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松井孝治君
官房長官もいろんな記者会見の場で、
政治家がやることが
政治優位になるとおっしゃったり、いろんな経緯があったでしょうから逐一申し上げませんけれども、やや振れておられるという感覚を正直言って抱きます。
私は、これはもう役人であるか
政治家であるかを含めて、余り属性で
議論するんではなくて、そのときにどういう人材がいて、だれが一番フェアに判断できるかということを政権によって判断すればいいと思いますし、自民党政権が結局のところそういうふうに
官僚でやると。今の御判断は、漆間さんでやるということではなくて
官僚でやるという話ですから、結局、そこは
官僚という属性でこの
人事局長を選んでおられるというのは自民党政権の
一つのお考えなのかなと。
私は、修正協議
宮澤先生とやらしていただきましたけれども、それは公務員制度というのはある種のインフラですから、それを使って自民党は自民党のカラーで
運営されればいいし、我々が政権取らせていただければ我々は我々のカラーでしっかり
運営をできる。だから、官房副
長官だったら我々は我々の考え方でやらせていただくし、ああ自民党はなるほどそういうことかなというふうによく理解できましたので、今の
答弁で私は結構ですので、次の話に移りたいと思います。
次の問題ですが、これ、
甘利大臣が御公務があるということで途中退席を私も了解しておりますので、
甘利大臣にお伺いをしておきたいと思います。
これは幹部職の問題なんです。もうこれ一々ここで議事録を読み上げるということは避けたいと思いますけれども、しかし、この二月の二十三日に
衆議院の
予算委員会で、
甘利大臣が私どもの同僚の松本剛明
衆議院議員の
質疑の中で幹部職というものについて非常に大事な
答弁をされています。一部分だけその
衆議院の
予算委員会の議事録からクオートしますと、「普通にやっていても、さらに能力のある人が来ればそのポジションから押し出されるということが可能になる」という表現をされて、「例えば、
大臣から見て、適性はこっちの方があるぞという、ある種のそこは主観的判断というのも当然入ってくる」、「もちろんその
大臣との相性もあるでしょうし、
大臣の感性もあるでしょうし、それは政権が任命した、
内閣が負うわけでありますから、そこについては、まさに、それから上はある種
政治任用の世界の感覚が入ってきていい」、こういう御
答弁をされています。この御
答弁においては、松本剛明
議員もその場でもおっしゃっていたと思いますが、我々民主党の考え方と
甘利大臣の考え方は非常に類似していると私は聞いておりました。
そういう状況なんですけれども、
大臣、今
大臣は各省協議に出されている条文というものを御覧になっているかどうか私は定かではないんですが、もう少し前から霞が関、各省協議に流れていますから、私のところにその条文、もう私は持っています。別にここでは配っていません。恐らく、今日、自民党の平場の
会議でもその条文はかかるんでしょう。その条文を見ますと、
甘利大臣がおっしゃっているような幹部職の、そもそも幹部職の任用の在り方、そことおよそ懸け離れた条文が今各省協議に付されていて、今日
与党の
会議にかけられようとしていると。ちょっと長いですけど、読ませていただきます、記録のために。
国家公務員法の第七十八条に分限という規定があります。その第七十八条の二というのが今回新たな項目として追加されていて、こうあります。
任命権者は、幹部
職員、括弧、括弧、これは省略します、について次の各号に掲げる場合のいずれにも該当するときは、
人事院規則の定めるところにより、当該幹部
職員が前条各号に掲げる場合のいずれにも該当しない場合においても、その意に反して降任、括弧、ここの括弧内が大事です、直近下位の職制上の段階に属する幹部職への降任に限る、括弧閉じ、を行うことができる。
要するに、七十八条の本体というのは分限事由が書いてあります。明らかなもう勤務懈怠であるとか、事実上非常に厳格に縛っていて分限できないんですね。そこを除外する項目として書いてあるんですが、まずその柱書きに書いてあるのは、直近下位の職位にしか降格はできないと書いてあるんです。これは基本法でいうと、ある幅の中で昇格も降格もできるというのが基本法の規定であるにもかかわらず、まず第一に直近下位しか降格できないというのが柱書きにあります。
しかも、今読みましたが、下に、次の各号に掲げる場合のいずれにも該当するときはということで、要件が三つ並んでいます。その要件の
一つ目を申し上げます。
一号、当該幹部
職員が、
人事評価又は勤務の状況を示す事実に照らして、他の官職、括弧、括弧、を占める他の幹部
職員に比して勤務実績が劣っているものとして
人事院規則に定める要件に該当する場合。
これを分かりやすく言いますと、その
役所の中でその人が、例えば
局長なら
局長クラスの中で一番レベルが下だということ、そういう要件を満たしていること、これが第一号要件であります。これは
一つの要件ですよ。だから、
局長クラスの中で一番出来の悪い人だということが第一の要件です。
第二の要件は何かというと、当該幹部
職員が現に任命されている官職に幹部
職員となり得る他の特定の者を任命すると仮定した場合において、当該他の特定の者が、
人事評価又は勤務の状況を示す事実その他の客観的な事実及び当該官職についての適性に照らして、当該幹部
職員より優れた業績を挙げることが十分見込まれる場合として
