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参考人(
中山泰君) おはようございます。京丹後市の
中山でございます。今日は本当にすばらしい機会をいただきまして、本当にありがとうございます。私は、
地方の立場から
道路財源の
確保、もうこれ以上減らしてほしくないという願いを込めて陳述させていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
メモも作っておりますけれども、メモの趣旨に沿いながらざっと陳述をさせていただきたいというふうに思います。
まず、国、
地方を通じまして
政策の中で
道路行政の位置付けということでございますけれども、まず、我々のところは京都の北部で、
日本海側なんですけれども、五年前に六つの町が合併をしてできたところでございまして、昨年の秋から
全国的に大変不況が大きな課題となっているわけですけれども、我々のところはその前から、何年も前から大変厳しい産業の
状況で、産業界も大変な悲鳴を上げているというのが現実でございまして、そんな中でまたこの
全国の不況が重なっているということなんですけれども、そういう中で、我々行政をめぐる
環境、
地方行政をめぐる
環境としても、まず歳入の面では、御案内のとおり、交付税はどんどん減らされております。また、
公共投資の枠というものもどんどん減っているような
状況でございます。
加えて、歳出面、これは
都市部では考えられないことですけれども、例えば光ファイバーなんというのはこれからの産業にはもう欠かせないわけですけれども、そういうもの、田舎の方では利潤動機が働かないということで自治体が高い
お金を払ってやらないといけないわけですけれども、ちょっと補助は少しいただけるんですが、そういった負担。また、お医者様が
地方にはなべて不足しているという
状況の中で、お医者さん一人で五千万とか一億とか、これは経営で全然変わるというのは御案内のとおりだと思いますけれども、そのための支援をまたしないと、これはもうせざるを得ない、どうしても頑張ってほしいということでするわけですけれども、させていただく。あるいは最近の、ちょうど建て替えの時期に当たって保育所や学校の耐震の問題なんかもあるわけでございまして、このように、言いたいのは、自治体の、
地方の歳出の余裕、余地というのがもう本当になくなってきているというのが現状であろうかと思います。
そういった中で
地域活性化を果たしていこうとするときに、かつてのように
財政の物量でもって牽引していくということに当然制約があるわけでございまして、知恵や工夫で頑張れというのが国のお声だと思いますけれども、それが国のお声であれば、同時に、せめて我々
地方、田舎の自治体、
地域にとりましては、民間の皆さんが
都市部と対等に競えるだけの土俵ですね、土俵、フライ級とヘビー級を同じ土俵で戦わせないでほしい、同じ土俵を用意してほしい。そのためには、是非とも
都市部へのアクセス、これがもう動脈、これが産業的には非常に決定的な要素になってくるわけでございますけれども、基礎的インフラとしての
都市ネットワーク、
道路ネットワーク、これを早急に国の責めにおいてつくっていただきたいというのが我々
地方の切実な声でございます。今日はこの声をどうしてもお伝えしたいというふうに思っております。
そして、少し我々の例を引きますけれども、我々のところは京都まで百キロぐらいなんですね、直線距離にしたら百キロぐらい。百キロなのに実は二時間半掛かるんです、二時間半。高速
道路も造っていただいて、一生懸命造っていただいてとても有り難いんですけれども、でも、まだ三割、四割残っている
状況の中でそれだけ時間が掛かる。さらには、
委員長の田村先生がおられますけれども、鳥取から我々の京都の宮津まで鳥取豊岡宮津
自動車道というのがあるんですけれども、これは
日本全体の輪郭を形成する高速
道路網の中で白地
地域が三か所ありまして、そのうちの
一つなんですけれども、これも一生懸命今国の方で
整備をしていただいていますけれども、まだまだ事業化になっていない区間もたくさんあるわけでございまして。
