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山谷えり子君
是非新しい視点からの展開をよろしく
お願いいたします。
実は、平成十八年の五月に、家族と
地域の絆再生政務官
会議プロジェクトチームというのを立ち上げまして、当時の官房副長官、長勢官房副長官が座長で私が事務
局長になりまして、各役所の政務官有志が集まりまして、省庁の縦割りを廃して、職業と生活との両立
支援だけではもう対症療法なんではないかと、もっと
子供の育ちの視点を大切にしながら、経済的
支援を含む家族
政策の充実というのを整理してみたいということで、中間
報告を取りまとめました。
まだ御覧になっていらっしゃらなければ
是非御覧になって参考にしていただきたいと思うんですけれども、視点といたしましては、家族、親と子、祖父母や兄弟、親類などと家族が暮らす身近な
地域、町内会などのきずなや生命を次代に継承していくことの重要性について国民全体の理解を深め、家族と
地域のきずなを再生することにより、結婚して
子供を産み育てることが当たり前と皆が自然に
考える社会の実現を目指すという視点で議論を取りまとめました。
いろいろなことが実現しているんですが、例えば年に一回家族の日というのを制定するという、これはもう実現しておりますけれども、そのほかにも、父親のPTA
活動など育児参加への
支援をもっと取り組んでほしいとか、あるいは
国土交通省その他の
関係省庁と、多様な家族
関係構築のため三世代同居、あるいは住宅の
支援、推進をすること、あるいはより多くの
子供を持つ家庭が有利になる税制や、家族を社会構成の
基本的単位とする法制の在り方についての
検討、また家庭教育の充実強化、あるいは母乳育児の推進、それから
地域の高齢者等の人材を活用した世代間交流の促進、異年齢の
子供の触れ合いの機会の提供、マタニティーマークの普及、あるいは母体
保護、胎児の生命の尊重の観点から、
出産に不安を感じる
女性の
支援、あるいはまた
妊娠中絶を
検討する際に一度立ち止まって
考える機会が与えられるよう
妊娠中絶を
考える
女性に対する
相談窓口等の
支援制度の創設など、それから有害情報から
子供を守ること等々、実はこれまで余り議論されていなかった項目を
関係省庁の
ヒアリングをしながらまとめた中間
報告がございます。
例えば、今リストラで中絶してしまおうかというお母さんたちの
相談に乗っているNPOがあるんですが、大丈夫よと励ましたり一時貸付金を出すだけで百何十人のお母様が
出産をしたというようなこともありまして、参議院の少子高齢社会に関する
調査会でも実はドイツにそのような取組を見に行ったこともございますので、本当に多くの赤ちゃんの幸せのために頑張っていただきたいというふうに
思います。
続きまして、皆様のお手元に
資料があるかもしれないんですけれども、家族や生命の継承について教育の面でどのように教えているか、そしてまた
保護者から違和感があるというような訴えもございますので、ちょっと御紹介をさせていただきたいと
思います。
例えば学習指導要領では、家庭生活をより良くしようとする実践的な態度を育てるとか、家庭生活と家族の大切さに気付くこととか、あるいは中学校の道徳などでも、父母、祖父母に敬愛の念を深め、家族の一員としての自覚を持って充実した家庭生活を築くなどという大変に良いことが学習指導要領には書いてあります。
しかし、教科書を見ますと、あれあれと違和感を感じるようなものがあるんですが、例えば一つ目の「自分らしさはどのようにつくられていくのでしょうか。」というような、これは中学校の保健体育の教科書なんですが、右側の下の方にコラム「親に対する反抗の形態」というのが書いてあります。六つ書いてあります。「親を無視または親と話さない。 親をさけて部屋に閉じこもる。 親と会いたくなくて外出する。または家出する。 親に口答えする。 親にいらいらしてものに当たる。 親に対して暴力をふるう。」、こういうことが書いてあるんですね。そうしますと、家族、親、祖父母との温かい
思いをはぐくむ大切さ、こういう面から見たら、このコラムは一体どういうことなんだろうかというふうに思ったりいたします。
また、次のものなんですけれども、「かわる結婚」と書いてあります。これは家庭総合、家庭科の教科書なんですね。
左側のページの四パラグラフ目ですね。「近年、結婚する年齢はしだいに高くなり、また、結婚しない人も増えつつある。
女性が経済力をもち、必ずしも生活保障を結婚に求めない、あるいは結婚による束ばくを望まない人が増えたためと
考えられる。また、結婚は、個人の自由という
考え方が一般的になり、結婚にこだわる人が少なくなってきたことも原因の一つである。」と書いてありまして、結婚の利点、不利益というふうに書いてあって、「不利益と感じられる点」、「やりたいことの実現が制約される 自由に使えるお金が減る 家事・育児の負担が多くなる 配偶者の
考えを考慮しなければならない」。これも本当に結婚によっていろいろ人間が成熟していくというような面が、この年齢にこういう教え方をしたらきっと勘違いの受け止め方をするのではないかなというようなことが心配でございます。
