野たかお

    牧野たかお君 ちょっと抽象的で分からないんですが、そうすると、具体的に何年、普通の流通段階での記録保存というのは一年とか二年とか三年とか、そういうふうに決めないんですか。
  164. 町田勝弘

    政府参考人町田勝弘君) 具体的な数字を申し上げないで大変失礼いたしました。  記録の保存期間、他法の例を見てみますと、食品衛生法のガイドラインでは一年から三年というふうになっております。また、諸外国の例、EUでございますが、原則五年でございます。こういったことも参考にしながら、きちっとした具体的な期間を定めていくという考えでございます。
  165. 牧野たかお

    牧野たかお君 それと、これは流通段階でも業者の扱う量というのは全然違うんじゃないかと思うんですけれども、これも別に量に制限なく、例えば一トン扱う業者も十トン扱う業者も百トン扱う業者もやっぱり同じ扱いで、みんなそこに対象となるわけですね。
  166. 町田勝弘

    政府参考人町田勝弘君) このトレーサビリティーにつきましては、生産してそこから出荷され消費者に提供されるまで、間がどこか抜けてしまいますとこれはトレーサビリティーになりませんので、規模の大小にかかわらず、米穀の業者に関しましては記録を義務付けていくということでございます。  ただ、例えばスナックですとかそういったところで飲食をする、お酒を提供する、そういった形態ではそのサービスのやり方は千差万別でございます。スナックで少しあられなどおつまみを少量提供するといった場合まですべてその産地情報伝達を義務付けることが必要かどうか、こういったことにつきましては具体的な実情に即して検討を進めていきたいと考えておりますが、原則は規模にかかわらず記録し保存していただくということでございます。
  167. 牧野たかお

    牧野たかお君 先ほども出ていたと思うんですけれども、もちろんこのトレーサビリティーの、要は流通の記録を残すということは大事だと思うんですけれども、今局長がおっしゃったので例が出ましたけれども、最終的な口に入れる段階になる外食産業だと、それは多分チェーン店みたいな大きな、具体的な名前出しちゃうといけないかもしれませんから、大手のいろんなチェーン店、外食産業のファストフードとかファミレスとかありますけれども、そういうところなら何とか私は対応できると思うんですけれども、町の食堂だとか普通のレストランとかいうところまでこのお米はどこのお米ですと、こういうのを一般のお客さんに果たして示さなきゃいけないのかなというのは、ちょっと私は大変だなと。要は、お店も大変だけれども、またそれを掌握するのも大変だなと思うんですけれども、その点はどういうふうに考えているんですか。
  168. 町田勝弘

    政府参考人町田勝弘君) 米穀事業者、特に外食事業者の方などが一般消費者に産地を伝達する方法でございますが、御指摘をいただきましたようなインターネット上の掲示に加えまして、メニューへ記載する、あるいは外食のお店の見やすい場所に掲示してもらうといったようなことを含めて幅広い手法を認めるという方向で検討していく考えでございます。事業者にとって過度な負担とならないように配慮しながら具体的な伝達方法を検討し、成案を得てまいりたいと考えております。
  169. 牧野たかお

    牧野たかお君 何となく分かるような分からないような、結局具体的に言うとどんなことを考えていらっしゃるのかよく分からないんですが。例えば、そこの張り紙に、うちの店で使用しているお米は国産ですとか、そういうことでいいわけですか。
  170. 町田勝弘

    政府参考人町田勝弘君) 今、本当に積極的に表示をしていただく方も多いわけでございますが、ボードに本日の例えばお米は千葉県産ですとか、この野菜は○○県産というふうに書いていただいております。お客様が来て見て分かるような、情報として伝わるような、そういった方法を幅広く認めてまいりたいというふうに考えているところでございます。
  171. 牧野たかお

    牧野たかお君 まだ最終的に詰まっている段階じゃないものですから、余り今言ってもしようがないんでしょうけれども、希望で言うと、余りそういう末端の飲食店、とりわけ個人でやっているようなところに負担にならないようにぐらいのところでとどめていてもらいたいなというふうに思います。  それじゃ、米粉関連の質問をします。  まず、ちょっとこれ私だけかもしれませんが、こちらに来て農水委員会に所属させていただいて、うちの方の党の部会等も出させていただいて、いろんな農水省の資料をもらったり、またパンフレットを外で見たりするんですが、今度の新しく出た法律というのは米穀の新用途への利用促進に関する法律ですのでこれは別にいいんですが、実は、農水省の方の先にもらった資料も「米粉・エサ米法」と書いてあるものですから。  実は私、前々から思っているんですが、人間が食べる米粉とえさ米という、飼料米というのが同じ欄で書かれていると、これどうも私は違和感があって、もちろん水田をフル活用するための新用途をいろいろ考えるというのはそれは大事なことだと思うんですが、もうちょっと米粉と飼料米とを分けて扱った方が私はいいような気がするんですが。特に、米粉をこれから普及させていくというときに、何となくやっぱり家畜が食べる米と人間が食べる米粉と同じところに書いてあると、何か米粉自体のイメージが余りいいイメージじゃないというか、何となく安っぽいイメージに私は感じてしまうんですが、これ大臣に聞いていいかどうか分かりませんが、いかがでしょう。
  172. 石破茂

    国務大臣石破茂君) ここはそれぞれの方によって受ける感じは違うんだろうねと思っています。ただ、PRの仕方はいろいろ考えていきたいねと。やはり水田フル活用というのは、山田委員にもお答えをしましたが、そういう意義を持ってやるわけでございますし、自給率を上げるという意味からも極めて重要な意味を持っていると思います。政策的な重要性という意味でいえば、米粉であろうとえさ米であろうとそれは一緒なのだと。ただ、受けるイメージとして、米粉の方のイメージを落としちゃうねということがありますんで、PRの仕方という点では私どもよく考えていきたいと思っております。  そしてまた、えさ米にしましても、何というんですか、こめ育ち豚という豚がいるんだそうでありまして、これは非常に消費者の評価が高いと。味もよろしいと、食感もよろしいと、香りもよろしいみたいなことで、やっぱりえさ米はえさ米で、それに付加価値を付ける形でうまくPRをしたい。そして、米粉米粉で、何というんでしょう、ファッショナブルというのかしら、そういう華やか感みたいなものも出してコマーシャルをしていきたいなというふうに思っております。  共に需要が拡大をするということが極めて肝要だと思っておりますんで、よくよく配意をしてまいりたいと、このように思っております。
  173. 牧野たかお

    牧野たかお君 それはまたよく御検討なさって、私が思っていることがちょっと変わっているのか、そういうふうに思っている方の方が一般的に多いのか、そこら辺御検討した上で決めていただきたいと思います。  それで、米粉のことなんですが、先ほどからもお話が出ておりましたけれども、この間、視察に行かせていただいて、特にパン屋さんの社長さんの話がなかなか印象に残ったんですが、要は、米粉価格が大体小麦の二倍以上するわけですが、それとは別に、非常に手間が掛かると、パンを作るのに。野村務官も一緒に行かれたのでお聞きになったと思いますけれども、要は、普通に小麦と同じよう米粉でパンを作ろうとすると、手の温度が温かくて、結局パンがへこんじゃうそうで、できたときに、前の日に冷蔵庫に入れておいて、二十度ぐらいでこねてそのパンの原料を作らないと、結局うまくできないというふうにおっしゃっていましたけれども、それだけやっぱり、恐らく作る方、製造する方とすると、パンとかめんとか、恐らくそれだけ苦労がおありじゃないかと思います。  それで、今回の法律の要はメリットを見ましたけれども、結局、製造者の方のデメリットが今申し上げたみたいに価格と手間なんですが、それを超えるメリットがないとなかなか、今度作る側とすると、わざわざそんなもの作ってもメリットないなということになってしまうと思うんですが。今回の中に入っているのは、設備の特別償却だとか融資だとか、設備投資の二分の一補助というのもありますけれども、まだちょっとこれだとなかなか、作る側の人からすると、業者からするとなかなか飛び付くまではいかぬなというふうに感じたんですけれども、今のこの法律の中でのそういう補助、支援で十分だというふうに当局側の方は思っていらっしゃるでしょうか。
  174. 町田勝弘