そういう
状況の中で、ここからが今回の本番なんですけれども、いよいよ我々の番かと、着実に
整備をしていただきつつある中で、もう少しだなと思っているさなかに
お金がありませんということでは、もうにっちもさっちもいかないということでございます。
これは大きな
意味がありまして、
道路財源の全体、メモにも書いていますけれども、
道路財源の全体、これは、当然、新設の部分と、あと維持費の部分と大きく分けたらあるわけですけれども、維持費の部分をお聞きすると、大体二割とか三割ぐらいが
道路財源全体の割合らしいんですけれども、
道路財源全体が少なくなれば、当然、例えば二分の一になれば新設の
財源も維持費の
財源も半分ずつになるかというと、これはそうじゃないんですね。
当然、お分かりのように、維持費はこれは最優先当然されるわけで、原則ここは基本的に削りにくいということだと思うんですね。としたときに、
道路財源全体が減らされるということは、これは新設の
財源が加速的に少なくなってしまう。
全国各地で
建設が今進んでいますけれども、これがもう加速的に
財源がなくなってしまう。既に
道路を持っている
地域の維持費は、これは
道路を止めるわけにはいきませんから最優先されると思いますけれども、そういう問題、大きな問題を我々は危機感として感じておりまして、是非ともそういう中で
財源全体をしっかりと
確保していただきたいというふうに思っております。
暫定税率の話もありますけれども、これも我々の
地域も
日本全国どこでもせっせせっせと高い税率を払ってきたこの間なんですね。お聞きをすると、これは国家として当然のことですけれども、この間は東京や大阪や名古屋や大
都市の
道路、また
道路だけじゃなくて鉄道や地下鉄、もうそっち中心に四分の一とか三分の一とか、よう分かりませんけれども、それぐらい使われたんじゃないかと言われるぐらいに大
都市あるいは大規模プロジェクトを中心にやってこられた。それはそれで国家
政策としていいと思うんですけれども、ようやく我々の番かというときに、
お金がありません、何でですかと聞くと、いや、もう
道路は腹いっぱいです、ほかの事業に回しましたというのではもう田舎の方は踏んだりけったり、理不尽極まりないというふうに感じておりまして、是非ともそういうことがないようにしていただきたいというふうに願っております。
暫定税率についても書きましたけれども、これは、もう
道路というのは私は国家百年、
都市五十年の大計の中で位置付けられるべきものであるというふうに思うわけですが、としたときに
政策税制なわけですから、
政策税制としての百年、五十年ということを考えたときに、三十年、四十年というのは長くはないという面もあるんだと思うんですね。そういうことにも御留意して御検討いただければ有り難いなというふうに思っております。
それからもう
一つ、
一般財源の使途に関しましても、これは例えば新しい交付金の
制度をつくっていただいて、
道路中心ということでとても感謝をしておりますけれども、これ以上にいろんなところに広がると、例えば医療や福祉、これはもうとっても大切です。もう
財源をどこに持ってくるかにかかわらず、これはとっても大切なことですので、この
確保云々について申し上げるわけではないという前提付きなんですけれども、仮に
道路財源を使ってやるとした場合に、例えば医療、最近のお医者さん不足で
地方はどこでも医療機関行きたくても行けないところもある、高次の三次医療なんて受けようと思ったら、もうそれこそできない。都会は違いますね。そういう
意味で、
お金の流れ方の問題として都会の方に流れていってしまうんじゃないか。
子育ても同じだと思うんですね。高齢化率が高いわけですから、子育てに
お金を出そうと思っても出せないのが田舎なわけでありまして、そういう
意味で、
一般財源と仮にされて、その後の使途の問題を考えても、都会と田舎の受益と負担のバランスということがあるんじゃないかなと。このまま行くと、
道路の分は減らされて、待ちに待った
道路は減らされて、どこに使うんですかと言ったら、都会の方に行っていますと。
