○大塚耕平君 民主党の大塚でございます。
今日は、四
参考人におかれては、御多忙のところ御
出席いただきましてありがとうございました。
今日は、一問一答ではなくて、少し変則的ですが、あらかじめお渡しをしてあります私なりの見解と質問を冒頭に朗読をさせていただきまして、後はそれぞれお願いをした時間内で御回答を賜りたいというふうに思っております。
まず、今回の
審議に限らず、国会の
法案審議に利害関係者が
参考人として
出席していただきその
意見を聴取させていただくことは、
法案の
内容を適切に把握し、賛否の
判断、あるいは成立後の運用を考える上で、非常に重要なことだと考えております。
当
委員会においては、
銀行、証券、生保、損保等に関する
法案審議が断続的に行われていますが、近年、利害関係者からの率直な
意見聴取が必ずしも十分に行い得なかったという心象を抱いております。その背景には、過去十数年来、不良債権
処理や
金融不祥事、あるいは業務の実情等をめぐって、議会、行政、
業界の間に時に緊張関係が生じていたことなどが影響をしているものと思料いたします。
日本の
金融産業は、欧米諸国や中国との競争に直面するとともに、規模の割には十分なプレゼンスを発揮できておらず、また様々な構造的問題を抱えております。こうした
状況下、議会、行政、
業界の三者は、今まで以上に十分な意思疎通を図り、
日本の
金融産業の戦略的かつ健全な
発展を図る必要があります。そうした
観点から、今後は
業界団体の
責任者が
参考人として積極的に関係
法案の
審議に
出席していただくことを期待したいと思います。
金融産業は
経済全体の牽引役、下支え役であると同時に、
金融機能には極めて強い公的側面があります。そのことは、今回の
金融危機における欧米諸国の政府の
対応を見るまでもなく、議会、行政、
業界の共通認識と考えています。したがって、
業界を代表する
立場の
責任者は、
金融産業に関する政策への提言や注文、あるいは議会からの質問への回答を提示することが重要な職責の
一つと認識しております。
もちろん、議会としても、あくまで
業界団体の
責任者の
立場で
意見聴取を行う場合と、個社の問題に関連して
参考人出席を願う場合を峻別し、適切な
対応に努めるべきであることは言うまでもありません。
また、
業界団体の
責任者におかれては、議会が世情や
国民の声を集約し、それを利害関係者に伝える機能を果たしていることも改めて認識していただきたいと思います。
大
企業においては、往々にして社内からは経営幹部にネガティブインフォメーションが伝わりにくくなりがちです。そうした弊害を是正するためにも、議会における
参考人としての
意見陳述、議員との
意見交換の場を有効活用し、
金融産業や個社の健全な運営に努めていただきたいと思います。
業界団体の
責任者は個社の経営幹部として多忙を極めていることは
理解しておりますので、議会としてもそのことに十分に配意する一方、
業界団体の
責任者も議会の要請に最大限の配慮をしていただくことを要望しておきます。そのことが、結果的に、議会、行政、
業界の円滑な意思疎通に寄与し、
経済危機等に際して
金融産業を公的に
支援していくバックグラウンドとインセンティブにつながるものと思います。
以上の点に関して、三人の
参考人に所感と今後の姿勢をお伺いしたいと思います。
次に、
金融ADRに関しては今るる御説明をいただきましたが、改めて二、三お伺いをいたします。一昨年四月に
ADR促進法が施行され、
銀行、生保、損保はそれぞれ
あっせん委員会、裁定
委員会、調停
委員会を運営していますが、その現状と本
法案が成立した場合の今後の
改善点等について、改めて御所見をお伺いいたします。
ADR促進法において当事者間の対等
中立性を
前提としている一方で、
保険の
業界誌には以下のような記述がありました。いわく、
業界が自主的に
設置した裁判外
紛争解決機関の最大の特徴は
会社側に課した片面的拘束力である、この精神の根底には、消費者は一個人であり
企業の組織力には到底かなうものではないというバランス論から成り立っていると明記されております。このように、生保においては自発的に片面的拘束力を重視している中、この点に関する
銀行、損保の考え方及び本
法案成立後の三
業界の方針について、やはり三人の
参考人にお伺いいたします。
昨年六月に成立した
改正金商法がこの六月一日に施行されました。
銀行、証券、生保、損保の
役職員兼務が可能となったほか、顧客の事前同意なしに顧客
情報を共有できるようになるなど、
金融コングロマリット化が進んでいます。
こうした
状況下、英国
保険業における
商品推奨の
理由を説明するステートメント・オブ・デマンド・アンド・ニーズや顧客への適合性と
投資リスクを説明するスータビリティーレターという文書の交付のような
仕組みの有無、運用、本
法案成立後の
対応並びに将来的に
金融産業全体の横断的
ADR構築を目指すべきかどうかの認識について、三人の
参考人にお伺いいたします。
また、
銀行に関しては、とりわけ不動産等に関連した提案融資をめぐる
トラブルが後を絶ちません。
全銀協参考人には、本
法案成立後の
ADR組織が融資
トラブルをどのように扱うのか、あるいは融資
トラブルを未然に防ぐ工夫の現状と今後についてお伺いいたします。加えて、
金融コングロマリット化の進展に伴い、
銀行の優越的地位の濫用や利益相反リスクが高まる可能性についての認識及びそうした弊害に対する防止
措置、弊害が顕現化した場合の
金融ADR等を活用した是正
措置について、考え方をお伺いいたします。
ところで、昨年来の
金融危機は、欧米の大手
金融コングロマリットが
投資リスクを的確に把握できなかったことが原因の
一つであります。そのため、世界の潮流は
金融コングロマリットに懐疑的な方向に進み始めている中で、
日本では逆に今月から
金融コングロマリット化を進める法律が施行されたことになります。世界と
日本の動きのそごについて、やはり三人の
参考人に御所感をお伺いいたします。
銀行に関しては、貸し渋り、貸しはがし、中小
企業融資が伸びないこと等の問題点が当
委員会でも再三指摘されています。一方、
銀行が不良債権化の予想される融資を安易に行えないという事情も
理解できます。
こうした
状況下、この問題に関する
解決の糸口を探ることは
日本経済の低迷を打開する上で重要な課題であります。地域
経済や中小
企業の疲弊が融資を行えない原因の
一つであるとすれば、政府の国土政策や産業政策について、議会の
審議において
銀行の
立場から積極的に注文を付け、
意見具申をしていただくことが、公的機能を担った
銀行業界の経営幹部、現
時点においては十分な納税
責任を果たしているとは言えない
業界団体の
責任者として当然の責務であると考えております。
生保、損保に関しても、公的
保険制度の
信頼性が揺らぐ中、その代替機能を果たすことや、
保険の
専門家として議会に対して適切な
意見具申をしていただくことが、公的機能を担った
保険業界の経営幹部として期待される
役割だと考えております。
最後に、
三國参考人には、
格付機関の
登録制の是非に関して基本的な御認識を簡単にお伺いをいたします。
今後とも、各
参考人には、議会の
法案審議と
日本経済の
発展のために適切な協力と貢献をしていただくことをお願いして、私の質問とさせていただきます。