    政府参考人町田勝弘君) 米粉の普及に当たりましては、生産されたものが確実に流通、消費されるといったことが重要でございます。こうしたことから、米粉用米の生産者に対する支援のほか、御指摘のとおり、米粉また米粉パンの製造事業者に対しても必要な支援を実施することが大変重要だというふうに考えております。  このため、二十一年度当初予算におきまして、米粉用米の生産者と米粉米粉パンの製造事業者などが連携して取り組むことを前提に、米粉米粉パンの製造施設等の整備に対しまして助成を行う、また低利融資を行うといったこととしております。また、こうした製造施設等を取得した場合の税制上の特例として、取得価格の三〇%の特別償却でございます。米粉につきましては、現在、大企業を含めて大変関心を持って、川上、川下を持ってやっていただいております。特に、スーパー、コンビニ等でございます。こういった税制につきましては、企業の規模を問わず適用になるということでございます。  私ども、どうしても米粉につきましては小麦粉に対抗するということで、低コストで生産してできるだけ同じよう価格でやるということなので、生産者への助成がその分、手厚くなっているということに結果としてはなっているかもしれないのでございますが、この助成なり融資、また税制等を使って米粉利用促進を図ってまいりたいというふうに考えております。
  175. 牧野たかお

    牧野たかお君 それで、米の政策の中で、これは大臣に伺いたいんですけれども、先ほども答弁されて、米粉に対する取組というか、米粉をどう考えているかというのは御答弁されたんですけれども、確かに食料自給率五〇%を目指す中でいうと、農水省が出している資料によれば、今の一万トン未満の米粉を五十万トン、五十倍にしたいというのが書いてあるんですが、今の米粉を作るという、米粉のための米を作るというのは、結局、転作と同じ扱いですよね。要は、転作の中の小麦、大豆とか、そういうものと同じように、米粉を作る米を作れば、栽培すれば、同じように、先ほど五万五千円、今度補正で二万五千円を検討するという、上乗せを。そういう中の対象になっていて、要は、思うのは、一石二鳥といえば一石二鳥、水田を荒らさないで生産調整も、本来の主食用の米の生産調整もできるし、また自給率の向上になるわけでございますけれども、ただ、何となく私思うんですけれども、本当に一石二鳥で両方ができるのかな、本当に米粉を五十万トン需要を増やすというならば、私はもうちょっと、何というんでしょう、米粉の普及のための特別扱いのというか、それだけに主眼とした私は政策で独立させた方がいいんじゃないかという気がいたしております。  それと、いろんなお考えがあるんでしょうけれども転作対象とするというと何となく、何かあくまでも転作の方が重きを置かれるような気がして、要は本当に米粉を主食と、それもう主食に準ずるぐらいの米の、要は新しい需要として考えていくというまでには、そういうふうに受け取れないというか感じ取れないわけですが、ちょっと言い方がちょっと下手で申し訳ないですけれども。  要は、先ほどと同じお答えになってしまうのかもしれませんけれども、米政策の中で米粉を本当にこれからどういうふうに扱っていこうというふうにお考えになっているんでしょうか。
  176. 石破茂

    国務大臣石破茂君) これは、実はずっと昔からある議論なんですよね。私が今から何年前でしょう、もう二十年近く前かしら、自民党で畜産対策委員長なんかをやっていたときも、耕畜連携というお話がありましたです。要するに、これだけ自給率が低いのは、大体えさを外国から入れておるからなのであると、どうやって自給飼料を高めていくかということなんだけれども、えさを作る農家と実際に畜産農家との連携をどうするかみたいな議論をしていたときも、えさ米という話はありましたです。  そして、多収穫米を使ったらどうだという話もあったんですが、委員の先ほどの御質問の中にもあったように、どうしても日本人の中に、米は文化であると、あるいは宗教であるとは申しませんが、そういう神聖なるものみたいなところがあって、米をえさ米に使うということについてのやっぱりちゅうちょみたいなものがあったんだろうと思うんです。そうこうしているうちに、非常に米の生産装置である水田自体が荒れてきちゃったと、そして生産農家も高齢化してきちゃったと、コストも掛かるようになっちゃったと。  さすればどうなるかというと、やはりもう一度このえさ米というものに焦点を当てて議論をしてみるべきなのではないだろうか。委員おっしゃるように、これをえさに使うということはどうなのかねという心理的な抵抗感もあるのかもしれないけど、それよりも、ここの水田をどうやってきちんと活用するかということに重点を置いて考えるべきなんじゃないんだろうかということだと私は思っているんです。  私の鳥取県でもそうなのですが、本当に中山間地において水田が荒れてきちゃった、もう作る人だれもいない、後継ぎもいない、そこはもう同時に、イノシシが出るだのシカが出るだのという、そういうことにもなってきているわけですよね。  そういう中にあって飼料米を作るというのは、それなりの意味を持つんじゃないかと私は思っているんです。委員が御指摘になったように、一石二鳥にも三鳥にもなる。それぞれの効果というものを、なぜこれが効果を持つのかということをきちんと周知をせしめるということが大事なんじゃないんでしょうか。  私は特に、米飯給食を週に五日ということを我が党でも考えているわけですよね、今四日ですけど。じゃ、幾ら何でも五日というわけにもなるまい、給食調理員さんも大変なんだしと、だとすれば、パンなんだけれども米粉パンみたいなことなんです。  ですから、私は、委員がまさしく御指摘になったように、一石何鳥にもなり得るものだと。それがなぜできなかったか、それをこれから先どのように克服していくのかというのは、本当に一種の国民運動ではないかというふうに思っております。  水田フル活用というのは、そういう意味で大変な意味を持つものでありますので、委員の御指摘を踏まえた上で、また私どもとして政策の誤りなきを期してまいりたいと、このよう考える次第でございます。
  177. 牧野たかお

    牧野たかお君 最後の質問をさせていただきますけれども米粉の話を最後の質問にします。  ちょうど今、中学生の皆さんかな、いらっしゃいましたけれども、先ほど来から米粉の普及には学校給食がいいという話が出ておりますけれども、私もそう思います。  ただ、学校給食だけだと、私は需要はどこかで頭打ちで、それ以上伸びないと。やっぱり米粉を本当に国民の皆さんに使ってもらう、食べてもらうためにはもっと大々的なPRも必要だし、それと、さっきちょっと申し上げましたけれども、やっぱりイメージとして米粉の良さというか、おいしさだったりまた健康面でのプラス面だったり、そういったことを本当に大々的にやっていかないと、私は幾らこういう法律作ってもなかなか現実的には効果が出てこないと思います。  ですので、一番は、とにかく日本人がとにかくお子さんからお年寄りまでみんなが食べれば別にこんなにお米のことで苦労する話はないわけですので、私は、やっぱり食べてもらうための努力、PRを、今までの方法だけじゃなくてもっともっと工夫をしていただいて、少しでも消費拡大するように頑張っていただきたいと思いますが、最後に大臣の御決意をお伺いいたします。
  178. 石破茂

    国務大臣石破茂君) 我が国というのはある意味有り難い国で、世界では今九億人が飢餓ないしは栄養不良にあると。何を食べたらいいんだというのは、米を食べましょうか、パンを食べましょうか、パスタを食べましょうかとかいうぜいたくな話ではなくて、何を食べれば命が長らえるかということで困っている人たちが世界には九億人います。そういう中にあって、お願いです、食べてくださいというのは、かなり世界の中でも異例の部類だと思いますですよ。  大河原委員にもお答えをしたことでありますけれども、強制はできません。強制はできませんが、これがどれだけいいものであるかということ、そして世界の中でそういう状況であり、一日に二万四千人が餓死をしておって五秒に一人子供が餓死している状態の中にあって、我が国自給力を高めていくということは、次の時代に対する責任でもあるし、同時に世界に対する責任でもあるじゃないですかと、それがこの米粉なんですよという。米粉のパンおいしいなということも大事ですが、同時に、これがどういう意味を持つものなのかということを、それは学校教育の場においてもきちんと教えていただくということは大事なことなんだろうと私は思っております。  そしてまた、今どきお百姓さんの歌なんてはやらないらしくて、農林水産省で聞いてもだれも知らないという話なんですが、実際にお米を食べる子供たちが、あるいは米粉を食べる子供たちが、この米ってどこのだれが作ってくれたんだろうということ、やはりそこにおいて消費と生産の意識の共有というのが大事なんだろうと私は思っております。  ですから、この米粉の位置付けというものは教育の場においてもきちんと語られるべきだと思いますし、さればこそこの運動を定着させていく必要性があるのではないかと、私は委員の御質問を聞きながらそのように思ったことでございました。
  179. 牧野たかお