これじゃちょっと、田舎の方はあくまで負担と受益の関係なんですけれども、大きな問題があるんじゃないかなというふうに思っておりまして、気付かないうちに
制度弱者、
地方住民が負担のしわ寄せを受けているということにならないかというふうに強く
危惧をしておりまして、是非ともしっかりと
財源を
確保していただいて、そして基幹的なネットワークについては早急につくっていただきたい。
今、
地方の住民の皆さんはこの厳しい
社会環境、
制度環境の中で必死になってふるさとを守って、必死になって生き抜こうとされておられます。是非こたえていただいて、基本的なインフラについては早急に
整備をお願いしたいなというふうに思っております。
それから、三番に書いていますけれども、
評価の問題ですね。
整備の優先順位についての
評価の問題なんですけれども、これはいろんな車両の通行量とかいろんなことがあるんだろうと思いますけれども、そもそも
道路は公共財、典型的な公共財であるわけでありまして、我々も、田舎の方の都会と結ぶ一本目の道、これはこれによって、それによってまさに雇用を何十も何百も持ってくるような企業の進出が現実的にやっぱり可能になるんですね。あるなしで全然違うんですね。それによって、お医者さんが来る来ない、これやっぱりあるんですね、全然現実にあるんですね。
地方の存立にかかわるのがそういう田舎の道なんです、基幹
道路なんです。
そういう
意味で、
道路は仮に車両が、通行量が少なくても、それによって果たされるいわゆる外部
経済、公益の量というのはまた別の次元であって、しかも私はそれが
道路の
建設の本分本目であるというふうに思っておりまして、そこのところをしっかりと
評価をしていただいて、
整備の優先順位等に反映していただけるようなシステムを、今も御工夫をいただいていると思いますけれども、是非ともそういうシステムの中で御
議論をいただきたいなというふうに思っております。
そういう定量的に
町づくりのてこ、通行量ということじゃなくて
町づくりのてこということで位置付けていただく中で、
建設負担の問題というのはようあるわけですけれども、それ以上に大きな公益の実現につながっているという実態が分かるんじゃないかなと。そんな中で、将来世代へのプレゼントとして、あるいは世代間のきずなを深める贈物として、
道路をもっと積極的に
評価できるんじゃないかなというふうに思っております。
逆に、
道路など
公共投資がおろそかにされると、結果として、ここ近年ありますように、
地域全体が衰退を、これは現実の問題として、幾ら知恵、工夫やれといっても、
日本全体がそういうわけにはいかぬですよ、やっぱり。それは絶対
地域の衰退ということにつながる面があるわけで、そういう
意味でも、その段階で逆に
地域対策費とか交付税を増やせとかなってくると、結果として、
政府支出全体も高く付くという面があるんじゃないかなというふうに思うわけでございまして、今こそ
道路の積極的な役割を見直していただいて、将来、逆にツケを残さないためにも、今そういう基礎的なインフラに力を入れて
投資をしていただくということが必要じゃないかなというふうに思っております。
時間もそろそろなので、結びになりますけれども、私、京都の北の方なので昨日のうちに五時間掛けて来まして、今朝車で来たんですけれども、思いましたのが、東京はもう見渡す限りビルか
道路ですね、ビルか
道路。
道路も水か空気みたいに、何かあふれているので、私自身、
道路の有り難みというのの感覚が麻痺しそうなふうに思うわけですけれども、でも他方で、この
日本の発展をここまで支えてきていただいたのは
道路だと、また鉄道。やっぱり
日本は人や効率性で来たわけですから、効率性は物流、人流、それを支えるのは鉄道、
道路、これでもう戦後支えてきていただいたんだと思うんですね。
それで、今も時に
道路を踏みにじりながら、また踏み締めながら歩いているわけですけれども、でもよくよく足下を見てみると、もうそんな御恩のいっぱい詰まった
道路があるわけでありまして、改めて
道路に対する感謝から始めないといけないんじゃないかなと。今日はそんな思いを込めて、陳述をさせていただきました。
どうもありがとうございました。