○伊達忠一君 自由
民主党の伊達忠一でございます。
本日は、かねてから私も大変気にしておったんですが、皆さん関心の高い、大変長いタイトルなんですが、省略すれば
タクシーの特措法、この
法律がいよいよ参議院で
審議が始まったわけでございまして、午前中は
民主党の方も
審議をされ、また自由
民主党におきましてももう
質問をしたいという方が大変多うございまして、
委員外からもこの次は
質問することになるだろうと思うんですが、そのぐらい関心が高い。ということは、非常に生活に密着している
公共交通であり、また大変いろんな問題を抱えているから皆さんが私は関心を持っているんだろうと、こう思っております。
そんなことから、私もその特定特別監視
地域に指定されている
地域に住んでいる一人として関心を持っていたわけでございますが、これは
衆議院の方でも大変な時間を掛けて、与野党間でいろいろと協議をされて成立をされたという
法律でもございますし、できるだけ私も重複を避けてこれからお聞きをしてまいりたいと、こう思っております。
かつて厚労省が分割という話がありましたが、私も
国土交通省の政
務官を務めさせていただいていたときに、大変大きな省庁だなと、マンモス省庁としてこれ本当に
機能を発揮するんだろうかと正直言って疑問に思ったこともございました。そのぐらい私は、
大臣においても皆さんにおいても大変な役職柄の省庁だろうと、こう思っておりますし、その中でかつては旧運輸省というのがあったわけでございますが、ここは一番許認可権を持っている私は省庁だと、こう思っております。
公共交通機関のいわゆる
タクシーを始めといたしまして、飛行機であるとかJRであるとかバスであるとかフェリーであるとか、多くの許認可を持っているわけでございますが。
そんなことから、これは二十年ぐらい前からでございますか、第二次
臨時行革の推進
会議の中で、当時の大槻文平さんが会長だと思ったんですが、そこでいろいろと
議論をされたのを私も覚えているわけでございますが、そんなことから、また時代もちょうど一緒に、官から民という時代にもまた走った時代でございまして、JRであるとか電電であるとかそれから専売であるとか、こういうところが民営化されてきたというような時代でもございました。そんなことから、親方日の丸であるとか官主導であるとかといった日本の経済に及ぼす、そういういろいろと弊害的な批判も叫ばれた私は時期であったろうと、こう思っているわけでございますが、今回の
議論になっている
タクシーもいわゆる例外ではございませんでした。
そんな中から、これは
内閣府の公共
料金の窓というホームページにも出ておりますが、既存
タクシーの
事業者による経営の効率化が進まず、
利用者の様々なニーズに
対応した新しい
サービスが提供されにくいということを
指摘をされているわけでございます。そんなことから、行政改革の動きと相まって
タクシー事業の
規制緩和が推進されて、二〇〇二年にいわゆる需給調整規制というんですか、この撤廃に至ったというのがこれまでの私は経過だと、こう思っております。
私は、
タクシー事業の
規制緩和の
趣旨というのは、当初、まさに
事業者間の健全な競争、そしてまた多様な
サービスの提供、
事業者の創意工夫によって待ち時間の短縮であるとか、また多様な
運賃の
サービスの導入などによって一定の私は効果をもたらすと、そういうことでなければならないと、こういうふうに思っているところでございますし、
事業者も運転する乗務員もお客さんも更に良くなる環境が生まれなければならないと、私は、これが
規制緩和という私は当時、
趣旨だったんだろうと、こう思っております。
しかし、良い面もたくさん私はあると思いますが、改善をしなきゃならない、見直さなきゃならない面が大変私は多くあるというふうに思っております。
よく私は言うんですが、
規制緩和というのは何でもすればいいんだというものではないというふうに思うんでございますが、当初、私は北海道なんですけど、北海道の今の前の会長さんに言ったことがあるんですが、将来的にこの
規制緩和に乗らない方がいいんじゃないかいと私は言ったことがあるんです。そうしたら、いやいやいや今乗っておかなければということで乗ったのが実態なんですが。
やっぱりこういうある程度の決め事というのは、私は社会で必要だろうと、こう思っている一人なんです。例えば、ちょっと話が違いますけど、今医師不足が大変社会的な問題になっております。これはどういうことかというと、もう御存じのように、いわゆる研修
制度を変えたということで、医局の昔の封建的な
制度に対するいろんな不満があったということからこれを
改正されて、自由に今研修ができるようになったことが、要するに今度は医局から地方に医師を派遣してもらえなくなった。これが大きな要素で、自分たちが勝手にどこでも行けるようになったことがこの医師不足というようなことに実はなっているわけでございます。その医局の
機能というものがやっぱりもう失われてしまったというのが、今急にこういう話題になってきたことなんだろうと私は思っております。
ですから、いわゆるアメリカ式に何でも競争させて、強いものが生き残って、そして弱いものが淘汰されるというのは私はどちらかというと余り好まないタイプの一人なんですが。
その当時というのは、いわゆる七、八年前というのは経済が上向きではなくて、いわゆる落ち込んできているときに増車と、こういうことでございますから、これは
供給過剰になるのは当たり前のことだと、私はこう思っているんです。そして、
タクシー業界が持つ構造的な
部分に相まって、
運賃のいわゆる自由化になって、
運賃の値下がり、それによって結局、売上げが減収、それによって乗務員さんの収入が減になってくる。だから、その分を挽回しようとしてより多く無理して走るということ、これが過重労働みたくなって、そして、ひいては事故につながっていく可能性、危険性は私は多分にあったと、こう実は思っております。
ちょうど私が政
務官やっておるときですが、十七年に兵庫県でJRの福知山線の事故が実は起きました、多くの方が亡くなったんですが。そのときも、結果としては、結局、利潤を追求する余りにも安全性を怠ったということが原因だということを言われておりますんで、その辺はやっぱり私は、一番大事なことは乗るお客さんが安心して乗車できるということが私は必要だろうと、こう思うんです。そういうことをやっぱり繰り返してしまうと、悪循環になって、結局、会社も経営が苦しくなっていくというようなことだろうと、私はこう思うんですが。そういう
意味で、今日のこの
委員会の
審議というのは大変大きな
意味を持つと私は思っているんです。
そういう面から申し上げまして、この
法案の規制の見直しの意義と今日までの規制の総括について
大臣からまずお聞きをしたいと、こう思っております。