    牧野たかお君 終わります。
  180. 風間昶

    ○風間昶君 公明党の風間です。  中学生の方々が聞いていらっしゃるので、通告していませんけれども、今日そして昨日、この二日間で御飯を何ぜん食べたか、大臣、副大臣、政務官にそれぞれお伺いしたいというふうに思います。
  181. 平野達男

    委員長平野達男君) 答えられる方から順次お願いいたします。
  182. 近藤基彦

    ○副大臣(近藤基彦君) 昨日はお昼抜きでしたので五ぜん、すべて米を食べましたので五ぜんですね、はい。
  183. 石破茂

    国務大臣石破茂君) 昨日も、ごめんなさい、私、朝抜きだったものでございますから、昼、夜、今朝、合わせて六ぜんだと、先ほど計算してそういうことに相なりました。
  184. 野村哲郎

    大臣政務官野村哲郎君) 私も御飯党でございますので、すべて御飯を食べております。それに芋を少々、流動食をいただきました。
  185. 風間昶

    ○風間昶君 ありがとうございます。  まさにお米を含めた日本の食料自給率、このつかさどっている農水省の政府高官がどれだけ食べているかということがまた大きな関心、国民の皆さんにとって関心、笛だけ吹いて踊れと言う人もいますから、そういう意味では是非お米を取っていただきたいというふうに思います。  そこで、去年の九月に事故米の事例が起こって、もうこれで相当な日数がたって、そのための再発防止、あるいは万々が一起こった場合の対処について、今農水省は国民の皆さん方の注視の中でいろいろな機会を通じてやっていらっしゃると、そのことは非常に大事なことだと思いますけれども、問題はやはり、私は農水省の方すべてが悪いとは言いませんが、十分なやっぱり検査を行わないでしまったこと、そしてまたトレーサビリティーという概念、あるいはその実行が欠如していたこと、あるいは業者の方々の言わば法を守るというか遵守、コンプライアンスの意識のなさ等々が非常に複雑にミックスになってあれだけ大きな問題になったというふうに思います。  そういう意味では、そのようなことを考えると、今回のこのお米の移動が把握できるいわゆる米トレーサビリティー法というのは、一〇〇%十分ではないが時宜にかなったものだというふうに私は思うわけであります。しかし、どんなものでも、制度をつくればいいというものではなくて、どうやって実行させていくのかということが午前中からの議論であったんだろうなというふうに思います。結局、制度をつくって運用していく側、使う側がどういう意識とまた実行を行っていくのかが極めて大事なポイントになるというふうに思います。  そういう意味で、大臣が農水省改革をやらざるを得ないよう状況になったということは、一見残念なことだけれども、これはくぐっていかなきゃならない組織の一つの大きな課題だというふうに思います。  そういう意味で、今回のやみ専従の問題で資料が改ざんされたことについては極めてゆゆしき事態で、農水省もこのところ謝罪ばっかりの記者会見が多いんですけれども、どっちにしても十日に第三者委員会を立ち上げたというふうに聞いておりますけれども、じゃ、委員会はだれでも立ち上げれるわけでありまして、どういうふうにこれを、いつまでこのやみ専従の問題について一定の結論を出していくのか、そのめどをどこに置いているのか、まずお聞きしたいと思います。
  186. 石破茂

    国務大臣石破茂君) これは委員おっしゃるとおりで、七月中旬を目途に取りまとめたいということでやっております。もちろん、最初に結論、結論というか、その日にちありきでそれに間に合わせるように作るという話じゃございませんが、やっぱり目標を明確にしませんと作業にめり張りも出ませんので、七月中旬ということにいたしております。  この第三者委員会というのは、もちろん第三者委員会をつくるまでにもう農水省の中でずっと調査をやってきたわけでございますが、やはり客観性、それから公正性、そして厳格性、この三つを担保をするために、弁護士の先生方あるいは公認会計士の先生方が農水省のチームを指揮監督すると、そういうような構成にいたしました。七月の中旬までに何とか結論といいますか取りまとめができますように、私どもとしても先生方と一緒になりながら徹底的な事実解明したい。  とにかく、このやみ専従なぞというものは、直接的には職務専念義務違反ですし、もっと言えば憲法第十五条の国民全体の奉仕者であるということに正面から挑戦するものである、私はそのよう考えておりますので、いかなる困難があろうとも七月中旬までには調査結果の取りまとめをいたしたいと、このよう考えております。
  187. 風間昶

    ○風間昶君 そういう意味では、昨年の十一月二十五日に農水省の職員の方々の意識改革についてアンケート調査がなされました。そのときに、九割の職員の方が自分自身の意識の改革が必要だというふうに御返事をされて、そして八割の人が意識を変えるだけじゃなくて改革が必要だというふうにアンケートにお答えになったわけです。  そして、今般、また三月四日から十一日に職員の意識調査のアンケートで、回答率は六四%。つまり、事故米の問題が起こってから、国民の皆さん方から信頼される農水省にしていこうという、その最重要事項として改革に取り組んでいる方々の回答率が六四%ですから、まあ十人のうち六人。じゃ、あと四人、四人まで行かないんですが、三六%の職員の方々が回答していないわけです。これ、どういうことなのか。要するに、忙しくて回答できていないのか、あるいは、うがった見方をすれば、要するに全く関心ないのか、無反応ということは。  これは単純に考えると、三六%ですから三人に一人は回答していないということは、これ極めて重要なことではないかと私は思います。十人いたら三人が先生からの質問に答えてないということになるわけでありまして、こういう状況の中で、省改革を、一生懸命重要性を大臣がおっしゃっていることで、それにフィットした形になっていないんじゃないかと私は思いますから、いま一度農水省の中できちっと省内に徹底する必要があるんじゃないかというふうに私は思いますが、いかがですか、大臣
  188. 石破茂

    国務大臣石破茂君) おっしゃるとおりでございます。  つまり、しょせん人ごとだと思っているんです。自分たち関係ないもんと思っているわけですね。あれは一部の職員がやっていることで自分は関係ないと、あるいは改革ができようができまいが、今日が明日になり、明日があさってになればそれでいいと思っている人がいるからこんなことになるのだと私は思っております。  このアンケートに答える人が六割強しかいないということは一体これはどういうことだということでございまして、今度は全職員に直接送付をする電子メール、そういうものを使って省改革のいろいろな情報というものを発信をしたいというふうに思っています。  また、そのことによって勤務評定をするとは申しませんが、やはり答えない人はなぜ答えないのということをやっぱりきちんと把握をする必要があるんだろうと。一緒に省改革に取り組もうというときに、私は意見すらありませんということであれば、一緒に取り組む気持ちがないというふうに思いますので、そのことは私はちゃんと掌握をしたいと思います。  もう一つは、私いつも言っているのですけれども、我々はサービス業であって、我々が出す政策はすべて商品であって、生産者であれ流通に携わられる方であれ消費者であれ、すべてお客様なのだと。その方々に自分たちが今日どれだけ仕事をしたか、その方々にどれだけ喜んでもらえたかということを実感しないとこの省の意味はないということを申し上げておりまして、いろいろな通報等々ございますが、私はこの消費者の方々、広い意味での消費者の方々、お客様、この声にきちんとこたえるという意識を全省員が持つべきであると、そうでなければ改革なんかできないと、このよう思います。
  189. 風間昶

