○山下芳生君 院内保育所、もちろん大事です。ただ、
病院でそれがあるところは三割にとどまっております。それから、新人の研修もモデル事業で始めたと聞いておりますけれ
ども、余り効果が上がっていない。ですから、離職者が防止されていないわけですね、さっき紹介したように。
それから、
検討会の中間
報告は私も読ませていただきましたけれ
ども、どうも看護師の教育の内容にかかわる問題が優先的に書かれておりまして、もっと看護師そのものを
確保するということがちょっと後景に追いやられてきているのではないかということを危惧しております。
私は、なぜ離職率が高いのか、いろいろ
現場の声を聞きますと、最大の原因は勤務条件が過酷なことだと、とりわけ夜勤が多いことだということが挙げられると思っております。
この間、看護の
現場では多忙化が急激に進行しております。日本
医療労働組合連合会の看護
職員の労働実態調査、二〇〇五年秋に行われたものですけれ
ども、それによりますと、最近看護の
業務量が増えたとの回答が六二・七%に上っております。具体的には、始業時間前の労働が三十分以上だという方が三三・五%で、これは五年前より一〇ポイント増加しております。それから、終業時間後の労働、残業ですけれ
ども、一時間以上が四四・一%で、これも五年前と比べて一〇ポイント増えております。
背景に何があるのかと。先ほど副
大臣も少しお触れになりましたけれ
ども、
一つは、診療報酬などによる誘導によって平均在院日数が急速に短縮化されているということがあると思います。一九九四年、平均在院日数は四十五・五日でしたけれ
ども、これが二〇〇四年には三十六・三日まで短くなりました。特に、一般病床は、九四年の三十四・六日から、二〇〇四年には二十・二日にまで急激に短くなったわけであります。
要するに、入院
患者さんがどんどん入れ替わるようになって、十年間で病床全体で入れ替わり率は二五%増えましたし、一般病床で見ますと七一%入れ替わりが増えたということです。それだけ
患者が長くいないわけですから、早く出されるわけですから、重症の
患者ばかりが入院している方には多いということになりまして、
患者の重症化が進み、
業務量が増えていると。
さらに、
医療の安全
対策ですとか、あるいは最近、
医療、看護内容の高度化などで看護の
現場は急激に多忙化しているということが
指摘されております。
ところが、
病院の就業看護
職員数、増えてはいるんですけれ
ども、九四年、六十八万一千人から二〇〇四年の八十一万二千人と一九%の伸びにとどまっております。入れ替わり率が二五%増し、七一%増しになっているのに、その程度の伸びに
職員数はとどまっていることがあるわけですね。看護の
業務量の拡大に見合った増員がなされていないということが今の大きな背景にあるというふうに思っております。
こうした下でも看護師の
皆さんたちは日夜、命と健康を守るために懸命に働いておられます。今日は少し生の声を紹介したいと思いますが。
分刻みで
業務をこなし、看護に当たっています、いろいろ訴える
患者様の話を聞く時間も十分取れず、後ろ髪を引かれる思いで次のナースコールの対応に走らなくてはなりません、ちょっと待っていてくださいねと何度言わなくてはいけないことか。別の方。
業務に追われ、
業務をこなしていくことだけで精いっぱいの毎日です、しないといけないことがどんどん増え、日々強い緊張感と恐怖とプレッシャーで身も心もぼろぼろです、ふと鏡を見るとやつれた自分がいて、何のために看護師になったのかと考えさせられます、自分の看護観と全く懸け離れています、ただ、今は自分のなりたかった看護師の夢にすがってひたすら頑張る日々です。
これが看護師の
皆さんたちの思いだと思いますね。医労連の調査では、仕事を辞めたいと思ったことがあるとの回答が、いつも、しばしば、時々、合わせて七三・一%に上っております。辞めたい理由のトップは、やっぱり仕事が忙し過ぎるからだというのがトップでありました。
厚生労働副
大臣に
伺いますけれ
ども、勤務条件の過酷化が看護
職員の離職の大きな要因になっていると、このことを正面から私は
認識すべきだと思いますが、いかがでしょうか。