○松井孝治君 変えてもらわなければいけないんですよ、変えてもらうための
法律なんですから。だから、それが本当に抜本的に変わるのかということについて
提案者に聞いているわけですから、今、私、
政府に聞いていませんので。まあ御発言は
委員長が認められたので結構ですが。
それで、次に伺いたいんですが、例えば
修正案の中で移管又は廃棄について、この廃棄ですね、廃棄しようとするときには
内閣総理
大臣に
協議し、同意を得なければいけないという
規定が
修正案の中で入りました。
ちょっと、ここから先は具体的なその体制も絡めて御
質問させていただきたいんですが、年間、廃棄
文書、
保存期間が切れる
文書はたしか百万件でしたかね、百万件の
文書が
保存期間が切れます。そのうちの、今廃棄されているのが九十万件ぐらいですね、九十万件ぐらい。そうすると、さらりと書いてありますが、
内閣総理
大臣は九十万件の
文書について、これは本当に廃棄していいかどうかということを判断しなければならないということを
意味するわけであります。
今、公
文書管理課、今日課長もお見えでありますが、は、課長も含めて何人でしたか、九名の人員であります。これは議院
修正ですからやむを得ないといえばやむを得ないことでありますが、例えばこの一点のみを取ってみても、年間九十万件のファイルを、当然
内閣総理
大臣は九十万件のファイル見られませんから、その補佐機構である職員の方々が九十万件のファイルを見て本当にこれは廃棄できるのかどうかということを判断しなければいけない。
もっと言えば、この
修正条文の中には、この
文書は残しておけよということを
内閣総理
大臣がきちんと指示をするという、そういう条項も入っている。そうなってくると、霞が関が例えば年間どれぐらいの
文書を
作成して、あるいは過去の
文書をどれぐらい持っていて、その
文書は、これは重要だから廃棄するなというようなことを
基本的にあらましどういう
文書が
作成されているのかということを分かった上で、これは
保存しろとか、これは廃棄するなというようなことを判断せざるを得ないという仕組みにしているわけでありますが、実際、今日は山崎
審議官に御
答弁をずっといただいていますが、山崎
審議官の下には九名の方しかいらっしゃらない。これでは到底、申し訳ないけれども、絵にかいたもちというか、
規定上はそれはきれいな
規定があるけれども、実際、じゃ、
内閣総理
大臣がそんな判断できるのかということになってくると、およそおぼつかないというふうに思うわけです。
それで、前段のところで時間を使い過ぎましたので、少しはしょって御
質問を申し上げますと、今日配付資料の中に諸外国の
国立公文書館の比較というものを配付させていただいております。これを見ていただきましたら、今申し上げたのは、
内閣総理
大臣の補佐機関である
内閣府の公
文書管理関係のスタッフが九名であると、山崎
審議官を入れれば十名かもしれませんが、そのほかの方々も分掌されている方々は若干いらっしゃるかもしれませんけれども、せいぜい十名程度ぐらいしかかかわっていない。それを、そこが判断した後、実際の公
文書管理をするところが
国立公文書館、今日は館長にもおいでをいただいておりますが、
公文書館であったり、あるいは外交史料館であったり宮内庁の組織であったりというところになるわけでありますが。
国立公文書館を比較すると、
日本、
アメリカ、
イギリス、フランス、オーストラリア、韓国という、これは
内閣官房、
内閣府で作られた資料でありますが、もう一々読み上げるまでもない、圧倒的な、質は一生懸命数少ない方々で頑張っていただいていると思いますけれども、もう量的に全く比較にならないレベルであるということは、これはもういかんし難い事実だと思うんです。
要するに、
内閣一元的に、さっき
増原副
大臣が、いやいや、もうこれは変えますよと、変わらないなんて言わないでくださいというふうに御発言されましたが、じゃ、変えますと言いながら、職員九名ですよ。
公文書館で実際比べてみたら歴然たる違いがあるじゃないですか。四十二人ですよ、
日本は。
アメリカは二千五百人ですよ。そのほかの国々は
アメリカほどではないかもしれないけれども、少なくとも数百人、五百人オーダーの方々がいて、この
公文書の
管理ということをしているわけですね。これを、