    ○風間昶君 すごく今日は聴取者が多いから大臣は非常に張り切って御答弁されている感じがしますが、いつもそうだと私は思っていますが。  どっちにしても、国がいろんな決まり、規制を強化して、国民の皆さん方にこの食べ物安心です、安全ですというふうに言ったところで、本当に安心につながっていくかどうかは別問題だというふうに私は思います。そういう中で、要するに国民の方々は見ているんだと思います。こつこつ安全、安心、消費者に対して食の安全、安心を確保していくために役所がやっているということを見ているんだというふうに思いますから、そういう意味で、是非安心していただけるような取組が目に見える形でスピーディーにやっていただきたいことを心からお願いをする次第でございます。  そこで、トレーサビリティーについてですが、食品の流通ルートは極めて多様化して、なおかつ生産者、事業者、加工業者、小売販売業者、消費者と、この流れの中で、流通にかかわる改革がやっぱりやらないと、これどの部分でも同じなんですが、食品に限らず、農産物に限らず、どの部分でも同じですが、ここが物すごく大事な点で、そういう意味では、だからトレーサビリティーというのは、トレーサビリティーがそのまま即安心、安全ではないんです。問題が起こったときにどうなっているのかということの追跡だけですからあれなんですが、どっちにしても安全、安心につながる第一歩だという観点でいくと、この今回の米トレーサビリティー法は時宜を得たというふうに私は思っています。  そこで、午前中も高橋さんも大河原さんも質問されていましたけれども、衆議院で修正協議の後、修正案にもなっておりますように、他の食品にもトレーサビリティーがきちっと導入をしていく、義務付けをしていくことが私も必要だと思いますし、大臣は先ほどそのような方向にしていく必要があるというようなことのニュアンスをお話をされていました。  それで、できない、米以外にできないことも議論に、先ほど大臣は食品流通の零細性という言葉を一つ挙げていましたが、課題は一体何なのか。たくさんあると思うんですけれども、食品流通の零細性だけでは私はないと思っておりますが、どのようにその課題に対して検討を進めていくかというよう基本的な考え方、ちょっと教えていただければ有り難いと思います。
  190. 石破茂

    国務大臣石破茂君) 一つは、零細性と多段階性なんだろうと思っております。つまり、それが消費者の向こうに供されるまでに小さな業者さんが幾つか流通の中に入っていると。やはり、事務負担が物すごく重くなるということと同時に、自分はちゃんとやっていたんだけれども前の人がちゃんとやっていなかったという場合にどういう責任の取り方になってくるんだろうかと、その構成をどうするのかということがありまして、私も外国の流通制度を全部知悉しているわけではございませんが、やはり零細性と同時に多段階性ということは一つあるんだろうと思います。    〔委員長退席、理事郡司彰君着席〕  それからもう一つは、加工食品という形を取ることが多いのですが、外国からいろんなものが入ってまいります。そのときに、供給の安定を図ろうとするとどうしてもその仕入先が、あるときはA国、あるときはB国、あるときはC国みたいなことでしょっちゅう変わってしまう。それは常に消費者にちゃんとしたものを提供しようと思うとそういうことにならざるを得ないのだと。そうすると、それを本当に適切な情報を表示し得るに足る、トレースし得るに足る、その情報が手に入るのかどうなのか、そしてそれをしょっちゅう変える手間をどう考えるかということもあろうかと思っております。  さすれば、国内産と外国産みたいな、かなりアバウトかもしれませんが、そういうよう情報の提供だけでいいのかどうなのか、その辺が消費者の安全というものを確保するためにどうすればいいのかという一つの命題と、もう一つは、多段階、そしてまた零細が多いものの事務負担をどうやって軽減をするか、この両立ということに時間が掛かるのだろうと。時間が掛かるからやらなくてもいいということじゃなくて、できるものは何ですかというものから順次順次やっていくということは私は肝要なことではないかと省内では議論をしておるところでございます。
  191. 風間昶

    ○風間昶君 平成十五年でしたか、あのBSE問題に端を発して食品のトレーサビリティーシステム導入をしていくために、十六年だったでしょうか、ガイドラインを出しました、食品トレーサビリティガイドラインというのが。いろいろ、ですから青果物だとか鶏卵だとか豚肉だとかあるわけですよ、ガイドラインは、トレーサビリティガイドラインというのがあるんですが。  今度は、そのトレーサビリティガイドラインはある意味では努力義務を課しているんですけれども、この米トレーサビリティー法は記録の義務付けとペナルティーを課しているわけでありまして、そうなると、今後トレーサビリティー導入を促進していくために何らかの手を予算上も含めて打たなきゃならないのかなというふうに私は思っておりますが、このことについては今農水省ではどのよう考えていらっしゃるのか、教えてもらいたいと思います。
  192. 竹谷廣之

    政府参考人(竹谷廣之君) お答え申し上げます。  今委員御指摘のように、トレーサビリティーに関しましては、平成十五、六年ごろから各先進的な取組を行っている業界でガイドライン作りというものを取り組んでいただいたわけでございます。その段階におきましては、トレーサビリティーというのをやや少し先進的なものというか、少し高いレベルで、生産履歴や何かも取り込んだ形のものというイメージが強くて、そういった取組を中心に取り組んだわけですが、モデル的にはうまくいくんですけれども、なかなか広がりがしていかないという問題がございました。    〔理事郡司彰君退席、委員長着席〕  他方、平成十五年に食品衛生法が改正になりまして、十六年の四月から適用になったんでございますが、食品事業者一般について、自分の原材料がどこから入ってきたのか、そして製品をどこへ出すのかという、いわゆる入出庫の記録という非常にベーシックな記録の作成、保存の努力義務が食品事業者に課せられたわけでございます。ただ、これは努力義務でございますから、これまたやはり普及促進ということが重要になっていって、むしろ水準としてはそんなに高くないんですけれども、広がりというものを期待して今普及などを図ってきているところでございます。  そうした中で、農林水産省といたしましては、食品事業者の方々になるべく広くこういう入出庫の記録の作成、保存をしていただけるようにマニュアル作りというものを昨年度からかなり進めてきまして、もうすぐ完成いたしますが、一つは、マニュアルというものを作って、日常の事業活動の中からどうやってそういうデータを簡単に取り出せるのかという、日常に密着した取組の方向性を出していきたいと思っているのが一点でございます。  それともう一つは、委員御指摘がありましたように、そういうのも踏まえながら、もう少しある品目、ある業態というものに着目しまして、その業界の実態に合わせた形で、どうしたらもっと実践的に取り組めるんだろうかということの取組を実証的にやっていただこうということで、二十一年度の予算にこの実証事業の予算を二千万円を手当てをさせていただいているところでございまして、先ほどのマニュアル、またその品目、業態に対応した実証事業といったものによりましてこの取組を進めて、中小事業者とか零細な方、あるいは農業者の方々も含めてこのトレーサビリティーが取り組める環境づくりというものを進めていきたい。これと併せて、今回の御指摘を踏まえた検討も深めていきたいというふうに考えている次第でございます。
  193. 風間昶

    ○風間昶君 一方、米の方では、これも平成十五年から国が、財団法人全国米穀協会を事業主体としてトレーサビリティーシステムのデータベースを作っていただいて活用して、卸売と出荷の流れをやっていただいていると思います。これ十五年からですからもう六年に入るわけでありますけれども、これもたしか食品衛生法の観点から進めたんだと思うんですけれども米穀協会に相当お米屋さんとか精米業者さんが加入していると思うんですけど、インターネットを使って集中管理、ネット管理をライストレースセンターという名前の下でやっているわけでありますけれども。  これは、要するに先行した民間のある意味では取組なんですね。それに後追いするように今回、国が米トレーサビリティー法を実施していくということで、何が違うのかというと、きっと生産者のところから業者の方に行くまでの間は今この米穀協会がやっているのはないですから、その生産者のところから、スタートからこの米トレーサビリティーが把握できるようなことになるんだろうと思います。  そうなると、この民間の取組をどう評価して、それつぶしちゃいけない話なんで、どう生かしていくかということが大事になってくると思いますけど、そこはどう考えていけばいいですか。
  194. 町田勝弘

    政府参考人町田勝弘君) 本法案におけますトレーサビリティーは、御指摘をいただきましたように、米穀を取り扱う生産者の段階から広範囲の事業者に対しまして、仕入れ、販売に関する記録を義務付けまして、米穀等について問題が生じた場合にそれぞれの米穀事業者の記録をたどるということで、迅速かつ的確に流通ルートの解明を図ろうというものでございます。  他方、御指摘の財団法人全国米穀協会が運営いたします米トレーサビリティーシステムでございます。導入の背景は、御指摘をいただいたとおり、BSEの発生等、こういうふうなものを踏まえて、消費者に食品の履歴に関する情報を積極的に提供しようというものでございます。食品を追跡、遡及するという基本的な機能に加えまして、生産履歴等の情報消費者に開示するITを活用したトレーサビリティーシステムでございます。より高次なものというふうに理解しております。こうしたトレーサビリティーシステムにつきましては、食品を安心して食べたいという消費者の関心にこたえようとする点で評価できるというふうに考えております。  本システムの参加者が増えること、また、こうしたシステムに各事業者が積極的に取り組むということを私どもも期待しているところでございます。
  195. 風間昶