また、右側のページでは「いろいろなパートナーとの暮らし」とありまして、「近年では、生活はともにするが婚姻届を出さず、事実婚を選択するカップル、離婚をしてもあらたなパートナーと出会い、再婚をするカップル、同性同士で生活をともにする人たちなど、さまざまな形で、パートナーとの生活を営む人たちもいる。」ということで、多様な家族の在り方を紹介しつつ結婚を相対化しているわけですね。家族というものをばらばらに描いていっていることから、
保護者の間からこれは違和感があるというようなクレームが来ているところでございます。
実は、以前、これも非常に社会問題のようになったんですが、家庭科でやっぱりこんなふうな文章があったんですね。「例えば祖母は孫を家族と
考えていても、孫は祖母を家族と
考えない場合もあるだろう。家族の範囲は全員が一致しているとは限らないのである。犬や猫のペットを大切な家族の一員と
考える人もある。だれを家族と
考えるか、その境界は主観的なもので、また、時が経つにつれて、いろいろな理由でその範囲は変わっていく。」だろうというふうに書いている教科書がありました。こういう教科書は、親孝行とか御先祖様の供養というのは本当に日本人の美しい心ですが、こうしたものが壊していっている。
今も実は、家族って何だろう、どんな家族があるだろうということで、ペットと高齢者とか友達同士というのも家族に入れているんですね、今でも。今でもそうなんです。私たちは家族あるいはそれに代わる
環境の中で育てられ、成長している。これを生育家族という。私たちはやがて生育家族から独立し、自分の意思で人生を選択していく。こうして新たにつくられる家族を創設家族という。生育家族とか創設家族という言葉は普通は聞いたことないんですが、これが教科書にいっぱい載り始めているところでございます。
また、英語の教科書も、「イット ジャスト イズント フェア」、フェアじゃないというところで、ケイコさんにお手紙を書いているんですね。
それは、ボーイフレンドのボブと一年間同棲している、ボブは知的で親切で家事も手伝ってくれる、先週、結婚してと言われた、うれしかった、でもよく
考えてやめにするわというような文章がありまして、「アイ ビリーブ マリッジ イズ フォー フールズ アンド ドリーマーズ。フー イン ゼア ライト マインド イズ ウィリング ツー ギブ アップ ゼア フリーダム フォー アナザー パーソン。」、私は結婚を
考えるなんていうのはおばかさんか夢想家のすることだと思うわ、だれがほかの人のために自由を手放そうとするのかしらみたいなことを言っておりまして、「マリッジ チェンジズ ピープル。」、結婚というのは人を変えてしまう、それまでは寛容な人でも、女にクッキングやショッピングやハウスワークを押し付けていくんじゃないかしらと。「アイ シンプリー フィール ザット マリッジ イズ ノット ザ ベスト リレーションシップ。」、結婚がベストのリレーションシップだと思わないわ。「アバウト ハーフ オブ オール マリッジズ エンド イン ディボース。」、半分の結婚は離婚に終わるのよ。「アンド メニー ピープル フー ドゥー ステイ マリッド メイ ノット ビー ハッピー。アイ ハブ ア ロット オブ マリッド フレンズ フォー エグザンプル ケンジ アンド マリー フーズ マリッジ イズント ベリー グッド。」、多くの人は結婚していても幸せじゃない。例えばケンジやマリー、とても良くないというような、こういう感じなんですね。「アイ オルソー シンク ザット マリッジ ウイル ダイ アウト イン ディス センチュリー。」、結婚なんてこの世紀にはなくなってしまうんじゃないかしら。「アイ ドント ウオント ツー ビー タイド ツー ジャスト ワン パーソン オール オブ マイ ライフ。アイ エンジョイ ビーイング フリー。」、私は一人の人間に縛り付けられるなんて嫌よ。自由でいたいわというような、こういう英語なんですね。
これも、実は私は
保護者からもらったんですよ。こんなことを英単語を引きながら一生懸命訳す。もう冗談じゃない。実はうちの娘も、結婚というのは男による女の奴隷的支配であるって、そんなノート、プリントで教えられているんですね。
実は、低学年から過激な性教育やジェンダーフリー教育などをして
保護者からクレームが上がっているものですから、自民党はプロジェクトチームを立ち上げまして
調査をしました。三千五百の実例が集まったんですが、その中にやっぱりこういうふうに家族や結婚を否定的に教えているという例が山のように挙がってきていますね。これは
小渕大臣に本当に、これは文科省、文科
大臣マターじゃないかと思われるかもしれませんけれども、総合的に家族をつくることのすばらしさとか生命継承のすばらしさという、やはりもう少し年齢にふさわしく豊かな心で未来を築いていくような教育というものに反することがあるとするならば、やはりちょっと
調査をしていただけたらなというふうに思っております。
ゼロから
考える
少子化対策プロジェクトチームでは、結婚や恋愛などについても御議論なさったというふうに伺いましたけれども、今、婚活というのが各
自治体でもいろんなところでやられ始めているようでございますが、この
現状などはおつかみでいらっしゃいますでしょうか。