公文書でどこまでのものを
公文書館に送るのか送らないのか、そういう判断も含めてやる人員、そして実際送られたものの
公文書館のスタッフの数、あるいは予算規模というものも分からないところもありますけれども、予算規模においてもやっぱり圧倒的に少ない。
しかも、この
状況の中で独立
行政法人は、さっき
徳永議員が、外交史料館は人件費、定員でカットされているんじゃないか、大変じゃないかとおっしゃいましたが、実は独立
行政法人も同じでありまして、行革推進法で定員削減というものの下に置かれているという
状況で、これは
小渕大臣、御着席のままで結構でありますが、いや、もちろん御起立いただいても結構ですが、こういう体制の権限的なこと、あるいは
文書の定義みたいなこと、あるいは
文書主義みたいなことをいかに
徹底しても、結局のところ、これ、各省でも同じなんです、実を言うと。各省における本当にその
文書管理、一生懸命仕事をしろと言われる
部分は一生懸命やらされます、それは、国
会議員から資料要求も多いし。
だけど、じゃ、例えば今回の
法案を作られて、その後の
経緯書をどれだけ残せますか、どんなやり取りがこの
委員会の場以外でも、例えば
審議会でどういうやり取りがあったということを
経緯書を残せますか、各省折衝の記録を残せますかといったときに、実はそういういろんな政策の企画立案をしている人たちは、これが
一つ終わるとまた次の仕事をやらせなければいけない。
要するに
文書管理にかかわる、非常にこのことは重要で
行政の
基本的、質的転換をしなければいけないものなんだけれども、じゃ、諸外国にあるようなアーキビストというのがいて、こういう
文書は残しましょう、これはいいですというような判断を少し第三者的な目まで含めて
管理をするような人の配置がされているのか、全くされていない。各省においていろんな政策の企画立案をした人が一定期間それを整理して、きちんと記録に残すような余裕が与えられているかというと、全く与えられていない。
だから、私は、単に
公文書館の定員を増やせばいいということだけではなくて、各省における定員配置、これ公務員制度改革にもかかわることですが、どんどんどんどん私、退職されて外郭機関に行かれるぐらいだったら、若干定年延長してでもそれはスタッフとして残っていただいて、きちんと
行政の土地カンがある人たちがある政策をやった、ある交渉をやった、そのことについてきちんと記録を残していくということに人材は割いていかないと、申し訳ないけど、外郭団体にいっぱい人を配置して、そこに補助金を付けてお土産付きでやっているという批判もありますけれども、そういうことに人材を割いている余地があるのか。
そういうことで、結局、これは外務省でもどこの役所でも同じですけど、結局、交渉当事者みたいなものが交渉経過を残せない。二年、場合によっては一年でどんどんどんどん替わっていく。諸外国は、交渉記録だけはしっかり残して、しかも担当者は全然替わらない。そういう
状況の中で例えば国際交渉やっても、圧倒的に
日本の地力というものがない。したがって、ここら辺でやっぱりその記録をきちんと残していく、どういう
経緯があったのかということをきちんと残していくということに人材を再配置していくようなことをしなければ、私は霞が関の力ってどんどん落ちていくばかりだと思うんですよ。
それは、政治家、我々も考えなきゃいかぬですよ。霞が関を疲弊させるようなことだけをやっていていいのかというふうに考えていかなければいけないけど、トータルとしてやっぱり
日本の
政府の力を蓄えて強化していかなければいい政策なんか出てきっこないんですから、だからここは
大臣に御
答弁いただきたいんでありますが、しっかりとこういう記録を残す、そして
経緯を残す、そしてそれを次の
行政をより良くしていくためにきちんとその
経緯書を後代に継いでいくというようなことを本当にやらないと、私は
日本の霞が関も永田町もおかしくなると思うんですが。
例えば、この
国立公文書館のスタッフ体制、あるいは各役所における
文書管理のスタッフ体制、あるいは
内閣府、
大臣のおひざ元の公
文書管理課の課長さん以下九名のスタッフというのはこれでいいのか、ここら辺をどれだけ質的、量的にグレードアップしていくのか、そこについての
大臣の御見解を伺いたいと思います。