    ○風間昶君 単純に言うと、そうすると、今の民間システムはシステムとしてやっていただきながら、この法を動かしていくという理解でいいですか。
  196. 町田勝弘

    政府参考人町田勝弘君) そのよう考えているところでございます。
  197. 風間昶

    ○風間昶君 そこで、今度は業者の方のコンプライアンス向上の問題が、これはやっぱりどんなに法律作っても、稼ぐためには悪の手段を使うというところが出てくるわけでありますからあれですが、食品の信頼確保・向上対策推進本部というのを、これも三年前ですけれども省の中につくって、そして去年の三月には業界の皆さん方は自主的に行動計画を作ってくださいよというふうに指導して、そしてそのための五つの原則、基本原則を作られたわけですよね、信頼性向上自主行動計画策定の働きかけと。  そんな中で、実際にこの自主行動計画を米の流通業界の団体が作っているのかどうか。作っているとするならば、どんなところでどういうふうにしているのか、聞きたいと思いますが。
  198. 町田勝弘

    政府参考人町田勝弘君) 御指摘をいただきましたとおり、この米穀の不正規流通を防止するという観点からは、今般提出しております法案はもちろんでございますが、米穀事業者自身が適切な業務執行体制を整備してコンプライアンス意識の向上を図るということが何よりも重要だというふうに考えているところでございます。  米流通業界団体におけます信頼性向上自主行動計画についての取組状況でございますが、当省が働きかけをいたしました団体すべて、十一団体でございますが、ここにおきまして本計画を策定いたしまして、総会又は理事会で承認をされているところでございます。  また、米流通業界におきましては、傘下組合員向けのコンプライアンス実践ガイドブックの作成やコンプライアンス研修会の実施、食品業界の信頼向上セミナー、これ私どもが主催しておりますが、への参加への呼びかけなど、コンプライアンス意識の向上に向けた取組を行っているところでございます。
  199. 風間昶

    ○風間昶君 十一団体が計画を作っていただいて今やっているということでありますが、じゃそのセミナー等をやった結果がどういう形になって出てくるかはこれちょっとまだ分からないですが、効果が出てくればいいと思っておりますが、効果が出るようにやっていただいていると思うんですけど、実際に目ぼしい効果が出たなというのがあれば教えてもらいたい。
  200. 町田勝弘

    政府参考人町田勝弘君) 先ほど申し上げましたが、業界としてこの実践ガイドブックを作ったということも一つの効果かというふうに思っております。こうした取組につきまして私ども一定の評価をしているわけでございますが、業界団体だけではなく、傘下の企業、そういったところに更にこのコンプライアンス徹底に取り組んでいただくということが必要だというふうに思っております。  個別事業者におけます企業行動規範の策定、こういったことにつきましても指導なり支援を行ってまいりたいと考えているところでございます。
  201. 風間昶

    ○風間昶君 そこで、この法律が施行されるのは公布の日から一年半と、消費者に直接この産地情報伝達されるのは二年半ぐらい掛かるだろうというふうに、比較的長い期間を設定しております。その間、ですから政省令で相当細かなところまで周知徹底を図るための作業をしなきゃならないということを考えているんだと思いますが、具体的に、そうはいっても、政省令が遅くなればなるほどまた周知が遅くなると。なおかつ、受け止めた側は、またころころ変わる農政かというふうにやゆされないようにするためにも、できるだけ早く提示する必要があるというふうに思います。  ですから、細かな点の政省令のめどは、先ほど大臣は、この政省令ではないけれども、夏ぐらいでしたかね、あれはやみ専従の話でしたか、そうだね。この政省令のめど、それがどのぐらいを考えているのか。それが早ければ早いほど提示ができるわけです、事業者に。是非そこをちょっと教えてください。
  202. 石破茂

    国務大臣石破茂君) 政省令のめどにつきましては夏ということを考えております。夏も初夏から晩夏までございますので幅はございますが、できるだけ急いでお示しをしたいというふうに考えておるわけでございます。  委員おっしゃいますとおり、法律が成立し施行されるまでの間、これをできるだけ短縮をしたいというふうに私どもも思っておるわけでございます。初めてトレーサビリティーをやってくださいということを義務付ける、義務付けるわけで、罰則も掛かるわけでございますから、そんなこと知りませんでしたと言われても困るんでありまして、周知徹底をしましょうと。また、記録のための体制整備にもある程度の時間は掛かるんだろうというふうに思っておりまして、トレーサビリティーにつきましては施行日を法律公布の日から一年六か月以内の政令で定める日ということにしておるわけでございます。  また、産地情報伝達についてはどうなんだろうということになりますと、トレーサビリティーが事業者において確実に行われなければいけない、そして包装資材の切替えの準備も必要だということでございまして、これも二年六か月以内の政令で定める日というふうにしておるわけでございます。  そこは、もう定める日ということでございますから、二年六か月以内あるいは一年六か月以内でどれだけ短縮できるかということについてはよく意を用いてやっていきたい、この法律の目指すところというものが一日も早く実現できるようにしたい、そしてまた現場の混乱も回避したいと、このように思っているところでございます。
  203. 風間昶

    ○風間昶君 おっしゃるとおりだと思います。生産者、出荷業者、中間流通業者、加工業者、小売販売店、それぞれに対して制度の趣旨をお話しした上で、記録の出入り、言わば内部トレーサビリティーと言うんですかね、入荷と出荷の対応というか引き合わせという、この作業が極めてかぎになる、うまくいくかいかないか。  そのためには、だから政省令でどこまで詰めれるかという話になると思うんですけど、恐らく、実際に動き出すとなると、いや、この製品は対象になるんでしょうかだとか、あるいは伝達、その表示義務がある業者に私たち入れるんだろうかとか、業者側からの相談がまた出てくる可能性も私はあるのではないかというふうに思います。したがって、周知徹底を図りながらこのツーウエーのやり取りをしていくためには、私は省内に、省内かあるいは各地方か分かりませんが、相談窓口、あるいは窓口でなくてもきちっと担当の方がいないとこれスムーズにいかないと思いますので、そこ一つお願いです。  もう一つは、実際に記録を作るとなると、書式がそれぞれ違ってくるとまたこれ厄介で、もうそれでなくても消費税導入になった場合の帳簿のあれが大変なことになるのと同じことになりはしないかというふうに思いますから、そうなると、できるだけ中小事業者の方々の記録簿なりなんなりの事務的コスト、これがまた掛からないようにしないと、さっき牧野さんか山田さんがおっしゃったように、何のためのあれなのかということになりますから、そこの配慮もやっぱり二点目に必要じゃないかというふうに思いますので、そのことについて今の基本的な考え方を教えていただきたいと思います。
  204. 町田勝弘

    政府参考人町田勝弘君) 二点御指摘をいただきました。  まず一点目でございますが、このトレーサビリティーに取り組んでいただく事業者の方々に対しまして、制度の趣旨、内容を十分理解していただくとともに、実施上の様々な疑問にきめ細かく答えていくことが重要であると、私ども御指摘のとおりだと思っております。  このため、本省や地方農政局などの関係出先機関に事業者からの相談や問い合わせに対応できる窓口を設置したいというふうに、検討してまいりたいというふうに考えているところでございます。  また、事業者にとって過度な負担にならないようにということにつきましては、問題が生じたときにやはり流通ルートの遡及や追跡を行うと、これはもう必要なことでございます。そういった必要な最小限の事項として、取引をした物資の名称、数量、年月日、相手方、搬入搬出の場所、こういった基本的な事項を記録をしていただくということでございます。  また、記録の方法につきましても、伝票類の保存だけではなくて、帳簿等による記録また電磁的方法、いろんな方法を幅広く認めてまいりたいということでございます。  本法によりますトレーサビリティーが事業者の方に過度な負担にならないよう、そういった点は十分配慮し、制度の実効も上げてまいりたいというふうに考えております。
  205. 風間昶

    ○風間昶君 分かりました。  あと、これまた省改革につながる話になるかもしれませんが、食糧法にかかわる米の販売、検査というのは地方の農政事務所がやっておりましたよね。そういう意味では、お得意さんに対して検査も遠慮してしまうという構図であったのも問題だという指摘があります。そこで、この有識者会議では、「今後の対応」で米の流通・取引に関する検査体制の強化の一環の一つに食品表示Gメン、これは二千人ぐらいいらっしゃるんでしょうか、担当させるということも有識者会議の検討課題になっているようでありますが、省内ではこのことについては具体的に、この提示、提言に対してどう受け止めて、どうしようとされているのかの考え方を伺いたいと思います。
  206. 町田勝弘