人事院規則で定める要件に該当する場合。
要するに、ほかの人は客観的にその
局長よりも優秀であるという要件をクリアしなければならない。これが第二の要件です。これは要件は、第一と第二は、かつでつながります。第三の要件、これも重複的に、かつ三つの要件を満たしていかなければいけない。
第三の要件は、三号、当該幹部
職員について、欠員を生じ、若しくは生ずると見込まれる他の官職についての適性が他の候補者と比較して十分でない場合として
人事院規則で定める要件に該当すること又は他の官職の職務を行うと仮定した場合において当該幹部
職員が当該他の官職に現に就いている他の
職員より優れた業績を挙げることが十分見込まれる場合として
人事院規則で定める要件に該当しないことにより、転任されるべき適当な官職がないと認められる場合その他の幹部
職員の任用を適切に行うため当該幹部
職員を降任させる必要がある場合として
人事院規則で定める場合。
これを直ちに分かる人がいたら私は天才だと思いますけれども。
要するに、霞が関中探してきて、その外す
局長が横滑りで同列のポジションに外すようなポジションがどこを探してもないようなときに初めて降格できる、こういう三つの要件が要件として書かれていて、なおかつ
一つ下のランクには落とせますよというのが、今
大臣がこれをどこまで、皆さん、
大臣の部下の
役所の
方々が
大臣にきちっと決裁を仰いで僕はこういう条文ができているのか知りませんが、こういうものが実際に各省協議に流され、恐らく今日の
与党の部会でも流される。こういう状況というのは私は極めて悲しいことだと思っています。
大臣、時間がありませんから、本来であればもう少しゆっくりとここでまず御
意見をいただいてから次の質問に行くんですが、併せてもう
一つの材料を出します。
私が持っているのはこれは
インターネットからプリントアウトしたものですが、公務労協という労働組合の団体があります。二〇〇九年度公務労協情報ナンバー三十三、ちなみに私は公務労協の方とこの二週間以上コンタクトは一切ございません。ホームページを
拝見して、これを発見いたしました。今日、参考人要求しておりますが、
大臣の部下のお二人が、これはいつですかね、九日、公務員
事務局と三回目の交渉、協議を実施した。
大臣はいつごろからこういう
法案を部下からブリーフされておられたか知りませんが、三月九日に既に、公務労協という団体と
大臣の部下の
方々、二人の
審議官は三回目の交渉を実施しておられます。
これはホームページにアップされているその交渉の状況ですが、「任用の弾力化について、」、ホームページにアップされていますが、この公務員
事務局の方は、「幹部
職員の降任については、争い、裁判になっても持ちこたえられるような客観的な事実がないとできないと考えており、そんなに起こるものではない。」というふうに
説明しておられます。
これは一体どういうことなんですか。これは私は大問題だと思いますよ。去年の、
宮澤先生今日お聞きいただいているのは
所管外のことで恐縮でございますが、大変な騒動で、我々だって大変いろんな
議論がある中で、しかしやっぱりこれは
政治主導で、幹部職というものをしっかりつくって、それは
政治主導はいいけれども、アプリオリに今の類型でいう特別職というふうにはしなかった。しかし、一定の範囲内で身分保障はあるけれども降格ができる。
元々、
宮澤先生と話をしていたときには、
民間でいうと役員みたいなものだなと、役員というのはやっぱり責任を問われると。そのときに一々、上司が役員の首飛ばすときに、これこれこういう評価だから首を飛ばしますなんて
説明責任は負わないと。それと類似のもので、ある種の裁量労働みたいなもので、ここについてはある程度きちんと
大臣が判断をして、降格をしたり、あるいは下からぼんと上に上げたり、それはある種のリスクを、ハイリスク・ハイリターンというか、それだけの責任があるけれども、それだけのリスクも伴うものにしようと。ただ、
政治家がそれをいきなり首にするというのもなんだから、ある範囲内のレンジの中で、要するに次官から部長のレンジの中でそれは処遇するようにしようということで決めたものです。
それを、先ほど申し上げたような条文が各省協議に回っている。しかも、事もあろうに三月の九日の時点で、その
事務方が
外部の団体に対して、そういう幹部
職員の降任については、裁判になっても持ちこたえられるような客観的な事実がないとできないからそんなに起こるものではないですよなんということを
説明している。
これ、
大臣、やっぱりね、幾ら何でもこれはひどいんじゃないですか。この条文、本当にきちんと
大臣はブリーフをされていたのか。あるいは、こういうことが現実に、部下の方がそういうふうに、こんなことはめったに起こることじゃないですよということを
外部に対して御
説明されているということを含めて、ちょっとこの条文の規定、一回、今日
与党でどういう
議論がこれから行われるのか知りませんけれども、
大臣として、私はこういう細かな文書を今私が読み上げたって、私役人でしたけれども、読んだってすぐにはこれはどういう意味かなということを直ちに分かりかねるような文案をきちんと
大臣に
説明、
役所はしていましたか。あるいは、
大臣がきちんと決裁していましたか。ひょっとしたら、その
大臣の決裁の前に、こんなことは起こりませんということで
外部の団体に
大臣の部下が
説明しているということはありませんか。
そのことも含めて、
大臣のお考えを伺わせていただきたいと思います。