    政府参考人町田勝弘君) 米トレーサビリティー法に基づきます諸般の記録の作成、保存等、この実効性確保をしていくためには、効率的な検査、監視を行っていく、そういったシステムが大変大事だと思っております。有識者会議から御指摘をいただいているのは、そのとおりでございます。  農林水産省といたしましては、現在検討しております農林水産省の抜本的な機構改革の中で、流通監視を適切に実施するという観点から、消費・安全部門における表示規制など、食品Gメンの方がされている部分でございます、など他の分野における立入検査、ノウハウも生かしながら、これと一体的に流通監視を行うことのできる体制を整備したいと考えております。  具体的な組織体制につきましては、検討を進めまして、八月末までの組織・定員要求時までに成案を得たいと考えておるところでございます。
  207. 風間昶

    ○風間昶君 分かりました。  あとは、情報の収集ということでいうと、先ほどもずっと議論がありました内部告発がなかったらこうならなかったのかもしれないという指摘は当たっていると思いますが、どっちにしても、出てきた情報をどう一元的に管理するかということが極めて大事であります。  そういう意味では、今までは大臣官房のどこでやっていたのか、ちょっと分かりませんけれども情報評価課というのがどうもあるようでありますけれども、この一元管理は官房の情報評価課が行うことになるんですか。
  208. 町田勝弘

    政府参考人町田勝弘君) この大臣官房評価課で検討をしておりました情報管理の一元化でございます。御指摘をいただきましたとおり、国民の皆様から寄せられます様々な違法行為、不法行為などに関する情報が潜在的なリスクの発見の端緒となるということから、この三月末までに結論を得るということが工程表に書かれていたところでございます。  これを受けまして、職員一人一人が情報を受け付ける際の対応マニュアル、また受け付けた情報を一元的に管理する仕組みを整備いたしまして、三月三十一日に開催されました第三回の省改革推進本部会合で了承を得た上で、四月から運用を開始しているところでございます。これは情報の一元化ということでございます。  この仕組みにおきましては、食品表示一一〇番など、マニュアル化、システム化が既になされている情報につきましては速やかに担当課に送付され、担当課において処理をするということでございます。  そういったことで、情報の一元化をしつつ、そういった監視等につきましては担当課が責任を持ってやっていくということでございます。
  209. 風間昶

    ○風間昶君 そうやって聞くと、今まで一元的に情報を集めていなかったんだなと、どこかここかで要するに情報が分断されていたということなんでしょうね。まあ、がたいが大きい省だからそういうことはあり得る話ですが、ここはきちっとやっぱりやらないと、何のために、幾らいい制度をつくっても情報が分断されていては意味がないというふうに思いますので。  問題は、それは情報を集めるのはいいんです、しかも一元的に管理するのもいいんです。その情報に基づいて、今度、検査あるいは立入りということを行わなきゃならないわけであります。そうして初めて安全であるのかどうかということの確認もできるわけでありますから、そういう意味では、第九条の勧告、命令とか、第十条の立入りとか検査は、どこの機関がどういう組織、人員でやるのかということについては、もちろん本省と都道府県とそれぞれの地域との関係があると思いますが、今現在の段階で詳しいこと言えないなんてそんな逃げないで、今考えていることを言いなさい。
  210. 町田勝弘

    政府参考人町田勝弘君) 現在、機構改革を検討しているところでございますが、はっきりいたしておりますのは、私ども今担当しております米の売買関連業務と切り離して、食品安全部門における表示規制など、他の分野における立入検査、ノウハウも生かしながら一体的に流通監視を行うことができる体制を整備するということで、業務と監視を分けるといったことは、こういった体制にしたいというふうに考えているところでございます。  また、本法案、トレーサビリティー法案、食糧法案、そうでございますが、大変対象とされる事業者が相当多数に上るわけでございます。また、その活動範囲も県内に限られるといった地域密着型の事業者も少なくないと考えられるといったことを踏まえまして、法律案におきまして、都道府県も政令の定めるところにより権限行使ができるように措置するというふうにしているところでございます。  都道府県との役割分担、これにつきましては、これまでも全国知事会と相談を重ねてきているところでございますが、今後、各都道府県にも丁寧に説明を行っていく考えでございます。  夏までに、繰り返しになりますが、きちっとした組織なり人員、そういったことをお示しできるよう、更に検討を進め、成案を得てまいりたいと考えております。
  211. 風間昶

    ○風間昶君 時間がないですから、先ほど大臣は、この公布の日から一年半、消費者へ伝達されるのは二年半だが、これより短くしていく必要があるねというお話をされました。  元々、この事故米の不正規流通問題が発端となっている以上は、一刻も早くこの体制整備をしていかなきゃならないということだと思いますので、衆議院任期満了まであと三か月しかない、衆議院の任期満了まであと、もうちょっとある。そのぐらいをめどに考えていいのかどうか、大臣に一言伺って終わりたいと思います。
  212. 石破茂

    国務大臣石破茂君) 政省令のお示し、それはできます。ですから、私どもの、ここは参議院でございますが、私どもの任期満了は九月十日と承知をいたしておるわけでございまして、それまでにはもちろん示せるということでございます。  一年六か月あるいは二年六か月というのは、その後世の中どうなるかは私どもには知る由もございませんが、いずれにいたしましても、今この法案を提出をしております農林水産大臣として、二年六か月、一年六か月の間、できるだけ縮めていくということは、それはだれが大臣になろうともそれはきちんとやっていかねばならぬことだというふうに考えておるわけでございます。
  213. 風間昶

    ○風間昶君 終わります。
  214. 紙智子

    ○紙智子君 日本共産党の紙智子でございます。  主要食糧法の、最初、一部改正の問題で質問をいたします。  この改正は、汚染米の不正規流通事件が大きな動機となって、その改善のための改正ということです。米穀の出荷又は販売の事業を行う者が遵守すべき事項の規定を整備するとともに、立入検査の忌避に対する罰則を強化するものなどというふうになっているわけです。  それで、これは午前中からの質問の中で、何人かの方も同じような質問をされておりました。要するに、その中で規定していることがあるけれども、実際上の中身が示されていないと。午前中のやり取りの中でも、政省令にこれは載せるということで、であれば、そういうものをちゃんと見なければ分からないのじゃなくて、そういうものがきちっと整った上で本来出すべきじゃないかということも出されていて、私もそうだというように思うわけですよね。  そういう点では、確認の意味ということになりますけれども、重なるところもあるわけですが、改めて、この中で言われている、条文の中で用途別の管理方法と規定されている中身、具体的な中身。それから、遵守すべき事項、どういう中身かということについて、まず二つお聞きしたいと思います。
  215. 町田勝弘

    政府参考人町田勝弘君) 委員御指摘は第七条の二、食糧法の新しい第七条の二でございます。米穀用途別の管理の方法その他の米穀の出荷又は販売の事業を行う者が業務の方法に関し遵守すべき事項というのが条文でございます。  この具体的な遵守事項の内容でございますが、一つとして、用途が限定された米穀につきましては、その定められた用途以外に使用してはならないということ、二つ目といたしまして、他用途の米が混入しないよう区分保管すべきこと、三つ目といたしまして、定められた用途に使用されることとなるよう、販売に際して相手方の確認など適切な措置をとるべきことなどを定める予定でございます。
  216. 紙智子

    ○紙智子君 事故米の不正規流通事件が起こったその原因の一つは、やはり必要のないミニマムアクセスを輸入して、在庫になってたまって、これを何とか処理しようとしたということがあるわけです。それからもう一つは、米の流通の規制緩和が行われたと。  特に、これ二〇〇三年のときの主要食糧法の改正、まあ二〇〇四年から実施ということになったわけですけれども、この結果、米の販売の登録制度から届出制度変更したと。だから届出さえすればだれでも米穀を出荷、販売することができるようになったと。その結果、様々な事業者が参入をして自由に米の売買を行うようになったと。  それから、取扱量が月二十トン以下の販売業者については、これは届出義務がないわけですよね。届出なくてもいいということもできるようになっているわけです。それで、そういう中でいわゆるペーパーカンパニーのような怪しい業者についても参入できるような余地をつくってしまったと。  ですから、農水省も実際にこの法改正をもって実質的に国がそれまで責任を持って管理していたその管理を放棄したということにもなったというふうに思うわけです。そういう中で、実態がつかめないということの中で事件が発生したし、そして解明しようと思ってもなかなか複雑でよく分からないということにもなったわけです。  いわゆるこうしたやっぱり行き過ぎた規制緩和、これに対してどのような反省をされたのか。まあ原因と結果ということを言うのであれば、こういう届出制度の見直しが本来見直されるということが求められるのが当然じゃないかというように思うわけです。米の流通システムの検討委員会の中でも検討項目に入っていたというふうに思うわけで、その点についてまず大臣にお聞きしたいと思います。
  217. 石破茂

    国務大臣石破茂君) 規制緩和が行き過ぎたのだと、これに反省をすべきであると、こういうような御意見をおっしゃる方もあるわけでございます。あるいは届出制度というのはよろしくないのであって、登録制度に戻すべきではないかというような御意見もある、それもそれなりにこう説得力のあるお話だとは思うんです。  ただ、先ほど我が党の山田委員とも議論させていただいたところでございますが、それでは食管法の時代にきちんとできていたかといえば、やみ米みたいなものがあって、そのときにもいろいろな問題は起こっておったわけで、やはり私は民間の自由な流通というものは最大限尊重していかねばならないであろう。さはさりながら、何をやってもいいという話じゃございませんので、トレーサビリティーでありますとかそういうもので流通経路をきちんと確保したい、トレースができるようにしたいというふうに思っているわけですし、守るルールを定め、そして罰則も科したいし、その実効性もきちんと担保をしたいなというふうに思っておるわけでございます。  どのようなやり方にしても、それは悪いことをしようと思う人は出てくるわけでありますが、それがどれだけ民間の自由な流通というものを、そしてまた消費者の多様な選択というものを尊重するかということは、私は今日においても重要なことではないかというふうに考えておる次第でございます。  あるいは委員が今御指摘になりましたように、二十トン以上の事業者しか把握ができないと、届出制ではそうであるが、二十トン以下に規模要件を引き下げるべきではないかというふうな御指摘もございました。  確かに、より多くの出荷・販売事業者を捕捉すべきだという御認識はそのとおりでございますが、ただ、この規模要件につきましては、旧食糧法におきます登録出荷業者、この数量要件が二十トン以上であったということを踏まえて引き続き二十トン以上としておることでございます。  なお、十九年度末におきまして八万四千、それぐらいの業者さんを把握をしておるわけでございまして、緊急時対応という観点から下げるということは必要がないのではないかというふうに私は現在思っておるところでございます。  届出がない業者さんもそれはあるわけでございますが、迅速に、何というんでしょうか、抜き打ち検査というものを適宜行うということが必要でございまして、これは内部告発があったらば迅速に行うということもそうですし、内部告発がなくても疑義のあるところには検査を実施するということになるわけでございまして、届出がない業者さんにつきましても、きちんとした実効ある監視は行っていく、そのような体制を整えたいと思っておるところでございます。
  218. 紙智子

    ○紙智子君 私は、法を改正すると、もっと良くしなきゃいけないというのはそれはいいと思いますけれども、やっぱり根本的な本質的な反省がなかったら本当の意味で的の当たった対策にならないというふうに思うわけですよね。  それで、去年の段階で、大臣は、十月でしたけれども、この問題をめぐってはどんなふうにおっしゃっていたかというと、売買事業の実態を把握していなかったことに自分自身が重い責任を感じているというふうにおっしゃっていたわけですよ。そして、届出制のままでいいのか、これについては議論しなくちゃいけないというふうに答えていたわけですよね。そういうことを当時おっしゃっていたわけだけれども、今の答弁になるとそういうことが全く抜けてしまっていて、それで別に問題はないという、大きな問題はないという、問題なのはその悪いことをやる業者が出たことが問題というふうになってしまっているんじゃないかと思うわけですよ。違うんじゃないかと思うんですね。  やっぱり農水省がちゃんと把握し切れていないという、そこのところをどう強化しなきゃならないかということだし、そのことについてどうなんですか、その当時言われていたことがどうしてこういうふうに変わっているのかということをお聞きしたいんですけれども
  219. 町田勝弘

    政府参考人町田勝弘君) 検討の経過の事務的な話でございますので、私から……
  220. 紙智子

    ○紙智子君 事務的な話じゃないですよ。
  221. 町田勝弘

    政府参考人町田勝弘君) 事実関係お話をさせていただければと思います。事実関係だけ私から説明をさせていただければと思います。  紙議員からも冒頭御指摘いただいたんでございますが、このトレーサビリティーシステムにつきましては、米の流通システム検討会で検討を重ねたところでございます。当初、届出制がいいのか登録制がいいのかという議論もあったんですが、種々議論いただいた後、やはり過度な規制というものは避けるべきではないか、その中で実効性が上がるような方策を考えるべきだということでございます。  今回につきましては、規模の要件を求めず、遵守事項も掛けますし、取引の記録もしていただくということでございます。これで私ども実効性を上げていきたいと考えております。
  222. 平野達男

    委員長平野達男君) 大臣、補足ございますか。
  223. 石破茂

    国務大臣石破茂君) 今局長答弁したとおりでございます。  どちらにしても、そういうよろしからぬ業者というものがそういうことができないようにその監視の体制をきちんと整えるということが必要だと思っております。届出であろうが登録制であろうが悪いことをしようと思う者はいるのでありまして、そういう者をきちんと監視をし、そしてまた仮にそういうことが行われた場合には摘発をするという体制を整えるというふうにシフト、重きを置いておる、そういうことだと御理解をいただきたいと存じます。
  224. 紙智子

    ○紙智子君 やはり把握できない状態のままでいろんなことが起こったということについて、結局そこのところをきちっとじゃどうやって打開しなきゃいけないかということを出さなきゃいけないのに、実際には無届けのままの人たちが今も手を付けられないままいるということになっているわけですよ。  それで、無届けの二十トン以下の米の販売業者の存在について、今回の法改正でやるつもりはないという話だったわけですけれども、手を付けていないわけですよね。でも、このままにしていたら、やっぱり何らかの意図を持った業者がいて悪用されるおそれというのはなくならないですよね。米の全体の流通の中の二〇%が届出のない業者によって販売されているわけですよ。その部分が常にあるわけですよね。そこに意図を持った業者が入ったときには、これまた同じようなこと繰り返しになると思いませんか。  ですから、私はこれを、二十トンというのは、これ省令事項ですよね。だから、いろんなところの省庁またがなくてもいいわけで、大臣の決断があればこの取扱いの数量引下げさせることができると。例えば最低一トンまで下げるとか、そういったことができるはずだと思うんです。ほとんどの米の販売業者をこれやっぱり届出業者にしてちゃんと把握できるようにしておかないと、出口のところで規制すればいいというふうに言うけれども、実際にはどういうものたちが動いているのかということが分からない中ではチェックのしようがないということがあるわけですから、是非そこは大臣御判断をいただきたいと思いますが、いかがですか。
  225. 石破茂

    国務大臣石破茂君) なぜ二十トンかということにつきましては先ほど答弁を申し上げたとおりであります。繰り返すことはいたしません。  米の取扱い規模にかかわらずどのようにして把握をするかということなんでございますが、一つは巡回調査でございます。農協あるいは小売、卸売業者、スーパー、農業生産法人、巡回調査をやりましょうと。その次は精米業者、販売業者、製造業者、そういうようなものの情報をきちんと把握をする、これはラベルによるものでございます。  さらには、事業者の従業員から内部情報が提供された場合、これは通報みたいなことになりますが、これが三番目だろうと。あるいは地域の保健所、警察、地方自治体、自治体によりましては協議会を開催するところもございますが、そういうようなことによって把握をしたいというふうに思っております。  さらに、これに加えまして、トレサ法によります取引記録を遡及、追跡することによりまして、取引先の事業者を順次把握するということが可能でございます。  したがいまして、食糧法で届出をしていない事業者におきましても遵守事項というものが守られるのだというふうに考えておりまして、今申し上げましたことを重層的に行うことによりまして相当に可能になるのではないかと私は思っておるわけでございます。
  226. 紙智子

    ○紙智子君 今の答弁では全然納得できないです。やっぱり擦り抜けることできますよ。いろんなこと今言いましたけれども、やっぱりそういう様々な業者が目を付けて、法の網をくぐってやるというところに対してきちっと手を打たなければ、なかなかやっぱりこれは止めることができないというふうに思うわけです。  それで、結局、今のところやるつもりがないというお答えなわけですけれども、私は結局そういう意味では、根本的なところはおいたまま周辺のところで変えようという話の範囲にとどまっているというふうに言わざるを得ません。  次に、トレーサビリティー法の問題です。  それで、食の安全、安心の確保にとって、今回、米にもこのトレーサビリティーを導入するということは賛成です。そして、米の産地表示を義務付けることも、国産米の信頼性の確保の上からいってもこれは望ましいことだというふうに思っているわけです。ただし、これもこの間、午前中を含めて議論があったわけですけれども、トレーサビリティーと産地表示の実施ということをめぐってはいろいろ問題があると。  それで、まず、米は主食だけではなくて、米関連の食品というのは大変広範囲にあるわけです。もちなんかもそうだし、米菓子もそうなわけですし、そのほかにもあるわけですけれども、この対象範囲の問題として酒、それからみそ、しょうゆなども対象にすべきではないかというふうに思うんですね。事故米の不正規流通問題の有識者会議の中でも、酒を対象にということは提言もされているわけです。  それで、お酒については財務省の所管ということなので、財務省にお聞きしたいと思います。まず最初に、財務省の方にお聞きしたいと思います。国税庁。
  227. 西村善嗣

    政府参考人西村善嗣君) お答え申し上げます。  酒類につきましては、法律上、政令で指定をすることによりまして対象品目に加えることができるよう措置をされているところでございます。  酒類を対象品目にするかどうかにつきましては、今後、社会通念上、米を主たる原材料とするほかの米加工品を所管する農林水産省とも相談をしながら検討をしてまいりたいと考えております。
  228. 紙智子

    ○紙智子君 それじゃ、続いて、酒、みそ、しょうゆなども含めてもっと広げる対象ということで、先ほどの中でお酒については大臣も述べられたんですけれども、今の国税庁の話も受けながら、大臣としていかがでしょうか。
  229. 石破茂

    国務大臣石破茂君) 酒につきましては午前の答弁でも申し上げました。酒も対象にすべきであるというふうに私は考えております。その観点から、よく財務省、国税庁と協議をし、実効性を上げたい。私は、酒は入るのが当然とまで言い切っていいかどうか分かりませんが、入るべきだというふうに思っております。
  230. 平野達男

    委員長平野達男君) みそ、しょうゆ。
  231. 石破茂

    国務大臣石破茂君) 委員長、失礼しました。  みそ、しょうゆはどうなのだということでございますが、みそ、しょうゆというものも、将来的にといいますか、対象とするということになっていくのだろうというふうに思っております。  何度も何度も同じことを申し上げて恐縮ですが、もう一度整理のために申し上げますと、政令で指定をするというときには米穀そのもの、その次に御飯として提供されるもの、チャーハンとかどんぶりとかそういうものですね。その次に米を主たる原材料とするもの、あられ、せんべい、おだんご、こういうことになるわけです。  次に、米を原材料としていることを商品の訴求ポイント、セールスポイントみたいなものですね、米粉パンというものを基本として現在検討を進めておるわけでございます。  みそ、しょうゆの場合にも、やはり米というものがかなり決め手になるということは私は事実であるというふうに考えておるわけでございまして、今四つジャンルを申し上げましたが、みそ、しょうゆも、そういうよう観点から対象品目範囲について私どもの中で検討していきたいというふうに思っております。
  232. 紙智子

    ○紙智子君 それじゃ次、米を含む食品、加工品についてもどこまで対象にするのかということが問われてくるわけですけれども、衆議院では、対象を米関係以外の飲食料品にも広げることを今後検討するということを内容とする法案の修正が行われたわけです。消費者が極力やはり表示を求めているわけで、更に広げるべきだというふうに思うんです。  そこで、まず、修正案を提出された提案者に修正の趣旨をお聞きしたいと思います。
  233. 筒井信隆

    衆議院議員(筒井信隆君) 修正案における飲食料品の種類には何の限定もされておりません。したがって、当然のことながら、すべての飲食料品についてのトレーサビリティーを検討して、その義務化を広げていく、これがその修正案の中身でございます。  事故米の問題が直接の契機となって米のトレーサビリティーがこの法案として出されました。しかし、食品の、食べ物の安心、安全を脅かす事件は事故米だけではなかったわけでございまして、ウナギでもありましたし、牛肉でもありましたし、あるいはギョーザでもありましたし、やっぱりすべての飲食料品についてトレーサビリティーを義務付ける、これを早急に実現することが食の安全につながる不可欠のことだという趣旨でございます。
  234. 紙智子

    ○紙智子君 この趣旨を受けて、農水大臣、これに対してどのように対応してやっていくでしょうか。
  235. 石破茂

    国務大臣石破茂君) ですから、方向性は全く一緒なんです。すべてをやりたいと、そっちの方向へ向けて検討を進めていきたいということでございまして、それを否定するものでは全くございません。  ただ、もう先ほどから何度も同じことを申し上げますが、中小企業者の負担をどうやって軽減をするかということ。もう一つは、これ日本の国だけで回るお話ではございませんので、これは国際規格と整合しなければいかぬ。午前中も議論がありましたが、国際規格との整合を外れて、これが貿易を阻害するものであるなどというような指摘を受けることがないようにということも考えていかねばならないわけでございます。  そういうことは考えますが、駄目だ駄目だということを言うのではなくて、もうできるだけ広げていくという方向性で努力をしたい、すべきだということは、私は、今の筒井議員からお話がございましたが、それと全く趣旨を異にするものとは思っておりません。
  236. 紙智子

    ○紙智子君 では次に、米穀の出荷又は販売の事業を行おうとする者が、あらかじめ農林水産大臣に届出を行うことが義務付けられているわけですけれども米穀事業者というのはどういうものを対象にするのか、具体的に示していただきたいと思います。
  237. 町田勝弘

    政府参考人町田勝弘君) 米トレーサビリティー法の御質問でよろしいでございましょうか。はい、失礼いたしました。  本法律案におけます米穀事業者につきましては、第二条第二項におきまして「米穀等の販売、輸入、加工、製造又は提供の事業を行う者」と定義されているところでございます。
  238. 紙智子

    ○紙智子君 トレーサビリティーの実施時期について、先ほども風間議員の方からのやり取りがありましたけれども、これは公布からの一年半後と、それから産地表示について二年半という極めて長い期間が、非常に長いなというのが見た実感なんですけれども、なぜこんなに掛かるのかということについてお聞きしたいと思います。
  239. 石破茂

    国務大臣石破茂君) これは、先ほどもお答えしました周知徹底とかあるいは体制整備、それは、これをやりますよといって、多くの業者さんがおられるわけですね。そしてまた、どういうような書式にするかということも含めましてある程度の期間は要るということだと私は思っておるわけでございます。ですから、急ぐということはそのとおりなんでございまして、それに向けた作業も加速をいたさせます。いたずらに安全係数を取って時間を長く見ておるわけではございません。  これ、本当に詰めた議論をしなきゃいけないのは、先ほどのみそ、しょうゆなんかの話でもそうなんでございますけれども、それが訴求ポイントなのかどうなのかという、かなり、数字で表されるものじゃないものですから、それぞれの御負担あるいは業者さんの数あるいはそれらの規模、そういうことも勘案をしながら、しかし一番第一に考えなきゃいかぬのは消費者の安全なのだということだと思っております。私どもとして、検討は加速をいたしますし、消費者の安全というものを最大の眼目としながら努力をしてまいりたい、そのためにある程度のお時間は必要なのでございますが、いたずらに時間を掛けてだらだらとやるということが許されないことはよく承知をしておるところでございます。
  240. 紙智子

    ○紙智子君 もう最後になりますけれども、そういうこの間の議論、いろんな業者の方や、様々な反対意見や抵抗などもあるということも聞いておりまして、その長い期間の中、先ほどできるだけ短くするという話がありましたけれども、その中で、やっぱり骨抜きにならないようにそのことはしっかりとやっていただきたいということを最後に申し上げまして、質問を終わります。
  241. 平野達男

    委員長平野達男君) 本日の質疑はこの程度にとどめます。  本日はこれにて散会いたします。    午後三時五十六分散会